JP5327727B2 - トイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、トイレ装置に関する。
大便器あるいは小便器のボウル面を洗浄水で洗浄した後にボウル面に残った残水が蒸発してボウル面が乾燥すると、水垢がボウル面に付着することがある。水垢がボウル面に付着すると、ボウル面が汚れてしまう。また、水垢はボウル面に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。そのため、水垢の生成を抑制する技術、あるいは、水垢がボウル面に付着した場合でもその水垢を容易に除去できる技術が求められている。さらに、ケイ酸成分の水垢は、カルシウム成分やマグネシウム成分などの水垢よりも強固に便器の釉薬表面に固着する。そのため、ケイ酸成分の水垢を容易に除去できる技術が切望されている。
ここで、水垢成分となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどを予め除く衛生洗浄装置がある(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載された衛生洗浄装置では、装置が大掛かりになるという問題がある。
また、pH4〜6の水素イオン濃度を有する殺菌生上水を生成し、殺菌生上水を被洗浄物体に供給する殺菌生上水供給式洗浄用住設機器がある(特許文献2)。また、洗浄操作がなされ所定時間が経過した後に、機能水をボウル部へ吐水する水洗式大便器がある(特許文献3)。しかし、特許文献2および特許文献3には、ケイ酸成分の水垢に関する記載はなく、水垢の生成を抑制する点、あるいは水垢を容易に除去する点においては改善の余地がある。
特開2004−270185号公報 特開平7−136660号公報 特開2004−92278号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、水垢の生成を抑制することができる、あるいは水垢を容易に除去することができるトイレ装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便器のボウルの表面を洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段に洗浄水を供給する給水手段と、前記ボウルの洗浄の後に前記ボウルの表面に残った洗浄水中のケイ酸成分の重合を抑制するケイ酸成分重合抑制剤としての酸性水を前記ボウルの表面に残った洗浄水に添加するケイ酸成分重合抑制手段と、前記ボウルの表面が洗浄された後前記ボウルの表面が乾燥する前に前記ケイ酸成分重合抑制手段の動作を開始させ前記ボウルの表面に残った洗浄水に前記酸性水を添加することにより前記ケイ酸成分の重合を抑制する制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とするトイレ装置である。
ボウルの表面に強固に付着する水垢は、ボウルの表面に残った残水中のケイ酸成分が重合することで形成される。この発明によれば、ボウルの表面が乾燥する前に、ボウルの表面に残った洗浄水にケイ酸成分重合抑制剤を添加することができる。これにより、ケイ酸成分の重合を抑制し、水垢の生成を抑制することができる。また、これにより、簡単な清掃で水垢を剥離(除去)できる。
このトイレ装置によれば、残水中のケイ酸成分の重合の進行を抑制することができる。すなわち、ケイ酸が重合しない状態で残水が蒸発しボウルの表面が乾燥すると、中性領域では、コーヒーステイン現象が起きる。その過程で、ケイ酸の重合化が進行する。一方、酸性領域では、コーヒーステイン現象は起きない。すると、溶媒が中央方向に流動し、且つケイ酸が重合しない状態となる。これにより、残水中のケイ酸成分の重合の進行を抑制し、水垢の生成を抑制できる。また、生成した水垢を容易に除去できる。
また、第の発明は、第の発明において、前記酸性水は、金属イオンを含むことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、金属イオンは、酸性水に添加されると、生成した水垢においてケイ酸(SiO)分子の間に介在する。そして、洗浄等により水が供給されると金属イオンが溶出する。すると、ケイ酸凝集体をより脆弱化させ、水垢を容易に除去できるようになる。
また、第の発明は、第または第の発明において、前記酸性水の酸性度は、pH2.5〜5.0であることを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、酸性水の酸性度がpH2.5〜5.0であるため、水を電解する電解槽により酸性水の生成が可能である。そのため、例えば薬剤の補充等のメンテナンスが不要となる。また、酸性度がpH2.5〜5.0の酸性水は、ボウルの表面に残った残水の酸性度を例えば約pH2.5〜5.0程度に調整することができる。
