JP2013202539A - 酸性水生成装置およびトイレ装置 - Google Patents

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康一郎 松下
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Abstract

【課題】所望のpHを有する酸性水をより確実に得ることができる、あるいは長寿命化を図ることができる酸性水生成装置およびトイレ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】酸性水を生成する酸性水生成装置であって、電気分解により酸性水を生成する電気分解システムと、前記電気分解システムよりも下流側において前記電気分解システムと直列して配置され、陽イオン交換樹脂により酸性水を生成する陽イオン交換樹脂システムと、を備えたことを特徴とする酸性水生成装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明の態様は、一般的に、酸性水生成装置およびトイレ装置に関する。
例えば水回りの装置や機器などにおいて、殺菌が必要な場合がある。あるいは、水垢の除去が必要な場合がある。
例えば大便器あるいは小便器のボウル面を洗浄水で洗浄した後にボウル面に残った残水が蒸発してボウル面が乾燥すると、水垢がボウル面に付着することがある。水垢がボウル面に付着すると、ボウル面が汚れてしまう。また、水垢はボウル面に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。そのため、水垢の生成を抑制する技術、あるいは、水垢がボウル面に付着した場合でもその水垢を容易に除去できる技術が求められている。さらに、ケイ酸成分の水垢は、カルシウム成分やマグネシウム成分などの水垢よりも強固に便器の釉薬表面に固着する。そのため、ケイ酸成分の水垢を容易に除去できる技術が切望されている。
これに対して、本発明者の検討結果、便器洗浄後に便器のボウルの表面に残った残水中の溶性ケイ酸の重合を抑制する金属イオンを、殺菌作用を有する酸性水に含ませ、残水中に添加することで、便器表面に強固に付着する水垢の生成を抑制可能なことが分かってきている。金属イオンを含む酸性水を生成するためには、まず、酸性水を生成する必要がある。酸性水を生成する装置としては、例えば電解槽における水の電気分解により極室に酸性水を生成するものがある(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載されたような電解槽において酸性水を生成すると、酸性水のpH(potential Hydrogen)が、例えば水道水などの水の成分に大きく起因するという問題がある。具体的には、陽イオン(ミネラル成分)濃度が比較的低い水道水を電解槽により電気分解すると、所望の十分なpHを得ることができない場合がある。
これに対して、水道水の成分にあまり起因することなく、所望のpHを有する酸性水を生成する方法の1つのとして、陽イオン交換樹脂が挙げられる。しかし、陽イオン交換樹脂については、装置の長寿命化を図ることを考慮すると装置が大型化するおそれがある。一方、装置の小型化を図ると装置の寿命が短くなるため、陽イオン交換樹脂の交換頻度がより高くなる。そのため、使用者にとって使い勝手が悪くなるという問題がある。
特開平9−78658号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、所望のpHを有する酸性水をより確実に得ることができる、あるいは長寿命化を図ることができる酸性水生成装置およびトイレ装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、酸性水を生成する酸性水生成装置であって、電気分解により酸性水を生成する電気分解システムと、前記電気分解システムよりも下流側において前記電気分解システムと直列して配置され、陽イオン交換樹脂により酸性水を生成する陽イオン交換樹脂システムと、を備えたことを特徴とする酸性水生成装置である。
この酸性水生成装置によれば、陽イオン交換樹脂システムは、電気分解システムよりも下流側において前記電気分解システムと直列して配置されている。陽イオン交換樹脂システムの水質に対する依存性は、電気分解システムの水質に対する依存性よりも低い。そのため、供給される水が、電気分解システムにおける電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、陽イオン交換樹脂システムにより、所望の低いpHの酸性水すなわちより高い殺菌作用を有する酸性水を生成することができる。
すなわち、陽イオン交換樹脂システムよりも上流側に設けられた電気分解システムは、陽イオンを排出し、陰イオンを集めて陽イオン交換樹脂システムへ供給する。そのため、陽イオン交換樹脂システムへ供給される水においては、相対的に、陰イオン濃度が高まる。すると、陽イオンに対するカウンターイオンとしての陰イオンの濃度が高まることで、イオン交換樹脂における陽イオンの交換可能な量が増加する。これにより、電気分解システムおよび陽イオン交換樹脂システムのいずれか一方のみでは得られない程度の低いpHの酸性水を生成することができる。
また、電気分解システムおよび陽イオン交換樹脂システムを用いて酸性水を生成するため、陽イオン交換樹脂システムにかかる負荷を低減させることができる。これにより、陽イオン交換樹脂システムの長寿命化を図りつつ、陽イオン交換樹脂システムの大型化を抑えることができる。また、例えばイオン交換樹脂だけを取り替えるなどのメンテナンスの頻度を低減することができる。
さらに、電気分解システムにより生成された酸性水を陽イオン交換樹脂システムの下流側へバイパスさせる場合には、所望のpHの酸性水を生成することができつつ、陽イオン交換樹脂システムのさらなる長寿命化を図ることができる。
また、第2の発明は、酸性水を生成する酸性水生成装置であって、電気分解により酸性水を生成する電気分解システムと、前記電気分解システムと並列して配置され、陽イオン交換樹脂により酸性水を生成する陽イオン交換樹脂システムと、を備え、前記電気分解システムにより生成された酸性水と、前記陽イオン交換樹脂システムにより生成された酸性水と、は、前記電気分解システムおよび前記陽イオン交換樹脂システムの下流側において合流することを特徴とする酸性水生成装置である。
