JP5327145B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
複数のノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置として、特許文献1には、ガイド部材に案内されてY方向に往復移動するキャリッジに搭載されたインクジェットヘッドからインク滴を噴射することによって、記録用紙に印刷を行う画像記録装置が記載されている。この画像記録装置において、キャリッジは、自身に設けられた第1、第2摺動凸部が、ガイド部材に設けられた摺動面(案内面)と摺動することで、走査方向に案内される。ここで、第1摺動凸部はキャリッジに固定されているのに対して、第2摺動凸部は、姿勢調整手段によってY方向と直交するX方向に移動可能となっており、姿勢調整手段により第2摺動凸部を移動させることで、第1摺動凸部と第2摺動凸部との位置関係を調整して、キャリッジのY方向に対する角度を変更することができるようになっている。
姿勢調整手段は、第2摺動凸部と一体的に構成された調節体ブロック、調節体ブロックに嵌め込まれることで、その外周面が、調節体ブロックの当接面に当接した偏心丸軸、偏心丸軸と一体的に形成された円形のダイヤル板、ダイヤル板と対向するように配置された板バネなどを備えている。そして、ダイヤル板を回して、偏心丸軸が回動させることにより、偏心丸軸の外周面の位置を変更し、偏心丸軸に当接した調節体ブロックを第2摺動凸部と一体的に移動させることができるようになっている。
また、ダイヤル板には、その周方向に沿って配列された複数の溝が形成されており、板バネには、これら複数の溝のいずれかと選択的に係合可能となるように突出した押圧部が形成されている。これにより、偏心丸軸は、複数の溝に対応する複数の位置のいずれかに選択的に位置決め可能となっている。
ここで、インクジェットヘッドに形成された複数のノズルは、X方向にそれぞれ延びた複数のノズル列を形成しているが、これらのノズル列は、インクジェットヘッドをキャリッジに取り付ける際の誤差などにより、X方向に対して傾斜してしまう場合がある。そして、ノズル列がX方向に対して傾斜してしまうと、例えば、X方向に延びる直線を印刷しようとするときに、ノズル列がX方向に平行に配置された場合と同じタイミングでインク滴を噴射すると、ノズル列の延びる方向における一端側のノズルと他端側のノズルとから噴射されるインク滴の着弾位置がY方向にずれて直線を印刷することができない。その為、印刷品質が低下してしまう虞がある。
そこで、特許文献1では、このような印刷品質の低下を防止するため、上述したように、キャリッジの角度を変更することによって、ノズル列がX方向と平行になるように、キャリッジの姿勢を調整している。
特開2005−246933号公報
ここで、上述したようなノズル列の傾斜による印刷品質の低下は、ノズル列の長さが長いほど大きくなる。すなわち、ノズル列の長さが長い場合には、ノズル列が僅かに傾斜しているだけであっても、ノズル列の延びる方向における一端側のノズルと他端側のノズルとから噴射されるインク滴の着弾位置が、Y方向に大きくずれてしまうため、印刷品質が大きく低下してしまう。そのため、このような場合には、ノズル列の向きを細かく調整する必要がある。そして、特許文献1に記載の姿勢調整手段により、ノズル列の向きを細かく調整するためには、ダイヤル板により多くの溝を形成する、あるいは、偏心丸軸を偏心の程度の小さいものとする必要がある。
しかしながら、ダイヤル板は小型の部材であるため、ダイヤル板に形成される溝の数を多くするのは困難であるし、多くの溝を形成可能とするためにダイヤル板を大型のものとすると、装置全体も大型化してしまう。一方、偏心丸軸を偏心の程度の小さいものとすると、調節体ブロック(第2摺動凸部)の移動可能範囲が小さくなってしまい、ノズル列の傾斜が大きい場合に、ノズル列の向きを調節することができなくなってしまう虞がある。
本発明の目的は、キャリッジの角度を細かく調整することができ、且つ、その角度の調整範囲も十分に確保することが可能な液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明に係る液滴噴射装置は、液滴を噴射するノズルが複数形成された噴射面を有する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドが搭載されており、前記噴射面と平行な第1方向に往復移動するキャリッジと、前記噴射面と直交しているとともに前記第1方向に延びた案内面を有しており、前記キャリッジを前記案内面に沿って案内する案内部材とを備え、前記キャリッジには、前記案内面と摺動する第1摺動面を有し、前記キャリッジに対して固定された固定摺動部材と、前記第1方向に関して前記固定摺動部材と離隔して配置され、前記案内面と摺動する第2摺動面を有し、前記キャリッジに対して前記第2摺動面と直交する第2方向に移動可能に構成された可動摺動部材と、前記可動摺動部材を前記第2方向に移動させることで、前記第1摺動面と前記第2摺動面との位置関係を調整して、前記キャリッジの前記第1方向に対する角度を変更する角度変更機構とが設けられており、前記角度変更機構は、入れ子になっており、前記第2方向と直交する方向に延びた回動軸を中心に回動可能な複数の偏心カムと、前記複数の偏心カムの間にそれぞれ介在しており、ある偏心カムの回動に連動して別の偏心カムが回動してしまうのを防止する回動止め部材と、前記可動摺動部材と連結され、最も外側の偏心カムの外周面によって前記第2方向に移動させられる移動部材とを有していることを特徴とする。