また、第の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記ボウルの表面に光触媒層が形成されたことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、ボウルの表面に光触媒層が形成されているため、ボウルの表面に紫外線を照射すると、光触媒は、励起して酸化還元反応を生ずる。その結果、雑菌や細菌や臭気物質などの有機物を分解する分解作用と、表面が水に濡れやすい親水作用と、を得ることができる。光触媒層が形成されたボウルは、汚物の付着を抑制したり、汚物を分解したり、付着した水垢を容易に除去できるため、便器の清掃負担を軽減し、きれいな便器を維持することができる。また、ボウルの表面に残った洗浄水にケイ酸成分重合抑制剤を添加することで水垢を容易に除去できるため、紫外線が水垢の下の光触媒層に照射されなくなることを抑制できる。これにより、光触媒の活性が低下することを抑制することができる。
本発明の態様によれば、水垢の生成を抑制することができる、あるいは水垢を容易に除去することができるトイレ装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す断面模式図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の洗浄動作の一例を例示するグラフ図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態の電解槽および金属イオン水生成部を例示する断面模式図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。 本実施形態にかかるトイレ装置の動作の変形例を例示するタイミングチャートである。 本実施形態にかかるトイレ装置の動作の他の変形例を例示するタイミングチャートである。 水道水および酸性電解水の水質分析結果を表す表である。 本実験における水垢除去性の評価結果の一例を例示する表である。 本実験における水垢除去性の評価結果の一例を例示する表である。 本実験における水垢除去性の評価結果の一例を例示する表である。 本実験における水垢除去性の評価結果の一例を例示する表である。 紫外線の照射の有無による水垢生成の比較表である。 本実験条件を説明するための模式図である。 本実験条件を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す断面模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかるトイレ装置の洗浄動作の一例を例示するグラフ図である。
図1に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800の上に設けられた衛生洗浄装置100を有する。便器800は、ボウル801を有する。便器800には、ボウル801の表面を洗浄する洗浄手段が設けられている。また、便器800には、トラップ803と、ボウル給水口811と、トラップ給水口813と、が設けられている。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。なお、便蓋300は、必ずしも設けられていなくともよい。
ケーシング400の内部には、洗浄水を供給する洗浄水供給装置(給水手段)401が設けられている。また、例えばケーシング400の下部には、便器800のボウル801の表面に上水やケイ酸成分重合抑制剤などを噴霧する噴霧ノズル(噴霧部)481と、ボウル801に紫外線(UV:ultraviolet)を照射するUV光源483と、が設けられている。噴霧ノズル481およびUV光源483は、ケーシング400の内部に設けられていてもよいし、ケーシング400の外部に付設されていてもよい。
なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。また、ケイ酸成分重合抑制剤については、後に詳述する。
図2に表したように、使用者が便器洗浄の操作を行うと、あるいは使用者が便座200から立ち上がって所定時間が経過することで便器洗浄が自動的に実行されると、ボウル給水口811からボウル801へ供給される洗浄水の瞬間流量が増加する。例えば、ボウル給水口811は、ボウル801の上縁に沿って洗浄水を吐出する(リム吐水)。
続いて、所定時間が経過すると、ボウル給水口811から吐出される洗浄水の瞬間流量は減少する一方で、トラップ給水口813からトラップ803へ供給される洗浄水の瞬間流量が増加する。例えば、トラップ給水口813は、トラップ803に向けて洗浄水を吐出する(ジェット吐水)。
このようなリム吐水およびジェット吐水により、ボウル801に吐出された洗浄水は、ボウル801の洗浄を行いつつトラップ803に満たされる。これにより、サイホンが発生する。そして、トラップ803に吐出された洗浄水は、溜水805の中にある汚物などを、トラップ803を通して外へ排出する。
