JP5327408B1 - タッチパネル装置 - Google Patents

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Abstract

タッチパネル装置は、第1と第2の電極とを有するタッチパネルと、交流信号を第1の電極に入力する交流信号源と、交流信号源と第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、検出対象物がタッチパネルにタッチした際の第1の電極と第2の電極の間の静電容量の変化を少なくとも第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路とを備える。このタッチパネル装置は、簡単な構成により検出感度を高めることができる。

Description

本発明は、静電容量方式のタッチパネル装置に関する。
近年、携帯端末、パーソナルコンピュータ、銀行のATM(Automatic Teller Machine)端末などでディスプレイに表示された画像を指でタッチして必要な情報を入力するタッチパネル装置が普及している。タッチパネル装置は、表面にタッチされた指等の検出対象物の位置を精度よく高感度で検出する必要がある。
タッチパネルの検出方式としては、抵抗薄膜方式、静電容量方式などが知られている。静電容量方式のタッチパネル装置は、抵抗薄膜方式と比較して、その寿命、応答性および検出精度の点で優れており、広く使用されている。静電容量方式のタッチパネル装置は検出対象物がタッチパネル装置の表面に接触したときの静電容量の変化を監視し、タッチ位置を検出する。
特許文献1はタッチパネルの複数の検出電極を電気的に結合し、検出する静電容量の変化量を大きくして検出感度を高くしたタッチパネル装置を開示している。
しかし、複数の検出電極を電気的に結合すると位置検出精度が低下する。
特開2008−153025号公報
タッチパネル装置は、第1と第2の電極とを有するタッチパネルと、交流信号を第1の電極に入力する交流信号源と、交流信号源と第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、検出対象物がタッチパネルにタッチした際の第1の電極と第2の電極の間の静電容量の変化を少なくとも第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路とを備える。
このタッチパネル装置は、簡単な構成により検出感度を高めることができる。
図1は実施の形態1におけるタッチパネル装置のタッチパネルの断面模式図である。 図2Aは相互容量型のタッチパネル装置の動作原理を説明する断面模式図である。 図2Bは図2Aに示すタッチパネル装置の等価回路図である。 図2Cは図2Aに示すタッチパネル装置の等価回路図である。 図2Dは図2Aに示すタッチパネル装置の電極の電圧の波形を示す図である。 図2Eは図2Aに示すタッチパネル装置の電極の電圧の波形を示す図である。 図3は実施の形態1におけるタッチパネル装置の構成図である。 図4は実施の形態1におけるタッチパネル装置の切替制御信号を示すタイミングチャートである。 図5Aは実施の形態1におけるタッチパネル装置の構成図である。 図5Bは図5Aに示すタッチパネル装置の等価回路図である。 図6Aは比較例のタッチパネル装置の断面模式図である。 図6Bは実施の形態1におけるタッチパネル装置の断面模式図である。 図7Aは実施の形態1における他のタッチパネル装置の構成図である。 図7Bは実施の形態1における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図8は実施の形態1における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図9は実施の形態2におけるタッチパネル装置の構成図である。 図10は実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例1の構成図である。 図11は実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例2の構成図である。 図12は実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例3の構成図である。 図13は実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例4の構成図である。 図14は実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例5の構成図である。 図15Aは実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例6の構成図である。 図15Bは実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例7の構成図である。 図16は実施の形態3におけるタッチパネル装置の構成図である。 図17は図16に示すタッチパネル装置の構成図である。 図18は実施の形態3における他のタッチパネル装置の構成図である。 図19は図18に示すタッチパネル装置の構成図である。 図20Aは実施の形態4におけるタッチパネル装置の断面模式図である。 図20Bは実施の形態4におけるタッチパネル装置の信号の波形を示す図である。 図20Cは実施の形態4における他のタッチパネル装置の断面模式図である。 図21は実施の形態5におけるタッチパネル装置の構成図である。 図22は実施の形態6におけるタッチパネル装置の断面模式図である。 図23Aは自己容量型のタッチパネル装置の動作原理を説明する断面模式図である。 図23Bは図2Aに示すタッチパネル装置の等価回路図である。 図23Cは図2Aに示すタッチパネル装置の電極の電圧の波形を示す図である。 図23Dは図2Aに示すタッチパネル装置の電極の電圧の波形を示す図である。 図24Aは実施の形態6におけるタッチパネル装置の構成図である。 図24Bは実施の形態6における他のタッチパネル装置の構成図である。 図25Aは実施の形態7におけるタッチパネル装置の断面模式図である。 図25Bは実施の形態7における他のタッチパネル装置の断面模式図である。 図26は実施の形態8におけるタッチパネル装置のタッチパネルの構成図である。 図27は実施の形態8における他のタッチパネル装置のタッチパネルの構成図である。 図28は実施の形態9におけるタッチパネル装置の構成図である。 図29Aは実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置の電極を伝搬する信号の周波数特性を示す図である。 図29Bは比較例のタッチパネル装置の電極を伝搬する信号の周波数特性を示す図である。 図30Aは実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置の電極を伝搬する信号の周波数特性を示す図である。 図30Bは比較例のタッチパネル装置の電極を伝搬する信号の周波数特性を示す図である。 図31は実施の形態10におけるタッチパネル装置の構成図である。 図32は実施の形態10における他のタッチパネル装置の構成図である。 図33は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図34は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図35は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図36は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図37は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。 図38は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置の構成図である。
静電容量方式のタッチパネル装置は誘電体などの絶縁層を挟んで格子状に対向した透明電極の容量変化を検出するものである。静電容量方式のタッチパネル装置には、その電極自身の静電容量(電極とグランド間の静電容量)変化を検出する自己容量型と、対向する電極間の容量変化を検出する相互容量型の2種類がある。以下に記載する実施の形態におけるタッチパネル装置は、自己容量型および相互容量型の両方の方式のタッチパネル装置に適用可能である。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるタッチパネル装置1に搭載されるタッチパネル100の断面模式図である。タッチパネル装置1は相互容量型のタッチパネル装置である。タッチパネル100は、画像表示素子である液晶表示素子(以下、LCDという)107と電極層108とガラス層105とシールド層106と保護層101とを備える。電極層108とガラス層105とシールド層106と保護層101は透明である。LCD107と電極層108とがガラス層105とシールド層106を介して対向配置されている。操作者の指等の検出対象物がタッチする電極層108の上側(表面側)は保護層101により覆われて保護されている。電極層108は、駆動電極104と、絶縁層であるガラス層103と、ガラス層103を挟んで駆動電極104に対向する検出電極102とを備える。駆動電極104および検出電極102はITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を互いに直交する方向に格子状に配列して形成されている。駆動電極104には、交流信号が入力され、検出電極102から出力される。この交流信号を検出することにより駆動電極104と検出電極102間の静電容量の変化を検出する。静電容量に変化があると、指等の検出対象物がタッチパネル100にタッチしたことが分かる。透明なシールド層106はグランドに接続されており、LCD107を駆動する際に発生するノイズが駆動電極104および検出電極102に飛び込み、タッチパネル100が誤動作することを防止している。また、LCD107を搭載したLCD基板もグランドに接続されている。以下、シールド層106およびLCD基板を総称してパネルグランドと称する。なお、シールド層106については、実施の形態におけるタッチパネル装置に不可欠な構成ではない。
図2Aは相互容量型のタッチパネル装置1の動作原理を説明するための断面模式図であり、電極層108の拡大図である。図2Bはタッチパネル100に操作者の指等の検出対象物Fがタッチしていない状態のタッチパネル装置1の等価回路図である。図2Cはタッチパネル100に検出対象物Fがタッチした状態のタッチパネル装置1の等価回路図である。図2Dは駆動電極104に印加される交流信号である駆動電圧Vsの波形を示す。図2Eは検出電極102から検出される交流信号である検出電圧Vdの波形を示す。なお、図2Bと図2Cに示す等価回路図では、相互容量型のタッチパネル装置1の動作原理の理解が容易となるように、検出電極102とグランドとの間の浮遊容量や駆動電極104とグランドの間の浮遊容量等は考慮していない。図2Aに示すように、駆動電極104と検出電極102とが絶縁層103を介して交差している交差部では駆動電極104と検出電極102との間に結合容量Ceが存在している。駆動電極104に交流信号の駆動電圧Vsが印加されると、交流信号電流i1が結合容量Ceを介して検出電極102に流れ、抵抗Rにより検出電圧Vdに変換される。
検出対象物Fがタッチパネル100にタッチしていない状態では、図2Bに示すように、交流信号電流i1はすべて抵抗Rに流れ、抵抗Rには検出電圧Vd1が発生する。
一方、検出対象物Fがタッチパネル100にタッチした状態では、検出対象物Fと検出電極102との間に結合容量Ceと並列に静電容量Cfが接続されることになる。このとき、結合容量Ceに蓄積された電荷の一部が静電容量Cfを介してグランドに逃げていく。従って、図2Cに示すように、交流信号電流i1の一部(電流i3)が静電容量Cfに流れ、抵抗Rに流れる電流i2は電流i1より減少する。したがって、抵抗Rに発生する検出電圧Vd2は、検出対象物Fがタッチしていない場合の検出電圧Vd1よりも小さい値となる。そこで、検出電圧Vd1と検出電圧Vd2の間に所定の閾値電圧Vthを設定し、後述する検出回路114で検出電圧Vdと閾値電圧Vthを比較する。もし検出電圧Vdが閾値電圧Vthよりも大きい場合には、検出対象物Fがタッチしていないと判定し、逆に検出電圧Vdが閾値電圧Vthよりも小さい場合には、検出対象物Fがタッチしたと判定する。
図3は実施の形態1におけるタッチパネル装置1の構成図である。タッチパネル装置1は、タッチパネル100と、交流信号源110と、駆動電極切替スイッチ112と、検出電極切替スイッチ113と、検出回路114と、制御回路115とを備える。交流信号源110と駆動電極切替スイッチ112との間には整合素子としてのインダクタンス素子111が直列に接続されている。
図3において、タッチパネル100の長手方向をX軸、X軸に直交する方向をY軸とする。タッチパネル100は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、Y軸方向(第2の方向)に延在した複数の駆動電極104(第1の電極)と、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在した複数の検出電極102(第2の電極)から構成される。説明を簡単にするために本実施の形態では、駆動電極104は6本の駆動電極X1〜X6から構成され、検出電極102は6本の検出電極Y1〜Y6から構成されているものとする。駆動電極X1〜X6と検出電極Y1〜Y6とはお互いが直交するように格子状に配列されている。
交流信号源110は、例えば1.0MHz〜1.5MHz程度の周波数の交流信号を発生する。駆動電極切替スイッチ112(第1の電極切替スイッチ)は、駆動電極X1〜X6のそれぞれと電気的に接続されたスイッチTSW1〜TSW6からなり、インダクタンス素子111と電気的に接続される駆動電極Xm(mは1≦m≦6を満たす整数)を選択するとともに、選択されなかった他の駆動電極をグランドに接続する。すなわち、駆動電極切替スイッチ112は、一方の端子が駆動電極X1〜X6に電気的に接続され、他方の端子がインダクタンス素子111と電気的に接続されている。そして、駆動電極切替スイッチ112は、駆動電極X1〜X6とインダクタンス素子111との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える。開放状態となった駆動電極はグランドと接続される。
例えば、図3において、駆動電極X3が選択された場合には、選択されなかった駆動電極X1、X2、X4、X5、X6はグランドに接続される。交流信号源110は、駆動電極切替スイッチ112で選択された駆動電極X3にインダクタンス素子111を介して交流信号を入力する。このように、駆動電極X3とインダクタンス素子111とが短絡状態に切り替えられた場合には、開放状態となった駆動電極X1、X2、X4、X5、X6がグランドと接続されることになる。
検出電極切替スイッチ113(第2の電極切替スイッチ)は、検出電極Y1〜Y6のそれぞれと電気的に接続されているスイッチRSW1〜RSW6からなり、検出回路114と電気的に接続する検出電極Yn(nは1≦n≦6を満たす整数)を選択するとともに、選択されなかった他の検出電極をグランドに接続する。すなわち、検出電極切替スイッチ113の一方の端子が検出電極Y1〜Y6に電気的に接続され、他方の端子が検出回路114の入力側と電気的に接続されている。そして、検出電極Y1〜Y6と検出回路114との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える。開放状態となった検出電極がグランドと接続される。
例えば、図3において、検出電極Y3が選択された場合には、選択されなかった検出電極Y1、Y2、Y4、Y5、Y6はグランドに接続される。このように、検出電極Y3と検出回路114とが短絡状態に切り替えられた場合には、開放状態となった検出電極Y1、Y2、Y4、Y5、Y6がグランドに接続されることになる。
上記説明において、交流信号源110に対して開放状態となった駆動電極と、検出回路114に対して開放状態となった検出電極とをグランドに接続するのは、交流信号源110に対して短絡状態となった駆動電極と、検出回路114に対して短絡状態となった検出電極とに対するLCD107の駆動時に発生するノイズの影響を低減するためである。この構成により、図1のシールド層106を削除した構成であっても、LCD107の駆動時に発生するノイズの影響を低減できる。なお、交流信号源110に対して開放状態となった駆動電極、および、検出回路114に対して開放状態となった検出電極を必ずしもグランドに接続する必要はない。開放状態となった電極をグランドに接続するか否かは、LCD107が発生するノイズの量や、シールド層106が配置されているか否かに応じて、適宜、判断してもよい。
制御回路115は、駆動電極切替スイッチ112に切替制御信号SEL1を出力し、各スイッチTSW1〜TSW6の切り替えを制御する。同様に、制御回路115は、検出電極切替スイッチ113に切替制御信号SEL2を出力して、各スイッチRSW1〜RSW6の切り替えを制御する。
検出回路114は、検出電極切替スイッチ113により選択された(検出回路114と短絡状態となった)検出電極Yn(1≦n≦6)から出力される交流信号から検出電圧Vdを生成し、閾値電圧Vthと比較することにより、検出対象物Fがタッチパネル100にタッチしたか否かを検出する。
以下の説明において、駆動電極切替スイッチ、検出電極切替スイッチにより、交流信号源、インダクタンス素子、検出回路などとの間が短絡状態となる電極のことを「選択された電極または選択電極」と呼び、開放状態となる電極のことを「選択されなかった電極または非選択電極」と呼ぶことがある。
次に、タッチパネル100上のタッチ位置を検出する原理を説明する。図4は、駆動電極切替スイッチ112の各スイッチTSW1〜TSW6を制御する切替制御信号SEL1、および検出電極切替スイッチ113の各スイッチRSW1〜RSW6を制御する切替制御信号SEL2の切り替えタイミングを示すタイミングチャートである。
図4において、スイッチTSW1〜TSW6の切替制御信号SEL1がハイレベル“H”の期間(Td)では、駆動電極X1〜X6がインダクタンス素子111を介して交流信号源110に接続され、切替制御信号SEL1がローレベル“L”の期間では駆動電極X1〜X6がグランドに接続される。同様に、スイッチRSW1〜RSW6の切替制御信号SEL2がハイレベル“H”の期間(Ts)では、検出電極Y1〜Y6が検出回路114に接続され、切替制御信号SEL2がローレベル“L”の期間は、検出電極Y1〜Y6がグランドに接続される。
図4に示すように、駆動電極切替スイッチ112は交流信号源110に接続する駆動電極X1〜X6を一定の時間間隔Tdで順次選択するようにスキャンする。ある特定の駆動電極Xm(1≦m≦6)が交流信号源110と接続されている期間(交流信号が入力されている期間)に、検出電極切替スイッチ113は、すべての検出電極Y1〜Y6を一定の時間間隔Tsで順次選択するようにスキャンし、選択された検出電極Yn(1≦n≦6)から交流信号を検出回路114に出力する。駆動電極X6の選択が終了すると、最初の駆動電極X1に戻ってこのスキャンを繰り返す。駆動電極X1〜X6、検出電極Y1〜Y6はフレーム時間Tfですべてのスキャンが終了し、次のフレームのスキャンに移る。このスキャン動作が制御回路115の制御により順次繰り返される。
このフレームのスキャンの速度は検出対象物Fの動きに比べて十分速い(フレーム時間Tfは十分小さい)ので、検出対象物Fのタッチ位置を、駆動電極と検出電極の交差点の間隔精度で検出することができる。検出回路114は、制御回路115から入力される切替制御信号SEL1、SEL2と、検出電圧Vdと閾値電圧Vthとの比較結果とにより、検出対象物Fがタッチしたタッチパネル100上の位置を検出する。
例えば、図3において、タッチパネル100上の駆動電極X3と検出電極Y3が交差する位置に検出対象物Fがタッチした場合、スイッチTSW3の切替制御信号SEL1がハイレベル“H”で、スイッチRSW3の切替制御信号SEL2がハイレベル“H”のタイミング(図4のタイミングTp)で、検出回路114は閾値電圧Vthよりも小さい検出電圧Vdを検出することになる。