本発明によると、偏心カムの偏心の程度を小さくしておけば、第2方向に関する可動摺動部材の位置、すなわち、キャリッジの第1方向に対する角度を細かく調整することができる。さらに、入れ子になった複数の偏心カムをそれぞれ回動させることによって、移動部材及び可動摺動部材を移動させることができるので、偏心カムの偏心の程度を小さくしても、可動摺動部材の移動範囲を十分に確保することができる。
第2の発明に係る液滴噴射装置は、第1の発明に係る液滴噴射装置において、前記回動軸は、前記噴射面と直交する方向に延びて構成されていることを特徴とする。
本発明によると、偏心カムの回動軸が噴射面と直交する方向に延びているため、噴射面と直交する方向から偏心カムを回動させる作業を行うことができ、偏心カムを回動させる際に、案内部材が邪魔にならない。
第3の発明に係る液滴噴射装置は、第1又は第2の発明に係る液滴噴射装置において、前記移動部材は、前記最も外側の偏心カムの外周面の前記第2方向に関する端部と接触する接触面を有することを特徴とする。
本発明によると、移動部材を、最も外側の偏心カムの外周面の第2方向に関する端部と接触する接触面を有するものとすれば、偏心カムを回動させることにより、移動部材を第2方向に移動させることができる。
第4の発明に係る液滴噴射装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る液滴噴射装置において、前記キャリッジには、前記キャリッジと前記案内部材の間に介在し、前記第1摺動面と前記第2摺動面を前記案内面に押し付ける向きに、前記キャリッジを付勢する付勢手段がさらに設けられていることを特徴とする。
本発明によると、キャリッジが、2つの摺動部材の摺動面を案内面に押し付ける向きに付勢されているため、可動摺動部材を固定摺動部材に対して第2方向に移動させることにより、確実にキャリッジの第1方向に対する角度を変更することができる。
第5の発明に係る液滴噴射装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る液滴噴射装置において、前記回動止め部材には、前記回動軸と平行に延びた円柱形状の軸部が設けられており、前記キャリッジには、前記軸部が嵌め込まれるとともに、前記軸部において前記回動止め部材を揺動自在に支持する嵌合部が形成されていることを特徴とする。
回動止め部材は、偏心カムの回動に連動して第2方向に移動可能となっている必要があるが、本発明によると、回動止め部材に円柱形状の軸部を設けるとともに、キャリッジに、軸部が嵌め込まれるとともに、軸部において回動止め部材を揺動自在に支持する嵌合部を設けることにより、回動止め部材を、偏心カムの回動に連動して第2方向に移動可能なものとすることができる。
また、軸部が円柱形状であるので、回動止め部材が揺動しても、第2方向に関する軸部の長さは変化しない。したがって、嵌合部の第2方向に関する長さを軸部の直径とほぼ同じとすることにより、回動止め部材のがたつきを極力抑えることができる。
第6の発明に係る液滴噴射装置は、第5の発明に係る液滴噴射装置において、前記回動止め部材には、前記偏心カムを挟んだ前記軸部と反対側に、前記キャリッジに接触することで、前記回動止め部材の回動する範囲を規制する回動規制部が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、偏心カムを回転させる際に、万一、偏心カムに大きな力が加わっても、回動規制部により回動止め部材の回動する範囲が規制されるため、回動止め部材が過剰に回動して軸部が嵌合部から抜け出たり、回動止め部材が破損したりするのを防止することができる。
また、回動規制部は、回動止め部材の偏心カムを挟んだ軸部と反対側に設けられているため、回動止め部材に加わった外力は、互いに離隔して配置された軸部と回動規制部とにおいて受け止められることとなる。したがって、回動止め部材に加わる力が1箇所に集中せず、上述のような回動止め部材の抜け落ちや破損がさらに生じにくい。
第7の発明に係る液滴噴射装置は、第1〜第6のいずれかの発明に係る液滴噴射装置において、前記偏心カムを、その回動範囲における複数の位置のいずれかに選択的に位置決めする位置決め手段をさらに備えていることを特徴とする。
本発明によると、偏心カムの偏心の程度を小さくしておけば、位置決め手段により位置決め可能な位置の間隔をそれほど小さくしなくても、偏心カムの位置を細かく調整することができる。
第8の発明に係る液滴噴射装置は、第7の発明に係る液滴噴射装置において、前記位置決め手段は、前記偏心カムに設けられており、前記複数の位置に対応して前記偏心カムの周方向に沿って配列された複数の溝と、前記キャリッジに対して固定されており、前記複数の溝のいずれかと選択的に係合する突起とを有していることを特徴とする。
本発明によると、偏心カムの偏心の程度を小さくしておけば、溝の間隔をそれほど小さくしなくても、偏心カムの位置を細かく調整することができる。
本発明によれば、偏心カムの偏心の程度を小さくしておけば、第2方向に関する可動摺動部材の位置、すなわち、キャリッジの第1方向に対する角度を細かく調整することができる。さらに、入れ子になった複数の偏心カムをそれぞれ回動させることによって、当接部材及び可動摺動部材を移動させることができるので、偏心カムの偏心の程度を小さくしても、可動摺動部材の移動範囲を十分に確保することができる。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のキャリッジ近傍の部分の斜視図である。 キャリッジを下方から見た平面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 (a)が図4のV−V線断面図であり、(b)、(c)が(a)の偏心カムを回動させた後の状態を示す図である。 図5(a)、(b)において、外側偏心カムを除いた図である。 可動摺動部材を移動させたときのキャリッジの状態を模式的に示した図である。 変形例1の図5相当の図である。 変形例2、変形例3の図5(a)相当の図である。 変形例4、5の図5(a)相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1(液滴噴射装置)は、キャリッジ2、2本のガイドレール3、4、インクジェットヘッド5、4つのカートリッジ装着部6、4本のチューブ7、フレキシブルフラットケーブル(FFC)8、制御基板9などを備えている。
