JP5328209B2 - 基板加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板分割の起点となるクラックを発生させるための基板加工方法に関する。
従来の脆性基板切断方法は、始めに基板表面に切断のきっかけとなる溝やクラックを生成し、この部分を起点にして基板を分断する方向に応力をかけることで基板を分割している。
切断の起点となる溝やクラックの形成方法として、液晶基板などのガラス基板や半導体基板の場合、ダイヤモンドポイントなど硬質の先端部を持った冶具により基板表面をスクライビング(罫書、ケガキ)する方法が一般的である。
機械的スクライビングの代替として、下記特許文献1のように、基板を走査しながら、基板表面をレーザスポットで加熱した後、急速に冷却することで、表面に亀裂を形成する方法が提案されている。また、下記特許文献4のように、基板に吸収される波長をもつレーザ光を用いて表面を直接アブレーションし、細い溝を作る方法がある。
また、下記特許文献2のように、レーザスポットを基板内部に集光して、この集光点からクラックを進行させることにより、基板を分割する起点を生成する方法も提案されている。
特許第3370310号公報(第1頁、図1) 特許第3626442号公報 特許第3408805号公報 特開2005−271563号公報
ダイヤモンドポイント等を用いて機械的スクライブを行う方法は、基板にダイヤモンドポイントを直接接触させ、圧力をかけて移動させることにより基板表面にケガキ痕をつけるため、ダイヤモンドポイント先端が磨耗し易く、特に、硬質の脆性材料基板を加工する場合は、ダイヤモンドポイントの交換頻度が高いという問題がある。また、摩耗を極力抑えるため、ケガキ痕をつける速度もあまり高く設定することができず、生産性が上がらないという問題がある。さらに、ダイヤモンドスクライブと基板との接触点より異物が発生するため、基板の汚染対策が必要になる。
一方、特許文献1のように、レーザスポットで基板表面を加熱し、直ちに冷却を行って垂直クラックを発生させる方法は、上記の欠点を改善することが可能である。しかしながら、レーザスポットによる表面加熱の場合、基板表面から内部に熱伝導することで加熱領域が拡大する。そのため、基板表面にクラックを発生させるには、冷媒ジェット等を用いて基板表面を冷却することが不可欠であり、その結果、冷却設備およびその駆動機構、冷媒補充などの保守メンテナンスが必要になる。
さらに、表面加熱のみによる熱歪を利用するため、加熱面積が比較的大きくなる。そのため、基板表面に機能を付与した半導体ウエハなどでは、加熱による影響を避けるため、切断部分の幅を大きく確保する必要がある。このため、材料の利用効率が低くなり、最終的な製品の価格上昇をもたらす。
特許文献2では、基板内部に集光し、多光子吸収を起こして、集光点の周りにクラックを成長させ、このクラックを起点として、基板を分割する方法を提案している。従って、特許文献1のような加熱面積の大きさを懸念する必要がなく、結果として加熱面積を比較的小さくすることが可能であり、また、冷却も不要である。しかしながら、発生するクラックが、集光点を中心として放射状に発生し易くなる。そのため、基板を分割する際、望ましくない方向に延びるクラックを起点として分離が始まると、分割ラインが斜めになったり、分割面が凸凹になってしまう。その結果、製品の抗折強度がばらついたり、分割面の寸法精度が低下して、後続の製造プロセスに不具合が生ずる。
本発明の目的は、異物の発生を防止しつつ、高精度にクラックを形成することができる基板加工方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る基板加工方法は、加工光の波長に対して透明な脆性材料からなる基板に向けてパルス状の加工光を照射して、前記基板にクラックを形成するための基板加工方法であって、
前記加工光の収束位置を、前記基板表面より内側で、前記基板の厚さ中心より表面側の範囲に設定して、
前記加工光の収束位置において、前記加工光は、前記基板表面に略平行な長軸を持つ線状収束分布を有し、
前記加工光の照射により、前記基板表面に対して垂直で前記収束位置を含む面に、分解・加熱層を面状に形成することで、前記基板表面に線状クラックを発生させることを特徴とする。
本発明によれば、加工光を照射する際、加工光の収束位置を基板表面より内側で基板の厚さ中心より表面側の範囲に設定し、この収束位置において基板表面に略平行な長軸を持つ線状収束分布を有するように加工光を集光することによって、線状収束分布の長軸に沿った線状クラックを、基板表面および基板内部のいずれか一方または両方に形成することができる。従って、基板を分割する際、この線状クラックを起点として、所望の方向に延びる分割ラインで分割することが可能になり、基板分割の歩留まりが向上する。
実施の形態1.
