JP5321196B2 - 全固体リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む電極層を有する全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
しかしながら、現在市販されているリチウム二次電池は、可燃性の有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。
これに対し、液体電解質を固体電解質に変えて、電池を全固体化した全固体リチウム二次電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
このような全固体リチウム二次電池には、正極層及び負極層(電極層)と、これらの間に配置される電解質とが備えられ、電解質は、固体によって構成される。従って、活物質のみを用いて粉末成形により電極層を構成する場合、電解質が固体であるため、電解質が電極層の内部へ浸透しにくく、活物質と電解質との界面が低減し、電池性能が低下してしまう。そこで、例えば、特許文献1では、活物質の粉末と固体電解質の粉末とを混合した混合粉末を含有する電極合剤を用いて電極層とすることにより、界面の面積を増大させている。
しかしながら、上記電極合剤を用いた電極層を有する全固体リチウム二次電池においても、十分な電気性能を保持することは困難であった。
特開平5−13102号公報 特開平9−35724号公報 特開平5−166506号公報 特開2004−139961号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明者等は、上記課題につき鋭意検討した結果、全固体リチウム二次電池の初期の充放電時において、上記活物質が膨張収縮することにより、上記硫化物系固体電解質材料が塑性変形を起こすため、上記活物質および硫化物系固体電解質材料の間に空隙を生じること、および、上記活物質の膨張による圧力によって全固体リチウム二次電池内部の粒子の配置が変化することにより空隙が生じること、そして、これらにより著しく全固体リチウム二次電池の電気性能が低下することを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む電極層(以下、固体電解質含有電極層と称する場合がある。)を少なくとも有する全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成する全固体リチウム二次電池形成工程と、上記全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程と、上記充放電工程後の上記全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して再成形する全固体リチウム二次電池再成形工程とを有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記全固体リチウム二次電池再成形工程において、全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して、再成形することにより、上記充放電工程で生じた上記活物質および硫化物系固体電解質材料の間の空隙を減少させることが可能となる。これにより、上記活物質および硫化物系固体電解質材料の界面の面積が減少するのを抑制することができるため、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池を製造することが可能となる。
また、上記充放電工程においては、上記活物質の膨張収縮による圧力によって、上記活物質および硫化物系固体電解質材料の粒子が移動することにより全固体リチウム二次電池内部に空隙が生じる。これについても、全固体リチウム二次電池を再度プレス成形することにより、全固体リチウム二次電池内部の粒子の配置をより密なものとし、上記粒子の密度分布を均一なものとすることが可能となる。
上記発明においては、上記固体電解質含有電極層が正極層であることが好ましい。上記正極層に用いられる正極活物質は、上記硫化物系固体電解質材料よりも剛性が大きいため、その膨張時に上記硫化物系固体電解質材料を塑性変形させやすい。このため、上記正極層においては、上記正極活物質および硫化物系固体電解質材料の間に空隙が生じやすい。
したがって、上記充放電工程および全固体リチウム二次電池再成形工程を経ることによって、より確実に、正極活物質と硫化物系固体電解質材料との界面の面積が減少すること等を抑制することが可能となり、正極活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記正極活物質が酸化物であることが好ましい。酸化物を用いることにより、上記全固体リチウム二次電池を高容量なものとすることができるからである。
さらに、上記発明においては、上記全固体リチウム二次電池形成工程で、上記硫化物系固体電解質材料からなる固体電解質層と、負極活物質および硫化物系固体電解質材料を含む負極層とをさらに有する全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成することが好ましい。本発明においては、上記正極層、負極層、および固体電解質層のすべてが硫化物系固体電解質材料を含むことにより、リチウムイオンの伝導度が大きく高出力な全固体リチウム二次電池を製造することができるからである。また、上記全固体リチウム二次電池再成形工程において、全固体リチウム二次電池を再成形する効果が大きいからである。
本発明においては、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池を製造することが可能となるという効果を奏する。
活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む固体電解質含有電極層を示す模式図である。 本発明の全固体リチウム二次電池形成工程の一例を示す製造フロー図である。 本発明の全固体リチウム二次電池形成工程の一例を示す工程図である。 本発明の実施例において形成される全固体リチウム二次電池の例を示す概略断面図である。