キャリッジ2は、2本のガイドレール3、4に沿って水平な走査方向(図1の左右方向、第1方向)に往復移動する。また、キャリッジ2は、走査方向に対する角度を変更することができるようになっている。なお、ガイドレール3、4に沿ったキャリッジ2の移動、及び、キャリッジ2の角度の変更については、後で詳細に説明する。
インクジェットヘッド5は、キャリッジ2の下面に搭載されている。インクジェットヘッド5の下面は複数のノズル15が形成された水平な噴射面5a(図3参照)となっており、複数のノズル15は、それぞれが紙送り方向に延びているとともに、走査方向に沿って配列された4つのノズル列16を形成している。そして、これら複数のノズル15からは、図1の左側のノズル列16を構成するものから順に、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク滴が噴射される。
4つのカートリッジ装着部6は、インクカートリッジ11を装着するための部分であり、走査方向に沿って配列されている。そして、これら4つのカートリッジ装着部6には、図1の左側に配置されているものから順に、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されたインクカートリッジ11が装着される。
4本のチューブ7は、インクジェットヘッド5(厳密には、インクジェットヘッド5に接続されたサブタンク14(図2参照))と、4つのカートリッジ装着部6とを接続しており、4つのカートリッジ装着部6に装着されたインクカートリッジ11からインクジェットヘッド5にインクを供給する。
FFC8は、チューブ7と並行して延びており、その表面に形成された図示しない配線により、インクジェットヘッド5と制御基板9とを電気的に接続している。制御基板9は、インクジェットヘッド5への給電や、インクジェットヘッド5を制御するための信号の出力などを行うための基板である。
そして、プリンタ1においては、図示しない用紙搬送機構により走査方向と直交する紙送り方向(図1の下向き)に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド5からインク滴が噴射されることにより、記録用紙Pに印刷が行われる。
次に、図1〜図6を用いて、キャリッジ2及びキャリッジ2を案内するためのガイドレール3、4について詳細に説明する。図2は、図1のキャリッジ2近傍の部分の斜視図である。図3はキャリッジ2を下方から見た平面図である。図4は図2のIV−IV線断面図である。図5は図4のV−V線断面図である。図6は、図5において、後述する外側の偏心カム53を除いた図である。ただし、図2においては、キャリッジ2を上面に配置されるカバーを取り外した状態で図示している。また、図4〜図6においては、後述する偏心カム52、53が偏心していること、及び、後述するスライダ51の移動をわかりやすくするために、偏心カム52、53の偏心の程度を実際よりも大きくしており、これに合わせて、例えば、後述する溝63の幅など、他の構成の大きさなども適宜変更している。また、図6においては、偏心カム53の位置を二点鎖線で示している。
ガイドレール3は走査方向に長尺な略矩形の板状体であり、その紙送り方向に関する両端部に、それぞれ、上方に突出しているとともに、走査方向に関するガイドレール3のほぼ全長にわたって延びた突出部21、22が形成されている。そして、突出部21と突出部22の互いに対向する面、すなわち、図1における突出部21の下側の面、及び、図1における突出部22の上側の面が、それぞれ、噴射面5aと直交するとともに、走査方向に延びた案内面21a、22aとなっている。なお、本実施の形態では、ガイドレール3が、本発明に係る案内部材に相当し、案内面21aが、本発明に係る案内面に相当する。また、ガイドレール3は、ガイドレール4と反対側(図1下側)の端部の上面が、案内面3aとなっている。
ガイドレール4は、走査方向に長尺な略矩形の板状体であり、紙送り方向に関するガイドレール3側(図1の下側)の端部の上面が、案内面4aとなっている。
キャリッジ2には、上述のインクジェットヘッド5のほかに、固定摺動部材31、可動摺動部材32、2つの付勢機構33、角度変更機構34などが設けられている。
固定摺動部材31は、キャリッジ2の走査方向に関する一端部(図3の右側の端部)における、紙送り方向に関する略中央部に設けられており、キャリッジ2に対して固定されている。固定摺動部材31は、走査方向から見て、突出部21を挟むように配置された部材であって、案内面21aと対向する面が、摺動面31a(第1摺動面)となっている。
可動摺動部材32は、キャリッジ2の、走査方向に関する固定摺動部材と反対側の端部(図3の左側の端部)における、紙送り方向に関する略中央部に設けられている。すなわち、可動摺動部材32は、走査方向に関して、固定摺動部材31と離隔して配置されている。