図1aは、本発明に係る基板加工方法の一例を示す斜視図であり、図1bは、その部分拡大図である。基板1は、シリコンなどの各種半導体材料、あるいはガラスなどの各種誘電体材料などの脆性材料で形成される。脆性材料は、表面の一部にケガキラインを形成した後、引っ張り応力を印加すると、変形することなく、ケガキラインに沿って破断する性質を有する。特に、各種半導体材料は結晶基板であることが多く、結晶基板の場合へき開性を持つことが多い。半導体基板を切断する際、製品の外形に対する要求から、へき開性が良好である方向以外を、切断方向とする場合がある。
基板1の上面には、一般に、トランジスタ、キャパシタ、配線、電極等の電気的要素、あるいは導波路やプリズム等の光学的要素などからなる表面構造物2が、マトリクス状、または図1aに示す短冊状に多数配置されている。隣接する表面構造物2の間には、分離スペースを確保するためのストリート3が設けられる。
このストリート3では、一般に、基板1が露出しており、ストリート3の中心線に沿って基板分割を実施することによって、個々の表面構造物2を搭載したチップ部品が得られる。基板を分割する際、分離の起点となるクラック4は、通常、ストリート3の中心に沿ったクラック予定線5の上に形成される。なお、本発明は、表面構造物2が存在しない基板を単に分割する場合にも同様に適用可能である。
本実施形態では、基板1に向けて加工光7を照射し、基板1の表面に線状クラックを形成している。基板1として、加工光7の波長に対して透明な材料を選択した場合、通常、加工光7はそのまま基板1を通過し、光の吸収は生じない。
ところが、加工光7の電界エネルギー密度が一定値以上になると、通常の分光吸収率曲線では起こらないエネルギーの吸収が発生する。これは、一般に、多光子吸収(Multi-Photon-absorption)と呼ばれる現象である。多光子吸収によるエネルギー吸収量は、投入される光7のエネルギー密度のn乗に比例し(nは光子の数)、例えば、2光子吸収はエネルギー密度の2乗に比例し、4光子吸収はエネルギー密度の4乗に比例する。
図1aにおいて、クラック予定線5の方向をY軸とし、基板1の厚さ方向をZ軸とし、Y軸およびZ軸に直交する方向をX軸として、加工光7の主光線はZ軸に沿って進行する。加工光7は、例えば、レーザ発振器(不図示)から供給され、続いて、ビーム径整形光学系や集光光学系を通過した後、Y方向収束角より大きいX方向収束角となるように基板1のストリート3に入射する。
このとき、図1bに示すように、加工光7の収束位置9は、基板1の表面近傍、即ち、基板1の表面10より内側で、基板1の厚さ中心より表面側の範囲に設定する。さらに、収束位置9において、加工光7は、基板1の表面10に略平行な長軸を持つ線状収束分布11を有するように、集光光学系の倍率を設定している。
例えば、図1aに示すように、加工光7は、X方向スポット径に比べて格段に大きいY方向スポット径を持つ細長いスポット形状となり、基板表面から所定距離入った収束位置9において最大ピーク強度を示す最小スポットとなる。
線状収束分布11は、主光線に垂直な断面の長軸がY方向にほぼ一致しており、その光強度分布は、ガウス分布形状に限らず、矩形状など、任意の分布形状で構わない。
基板1は、XYステージなどの駆動機構に搭載されており、加工光7を照射しながら基板1をY方向に相対移動させることにより、Y方向に沿った線状スポットをクラック予定線5に沿って走査することができる。基板を移動する代わりに、加工光7を集光する集光光学系をXYステージなどの駆動機構に搭載して、加工光7自体をY方向に走査しても構わない。
次に、本発明に係るクラック発生プロセスについて説明する。加工光7の照射によって、Y方向に沿った線状スポットが基板内部の収束位置9に形成されると、高いエネルギー密度により、上述したような多光子吸収が生ずる。いったん多光子吸収が始まると、これにより基板1の材料が分解して電離し、さらにこの分離したイオンが、いまだ照射されている光電界によりさらに加速され光7のエネルギーをさらに吸収するようになる。このエネルギーが反応部分以外の材料に衝突・緩和することで、周辺領域が加熱される。