本発明は、全固体リチウム二次電池の製造方法に関するものである。
以下、詳細に説明する。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む固体電解質含有電極層を少なくとも有する全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成する全固体リチウム二次電池形成工程と、上記全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程と、上記充放電工程後の上記全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して再成形する全固体リチウム二次電池再成形工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明によれば、上記充放電工程、および全固体リチウム二次電池再成形工程を経ることにより、特に初期の充放電時において発生する電気性能の低下を抑制することが可能となり、製造される全固体リチウム二次電池を高品質なものとすることが可能となる。
ここで、上記全固体リチウム二次電池の初期の充放電時において発生する電気性能の低下の理由としては、以下のような理由によるものであると推定される。
図1は、上述した活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む固体電解質含有電極層を示す模式図である。
ここで、硫化物系固体電解質材料には、圧力を受けることにより塑性変形するという性質がある。また、上記活物質として用いられる物質は、通常、上記硫化物系固体電解質材料よりも剛性の大きなものが好適に用いられる。
図1(a)に示すように、充放電前の全固体リチウム二次電池の固体電解質含有電極層においては、硫化物系固体材料1と活物質2とが密着した状態で存在する。
初期の充放電時において、活物質2が充電または放電により膨張した場合、その圧力により、硫化物系固体電解質材料1は塑性変形する(図1(b))。そのため、膨張した活物質2が次の放電または充電により収縮すると、塑性変形した硫化物系固体電解質材料1との間に空隙が生じる(図1(c))。これにより、固体電解質含有電極層中の活物質2および硫化物系固体電解質材料1の接触面積が減少するので、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗が大きくなると考えられる。
また、図示はしないが、上記活物質の膨張収縮により、固体電解質含有電極層内においては、上記活物質および硫化物系固体電解質材料の粒子が移動し、その結果、空隙を生じる。さらに、上記全固体リチウム二次電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層が設けられていることから、活物質の膨張による圧力が固体電解質層中の粒子にも影響を及ぼし、全固体リチウム二次電池全体の粒子の配置が変化して、空隙を生じるため、全固体リチウム二次電池全体の粒子の接触面積が減少することが考えられる。
上述した理由により、上記全固体リチウム二次電池は、初期の充放電時において、電気性能が低下すると考えられる。
本発明においては、上記充放電工程後に、上記充放電工程後の上記全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して再成形するため、図1(d)に示すように、充放電時に生じた活物質と上記硫化物系固体電解質材料との間の空隙を減少させることが可能となる。
また、充放電時に移動した全固体リチウム二次電池内部の粒子の配置についても密なものとし、全固体リチウム二次電池の粒子の密度分布を均一なものとすることができる。
また、上記全固体リチウム二次電池再成形工程後においては、上記硫化物系固体電解質は、ある程度弾性体化する場合があるため、その後の充放電による内部抵抗の増加は少ないものとなる。
したがって、初期の充放電時において発生した活物質および硫化物系固体電解質材料の間の空隙を減少させることができれば、製造された全固体リチウム二次電池を活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させたものとすることが可能となる。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の各工程について説明する。
1.全固体リチウム二次電池形成工程
本工程は、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む固体電解質含有電極層を少なくとも有する全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成する工程である。
本工程においては、具体的には、図2に例示する全固体リチウム二次電池製造フロー図に従って、図3に例示するような工程を経ることにより、全固体リチウム二次電池を得ることができる。
例えば、まず、硫化物系固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層11を形成する固体電解質層形成工程(図3(a))を行う。
次に、正極集電体31上に正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む正極形成用材料を設置した後プレス成形等して正極層21を形成する正極層形成工程(図3(b))を行い、さらに、負極集電体32上に負極材料を圧着等して負極層22を形成する負極層形成工程(図3(c))を行う。
次に、上記固体電解質層11上に、上記負極層22を設置し、さらに、上記固体電解質層11を上記負極層22と挟持するように上記正極層21を設置する。これらを、例えば絶縁性の枠4内にて、プレス成形して全固体リチウム二次電池を形成する積層工程(図3(d))を行うことにより、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得ることができる。