この酸性水生成装置によれば、陽イオン交換樹脂システムは、電気分解システムと並列して配置されている。そのため、陽イオン交換樹脂システムのみを用いて酸性水を生成する場合と比較して、陽イオン交換樹脂システムの長寿命化を図ることができ、メンテナンスの頻度を低減することができる。また、供給される水が、電気分解システムにおける電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、電気分解システムのみを用いて酸性水を生成する場合と比較して、所望の低いpHの酸性水を生成することができる。
また、電気分解システムへ導く水の流量と、陽イオン交換樹脂システムへ導く水の流量と、の通水割合を設定変更すれば、所望のpHの酸性水を生成することができつつ、陽イオン交換樹脂システムのさらなる長寿命化を図ることができる。そして、設置場所の水質状況に応じた最適な酸性水生成装置を提供することができる。
また、第3の発明は、第1および第2のいずれかの発明の酸性水生成装置と、前記酸性水生成装置により生成された酸性水を、少なくとも便器のボウルの表面に噴霧する噴霧手段と、を備え、前記電気分解システムにより生成されたアルカリ水は、前記便器の排水管に直接排出されることを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、アルカリ水が便器のボウルの表面に接触することがない。そのため、アルカリ水が酸性水の殺菌作用を低減させることを抑制することができる。
また、第4の発明は、第1および第2のいずれかの発明の酸性水生成装置と、前記酸性水生成装置により生成された酸性水を、少なくとも便器のボウルの表面に噴霧する噴霧手段と、を備え、前記噴霧手段は、前記便器の洗浄後に前記酸性水を噴霧し、前記電気分解システムにより生成されたアルカリ水は、前記便器の洗浄時または前記便器の洗浄前に前記ボウルの表面に排出されることを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、アルカリ水が便器のボウルの表面に排出されるため、例えば便器の排水管に排出するなどの複雑な構造ではなく、より簡単な構造によりアルカリ水を排出することができる。また、ボウルの表面に排出されたアルカリ水は、中性の水道水による便器洗浄で便器の排水管に排出される。そのため、酸性水が便器のボウルの表面に噴霧されたときに、酸性水の殺菌作用が低減することを抑制することができる。
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、前記酸性水生成装置により生成された酸性水を用いて金属を徐溶させる金属イオン水添加システムをさらに備え、前記噴霧手段は、前記金属イオンを含む酸性水を噴霧することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、pHが比較的低い酸性水を酸性水生成装置により生成することができる。そのため、金属を徐溶することができる。これにより、電気分解システムにおける電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、金属イオン濃度が比較的高い酸性水を生成することができる。そのため、簡単なシステムにより、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
本発明の態様によれば、所望のpHを有する酸性水をより確実に得ることができる、あるいは長寿命化を図ることができる酸性水生成装置およびトイレ装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかる酸性水生成装置の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態の電解槽および流路切替弁を例示する模式的断面図である。 本実施形態にかかる陽イオン交換樹脂システムを例示する模式的断面図である。 本実施形態に酸性水生成装置の変形例の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態に酸性水生成装置の他の変形例の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態の電解槽および陽イオン交換樹脂システムを通過した水の陽イオン濃度の遷移の一例を例示するグラフ図である。 本実施形態の電解槽および陽イオン交換樹脂システムを通過した水のpHの遷移の一例を例示するグラフ図である。 電解槽と陽イオン交換樹脂システムとの相乗効果の一例を説明するグラフ図である。 本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す模式図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の変形例の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の他の変形例の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態の金属イオン水添加システムを例示する断面模式図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる酸性水生成装置の要部構成を表すブロック図である。
本実施形態にかかる酸性水生成装置405は、流路21と、電解槽(電気分解システム)420と、流路切替弁431と、陽イオン交換樹脂システム460と、を備える。流路21は、給水源30から供給された水を導くことができる。電解槽420は、流路21の上流側に設けられ、水の電気分解により酸性水およびアルカリ水を生成することができる。陽イオン交換樹脂システム460は、電解槽420よりも下流側において電解槽420と直列して配置されている。陽イオン交換樹脂システム460は、水を通水することにより陽イオンを水素イオンと交換し、水素イオンを放出して酸性水を生成することができる。