加熱されて温度が上昇した領域は、時間経過とともに、さらにその周辺に拡散していくが、同時に、加熱されている部分が熱膨張することで、加熱部分と非加熱部分にそれぞれ圧縮応力と引っ張り応力が発生する。線収束分布11を、表面近傍の収束位置9に設定した場合、表面10上に引っ張り応力が印加される。

この引っ張り応力と表面10の状態が、材料表面10の破壊靱性値以上になると、表面にクラックが発生することになる。本発明では、加熱部分が材料内部になるため、表面は常に温度が低く保たれる。このため、表面加熱の場合のように追加の冷却手段を必要とせず、簡便な方法でクラックを発生させることができる。しかも、機械的スクライブを用いたときのような異物が発生することはない。
図2aは、本発明に係る線状スポット照射による張力分布を示す斜視説明図、図2bは線状収束分布のある部分のXZ断面図である。線状収束分布11を、クラック予定線5と平行になるように基板内部の収束位置9に形成した場合、加工光7の照射直後は、加熱部分の熱膨張に起因して、基板表面が、クラック予定線5に沿った尾根を持つ細長い山脈状に盛り上がるように変形する。
こうした異方性変形により、クラック予定線5に沿った張力21に比べて、クラック予定線5に直交する張力22の方が大きくなるため、張力22に関する破断が先行して線状クラックが発生する。その結果、クラックラインは、クラック予定線5に沿って成長するようになり、他の方向に関するクラックは発生しにくい。このような力がかかると、半導体結晶基板のようなへき開性のある基板でも、へき開性の良好な方向にかかわらず、望みの方向にクラックを誘導しやすい。
また、図2bのように、実際の線状収束分布は収束位置の上下に加工光7の形状に沿って、上下に形成されている。このため、表面だけでなく基板内部にも、線状収束分布に沿った線状クラックが形成される。
図3は、比較例として、点状スポット照射による張力分布を示す説明図である。点状収束分布12を基板内部の収束位置9に形成した場合、加熱領域は収束位置9を中心とした略球状になり、加工光7の照射直後は、基板表面が丸山状に盛り上がるように変形する。
こうした等方性変形により、表面10における引っ張り応力は放射状に発生し、クラック予定線5に沿った張力21と、クラック予定線5に直交する張力22とはほぼ同じ大きさになる。その結果、クラックはどの方向にも発生する可能性があり、例えば、表面性状の異方性や傷などにより、必ずしもクラック予定線5に沿ってクラックが発生するとは限らず、直線性かつ連続性のよいクラックは得られない。また、半導体結晶基板に代表される、へき開性のある基板で、へき開容易面とは異なる方向に切断する場合は、そのへき開方向に亀裂が生じ易く、必要な方向の亀裂が生じないか、直線性かつ連続性のよいクラックにならない。
なお、上記線状収束分布11の代わりに、例えば従来例の特許文献2に開示されているように、ステージ等を用いて点状収束分布12を直線走査することによって、見かけ上、線状収束分布にする方法も考えられる。しかしながら、走査速度は、表面変形が同時に起こる程度に高速性が要求され、後述するように所定範囲をナノ秒以下で走査しなければならない。仮に、線状収束点の長軸を0.1mmとした場合、10mm/秒という高い速度でステージを移動させなければならず、事実上不可能である。
このように線状スポットが基板内部に位置するように加工光7を照射することによって、基板表面に直線性かつ連続性に優れたクラックを高精度で形成することができる。その後、基板1の裏面にブレーク刃を当接して、基板全体に曲げ応力を印加することによって、基板表面に生じた線状クラックに沿って基板を分割することができる。その結果、クラック予定線5に沿って直線性に優れた分割ラインが得られ、その分割面も平坦となって、基板分割の歩留まりを向上させることができる。