続いて、所定時間が経過すると、トラップ給水口813からトラップ803へ供給される洗浄水の瞬間流量が減少する一方で、ボウル給水口811からボウル801へ供給される洗浄水の瞬間流量が増加する。これにより、溜水805が確保される。
なお、前述した洗浄動作は、本実施形態にかかるトイレ装置の洗浄動作の一例であり、これだけに限定されるわけではない。
ここで、前述した洗浄動作が終了した後にボウル801に残った残水が蒸発してボウル801の表面が乾燥すると、水垢がボウル801に付着することがある。通常、残水中の水分が蒸発する過程でケイ酸濃度が増加すると、ケイ酸の重合が促進される。これにより、コーヒーステイン現象(液滴中の溶媒の蒸発によって溶質が液滴の外郭へ流動しリング状に堆積する現象)が起き、強固な水垢が形成される。水垢がボウル801に付着すると、ボウル801が汚れてしまう。また、水垢はボウル801に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。
これに対して、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801の表面が乾燥する前にケイ酸成分重合抑制剤をボウル801の表面へ噴霧するケイ酸成分重合抑制手段を備える。ケイ酸成分重合抑制剤は、例えば金属イオンを含む酸性度の高い水溶液(酸性水)である。つまり、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801に残った残水を、金属イオンを含む酸性度の高い水溶液に置き換える。あるいは、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801に残った残水に酸性度の高い水溶液又は金属イオンを含む酸性度の高い水溶液を添加する。これによれば、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
これらの効果が得られる理由は、以下の如くである。但し、これは、本発明者らが得た知見に基づく仮定あるいは仮説であり、本実施形態においてはこれに限定されるわけではない。
残水の酸性度を高くすると、残水中のケイ酸の重合の進行を抑制することができる。すると、水分が蒸発する過程で溶質濃度が増加してもコーヒーステイン現象が起こらず、溶媒が中央方向に流動する現象が観察された。そして、生成した水垢と基材との密着力は小さく、水垢を剥離し易いことが確認された。また、水垢の生成が抑制され、さらに生成した水垢を容易に除去できるという効果は、ケイ酸成分の水垢だけではなく、カルシウムイオン成分またはマグネシウムイオン成分の水垢に対しても得られる。
酸性水の酸性度は、例えば約pH2.5〜5.0程度である。この範囲の酸性度を有する酸性水であれば、水を電解する電解槽(例えば図3参照)により酸性水の生成が可能である。そのため、例えば薬剤の補充等のメンテナンスが不要となる。また、酸性度が約pH2.5〜5.0程度の金属イオンを含む酸性水は、残水の酸性度を例えば約pH2.5〜5.0(好ましくはpH2.0〜5.0)程度に調整することができる。なお、酸性度としては、pH1.5〜5.5の範囲で調整できればよい。これによれば、ケイ酸の重合が抑制され、その結果、水垢の生成を抑制でき、さらに生成した水垢を容易に除去することができる。高い酸性度の水中に溶存するSiOは、モノマーまたはダイマーのような重合度の低い状態で主に存在するため、水分が蒸発しても重合が抑制されるものと考えられる。一方、酸性度がpH1.5よりも小さい水溶液および酸性度がpH5.5よりも大きい水溶液の中では、モノマーまたはダイマーの存在率は低い。つまり、ケイ酸は高分子化しているものと考えられる。
また、酸性水に金属イオンを添加する場合において、酸性水に含まれる金属イオンは、例えば、アルミニウムイオン(Al3+)や銅イオン(Cu2+)などである。このような金属イオンは、酸性水に添加されると、生成した水垢においてケイ酸(SiO)分子の間に介在する。そして、洗浄等により水が供給されると金属イオンが溶出する。すると、ケイ酸凝集体をより脆弱化させ、水垢を容易に除去できるようになると考えられる。金属イオンの添加量は、残水に対し0.1ppm程度とされ、好ましくは1.0〜5.0ppm程度である。
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10について、図面を参照しつつさらに説明する。
図3は、本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
また、図4は、本実施形態の電解槽および金属イオン水生成部を例示する断面模式図である。
なお、図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。また、図4(a)は、本実施形態の電解槽を例示する。図4(b)は、本実施形態の金属イオン水生成部を例示する。