また、次のような方法により、全固体リチウム二次電池を形成しても良い。例えば、硫化物系固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程を行う。次に、固体電解質層上に正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む正極形成用材料を設置し、さらにその上に正極集電体を設置した後、プレス成形等して正極層を形成する正極層形成工程を行う。この後、上記固体電解質層の正極層が形成された面と反対側の面上に負極材料を設置し、更にその上に、負極集電体を設置した後、電気絶縁性の枠内にて、プレス成形して負極層を形成し、全固体リチウム二次電池とする積層工程を行うことにより、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得ることができる。
本工程においては、上記固体電解質層形成工程、正極層形成工程、負極層形成工程、および積層工程は、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得ることができれば、各工程を同時に行ったり、各工程の順番を変更したりしても良い。
以下、本工程において形成される全固体リチウム二次電池の構成と、プレス成形方法について説明する。
(全固体リチウム二次電池の構成)
a.電極層
本工程により得られる全固体リチウム二次電池は、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む固体電解質含有電極層を少なくとも有するものである。従って、上記全固体リチウム二次電池中の正極層、および負極層のいずれか一方が活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む上記固体電解質含有電極層であれば良く、他方は、活物質のみからなる活物質層、または活物質および硫化物系固体電解質材料以外の固体電解質材料からなる電極層等の全固体リチウム二次電池の電極層であっても良い。
以下、本工程において形成される固体電解質含有電極層について説明する。
(1)固体電解質含有電極層
上記全固体リチウム二次電池における上記固体電解質含有電極層は、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含むものである。
上記固体電解質含有電極層に用いられる上記活物質としては、活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた上記全固体リチウム二次電池を得ることができるものであれば、特に限定されるものではないが、通常は、上記硫化物系固体電解質材料よりも硬いことが好ましい。このような場合、上記活物質と上記硫化物系固体電解質材料とを混合した後、プレス成形等して固体電解質含有電極層とした際に、上記硫化物系固体電解質材料が塑性変形して上記活物質表面をより多く覆うことが可能であり、これにより、電池の出力を高めることができる。
また、本工程において、上記硫化物系固体電解質材料よりも硬い活物質を用いることにより、上記硫化物系固体電解質材料の塑性変形に伴う空隙が生じやすく、これにより、本発明の作用効果が大きく発揮されるからである。
上記固体電解質含有電極層が正極層である場合、上述したように硫化物系固体電解質材料よりも硬い正極活物質としては、具体的には、酸化物の正極活物質を挙げることができる。本工程において用いられる酸化物系正極活物質としては、例えば、一般式Li(Mは遷移金属元素であり、x=0.02〜2.2、y=1〜2、z=1.4〜4)で表される正極活物質を挙げることができる。上記一般式において、Mは、Co、Mn、Ni、V、FeおよびSiからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、Co、NiおよびMnからなる群から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。このような酸化物系正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O、LiFeSiO、LiMnSiO等を挙げることができる。また、上記一般式Li以外の正極活物質としては、LiFePO、LiMnPO等のオリビン型正極活物質を挙げることができる。また、上記正極活物質は、その表面をLiNbO等のコート層により被覆されているものであっても良い。
上記正極活物質の平均粒径としては、正極活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた上記全固体リチウム二次電池を得ることができる平均粒径であれば、特に限定されるものではない。例えば、0.1μm〜100μmの範囲内、中でも1μm〜50μmの範囲内、特に5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。より確実に、正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた所望の上記全固体リチウム二次電池を得ることができるからである。
本工程において、上記正極活物質の平均粒径は、電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
また、上記固体電解質含有電極層が負極層である場合、上述したように硫化物系固体電解質材料よりも硬い負極活物質としては、具体的には、酸化物を挙げることができ、例えばLiTi12等を挙げることができる。また、負極活物質としては、金属活物質およびカーボン活物質等を用いることもできる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