可動摺動部材32も、固定摺動部材31と同様、走査方向から見て、突出部21を挟むように配置された部材であって、案内面21aと対向する面が、摺動面32a(第2摺動面)となっている。また、可動摺動部材32は、固定摺動部材31とは異なり、キャリッジ2に固定されておらず、キャリッジ2に対して、摺動面32aと直交する方向(第2方向)に移動可能となっている。なお、この第2方向は、後述するようにキャリッジ2を走査方向に対して傾斜させる前の状態では、紙送り方向と平行な方向となっており、キャリッジ2を走査方向に対して傾斜させた状態では、紙送り方向に対して傾斜した方向となる。
2つの付勢機構33は、キャリッジ2の図3における下側の端部のうち、走査方向に関する両端部に、案内面22aと対向するように設けられており、キャリッジ2と案内面22a(ガイドレール3)との間に介在している。付勢機構33は、キャリッジ2に固定されたバネ41と、バネ41によって案内面22aに押し付けられた押し付け部材42とによって構成されている。そして、キャリッジ2は、押し付け部材42が案内面22aから押し返される力によって、案内面21a側に付勢され、これにより、摺動面31a、32aが案内面21aに押し付けられる。
そして、以上のような構成を有するキャリッジ2は、移動時に、摺動面31a、32aが案内面21aと摺動し、押し付け部材42が案内面22aと摺動し、図1における上側の端部の下面が案内面4aと摺動するとともに、図1における下側の端部の下面が案内面3aと摺動することにより、走査方向に案内される。
角度変更機構34は、キャリッジ2の走査方向に対する角度を変更するための機構であり、可動摺動部材32の第2方向に関する位置を変更することで、摺動面31aと摺動面32aとの位置関係を調整して、キャリッジ2の走査方向に対する角度を変更する。角度変更機構34は、スライダ51、入れ子になった2つの偏心カム52、53、偏心カム52、53の間に介在する回動止め部材54、板バネ55などを備えている。
スライダ51(移動部材)は、可動摺動部材32と一体的に形成されており(可動摺動部材32と連結されており)、可動摺動部材32とともに第2方向に移動可能となっている。また、スライダ51には、その略中央部に、偏心カム52、53及び回動止め部材54が配置される貫通孔51aが形成されている。
偏心カム52は、キャリッジ2に設けられた、鉛直方向に延びた回動軸61に挿通されており、回動軸61を中心に回動可能となっている。また、キャリッジ2には図示しないストッパなどが設けられており、偏心カム52は、図5(a)に示す状態から、時計回り方向及び反時計回り方向に、それぞれ、90°回動可能となっている。
また、偏心カム52の上端部には、操作部52aが設けられている。操作部52aは、上方からドライバなどを差し込むことができるようになっており、後述するキャリッジ2の角度の調整を行う際には、ドライバなどを用いて操作部52aを回動させることにより、偏心カム52を回動させる。
偏心カム53は、回動止め部材54の中心を軸として回動可能となっている。すなわち、鉛直方向に延びた回動止め部材54の中心軸が、偏心カム53の回動軸となっている。また、スライダ51に形成された貫通孔51aは、第2方向に関する長さが、外側の偏心カム53の直径とほぼ同じとなっており、偏心カム53の外周面53aの第2方向に関する両端部が、貫通孔51aの第2方向における両端部を画定する壁面である接触面51bに接触している。
さらに、本実施の形態では、付勢機構33により、摺動面32aが案内面21aに押し付けられているため、摺動面32aは、案内面21aから押し返され、これにより、可動摺動部材32と一体的に形成されたスライダ51の図5の上側の接触面51bが偏心カム53の外周面53aに押し付けられている。
また、偏心カム53の上端部には、円板状のダイヤル部53bが形成されている。ダイヤル部53bには、その外周に沿って配列された複数の溝53cが形成されている。ここで、これら複数の溝53cは、ダイヤル部53bの中心に対して対称な位置に形成されている。
また、ダイヤル部53bの略中央部における上面には操作部53dが設けられている。そして、後述のするキャリッジ2の角度の調整の際には、操作部53dを回動させることによって偏心カム53を回動させる。
回動止め部材54は、偏心カム52と偏心カム53との間に介在した円筒状の部材であり、2つの偏心カム52、53の間に介在していることにより、偏心カム52、53のうち一方の偏心カムを回動させたときに、これに連動して他方の偏心カムが回動してしまうのを防止している。すなわち、偏心カム52と偏心カム53との間に回動止め部材54が介在していることにより、偏心カム52、53を個別に回動させることができるようになっている。
また、回動止め部材54には、第2方向と直交する方向に関する一端部(図4の左端側)に、その下面から下方に突出した略円柱形状の軸部54aが設けられており、軸部54aは、キャリッジ2に形成された貫通孔62(嵌合部)に挿通されている。これにより、回動止め部材54は、軸部54aを中心に揺動可能となっている。ここで、貫通孔62は、第2方向に関する長さが軸部54aの直径とほぼ同じとなっているとともに、摺動面32aと方向と平行な方向に関する長さが、軸部54aの直径よりも長くなっている。
また、回動止め部材54には偏心カム52を挟んだ軸部54aの反対側の端部(図4の右端部)に回動規制部54bが形成されている。回動規制部54bは、キャリッジ2に形成された溝63に嵌め込まれている。ここで、溝63は、第2方向に関する長さが、回動規制部54bよりも長くなっており、回動止め部材54は、回動規制部54bが溝63の内部を移動可能な範囲で揺動可能となっており、回動規制部54bが溝63の壁面に接触すると、第2方向への移動が規制される。