流路切替弁431は、電解槽420よりも下流側かつ陽イオン交換樹脂システム460よりも上流側に設けられている。流路切替弁431は、陽イオン交換樹脂システム460や排水側への給水の開閉や切替を行う。流路21は、流路切替弁431により、陽イオン交換樹脂システム460へ水や溶液などを導く第1の流路21aと、排水側へ水や溶液などを導く第2の流路21bと、に分岐される。
図2は、本実施形態の電解槽および流路切替弁を例示する模式的断面図である。
図2に表したように、本実施形態の電解槽420は、その内部に陽極板424および陰極板425を有し、例えば図示しない制御部からの通電の制御によって、陽極板424と、陰極板425と、の間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解できる。この際、陰極板425においては酸(H)が消費され、陰極板425の近傍ではpHが上昇する。すなわち、陰極板425の近傍では、アルカリ水が生成される。一方、陽極板424においてはアルカリ(OH)が消費され、陽極板424の近傍ではpHが下降する。すなわち、陽極板424の近傍では、酸性水が生成される。
そして、例えば図示しない制御部からの制御により、流路切替弁431は、主として酸性水を陽イオン交換樹脂システム460へ導く流路の開閉を行ったり、主としてアルカリ水を排水側へ導く流路の開閉を行う。すなわち、流路切替弁431は、酸性水のみではなく、陽イオン交換樹脂システム460へ導く酸性水の量よりも少ない量のアルカリ水も陽イオン交換樹脂システム460へ導く。一方、流路切替弁431は、アルカリ水のみではなく、排水側へ導くアルカリ水の量よりも少ない量の酸性水も排水側へ導く。
図3は、本実施形態にかかる陽イオン交換樹脂システムを例示する模式的断面図である。
図3に表したように、本実施形態の陽イオン交換樹脂システム460は、筐体461と、筐体461の内部に設けられた陽イオン交換樹脂463と、を有する。陽イオン交換樹脂463は、流路切替弁431を介して電解槽420から供給された水や溶液などに含まれる陽イオンを自身が有する水素イオンと交換し、水素イオンを放出する。このようにして、陽イオン交換樹脂システム460は、電解槽420から導かれた陽イオンを水素イオンと交換し、酸性水を生成して下流側へ放出する。
図1に戻って説明すると、本実施形態にかかる酸性水生成装置405では、給水源30から電解槽420へ供給された水は、電解槽420へ導かれる。電解槽420においては、水の電気分解により酸性水およびアルカリ水が生成される。電解槽420において生成された酸性水およびアルカリ水は、電解槽420の下流側に設けられた流路切替弁431へ互いに異なる流路でそれぞれ導かれる。流路切替弁431は、電解槽420から供給された酸性水を、流路切替弁431の下流側に設けられた陽イオン交換樹脂システム460へ導く。一方、流路切替弁431は、電解槽420から供給されたアルカリ水を排水として下水へ流す。
なお、電解槽420において炭酸カルシウムなどのスケールが生成されることを抑制するため、陽極板424および陰極板425を切り替える極性反転(ポールチェンジ(PC))が行われることがある。すると、流路切替弁431が設けられていない場合には、酸性水およびアルカリ水をそれぞれ導く流路が互いに入れ替わり、アルカリ水が陽イオン交換樹脂システム460へ導かれてしまう。そのため、流路切替弁431は、電解槽420において極性反転が行われた場合に、流路を切り替えて酸性水を陽イオン交換樹脂システム460へ導く機能を有する。
ここで、電解槽420により生成される酸性水のpHは、例えば水道水などの水の成分に大きく起因する。具体的には、陽イオン(ミネラル成分)濃度が相対的に低い水道水の抵抗値は、陽イオン濃度が相対的に高い水道水の抵抗値よりも高い。そのため、陽イオン濃度が相対的に低い水道水に流れる電流値は、陽イオン濃度が相対的に高い水道水に流れる電流値よりも低い。これによれば、陽イオン濃度が相対的に低い水道水を電解槽420により電気分解すると、所望の十分なpHを得ることができない場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、電解槽420よりも下流側に陽イオン交換樹脂システム460が設けられている。陽イオン交換樹脂システム460の水質に対する依存性は、電解槽420の水質に対する依存性よりも低い。そのため、給水源30から供給される水が、電解槽420における電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、陽イオン交換樹脂システム460により、所望の低いpHの酸性水すなわちより高い殺菌作用を有する酸性水を生成することができる。
これについてさらに説明すると、陽イオン交換樹脂システム460よりも上流側に設けられた電解槽420は、アルカリ水に含まれる陽イオンを排出し、酸性水に含まれる陰イオンを集めて陽イオン交換樹脂システム460へ供給する。そのため、陽イオン交換樹脂システム460へ供給される水においては、相対的に、陰イオン濃度が高まる。すると、陽イオンに対するカウンターイオンとしての陰イオンの濃度が高まることで、イオン交換樹脂における陽イオンの交換可能な量が増加する。これにより、電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460のいずれか一方のみでは得られない程度の低いpHの酸性水を生成することができる。
また、電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460を用いて酸性水を生成するため、陽イオン交換樹脂システム460にかかる負荷を低減させることができる。すなわち、電解槽420においてpHがある程度低下した状態の水が陽イオン交換樹脂システム460に通水されるため、陽イオン交換樹脂システム460にかかる負荷を低減させることができる。言い換えれば、アルカリ水に含まれる陽イオンが電解槽420により排出されるため、陽イオン交換樹脂システム460において陽イオンと交換される水素イオンの量を抑えることができる。これにより、陽イオン交換樹脂システム460の長寿命化を図りつつ、陽イオン交換樹脂システム460の大型化を抑えることができる。また、例えばイオン交換樹脂だけを取り替えるなどのメンテナンスの頻度を低減することができる。