図3に表したように、本実施形態にかかるトイレ装置10が備える衛生洗浄装置100は、給水手段401から供給された水をおしり洗浄ノズル439や噴霧ノズル481に導く主流路23を有する。主流路23の上流側には、バルブ413および熱交換器ユニット415が設けられている。バルブ413は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御部411からの指令に基づいて水の供給を制御する。熱交換器ユニット415は、図示しない温水ヒータを有し、供給された水を加熱して所定の温水にする。
バルブ413および熱交換器ユニット415の下流には、第1の流路切替弁417が設けられている。第1の流路切替弁417は、おしり洗浄ノズル439や噴霧ノズル481への給水の開閉や切替を行う。主流路23は、第1の流路切替弁417により、おしり洗浄ノズル439へ洗浄水などを導く第1の流路25と、噴霧ノズル481へ洗浄水やケイ酸成分重合抑制剤などを導く第2の流路27と、に分岐される。
第2の流路27の上流側には、電解槽(ケイ酸成分重合抑制手段)420が設けられている。電解槽420は、酸性水およびアルカリ水を生成することができる。ここで、電解槽420について、図面を参照しつつさらに説明する。
図4(a)に表したように、本実施形態の電解槽420は、その内部に陽極板424および陰極板425を有し、制御部411からの通電の制御によって、陽極板424と、陰極板425と、の間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解できる。この際、陰極板425においては酸(H)が消費され、陰極板425の近傍ではpHが上昇する。すなわち、陰極板425の近傍では、アルカリ水が生成される。一方、陽極板424においてはアルカリ(OH)が消費され、陽極板424の近傍ではpHが下降する。すなわち、陽極板424の近傍では、酸性水が生成される。
図3に戻って説明すると、電解槽420において生成された酸性水およびアルカリ水は、電解槽420の下流に設けられた第2の流路切替弁431へ互いに異なる流路でそれぞれ導かれる。第2の流路切替弁431は、電解槽420から供給された酸性水を、第2の流路切替弁431の下流に設けられた金属イオン水生成部(ケイ酸成分重合抑制手段)440へ導く。一方、第2の流路切替弁417は、電解槽420から供給されたアルカリ水を排水として下水へ流す。あるいは、第2の流路切替弁417は、本実施形態の水垢抑制効果を阻害しない範囲内において電解槽420から供給されたアルカリ水を便器800へ流してもよい。なお、ケイ酸成分重合抑制剤として、酸性水のみを利用する場合(金属イオンを含まない酸性水を利用する場合)には、後述する金属(アルミニウム)を除けばよい。
電解槽420において炭酸カルシウムなどのスケールが生成されることを抑制するため、制御部511は、陽極板424および陰極板425を切り替える極性反転(ポールチェンジ(PC))を行うことがある。すると、第2の流路切替弁431が設けられていない場合には、酸性水およびアルカリ水をそれぞれ導く流路が互いに入れ替わり、アルカリ水が金属イオン水生成部へ導かれてしまう。そのため、第2の流路切替弁431は、電解槽420において極性反転が行われた場合に、流路を切り替えて酸性水を金属イオン水生成部へ導く機能を有する。
ここで、金属イオン水生成部440について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、金属イオン水生成部440において溶解する金属イオンがアルミニウムイオン(Al3+)である場合を例に挙げて説明する。
図4(b)に表したように、本実施形態の金属イオン水生成部440は、タンク441と、タンク441内に設置されたアルミニウム443と、を有する。電解槽420から第2の流路切替弁431を介して供給された酸性水は、タンク441内に貯留される。そして、タンク441内に設置されたアルミニウム443は、タンク441内に貯留された酸性水により浸漬された状態となっている。
すると、酸性水に浸漬されたアルミニウム443は、例えば約1〜2時間かけて溶解(徐溶)する。これにより、タンク441内の酸性水は、アルミニウムイオンを含む酸性水となる。つまり、金属イオン水生成部440において、金属イオン(本実施形態ではAl3+)を含む酸性度の高い水溶液が生成される。
図3に戻って説明すると、金属イオン水生成部440において生成されたアルミニウムイオンを含む酸性水は、噴霧用ポンプ(ケイ酸成分重合抑制手段)432により吸い上げられバキュームブレーカ(VB)433を介して流量調整弁437へ導かれる。流量調整弁437は、水勢(流量)の調整を行うとともに酸性水の供給先を噴霧ノズル481に設定し、その酸性水を噴霧ノズル481へ導く。噴霧ノズル481は、流量調整弁437から供給された酸性水をボウル801へ噴霧する。