言い換えれば、駆動電極X3が交流信号源110に接続され、かつ、検出電極Y3が検出回路114と接続されたタイミングで、検出回路114は検出対象物Fのタッチを検出することになる。
本実施の形態におけるタッチパネル装置1では、交流信号源110と駆動電極X1〜X6との間にインダクタンス素子111が接続されている。以下にインダクタンス素子111の効果を説明する。図5Aは、図3に示すタッチパネル装置1の検出対象物Fがタッチしている領域の構成図である。図5Bは、交流信号源110から検出回路114までの伝送路の等価回路図である。
タッチパネル装置1において、駆動電極X3および検出電極Y3がそれぞれ選択されると、交流信号源110、インダクタンス素子111、駆動電極X3の入力端P1、駆動電極X3と検出電極Y3の交差点P33、検出電極Y3の出力端P3を経由して検出回路114に至る交流信号電流が流れる伝送路117が形成される。
駆動電極X3の入力端P1から駆動電極X3と検出電極Y3の交差点P33までには抵抗Rdが存在し、交差点P33から検出電極Y3の出力端P3までには抵抗Rsが存在している。
また、駆動電極X3に隣り合う駆動電極X2、X4はグランドに接続されている。そのため、駆動電極X3と駆動電極X2、X4間には、浮遊容量Cs1、Cs2がそれぞれ存在する。さらに、駆動電極X3とパネルグランドとの間にも浮遊容量Cs3が存在する。
同様に、検出電極Y3に隣り合う検出電極Y2、Y4はグランドに接続されている。そのため、検出電極Y3と検出電極Y2、Y4間には、浮遊容量Cs4およびCs5が存在する。さらに、検出電極Y3とパネルグランドとの間にも浮遊容量Cs6が存在する。
図5Bに示すように、伝送路117にはインダクタンス素子111のインダクタンスLと、駆動電極X3の浮遊容量Csd(=Cs1+Cs2+Cs3)、結合容量Ceおよび検出電極Y3の浮遊容量Css(=Cs4+Cs5+Cs6)で決まる静電容量によって直列共振回路が形成される。ここで、結合容量Ceの値は、浮遊容量Csd、Cssの値と比較して十分小さいため、この直列共振回路の共振周波数fresは、(数1)で表される。
Figure 0005327408
ここで、浮遊容量Csdは駆動電極X3の幅、隣り合う駆動電極X2、X4やパネルグランド、シールド層106等までの距離などにより決まる。このように、インダクタンス素子111を駆動電極と交流信号源110との間に電気的に接続する事により、交流信号の周波数において駆動電極を共振させることが可能となり、駆動電極を流れる交流信号の振幅値を大きくできる。その結果、駆動電極近傍の電界強度・磁界強度を増強させることができ、タッチパネル100の感度の向上が可能となる。
一般的な情報端末(例えば、スマートフォンやタブレットPC等)に装着されているタッチパネルにおいて、駆動電極と交流信号源110との間にインダクタンス素子111を電気的に接続しない場合には、駆動電極の共振周波数は数10MHz以上の高い周波数となってしまう。一方、一般的な情報端末に装着されているタッチパネル装置の交流信号源110の出力する交流信号の周波数は、数10kHzから500kHz程度が用いられている。このことからも、インダクタンス素子111が駆動電極と交流信号源110との間に電気的に接続されていなければ、一般的に、交流信号の周波数において、駆動電極を共振させることは困難である。実施の形態1におけるタッチパネル装置1では、インダクタンス素子111が駆動電極と交流信号源110との間に電気的に接続されているため、駆動電極の共振周波数を低減でき、その結果、交流信号の周波数において駆動電極を共振させることができ、タッチパネル100の感度向上が可能となる。
なお、一般的な情報端末に装着されているタッチパネル装置の交流信号源110が出力する交流信号の周波数が数10kHzから500kHz程度である理由としては、駆動電極および検出電極を交流信号が伝送する際、駆動電極および検出電極はローパスフィルタとして機能し、500kHz以上の高い周波数の交流信号を入力した場合には、交流信号が各電極を伝送中に大幅に減衰してしまうためである。そのため、一般的に交流信号の周波数としては、駆動電極および検出電極がローパスフィルタとして機能したときのカットオフ周波数以下の周波数を採用し、各電極を信号が伝送中の電力ロスの低減を図っている。実施の形態1では、更に、インダクタンス素子111のインダクタンスを大きくすることにより、駆動電極等の共振周波数を下げることが可能となるため、例えば、500kHz以下の周波数においても駆動電極等を共振させることが可能となる。これにより高感度なタッチパネル装置1を実現できる。
しかしながら、駆動電極等の共振周波数を駆動電極等のカットオフ周波数以下に下げるため、インダクタンス素子111のインダクタンスを大きくしていくと、インダクタンスの大きさに比例してインダクタンス素子111の抵抗損失も増えてしまう。インダクタンスを大きくしすぎた場合には、インダクタンス素子111での電力損失によりタッチパネル装置1の感度が下がってしまう恐れもある。このため、駆動電極等のカットオフ周波数ができるだけ高くなるように駆動電極等の構造等を設計してもよい。そして、インダクタンス素子111と駆動電極等による共振周波数の目標値を駆動電極等のカットオフ周波数付近(一般的な通信機器用のタッチパネル装置であれば、例えば、1.0MHz〜1.5MHz程度)に設定し、インダクタンス素子111のインダクタンスが大きくなりすぎないように配慮する構成としても良い。交流信号源110の出力する交流信号の周波数は、インダクタンス素子111と駆動電極等とによる共振周波数fres付近に設定される。
図5Bの等価回路に示すように、伝送路117のカットオフ周波数fcは、駆動電極X3により構成されるローパスフィルタの時定数(Rd×Csd)および検出電極Y3により構成されるローパスフィルタの時定数(Rs×Css)と(数2)の関係を有する。
Figure 0005327408
従って、カットオフ周波数fcを高くするためには、駆動電極X3の抵抗Rd、浮遊容量Csd、検出電極Y3の抵抗Rs、浮遊容量Cssの少なくともいずれかを小さくする必要がある。
図6Aは、インダクタンス素子111が接続されていない比較例のタッチパネル装置における駆動電極から検出電極へ到達する電界の強度を示す。図6Bは、インダクタンス素子111により駆動電極等を交流信号源110の交流信号の周波数において共振させる実施の形態1におけるタッチパネル装置1における駆動電極から検出電極へ到達する電界の強度を示す図である。
図6Bに示すように、インダクタンス素子111のインダクタンスLと浮遊容量Csdによって決まる共振周波数fresの交流信号電圧が駆動電極104へ印加されると、駆動電極104には振幅値の大きな共振電流が流れる。この共振電流により、駆動電極104から検出電極102に到達する電界E2の強度は、図6Aに示す比較例のタッチパネル装置の電極近傍の電界E1の強度よりも大きくなる。その結果、電界E2はタッチパネル100の表面から遠くまで到達することになる。電界E2の到達範囲内に検出対象物Fが接近すると検出対象物Fと検出電極102との間に、前述した静電容量Cfが形成される。従って、電界の到達距離が大きいほどタッチパネル100の検出対象物Fに対する検出感度は上がることになる。
図3に示すタッチパネル装置1では、すべての駆動電極X1〜X6に同じインダクタンス素子111が接続される。しかし、駆動電極X1〜X6の抵抗Rd、浮遊容量Csdの値にはバラツキがあるので、各駆動電極の入力インピーダンスは一致しておらず、ばらついている。よって、同じインダクタンス素子111を用いて各駆動電極X1〜X6を共振させた場合、各駆動電極X1〜X6の共振周波数は異なった値となる。その結果、交流信号の周波数が1種類の場合には、すべての駆動電極X1〜X6で大きな共振電流を流すことが困難となる場合がある。
そこで、インダクタンス素子111の代わりに、インダクタンスの異なる複数のインダクタンス素子をスイッチで選択し、交流信号を入力する電極に応じて最適なインダクタンスを有するインダクタンス素子を選択する構成としても良い。図7Aは、実施の形態1における他のタッチパネル装置1002の構成図である。図7Aにおいて、図1に示すタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図7Aに示すタッチパネル装置1002では、駆動電極X1〜X6を、入力インピーダンスの近い駆動電極X1〜X3からなるグループGAと、入力インピーダンスの近い駆動電極X4〜X6からなるグループGBの2つのグループに分割する例を示す。グループGAに属する駆動電極X1〜X3には、インダクタンスLaを有するインダクタンス素子111aが直列に接続される。グループGBに属する駆動電極X4〜X6には、インダクタンスLbを有するインダクタンス素子111bが直列に接続される。このようにすると、入力インピーダンスの近い電極グループごとに、最適なインダクタンスLを持つインダクタンス素子が接続されるので、グループ間で共振周波数のバラツキを抑えることができる。その結果、各電極を駆動時に、振幅値の大きな共振電流を流すことが可能となり、タッチパネル装置1002の感度を向上させることができる。
駆動電極のグループ分けの方法として、各々の駆動電極の周囲状況(グランド等や他電極との位置関係)を確認し、その周囲状況が似ている駆動電極同士をグループ化する、すなわち浮遊容量Csdの値の近い複数のグループに分けてもよい。周囲状況が似ていれば、その駆動電極の持つ浮遊容量の大きさも近似してくるため、グループ化した電極同士の入力インピーダンスのバラツキを低く抑えることが可能となる。図7Bは、実施の形態1における更に他のタッチパネル装置1003の構成図である。図7Bにおいて、図7Aに示すタッチパネル装置1002と同じ部分には同じ参照番号を付す。図7Bに示すタッチパネル装置1003では、両端にある駆動電極X1、X6をグループGAにグループ化し、駆動電極X1、X6間にある駆動電極X2、X3、X4、X5をグループGBにグループ化する。両端にある駆動電極X1、X6は、駆動電極X1、X6間にある駆動電極X2、X3、X4、X5と周囲状況が異なり、浮遊容量が異なると考えられる。一方、グループGAに属する駆動電極X1、X6は互いに類似する周囲状況にあり、したがって類似する浮遊容量を有する。また、グループGBに属する駆動電極X2、X3、X4、X5は互いに類似する周囲状況にあり、したがって類似する浮遊容量を有する。これにより、グループGA、GBの駆動電極の入力インピーダンスのバラツキを低減できる。
更に、図3のインダクタンス素子111の代わりに、各駆動電極X1〜X6と駆動電極切替スイッチ112との間に、それぞれの駆動電極を共振させられるインダクタンス素子を電気的に接続する構成としても良い。このような構成を採用することで、それぞれの電極が共振する最適なインダクタンスを選択でき、電極周囲の電界・磁界強度を向上させることができる。
図8は、実施の形態1における更に他のタッチパネル装置1004の構成図である。図8において、図1に示すタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図8に示すタッチパネル装置1004では、インダクタンス素子111−1〜111−6を、駆動電極切替スイッチ112と各駆動電極X1〜X6の間に配置し、すべての駆動電極X1〜X6にそれぞれ異なるインダクタンス素子111−1〜111−6を接続する。すなわち、図8では、駆動電極切替スイッチ112の一方の端子がインダクタンス素子111−1〜111−6と接続され、他方の端子が交流信号源110と接続されている。そして、駆動電極切替スイッチ112はインダクタンス素子111−1〜111−6と交流信号源110との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える。
このようにすると、駆動電極ごとにインダクタンス素子のインダクタンスを調整できるので、より正確に共振周波数fresを合わすことができる。その結果、すべての駆動電極X1〜X6において検出感度を揃えることができる。
なお、上記においては、インダクタンス素子の数を増やして、駆動電極等の入力インピーダンスのバラツキに対応したが、各電極の入力インピーダンスと図3のインダクタンスとにより各電極が共振する周波数に、交流信号源の出力信号の周波数を駆動する電極ごとに変更しても良い。これにより、インダクタンス素子の数を増やさず、各電極において共振現象を起こすことが可能となり、小型で安価なタッチパネル装置を実現できる。
尚、実施の形態1におけるタッチパネル装置1において、検出電極(第2の電極)Y1〜Y6と検出回路114との間には、検出電極Y1〜Y6を共振させる為のインダクタンス素子が電気的に接続されない構成としてもよい。この構成においては、検出電極Y1〜Y6のそれぞれの共振周波数と交流信号の周波数とが異なることになり、検出電極Y1〜Y6の検出感度が高くなりすぎる事を回避できる。結果、タッチパネル装置の近傍に液晶パネル等のノイズ源が存在する場合に、それらノイズ源から放射されるノイズを検出電極Y1〜Y6が感度良く受信してしまい、検出回路114において交流信号が検出困難となる状況を回避できる。
尚、実施の形態1における「共振周波数」とは、インダクタンス素子の交流信号源との接続点または検出回路の検出信号の入力点から、第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチやX電極切替スイッチ等を指す)または第2の電極切替スイッチ(検出電極切替スイッチやY電極切替スイッチ等を指す)を介して対象の電極を見たときの入力インピーダンス特性において、虚数成分が0となる周波数を指している。
(実施の形態2)
図9は実施の形態2におけるタッチパネル装置2の構成図である。本実施の形態が、図9において、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態2におけるタッチパネル装置2は、タッチパネル100に代えてタッチパネル120を備え、分割電極切替スイッチ127を更に備える。
図9に示すように、タッチパネル120では、駆動電極Xm(1≦m≦6)がY軸方向の略中央部において駆動電極Xm1(1≦m≦6)(第3の電極)とXm2(1≦m≦6)(第4の電極)の2つの駆動電極に2分割されている。
そして、1つの交流信号源110から2つの駆動電極Xm1(1≦m≦6)とXm2(1≦m≦6)に交流信号を入力するために、駆動電極切替スイッチ112にさらに分割電極切替スイッチ127を直列接続している。分割電極切替スイッチ127はスイッチTSW7〜TSW12からなる。制御回路115は分割電極切替スイッチ127を制御して、検出電極切替スイッチ113が検出電極Y1〜Y3をスキャンしている間に駆動電極Xm2(1≦m≦6)を交流信号源110に接続し、検出電極切替スイッチ113が検出電極Y4〜Y6をスキャンしている間に駆動電極Xm1(1≦m≦6)を交流信号源110に接続して、交流信号を駆動電極に入力する。このように駆動電極X1〜X6を2分割すると、分割前の駆動電極と比較して分割後の各駆動電極の実効長を短く(図9においては略1/2)することができる。その結果、駆動電極の抵抗Rdおよび浮遊容量Csdの値が分割しない駆動電極に比べて小さくなる。これにより、駆動電極を伝送路として見たときのカットオフ周波数fcを、駆動電極を分割しない場合のカットオフ周波数fcと比較して高くすることができる。その結果、駆動電極を分割しない場合と比較して交流信号の周波数を上げることが可能となるため、インダクタンス素子111のインダクタンスを下げることができ、インダクタンス素子111での抵抗損失を低減できる。これにより、駆動電極から放射される電界・磁界を増強させることができる。
また、図9において、例えばタッチを検出する位置が交差点P13の場合、駆動電極を分割していない実施の形態1では、交流信号源110から入力された交流信号は経路122を通ることになる。一方、駆動電極を2分割した本実施の形態では、交流信号源110から入力された交流信号は経路123を通ることとなる。経路123に含まれる駆動電極X32の長さは、経路122に含まれる駆動電極(X3)の長さよりも短くなる。これにより、交流信号が駆動電極を伝送する際に、駆動電極において損失されるエネルギー損失量を抑圧でき、高感度なタッチパネル装置を実現できる。
また、図9に示すタッチパネル装置2のように、インダクタンス素子111が駆動電極切替スイッチ112と交流信号源110との間に電気的に接続されている構成によれば、インダクタンス素子111が1素子で済み、回路構成が簡単になり、小型で安価なタッチパネル装置を実現できる。また、図9のタッチパネル装置2は、1系統の交流信号源110で実現可能であるため、回路構成が簡単になると共に、消費電力を下げることができる。
なお、図9において、分割電極切替スイッチ127を駆動電極切替スイッチ112とは別のスイッチとして構成しているが、分割電極切替スイッチ127を駆動電極切替スイッチ112に含めた構成としてもよい。
また、図9において、駆動電極はY軸方向の略中央部において2分割されているが、略中央部で電極を分割することにより、分割後の電極のペア(例えば、駆動電極X11とX12のペア)の入力インピーダンスが近似するため、分割後の電極それぞれに対してインダクタンス素子を用意する必要はなくなる。これにより、小型なタッチパネル装置を実現できる。
以下、実施の形態2の変形例1〜7について図10から図15Bを参照して説明する。図10から図15Bにおいて、図9に示すタッチパネル装置2と同じ部分には同じ参照番号を付す。
(変形例1)
図10は、実施の形態2におけるタッチパネル装置2の変形例1の構成図である。本変形例では、2つの分割された駆動電極Xm1(1≦m≦6)および駆動電極Xm2(1≦m≦6)に1つの交流信号源110から互いに逆相の交流信号を同時に入力する。
交流信号源110には、インダクタンス素子111が接続されている。インダクタンス素子111は駆動電極切替スイッチ124と直接および、位相反転回路125を介して接続されている。駆動電極切替スイッチ124は、順次切り替えられる6個のスイッチTSW13〜18から構成され、それぞれのスイッチTSW13〜18は、互いに同時に断続するように動作する2つのスイッチSW1、SW2から構成されている。したがって、駆動電極切替スイッチ124により選択された2つの駆動電極Xm1(1≦m≦6)および駆動電極Xm2(1≦m≦6)には交流信号源110から同時にお互いに位相の反転した交流信号が入力される。
これにより、本変形例では図9の分割電極切替スイッチ127が不要となり、回路構成が簡略化できる。
(変形例2)
図11は、実施の形態2におけるタッチパネル装置2の変形例2の構成図である。本変形例では、2つの分割された駆動電極Xm1(1≦m≦6)および駆動電極Xm2(1≦m≦6)に1つの交流信号源110から同相の交流信号を同時に入力する。本変形例がタッチパネル装置2と異なる点は、駆動電極Xm1と駆動電極Xm2を切り替えずに同時に交流信号源110に接続して、同相の交流信号を同時にそれぞれの駆動電極に入力している点である。
これにより、本変形例では図9の分割電極切替スイッチ127が不要となり、回路構成が簡略化できると共に、図10の位相反転回路125も不要となり回路構成をさらに簡略化できる。
(変形例3)
図12は、実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例3の構成図である。本変形例では、2つの分割された駆動電極にそれぞれ異なる交流信号源から交流信号を同時に入力する。
2つに分割された駆動電極Xm1(1≦m≦6)および駆動電極Xm2(1≦m≦6)には、2つの異なる交流信号源110a、110bから交流信号がそれぞれ入力される。駆動電極Xm1(1≦m≦6)は、駆動電極切替スイッチ112a、インダクタンス素子111aを介して交流信号源110aに接続される。一方、駆動電極Xm2(1≦m≦6)は、駆動電極切替スイッチ112b、インダクタンス素子111bを介して交流信号源110bに接続される。駆動電極切替スイッチ112aおよび駆動電極切替スイッチ112bは、同時刻に整数mの同じ駆動電極Xm1、Xm2を選択するように切り替え動作が行われる。
このように、2つに分割された駆動電極に2つの異なる交流信号源から交流信号を入力することにより、交流信号源から駆動電極までの配線を互いに絶縁するようにブリッジさせる必要がないので、配線基板等の配線層数を少なくすることができる。
(変形例4)