パルス状の加工光7を基板に照射すると、これにより基板表面あるいは内部に亀裂が生じる。この亀裂に次のパルスが連続して照射されると、亀裂により加工光7が散乱され、加工光7の効果が減少し、望みの方向に亀裂が進まないことがある。そのためパルスの照射間隔は、単一パルスで発生する亀裂範囲外にあることが望ましい。
以上の説明では、加工光7を基板1の表面から入射させて、基板内部の収束位置9に線状スポットを形成する例を示したが、基板1の裏面に透明な領域が存在する場合は、加工光7を基板1の裏面から入射させて、基板内部の収束位置9に線状スポットを形成することも可能である。後者の裏面照射は、表面構造物2が設けられた基板表面に充分な光透過面を確保できない場合に特に望ましい手法となる。
こうした加工光7として、レーザ光を使用することが好ましい。レーザ光の高いコヒーレンス性によって光電界を容易に高めることができ、さらに、高い単色性によて収束スポット径がより小さくなって、収束スポットの光電界がより高くなり、多光子吸収現象の発生が容易になる。
また、加工光7として、高いピーク強度を持つパルスレーザ光を使用することが好ましい。これにより、収束スポットのピーク光電界強度を高くすることができ、多光子吸収現象の発生が容易になる。
また、加工光7として、Qスイッチパルスレーザ光を使用することが好ましい。これにより、収束スポットのピーク光電界強度をより高くすることができ、多光子吸収現象の発生が容易になる。
図4は、基板の分光吸収率スペクトルの一例を示すグラフである。縦軸は、分光吸収率(%)で、横軸は、波長の逆数、即ち、光子エネルギーである。図4中の一点鎖線は、基板材料の非加熱時の分光吸収率スペクトルの一例を示し、実線は、加熱時の分光吸収率スペクトルの一例を示す。
多光子吸収による吸収は、極短時間(〜ピコ秒)に開始される。加工光7の照射時間がこれより長い場合、さらにその部分が変質加熱される以上の時間、加工光7は基板内部の収束位置9の近傍を照射し続けることになる。照射時間がナノ秒以上経過すると、多光子吸収やその後の変質より加熱された部分から周辺に熱の移動が顕著になるため、収束位置9の近傍が加熱されることになる。
加工光7の線状収束分布11において、閾値以上のエネルギー密度になった部分のみ多光子吸収が起こり、それ以外の部分は透過する。通常の分光吸収率は、図4に示すように、基板温度が上がるにつれ、光の吸収開始波長が、長波長側にシフトする傾向がある。
そのため、加工光7の波長31は、基板材料の非加熱時の分光吸収率スペクトル(一点鎖線)において、基板材料表面から加工点までの間にエネルギー密度が必要以下に減少し、加工点で多光子吸収による加熱が不可能にならない程度に分光吸収率が低く、かつ、加工後期に加熱により分光吸収率が上昇し、エネルギー吸収を効率的に行えるよう、高エネルギー側吸収帯近傍30に設定することが好ましい。こうした波長設定より、多光子吸収の発生後に、加工光7のエネルギー密度が多光子吸収の閾値以下になったとしても、引き続いて、温度上昇による分光吸収率の増加によって光エネルギー吸収が起こるため、収束点近傍をさらに効率よく加熱することができる。
次に、具体的な実施例について説明する。基板1として、厚さ1mmのソーダ硝子板を使用し、加工光7として、Nd:YVOを用いたQスイッチレーザの3倍波を使用し、パルス幅40ns、パルスエネルギー200μJのレーザ光を発生させた。集光光学系として、シリンドリカルレンズを使用し、基板内部の収束位置9に線状スポットを集光させた。その結果、基板表面のクラック予定線5に沿って直線的なクラックを基板表面および内部に発生させることができた。