上記負極活物質の平均粒径としては、負極活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の負極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた上記全固体リチウム二次電池を得ることができる平均粒径であれば、特に限定されるものではない。例えば、1μm〜50μmの範囲内、中でも5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。より確実に、負極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた所望の上記全固体リチウム二次電池を得ることができるからである。
本工程において、上記負極活物質の平均粒径は、電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
上記固体電解質含有電極層中の上記硫化物系固体電解質材料は、活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた上記全固体リチウム二次電池を得ることができるものであれば、特に限定されるものではないが、上述したように、通常は、上記活物質よりも軟らかいものである。
本発明に用いられる硫化物系固体電解質材料としては、具体的にはLi、A、Sからなる硫化物系固体電解質材料(Li−A−S)を挙げることができる。上記硫化物系固体電解質材料Li−A−S中のAは、P、Ge、B、Si、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種である。このような硫化物系固体電解質材料Li−A−Sとしては、具体的にはLi11、70LiS−30P、LiGe0.250.75、80LiS−20P、LiS−SiS等を挙げることができ、イオン伝導度が高いことから、特にLi11が好ましい。
本発明に用いられる硫化物系固体電解質材料の製造方法としては、所望の硫化物系固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、特開2005−228570号公報に記載された方法等を挙げることができる。
上記硫化物系固体電解質材料の平均粒径としては、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた上記全固体リチウム二次電池を得ることができる平均粒径であれば、特に限定されるものではない。
具体的には、上記硫化物系固体電解質材料の平均粒径が、1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜50μmの範囲内、特に100nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。より確実に、活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた所望の全固体リチウム二次電池を得ることができるからである。
本工程において、上記硫化物系固体電解質材料の平均粒径は、電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
本工程において形成される固体電解質含有電極層中の上記活物質および硫化物系固体電解質材料の割合としては、活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた所望の全固体リチウム二次電池を得ることができるのであれば特に限定されるものではない。
上記固体電解質含有電極層が正極層である場合は、正極活物質(重量%):硫化物系固体電解質材料(重量%)が、20:80〜99:1の範囲内、中でも40:60〜95:5の範囲内、特に70:30〜90:10の範囲内であることが好ましく、上記固体電解質含有電極層が負極層である場合は、負極活物質:硫化物系固体電解質材料が、20:80〜99:1の範囲内、中でも30:70〜95:5の範囲内、特に50:50〜90:10の範囲内であることが好ましい。上記活物質の割合が上記範囲に満たない場合は、電極層として機能しないおそれがあるからであり、上記活物質の割合が上記範囲を超える場合は、後述する充放電工程において発生した空隙を、後述する全固体リチウム二次電池再成形工程において減少させることができないおそれがあるからである。
また、上記固体電解質含有電極層は、上述した活物質および硫化物系固体電解質材料を含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば導電性を向上させるために導電化剤を含有させてもよい。このような導電化剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。
また、本工程においては、正極層、および負極層のいずれか一方が活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む上記固体電解質含有電極層であれば特に限定されるものではないが、上記固体電解質含有電極層が正極層であることが好ましい。上述した正極活物質は、上記硫化物系固体電解質材料よりも剛性が大きい(硬い)ため、上記硫化物系固体電解質材料を塑性変形させやすい。そのため初期の充放電時において、上記正極層内では、硬い正極活物質の膨張に伴って、上記正極活物質の周りの上記硫化物系固体材料が塑性変形される。したがって、正極層が正極活物質と上記硫化物系固体電解質材料とを含むものである場合は、正極活物質および上記硫化物系固体電解質材料の間の空隙が発生しやすくなる。よって、上記固体電解質含有電極層を正極層とすることにより、後述する充放電工程および全固体リチウム二次電池再成形工程において、正極活物質と硫化物系固体電解質材料との界面の面積が減少すること等を抑制しやすく、効果的に正極活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池を得ることが可能となる。
また、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む上記固体電解質含有電極層が、全固体リチウム二次電池中の正極層および負極層の両方であることがさらに好ましい。