図13は、実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例4の構成図である。変形例1〜3では、駆動電極X1〜X6が分割されているが、検出電極Y1〜Y6を分割しても同様の効果がある。本変形例では、検出電極Y1〜Y6をX軸方向の略中央部で2つに分割し、分割された検出電極Yn1(1≦n≦6)(第5の電極)および検出電極Yn2(1≦n≦6)(第6の電極)から別々に交流信号を出力する。
本変形例のタッチパネル121では、検出電極Y1〜Y6をそれぞれ検出電極Yn1(1≦n≦6)および検出電極Yn2(1≦n≦6)の2つの検出電極に分割する。検出電極Yn1(1≦n≦6)は検出電極切替スイッチ113aを介して検出回路114aと接続される。検出電極Yn2(1≦n≦6)は検出電極切替スイッチ113bを介して検出回路114bと接続される。検出電極切替スイッチ113aは、駆動電極切替スイッチ112により、駆動電極X1〜X3が選択されている間に、検出電極Yn1(1≦n≦6)を検出回路114aに順次接続するようにスキャンする。検出電極切替スイッチ113bは、駆動電極切替スイッチ112により、駆動電極X4〜X6が選択されている間に、検出電極Yn2(1≦n≦6)を検出回路114bに順次接続するようにスキャンする。
このように、検出電極を2分割すると、交流信号源110から検出回路114aまたは検出回路114bまでの伝送路中の検出電極の平均実効長を短くできる。その結果、検出電極の抵抗Rsおよび浮遊容量Cssの平均実効値が分割前に比べて小さくなる。これにより、伝送路のカットオフ周波数fcを、検出電極を分割しない場合のカットオフ周波数fcに比べて高くすることができる。実施の形態2のタッチパネル121は、X電極より長い長軸の電極(Y電極)を検出電極としているために、検出電極を分割した方がカットオフ周波数を高くする効果は大きくなる。この技術思想から、電極長の長いものから優先して電極の分割化を行っても良い。
なお、検出電極Yn1(1≦n≦6)に対向している駆動電極(図13においては、駆動電極Xn(1≦n≦3))の内の1つの駆動電極と、検出電極Yn2(1≦n≦6)に対向している駆動電極(図13においては、駆動電極Xn(4≦n≦6))の内の1つの駆動電極とに、交流信号源110からの交流信号が入力されるように駆動電極切替スイッチ112が制御される構成としても良い。これにより駆動電極X1〜X6の電極の内、2つの電極を同時にスキャンすることが可能となり、駆動電極X1〜X6のスキャン時間を短縮することが可能となる。
このような効果が得られるのも、検出電極が分割されている為である。
また、図13においては、分割した検出電極それぞれに検出回路114a、114bを接続したが、検出電極切替スイッチ113aおよび検出回路114aと、検出電極切替スイッチ113bおよび検出回路114bとを同時に動作させない構成とすることで、図9に示すタッチパネル装置2と同様に、1つの検出電極切替スイッチおよび1つの検出回路を、分割電極切替スイッチで切替制御することもできる。このようにすると、検出回路が1系統で済むので回路構成が簡単になるとともに、消費電力を下げることができる。
(変形例5)
図14は、実施の形態2におけるタッチパネル装置の変形例5の構成図である。本変形例では、駆動電極と検出電極の両方をそれぞれの略中央部で2分割する。駆動電極Xm(1≦m≦6)が駆動電極Xm1(1≦m≦6)および駆動電極Xm2(1≦m≦6)に分割され、検出電極Yn(1≦n≦6)が検出電極Yn1(1≦n≦6)と検出電極Yn2(1≦n≦6)に分割されている。その他の構成は、図12、図13と同じであるので、説明を省略する。
これにより、交流信号源110aから検出回路114aまでの伝送路中および、交流信号源110bから検出回路114bまでの伝送路中の駆動電極および検出電極の平均実効長がさらに短くなる。その結果、駆動電極の抵抗Rd、検出電極の抵抗Rsおよび駆動電極の浮遊容量Csd、検出電極の浮遊容量Cssの平均実効値が分割されていない電極を有するタッチパネル装置に比べてさらに小さくなる。これにより、伝送路のカットオフ周波数fcを、電極を分割しない場合のカットオフ周波数fcに比べてさらに高くすることができる。
なお、変形例4同様に、交流信号源、駆動電極切替スイッチおよび検出電極切替スイッチを1系統とし、分割された駆動電極および検出電極をそれぞれ切り替えてもよい。更に、変形例4同様に、検出電極Yn1(1≦n≦6)に対向している駆動電極(図14においては、Xn1(1≦n≦3)のうちの1つとXn2(1≦n≦3)のうちの1つとのペア)の内の1つの駆動電極と、検出電極Yn2(1≦n≦6)に対向している駆動電極(図14においては、Xn1(4≦n≦6)のうちの1つとXn2(4≦n≦6)のうちの1つとのペア)の内の1つの駆動電極とに、交流信号源110a、110bからの交流信号が印加されるように駆動電極切替スイッチ112a、112bが制御される構成としても良い。
上記いずれの変形例でも、短軸の電極(X電極)を駆動電極とした場合を例示しているが、長軸の電極(Y電極)を駆動電極としてもよい。Y電極を駆動電極とする場合は、駆動電極の抵抗Rdおよび浮遊容量CsdがX電極を駆動電極する場合と比較して大きくなるので、電極を分割する効果はより大きくなる。
(変形例6)
図15Aは、実施の形態2のタッチパネル装置の変形例6の構成図である。本変形例は、2つの検出電極に接続された差動増幅器により交流信号を検出する。なお、図15Aでは選択された電極のみを実線で示し、選択されなかった電極は破線で示している。
図15Aは、図10に示す変形例2の検出に関するものである。差動増幅器126は非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)と出力端子とを有し、非反転入力端子に入力された信号から反転入力端子に入力された信号を引いて得られた差を出力端子から出力する。駆動電極X3が駆動電極X31と駆動電極X32に分割されている。駆動電極X32と交差する検出電極Y2からの検出信号は差動増幅器126の非反転入力端子に接続されている。一方、駆動電極X31と交差する検出電極Y4からの検出信号が差動増幅器126の反転入力端子に接続されている。差動増幅器126は、検出電極Y2の検出信号と検出電極Y4の検出信号の差分を検出回路114へ出力する。これにより、検出電極Y2および検出電極Y4が拾うLCD107等からの同相ノイズを除去することができ、タッチパネル装置2の検出感度を高めることができる。なお、図15Aにおいて、検出電極Y2、Y4のどちらにタッチがあったかについての検出は、差動増幅器126の検出信号の極性により特定することが可能である。検出対象物Fにより近い検出電極から出力される信号の電圧は図2Eに示すように低くなる。したがって、図15Aに示す回路では、差動増幅器126から出力された信号が正でありかつその信号の絶対値が所定の閾値以上である場合には、検出電極Y4の近くにタッチされたと検出回路114は判定できる。また、差動増幅器126から出力された信号が負でありかつその信号の絶対値が所定の閾値以上である場合には検出電極Y2の近くにタッチされたと検出回路114は判定できる。差動増幅器126から出力された信号の絶対値が所定の閾値未満である場合には検出電極Y2、Y4のいずれの近くにもタッチされていないと検出回路114は判定できる。
(変形例7)
図15Bは、実施の形態2のタッチパネル装置の変形例7の構成図である。図15Bは、図13に示した変形例4の検出に関するものである。検出電極Y2が2つの検出電極Y21および検出電極Y22に分割されている。駆動電極X5と交差する検出電極Y22からの検出信号が差動増幅器126の非反転入力端子に接続されている。一方、駆動電極X5と交差しない検出電極Y21からの検出信号は差動増幅器126の反転入力端子に接続されている。差動増幅器126は、検出電極Y22の検出信号と検出電極Y21の検出信号の差分を検出回路114へ出力する。これにより、検出電極Y21、Y22が拾うLCD107等からの同相ノイズを除去することができ、タッチパネル装置2の検出感度を高めることができる。なお、図15Bにおいて、検出電極Y21、Y22のどちらにタッチがあったかについての検出は、差動増幅器126の検出信号の極性により特定することが可能である。図15Aに示す回路と同様に、図15Bに示す回路では、差動増幅器126から出力された信号が正でありかつその信号の絶対値が所定の閾値以上である場合には、検出電極Y21の近くにタッチされたと検出回路114は判定できる。また、差動増幅器126から出力された信号が負でありかつその信号の絶対値が所定の閾値以上である場合には検出電極Y22の近くにタッチされたと検出回路114は判定できる。差動増幅器126から出力された信号の絶対値が所定の閾値未満である場合には検出電極Y21、Y22のいずれの近くにもタッチされていないと検出回路114は判定できる。
変形例6、7において、差動増幅器126の反転入力端子と非反転入力端子に接続される検出電極は図15Aと図15Bに示す検出電極と逆であっても同様にタッチされた位置に近い検出電極を検出することができる。
(実施の形態3)
図16と図17は実施の形態3におけるタッチパネル装置3の構成図である。図16において、図3に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態3におけるタッチパネル装置3では、実施の形態1と異なり、1つの駆動電極の両端から交流信号が入力される。
図16では、駆動電極X3と検出電極Y5が選択された状態(交差点P35のタッチを検出する状態)で、1つの交流信号源110により駆動電極X3の一方の端部Pe1および他方の端部Pe2から交流信号が入力されている。ここで、駆動電極X3の両端(端部Pe1および端部Pe2)は電気的に接続されている。すなわち、駆動電極切替スイッチの駆動電極X3と電気的に接続される一方の端子は、駆動電極X3のY軸方向の2つの端部と電気的に短絡状態で接続されている。この場合、交流信号源110から検出回路114まで交流信号が通過する経路としては、図16に示すような経路131および経路132が存在する。経路131は、駆動電極X3の端部Pe1、交差点P35を経由して検出回路114に至る経路である。経路132は、駆動電極X3の端部Pe2、交差点P35を経由して検出回路114に至る経路である。ここで、経路131に含まれる駆動電極X3の長さは経路132に含まれる駆動電極X3の長さより短くなる。従って、経路131に含まれる駆動電極X3の抵抗Rd1は、経路132に含まれる駆動電極X3の抵抗Rd2よりも小さい。したがって、より大きな交流信号電流が経路131を流れることになる。
図17では、駆動電極X3と検出電極Y2が選択された状態(交差点P32のタッチを検出する状態)で、1つの交流信号源110から駆動電極X3の一方の端部Pe1および他方の端部Pe2から交流信号が入力されている。ここで、駆動電極X3の2つの端部(端部Pe1および端部Pe2)は電気的に短絡状態で接続されている。この場合、交流信号源110から検出回路114まで交流信号電流が流れる経路としては、経路133および経路134が存在する。経路133は、駆動電極X3の端部Pe1、交差点P32を経由して検出回路114に至る経路である。経路134は、駆動電極X3の端部Pe2、交差点P32を経由して検出回路114に至る経路である。ここで、経路134に含まれる駆動電極X3の長さは経路133に含まれる駆動電極X3の長さより短くなる。従って、経路134に含まれる駆動電極X3の抵抗Rd4は、経路133に含まれる駆動電極X3の抵抗Rd3よりも小さい。したがって、より大きな交流信号電流が経路134を流れることになる。
このように、1つの駆動電極の両端を電気的に接続し、両端から交流信号電圧を印加すると、交流信号源110から検出回路114までのより短い経路(より抵抗の小さい経路)を通って、より多くの交流信号電流が流れる。したがって、駆動電極の一方の端部Pe1のみから交流信号電圧を印加する場合に比べて、伝送路の実効抵抗を小さくすることができるので、伝送路のカットオフ周波数fcを高くすることが可能となる。同様に、伝送路の実効抵抗を小さくすることができるので、交流信号の伝送ロスを低減でき、低消費なタッチパネル装置3を実現できる。
図16と図17に示すタッチパネル装置3では、1つの駆動電極の両端から交流信号が入力されるが、同様の思想で、1つの検出電極の両端から検出信号を出力しても、検出電極の抵抗を下げることができ、カットオフ周波数fcを高くすることができる。
図18と図19は実施の形態3における他のタッチパネル装置3Aの構成図である。図18と図19において、図3に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図18に示すタッチパネル装置3Aでは、駆動電極X2と検出電極Y2が選択された状態(交差点P22のタッチを検出する状態)で、交流信号源110から駆動電極X2へ交流信号が入力され、検出電極Y2の一方の端部Ps1および他方の端部Ps2が1つの検出回路114に接続されている。ここで、検出電極Y2の両端(端部Ps1および端部Ps2)は電気的に接続されている。すなわち、検出電極切替スイッチの検出電極Y2と電気的に接続される一方の端子は、検出電極Y2のX軸方向の両端部と電気的に短絡状態で接続されている。この場合、交流信号源110から検出回路114まで交流信号電流が流れる経路としては、経路135および経路136が存在する。経路135は、交流信号源110、交差点P22、端部Ps1を経由して検出回路114に至る経路である。経路136は、交流信号源110、交差点P22、端部Ps2を経由して検出回路114に至る経路である。ここで、経路135に含まれる検出電極Y2の長さは経路136に含まれる検出電極Y2の長さより短くなる。従って、経路135に含まれる検出電極Y2の抵抗Rs1は、経路136に含まれる検出電極Y2の抵抗Rs2よりも小さい。したがって、より多くの交流信号電流が経路135を流れることになる。
一方、図19では、駆動電極X5と検出電極Y2が選択された状態(交差点P25のタッチを検出する状態)で、交流信号源110から駆動電極X5へ交流信号が入力され、検出電極Y2の一方の端部Ps1および他方の端部Ps2を1つの検出回路114に接続されている。ここで、検出電極Y2の両端(端部Ps1および端部Ps2)は電気的に接続されている。この場合、交流信号源110から検出回路114まで交流信号電流が流れる経路は、経路137および経路138が存在する。経路137は、交流信号源110、交差点P25、端部Ps1を経由して検出回路114に至る経路である。経路138は、交流信号源110、交差点P25、端部Ps2を経由して検出回路114に至る経路である。ここで、経路138に含まれる検出電極Y2の長さは経路137に含まれる検出電極Y2の長さより短くなる。従って、経路138に含まれる検出電極Y2の抵抗Rs4は、経路137に含まれる検出電極Y2の抵抗Rs3よりも小さい。したがって、より多くの交流信号電流は経路138を流れることになる。
このように、1つの検出電極の両端を電気的に接続し、この両端から交流信号を出力すると、交流信号源から検出回路までのもっとも短い経路(伝送抵抗の小さい経路)を通って交流信号電流は流れる。したがって、検出電極の一方の端部Ps1のみから交流信号電流を取り出す場合に比べて、伝送路の実効抵抗を小さくすることができるので、伝送路のカットオフ周波数fcを高くすることが可能となる。同様に、伝送路の実効抵抗を小さくすることができるので、交流信号の伝送ロスを低減でき、低消費なタッチパネル装置3Aを実現できる。
(実施の形態4)
図20Aは実施の形態4におけるタッチパネル装置1000の断面模式図である。図20Bはタッチパネル装置1000の信号の波形を示す図である。図20Aにおいて、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態4では、LCD107等から発生するノイズを効率よく遮蔽する。
図20Aに示すようにタッチパネル100にはLCD107と電極層108との間にシールド層106が配置されている。電極層108の近くにシールド層106が配置されていると、駆動電極104および検出電極102と、シールド層106との間に浮遊容量(図5Aの浮遊容量Cs3、Cs6)が発生し、伝送路のカットオフ周波数fcが下がる。実施の形態4におけるタッチパネル装置1000は、シールド層106とグランドとの間に接続されて制御回路115により制御される接地スイッチSW10を更に備える。接地スイッチSW10の制御により、LCD107等からのノイズを遮蔽しつつ、上記浮遊容量を低減することができる。
LCD107では、自身の損傷を防ぐために、LCD107の駆動信号の極性を周期的に反転している。この極性を反転する時の所定の期間Tn(以下、ノイズ期間Tnという)にスパイク状のノイズが発生する。ノイズ期間Tnは、画像を表示する画像表示フレーム期間T(例えば、1/60Hz)のうちの所定の期間である。タッチパネル100の駆動電極104および検出電極102がこのノイズを拾うと誤検出の原因となる。LCD107はノイズ期間Tnでは、それ以外の期間より大きいノイズを発生する。
図20Bに示すように、ノイズ期間Tnの間はシールド層106をグランドに接続し、ノイズ期間Tnを除く期間の一部または全部の期間はシールド層106をグランドから切り離すように制御回路115が接地スイッチSW10を制御する。
このような制御をすることにより、LCD107から発生するノイズが駆動電極104および検出電極102に飛び込むのを遮蔽するとともに、駆動電極104および検出電極102とシールド層106との間の浮遊容量を低減することが可能となる。
また、接地スイッチSW10を制御してシールド層106をグランドと接続しているノイズ期間Tnは、浮遊容量が大きくなってカットオフ周波数が下がるので、制御回路115はノイズ期間Tnだけ交流信号の周波数を低下させてカットオフ周波数以下となり、ノイズ期間Tn以外の期間での周波数より下げるように交流信号源110を制御してもよい。
図20Cは実施の形態4における他のタッチパネル装置1000Aの断面模式図である。図20Cにおいて、図20Aに示すタッチパネル装置1000と同じ部分には同じ参照番号を付す。図20Cに示すタッチパネル装置1000Aは、インダクタンス素子111の代わりに、インダクタンスを変えられる可変インダクタンス素子111Vを備える。タッチパネル装置1000Aでは、交流信号の周波数を低くする際に、制御回路115は共振周波数を低くするように可変インダクタンス素子111Vのインダクタンスを切り替える。具体的には、制御回路115はノイズ期間Tnでの可変インダクタンス素子111Vのインダクタンスをノイズ期間Tn以外の期間より大きくして、接地スイッチSW10が導通することで浮遊容量が大きくなっても、共振周波数を交流信号の周波数に一致させることができる。これにより高感度なタッチパネル装置1000Aを実現できる。可変インダクタンス素子111Vは、例えば、制御回路115により選択される複数のインダクタンス素子により構成することができる。もしくは、可変インダクタンス素子111Vは、直列に接続された複数のインダクタンス素子と、それらのインダクタンス素子にそれぞれ並列接続された複数のスイッチとで構成することもできる。
(実施の形態5)
図21は実施の形態5におけるタッチパネル装置1005の構成図である。図21において、図3に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態5におけるタッチパネル装置1005は、LCD107(図1)等から発生するノイズを効率よく遮蔽する。
図3に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1では、タッチパネル100において選択されていない電極(駆動電極および検出電極)はグランドに接続されて、LCD107等からのノイズが選択された電極に影響を与えるのを防止している。しかしながら、選択された電極の周囲の電極がグランドに接続されている状態では、選択された電極と周囲の電極との間の浮遊容量Cs1、Cs2、Cs4、Cs5(図5A)が大きくなり、交流信号源110から検出回路114までの伝送路のカットオフ周波数fcが低くなる。その結果、交流信号源110から入力された交流信号の減衰量が大きくなり、タッチパネル100の検出感度が低下する。
