JP5330295B2 - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明で使用するA成分の熱可塑性樹脂は、基本的に限定されるものではなく、特に電子機器の筺体に用いられる熱可塑性樹脂が好ましく使用される。かかる熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂、スチレン系樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。特に好ましいものとしては、難燃化が比較的容易な変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリサルフォン樹脂およびこれらの二種以上の混合物が挙げられる。特に、ポリカーボネート樹脂を主体とする熱可塑性樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は自消性であり、溶融時の粘度が高いため、押出時の練りが強くなり、黒鉛の粒径が50μm以下となり易く、本発明の効果がより発揮されるためである。本発明のより好適な熱可塑性樹脂(A成分)は、ポリカーボネート樹脂を40重量%以上含有する熱可塑性樹脂であり、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上含有する熱可塑性樹脂である。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、ビスフェノールA成分が10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCF成分が5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
本発明でB成分として使用される熱膨張処理を施した黒鉛とは、鉱物として天然に産出される天然黒鉛、石油コークス、石油ピッチ、無定形炭素等を2000℃以上で熱処理し不規則な配列の微小黒鉛結晶の配向を人工的に行わせた人造黒鉛を、濃硫酸、濃硝酸等に浸漬し、さらに過酸化水素、塩酸等の酸化剤を添加して処理することにより黒鉛層間化合物を生成させ、次いで水洗した後800〜1000℃で急速加熱して、原料黒鉛のC軸方向に膨張させた黒鉛である。熱膨張処理を施さない黒鉛を使用した場合、樹脂中での分散性が悪く、熱伝導性や難燃性が著しく低下する。なお、熱膨張処理を施す黒鉛は、天然黒鉛が特に好ましい。
本発明でC成分として使用されるリン系難燃剤としては、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、およびホスファゼンオリゴマーなどが好適に例示される。更にリン酸エステルとしては、下記式(I)で示される化合物が好適である。
本発明のD成分である含フッ素滴下防止剤としては、フィブリル形成能を有する含フッ素ポリマーを挙げることができ、かかるポリマーとしてはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、など)、米国特許第4379910号公報に示されるような部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。中でも好ましくはポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称することがある)である。
本発明の請求項1に記載した酸性基含有有機化合物とは、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基に代表される酸性基を有する有機化合物である。上記酸性基含有有機化合物として、酸性基含有滑剤が例示され、具体例としては、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体を挙げることができる。
本発明のE成分であるリン系安定剤は、更に良好な剛性かつ熱安定性を有する熱伝導性熱可塑性樹種組成物を得るため含有することが好ましい。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。
本発明のF成分である無機充填剤は、更に良好な剛性を有する熱伝導性熱可塑性樹種組成物を得るため含有することができる。無機充填剤としては、ガラス繊維(チョップドストランド)、炭素繊維、金属被覆炭素繊維、金属繊維、ワラストナイト、ゾノトライト、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー等の繊維状充填剤、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイトフレーク等の板状充填剤、ガラス短繊維(ミルドファイバー)、異形断面ガラス繊維、炭素短繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の粒子状充填剤を挙げることができる。
(ヒンダードフェノール系安定剤)
本発明の樹脂組成物は、更にヒンダードフェノール系安定剤を含有することにより、例えば成形加工時の色相悪化や長期間の使用における色相の悪化などの効果が更に発揮される。ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、塗装などを施すことなく使用される場合がある。かかる場合には良好な耐光性を要求される場合があり、かかる場合に紫外線吸収剤の配合が効果的である。
本発明の樹脂組成物においては、上記紫外線吸収剤と更に光安定剤を併用することができる。かかる光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、およびポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤が例示される。上記光安定剤は単独であるいは2種以上の混合物を用いてもよい。光安定剤の含有量はA成分とB成分の合計100重量部に対し、0.0005〜3重量部が好ましく、0.01〜2重量部がより好ましく、0.02〜1重量部が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物には、エラストマーを本発明の効果を発揮する範囲において、少割合使用することもできる。
かかるエラストマーとしては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/ステレン/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴム等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばA成分〜D成分、および任意に他の成分をそれぞれV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行い、その後ベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する方法が挙げられる。
また、上記で得られた樹脂組成物はUL94試験において1.8mmV−0となることが好ましく、1.5mmV−0がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品は、通常そのペレットを射出成形して得ることができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形(RHCM成形、ヒートアンドクール成形やアクティブ温調成形など)、ヒートアンドヒート成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などを挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また本発明によれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物を押出成形し、各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形とすることもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の熱可塑性樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。さらに本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物をプレス成形などにより成形品とすることも可能である。