次に、本実施形態にかかる酸性水生成装置の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に酸性水生成装置の変形例の要部構成を表すブロック図である。
本変形例の酸性水生成装置406では、流路21は、流路切替弁432により、陽イオン交換樹脂システム460へ水や溶液などを導く第1の流路21aと、排水側へ水や溶液などを導く第2の流路21bと、陽イオン交換樹脂システム460へ水や溶液などを導くことなく陽イオン交換樹脂システム460の下流側へ水や溶液などを導くバイパス流路21cと、に分岐される。つまり、本変形例の流路切替弁432は、陽イオン交換樹脂システム460や排水側や陽イオン交換樹脂システム460の下流側への給水の開閉や切替を行う。
その他の要部構成については、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405の要部構成と同様である。
本変形例によれば、流路切替弁432は、例えば電解槽420に流れる電流値に基づいて、第1の流路21aへ導く水の流量と、バイパス流路21cへ導く水の流量と、の比率(通水割合)を設定変更することができる。例えば、電解槽420に流れる電流値が相対的に高い場合には、流路切替弁432は、第1の流路21a(陽イオン交換樹脂システム460)へ導く水の流量を相対的に少ない流量に設定する。一方、電解槽420に流れる電流値が相対的に低い場合には、流路切替弁432は、第1の流路21a(陽イオン交換樹脂システム460)へ導く水の流量を相対的に多い流量に設定する。なお、流路切替弁432の動作は、例えば図示しない制御部などにより制御される。
これによれば、所望のpHの酸性水を生成することができつつ、陽イオン交換樹脂システム460のさらなる長寿命化を図ることができる。
図5は、本実施形態に酸性水生成装置の他の変形例の要部構成を表すブロック図である。
図1〜図4に関して前述した酸性水生成装置405、406では、電解槽420と陽イオン交換樹脂システム460とが互いに直列に配置されているのに対し、本変形例の酸性水生成装置407では、図5に表したように、電解槽420と陽イオン交換樹脂システム460とが互いに並列して配置されている。
また、給水源30よりも下流側かつ電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460よりも上流側には、第1の流路切替弁433が設けられている。電解槽420の下流側には、第2の流路切替弁434が設けられている。
第1の流路切替弁433は、電解槽420や陽イオン交換樹脂システム460への給水の開閉や切替を行う。
第2の流路切替弁434は、図1〜図3に関して前述した流路切替弁431に相当し、電解槽420から供給された酸性水を下流側へ導く。一方、第2の流路切替弁434は、電解槽420から供給されたアルカリ水を排水として下水へ流す。
第1の流路切替弁433により陽イオン交換樹脂システム460へ導かれた水は、陽イオン交換樹脂システム460を通過し酸性水とされた後、第2の流路切替弁434から下流側へ導かれた酸性水と合流する。
その他の要部構成や水の流れについては、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405の要部構成や水の流れと同様である。
本変形例によれば、第1の流路切替弁433は、例えば電解槽420に流れる電流値に基づいて、電解槽420へ導く水の流量と、陽イオン交換樹脂システム460へ導く水の流量と、の比率を設定変更することができる。例えば、電解槽420に流れる電流値が相対的に高い場合には、第1の流路切替弁433は、陽イオン交換樹脂システム460へ導く水の流量を相対的に少ない流量に設定する。一方、電解槽420に流れる電流値が相対的に低い場合には、第1の流路切替弁433は、陽イオン交換樹脂システム460へ導く水の流量を相対的に多い流量に設定する。なお、第1の流路切替弁433の動作は、例えば図示しない制御部などにより制御される。
これによれば、陽イオン交換樹脂システム460のみを用いて酸性水を生成する場合と比較して、陽イオン交換樹脂システム460の長寿命化を図ることができ、メンテナンスの頻度を低減することができる。また、給水源30から供給される水が、電解槽420における電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、電解槽420のみを用いて酸性水を生成する場合と比較して、所望の低いpHの酸性水を生成することができる。
また、電解槽420へ導く水の流量と、陽イオン交換樹脂システム460へ導く水の流量と、の比率を設定変更することで、所望のpHの酸性水を生成することができつつ、陽イオン交換樹脂システム460のさらなる長寿命化を図ることができる。そして、設置場所の水質状況に応じた最適な酸性水生成装置407を提供することができる。
次に、本発明者が実施した検討の結果の例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の電解槽および陽イオン交換樹脂システムを通過した水の陽イオン濃度の遷移の一例を例示するグラフ図である。
本発明者は、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405を用いて、電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460を通過した水の陽イオン濃度の遷移を検討した。その検討結果の一例は、図6に表した如くである。
すなわち、まず、給水源30から供給された水の陽イオンは、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)を含んでいる。それらの陽イオン濃度は、20ppm(parts per million)である。