実施の形態5におけるタッチパネル装置1005では、制御回路115は選択電極との間の浮遊容量が最も大きい選択電極に隣り合う電極のみをグランドと交流信号源110と検出回路114とから切り離して開放し、選択電極とそれに隣り合う電極選択電極以外の電極をグランドに接続するように、駆動電極切替スイッチ112および検出電極切替スイッチ113を制御する。例えば、図21に示すように、或る駆動電極X3と或る検出電極Y3が選択された状態では、制御回路115は或る駆動電極X3に隣り合う別の駆動電極X2、X4および或る検出電極Y3に隣り合う別の検出電極Y2、Y4をグランドから切り離して開放し、駆動電極X1、X5、X6および検出電極Y1、Y5、Y6をグランドに接続するように駆動電極切替スイッチ112および検出電極切替スイッチ113を制御する。
このような制御により、カットオフ周波数fcの低下を防ぎ、かつLCD107等からのノイズの遮蔽を両立させることが可能となり、検出感度の高いタッチパネル装置1005を実現できる。更に、選択電極に近接した電極がグランドから切り離されるので、選択電極から放射される電磁界強度が大きくなり、より遠方の検出対象物の検知が可能となる。
なお、グランドから切り離す電極は駆動電極および検出電極の両方である必要はなく、少なくとも一方の電極であってもよい。また、図20Aと図20Cに示す実施の形態4におけるタッチパネル装置1000、1000Aと同様に、制御回路115はノイズ期間Tnの間は選択電極以外をグランドに接続し、ノイズ期間Tnを除く期間の一部または全部で選択電極に隣り合う電極をグランドと切り離すようにしてもよい。また、グランドとの接続を切り離す電極は、隣り合う電極のみでなく、さらに選択電極から離れた電極をグランドから切り離してもよい。
(実施の形態6)
実施の形態6におけるタッチパネル装置6について図22〜図24Bを用いて説明する。実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置は、相互容量型のタッチパネル装置であるが、実施の形態6におけるタッチパネル装置は自己容量型のタッチパネル装置である。
まず自己容量型のタッチパネル装置の動作原理を簡単に説明する。相互容量型が格子状に配列された駆動電極と検出電極の交差部の相互容量の変化を検出するのに対して、自己容量型は1つの電極が駆動電極と検出電極の役割を果たし、電極自身とグランド間の静電容量(自己容量)の変化を検出するものである。
図22は、実施の形態6におけるタッチパネル装置6に搭載されるタッチパネル200の断面模式図である。図22において、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル100と同じ部分には同じ参照番号を付す。タッチパネル200は自己容量型のタッチパネルであり、相互容量型のタッチパネル100とほぼ同様の構造を有する。タッチパネル200は、図22に示すように、絶縁層であるガラス層103と、ガラス層103を挟んで互いに対向するY電極202とX電極204とを備える。ガラス層103とY電極202とX電極204は電極層208を構成する。Y電極202とX電極204は互いに直角に延びるように格子状に配列されている。それぞれの電極には、交流信号源から交流信号である駆動電圧Vsが印加され、各電極の自己容量の変化を交流信号電圧の変化として検出する。Y電極202はX電極204に比べて保護層101の近くに位置する。X電極204、Y電極202はともに同じ原理で動作するので、以下、保護層101すなわち表面により近いY電極202について説明する。
図23Aから図23Dは自己容量型のタッチパネル装置6の動作原理を説明する図である。図23Aはタッチパネル装置6のタッチパネル200の電極層208の断面模式図である。図23Bは図23Aに示すタッチパネル200の等価回路図である。図23CはY電極202に印加される駆動電圧Vsの波形を示す。図23Dは操作者の指等の検出対象物Fのタッチが無い場合の検出電圧Vd3の波形および、タッチがある場合の検出電圧Vd4の波形を示す。
Y電極202とグランドの間には浮遊容量Csyが存在している。この状態で、検出対象物Fがタッチパネル200の表面にタッチするとY電極202と検出対象物Fとの間で静電容量Ceyが発生する。静電容量Ceyにより、浮遊容量Csyに充電された電荷の一部が指を通してグランドに逃げるので、検出電圧Vd4は、タッチのない場合の検出電圧Vd3より小さくなる。従って、予め設定した閾値電圧Vthと検出電圧Vdを比較することで、タッチパネル200へのタッチを検出することが可能となる。X電極204もY電極202と同様に動作する。
図24Aは、実施の形態6におけるタッチパネル装置6の構成図である。図24Aに示すように、タッチパネル装置6は、タッチパネル200と、交流信号源210a、210bと、X電極切替スイッチ212aと、Y電極切替スイッチ212bと、検出回路214a、214bと、制御回路215とを備える。
図24Aにおいて、タッチパネル200の長手方向をX軸、X軸に直交する方向をY軸とする。タッチパネル200は、複数のX電極204(第1の電極)と、複数のY電極202(第2の電極)から構成される。複数のX電極204は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、Y軸方向(第2の方向)に延在する。複数のY電極202は、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在する。説明を簡単にするために本実施の形態では、X電極204は6本のX電極XS1〜XS6から構成され、Y電極202は6本のY電極YS1〜YS6から構成されているものとする。X電極XS1〜XS6はY電極YS1〜YS6と直角に延びてガラス層105を介して互いに対向するように格子状に配列されている。
交流信号源210aは、インダクタンス素子211aを介してX電極切替スイッチ212a(第1の電極切替スイッチ)および検出回路214aに接続されている。X電極切替スイッチ212aはX電極XS1〜XS6に接続されている。交流信号源210bはインダクタンス素子211bを介してY電極切替スイッチ212b(第2の電極切替スイッチ)および検出回路214bに接続されている。Y電極切替スイッチ212bはY電極YS1〜YS6に接続されている。
X電極切替スイッチ212aおよびY電極切替スイッチ212bは、制御回路215により制御される。X電極切替スイッチ212aおよびY電極切替スイッチ212bの構成および動作は、実施の形態1の駆動電極切替スイッチ112および検出電極切替スイッチ113と同様に動作する。
タッチパネル装置6においては、X電極XS1〜XS6とグランドとの間には浮遊容量Csxが存在する。交流信号源210aから検出回路214aまでの伝送路の直列共振回路の共振周波数fresxは、インダクタンス素子211aのインダクタンスLaの値と浮遊容量Csxとで決まり、(数3)で表される。
Figure 0005327408
従って、交流信号源210aから周波数fresxの交流信号電圧を印加すると共振電流が流れ、実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じようにタッチパネル装置6の検出感度を高くすることができる。
また、交流信号源210aから検出回路214aまでの伝送路のカットオフ周波数fcxは、X電極XS1〜XS6の抵抗Rxと、浮遊容量Csxとの積で決まる時定数(Rx×Csx)の逆数に比例する。すなわち、カットオフ周波数fcxは(数4)で表される。
Figure 0005327408
従って、X電極XS1〜XS6を含む伝送路のカットオフ周波数fcxを高くするためには、抵抗Rxおよび浮遊容量Csxの少なくとも一方を小さくする必要がある。
同様に、Y電極YS1〜YS6とグランドとの間には浮遊容量Csyが存在する。交流信号源210bから検出回路214bまでの伝送路の直列共振回路の共振周波数fresyは、インダクタンス素子211bのインダクタンスLbの値と浮遊容量Csyとで決まり、(数5)で表される。
Figure 0005327408
従って、交流信号源210bから周波数fresyの交流信号電圧を印加すると共振電流が流れ、実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じようにタッチパネル装置6の検出感度を高くすることができる。
また、交流信号源210bから検出回路214bまでの伝送路のカットオフ周波数fcyは、Y電極YS1〜YS6の抵抗Ryと、浮遊容量Csyとの積で決まる時定数(Ry×Csy)の逆数に比例する。すなわち、カットオフ周波数fcyは(数6)で表される。
Figure 0005327408
従って、Y電極YS1〜YS6を含む伝送路のカットオフ周波数fcyを高くするためには、抵抗Ryおよび浮遊容量Csyの少なくとも一方を小さくする必要がある。
このように、実施の形態6によれば、自己容量型のタッチパネル装置6でも、交流信号源と電極間にインダクタンス素子を接続することで、共振回路を構成し、電極に共振電流を流すことによって、電極周囲の電界強度を高めることができ、検出感度を向上させることが可能となる。
また、上述したように、自己容量型のタッチパネル装置は、相互容量型のタッチパネル装置と検出原理は異なるが、伝送路の共振周波数を決める要因、カットオフ周波数を決める要因、LCDからのノイズの影響等は相互容量型のタッチパネル装置と同様である。従って、実施の形態1〜実施の形態5におけるタッチパネル装置の技術は、実施の形態6におけるタッチパネル装置6にも同様に適用でき、同様の効果を有する。
図24Bは実施の形態6における他のタッチパネル装置6Aの構成図である。図24Bにおいて、図24Aに示すタッチパネル装置6と同じ部分には同じ参照番号を付す。タッチパネル装置6Aは図24Aに示すタッチパネル装置6のインダクタンス素子211a、211bの代わりにインダクタンス素子211a−1〜211a−6、211b−1〜211b−6を備え、X電極切替スイッチ1212aとY電極切替スイッチ1212bとを更に備える。図8に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1004と同様に、交流信号が入力されるX電極XS1〜XS6とX電極切替スイッチ212aとの間にインダクタンス素子211a−1〜211a−6がそれぞれ直列に接続され、交流信号が入力されるY電極YS1〜YS6とY電極切替スイッチ212bとの間にインダクタンス素子211b−1〜211b−6がそれぞれ直列に接続されている。X電極切替スイッチ1212aはX電極切替スイッチ212aと同様に、X電極XS1〜XS6を順次検出回路214aに接続し、Y電極切替スイッチ1212bはY電極切替スイッチ212bと同様に、Y電極YS1〜YS6を順次検出回路214bに接続する。詳細には、X電極切替スイッチ212aがインダクタンス素子211a−m(1≦m≦6)を交流信号源210aに接続しているときに、X電極切替スイッチ1212aはX電極XSmを検出回路214aに接続する。また、Y電極切替スイッチ212bがインダクタンス素子211b−n(1≦n≦6)を交流信号源210bに接続しているときに、Y電極切替スイッチ1212bはY電極YSnを検出回路214bに接続する。この動作により、X電極XS1〜XS6とY電極YS1〜YS6のそれぞれに対して図24Aに示すタッチパネル装置6と同様の回路を形成でき、検出対象物Fがタッチパネル200にタッチした位置を高感度に且つ高精度に検出することができる。
(実施の形態7)
図25Aは実施の形態7におけるタッチパネル装置1007の断面模式図である。図25Aにおいて、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図25Aに示すタッチパネル装置1007は、実施の形態1におけるタッチパネル装置1の駆動電極104の入力側とグランドとの間に直列に接続されたインダクタンス素子140を更に備える。すなわち、駆動電極104のインダクタンス素子111と電気的に接続されている一方の端部とグランドとの間にインダクタンス素子140が直列に接続されている。ここで、交流信号源110の交流信号の周波数において、インダクタンス素子140と駆動電極104の浮遊容量Csdとが共振するように、インダクタンス素子140のインダクタンスを選択することで、駆動電極104の浮遊容量Csdを見かけ上小さくすることができる。これにより、駆動電極のカットオフ周波数を上げることが可能となり、インダクタンス素子111のインダクタンスを小さくすることができる。これにより、インダクタンス素子111における抵抗ロスを低減でき、タッチパネル装置1007の感度を高めることができる。
図25Bは実施の形態7における他のタッチパネル装置1007Aの断面模式図である。図25Bにおいて、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図25Bに示すタッチパネル装置1007Aは、実施の形態1におけるタッチパネル装置1の駆動電極104の出力側の端部とグランドとの間に直列に接続されたシャント用のコンデンサ141を更に備える。すなわち、インダクタンス素子111と電気的に接続される駆動電極104の延在する方向の少なくとも一方の端部とグランドの間にコンデンサ141が直列に接続されている。これにより、駆動電極104の共振周波数を下げることが可能となり、結果、インダクタンス素子111のインダクタンスを低減させることができる。これにより、インダクタンス素子111における抵抗ロスを低減でき、タッチパネル装置1007Aの感度を高めることができる。
(実施の形態8)
図26は実施の形態8におけるタッチパネル装置のタッチパネル221の構成図である。図26において、図24Aに示す実施の形態6におけるタッチパネル装置6のタッチパネル200と同じ部分には同じ参照番号を付す。一般的に長軸の電極(図26ではY電極)は、短軸の電極(図26ではX電極)に比べて抵抗が大きくなる。図26に示すタッチパネル221では、長軸の電極の延びるX軸の方向と直角の方向の幅W1を、短軸の電極の延びるY方向と直角の方向の幅W2よりも広くする。これにより、交流信号源から検出器までの伝送路のカットオフ周波数を高くすることができる。
図27は実施の形態8における他のタッチパネル装置のタッチパネル222の構成図である。図26において、図22と図24Aに示す実施の形態6におけるタッチパネル装置6のタッチパネル200と同じ部分には同じ参照番号を付す。一般的にシールド層106により近い電極(図27ではX電極)は、シールド層106からより遠い電極(図27ではY電極)に比べてシールド層106との浮遊容量が大きくなる。図27に示す実施の形態8におけるタッチパネル222では、シールド層106から近いX電極の延びるY軸の方向と直角の方向の幅W4をシールド層106から遠いY電極の延びるX軸の方向と直角の方向の幅W3よりも広くすることが好ましい。これにより、シールド層106から近いX電極の抵抗を下げることができ、交流信号源から検出器までの伝送路のカットオフ周波数を高くすることができる。
なお、図25Aから図27に示す実施の形態7、8におけるタッチパネル装置の構成は、実施の形態1〜6におけるタッチパネル装置の全てに適用でき、同じ効果を有する。
(実施の形態9)
図28は実施の形態9におけるタッチパネル装置の構成図である。図28において、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図28に示すタッチパネル装置1009は実施の形態1におけるタッチパネル100の代わりにタッチパネル1019を備える。タッチパネル1019では駆動電極X1〜X6の延びる方向は検出電極Y1〜Y6の延びる方向と直角ではない。しかし、実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同様に、駆動電極X1〜X6が検出電極Y1〜Y6に対向する交差部のうち、検出対象物Fがタッチした交差部を高感度に検出することができ、同様の効果を有する。
なお、図1に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1では、タッチパネル100は1つのみの駆動電極X1と、駆動電極X1に対向する1つのみの検出電極Y1とを備えてもよい。このタッチパネル装置は検出対象物がタッチパネル100にタッチしたか否かを高感度に検出するタッチセンサとして用いることができ、実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同様の効果を有する。
なお、実施の形態9におけるタッチパネル装置の構成は、実施の形態1〜8におけるタッチパネル装置の全てに適用でき、同じ効果を有する。
以上説明したように、実施の形態1〜8におけるタッチパネル装置は、簡単な構成で検出位置精度および検出感度をともに高くすることが可能である。
なお、上記実施の形態では、タッチパネル100、200にはLCD107が装着される。タッチパネル表面に画像を表示せずにタッチ検出する用途ではLCD107は必ずしも不可欠な構成部品ではない。
また、上記実施の形態では、駆動電極104、検出電極102、X電極204およびY電極202は、略等間隔で配列されているが、必ずしも等間隔で配列されていなくてもよく、位置により異なった間隔で配列されていてもよい。例えば、タッチパネル100で、指が頻繁にタッチされる領域が特定されていれば、その領域の電極102、104の間隔を他の領域より狭く配置することで、タッチ位置の分解能を高めることができる。
また、上記実施の形態では、制御回路115、215は駆動電極切替スイッチ112、検出電極切替スイッチ113、X電極切替スイッチ212aおよびY電極切替スイッチ212bを順次切り替えるが、電極の切り替えは必ずしも順次行われていなくてもよく、1本以上の電極を飛ばしながら切り替えてもよい。
また、制御回路115、215は複数の電極を同時に選択するように電極切替スイッチ112、113、212a、212bを切り替えてもよい。
例えば、図3に示すタッチパネル装置1では、制御回路115は、複数の駆動電極X1〜X6のうち互いに隣り合う複数の駆動電極X1、X2を同時にインダクタンス素子111に接続維持し、その後、駆動電極X1をインダクタンス素子111から切り離して互いに隣り合う駆動電極X2、X3を同時にインダクタンス素子111に接続維持するように駆動電極切替スイッチ112を制御してもよい。これにより、タッチパネル装置1の感度を上げることができる。図8に示すタッチパネル装置1004も同様に動作させても良い。
また、図24Aに示すタッチパネル装置6では、複数のX電極XS1〜XS6のうち互いに隣り合う複数のX電極XS1、XS2を同時にインダクタンス素子211aに接続維持して複数のY電極YS1〜YS6のうち互いに隣り合う複数のY電極YS1、YS2を同時にインダクタンス素子211bに接続維持し、その後、電極XS1、YS1をインダクタンス素子211a、211bから切り離して互いに隣り合う複数のX電極XS2、XS3を同時にインダクタンス素子211aに接続して互いに隣り合う複数のY電極YS2、YS3を同時にインダクタンス素子211bに接続するように電極切替スイッチ212a、212bを制御してもよい。これにより、タッチパネル装置6の感度を上げることができる。図24Bに示すタッチパネル装置6Aも同様に動作させても良い。
上記において、同時に選択される複数の電極は互いに隣り合っていなくてもよい。
また、上記実施の形態では、検出回路114、214は、検出電極102、Y電極202から交流信号を入力して電極間または電極とグランドとの間の静電容量の変化を検出するが、必ずしも交流信号でなくてもよく、直流信号など他の信号であってもよい。
また、実施の形態2では、駆動電極104および検出電極102は、それぞれの電極が延在する方向の略中央部において電極を分割されるが、必ずしも電極の略中央部で電極を分割する必要はなく、電極の延在する方向における略中央部以外の任意の位置で電極を分割してもよい。また、タッチパネルの使用状態等を勘案し、各電極において分割位置が異なっていても良い。これにより、例えば駆動電極を分割した場合、交流信号が駆動電極を伝送する際に、駆動電極において損失されるエネルギー損失量を最大限抑圧でき、高感度なタッチパネル装置を実現できる。更に、上記実施の形態においては、電極を2つに分割するが、3つ以上の電極に分割しても、同様の効果が得られる。