また、上記固体電解質含有電極層の膜厚については、正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させた全固体リチウム二次電池を得ることができる膜厚であれば特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる電極層の膜厚と同様の膜厚とすることができる。
(2)その他の電極層
上述したように、本工程においては、正極層、および負極層のいずれか一方が活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む上記固体電解質含有電極層であれば良く、他方は、硫化物系固体電解質材料を有さず、活物質のみからなる活物質層、または活物質および硫化物系固体電解質材料以外の固体電解質材料からなる層等の全固体リチウム二次電池の電極層であってもよい。
このような活物質層としては、例えば、一般的に用いられる正極活物質および導電化剤を用いてプレス成形して形成された正極層、In/Li合金箔を上記固体電解質層上に設置後、プレス等して得られた負極層等が挙げられる。
また、活物質および硫化物系固体電解質材料以外の固体電解質材料からなる電極層としては、一般的な全固体リチウム二次電池において用いられるものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
b.その他の構成
本工程により得られる全固体リチウム二次電池としては、上述した電極層の他に、通常、固体電解質層、正極集電体、および負極集電体等を有するものである。
上記全固体リチウム二次電池における固体電解質層は、所望の上記全固体リチウム二次電池を得ることができるもの出れば、特に限定されるものではない。
上記固体電解質層に用いられる上記固体電解質材料としては、固体電解質材料としての機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば硫化物系固体電解質、チオリシコン、酸化物系固体電解質等を挙げることができる。通常は、上述した固体電解質含有電極層に用いられる硫化物系固体電解質材料を用いることが好ましい。
本工程においては、また、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む上記固体電解質含有電極層が、全固体リチウム二次電池中の正極層および負極層の両方であり、かつ、上記固体電解質層が上記固体電解質含有電極層に用いられる硫化物系固体電解質材料を用いることがより好ましい。これにより、リチウムイオンの伝導度を上げることができるので、製造された全固体リチウム二次電池を高出力なものとすることができる。
上記固体電解質材料の平均粒径、固体電解質層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものとすることができる。
本工程に用いられる上記正極集電体は、上記正極層の集電を行うものである。上記正極集電体としては、正極層の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されるものではない。上記正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、およびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。さらに、上記正極集電体は、緻密質集電体であっても良く、多孔質集電体であっても良い。
また、本工程に用いられる上記負極集電体は、上記負極層の集電を行うものである。上記負極集電体としては、負極層の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されるものではない。上記負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。さらに、上記負極集電体は、緻密質集電体であっても良く、多孔質集電体であっても良い。
上述した部材以外のその他の構成、例えば、電池ケース、コイン型電池ケース等の封止に用いられる樹脂等について説明する。
上記電池ケース、上記樹脂等に関しては、特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム二次電池と同様のものを用いることができる。
具体的には、上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、上記電池ケースの代わりに絶縁リング等を用いても良い。また、上記電池ケースは、集電体の機能を兼ね備えたものであっても良い。具体的には、SUS(ステンレス鋼)製の電池ケースを用意し、その一部を集電体として用いる場合等を挙げることができる。また、上記樹脂としては、吸水率の低い樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂等が挙げられる。
(プレス成形方法)
本工程は、上記全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成する工程である。本工程に用いられるプレス成形方法としては、最終的に上記正極層および負極層の間に、上記固体電解質層が設けられた全固体リチウム二次電池を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、各層を個別に形成した後、各層を積層させて圧力をかけることにより一体化させる方法であってもよいし、予め固体電解質層を形成し、固体電解質層表面に、電極層材料および電極終電体を配置してプレス成形する方法であってもよい。
本工程においてプレス成形時に用いられる装置としては、一般的な全固体リチウム電池を製造する際に用いられるものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
