JP5328017B2 - スパッタリングターゲット用アルミニウムの製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット用アルミニウムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に、液晶ディスプレイあるいはプラズマディスプレイの薄膜電極、薄膜配線等に用いられるスパッタリングターゲット用高純度アルミニウム板及びその製造方法に関する。
ガラス基板上に薄膜デバイスを作製する液晶ディスプレイあるいはプラズマディスプレイ、薄膜センサー等に用いる電気配線膜、電極等には従来から主に高融点金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜等の純金属膜またはそれらの合金膜が用いられていた。
そして、近年、ディスプレイの大型化、高精細化に伴い、配線膜、電極膜には信号の遅延を防止するために低抵抗化、低応力化とそれらの特性の安定化が要求されている。このため、上述の金属膜より、さらに低抵抗な高純度アルミニウム膜を用いるようになってきている。
なお、上記基板の金属膜は、基板と、薄膜を形成する際の原料となる材料であるターゲットとの間でプラズマ放電を形成し、イオン化したアルゴンがターゲットに衝突するエネルギーでターゲットを構成している原子をたたき出し、その原子を基板に堆積させて薄膜を形成する手法(スパッタリング)により形成される。
そして、基板のサイズの大型化に伴い、金属膜を形成するためのターゲットにも大型化が要求されている。従来は必要なターゲットサイズに対して2分割や3分割の大きさで製造したターゲットを貼り合わせて用いていたが、分割したターゲットではその継ぎ目から異物が発生し不良となるため、一体物のターゲットが要求されている。
また、ターゲット組織中に割れや空孔等の欠陥、すなわち空間が存在する場合には、スパッタリング時に欠陥に電荷が集中しやすくなり、異常放電によりスプラッシュという不具合が発生しやすくなる。スプラッシュとは、スパッタリング中に、ターゲットのスパッタリング面の表面の凹凸が大きい場合に、突起となった部分が数μmの大きさのアルミ粒となって基板上に落ちることをいう。
そして、上述したように、ターゲットを一体物で大型化する場合には、ターゲット中の欠陥を防ぎ難くなるため、上述のスプラッシュという不具合が発生し易くなるという問題もある。
特開平9−235666号公報 特開2001−316806号公報 特開2002−361400号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板、及びその製造方法を提供しようとするものである。
スパッタリングターゲット用のアルミニウム板であって、
該アルミニウム板は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなり、かつ、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下であり、
上記アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径が300μm以下であり、上記スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%であることを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板がある
上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板は、上記純度、含有水素量スパッタリング面の結晶粒径、及びスパッタリング面の結晶方位の占有率について、上述の条件を全て具備する。そのため、ターゲットを一体物で大型化する場合にも、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、また、上記アルミニウム板を用いて形成する金属膜を低抵抗とすることができる。
上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板は、純度が99.99質量%以上である。そのため、上記アルミニウム板を原料として形成される薄膜の低抵抗を実現することができる。
また、上記アルミニウム板は、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下である。そのため、上記アルミニウム板にポロシティ(空孔)が発生することを抑制することができ、上記アルミニウム板を用いてスパッタリングを行う際のスプラッシュの発生を抑制することができる。
また、上記アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径は300μm以下であり、結晶粒が細かい。また、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%であり、スパッタリング面の結晶方位が均等に分散され、ランダム化されている。
なお{100}面は、{100}面に対してオイラー角で±10°の範囲までは許容される。この範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。
また、{100}面は、(100)面、(010)面、(001)面等の等価な面群を括るものである。
つまり、上記アルミニウム板は、スパッタリング面の結晶方位がランダムであり、かつ、微細である。そのため、スパッタリング面における大きな凹凸の生成を防ぐことができ、表面を均一にすることができる。これにより、スパッタリング中にスプラッシュの発生を抑制することができ、また、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
なお、上記占有率とは、各々の結晶方位を有する結晶粒の面積率のことをいい、EBSPで測定される。
このようにスパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板を提供することができる。
発明は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊から圧延により最終板厚を有する板を得る圧延工程を有し、
該圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲であり、
少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法にある(請求項1)。
本発明のスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法は、上記鋳塊に対して、上記特定の条件で圧延工程を行うことにより、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板を製造することができる。
上記鋳塊は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる。
これにより、得られるスパッタリングターゲット用アルミニウム板は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなり、上述したように、本発明の製造法により得られるアルミニウム板を原料として形成される薄膜の低抵抗を実現することができる。
上記圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率(=(鋳塊板厚−圧延後板厚)/鋳塊板厚×100)が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲で行う。
これにより、得られるスパッタリングターゲット用アルミニウム板の結晶粒径の粗大化を抑制することができる。
そして、上記圧延工程において、少なくとも最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行う。200℃以上の温度にすることにより、高圧下を実現でき、再結晶粒の結晶方位のランダム化が可能となり、最も集積しやすい{100}面の占有率を30〜60%とすることができる。そして、300℃以下とし、かつ高圧下で圧延を行うことにより、結晶粒を微細化することができる。そのため、アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径を300μm以下とすることができる。