板バネ55は、偏心カム53のダイヤル部53bの上方に配置されており、キャリッジ2に対して固定されている。また、板バネ55には、操作部53dを挟んで互いに反対側に位置する部分に、屈曲されることによって形成された2つの突起55aが設けられている。2つの突起55aは、複数の溝53cのうち、ダイヤル部53bの中心軸に対して対称な位置にあるいずれか2つと選択的に係合可能となっており、これにより、偏心カム53は、その回動範囲における、複数の溝53cに対応した複数の位置のいずれかに選択的に位置決め可能となっている。なお、本実施の形態では、ダイヤル部53bに設けられた複数の溝53cと、板バネ55に設けられた突起55aとをあわせたものが、本発明に係る位置決め手段に相当する。
次に、図5〜図7を用いて、角度変更機構34により可動摺動部材32の移動させて、キャリッジ2の走査方向に対する角度を変更する方法について説明する。図7は、角度変更機構34により可動摺動部材32を移動させたときの、キャリッジ2の状態を模式的に示した図である。
ここで、キャリッジ2の角度の調整を行う前の状態では、例えば、図5(a)、図6(a)に示すように、偏心カム52、53の最も幅の大きな部分が、第2方向と直交する方向に関する同じ側の端(図5、]図6の左端)にきている。
この状態で、内側の偏心カム52を図5、図6における時計回り方向に回動させると、図5(b)、図6(b)に示すように、偏心カム52の最も幅の大きな部分が、第2方向に関する可動摺動部材32側(図5、図6の上側)に移動する。これにより、回動止め部材54及び偏心カム53が偏心カム52に押されて、図5、図6の上方に移動するとともに、スライダ51が、偏心カム53に押されて、可動摺動部材32と一体的に、図5、図6の上方に移動する。
そして、スライダ51及び可動摺動部材32の移動量は、図5(b)、図6(b)に示すように。偏心カム52の最も幅の大きい部分が、第2方向に関する可動摺動部材32側の端(図5、図6の上端)にきたときに最大となり、このときの可動摺動部材32の移動量がd1となっている。
このとき、回動止め部材54は、軸部54aを中心に揺動することとなるが、軸部54aが略円柱形状であるため、回動止め部材54が揺動しても、軸部54aの第2方向に関する長さは変化しない。また、軸部54aが嵌め込まれる貫通孔62の第2方向に関する長さを、軸部54aの直径とほぼ同じとすることにより、回動止め部材54が、軸部54aを中心にして揺動するように構成できる。
なお、偏心カム52を回動させたときに、回動止め部材54及び偏心カム53は、第2方向と直交する方向にも移動するが、本実施の形態では、貫通孔62の第2方向と直交する方向に関する長さを軸部54aよりも長くすることにより、回動止め部材54の第2方向と直交する方向への移動を許容している。
また、このとき、回動止め部材54には、軸部54aと反対側の端部に回動規制部54bが設けられているため、偏心カム52を回動させる際に、例えば、操作部52aに差し込んだドライバに水平方向の外力が加わるなどして、偏心カム52、53、回動止め部材54に大きな力が加わっても、回動止め部材54は、回動規制部54bにより、回動規制部54bが溝63の壁面に接触する位置からさらに第2方向へ移動するのが抑えられる。したがって、偏心カム52を回動させる際に、回動止め部材54に大きな力が加わっても、軸部54aが貫通孔62から抜けてしまったり、回動止め部材54が破損してしまったりするのを防止することができる。
さらに、このとき、回動規制部54bが溝63の壁面に接触した状態では、回動止め部材54に加わる外力は、偏心カム52を挟んで互いに反対側に配置された軸部54aと回動規制部54bとにおいて受け止められることとなるため、回動止め部材54に加わる外力が1箇所に集中せず、軸部54aの抜けや、回動止め部材54の破壊がさらに生じにくい。
さらに、この状態から、外側の偏心カム53を図5、図6における時計回り方向に回動させると、図5(c)、図6(c)に示すように、偏心カム53の最も幅の大きな部分が、第2方向に関する可動摺動部材32側(図5、図6の上側)に移動する。これにより、スライダ51が、偏心カム53に押されて、可動摺動部材32と一体的に図5、図6の上方に移動する。
そして、スライダ51及び可動摺動部材32の移動量は、図5(c)、図6(c)に示すように。偏心カム53の最も幅の大きい部分が、第2方向に関する可動摺動部材32側の端(図5、図6の上端)にきたときに最大となり、このときの可動摺動部材32の移動量がd2となっている。
なお、ここでは、先に偏心カム52を回動させ、その後、さらに偏心カム53を回動させた場合について説明したが、当然のことながら、図5(a)、図6(a)の状態で偏心カム53を回動させ、その後、さらに偏心カム52を回動させることによって、スライダ51及び可動摺動部材32を、図5、図6の上方に移動させることも可能である。
また、図示は省略するが、上述したのとは逆に、偏心カム52、53を図5、図6における反時計回り方向に回動させた場合には、偏心カム52、53の幅の最も大きな部分が、第2方向に関する可動摺動部材32と反対側(図5、図6の下側)に移動し、これにより、スライダ51が、可動摺動部材32と一体的に図5、図6の下方に移動する。
また、このとき、偏心カム52、53の回動軸が、鉛直方向に延びているため、偏心カム52、53を回動させる際に、操作部52aに上方からドライバなどを差し込む、上方から操作部53dを把持するなどして、操作部52a、53dを操作することができる。したがって、可動摺動部材32の位置調整を行う際に、ガイドレール3が邪魔になることがない。
そして、上述したように可動摺動部材32を移動させると、第2方向に関する、固定摺動部材31の摺動面31aと、可動摺動部材32の摺動面32aとの位置関係が変わり、キャリッジ2は、摺動面31a、32aが、ガイドレール3の案内面21a上にくるように、すなわち、紙送り方向に関して同じ位置にくるように、走査方向に対して傾斜する。