一方、第1の流路切替弁417において第1の流路25へ導かれた洗浄水は、電磁ポンプ435および流量調整弁437を介しておしり洗浄ノズル439へ導かれる。そして、洗浄水は、おしり洗浄ノズル439に設けられた図示しない吐水口から便座200に着座した使用者の「おしり」などへ向かって噴射される。
また、図3に表したように、本実施形態の衛生洗浄装置100は、入室検知センサ(人体検知センサA)451と、人体検知センサ(人体検知センサB)453と、着座検知センサ455と、便蓋開閉検知センサ457と、を有する。
入室検知センサ451は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ451は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ451としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
人体検知センサ453は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ453は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ453としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
着座検知センサ455は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ455は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ455としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
便蓋開閉検知センサ457は、便蓋300の開閉状態を検知することができる。便蓋開閉検知センサ457としては、例えば、ホールICと磁石との組み合わせ、またはマイクロスイッチなどを用いることができる。
制御部411は、入室検知センサ451や、人体検知センサ453や、着座検知センサ455や、便蓋開閉検知センサ457などからの信号に基づいて、電解槽420や、噴霧用ポンプ432や、流量調整弁437などの動作を制御することができる。
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
まず、入室検知センサ(人体検知センサA)451がトイレ室に入室した使用者を検出する前においては、UV光源483が定期的に所定時間だけ紫外線をボウル801に照射する(タイミングt1以前)。これは、ボウル801の表面に光触媒層が形成されている場合において、光触媒を活性化させるため、あるいは光触媒の活性を維持するためである。本願明細書において、「光触媒」とは、光を照射すると、酸化作用および還元作用の少なくともいずれかが促進されるものをいう。あるいは、「光触媒」とは、光を照射すると、親水性が向上するものをいう。
「光触媒」の材料としては、例えば、金属の酸化物を用いることができる。そのような酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiOx)、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化スズ(SnOx)などを挙げることができる。これらのうちでも、特に、酸化チタンは、光触媒として活性であり、また、安定性や安全性などの点でも優れる。
光触媒は、紫外線を照射されると、励起して酸化還元反応を生ずる。その結果、雑菌や細菌や臭気物質などの有機物を分解する分解作用と、表面が水に濡れやすい親水作用と、を得ることができる。光触媒層が形成されたボウル801は、汚物の付着を抑制したり、汚物を分解したり、付着した水垢を容易に除去できるため、便器800の清掃負担を軽減し、きれいな便器800を維持することができる。
なお、本願明細書において、「紫外線」とは、可視光線よりも波長が短く、軟X線よりも波長が長い光をいう。具体的には、波長が10ナノメートル〜400ナノメートルの光をいう。
続いて、入室検知センサ451がトイレ室に入室した使用者を検知すると、便蓋300が開き、バルブ413が開き、第1の流路切替弁417が第2の流路27の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が金属イオン水生成部440の側に切り替えられる(タイミングt1)。また、金属イオン水生成部440のタンク441から洗浄水(上水)あるいは酸性水を吸い上げる噴霧用ポンプ432の動作が開始する(タイミングt1)。これにより、上水がボウル801の表面に噴霧される。このように、使用者が便器800を使用する前に、ボウル801の表面を濡らすことで、ボウル801の表面に付着する汚物を軽減させることができる。
なお、図5に表した「電解槽」の欄の破線のように、入室検知センサ451がトイレ室に入室した使用者を検出したときに、電解槽420への通電が開始され、酸性水が生成されてもよい(タイミングt1)。この場合には、酸性水(あるいは金属イオンを含む酸性水)がボウル801の表面に噴霧される。これによれば、ボウル801の表面に付着する汚物や水垢をさらに軽減させることができる。