続いて、電解槽420に供給された水は、電気分解される。電解槽420における電気分解により生成されたアルカリ水は、排水として下水へ流されるため、アルカリ水に含まれている陽イオンは、酸性水生成装置405から排出される。そのため、電解槽420により電気分解された水の陽イオン濃度は、20ppmから9.5ppmへ低減する。つまり、このときの陽イオン濃度の低減量は、陽イオンの酸性水生成装置405からの排出量と略同一である。
続いて、陽イオン交換樹脂システム460に供給された水に含まれている陽イオンは、水素イオンと交換される。そのため、陽イオン交換樹脂システム460を通過した水の陽イオン濃度は、9.5ppmから0.3ppmへ低減する。つまり、このときの陽イオン濃度の低減量は、陽イオン交換樹脂システム460における陽イオンと水素イオンとの交換量と略同一である。
本検討結果の一例によれば、陽イオン交換樹脂システム460を通過させる前に、電解槽420がアルカリ水に含まれる陽イオンを排出することで、陽イオン濃度が約半減している。つまり、陽イオン交換樹脂システム460における陽イオン交換量が約半減している。そのため、陽イオン交換樹脂システム460の寿命を約倍増させることができる。
図7は、本実施形態の電解槽および陽イオン交換樹脂システムを通過した水のpHの遷移の一例を例示するグラフ図である。
本発明者は、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405を用いて、電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460を通過した水のpHの遷移を検討した。その検討結果の一例は、図7に表した如くである。
すなわち、まず、給水源30から供給された水のpHは、地域AにおいてpH7.9、地域BにおいてpH7.0、地域CにおいてpH6.9である。なお、地域A、地域B、および地域Cは、日本全国のうちの任意の地域を表している。
続いて、電解槽420に供給された水は、電気分解される。電解槽420における電気分解により生成された酸性水のpHは、地域AにおいてpH7.9からpH6.0へ、地域BにおいてpH7.0からpH5.5へ、地域CにおいてpH6.9からpH3.4へ低減する。ここで、図7に表したように、本発明者の本検討におけるpHの目標値の1つは、「pH4以下」である。すると、地域Aおよび地域BにおけるpHは、目標値「pH4以下」をまだ達成できていない。
続いて、陽イオン交換樹脂システム460に供給された水に含まれている陽イオンが水素イオンと交換される。陽イオン交換樹脂システム460を通過した酸性水のpHは、地域AにおいてpH6.0からpH3.0へ、地域BにおいてpH5.5からpH3.4へ、地域CにおいてpH3.4からpH3.0へ低減する。
本検討結果の一例によれば、電解槽420において水の電気分解を行った後に、陽イオン交換樹脂システム460に通水させることで、給水源30から供給される水が、電解槽420における電気分解では所望の低いpH(本検討ではpH4以下)の酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、陽イオン交換樹脂システム460により、所望の低いpHの酸性水を生成することができる。
図8は、電解槽と陽イオン交換樹脂システムとの相乗効果の一例を説明するグラフ図である。
本発明者は、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405を用いて、電解槽420と陽イオン交換樹脂システム460との相乗効果を検討した。その検討結果の一例は、図8に表した如くである。
すなわち、まず、給水源30から供給された水の陽イオン濃度および陰イオン濃度は、それぞれ約20ppm程度である。また、給水源30から供給された水のpHは、pH6.9である。
次に、陽イオン交換樹脂システム460のみを通過させた水の陽イオン濃度は、約0ppm近傍にまで低減する。一方、陰イオンは、陽イオン交換樹脂システム460において交換されることはないため、陰イオン濃度は、約20ppm程度に保持される。また、陽イオン交換樹脂システム460のみを通過させた水のpHは、pH3.4である。
次に、電解槽420により電気分解された水の陽イオン濃度は、アルカリ水が排水されるため、約20ppm程度から約10ppm程度へ低減する。一方、電解槽420により電解分解された水の陰イオン濃度は、陽イオンが排出され陰イオンが集まるため、相対的に高まり、約20ppm程度から約40ppm程度へ増加する。電解槽420により電気分解された水のpHは、pH3.4である。
次に、電解槽420において水の電気分解を行った後に、陽イオン交換樹脂システム460に通水させた水の陽イオン濃度は、図6に関して前述したように、約0ppm近傍にまで低減する。一方、陰イオン濃度は、陽イオンが排出されるため、相対的に高まる。すると、陽イオンに対するカウンターイオンとしての陰イオンの濃度が高まることで、イオン交換樹脂における陽イオンの交換可能な量が増加する。言い換えれば、陰イオン濃度が高まると、陽イオンの存在できる割合(キャパシティ)が増加する。すると、水素イオンの放出が促進される。これにより、電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460のいずれか一方のみでは得られない程度の低いpHの酸性水を生成することができる。本検討結果の一例によれば、電解槽420において水の電気分解を行った後に、陽イオン交換樹脂システム460に通水させた水のpHは、pH3.0である。
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す模式図である。
なお、図9においては、説明の便宜上、衛生洗浄装置を表す模式図は模式的平面図であり、洋式腰掛便器を表す模式図は模式的断面図である。
図9に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800の上に設けられた衛生洗浄装置100を備える。便器800は、ボウル801を有する。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。なお、便蓋300は、必ずしも設けられていなくともよい。