なお、上記圧延工程は、複数パスで行うことが基本であるが、1パスで行うことも可能である。1パスの場合は、最終の1パスの条件が適用されることになる。
また、100g当たりの含有水素量を0.3cm3以下とするために、必要に応じて、不活性ガスを溶湯中に吹き込む脱ガス処理等を行うことが好ましい。
つまり、本発明の製造方法おいて得られるスパッタリングターゲット用アルミニウム板は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなると共に、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下であり、スパッタリング面の結晶粒径が300μm以下であり、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%となり、上記第1の発明において記載した優れた性質を有することができる。
このように、本発明によれば、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法を提供することができる。
上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板は、上述したように、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる。
アルミニウム板の純度が99.99質量%未満の場合には、形成される金属膜の抵抗値が高くなるため、目的とする品質を得ることが困難になる。
また、上記アルミニウム板のアルミニウム100g当たりの含有水素量は0.3cm3以下である。
上記アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3を超える場合には、アルミニウム板にポロシティが発生し易くなり、スパッタリングの段階でポロシティの部位が凹凸となりスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。
また、上記アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径が300μm以下である。
上記結晶粒径とは、スパッタリング面と平行な面で、偏光光学顕微鏡組織観察を行い、ASTM E 112に従い、切断法により測定したものである。
スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超える場合には、スパッタリングの段階で、急峻な結晶粒界が発生することで凹凸が大きくなり、スプラッシュが発生し易くなるという問題がある。
また、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%である。
上記{100}面の占有率が60%を超える場合には、占有率の高い{100}面の部位が集中的にスパッタリングされて凹凸が大きくなり、スプラッシュが発生し易くなるという問題がある。一方、上記{100}面の占有率が30%未満の場合には、他の方位が優先的に発達し易くなるために、占有率の高い方位の部位が集中的にスパッタリングされて凹凸が大きくなり、スパッタリング中のスプラッシュが発生しやすくなるという問題がある。
上記{100}面の占有率は、より好ましくは45〜60%である。
また、上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板の厚さはトータルのスパッタリング時間に影響するため、厚い方が好ましい。通常は10mm以上である。
発明のスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法は、上述したように、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊から圧延により最終板厚を有する板を得る圧延工程を有する。
上記鋳塊の純度が99.99質量%未満の場合には、得られるアルミニウム板を用いて形成する薄膜の抵抗値が高くなり、ターゲットとしてアルミニウムを用いる必要性がなくなる。
そして、上記圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲で行う。
鋳塊から最終板厚にまで圧延するトータル圧下率が50%未満の場合には、アルミニウム板の結晶粒が粗大になり、スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超えるという問題がある。
また、100℃未満の圧延温度で圧延を行う場合には、変形抵抗が大きくなり、圧延し難くなるという問題がある。一方、300℃を超える圧延温度で圧延を行う場合には、結晶粒が粗大になり、スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超えてしまうという問題がある。
そして、少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行う。
最終の1パスを200℃未満の圧延温度で行う場合には、圧下率が高くなりすぎるために、高圧下を実現することが困難になるという問題がある。また、加工組織が大きく導入されることから、後述の最終焼鈍を行わない場合は、{100}面の占有率が小さくなりすぎて他の方位が優先的に発達し易くなるために、スパッタリング中のスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。また、後述する最終焼鈍を行った場合は、結晶粒が粗大になり易く、かつ{100}面の占有率も逆に大きくなり易くなってしまい、スパッタリング中のスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。一方、最終の1パスを300℃を超える圧延温度で行う場合には、結晶粒が粗大化し易く、スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超えてしまうという問題がある。
また、圧延の最終1パスの圧下率が、圧下率(%)<{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25である場合には、結晶粒が粗大化するという問題を生じる。例えば、圧延温度が200℃の場合、38.4%以上の圧下率、300℃の場合、27.4%以上の圧下率が必要となる。
また、上記製造方法は、上記圧延の後に、さらに250℃以上350℃以下の温度で焼鈍処理を行うことが好ましい(請求項2)。
この場合には、スプラッシュの要因になり易いアルミニウム板の残留歪みを除去することができる。
250℃未満で焼鈍処理を行う場合には、その効果を得ることができない。一方、350℃を超える温度で焼鈍処理を行う場合には、焼鈍処理中に結晶粒が二次再結晶してしまい、300μm以上に粗大化するという問題がある。
(実施例1)
本例は、本発明の実施例にかかるスパッタリングターゲット用アルミニウム板及びその製造方法について説明する。
本例においては、実施例としてのスパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料E1〜試料E8)、及び比較例としてのスパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料C1〜試料C10)を作製した。
本例のスパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料E1〜試料E8)は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなり、かつ、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下である。また、上記アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径が300μm以下であり、上記スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%である。
以下、これを詳説する。
上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料E1〜試料E8、及び試料C1〜試料C10)を作製するに当たっては、まず、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊を用意した。