続いて、人体検知センサ(人体検知センサB)453が便器800の前方にいる使用者を検知すると、バルブ413が閉じ、第1の流路切替弁417が第1の流路25の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が排水側に切り替えられる(タイミングt2)。続いて、着座検知センサ455が使用者の便座200からの離座を検知して(タイミングt3)から例えば約5秒程度が経過すると、便器洗浄が開始される(タイミングt5)。便器洗浄の動作は、例えば図2に関して前述した如くである。
続いて、便器洗浄が終了して(タイミングt6)から所定時間Tが経過すると、バルブ413が開き、第1の流路切替弁417が第2の流路27の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が金属イオン水生成部440の側に切り替えられる(タイミングt7)。また、電解槽420への通電が開始され、噴霧用ポンプ432の動作が開始する(タイミングt7)。これにより、金属イオンを含む酸性水がボウル801の表面に噴霧される。
便器洗浄が終了して(タイミングt6)から金属イオンを含む酸性水がボウル801の表面に噴霧される(タイミングt7)までの所定時間Tは、ボウル801の表面が乾燥しない時間、具体的には、例えば約30秒〜30分程度である。本発明者らが得た知見によれば、便器洗浄が終了してから約30分程度の時間の一例は、表面に釉薬層が形成された便器のボウルの表面が乾燥し始める時間である。これによれば、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
このように、本具体例では、着座検知センサ455が使用者の便座200からの離座を検知し(タイミングt3)、且つ便器洗浄が終了して(タイミングt6)から所定時間Tが経過したとき(タイミングt7)に、金属イオンを含む酸性水がボウル801の表面に噴霧される。これにより、使用者が便座200に着座しているときに、金属イオンを含む酸性水が噴霧され使用者の臀部にかかることを回避できる。
続いて、人体検知センサ453が便器800の前方にいる使用者を検知しなくなって(タイミングt4)から例えば約90秒程度が経過すると、便蓋300が閉じ、UV光源483が定期的に所定時間だけ紫外線をボウル801に照射する(タイミングt8以降)。このように、本具体例では、金属イオンを含む酸性水の噴霧が開始された(タイミングt7)後に、UV光源483からの紫外線の照射を開始する(タイミングt8)。これによれば、光触媒の活性が低下することを抑制することができる。
すなわち、本発明者らの得た知見によれば、光触媒層の表面に水垢が形成されると、紫外線が水垢の下の光触媒層に照射されない。そのため、光触媒の活性が著しく低下する場合がある。また、上水の水膜が形成されている状態で、その水膜に紫外線が照射されると、ケイ酸の重合が促進される。そのため、光触媒層と強固に固着する水垢が形成される。これについては、後に詳述する。これにより、その部位の光触媒の活性が著しく低下し、復元不能な場合がある。これに対して、本具体例では、金属イオンを含む酸性水の噴霧が開始された後にUV光源483からの紫外線の照射を開始するため、ケイ酸成分の重合を抑制することができる。
なお、紫外線の照射のタイミングは、金属イオンを含む酸性水の噴霧のタイミングと重なっていてもよい。具体的には、金属イオンを含む酸性水の噴霧中に、紫外線の照射が開始されてもよい。また、水垢の生成を抑制できる範囲内であれば、紫外線の照射中に、金属イオンを含む酸性水の噴霧が開始されてもよい。
また、本具体例では、便器800のボウル801の表面に光触媒層が形成されたトイレ装置の例を示したが、ボウル801の表面に光触媒層が形成されていない場合には、紫外線の照射は不要となる。
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10の動作の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の変形例を例示するタイミングチャートである。
また、図7は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の他の変形例を例示するタイミングチャートである。
図6に表したタイミングチャートの変形例は、使用者が大便の***行為を行う場合の例である。図7に表したタイミングチャートの変形例は、使用者が小便の***行為あるいはトイレの清掃行為を行う場合の例である。そのため、図6に表したタイミングチャートでは、着座検知センサ455が便座200に着座した使用者を検知している一方で、図7に表したタイミングチャートでは、着座検知センサ455は便座200に着座した使用者を検知していない。