さらに本発明の成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。表面処理としては、ハードコート、撥水・撥油コート、親水性コート、帯電防止コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理を行うことができる。表面処理方法としては、液剤のコーティングの他、蒸着法、溶射法、およびメッキ法が挙げられる。蒸着法としては物理蒸着法および化学蒸着法のいずれも使用できる。物理蒸着法としては真空蒸着法、スパッタリング、およびイオンプレーティングが例示される。化学蒸着(CVD)法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、および光CVD法などが例示される。特に本発明の樹脂組成物は、ハウジング成形品に好適であることから、電磁波遮蔽用メッキが施されることが好ましく、本発明の樹脂組成物はかかるメッキ特性においても良好である。
(i)難燃性(UL94試験1.8mm)
米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法(UL94)により、試験片厚さ1.8mmにおける垂直燃焼試験を実施して評価した。なお、V−0、V−1、V−2 のいずれの判定にもあてはまらないものについてはnot Vと表記した。
(ii)熱伝導率
角板(50mm×100mm×4mmt)を下記の条件で成形し、サンプルの流動方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定した。
(iii)荷重たわみ温度
ISO規格のISO75−1および2に従って作成された厚み4mmの試験片を用い、1.80MPaの荷重で荷重たわみ温度を測定した。荷重たわみ温度は70℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90℃〜130℃であり、100℃〜120℃がさらに好ましい。荷重たわみ温度が上記範囲にあると耐熱性と溶融流動性のバランスが良好である。
(A成分)
A−1:ビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、並びにホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WX(商品名)、粘度平均分子量19,800)
(B成分)
B−1:熱膨張処理を施した膨張黒鉛(西村黒鉛(株)製:EN−250HT(商品名)、平均粒径 350μm)
B−2:熱膨張処理を施した膨張黒鉛(西村黒鉛(株)製:E40(商品名)、平均粒径 350μm)
(B成分以外)
B−3:天然黒鉛(西村黒鉛(株)製:No.5098、平均粒径 350μm)
(C成分)
C−1:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(大八化学工業(株)製:CR−741(商品名))
C−2:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)(大八化学工業(株)製:PX200(商品名))
(D成分)
D−1:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製:ポリフロンMPA FA500)
(E成分)
E:リン系安定剤(大八化学工業(株)製:TMP トリメチルホスフェート)
(F成分)
F−1:マイカ(キンセイマテック(株)製:KDM200C)
F−2:タルク((株)勝光山鉱業所製:SGA)
(その他の成分)
G:酸性基含有有機化合物(三菱化学(株)製:ダイヤカルナ)
H:離型剤(エメリーオレオケミカルズジャパン(株)製:G70S)
(ポリカーボネート樹脂組成物の製造)
A成分、C成分、D成分、および任意に他の添加剤を、表1および表2に記載された各配合量でV型ブレンダーを用いて充分に予備混合(いわゆるドライブレンド)した。その際、配合するD成分及びE成分などの単独ではブレンドし難い添加剤は、A成分の一部をドライブレンドして、パウダーで希釈された添加剤のマスターバッチを作成し、その後、A成分、C成分、および他の添加剤とのブレンドを行った。このブレンド物をベント式二軸押出機で溶融混練し、溶融混練後の組成物をペレタイザーを使用しペレット化した。なお、B成分は独立に溶融混練機に供給した。また、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融押出機への供給に液注装置を使用した。特に本発明のC成分に含まれるリン酸エステルオリゴマーは縮合度nの分布によっては固体状でなく液状となる。したがって押出機への供給に温調装置が設置されている液注装置を使用した。そのため、本発明で使用される押出機は、液体注入用の原料供給口を持つものを使用し、かかるリン酸エステルオリゴマーは、通常の押出機のバレルに設けたフィード口から、80℃の温度に加熱されたものを液体運搬装置で押出機内の吐出圧以上の圧力で供給した。ベント式二軸押出機としては、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30XSST]を用いた。また、押出条件は、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/h、およびベント減圧度3kPaとした。なお、B成分を30重量部以上含有する実施例6、比較例4および比較例7についてはシリンダー温度を300℃とし押出を行った。押出された樹脂は、ストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化した。
Claims (10)
- (A)ポリカーボネート樹脂を50重量%以上含有する熱可塑性樹脂(A成分)40〜95重量部および(B)熱膨張処理を施した黒鉛(B成分)5〜60重量部の合計100重量部に対し、(C)リン系難燃剤(C成分)2〜25重量部および(D)含フッ素滴下防止剤(D成分)0.01〜1重量部を含有し、かつ酸性基含有有機化合物を含有しない熱可塑性樹脂組成物。
- UL94試験において1.8mmV−0であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- B成分の平均粒径が0.1〜1000μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- B成分が、比容積100cc/g以上の膨張黒鉛を圧縮処理した後粉砕した黒鉛であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- A成分とB成分の合計100重量部に対し、(E)リン系安定剤(E成分)0.01〜1重量部を含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- A成分とB成分の合計100重量部に対し、(F)無機充填剤(F成分)0.1〜100重量部を含有してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 熱伝導率が0.8W/mK以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる射出成形品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるプレス成形品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる押出成形品。
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