例えばケーシング400の下部には、便器800のボウル801の表面に水や殺菌水を噴霧する噴霧ノズル(噴霧手段)481が設けられている。噴霧ノズル481は、ケーシング400の内部に設けられていてもよいし、ケーシング400の外部に付設されていてもよい。ケーシング400の内部には、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405が設けられている。なお、ケーシング400の内部に設けられる酸性水生成装置は、図4に関して前述した酸性水生成装置406および図5に関して前述した酸性水生成装置407のいずれかであってもよい。
なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。また、本願明細書において「殺菌水」とは、例えば次亜塩素酸などの殺菌成分を水道水(単に「水」ともいう)よりも多く含む液をいうものとする。
ここで、便器洗浄の動作が終了した後にボウル801に残った残水が蒸発してボウル801の表面が乾燥すると、水垢がボウル801に付着することがある。通常、残水中の水分が蒸発する過程でケイ酸濃度が増加すると、ケイ酸の重合が促進される。これにより、コーヒーステイン現象(液滴中の溶媒の蒸発によって溶質が液滴の外郭へ流動しリング状に堆積する現象)が起き、強固な水垢が形成される。水垢がボウル801に付着すると、ボウル801が汚れてしまう。また、水垢はボウル801に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。
これに対して、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801に残った残水にpHの高い水溶液又は金属イオンを含むpHの高い水溶液を添加する。言い換えれば、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801に残った残水を、金属イオンを含むpHの高い水溶液に置き換える。これによれば、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
これらの効果が得られる理由は、以下の如くである。但し、これは、本発明者が得た知見に基づく仮定あるいは仮説であり、本実施形態においてはこれに限定されるわけではない。
残水のpHを高くすると、残水中のケイ酸の重合の進行を抑制することができる。すると、水分が蒸発する過程で溶質濃度が増加してもコーヒーステイン現象が起こらず、溶媒が中央方向に流動する現象が観察された。そして、生成した水垢と基材との密着力は小さく、水垢を剥離し易いことが確認された。また、水垢の生成が抑制され、さらに生成した水垢を容易に除去できるという効果は、ケイ酸成分の水垢だけではなく、カルシウムイオン成分またはマグネシウムイオン成分の水垢に対しても得られる。
酸性水のpHは、例えば約pH4以下である。この範囲のpHを有する酸性水であれば、水を電解する電解槽420により酸性水の生成が可能である。そのため、例えば薬剤の補充等のメンテナンスが不要となる。
また、酸性水に金属イオンを添加する場合において、酸性水に含まれる金属イオンは、例えば、アルミニウムイオン(Al3+)や銅イオン(Cu2+)などである。このような金属イオンは、酸性水に添加されると、生成した水垢においてケイ酸(SiO)分子の間に介在する。そして、洗浄等により水が供給されると金属イオンが溶出する。すると、ケイ酸凝集体をより脆弱化させ、水垢を容易に除去できるようになると考えられる。金属イオンの濃度は、約3ppm以上である。
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10について、図面を参照しつつさらに説明する。
図10は、本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
また、図11は、本実施形態にかかるトイレ装置の変形例の要部構成を表すブロック図である。
また、図12は、本実施形態にかかるトイレ装置の他の変形例の要部構成を表すブロック図である。
また、図13は、本実施形態の金属イオン水添加システムを例示する断面模式図である。
なお、図10〜図12は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図10に表したように、本実施形態にかかるトイレ装置10が備える衛生洗浄装置100は、給水手段401から供給された水をおしり洗浄ノズル439や噴霧ノズル481に導く主流路23を有する。主流路23の上流側には、バルブ413および熱交換器ユニット415が設けられている。バルブ413は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御部411からの指令に基づいて水の供給を制御する。熱交換器ユニット415は、図示しない温水ヒータを有し、供給された水を加熱して所定の温水にする。
バルブ413および熱交換器ユニット415の下流には、第1の流路切替弁417が設けられている。第1の流路切替弁417は、おしり洗浄ノズル439や噴霧ノズル481への給水の開閉や切替を行う。主流路23は、第1の流路切替弁417により、おしり洗浄ノズル439へ洗浄水などを導く第1の流路25と、噴霧ノズル481へ洗浄水や酸性水などを導く第2の流路27と、に分岐される。
第2の流路27の上流側には、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405が設けられている。但し、本実施形態の酸性水生成装置は、図1〜図3に関して前述した酸性水生成装置405だけに限定されず、図11に表したように図4に関して前述した酸性水生成装置406であってもよいし、図12に表したように図5に関して前述した酸性水生成装置407であってもよい。
本実施形態では、第2の流路切替弁431は、電解槽420から供給されたアルカリ水を便器800の排水管807に直接排出する。これによれば、アルカリ水が便器800のボウル801の表面に接触することがない。そのため、アルカリ水が酸性水の殺菌作用を低減させることを抑制することができる。