具体的に説明すると、キャリッジ2は、可動摺動部材32を移動させる前の状態で、図7(a)に示すような姿勢となっているのに対して、可動摺動部材32を図5、図6における上方に移動させたときには、図7(b)に示すように、図中左側部分ほど、図中上側にくるように傾斜する。一方、これとは逆に、可動摺動部材32を図5、図6における下方に移動させたときには、キャリッジ2は、図7(c)に示すように、図中右側の部分ほど、図中上側にくるように傾斜する。
このとき、上述したように、キャリッジ2には付勢機構33が設けられており、キャリッジ2が付勢機構33に付勢されることにより、摺動面31a、32aが案内面21aに押し付けられているため、可動摺動部材32を移動させることにより、確実にキャリッジ2の角度を変更することができる。
ここで、本実施の形態では、インクジェットヘッド5をキャリッジ2に取り付ける際の誤差などにより、ノズル列16が紙送り方向に対して傾斜してしまう場合がある。そして、ノズル列16が紙送り方向に対して傾斜してしまうと、インク滴の着弾位置が走査方向にずれて着弾してしまい、印刷品質が低下してしまう虞がある。
さらに、ノズル列16の長さが長い場合には、ノズル列16の紙送り方向に対する傾斜が僅かであっても、ノズル列16の紙送り方向における一端側のノズルと他端側のノズルとから噴射されるインク滴の着弾位置のずれは大きなものとなり、印刷品質が大きく低下してしまう。
しかしながら、本実施の形態では、上述したようにキャリッジ2の走査方向に対する角度を変更することができるので、キャリッジ2を傾斜させてノズル列16を紙送り方向と平行にすることにより、このような印刷品質の低下を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、偏心カム52が、図5(a)に示す位置、及び、この位置から両側に90°ずつ回動した位置のいずれかに選択的に位置決めすることができるようになっているとともに、偏心カム53が、複数の溝53cに対応した複数の位置のいずれかに選択的に位置決めすることができるようになっている。すなわち、偏心カム52、53を、これらの位置の間の位置には位置決めすることはできない。
しかしながら、このような場合でも、偏心カム52、53を、偏心の程度の小さいものとすることにより、溝53cの大きさを小さくするなどして、溝53cに対応する複数の位置間の距離を小さくしなくても、可動摺動部材32の位置を細かく調整することができる。したがって、ノズル列16の長さが長い場合であっても、ノズル列16を精度よく紙送り方向と平行にすることができ、これにより、印刷品質の低下を確実に防止することができる。
また、偏心カム52、53を、偏心の程度の小さいものとすると、偏心カム52、53をそれぞれ単独で回動させたときの、可動摺動部材32の移動量は小さくなってしまう。しかしながら、本実施の形態では、2つの偏心カム52、53をそれぞれ回動させることにより、可動摺動部材32を移動させることができるようになっているため、可動摺動部材32の移動範囲は、偏心カム52を単独で回動させることによる可動摺動部材32の移動範囲と、偏心カム53を単独で回動させることによる可動摺動部材32の移動範囲とをあわせたものとなる。したがって、偏心カム52、53の偏心の程度が小さくても、可動摺動部材32の移動範囲を十分に確保することができる。また、一方の偏心カムの偏心量が大きく、他方の偏心カムの偏心量を小さくなるように構成することで、一方の偏心カムで大きな調整をし、他方の偏心カムで小さな調整をすることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
上述の実施の形態では、回動止め部材54に回動規制部54bが設けられているとともに、キャリッジ2に回動規制部54bが嵌合する溝63が形成されており、回動規制部54bが溝63の壁面に接触することで、回動止め部材54の回動が規制されていたが、溝63が形成されておらず、回動規制部54bが、キャリッジ2の他の部分に接触することで、回動止め部材54の揺動が規制されるようになっていてもよい。
さらには、回動規制部54bなどの、回動止め部材54の回動する範囲を規制するための構成は設けられていなくてもよい。回動規制部54bなどは、偏心カム52を回動させる際に、偏心カム52に万一大きな力が加わったときに、回動止め部材54が過剰に揺動して、軸部54aの抜けや、回動止め部材54の破損が生じてしまうのを防止するために設けられたものであり、軸部54a回動は規制されるため不要な構成である。したがって、これらの構成がなくても、上述したのと同様に、偏心カム52、53を回動させることにより、可動摺動部材32を第2方向に移動させることができる。
また、上述の実施の形態では、貫通孔62は、第2方向に関する長さが軸部54aの直径とほぼ同じとなっているとともに、摺動面32aの方向と平行な方向に関する長さが、軸部54aの直径よりも長くなっているが、これに限られない。例えば、貫通孔の形状は、第2方向に関する長さが軸部の直径よりも長く、第2方向と直交する方向の長さが軸部の直径と等しくてもよい。これ以外に、貫通孔が、図6(a)示す軸部54aの位置から図6(a)の上下方向や左方向等に延びる形状もある
また、上述の実施の形態では、回動止め部材54の軸部54aが略円柱状に構成されていたが、軸部54aの形状はこれには限られず、楕円柱や多角柱など、他の形状となっていてもよい。