そして、圧延工程において、上記鋳塊から、圧延により最終板厚を有する板を得た。
上記圧延工程における、上記鋳塊からのトータル圧下率、及び全てのパスの圧延温度の範囲を表1に示す。なお、試料E6、試料E8、試料C6、試料C8、及び試料C10については、圧延工程は1パスのみ行った。
また、表1には、最終から2番目のパスの、圧延温度、圧下率(A1)、{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の値(B1)、及び最終の1パスの、圧延温度、圧下率(A2)、{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の値(B2)を示す。そして、上記A1とB1の大小、及び上記A2とB2の大小についても表1に併せて示す。
表1に示すように、実施例としての試料E1〜試料E8は、圧延工程において99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊から圧延により最終板厚を有する板を得たものであり、圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲である。また、少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延が行われている。
次に、得られた試料E1〜試料E8、及び試料C1〜試料C10について、含有水素量の測定、スパッタリング面の結晶粒径の測定、結晶方位の観測を行った。結果を表2に示す。含有水素量の測定、スパッタリング面の結晶粒径の測定、結晶方位のいずれの項目も本発明の範囲内にある場合は評価○とし、範囲外である場合は評価×とした。
<含有水素量>
含有水素量は、マスフィルタを用いた昇温脱離法により水素ガスの質量分析を行い、アルミニウム100g当たりの含水素量を測定した。
<スパッタリング面の結晶粒径>
スパッタリング面の結晶粒径は、スパッタリング面に平行な面をエメリー紙で研磨後、さらに電解研磨、電解エッチングにより調整した試料について、偏光光学顕微鏡組織観察を行い、ASTM E 112に従い、切断法により測定した。
その観察結果の例として、試料E2及び試料C2のスパッタリング面を、光学顕微鏡により倍率50倍で観察した写真を図1及び図2に示す。
<結晶方位>
結晶方位は、紙顕在のスパッタリング面に平行な面をエメリー紙で研磨後、さらに電解研磨によって鏡面仕上げを行い、走査型電子顕微鏡(SEM)にセットし、SEMに取り付けたEBSP装置を用い、観察倍率を50倍にして観察した。
そして、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率を測定した。
また、上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料E1〜試料E8、及び試料C1〜試料C10)を用いてスパッタリング行った。
表2に示すように、実施例としての試料E1〜試料E8は、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下であり、アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径が300μm以下であり、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%である。
また、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲であり、最終の1パスを200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行えば、最終の2パスが、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度であるか、及び圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行うかに関わらず、所望のスパッタリングターゲット用アルミニウム板が得られることが分かる。
なお、試料E3〜試料E5、及び試料E7は、上記圧延工程の後に、さらに250℃以上350℃以下の温度で焼鈍処理が行われており、アルミニウム板の残留歪みを除去することができた。
そして、上記試料E1〜試料E8は、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、低抵抗の金属膜を形成することができた。
このように、本例によれば、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板、及びその製造方法を提供することができることがわかる。
また、比較例としての試料C1、及び試料C2は、最終の1パスが、圧下率(%)<{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の圧下率で行われたため、得られたスパッタリングターゲット用アルミニウム板の、スパッタリング面の結晶粒径が大きくなり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C3は、アルミニウム100g当たりの含有水素量が本発明の上限を上回るため、アルミニウム板にポロシティが発生し、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C4は、最終の1パスの温度が本発明の下限を下回り、かつ、圧下率(%)<{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の圧下率で行われ、最終焼鈍が行われたため、結晶粒が粗大になり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C5は、全てのパスの圧延温度及び最終の1パスの温度が本発明の上限を上回るため、結晶粒が粗大となった。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C6は、全圧下量が本発明の下限を下回るため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C7は、最終の1パスの圧下率が、圧下率(%)<{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の圧下率で行われたため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C8は、最終の1パスの温度が本発明の下限を下回り、最終焼鈍を行っているため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C9は、圧延の温度が本発明の上限を上回っているパスがあるため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C10は、最終の1パスの温度が本発明の下限を下回り、また、最終焼鈍を行っていないため、{100}面の占有率が本発明の下限を下回り、他の方位が優先的に発達した。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
実施例1における、試料E2の金属組織を示す図面代用写真。 実施例1における、試料C2の金属組織を示す図面代用写真。
符号の説明
1 スパッタリングターゲット用アルミニウム板

Claims (2)

  1. 99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊から圧延により最終板厚を有する板を得る圧延工程を有し、
    該圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲であり、
    少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法。
  2. 請求項1において、上記圧延の後に、さらに250℃以上350℃以下の温度で焼鈍処理を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法。
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