尚、上記のすべての実施の形態におけるタッチパネル装置において、交流信号として矩形波を用いてもよい。各電極の共振周波数は、電極ごとにばらつく場合がある。この場合には、交流信号として正弦波を採用した場合、交流信号の周波数と各電極の共振周波数とが大きく異なり、感度の低い電極が発生する恐れがある。そこで、正弦波より広い周波数占有帯域を有する矩形波を交流信号として用いる事により、各電極の共振周波数がばらついたとしても、交流信号の周波数と各電極の共振周波数とが大きく異なることを防ぐことができる。
尚、相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置は、駆動電極(第1の電極)104と検出電極(第2の電極)102とを有するタッチパネル100と、所定の周波数の交流信号を駆動電極104に入力する交流信号源110と、交流信号源110と駆動電極104との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子111と、検出回路114とを備える。検出回路114は、検出対象物がタッチパネル100の表面にタッチした際の駆動電極104と検出電極102の間の静電容量の変化を検出電極102から出力される信号の変化により検出してもよい。尚、駆動電極104と検出電極102とは、相互に、直流的に絶縁された状態で配置されている。
例えば、実施の形態1〜5に示したタッチパネル装置では、駆動電極104は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、X軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)に延在しており、検出電極102(第2の電極)は、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在している。しかし、駆動電極104および検出電極102の構成はこれに限られる必要は無く、駆動電極104および検出電極102は任意の方向に配列および延在していてもよい。実施の形態1〜5におぇるタッチパネル装置の効果は、駆動電極104および検出電極102の配列方向および延在方向が任意であっても同様に発揮される。尚、駆動電極104および検出電極102が任意の方向に配列および延在されている構成において、駆動電極104及び検出電極102とは、複数の電極から構成されている場合だけでなく、1つの電極から構成される場合も含んでいる。
また、上述の通り、駆動電極104および検出電極102の配列方向および延在方向が任意方向であった場合に、駆動電極104(第1の電極)と検出電極102(第2の電極)とは共にタッチパネル100の同一層に形成される構成であってもよい。例えば、駆動電極104および検出電極102が相互に交差しないように、駆動電極104および検出電極102の配列方向、延在方向が決定されている場合には、タッチパネル100の同一層に駆動電極104および検出電極102の両方が形成されていても、相互に短絡することはない。このように、駆動電極104および検出電極102の両方の電極をタッチパネル100の同一層に形成する事により、タッチパネル100の薄型化や製造プロセスの簡易化を図ることができる。
尚、相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置は、タッチパネル100と交流信号源110とインダクタンス素子111と検出回路114とを備える。タッチパネル100は、第1の方向に任意の間隔で配列され、第1の方向と異なる第2の方向へ延在する駆動電極104(第1の電極)と、第3の方向に任意の間隔で配列され、第3の方向と異なり且つ第2の方向と立体交差する第4の方向へ延在し、駆動電極104と絶縁層を挟んで対向配置された検出電極102(第2の電極)とを有する。交流信号源110は、所定の周波数の交流信号を駆動電極104に入力する。インダクタンス素子111は交流信号源110と駆動電極104との間に電気的に直列接続されている。検出回路114は、検出対象物がタッチパネル100の表面にタッチした際の駆動電極104と検出電極102の交差部の静電容量の変化を検出電極102から出力される信号の変化により検出する。例えば、実施の形態1〜5に示したタッチパネル装置では、駆動電極104は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、X軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)に延在しており、検出電極102(第2の電極)は、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在しているが、駆動電極104および検出電極102の構成はこれに限られる必要は無い。具体的には、駆動電極104の延在方向(第2の方向)と検出電極102の延在方向(第4の方向)とが立体交差する関係であり、且つ、第1の方向と第2の方向が異なり、且つ、第3の方向と第4の方向とが異なるという条件を満たしさえすれば、第1、2、3、4の方向は自由に選択することができる。例えば、第1の方向と第3の方向とが同一方向でも良いし、または、第1の方向と第4の方向とが同一方向でもよいし、または、第2の方向と第3の方向とが同一方向でもよい。第1、2、3、4の方向がこのような関係であったとしても、実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置の効果は同様に発揮される。
尚、上記の相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態におけるタッチパネル装置において、駆動電極104(第1の電極)と検出電極102(第2の電極)とは共に複数の電極で構成されていてもよい。そのタッチパネル装置は、複数の駆動電極104の中から、交流信号が入力される電極を選択する駆動電極切替スイッチ112(第1の電極切替スイッチ)と、複数の検出電極102の中から出力される信号が検出回路114において検出される電極を選択する検出電極切替スイッチ113(第2の電極切替スイッチ)と、駆動電極切替スイッチ112と検出電極切替スイッチ113を制御する制御回路115とを備えた構成であっても良い。つまり、駆動電極切替スイッチ112は、複数の駆動電極104の中から交流信号が入力される電極を選択する機能を有しており、検出電極切替スイッチ113は、複数の検出電極102の中から、出力される信号が検出回路114において検出される電極を選択する機能を有していれば、上記の相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態におけるタッチパネル装置の効果を発揮する事ができる。
自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置は、X電極204(第1の電極)とY電極202(第2の電極)とを有するタッチパネル200と、所定の周波数の交流信号をX電極204およびY電極202にそれぞれ入力する交流信号源210a、210bと、交流信号源210aとX電極204との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子211aと、検出回路114a、114bとを備える。検出回路114a、114bは検出対象物がタッチパネル200の表面にタッチした際のX電極204とグランドとの間の静電容量の変化またはY電極202とグランドとの間の静電容量の変化をX電極204とY電極202とから出力される信号の変化により検出する。例えば、実施の形態6におけるタッチパネル装置6では、X電極204は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、X軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)に延在しており、Y電極202(第2の電極)は、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在しているが、X電極204およびY電極202の構成はこれに限られる必要は無く、X電極204およびY電極202は任意の方向に配列および延在していてもよい。実施の形態6におけるタッチパネル装置6の効果は、X電極204およびY電極202の配列方向および延在方向が任意であっても同様に発揮される。尚、X電極204およびY電極202が任意の方向に配列および延在されている構成において、X電極204及びY電極202とは、複数の電極から構成されている場合だけでなく、1つのみの電極から構成される場合も含んでいる。この場合、図24AにおけるX電極切替スイッチ212a、Y電極切替スイッチ212bが不要となる。
また、上述の通り、X電極204およびY電極202の配列方向および延在方向が任意方向であった場合に、X電極204(第1の電極)とY電極202(第2の電極)とは共にタッチパネル200の同一層に形成される構成であってもよい。例えば、X電極204およびY電極202が相互に交差しないように、X電極204およびY電極202の配列方向、延在方向が決定されている場合には、タッチパネル200の同一層にX電極204およびY電極202の両方が形成されていても、相互に短絡することはない。このように、X電極204およびY電極202の両方の電極をタッチパネル200の同一層に形成する事により、タッチパネル200の薄型化や製造プロセスの簡易化を図ることができる。
尚、自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置は、タッチパネル200と交流信号源210a、210bとインダクタンス素子211a、211bと検出回路214a、214bとを備える。タッチパネル200は、第1の方向に任意の間隔で配列され、第1の方向と異なる第2の方向へ延在する複数のX電極204(第1の電極)と、第3の方向に任意の間隔で配列され、第3の方向と異なり且つ第2の方向と交差する第4の方向へ延在し、X電極204と絶縁層を挟んで対向配置された複数のY電極202(第2の電極)とを有する。交流信号源210a、210bは、所定の周波数の交流信号をX電極204およびY電極202に入力する。インダクタンス素子211aは交流信号源210aとX電極204との間に電気的に直列接続されている。インダクタンス素子211bは交流信号源210aとY電極202との間に電気的に直列接続されている。検出回路214a、214bは検出対象物がタッチパネル200の表面にタッチした際のX電極204とグランドとの間の静電容量の変化またはY電極202とグランドとの間の静電容量の変化をX電極204とY電極202とから出力される信号の変化により検出する。例えば、実施の形態6に示したタッチパネル装置6では、X電極204は、X軸方向(第1の方向)に略等間隔に配列され、X軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)に延在しており、Y電極202(第2の電極)は、Y軸方向に略等間隔に配列され、X軸方向に延在しているが、X電極204およびY電極202の構成はこれに限られる必要は無い。具体的には、X電極204の延在方向(第2の方向)とY電極202の延在方向(第4の方向)とが立体交差する関係であり、且つ、第1の方向と第2の方向が異なり、且つ、第3の方向と第4の方向とが異なるという条件を満たしさえすれば、第1、2、3、4の方向は自由に選択することができる。例えば、第1の方向と第3の方向とが同一方向でも良いし、または、第1の方向と第4の方向とが同一方向でもよいし、または、第2の方向と第3の方向とが同一方向でもよい。第1、2、3、4の方向がこのような関係であったとしても、実施の形態6におけるタッチパネル装置の効果は同様に発揮される。
尚、上記の自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態におけるタッチパネル装置において、X電極204とY電極202とは共に複数の電極で構成されていてもよい。そのタッチパネル装置は、複数のX電極204のうち交流信号を入力する電極を選択するX電極切替スイッチ212aと、Y電極202のうち交流信号を入力する電極を選択するY電極切替スイッチ212bと、X電極切替スイッチ212aおよびY電極切替スイッチ212bを制御する制御回路215とを備えた構成であっても良い。つまり、X電極切替スイッチ212aは、複数のX電極204の中から、交流信号が入力される電極を選択する機能を有しており、Y電極切替スイッチ212bは、複数のY電極202の中から、出力される信号が検出回路214において検出される電極を選択する機能を有していれば、上記の自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態において説明した効果を発揮する事ができる。
尚、自己容量型タッチパネルおよび相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置の第1の電極(駆動電極104またはX電極204)は、任意の位置において第3の電極および第4の電極に分割されている。制御回路(115または215)は交流信号源(110a、110bまたは210a)から同相または逆相の交流信号を第3の電極および第4の電極に同時または交互に入力するように第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチ112a、112bまたはX電極切替スイッチ212a)を制御する構成としてもよい。例えば、図14に示すタッチパネル装置は、駆動電極104がY軸上の任意の位置で第3の電極Xn1と第4の電極Xn2とに分割されているが、Y軸上に限られる必要はなく、例えば駆動電極104の延在する方向がY軸方向以外であるタッチパネル装置においても、図14に示すタッチパネル装置の効果を得る事ができる。また、この構成は、相互容量型タッチパネルだけでなく、自己容量型タッチパネルに適用でき、同様の効果を有する。具体的には、図24Aに示す自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態において、X電極204がY軸方向で任意の位置で第3の電極と第4の電極に分割されており、X電極切替スイッチ212aが、第3の電極および第4の電極と、交流信号源210aおよび検出回路214aとの電気的な接続状態を決定する構成であっても、図14に示す分割された電極による効果を同様に発揮することができる。
尚、自己容量型タッチパネルおよび相互容量型タッチパネルを用いた実施の形態に係るタッチパネル装置の第2の電極(検出電極102またはY電極202)は、任意の位置において第5および第6の電極に分割されていてもよい。この場合には、制御回路(115または215)は第5の電極および第6の電極から出力される信号を検出回路に入力するように第2の電極切替スイッチを制御する構成としても良い。例えば、図14に示すタッチパネル装置は、検出電極102がX軸の方向の任意の位置で第5の電極Yn1と第6の電極Yn2とに分割されているが、X軸の方向に限られる必要はない。例えば検出電極102の延在する方向がX軸方向以外であるタッチパネル装置においても、図14に示すタッチパネル装置の有利な効果を得る事ができる。また、この構成は、相互容量型タッチパネルだけでなく、自己容量型タッチパネルを用いたタッチパネル装置にも同様に適用できる。具体的には、図24Aに示す自己容量型タッチパネルを用いた実施の形態において、Y電極202がX軸の方向において任意の位置で第5の電極と第6の電極に分割されてもよい。この場合には、Y電極切替スイッチ212bが、第5の電極および第6の電極と、交流信号源210bおよび検出回路214bとの電気的な接続状態を決定する構成であっても、図14に示す分割された電極の効果を同様に発揮することができる。
尚、実施の形態に係るタッチパネル装置においては、便宜上、各電極の形状を長方形状にて図示したが、これに限られる必要はなく、現行のタッチパネル装置において使用されているダイヤモンド形状やバックギャモン形状等の別形状であっても、同様の効果が得られる。
尚、実施の形態において、「検出対象物がタッチパネルの表面にタッチした際の第1の電極(X電極)または第2の電極(Y電極)と、グランドと、の間の静電容量の変化を、第1の電極と第2の電極とから出力される信号の変化により検出する」とは、第1の電極とグランドとの間の静電容量の変化または第2の電極とグランドとの間の静電容量の変化を、第1の電極から出力される信号の変化のみから検出回路が検出する場合と、第2の電極から出力される信号の変化のみから検出回路が検出する場合と、第1の電極および第2の電極の両方の電極から出力される信号の変化から検出回路が検出する場合とを含んでいる。例えば図24Aに示すタッチパネル装置6では、交流信号源210aからX電極204(第1の電極)へ交流信号を入力した場合、X電極204から出力される信号の変化からX電極204とグランドの間の静電容量の変化を検出回路214aが検出しても良いし、Y電極202から出力される信号の変化からY電極202とグランドとの間の静電容量の変化を検出回路214bが検出しても良い。また、検出回路214aと検出回路214bにより、X電極204とグランドの間の静電容量の変化とY電極202とグランドの間の静電容量の変化をそれぞれ検出しても良い。交流信号源210bからY電極202(第2の電極)へ交流信号を入力した場合も同様である。
尚、実施の形態におけるインダクタンス素子とは、交流信号の周波数においてインダクタンス成分を有するチップ部品等を指しており、交流信号源110から検出回路114までの伝送路を指していない。
実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1の交流信号源110の交流信号の周波数は、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる第1の電極切替スイッチ112および第2の電極切替スイッチ113の接続状態の組み合わせにおける電極の共振周波数に基づいて決定される。このため、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる第1の電極と第2の電極の組み合わせにおいて、電極の共振周波数と交流信号の周波数の関係が最適化でき、共振電流を当該電極へ流す事が可能となるため、タッチパネル装置1の検出感度が最も劣化する電極の感度底上げを図ることができる。例えば、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる第1の電極と第2の電極の組み合わせが、図3において電極X3と電極Y3の組み合わせである場合の例について説明する。つまり、電極X1、X2、X4〜X6、電極Y1、Y2、Y4〜Y6はグランドに対して短絡状態となっており、電極X3がインダクタンス素子111と短絡状態となり、電極Y3が検出回路114と短絡状態となるように、第1の電極切替スイッチ112と第2の電極切替スイッチ113が制御回路115により制御された場合に、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる。
すなわち、タッチパネル装置1において、電極切替スイッチ112が複数の第1の電極X1〜X2のうちの或る第1の電極X3とインダクタンス素子111とを接続して、かつ第2の電極切替スイッチ113が複数の第2の電極Y1〜Y2のうちの或る第2の電極Y3と検出回路114とを接続して、他の第1の電極X1、X2、X4〜X6をインダクタンス素子111に接続せずにグランドに接続し、他の第2の電極Y1、Y2、Y4〜Y6を検出回路114に接続せずにグランドに接続したときに交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる。交流信号源110の周波数を交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となるときの或る第1の電極X3の共振周波数基づいて決定する。例えば、交流信号源110の周波数をこの共振周波数と同一にする。
また、図24Aと図24Bに示すタッチパネル装置6、6Aにおいて、交流信号源210a、210bが、例えば、複数の第1の電極XS1〜XS6のうちの或る第1の電極XS3と複数の第2の電極YS1〜YS6のうちの或る第2の電極YS3とに交流信号を入力したときに交流信号源210aから検出回路214aまでの伝送ロスが最大となり、交流信号源210bから検出回路214bまでの伝送ロスが最大となる。この場合に、交流信号の周波数は、或る第1の電極XS3の共振周波数に基づいて決定される。交流信号の周波数はこの共振周波数と同一であってもよい。