あるいは、第2の流路切替弁431は、本実施形態の水垢抑制効果を阻害しない範囲内において電解槽420から供給されたアルカリ水を便器800へ流してもよい。
陽イオン交換樹脂システム460から放出された酸性水は、陽イオン交換樹脂システム460の下流側に設けられた金属イオン水添加システム440へ導かれる。
ここで、金属イオン水添加システム440について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、金属イオン水添加システム440において溶解する金属イオンがアルミニウムイオン(Al3+)である場合を例に挙げて説明する。
図13に表したように、本実施形態の金属イオン水添加システム440は、タンク441と、タンク441内に設置されたアルミニウム443と、を有する。電解槽420から第2の流路切替弁431および陽イオン交換樹脂システム460を介して供給された酸性水は、タンク441内に貯留される。そして、タンク441内に設置されたアルミニウム443は、タンク441内に貯留された酸性水により浸漬された状態となっている。
すると、酸性水に浸漬されたアルミニウム443は、例えば約30秒〜30分かけて溶解(徐溶)する。これにより、タンク441内の酸性水は、アルミニウムイオンを含む酸性水となる。つまり、金属イオン水添加システム440において、金属イオン(本実施形態ではAl3+)を含むpHの高い水溶液が生成される。
図10に戻って説明すると、金属イオン水添加システム440において生成されたアルミニウムイオンを含む酸性水は、下流側から流れてくる酸性水に押されることで流量調整弁437へ導かれる。流量調整弁437は、水勢(流量)の調整を行うとともに酸性水の供給先を噴霧ノズル481に設定し、その酸性水を噴霧ノズル481へ導く。噴霧ノズル481は、流量調整弁437から供給された酸性水をボウル801へ噴霧する。
一方、第1の流路切替弁417において第1の流路25へ導かれた洗浄水は、電磁ポンプ435および流量調整弁437を介しておしり洗浄ノズル439へ導かれる。そして、洗浄水は、おしり洗浄ノズル439に設けられた図示しない吐水口から便座200に着座した使用者の「おしり」などへ向かって噴射される。
また、図10に表したように、本実施形態の衛生洗浄装置100は、入室検知センサ(人体検知センサA)451と、人体検知センサ(人体検知センサB)453と、着座検知センサ455と、を有する。
入室検知センサ451は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ451は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ451としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
人体検知センサ453は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ453は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ453としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
着座検知センサ455は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ455は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ455としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
本実施形態によれば、pHが比較的低い酸性水を酸性水生成装置405により生成することができる。そのため、金属を徐溶することができる。これにより、電解槽420における電気分解では所望の低いpHの酸性水を生成することができないような水質を有する場合でも、金属イオン濃度が比較的高い酸性水を生成することができる。そのため、簡単なシステムにより、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図14は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
まず、入室検知センサ(人体検知センサA)451がトイレ室に入室した使用者を検知すると、便蓋300が開き、バルブ413が開き、第1の流路切替弁417が第2の流路27の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が金属イオン水添加システム440の側に切り替えられる(タイミングt1)。これにより、上水がボウル801の表面に噴霧される。このように、使用者が便器800を使用する前に、ボウル801の表面を濡らすことで、ボウル801の表面に付着する汚物を軽減させることができる。
なお、図14に表した「電解槽」の欄の破線のように、入室検知センサ451がトイレ室に入室した使用者を検出したときに、電解槽420への通電が開始され、酸性水が生成されてもよい(タイミングt1)。この場合には、酸性水(あるいは金属イオンを含む酸性水)がボウル801の表面に噴霧される。これによれば、ボウル801の表面に付着する汚物や水垢をさらに軽減させることができる。
続いて、人体検知センサ(人体検知センサB)453が便器800の前方にいる使用者を検知すると、バルブ413が閉じ、第1の流路切替弁417が第1の流路25の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が排水側に切り替えられる(タイミングt2)。続いて、着座検知センサ455が使用者の便座200への着座を検知し(タイミングt3)、便座200からの離座を検知する(タイミングt4)。
続いて、人体検知センサ453が便器800の前方にいる使用者を検知しなくなって(タイミングt5)から所定時間が経過すると、バルブ413が開き、第1の流路切替弁417が第2の流路27の側に切り替えられる(タイミングt6)。また、電解槽420への通電が開始される(タイミングt6)。これにより、電解槽420において生成されたアルカリ水は、便器洗浄時(タイミングt8〜t9)よりも前にボウル801の表面に排出される。