ただし、これらの場合には、軸部が回動するのに伴って、第2方向に関する軸部の長さが変化するので、軸部が回動できるよう、軸部が嵌め込まれる貫通孔の第2方向に関する長さを軸部よりも長くする必要がある。そのため、上述の実施の場合に比べれば、回動止め部材54にがたつきが生じやすくなる。
また、上述の実施の形態では、回動止め部材54が軸部54aを中心に揺動可能になっていることで、第2方向に移動可能となっていたが、回動止め部材54を第2方向に移動可能とするための構成はこれには限られない。
例えば、一変形例(変形例1)では、図8に示すように、回動止め部材54の第2方向と直交する方向に関する両端部に回動規制部54b(図6参照)と同様の形状を有する移動規制部71が設けられているとともに、キャリッジ2の、各移動規制部71と対向する位置に、それぞれ、溝63と同様の溝72が形成されており、移動規制部71が溝72嵌め込まれている。
この場合には、内側の偏心カム52を回動させると、図9(b)に示すように、回動止め部材54が、第2方向にほぼ平行に移動し、これに伴って、移動規制部71が溝72の幅方向に沿って第2方向に移動する。また、この場合には、2つの移動規制部71が溝72の壁面に接触することにより、回動止め部材54がそれ以上移動してしまうのが規制される。
ただし、この場合には、2つの移動規制部71が、それぞれ、溝72内で自由に移動可能となっているので、上述の実施の形態のように、軸部54aが貫通孔62に嵌め込まれている場合に比べると、回動止め部材54にがたつきが生じやすい。
また、上述の実施の形態では、スライダ51に形成された貫通孔51aの内部に偏心カム52、53及び回動止め部材54が配置されており、外側の偏心カム53の外周面53aの第2方向に関する両端部が、貫通孔51aの壁面に接触していたが、これには限られず、外周面53aのうち第2方向に関する一方の端部のみがスライダと接触していてもよい。
例えば、別の一変形例(変形例2)では、図9(a)に示すように、偏心カム52、53などが、第2方向に関して、スライダ81の可動摺動部材32と反対側に隣接して配置されており、外側の偏心カム53の外周面53aのうち、図中上側の端部のみが、スライダ81の図中下側の面である接触面81aに接触している。
また、別の一変形例(変形例3)では、図9(b)に示すように、スライダ91が、偏心カム52、53などを回り込むように、第2方向に関して、偏心カム52、53等を挟んだ可動摺動部材32と反対側まで延びており、スライダ91の可動摺動部材32と反対側まで延びた部分の図中上側の面である接触面91aが、外側の偏心カム53の外周面53aの図中下側の端部に接触している。さらに、この場合には、キャリッジ2に、スライダ91を図中上方に付勢するバネ92が設けられている。
ここで、上述したように、摺動面32aが、付勢機構33により案内面21aに押し付けられているため、可動摺動部材32及びスライダ91は、摺動面32aが案内面21aから押し返される力により、図中下向き、すなわち、接触面91aが偏心カム53の外周面53aから離れる向きに移動しようとする。そのため、変形例3では、バネ92でスライダ91を付勢することにより、外周面53aから離れようとする接触面91aを外周面53aに押し付けている。
また、上述の実施の形態では、2つの偏心カム52、53及び回動止め部材54が全て円形であったがこれには限られない。
例えば、別の一変形例(変形例4)では、図10(a)に示すように、内側の偏心カム52(図5参照)の代わりに楕円形状の偏心カム101が設けられている。また、別の一変形例(変形例5)では、図10(b)に示すように、回動止め部材54(図5参照)の代わりに、内径形状が円形となっているとともに、外径形状が楕円形状になった回動止め部材111が設けられている。なお、変形例4、5の場合には、回動軸61が、上述の実施の形態の場合よりも、第2方向に関して可動摺動部材32側に位置している。
また、以上の例では、偏心カム53の外周面53aが直接スライダに接触していたが、すなわち、スライダが偏心カム53の外周面53aと接触する接触面を有していたが、これには限られず、偏心カム53の外周面53aの第2方向に関する端部と、スライダとの間に別の部材や機構が介在しており、スライダが、この部材を介して偏心カム53の外周面53aによって第2方向に移動させられるように構成されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、板バネ55に形成された突起55aが、ダイヤル部53bに形成された複数の溝53cのいずれかと選択的に係合可能となっていることにより、偏心カム53が、複数の溝53cに対応する複数の位置のいずれかに選択的に位置決め可能となっていたが、偏心カム53の位置決めを行うための位置決め手段の構成はこれには限られない。例えば、ダイヤル部53bの溝53cが形成されていた部分に突起が形成されているとともに、板バネ55の突起55aが形成されていた部分に溝が形成されている、あるいは、偏心カム53の内周面及び回動止め部材54の外周面に、その周方向に沿って互いに係合する突起や溝が形成されているなど、別の構成によって、偏心カム53を位置決めすることができるようになっていてもよい。
さらには、偏心カム53に対して、上述のような位置決めを行うための構成は設けられておらず、偏心カム53が、回動範囲の任意の位置で止めることができるようになっていてもよい。この場合でも、偏心カム53の偏心の程度を小さくすれば、偏心カム53の回動角度に対するスライダ51の移動量が小さくなるため、可動摺動部材32を細かく調整する際の、操作部53dを回動させる作業が容易になる。
また、偏心カム52については、図5(a)に示す位置と、この位置から両側に90°回動した位置の合計3箇所においてのみ位置決め可能となっていたが、偏心カム52に対しても、偏心カム53と同様の、位置決めを行うための溝や突起を設けてもよい。