尚、ここでの伝送ロスとは、タッチパネル100近傍の検出対象物を検知できる領域に検出対象物か存在しない状態での伝送ロスを指している。また、伝送ロスとは、交流信号源110から出力された交流信号が検出回路114へ入力される場合に、交流信号源110から出力された交流信号の電力レベルに対する検出回路114へ入力された交流信号の電力レベルの減少の度合いを指している。
上記の通り、制御回路115が第1の電極切替スイッチ112と第2の電極切替スイッチ113を制御し、電極X3と電極Y3の組み合わせが選択された場合に、交流信号が入力されている電極X3の共振周波数を周波数f1とする。ここで、交流信号の周波数を周波数f1とした場合、最も伝送ロスが大きく、タッチパネルの検出感度が落ちる恐れのある電極X3と電極Y3の組み合わせにおいて、検出感度の向上に寄与する共振電流を発生させる事ができる。この事例では、交流信号の周波数を電極X3の共振周波数f1と同一にしたが、これに限る必要はなく、共振周波数f1に基づいて、共振周波数f1周辺の周波数を選択すればよい。透明電極等の導電率は低い為、電極のQ値はそれほど高い値とはならないため、電極の共振周波数から少々ずれても、電極を流れる交流信号の電流値は共振周波数における共振電流値から大きく減少する事はない。
このような構成により、交流信号源から入力される交流信号をインダクタンス素子と電極の浮遊容量により形成された共振回路で共振させて、電極に大きな共振電流を流すことができる。この共振電流によりタッチパネルから発生する電界の強度を大きくすることができるので検出位置精度および検出感度がともに高いタッチパネル装置を提供できる。
尚、各電極の共振周波数は、各電極で異なる場合が多い。これは、各電極と交流信号源との間の伝送路の長さが異なる為であり、また、各電極で浮遊容量の値が異なる為でもある。よって、交流信号源から各電極へ供給する交流信号の周波数を同じ周波数で共通化した場合、ある電極においては電極の共振周波数と交流信号の周波数とが大きく異なってしまい、大きな共振電流を流す事が困難な場合も発生する。実施の形態におけるタッチパネル装置の交流信号源は、交流信号源から検出回路までの伝送ロスが最大となる第1および第2の電極切替スイッチの接続状態の組み合わせにおける電極の共振周波数に基づいて交流信号の周波数を決定している。このため、交流信号源から検出回路までの伝送ロスが最大となる第1の電極と第2の電極の組み合わせにおいて、電極の共振周波数と交流信号の周波数の関係が最適化でき、共振電流を当該電極へ流す事が可能となるため、タッチパネル装置の検出感度が最も低い電極の感度を上げることができる。
尚、実施の形態における「共振周波数」とは、インダクタンス素子111(111−1〜111−6)と交流信号源110との接続点から、第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチやX電極切替スイッチ)または第2の電極切替スイッチ(検出電極切替スイッチやY電極切替スイッチ)を介して対象の電極を見たときの入力インピーダンスの虚数成分が0となる周波数を指している。
尚、交流信号の周波数が、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる第1および第2の電極切替スイッチ112、113の接続状態の組み合わせにおいて、交流信号源110と電気的に接続された電極の共振周波数に基づいて決定される」又は「交流信号の周波数が、交流信号源110から検出回路114までの伝送ロスが最大となる第1の電極切替スイッチ112および第2の電極切替スイッチ113の接続状態の組み合わせにおいて、交流信号源110と電気的に接続された電極の共振周波数と同一である」という技術思想は実施の形態1〜5における相互容量型のタッチパネル装置以外にも適応できる。具体的には、実施の形態6に示した自己容量型のタッチパネル装置に対しても、同様の技術思想である「交流信号の周波数が、複数の第1の電極および複数の第2の電極のうち交流信号源110からの伝送ロスが最大となる電極の共振周波数に基づいて決定される」又は「交流信号の周波数が、複数の第1の電極および複数の第2の電極のうち交流信号源110からの伝送ロスが最大となる電極の共振周波数と同一である」構成を採用することで、相互容量型のタッチパネル装置で得られる有利な効果を、自己容量型のタッチパネル装置でも同様に得る事ができる。
図29Aは図3に示す実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1において電極X2の或る部位を伝搬する信号の電力の周波数特性Q1、Q2を示す。図29Bは比較例のタッチパネル装置において電極X2の或る部位を伝搬する信号の電力の周波数特性Q1、Q2を示す。図29Aと図29Bにおいて、縦軸は電極X2のその部位を伝播する電力を示し、横軸は周波数を示す。図3に示す実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1において検出対象物がタッチパネル100の検出可能範囲に存在しない状態である第1の状態での複数の第1の電極X1〜X6および複数の第2の電極Y1〜Y6の中のある1つの電極の共振周波数が周波数f0である。この場合に、交流信号源110が出力する交流信号の周波数fbは(数7)の関係を満たしていてもよい。
Figure 0005327408
このような構成により、交流信号源110から入力する交流信号をインダクタンス素子111と電極Xm、Yn(1≦m≦6、1≦n≦6)の浮遊容量により形成された共振回路で共振させて、電極Xm、Ynに大きな共振電流を流すことができる。この共振電流によりタッチパネルから発生する電界の強度を大きくすることができるので検出位置精度および検出感度がともに高いタッチパネル装置1を提供できる。
図3に示すタッチパネル装置1において、検出対象物がタッチパネル100の表面をタッチした状態である第2の状態における電極X2の共振周波数は周波数f0より低い周波数f1である。図29Aに示すように、交流信号の周波数fbは第1の状態における電極X2の共振周波数f0と概ね同一である。第2の状態においては操作者の指等の検出対象物の影響により、電極X2の共振周波数は変化量Δfだけ低い方へ変化し、周波数f1となる。この結果、電極X2の任意の部位を伝搬する電力は、第1の状態の場合の電力P0から第2の状態の場合の電力P1へ大きく変化して低下する。これに伴い、電極Y1〜Y6のそれぞれの電極から出力される信号の電力も、第1の状態と第2の状態とでは大きく異なる事になる。電極Y1〜Y6のそれぞれの電極から出力される信号の電力の変化量を検出回路114で検出する事により、タッチパネル100の表面または近傍に検出対象物がタッチしたか否かを感度よく検知する事ができる。尚、(数7)の条件を満たす限り、例えば、第1の状態における電極Y1から出力される信号の電力と第2の状態における電極Y1から出力される信号の電力とに差をもたらす事ができ、この事は、電極Y1以外の電極Y2〜Y6においても同様に適用できる。
一方、図29Bに示す比較例のタッチパネル装置では、交流信号の周波数fbが共振周波数f0、f1間にあり、周波数特性Q1、Q2が交わる周波数である。この場合には、第1の状態における電極X2の任意の部位を伝搬する信号の電力P0と第2の状態における電極X2のその部位を伝搬する信号の電力P1とは概ね同一となる。この結果、例えば、第1の状態における電極Y1から出力される信号の電力値と第2の状態における電極Y1から出力される信号の電力値との差が小さくなる。この事は、電極Y1以外の電極Y2〜Y6においても同様に言える。よって、タッチパネル100の表面または近傍に検出対象物がタッチしたか否かを感度よく検知する事が困難となる。しかし、このような状況は、第1の状態における電極X2の共振周波数f0と交流信号の周波数fbとが(数7)の関係を満たす限り発生しないため、(数7)の関係を満たしているタッチパネル装置はタッチパネル100の表面または近傍に検出対象物がタッチしたか否かを感度よく検知する事が可能である。
交流信号の周波数fbが、電極Xm(1≦m≦6)の共振周波数f0よりも低い周波数であり、且つ、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチした場合または近傍に位置した場合の電極Xmの共振周波数f1と同一である場合には、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチした状況の方が、検出対象物がタッチパネルの検出可能範囲に存在しない状況よりも電極を伝搬する信号の電力がMa倍(Ma>1)だけ大きくなる。一方、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチする際には、電極Xm、Yn(1≦n≦6)を伝搬する信号の電力の一部が検出対象物に漏れ出す為、電極Xm、Ynを伝搬する信号の電力は1/Mb倍となる。ここで、MaとMbとが(数8)の関係にある場合、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチしている場合の電極Ynから出力される信号の値と、検出対象物がタッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の電極Ynから出力される信号の値との差が小さなものとなる。
Figure 0005327408
MaとMbとが(数8)の関係にあると、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチしたことによる電極Xm、Yn上を伝搬する信号の増加分と減少分とが相殺される為、電極Ynから出力される信号の値に変化が生じず、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチしているか否かを判定できなくなる。
実施の形態におけるタッチパネル装置では、検出対象物がタッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の電極の共振周波数f0と、交流信号の周波数fbとが、(数7)の関係を満たす。これにより、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチした場合には、必ず、交流信号の周波数fbが電極の共振周波数f1(検出対象物がタッチパネルの表面をタッチした場合の電極Xmの共振周波数)と異なり、結果、検出対象物がタッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合と比べて電極Xmを伝搬する信号の電力は小さくなる。つまり、Maは1より小さな値を取る。これにより実施の形態のタッチパネル装置は(数8)を満たさない為、検出対象物がタッチパネルの表面をタッチしている場合の第2の電極Ynから出力される信号の値と、検出対象物がタッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の第2の電極Ynから出力される信号の値との差が大きなものとなる。よって、検出対象物の検出感度の高いタッチパネル装置1を実現する事ができる。
図30Aは図3に示す実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1において電極X2の或る部位を伝搬する信号の正規化電力の周波数特性Qn1、Qn2を示す。図30Bは比較例のタッチパネル装置において電極X2の或る部位を伝搬する信号の電力の周波数特性Qn1、Qn2を示す。図30Aと図30Bにおいて、縦軸は電極X2のその部位を伝播する正規化電力を示し、横軸は周波数を示す。正規化電力は、図29Aに示す電力の値をその電力の最大値すなわち共振周波数での電力の値で割った値である。実施の形態1〜5に係るタッチパネル装置1において、共振周波数f0、f1と交流信号の周波数fbとが(数9)に示す条件を満たす関係で構成されていても良い。
Figure 0005327408
図30Aに示す周波数fbは(数9)の関係を満たし、周波数f1からに比べて周波数f0からより離れている。この場合、第1の状態から第2の状態へ変化した際、電極X2の任意の部位を伝搬する信号の正規化電力は正規化電力Pn1から正規化電力Pn2へ変化する。つまり、第1の状態から第2の状態へ変化することで、交流信号の周波数fbと電極X2の共振周波数との差分の絶対値は差分Δf0から差分Δf1へと大きくなる。電極X2の共振周波数から交流信号の周波数fbが離れるほど、電極Xの任意の部位を伝搬する信号の電力は減少していく。したがって、電極X2のその部位を伝搬する信号の共振周波数での電力値からの減衰量は第1の状態より第2の状態の方が大きい。ここに、更に、検出対象物の近接に伴う電力ロスが加わるため、第1の状態から第2の状態へ変化する事による電極X2の任意の部位を伝搬する信号の電力値の変化量は大きなものとなる。故に、共振周波数f0、f1と交流信号の周波数fbの関係が(数9)を満たしているタッチパネル装置は、検出対象物に対する高い感度を有している。
一方、図30Bに示す比較例のタッチパネル装置では、共振周波数f0、f1と交流信号の周波数fbが(数9)の関係を満たさない。この場合には、第1の状態から第2の状態へ変化することで、交流信号の周波数fbと電極X2の共振周波数との差分の絶対値は差分Δf0から差分Δf1へと小さくなる。つまり、電極X2の任意の部位を伝搬する信号の共振周波数での電力値からの減衰量は、第1の状態より第2の状態の方が小さい。つまり、第1の状態に対し第2の状態の方が、共振現象の観点からは、より多くの電力を電極X2に伝搬させる事ができる。第1の状態から第2の状態へ変化した際には検出対象物の近接に伴う電力ロスが上記の変化と逆の方向に加わり、電極X2を伝搬する信号は減衰する。よって、(数9)の条件を満たさないタッチパネル装置は(数9)の条件を満たしたタッチパネル装置と比べ、検出感度が下がる。
尚、図29Aと図29Bに示す関係は、電極X2のみならず電極X2以外の電極においても適用できる。また、これらの関係は、実施の形態1〜5における相互容量型のタッチパネル装置のみならず、実施の形態6に示す自己容量型のタッチパネルについても同様に適用でき、同様の効果が得られる。
また、実施の形態における「検出可能範囲」とは、タッチパネル装置の検出回路が検出対象物を検出可能な範囲を指している。
更に、実施の形態における「共振周波数」とは、インダクタンス素子の交流信号源との接続点から、第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチやX電極切替スイッチ等を指す)または第2の電極切替スイッチ(検出電極切替スイッチやY電極切替スイッチ等を指す)を介して対象の電極を見たときのインピーダンス特性において、虚数成分が0となる周波数を指している。また、実施の形態における「交流信号の周波数」は電極ごとに異なっていても良い。これにより、各電極の共振周波数f0、f1との関係が(数7)または(数9)を満たすように容易に変更することができる。
尚、「検出対象物がタッチパネル100の検出可能範囲に存在しない場合の複数の第1の電極および複数の第2の電極の中の1つの電極の共振周波数をf0とした場合に、交流信号の周波数fbは(数7)の関係を満たす」又は「検出対象物がタッチパネル100の検出可能範囲に存在しない場合の複数の第1の電極および複数の第2の電極の中の1つの電極の共振周波数をf0とし、検出対象物がタッチパネル100の表面をタッチした場合の複数の第1の電極および複数の第2の電極の中の1つの電極の共振周波数をf1とした場合に、交流信号の周波数fbは(数9)の関係を満たす」という技術思想は実施の形態1〜5に示した相互容量型のタッチパネル装置以外にも適応できる。具体的には、実施の形態6に示した自己容量型のタッチパネル装置に対しても、相互容量型のタッチパネル装置で得られる有利な効果を同様に得る事ができる。
(実施の形態10)
図31は実施の形態10におけるタッチパネル装置2001の構成図である。図31において、図3に示す実施の形態1におけるタッチパネル装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。タッチパネル装置2001は、交流信号源110と駆動電極切替スイッチ112との間にインダクタンス素子111と電気的に直列接続された可変容量コンデンサ150aをさらに備える。タッチパネル装置2001では、可変容量コンデンサ150aは交流信号源110とインダクタンス素子111との間に直列に接続されている。
電極X1〜X6のうち交流信号源110に電気的に接続される電極ごとに可変容量コンデンサ150aの容量値を調整する事により、各電極X1〜X6の共振周波数を概ね同一の値に設計する事が可能となる。その結果、交流信号源110から出力される交流信号の周波数を、その共振周波数近辺に固定する事により、各電極X1〜X6に大きな共振電流を流す事が可能となる。可変容量コンデンサ150aの容量値の制御は、制御回路115により行われる。制御回路115は、少なくとも駆動電極切替スイッチ112の接続状態を確認し、電極X1〜X6のうちの交流信号源110に電気的に接続されている電極を認知し、その電気的に接続されている電極の共振周波数を交流信号源110の出力信号の周波数近傍へシフトさせるため、可変容量コンデンサ150aの容量値を所望の値に調整する。各電極の共振周波数を交流信号源110の出力信号の周波数近傍にシフトするために必要となる可変容量コンデンサ150aの容量値は、制御回路115の記憶部に各電極に対応させて保存されていても良い。図31では、駆動電極切替スイッチ112のスイッチTSW3のみが交流信号源110側に電気的に接続されている、すなわち電極X1〜X6のうち電極X3のみが交流信号源110に電気的に接続されている。このとき、制御回路115は記憶部に記録されている電極X3に対応する容量値を読み出し、可変容量コンデンサ150aの容量値をこの読み出した容量値に調整するための制御信号を可変容量コンデンサ150aへ送信する。尚、記憶部に記録されている可変容量コンデンサ150aの容量値は、駆動電極切替スイッチ112の接続状態に対応したものだけでなく、駆動電極切替スイッチ112と検出電極切替スイッチ113の接続状態の組み合わせに対応して容量値を設定してもよい。また、図31においては、交流信号源110に電気的に接続されているのは電極X3のみであるが、タッチパネル装置2001では電極X1〜X6のうち2つ以上の電極が同時に交流信号源110に電気的に接続されてもよい。この場合、複数の電極が交流信号源110に電気的に接続される状態で、複数の電極の共振周波数が交流信号源110の出力信号の周波数近傍となるように可変容量コンデンサ150aの容量値が調整される。つまり、電極X1〜X6のうちから選択された複数の電極の組合わせに対応した可変容量コンデンサ150aの最適な容量値を、制御回路115は記憶部に保持している。これにより、複数の電極を結合して等価的に電極の導電率が増加させると共に、共振電流をこの結合した電極に流す事ができるので、タッチパネル装置2001の感度を著しく向上させることが可能となる。
尚、図31においては、可変容量コンデンサ150aが交流信号源110とインダクタンス素子111との間に電気的に直列接続されるが、可変容量コンデンサ150aがインダクタンス素子111と駆動電極切替スイッチ112との間に電気的に直列接続されていてもよく、同様の効果を得ることができる。また、可変容量コンデンサ150aは制御回路115と一体化されていてもよい。更に、可変容量コンデンサ150aは制御回路115と同一の半導体プロセスにより形成されても良い。これにより、小型で且つ安価なタッチパネル装置2001を実現する事ができる。
図32は実施の形態10における他のタッチパネル装置2002の構成図である。図32において、図31に示すタッチパネル装置2001と同じ部分には同じ参照番号を付す。図32に示すタッチパネル装置2002は、図31に示すタッチパネル装置2001の可変容量コンデンサ150aの代わりに可変容量コンデンサ150bを備える。可変容量コンデンサ150bは交流信号源110とインダクタンス素子111との間に電気的に直列接続されず、交流信号源110とインダクタンス素子111との間の交流信号源110とインダクタンス素子111とが接続されている接続点1150bとグランドとの間に電気的に直列接続されている。図32に示すタッチパネル装置2002でも、インダクタンス素子111のインダクタンスと可変容量コンデンサ150bの容量値の組み合わせにより、図32のタッチパネル装置2001と同様の有利な効果を得ることが可能となる。図32の可変容量コンデンサ150bの一端がインダクタンス素子111と交流信号源110との間の接続点1150bではなく、インダクタンス素子111と駆動電極切替スイッチ112との間のインダクタンス素子111と駆動電極切替スイッチ112とが接続されている接続点2150bに接続されていても、図32に示すタッチパネル装置2002と同様の有利な効果を得ることができる。