本工程においては、上記全固体リチウム二次電池に、最終的に、0.1ton/cm〜10ton/cmの範囲内、中でも0.5ton/cm〜5ton/cmの範囲内、特に1ton/cm〜4ton/cmの範囲内の圧力をかけてプレス成形することが好ましい。上記圧力が上記範囲に満たない場合、もしくは上記範囲を超える場合は、上記固体電解質含有電極層を均一に加圧することが困難となる。
また、プレス成形に要する時間としては、1秒〜600秒の範囲内、中でも30秒〜300秒の範囲内、特に30秒〜180秒の範囲内であることが好ましい。プレス成形に要する時間が上記範囲に満たない場合は、上記固体電解質含有電極層を均一に加圧することが困難となり、上記固体電解質含有電極層中の活物質および硫化物系固体電解質材料の密着性が良好なものとならないからであり、上記範囲を超える場合は、本工程にかかる時間が長くなり、製造効率を低下させる要因となるからである。
また、この際、上記全固体リチウム二次電池を絶縁性の枠内にてプレス成形することがより好ましい。上記固体電解質含有電極層全体を均一に加圧することができ、上記固体電解質含有電極層内の粒子の密度分布を均一なものとすることができるからである。また、上記全固体リチウム二次電池を絶縁性の枠内にてプレス成形することによって、金属製の成形機から、粉末成形した全固体リチウム二次電池を直接取り出す際に生じる内部短絡等の問題を抑制することが可能となる。
上記絶縁性の枠としては、通常、絶縁性セラミックス等を用いることができる。
本工程においては、プレス成形を行う際に、同時に加熱を行ってもよい。加熱することにより上記活物質および硫化物系固体電解質材料の密着性を向上させることができる場合があるからである。しかしながら、用いられる上記活物質および硫化物系固体電解質材料によっては、加熱により劣化するおそれがあるため、加熱の有無については、用いられる上記活物質および硫化物系固体電解質材料により適宜選択される。
2.充放電工程
本工程は、上記全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する工程である。
上記全固体リチウム二次電池内部の空隙は、全固体リチウム二次電池の充放電において発生するものであるが、特に、上記全固体リチウム二次電池の初期の充放電時において大きく発生するものである。
本工程においては、上記全固体リチウム二次電池形成工程で形成された全固体リチウム二次電池の充放電を行うことにより、固体電解質含有電極層の活物質および上記硫化物系固体電解質材料の間にあらかじめ空隙を生じさせ、かつ、上記全固体リチウム二次電池全体の粒子の配置を変化させて空隙を生じさせる。これにより、充放電により生じた空隙を後述する全固体リチウム二次電池再成形工程において減少させることができ、製造された全固体リチウム二次電池を電気性能に優れたものとすることができるからである。
また、後述する全固体リチウム二次電池再成形工程後、再成形された全固体リチウム二次電池においては、上記活物質および硫化物系固体電解質材料の密着性がより高いものとなること、および上記硫化物系固体電解質材料がある程度弾性体化すること等から、その後の充放電における上記全固体リチウム二次電池の空隙の発生をより抑制することが可能となる。
ここで、本工程における充放電とは、SOC0%〜100%の範囲内、中でもSOC10%〜90%の範囲内、特にSOC20%〜80%の範囲内で行うものとする。
このような充放電を行う方法としては、一般的な全固体リチウム二次電池を充放電する際に用いられる方法と同様とすることができる。
本工程における充放電の回数(サイクル)としては、充放電による活物質の膨張収縮により、上記硫化物系固体電解質材料が塑性変形し、活物質との間に空隙を生じさせることができる程度であれば特に限定されないが、通常は1サイクル〜30サイクル程度であり、中でも1サイクル〜10サイクルの範囲内、特に1サイクル〜5サイクルの範囲内が好ましい。上記範囲を超える場合は、工程に時間がかかり製造効率を低下させたり、全固体リチウム二次電池に用いられる材料によっては、材料が劣化するおそれがあるからである。
3.全固体リチウム二次電池再成形工程
本工程は、上記充放電工程後の上記全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して再成形する工程である。
本工程によれば、上述した充放電工程により生じた上記活物質および硫化物系固体電解質材料の間の空隙を減少させることが可能となる。また、上記全固体リチウム二次電池全体の粒子の密度分布を均一なものとすることができる。よって、活物質と硫化物系固体電解質材料との間をリチウムイオンが移動する際の活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗を低減させることが可能となる。
本工程において、プレス成形に用いられる装置としては上述した「1.全固体リチウム二次電池形成工程」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本工程において、全固体リチウム二次電池を再度プレス成形するために用いられる圧力としては、0,1ton/cm〜10ton/cm、中でも0.5ton/cm〜5ton/cm、特に1ton/cm〜4ton/cmであることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、充放電工程により生じた上記空隙を減少させたり、全固体リチウム二次電池全体の粒子の配置を密なものにすることが困難でありからである。上記範囲を超える場合、全固体リチウム二次電池が破損するおそれがあるからである。
また、プレス成形に要する時間としては、1秒〜600秒の範囲内、中でも30秒〜600秒の範囲内、特に30秒〜180秒の範囲内であることが好ましい。プレス成形に要する時間が上記範囲に満たない場合は、上記固体電解質含有電極層を均一に加圧することが困難となり、上記固体電解質含有電極層中の活物質および硫化物系固体電解質材料の密着性が良好なものとならないからであり、上記範囲を超える場合は、本工程にかかる時間が長くなり、製造効率を低下させる要因となるからである。
