JP5328017B2 - スパッタリングターゲット用アルミニウムの製造方法 - Google Patents
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Description
そして、上述したように、ターゲットを一体物で大型化する場合には、ターゲット中の欠陥を防ぎ難くなるため、上述のスプラッシュという不具合が発生し易くなるという問題もある。
該アルミニウム板は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなり、かつ、アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3以下であり、
上記アルミニウム板のスパッタリング面の結晶粒径が300μm以下であり、上記スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率が30〜60%であることを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板がある。
なお、{100}面は、{100}面に対してオイラー角で±10°の範囲までは許容される。この範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。
また、{100}面は、(100)面、(010)面、(001)面等の等価な面群を括るものである。
なお、上記占有率とは、各々の結晶方位を有する結晶粒の面積率のことをいい、EBSPで測定される。
該圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲であり、
少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法にある(請求項1)。
これにより、得られるスパッタリングターゲット用アルミニウム板は、99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなり、上述したように、本発明の製造法により得られるアルミニウム板を原料として形成される薄膜の低抵抗を実現することができる。
これにより、得られるスパッタリングターゲット用アルミニウム板の結晶粒径の粗大化を抑制することができる。
このように、本発明によれば、スパッタリング中のスプラッシュの発生を抑制することができ、形成する金属膜を低抵抗とすることができるスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法を提供することができる。
アルミニウム板の純度が99.99質量%未満の場合には、形成される金属膜の抵抗値が高くなるため、目的とする品質を得ることが困難になる。
上記アルミニウム100g当たりの含有水素量が0.3cm3を超える場合には、アルミニウム板にポロシティが発生し易くなり、スパッタリングの段階でポロシティの部位が凹凸となりスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。
上記結晶粒径とは、スパッタリング面と平行な面で、偏光光学顕微鏡組織観察を行い、ASTM E 112に従い、切断法により測定したものである。
スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超える場合には、スパッタリングの段階で、急峻な結晶粒界が発生することで凹凸が大きくなり、スプラッシュが発生し易くなるという問題がある。
上記{100}面の占有率が60%を超える場合には、占有率の高い{100}面の部位が集中的にスパッタリングされて凹凸が大きくなり、スプラッシュが発生し易くなるという問題がある。一方、上記{100}面の占有率が30%未満の場合には、他の方位が優先的に発達し易くなるために、占有率の高い方位の部位が集中的にスパッタリングされて凹凸が大きくなり、スパッタリング中のスプラッシュが発生しやすくなるという問題がある。
上記{100}面の占有率は、より好ましくは45〜60%である。
また、上記スパッタリングターゲット用アルミニウム板の厚さはトータルのスパッタリング時間に影響するため、厚い方が好ましい。通常は10mm以上である。
上記鋳塊の純度が99.99質量%未満の場合には、得られるアルミニウム板を用いて形成する薄膜の抵抗値が高くなり、ターゲットとしてアルミニウムを用いる必要性がなくなる。
鋳塊から最終板厚にまで圧延するトータル圧下率が50%未満の場合には、アルミニウム板の結晶粒が粗大になり、スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超えるという問題がある。
最終の1パスを200℃未満の圧延温度で行う場合には、圧下率が高くなりすぎるために、高圧下を実現することが困難になるという問題がある。また、加工組織が大きく導入されることから、後述の最終焼鈍を行わない場合は、{100}面の占有率が小さくなりすぎて他の方位が優先的に発達し易くなるために、スパッタリング中のスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。また、後述する最終焼鈍を行った場合は、結晶粒が粗大になり易く、かつ{100}面の占有率も逆に大きくなり易くなってしまい、スパッタリング中のスプラッシュが発生し易くなるという問題がある。一方、最終の1パスを300℃を超える圧延温度で行う場合には、結晶粒が粗大化し易く、スパッタリング面の結晶粒径が300μmを超えてしまうという問題がある。
この場合には、スプラッシュの要因になり易いアルミニウム板の残留歪みを除去することができる。
250℃未満で焼鈍処理を行う場合には、その効果を得ることができない。一方、350℃を超える温度で焼鈍処理を行う場合には、焼鈍処理中に結晶粒が二次再結晶してしまい、300μm以上に粗大化するという問題がある。
本例は、本発明の実施例にかかるスパッタリングターゲット用アルミニウム板及びその製造方法について説明する。
本例においては、実施例としてのスパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料E1〜試料E8)、及び比較例としてのスパッタリングターゲット用アルミニウム板(試料C1〜試料C10)を作製した。
以下、これを詳説する。
そして、圧延工程において、上記鋳塊から、圧延により最終板厚を有する板を得た。
上記圧延工程における、上記鋳塊からのトータル圧下率、及び全てのパスの圧延温度の範囲を表1に示す。なお、試料E6、試料E8、試料C6、試料C8、及び試料C10については、圧延工程は1パスのみ行った。
含有水素量は、マスフィルタを用いた昇温脱離法により水素ガスの質量分析を行い、アルミニウム100g当たりの含水素量を測定した。
スパッタリング面の結晶粒径は、スパッタリング面に平行な面をエメリー紙で研磨後、さらに電解研磨、電解エッチングにより調整した試料について、偏光光学顕微鏡組織観察を行い、ASTM E 112に従い、切断法により測定した。
その観察結果の例として、試料E2及び試料C2のスパッタリング面を、光学顕微鏡により倍率50倍で観察した写真を図1及び図2に示す。
結晶方位は、紙顕在のスパッタリング面に平行な面をエメリー紙で研磨後、さらに電解研磨によって鏡面仕上げを行い、走査型電子顕微鏡(SEM)にセットし、SEMに取り付けたEBSP装置を用い、観察倍率を50倍にして観察した。
そして、スパッタリング面の結晶方位のうち{100}面の占有率を測定した。
なお、試料E3〜試料E5、及び試料E7は、上記圧延工程の後に、さらに250℃以上350℃以下の温度で焼鈍処理が行われており、アルミニウム板の残留歪みを除去することができた。
また、比較例としての試料C3は、アルミニウム100g当たりの含有水素量が本発明の上限を上回るため、アルミニウム板にポロシティが発生し、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C5は、全てのパスの圧延温度及び最終の1パスの温度が本発明の上限を上回るため、結晶粒が粗大となった。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C7は、最終の1パスの圧下率が、圧下率(%)<{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の圧下率で行われたため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
また、比較例としての試料C9は、圧延の温度が本発明の上限を上回っているパスがあるため、結晶粒が粗大となり、かつ{100}面の占有率が本発明の上限を上回った。そして、スパッタリング中にスプラッシュが発生した。
Claims (2)
- 99.99質量%以上の高純度アルミニウムよりなる鋳塊から圧延により最終板厚を有する板を得る圧延工程を有し、
該圧延工程は、上記鋳塊からのトータル圧下率が50%以上で、全てのパスの圧延温度は100℃以上300℃以下の範囲であり、
少なくとも、最終の1パスについては、200℃以上300℃以下の範囲の圧延温度で、かつ、圧下率(%)≧{30000/(圧延温度(℃)+273)}−25の関係式を満たす圧下率で圧延を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法。 - 請求項1において、上記圧延の後に、さらに250℃以上350℃以下の温度で焼鈍処理を行うことを特徴とするスパッタリングターゲット用アルミニウム板の製造方法。
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