また別の実施例として、半導体基板である厚さ0.1mmのGaN基板を使用し、加工光7として、透過光であるNd:YVOを用いたQスイッチレーザの2倍波を使用し、パルス幅40ns、パルスエネルギー4.2μJのレーザ光を発生させた。集光光学系として、シリンドリカルレンズを使用し、基板内部の収束位置9に線状スポットを集光させた。単一パルスにおける亀裂の範囲が、20μmであるため、パルス間隔を20μmとした。その結果、基板表面のクラック予定線5に沿って直線的なクラックを基板表面および内部に発生させることができた。
本発明に係る基板加工方法の一例を示す斜視図である。 本発明に係る基板加工方法の一例を示す部分拡大図である。 本発明に係る線状スポット照射による張力分布を示す斜視説明図である。 本発明に係る線状スポット照射による張力分布を示す断面説明図である。 比較例として、点状スポット照射による張力分布を示す説明図である。 基板の分光吸収率スペクトルの一例を示すグラフである。
符号の説明
1 基板、 2 表面構造物、 3 ストリート、 4 クラック、
5 クラック予定線、 7 加工光、 9 収束位置、 10 表面、
11 線状収束分布、 12 点状収束分布、 21,22 張力、
30 高エネルギー側吸収帯近傍、 31 波長。

Claims (9)

  1. 加工光の波長に対して透明な脆性材料からなる基板に向けてパルス状の加工光を照射して、前記基板にクラックを形成するための基板加工方法であって、
    前記加工光の収束位置を、前記基板表面より内側で、前記基板の厚さ中心より表面側の範囲に設定して、
    前記加工光の収束位置において、前記加工光は、前記基板表面に略平行な長軸を持つ線状収束分布を有し、
    前記加工光の照射により、前記基板表面に対して垂直で前記収束位置を含む面に、分解・加熱層を面状に形成することで、前記基板表面に線状クラックを発生させることを特徴とする基板加工方法。
  2. 加工光の波長に対して透明な脆性材料からなる基板に向けてパルス状の加工光を照射して、前記基板にクラックを形成するための基板加工方法であって、
    前記加工光の収束位置を、前記基板表面より内側で、前記基板の厚さ中心より表面側の範囲に設定して、
    前記加工光の収束位置において、前記加工光は、前記基板表面に略平行な長軸を持つ線状収束分布を有し、
    前記加工光の照射により、前記基板表面に対して垂直で前記収束位置を含む面に、分解・加熱層を面状に形成することで、前記面状分解・加熱層を含む面に沿い、前記分解・加熱層周辺に分布する線状クラックを発生させることを特徴とする基板加工方法。
  3. 基板はへき開性を有し、前記線状収束分布の長軸方向がへき開性の有る面と異なることを特徴とする請求項1または2記載の基板加工方法。
  4. 加工光を連続パルスで照射する際、単一パルス照射で形成される亀裂の範囲より外側に、次のパルスを照射することを特徴とする請求項1または2記載の基板加工方法。
  5. 前記基板表面には表面構造物が設けられ、前記基板の裏面から加工光を照射することを特徴とする請求項1または2記載の基板加工方法。
  6. 前記加工光は、レーザ光であることを特徴とする請求項1または2記載の基板加工方法。
  7. 前記加工光は、Qスイッチパルスレーザ光であることを特徴とする請求項6記載の基板加工方法。
  8. 前記加工光の波長は、基板材料の非加熱時の分光吸収率スペクトルにおいて、加工光の収束位置で多光子吸収により加熱可能な透過率をもち、かつ加熱時に分光吸収率が上昇する高エネルギー側吸収帯に設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板加工方法。
  9. 基板の表面及び/又は内部に線状クラックを形成した後、前記基板に曲げ応力を印加して、該線状クラックに沿って前記基板を分割することを特徴とする請求項1または2記載の基板加工方法。
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