図33は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置2003の構成図である。図33において、図31と図32に示すタッチパネル装置2001、2002と同じ部分には同じ参照番号を付す。図33に示すタッチパネル装置2003は、図31と図32に示す可変容量コンデンサ150a、150bの代わりに固定容量を有するコンデンサ142a〜142fを備える。用い、コンデンサ142a〜142fは電極X1〜X6と駆動電極切替スイッチ112との間に直列接続されている。コンデンサ142a〜142fの容量値を、コンデンサ142a〜142fが接続される電極X1〜X6ごとに調整する事により、電極X1〜X6の共振周波数を概ね同一の値に設計する事が可能となる。交流信号源110から出力される交流信号の周波数をその共振周波数近辺に固定する事により、各電極に大きな共振電流を流す事が可能となる。タッチパネル装置2003では、制御回路115によりコンデンサの容量値を制御する必要が無い為、タッチパネル装置2003の構造を簡略化することができる。尚、図33に示すタッチパネル装置2003では、電極X1〜X6がコンデンサ142a〜142fとそれぞれ電気的に接続されている。電極X1〜X6のうちの少なくとも1つの電極はコンデンサに電気的に接続しなくてもよい。コンデンサに接続されない電極がインダクタンス素子111のインダクタンスにより周波数f1に共振させ、それ以外の電極については駆動電極切替スイッチ112との間にコンデンサを直列接続する事で周波数f1に共振させる事が可能である。
尚、図33に示すタッチパネル装置2003では、コンデンサ142a〜142fは固定容量値を有する固定容量コンデンサではなく可変容量コンデンサであってもよい。この場合には、制御回路115によりコンデンサ142a〜142fの容量値を制御することにより、電極X1〜X6を交流信号源110の出力する交流信号の周波数で共振させる事ができる。
図34は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置2004の構成図である。図34において、図33に示すタッチパネル装置2003と同じ部分には同じ参照番号を付す。図34に示すタッチパネル装置2004は、図33に示すタッチパネル装置2003のコンデンサ142a〜142fの代わりにコンデンサ143a〜143fを備える。コンデンサ143a〜143fは駆動電極X1〜X6と駆動電極切替スイッチ112との間で駆動電極X1〜X6と駆動電極切替スイッチ112とが接続されている接続点1143a〜1143fとグランドとの間にそれぞれ電気的に直列接続されている。このような構成においても、インダクタンス素子111のインダクタンスとコンデンサ143a〜143fの容量値との組み合わせにより、図33に示すタッチパネル装置2003と同様の有利な効果を得ることが可能となる。
図35は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置3006の構成図である。図35において、図24Aに示す実施の形態6における自己容量型のタッチパネル装置6と同じ部分には同じ参照番号を付す。タッチパネル装置3006は可変容量コンデンサ250a、250bを更に備える。可変容量コンデンサ250aは交流信号源210aとインダクタンス素子211aとの間、または、インダクタンス素子211aとX電極切替スイッチ212aとの間に電気的に直列接続されている。すなわち、可変容量コンデンサ250aは交流信号源210aとX電極切替スイッチ212aとの間にインダクタンス素子211aと電気的に直列接続されている。可変容量コンデンサ250bは、交流信号源210bとインダクタンス素子211bとの間、または、インダクタンス素子211bとY電極切替スイッチ212bとの間に電気的に直列接続されている。すなわち、可変容量コンデンサ250bは、交流信号源210bとY電極切替スイッチ212bとの間にインダクタンス素子211bと電気的に直列接続されている。
尚、各電極の共振周波数は、各電極で異なる場合が多い。これは、各電極と交流信号源との間の伝送線路の長さが異なる為でもあり、また、各電極で浮遊容量の値が異なる為でもある。よって、交流信号源110から各電極へ供給する交流信号の周波数を同じ周波数で共通化した場合、ある電極においては電極の共振周波数と交流信号の周波数とが大きく異なってしまい、大きな共振電流を流す事が困難な場合も発生する。
図35に示す相互容量型のタッチパネル装置3006では、可変容量コンデンサ250aの容量値を交流信号源210aに電気的に接続されるX電極ごとに調整する事により、各電極XS1〜XS6の共振周波数を概ね同一の値に設計する事が可能となる。その結果、交流信号源210aから出力される交流信号の周波数をその共振周波数近辺の周波数に固定する事により、各電極に大きな共振電流を流す事が可能となる。可変容量コンデンサ250aの容量値の制御は、制御回路215により行われる。制御回路215は、少なくともX電極切替スイッチ212aの接続状態を確認し、複数のX電極のうちの交流信号源210aに電気的に接続されているX電極を認知した後、その電極の共振周波数を交流信号源210aの出力信号の周波数近傍へシフトさせるため、可変容量コンデンサ250aの容量値を所望の値に調整する。各電極の共振周波数を交流信号源210aの出力信号の周波数近傍にシフトするために必要となる可変容量コンデンサ250aの容量値は、制御回路215の記憶部に各電極に対応する形で保存されていても良い。尚、記憶部に記録されている可変容量コンデンサ250aの容量値は、X電極切替スイッチ212aの接続状態に対応したものだけでなく、X電極切替スイッチ212aとY電極切替スイッチ212bの接続状態の組み合わせに対して容量値を設定してもよい。また、タッチパネル装置3006は、同時に2つ以上の電極が交流信号源210aに電気的に接続されることもある。この場合、複数の電極が交流信号源210aに電気的に接続される状態で、複数の電極の共振周波数が交流信号源210aの出力信号の周波数近傍となるように可変容量コンデンサ250aの容量値が調整される。つまり、電極XS1〜XS6のうちから選択された複数の電極の組み合わせに対応した可変容量コンデンサ250aの最適な容量値を、制御回路215は記憶部に保持していても良い。これにより、複数の電極を結合する事により等価的に電極の導電率が大きくなり、共振電流をこの結合された電極に流す事ができるため、タッチパネル装置3006の感度を著しく向上させることが可能となる。可変容量コンデンサ250bはY電極YS1〜YS2に対して可変容量コンデンサ250aと同様に動作し同様の効果が得られる。
尚、図35においては、可変容量コンデンサ250aが交流信号源210aとインダクタンス素子211aとの間に電気的に直列接続されるが、可変容量コンデンサ250aがインダクタンス素子211aとX電極切替スイッチ212aとの間に電気的に直列接続されても、同様の効果を得ることができる。同様に、図35においては、可変容量コンデンサ250bが交流信号源210bとインダクタンス素子211bとの間に電気的に直列接続されるが、可変容量コンデンサ250bがインダクタンス素子211bとY電極切替スイッチ212bとの間に電気的に直列接続されても、同様の効果を得ることができる。
また、可変容量コンデンサ250a、250bのうち少なくとも一方は、制御回路215と一体化されていてもよい。更に、可変容量コンデンサ250a、250bのうち少なくとも一方は、制御回路215と同一の半導体プロセスにより形成されても良い。これにより、小型で且つ安価なタッチパネル装置3006を実現する事ができる。
尚、タッチパネル装置3006は可変容量コンデンサ250a、250bのうちの一方を備えていなくてもよい。
図36は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置3007の構成図である。図36において、図35に示すタッチパネル装置3006と同じ部分には同じ参照番号を付す。図36に示すタッチパネル装置3007は、図35に示すタッチパネル装置3006の可変容量コンデンサ250a、250bの代りに可変容量コンデンサ250c、250dを備える。可変容量コンデンサ250cは、交流信号源210aとインダクタンス素子211aとの間の交流信号源210aとインダクタンス素子211aとが接続されている接続点1250cとグランドとの間に電気的に直列接続されている。可変容量コンデンサ250dは、交流信号源210bとインダクタンス素子211bとの間の交流信号源210bとインダクタンス素子211bとが接続されている接続点1250dとグランドとの間に電気的に直列接続されている。
図36に示すタッチパネル装置3007では、インダクタンス素子211aのインダクタンスと可変容量コンデンサ250cの容量値の組み合わせ、および、インダクタンス素子211bのインダクタンス値と可変容量コンデンサ250dの容量値の組み合わせにより、図35のタッチパネル装置3006と同様の有利な効果を得ることが可能となる。
可変容量コンデンサ250cは接続点1250cではなく、インダクタンス素子211aとX電極切替スイッチ212aとの間のインダクタンス素子211aとX電極切替スイッチ212aとが接続されている接続点2250cとグランドとの間に電気的に直列接続されても、図36に示すタッチパネル装置3007と同様の有利な効果を得ることができる。同様に、可変容量コンデンサ250dは接続点1250dではなく、インダクタンス素子211bとY電極切替スイッチ212bとの間のインダクタンス素子211bとY電極切替スイッチ212bとが接続されている接続点2250dとグランドとの間に電気的に直列に接続されていても、図36に示すタッチパネル装置3007と同様の有利な効果を得ることができる。
図37は実施の形態10における更に他のタッチパネル装置3008の構成図である。図37において、図35と図36に示すタッチパネル装置3006、3007と同じ部分には同じ参照番号を付す。図37に示すタッチパネル装置3008は、図35と図36に示す可変容量コンデンサ250a〜250dの代わりに固定容量を有するコンデンサ242a〜242lを備える。コンデンサ242a〜242fは電極XS1〜XS6のそれぞれとX電極切替スイッチ212aとの間にそれぞれ電気的に直列接続されている。コンデンサ242g〜242lは電極YS1〜YS6のそれぞれとY電極切替スイッチ212bとの間に電気的に直列接続されている。コンデンサ242a〜242fの容量値をX電極XS1〜XS6ごとに調整する事により、電極XS1〜XS6の共振周波数を概ね同一の値に設計する事が可能となる。交流信号源210aから出力される交流信号の周波数をその共振周波数近辺の周波数に固定する事により、各電極XS1〜XS6に大きな共振電流を流す事が可能となる。同様に、コンデンサ242g〜242lの容量値を、Y電極YS1〜YS6ごとに調整する事により、各電極YS1〜YS6の共振周波数を概ね同一の値に設計する事が可能となる。交流信号源210bから出力される交流信号の周波数をその共振周波数近辺の周波数に固定する事により、電極YS1〜YS6に大きな共振電流を流す事が可能となる。
タッチパネル装置3008では、制御回路215によりコンデンサの容量値を制御する必要が無い為、構造を簡略化することができる。尚、タッチパネル装置3008においては、電極XS1〜XS6、YS1〜YS6がそれぞれコンデンサ242a〜242f、242g〜242lと電気的に接続されているが、電極XS1〜XS6、YS1〜YS6のうちの少なくとも1つの電極にコンデンサが電気的に接続しなくてもよい。コンデンサを接続しない電極については、インダクタンス素子211aのインダクタンスまたはインダクタンス素子211bのインダクタンスにより例えば周波数f1に共振させ、それ以外の電極についてはX電極切替スイッチ212aまたはY電極切替スイッチ212bとの間にコンデンサを直列接続する事で周波数f1に共振させる事が可能である。
尚、コンデンサ242a〜242lは可変容量コンデンサであってもよい。この場合には、制御回路215により可変容量コンデンサ242a〜242lの容量値を制御することで、電極を交流信号源210a、210bの出力する交流信号の周波数で共振させる事ができる。
図38は実施の形態10におけるタッチパネル装置3009の構成図である。図38において、図37に示すタッチパネル装置3008と同じ部分には同じ参照番号を付す。図38に示すタッチパネル装置3009は、図37に示すタッチパネル装置3008のコンデンサ242a〜242lの代わりにコンデンサ243a〜243lを備える。コンデンサ243a〜243fは、X電極XS1〜XS6のそれぞれとX電極切替スイッチ212aとの間でX電極XS1〜XS6のそれぞれとX電極切替スイッチ212aとが接続された接続点1243a〜1243fとグランドとの間に電気的に直列接続されている。コンデンサ243g〜243lは、Y電極YS1〜YS6のそれぞれとY電極切替スイッチ212bとの間でY電極YS1〜YS6のそれぞれとY電極切替スイッチ212bとが接続された接続点1243g〜1243lとグランドとの間に電気的に直列接続されている。タッチパネル装置3009では、コンデンサ243a〜243fの容量値のそれぞれとインダクタンス素子211aのインダクタンスとの組み合わせ、および、コンデンサ243g〜243lの容量値のそれぞれとインダクタンス素子211bのインダクタンスとの組み合わせにより、図37に示すタッチパネル装置3008と同様の有利な効果を得ることが可能となる。
実施の形態10における図31〜図38に示すタッチパネル装置2001〜2004、3006〜3009においては、コンデンサ等のリアクタンス素子を電極と交流信号源の間に接続することにより、各電極の共振周波数のばらつきを小さくするが、タッチパネル装置の構造により、各電極の共振周波数のばらつきを小さくしても良い。たとえば、タッチパネル100、200の各電極とグランド間の浮遊容量の値のばらつきを低減したり、または、交流信号源から各電極までの電気長のばらつきを低減したりすることで、各電極の共振周波数のばらつきを抑圧する事ができる。
尚、「共振周波数」とは、インダクタンス素子の交流信号源との接続点から、第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチやX電極切替スイッチ等を指す)または第2の電極切替スイッチ(検出電極切替スイッチやY電極切替スイッチ等を指す)を介して対象の電極を見たときのインピーダンス特性において、虚数成分が0となる周波数を指している。また、検出回路の入力段にはノイズ除去用のフィルタが設けられており。そのフィルタは、交流信号源が出力する交流信号の周波数を概ね通過できる通過帯域を有している。
尚、図31と図32、図35、図36に示すタッチパネル装置2001、2002、3006、3007において、駆動電極切替スイッチ112または検出電極切替スイッチ113の状態に応じて選択される可変容量コンデンサ150a、150b、250a〜250dの容量値は制御回路115の記憶部に使用前に予め記録されているが、そのような構成に限られるわけではない。タッチパネル装置2001、2002、3006、3007の使用中に、制御回路115が電極ごとに共振させるために必要となる容量値を測定して記憶部に記録しても良い。制御回路115が電極ごとに共振させるために必要となる容量値を測定する方法としては、測定したい電極に交流信号が供給される状態に駆動電極切替スイッチ112および検出電極切替スイッチ113を制御した後、可変容量コンデンサの容量値をスイープさせて、検出回路114において検出される信号の値が最も大きくなる時の容量値を求める方法が考えられる。これにより、工場出荷時からタッチパネル装置の状態が変化し、各電極の共振周波数が変化してしまったとしても、最適な可変容量コンデンサの素子値を電極ごとに選択することが可能となり、長期間安定して高い感度を維持できるタッチパネル装置を実現できる。
尚、実施の形態10におけるタッチパネル装置においては、インダクタンス素子は交流信号源と電極との間に電気的に直列接続されているが、これに限らず、交流信号源と電極との間の接続点とグランドとの間に電気的に直列接続されていても、同様の効果を有する。
(実施の形態11)
実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1の交流信号源110は、複数の第1の電極X1〜X6のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数を互いに異ならせる。例えば、図3において、複数の第1の電極X1〜X6のうちの2つの電極X1、X6に入力する交流信号の周波数を異ならせた場合のタッチパネル装置1の動作について、以下、説明する。尚、「共振周波数」とは、インダクタンス素子の交流信号源との接続点から、第1の電極切替スイッチ(駆動電極切替スイッチやX電極切替スイッチ等を指す)または第2の電極切替スイッチ(検出電極切替スイッチやY電極切替スイッチ等を指す)を介して対象の電極を見たときのインピーダンス特性において、虚数成分が0となる周波数を指している。また、検出回路の入力段にはノイズ除去用のフィルタが設けられており、このフィルタは交流信号の周波数を概ね通過できる通過帯域を有している。
図3におけるタッチパネル装置1で、駆動電極切替スイッチ112が電極X1〜X6のそれぞれと交流信号源110とを順次電気的に接続する場合に、交流信号源110から電極X1までの信号線路の電気長は、交流信号源110から電極X6までの信号線路の電気長よりも長い。各電極の共振周波数は、交流信号源110から各電極までの信号線路の電気長によっても変化し、電極X1の共振周波数は電極X6の共振周波数よりも低い。この状態で、交流信号源110が出力する交流信号の周波数が電極X1の共振周波数と同一であった場合、電極X6の共振周波数と交流信号の周波数とが大きく異なる場合がある。この結果、電極X6上に共振電流を流す事が困難となり、電極X6を用いた検出対象物の検出感度が電極X1を用いた場合と比べて大きく下がる。実施の形態11におけるタッチパネル装置1は、電極X1へ入力する交流信号の周波数と電極X6へ入力する交流信号の周波数とは互いに異なる。例えば、電極X1へ入力する交流信号の周波数が電極X1の共振周波数と同一であり、電極X6へ入力する交流信号の周波数が電極X6の共振周波数と同一である。この構成により、実施の形態11におけるタッチパネル装置1は電極X1の検出感度に対し電極X6の検出感度が著しく劣化する状況を回避できる。この例では、各電極へ入力される交流信号の周波数を各電極の共振周波数と同一としたが、各電極へ入力する交流信号の周波数はこれに限らず、各電極の共振周波数周辺の周波数であれば問題ない。また、上記では電極X1と電極X6へ入力される交流信号の周波数が互いに異なるが、他の2つの電極や3つ以上の電極へ入力される交流信号の周波数を互いに異ならせてもよく、同様の効果が得られる。入力される電極により交流信号の周波数を異ならせることは実施の形態1〜5における相互容量型のタッチパネル装置だけでなく、実施の形態6における自己容量型のタッチパネル装置にも同様に適用できる。この場合、複数の第1の電極および複数の第2の電極のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数を互いに異ならせることで同様の効果が得られる。
尚、実施の形態1〜5におけるタッチパネル装置1では、複数の第1の電極(電極X1〜X6)のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数を異ならせる場合には、交流信号源110は複数の第1の電極のうちの1つの電極に入力する交流信号の周波数を時間的に切り替えても良い。同様に、実施の形態6におけるタッチパネル装置6、6Aでは、複数の第1の電極(電極XS1〜XS6)および複数の第2の電極(電極YS1〜YS6)のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数を異ならせる場合には、交流信号源110a、110bは複数の第1の電極および複数の第2の電極の内の1つの電極に入力する交流信号の周波数を時間的に切り替えても良い。タッチパネル100の温度等の周囲環境が変化した場合、電極の共振周波数が変化する恐れがあり、結果、電極の共振周波数とその電極へ入力される交流信号の周波数とが大きく異なる恐れがあるが、環境変化に応じて適切な交流信号の周波数を選択する事で、検出感度の高いタッチパネル装置を実現する事ができる。時間的に電極の共振周波数の変化量が予め得られている場合には、交流信号源はその変化量を考慮して交流信号の周波数を変化させても良い。