図6および図7に表した変形例では、入室検知センサ451が使用者を検知しなくなった(タイミングt12)後、且つ便器洗浄が終了して(タイミングt11)から所定時間Tが経過したときに、水垢抑制手段(電解槽420、噴霧用ポンプ432)の動作が開始する(タイミングt13)。所定時間Tについては、図5に関して前述した如くである。このように、金属イオンを含む酸性水の噴霧は、使用者あるいは清掃者がトイレ室から退室した後に行われてもよい。これによれば、金属イオンを含む酸性水が人体にかかることをより確実に回避できる。
図5〜図7に関して前述した具体例では、便器洗浄が終了してから所定時間Tが経過したときに酸性水の噴霧が開始される。これは、既存の便器800に衛生洗浄装置100を後付けするタイプの衛生洗浄装置の場合でも、便器洗浄の終了を検知することで実現可能である。また、酸性水の噴霧の開始のタイミングは、これだけに限定されるわけではない。例えば、着座検知センサ455が使用者の便座200からの離座を検知してから所定時間Tや、人体検知センサ453が便器800の前方にいる使用者を検知しなくなってから所定時間Tや、入室検知センサ451が使用者を検知しなくなってから所定時間Tや、便蓋開閉検知センサ457が便蓋300の閉止を検知してから所定時間Tや、バルブ413が閉じてから所定時間Tや、溜水が確保されてから所定時間Tなどが経過したときに酸性水の噴霧が開始されもよい。
次に、本発明者らが行った実験について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、水道水および酸性電解水の水質分析結果を表す表である。
また、図9〜図12は、本実験における水垢除去性の評価結果の一例を例示する表である。
以下の実施例では、表面に釉薬層を形成したタイル(5cm×5cm)、および下記に記載するpH調整水を試験液として用い、また対照として酸性電解水を用いて評価した。また、以下の実施例において行った摺動試験は以下の通りとした。
通常の水道水に硝酸(試薬特級 和光純薬工業株式会社製)を添加し、pHを1〜6に調整した溶液をpH調整水とした。用いた水道水の水質分析結果を図8に示す。また、下記の組成の酸性電解水は電解水生成装置(TEK511 TOTO株式会社製)で作製した。
硝酸アルミニウム九水和物または硝酸銅六水和物(全て試薬特級 和光純薬工業株式会社製)を水道水に溶解し、各金属イオンが1000ppmになるように調整した溶液を金属イオン原液とした。この金属イオン原液を、pH調整水(pH1〜6)で希釈し、金属イオン濃度(0.1,0.5,1,5,10ppm)とpH(pH1〜6)を各々調整した溶液を金属イオン添加pH調整水とした。
摺動試験については、ラビングテスター(太平理化工業株式会社製)を使用して、以下の方法で行う。不織布スポンジであるスコッチブライト(登録商標)(SS−72K 住友3M株式会社製)を2.24cm角に切断したものを、両面テープを用いて不織布の部分が摺動面に当たるようにヘッドに接着したあと、蒸留水で濡らした。水垢付着部をデジタルマイクロスコープ(VHX―900 株式会社キーエンス製)を用いて、倍率100倍で観察を行った。次いで、250gの錘を載せて(荷重条件:4.9kPa)10回数摺動し、上記と同じ条件でデジタルマイクロスコープを使用して観察を行い、水垢が除去されているかを判断した。なお、荷重条件:4.9kPaでの10回数の摺動は、通常の便器掃除の条件に相当する。評価は以下の通りとした。

○:10回数摺動以内で水垢が除去された
×:50回数摺動でも水垢が残った
pH調整水の水垢除去性を以下の方法で評価した。まず、表面に釉薬層を形成したタイル(5cm×5cm)にpH調整水及び酸性電解水を20μL滴下した後、48時間常温で静置して水垢を乾燥付着させた。その後、摺動試験を行った。その結果は図9に示される通りであった。
硝酸アルミニウム九水和物を使用して調製したアルミニウムイオン添加pH調整水を試験液とした以外は、図9に関して前述した実施例と同様の方法で水垢除去性を評価した。その結果は図10に示される通りであった。
硝酸銅六水和物を使用して調製した銅イオン添加pH調整水を試験液とした以外は、図9に関して前述した実施例と同様の方法で水垢除去性を評価した。その結果は図11に示される通りであった。
硝酸アルミニウム九水和物または硝酸銅六水和物(全て試薬特級 和光純薬工業株式会社製)を使用して調製した各種金属イオン原液を市販の電解水生成装置(TEK511 TOTO株式会社製)で生成した酸性電解水に適量添加し、狙いの金属イオン濃度(0.1,0.5,1,5,10ppm)に希釈したものを金属イオン添加酸性電解水とする。なお、用いた酸性電解水の水質分析結果を図8に示す。
金属イオン添加酸性電解水を試験液とした以外は、図9に関して前述した実施例と同様の方法で水垢除去性を評価した。その結果は図12に示される通りであった。