また、上述の実施の形態では、偏心カム52、53の回動軸(回動軸61、回動止め部材54の中心軸)が、噴射面5aと直交する鉛直方向に延びていたが、これには限られず、偏心カム52、53の回動軸は、例えば、噴射面5aと平行で且つ第2方向と直交する方向など、第2方向と直交する方向のうち鉛直方向以外の方向に延びていてもよい。
また、上述の実施の形態では、回動止め部材54が、偏心カム52の全周を取り囲むものであったが、これには限られず、偏心カム52、53の一方の回動に連動して他方が回動してしまうのを防止することができるものであれば、例えば、偏心カム52を取り囲む部分のうちの一部にのみ配置されたものなど、別の構成であってもよい。
また、上述の実施の形態では、角度変更機構34に、入れ子になった2つの偏心カム52、53が設けられているとともに、偏心カム52と偏心カム53との間に回動止め部材54が介在していたが、偏心カムの数は2つであることには限られず、入れ子になった3つ以上の偏心カムが設けられているとともに、各偏心カムの間にそれぞれ回動止め部材が介在していてもよい。
また、以上では、ノズルからインク滴を噴射することによって印刷を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、ノズルからインク滴以外の液滴を噴射する液滴噴射装置に本発明を適用することも可能である。
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 ガイドレール
5 インクジェットヘッド
5a ノズル面
15 ノズル
21a 案内面
31 固定摺動部材
31a 摺動面
32 可動摺動部材
32a 摺動面
33 付勢機構
34 角度変更機構
51 スライダ
52、53 偏心カム
53a 外周面
53c 溝
54 回動止め部材
54a 軸部
54b 回動規制部
55a 突起
61 回動軸
62 貫通孔

Claims (8)

  1. 液滴を噴射するノズルが複数形成された噴射面を有する液滴噴射ヘッドと、
    前記液滴噴射ヘッドが搭載されており、前記噴射面と平行な第1方向に往復移動するキャリッジと、
    前記噴射面と直交しているとともに前記第1方向に延びた案内面を有しており、前記キャリッジを前記案内面に沿って案内する案内部材とを備え、
    前記キャリッジには、
    前記案内面と摺動する第1摺動面を有し、前記キャリッジに対して固定された固定摺動部材と、
    前記第1方向に関して前記固定摺動部材と離隔して配置され、前記案内面と摺動する第2摺動面を有し、前記キャリッジに対して前記第2摺動面と直交する第2方向に移動可能に構成された可動摺動部材と、
    前記可動摺動部材を前記第2方向に移動させることで、前記第1摺動面と前記第2摺動面との位置関係を調整して、前記キャリッジの前記第1方向に対する角度を変更する角度変更機構とが設けられており、
    前記角度変更機構は、
    入れ子になっており、前記第2方向と直交する方向に延びた回動軸を中心に回動可能な複数の偏心カムと、
    前記複数の偏心カムの間にそれぞれ介在しており、ある偏心カムの回動に連動して別の偏心カムが回動してしまうのを防止する回動止め部材と、
    前記可動摺動部材と連結され、最も外側の偏心カムの外周面によって前記第2方向に移動させられる移動部材とを有していることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記回動軸は、前記噴射面と直交する方向に延びて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記移動部材は、前記最も外側の偏心カムの外周面の前記第2方向に関する端部と接触する接触面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記キャリッジには、前記キャリッジと前記案内部材の間に介在し、前記第1摺動面と前記第2摺動面を前記案内面に押し付ける向きに、前記キャリッジを付勢する付勢手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴噴射装置。
  5. 前記回動止め部材には、前記回動軸と平行に延びた円柱形状の軸部が設けられており、
    前記キャリッジには、前記軸部が嵌め込まれるとともに、前記軸部において前記回動止め部材を揺動自在に支持する嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液滴噴射装置。
  6. 前記回動止め部材には、前記偏心カムを挟んだ前記軸部と反対側に、前記キャリッジに接触することで、前記回動止め部材の回動する範囲を規制する回動規制部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液滴噴射装置。
  7. 前記偏心カムを、その回動範囲における複数の位置のいずれかに選択的に位置決めする位置決め手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液滴噴射装置。
  8. 前記位置決め手段は、
    前記偏心カムに設けられており、前記複数の位置に対応して前記偏心カムの周方向に沿って配列された複数の溝と、
    前記キャリッジに対して固定されており、前記複数の溝のいずれかと選択的に係合する突起とを有していることを特徴とする請求項7に記載の液滴噴射装置。
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