続いて、電解槽420において生成されたアルカリ水の排出が終了して(タイミングt7)から所定時間が経過すると、便器洗浄が開始される(タイミングt8)。
続いて、便器洗浄が終了して(タイミングt9)から所定時間Tが経過すると、バルブ413が開き、第1の流路切替弁417が第2の流路27の側に切り替えられ、第2の流路切替弁431が金属イオン水添加システム440の側に切り替えられる(タイミングt10)。また、電解槽420への通電が開始される(タイミングt10)。これにより、金属イオンを含む酸性水がボウル801の表面に噴霧される。
便器洗浄が終了して(タイミングt9)から金属イオンを含む酸性水がボウル801の表面に噴霧される(タイミングt10)までの所定時間Tは、ボウル801の表面が乾燥しない時間、具体的には、例えば約30秒〜30分程度である。本発明者が得た知見によれば、便器洗浄が終了してから約30分程度の時間の一例は、表面に釉薬層が形成された便器のボウルの表面が乾燥し始める時間である。これによれば、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
このように、本具体例では、噴霧ノズル481は、便器洗浄後に、少なくとも便器800のボウル801の表面に金属イオンを含む酸性水を噴霧する。また、電解槽420において生成されたアルカリ水は、便器洗浄時よりも前にボウル801の表面に排出される。なお、電解槽420において生成されたアルカリ水は、便器洗浄時にボウル801の表面に排出されてもよい。
これによれば、アルカリ水が便器800のボウル801の表面に排出されるため、例えば便器800の排水管807に排出するなどの複雑な構造ではなく、より簡単な構造によりアルカリ水を排出することができる。また、ボウル801の表面に排出されたアルカリ水は、中性の水道水による便器洗浄で便器800の排水管807に排出される。そのため、酸性水が便器800のボウル801の表面に噴霧されたときに、酸性水の殺菌作用が低減することを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、酸性水生成装置405、406、407およびトイレ装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや電解槽420および陽イオン交換樹脂システム460の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、本実施形態では、酸性水生成装置405、406、407を備える水回り装置としてトイレ装置を例に挙げて説明した。但し、酸性水生成装置405、406、407を備える水回り装置は、これだけに限定されず、例えばキッチンや浴室や洗面化粧台などであってもよい。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 トイレ装置、 21 流路、 21a 第1の流路、 21b 第2の流路、 21c バイパス流路、 23 主流路、 25 第1の流路、 27 第2の流路、 30 給水源、 100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 ケーシング、 401 給水手段、 405、406、407 酸性水生成装置、 411 制御部、 413 バルブ、 415 熱交換器ユニット、 417 第1の流路切替弁、 420 電解槽、 424 陽極板、 425 陰極板、 431、432 流路切替弁、 433 第1の流路切替弁、 434 第2の流路切替弁、 435 電磁ポンプ、 437 流量調整弁、 439 洗浄ノズル、 440 金属イオン水添加システム、 441 タンク、 443 アルミニウム、 451 入室検知センサ、 453 人体検知センサ、 455 着座検知センサ、 460 陽イオン交換樹脂システム、 461 筐体、 463 陽イオン交換樹脂、 481 噴霧ノズル、 800 便器、 801 ボウル、 807 排水管

Claims (5)

  1. 酸性水を生成する酸性水生成装置であって、
    電気分解により酸性水を生成する電気分解システムと、
    前記電気分解システムよりも下流側において前記電気分解システムと直列して配置され、陽イオン交換樹脂により酸性水を生成する陽イオン交換樹脂システムと、
    を備えたことを特徴とする酸性水生成装置。
  2. 酸性水を生成する酸性水生成装置であって、
    電気分解により酸性水を生成する電気分解システムと、
    前記電気分解システムと並列して配置され、陽イオン交換樹脂により酸性水を生成する陽イオン交換樹脂システムと、
    を備え、
    前記電気分解システムにより生成された酸性水と、前記陽イオン交換樹脂システムにより生成された酸性水と、は、前記電気分解システムおよび前記陽イオン交換樹脂システムの下流側において合流することを特徴とする酸性水生成装置。
  3. 請求項1および2のいずれかに記載の酸性水生成装置と、
    前記酸性水生成装置により生成された酸性水を、少なくとも便器のボウルの表面に噴霧する噴霧手段と、
    を備え、
    前記電気分解システムにより生成されたアルカリ水は、前記便器の排水管に直接排出されることを特徴とするトイレ装置。
  4. 請求項1および2のいずれかに記載の酸性水生成装置と、
    前記酸性水生成装置により生成された酸性水を、少なくとも便器のボウルの表面に噴霧する噴霧手段と、
    を備え、
    前記噴霧手段は、前記便器の洗浄後に前記酸性水を噴霧し、
    前記電気分解システムにより生成されたアルカリ水は、前記便器の洗浄時または前記便器の洗浄前に前記ボウルの表面に排出されることを特徴とするトイレ装置。
  5. 前記酸性水生成装置により生成された酸性水を用いて金属を徐溶させる金属イオン水添加システムをさらに備え、
    前記噴霧手段は、前記金属イオンを含む酸性水を噴霧することを特徴とする請求項3または4に記載のトイレ装置。
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