以上、図8〜図12に関して前述した実験結果によれば、pHを約2.0〜5.0程度に調整した酸性水および金属イオン(本実施では、Al3+、Cu2+)を含む酸性水が蒸発して生成された水垢については、水垢除去性が良好であることが分かった。
次に、本発明者らが行った実験について、図面を参照しつつ説明する。
図13は、紫外線の照射の有無による水垢生成の比較表である。
図14および図15は、本実験条件を説明するための模式図である。
図15に表したように、本発明者らは、まず表面に光触媒層が形成されたタイル511を用意し傾斜させて配置した。続いて、制御部503によりバルブ505を開き、水源501から供給された洗浄水509を洗浄用吐水口507からシャワー状に約5秒間程度吐水させた。これにより、タイル511の表面に水膜が形成される。
続いて、図14(a)に表したように、表面に水膜が形成された複数のタイル511のうちの第1のタイル511aについては、常温で約30分程度放置し表面を乾燥させた。一方、図14(b)に表したように、表面に水膜が形成された複数のタイル511のうちの第2のタイル511bについては、UV光源513から紫外線を第2のタイル511bの表面に照射させた状態で、常温で約30分程度放置し表面を乾燥させた。
乾燥させた後の第1のタイル511aおよび第2のタイル511bの表面状態(水垢の生成状態)は、図13に表した如くである。図13に表した「写真」は、図15に表した範囲A1のタイルの表面を撮影したものである。図13に表した「水垢模式図」は、図13に表した「写真」におけるタイルの表面に生成された水垢を模式的に表したものである。
これによれば、第2のタイル511bの表面に生成された水垢の範囲は、第1のタイル511aの表面に生成された水垢の範囲よりも広い。そのため、水道水(上水)の水膜が形成されている状態で、その水膜に紫外線が照射されると、ケイ酸の重合が促進される、すなわち水垢が生成されやすいことが分かる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置10および衛生洗浄装置100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや噴霧ノズル481およびUV光源483の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、本実施形態では、便器が洋式腰掛便器(大便器)である場合を例に挙げて説明したが、本実施形態の便器の範囲には小便器も含まれる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 トイレ装置、 23 主流路、 25 第1の流路、 27 第2の流路、 100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 ケーシング、 401 給水手段、 411 制御部、 413 バルブ、 415 熱交換器ユニット、 417 第1の流路切替弁、 420 電解槽、 424 陽極板、 425 陰極板、 431 第2の流路切替弁、 432 噴霧用ポンプ、 433 バキュームブレーカ、 435 電磁ポンプ、 437 流量調整弁、 439 おしり洗浄ノズル、 440 金属イオン水生成部、 441 タンク、 443 アルミニウム、 451 入室検知センサ、 453 人体検知センサ、 455 着座検知センサ、 457 便蓋開閉検知センサ、 481 噴霧ノズル、 483 UV光源、 501 水源、 503 制御部、 505 バルブ、 507 洗浄用吐水口、 509 洗浄水、 511 タイル、 511a 第1のタイル、 511b 第2のタイル、 513 UV光源、 800 便器、 801 ボウル、 803 トラップ、 805 溜水、 811 ボウル給水口、 813 トラップ給水口

Claims (4)

  1. 便器のボウルの表面を洗浄する洗浄手段と、
    前記洗浄手段に洗浄水を供給する給水手段と、
    前記ボウルの洗浄の後に前記ボウルの表面に残った洗浄水中のケイ酸成分の重合を抑制するケイ酸成分重合抑制剤としての酸性水を前記ボウルの表面に残った洗浄水に添加するケイ酸成分重合抑制手段と、
    前記ボウルの表面が洗浄された後前記ボウルの表面が乾燥する前に前記ケイ酸成分重合抑制手段の動作を開始させ前記ボウルの表面に残った洗浄水に前記酸性水を添加することにより前記ケイ酸成分の重合を抑制する制御を実行する制御部と、
    を備えたことを特徴とするトイレ装置。
  2. 前記酸性水は、金属イオンを含むことを特徴とする請求項記載のトイレ装置。
  3. 前記酸性水の酸性度は、pH2.5〜5.0であることを特徴とする請求項またはに記載のトイレ装置。
  4. 前記ボウルの表面に光触媒層が形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトイレ装置。
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