また、図31〜図38に示すように、タッチパネル装置はタッチパネル装置の周囲環境を検出する温度センサ等の環境センサ901を更に備えていてもよい。この場合には、環境センサ901からの出力値に基づいて交流信号の周波数を決定する。この場合、電極の共振周波数と環境センサ901の出力値との相関データを予め格納しておくことで、環境センサ901からの出力値に基づいて交流信号の周波数を決定することが可能となる。
尚、交流信号源110は、複数の第1の電極X1〜X6のうちの少なくとも1つの電極の共振周波数を検出し、検出された共振周波数を基に交流信号の周波数を決定してもよい。また、交流信号源110a、110bは、複数の第1の電極XS1〜XS6および複数の第2の電極YS1〜YS6のうちの少なくとも1つの電極の共振周波数を検出し、検出された共振周波数を基に交流信号の周波数を決定してもよい。交流電源110(110a、110b、210a、210b)は、例えば、各電極に入力する交流信号の周波数を遷移させて、検出回路114(114a、114b、214a、214b)で検出される電圧値が最も高くなる周波数をその電極の共振周波数として検出することができる。交流信号源110(110a、110b)はタッチパネル装置の起動時に各電極の共振周波数を検出してもよく、また、タッチパネル装置の起動後、所定期間毎に共振周波数の検出を繰り返してもよい。起動後に所定期間毎に交流信号源110(110a、110b)が各電極の共振周波数を検出する事で、各電極の共振周波数が時間的に変動したとしても、随時、適切な交流信号の周波数を選択し、各電極へ入力することが可能となる。検出された各電極の共振周波数を基に各電極へ入力される交流信号の周波数を決定する際は、例えば、交流信号の周波数は各電極の共振周波数と同一またはその周辺値が選択される。尚、各電極の共振周波数は、タッチパネル装置の製造時に測定し、その測定された共振周波数を制御回路115に記憶しておき、交流電源110(110a、110b)は記録された共振周波数を基に各電極へ入力する交流信号の周波数を決定してもよい。
上記の実施の形態におけるタッチパネル装置では、交流信号としては正弦波の信号を用いてもよい。各電極の共振周波数がばらつく恐れがある場合には、一般的には、矩形波等の広帯域の周波数成分を有する信号が交流信号として用いられる。しかし、上記の実施の形態におけるタッチパネル装置では、各電極の共振周波数に基づき、適切な交流信号の周波数を電極毎に決定することが可能である為、交流信号として正弦波の信号を用いることで、検出回路で検出される信号の振幅を大きくすることが可能である。一方、交流信号として矩形波の信号を用いてもよい。正弦波の信号に比べ、矩形波の信号を生成する回路は簡易であるため、交流信号源の回路規模を小さくする事が可能となる。
本発明におけるタッチパネル装置は、携帯端末、パーソナルコンピュータ、ATM端末などに使用されるタッチパネル装置に広く適用可能である。
1,2,3,6 タッチパネル装置
100,120,121,200,221,222 タッチパネル
102 検出電極(第2の電極)
103 ガラス層(絶縁層)
104 駆動電極(第1の電極)
106 シールド層
107 液晶表示素子(画像表示素子)
110,110a,110b,210a,210b 交流信号源
111,111b,111−1〜111−6,140,211a,211b インダクタンス素子
112,112a,112b 駆動電極切替スイッチ(第1の電極切替スイッチ)
113,113a,113b 検出電極切替スイッチ(第2の電極切替スイッチ)
114,114a,114b,214a,214b 検出回路
115,215 制御回路
141 コンデンサ
202 Y電極(第2の電極)
204 X電極(第1の電極)
212a X電極切替スイッチ(第1の電極切替スイッチ)
212b Y電極切替スイッチ(第2の電極切替スイッチ)
901 環境センサ
X1〜X6 駆動電極(第1の電極)
Y1〜Y6 検出電極(第2の電極)
Xm1(1≦m≦6) 駆動電極(第3の電極)
Xm2(1≦m≦6) 駆動電極(第4の電極)
Yn1(1≦n≦6) 検出電極(第3の電極、第5の電極)
Yn2(1≦n≦6) 検出電極(第4の電極、第6の電極)
XS1〜XS6 X電極(第1の電極)
YS1〜YS6 Y電極(第2の電極)

Claims (25)

  1. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のぞれぞれと前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記交流信号源と前記第1の電極切替スイッチとの間で前記インダクタンス素子と電気的に直列接続された可変容量コンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  2. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のそれぞれと前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記交流信号源と前記インダクタンス素子との間の接続点と前記インダクタンス素子と前記第1の電極切替スイッチとの間の接続点とのうちの一方の接続点とグランドとの間に電気的に直列接続された可変容量コンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  3. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極と前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極と前記複数のインダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極と前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記第1の電極切替スイッチとの間に電気的にそれぞれ直列接続された複数のコンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  4. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極と前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のぞれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のぞれぞれと前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記第1の電極切替スイッチとの間の複数の接続点とグランドとの間に電気的にそれぞれ直列接続された複数のコンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  5. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化を、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極と前記交流信号源との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記交流信号源と前記第1の電極切替スイッチとの間で前記インダクタンス素子と電気的に直列接続された可変容量コンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  6. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化を、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のぞれぞれと前記交流信号源との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記交流信号源と前記インダクタンス素子との間の接続点と前記インダクタンス素子と前記第1の電極切替スイッチとの間の接続点とのうちの一方の接続点とグランドとの間に電気的に直列接続された可変容量コンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  7. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    所定の周波数の交流信号を前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化を、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のぞれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極と前記交流信号源との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記複数の第1の電極のぞれぞれと前記第1の電極切替スイッチとの間にそれぞれ電気的に直列接続された複数のコンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  8. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極とグランドとの間の静電容量の変化を、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のそれぞれと前記交流信号源との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記第1の電極切替スイッチとの間の複数の接続点でグランドとの間にそれぞれ電気的に直列接続された複数のコンデンサと、
    を備えたタッチパネル装置。
  9. 第1の電極と第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記交流信号源と前記第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記第1の電極と前記第2の電極の間の静電容量の変化を前記第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記検出対象物が前記タッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の1つの電極の共振周波数は周波数f0であり、
    前記共振周波数f0と前記交流信号の周波数fbは以下の関係を満たす、タッチパネル装置。
    Figure 0005327408
  10. 第1の電極と第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記交流信号源と前記第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記第1の電極と前記第2の電極の間の静電容量の変化を前記第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記検出対象物が前記タッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の1つの電極の共振周波数は周波数f0であり、
    前記検出対象物が前記タッチパネルの表面をタッチした場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の前記1つの電極の共振周波数は周波数f1であり、
    前記周波数f0と前記周波数f1と前記交流信号の周波数fbは以下の関係を満たす、タッチパネル装置。
    Figure 0005327408
  11. 第1の電極と第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記第1の電極および前記第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記交流信号源と前記第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記第1の電極とグランドとの間の静電容量の変化または前記第2の電極とグランドとの間の静電容量の変化を前記第1の電極と前記第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    検出対象物が前記タッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の1つの電極の共振周波数は周波数f0であり、
    前記周波数f0と前記交流信号の周波数fbは以下の関係を満たす、タッチパネル装置。
    Figure 0005327408
  12. 第1の電極と第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記第1の電極および前記第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記交流信号源と前記第1の電極との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記第1の電極とグランドとの間の静電容量の変化または前記第2の電極とグランドとの間の静電容量の変化を前記第1の電極と前記第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記検出対象物が前記タッチパネルの検出可能範囲に存在しない場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の1つの電極の共振周波数は周波数f0であり、
    前記検出対象物が前記タッチパネルをタッチした場合の前記第1の電極および前記第2の電極の中の前記1つの電極の共振周波数は周波数f1であり、
    前記周波数f0と前記周波数f1と前記交流信号の周波数fbは以下の関係を満たす、タッチパネル装置。
    Figure 0005327408
  13. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記複数の第1の電極のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数は互いに異なる、タッチパネル装置。
  14. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極と前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極のそれぞれとグランドとの間の静電容量の変化を、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極のうち少なくとも2つの電極に入力する交流信号の周波数は互いに異なる、タッチパネル装置。
  15. 前記交流信号源は前記複数の第1の電極のうちの1つの電極に入力する交流信号の周波数を時間的に切り替える、請求項13または請求項14に記載のタッチパネル装置。
  16. 前記タッチパネルの周囲環境を検出する環境センサを更に備え、
    前記交流信号源は前記検出された周囲環境に基づいて前記複数の第1の電極のうちの前記1つの電極に入力する前記交流信号の前記周波数を決定する、請求項15に記載のタッチパネル装置。
  17. 前記交流信号源は前記複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極の共振周波数を検出し、前記検出された共振周波数を基に前記交流信号の前記周波数を決定する、請求項13または請求項14に記載のタッチパネル装置。
  18. 前記少なくとも2つの電極に入力する前記交流信号の前記周波数は、それぞれ、前記少なくとも2つの電極の共振周波数に基づいて決定される、請求項13または請求項14に記載のタッチパネル装置。
  19. 前記交流信号は正弦波である、請求項13または請求項14に記載のタッチパネル装置。
  20. 前記交流信号は矩形波である、請求項13または請求項14に記載のタッチパネル装置。
  21. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のそれぞれと前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記交流信号の周波数は前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチの接続状態に基づいて決定され、
    前記交流信号源は前記複数の第1の電極のうちの1つの電極に入力する交流信号の周波数を時間的に切り替える、タッチパネル装置。
  22. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    所定の周波数の交流信号を前記複数の第1の電極に入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極のそれぞれと前記複数の第2の電極のそれぞれとの間の静電容量の変化を前記複数の第2の電極から出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記インダクタンス素子との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第1の電極切替スイッチと、
    前記複数の第2の電極のそれぞれと前記検出回路との接続状態を開放状態と短絡状態の間で切り替える第2の電極切替スイッチと、
    前記第1の電極切替スイッチおよび前記第2の電極切替スイッチを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記第1の電極切替スイッチが前記複数の第1の電極のうちの或る第1の電極と前記インダクタンス素子とを接続し、かつ前記第2の電極切替スイッチが前記複数の第2の電極のうちの或る第2の電極と前記検出回路とを接続したときに前記交流信号源から前記検出回路までの伝送ロスが最大となり、
    前記所定の周波数は、前記第1の電極切替スイッチが前記複数の第1の電極のうちの或る第1の電極と前記インダクタンス素子とを接続し、かつ前記第2の電極切替スイッチが前記複数の第2の電極のうちの或る第2の電極と前記検出回路とを接続したときの前記或る第1の電極の共振周波数に基づいて決定される、タッチパネル装置。
  23. 前記所定の周波数は前記共振周波数と同一である、請求項22に記載のタッチパネル装置。
  24. 複数の第1の電極と複数の第2の電極とを有するタッチパネルと、
    所定の周波数の交流信号を前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とに入力する交流信号源と、
    前記複数の第1の電極のそれぞれと前記交流信号源との間に電気的に直列接続されたインダクタンス素子と、
    検出対象物が前記タッチパネルにタッチした際の前記複数の第1の電極とグランドとの間の静電容量の変化または前記複数の第2の電極とグランドとの間の静電容量の変化を前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極とから出力される信号の変化により検出する検出回路と、
    を備え、
    前記交流信号源が、前記複数の第1の電極のうちの或る第1の電極と前記複数の第2の電極のうちの或る第2の電極とに前記交流信号を入力したときに前記交流信号源から前記検出回路までの伝送ロスが最大となり、
    前記所定の周波数は、前記或る第1の電極の共振周波数に基づいて決定される、タッチパネル装置。
  25. 前記交流信号の周波数は前記共振周波数と同一である、請求項24に記載のタッチパネル装置。
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