本工程においては、プレス成形を行う際に、同時に加熱を行ってもよい。加熱することにより上記活物質および硫化物系固体電解質材料の密着性を向上させることができる場合があるからである。しかしながら、用いられる上記活物質および硫化物系固体電解質材料によっては、加熱により劣化するおそれがあるため、加熱の有無については、用いられる上記活物質および硫化物系固体電解質材料により適宜選択される。
4.その他
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、上記全固体リチウム二次電池形成工程、充放電工程、および全固体リチウム二次電池再成形工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜追加することができる。
例えば、本発明においては、例えば固体電解質層、正極活物質と硫化物系固体電解質材料とからなる正極層、負極活物質と硫化物系固体電解質材料とからなる負極層、正極集電体、および負極集電体からなる全固体リチウム二次電池素子をコイン型電池ケース等に設置し、密封等して全固体リチウム二次電池を形成しても良い。このような全固体リチウム二次電池素子を電池ケース等に設置し、密封等して全固体リチウム二次電池を形成する電池セル形成工程を有していても良い。
本発明により得られる全固体リチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の全固体リチウム二次電池等として、用いることができる。
また、本発明により得られる全固体リチウム二次電池の形状は、コイン型、ラミネート型、円筒型、角型等を挙げることができ、中でもラミネート型、角型が好ましく、特にラミネート型が好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(全固体リチウム二次電池形成工程)
正極活物質として、LiCoO(LiNbO表面コーティング済)と硫化物系固体電解質材料としてLi11とを重量比7:3で混合したものを正極層形成材料として用い、Li11を固体電解質材料として用い、負極活物質としてグラファイトと硫化物系固体電解質材料としてLi11とを重量比7:3で混合したものを負極層形成材料として用いて、以下の方法で全固体リチウム二次電池を形成した。上記Li11については、特開2005−228570号公報に記載されている方法に準じて形成を行った。
図4は、本実施例において形成される全固体リチウム二次電池の例を示す概略断面図である。
全固体リチウム二次電池の形成には、図4の概略断面図に示されるようなプレス冶具を用いた。図4に示されているように、上記プレス冶具は、第1台座51と、第1台座51上に設置された第1ダイス61と、第2台座52と、第2台座52上に設置された第2ダイス62と、シリンダー部7とを有し、シリンダー部7を挟んで、第1台座51および第2台座52が、第1ダイス61および第2ダイス62を対向させるようにして配置されているものである。
まず、第1ダイス61を抜き、シリンダー部7内に上記固体電解質材料150mgを入れて、再び第1ダイス61を挿入し、1ton/cmでプレス成形して固体電解質層11を形成した。
次に、第1ダイス61を抜いて、シリンダー部7内に上述した正極層形成材料16.2mgを入れて、再び第1ダイス61を挿入し、1ton/cmでプレス成形して正極層21を形成し、正極層21と固体電解質層11とを一体化させた。
次に、第2ダイス62を抜き、シリンダー部7内に上述した負極層形成材料12.0mgを入れ、再び第2ダイス62を挿入し、4ton/cmでプレス成形して負極層22を形成して、負極層22と固体電解質層11とを一体化させた。
この後、ボルトを通して、第1台座、第1ダイス、シリンダー部、第2台座、および第2ダイスを締め付けて図4に示すような全固体リチウム二次電池とした。
この全固体リチウム二次電池をデシケータにいれ、クリップで端子と接続した。
(充放電工程)
上記全固体リチウム二次電池を下記の条件で5サイクル充放電した。
<充放電の条件>
充放電レート0.1C、SOC0%〜100%にて充放電。
(全固体リチウム二次電池再成形工程)
充放電後の全固体リチウム二次電池を4ton/cmの圧力で再度プレス成形を行った。
[比較例1]
上記全固体リチウム二次電池再成形工程を行わなかったこと以外は、実施例と同様にして全固体リチウム二次電池を形成した。
[比較例2]
実施例の全固体リチウム二次電池形成工程と同様にして全固体リチウム二次電池を形成した。この全固体リチウム二次電池を形成後の24時間後に、4ton/cmの圧力で再度プレス成形を行なった後、実施例の充放電工程と同様にして充放電を行った。充放電後に再度プレス成形は行わなかった。
[評価]
(内部抵抗測定)
実施例、比較例1、および比較例2中で得られた全固体リチウム二次電池をデシケータに入れ、クリップで端子と接続した後、内部抵抗測定を行った。内部抵抗測定は、0.1CでSOC60%に調整した後、インピーダンス測定装置(ソーラトロン社製)を用いて、インピーダンスを測定することにより行った。電池充電条件としては、充電形態がCC充電、電流レートを0.155mA/cm(0.1C)、上限電圧を4.1V(LiCoOは4.15V vs Li)、下限電圧を3V(LiCoOは2.5V vs Li)とした。また、インピーダンス測定条件としては、周波数は1MHz〜10mHz、印加電圧は10mV、データ数50、温度保持時間3時間とした。
正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗値を抵抗値1とし、負極活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗値を抵抗値2として、実施例1、比較例1、および比較例2の全固体リチウム二次電池のインピーダンス測定の結果を表1に示す。
Figure 0005321196
実施例は、比較例と比較して、活物質/硫化物系固体電解質材料間の抵抗値の小さいものとなった。
(全固体リチウム二次電池分解後の正極層観察)
上記全固体リチウム二次電池を分解し、正極層を観察した結果、実施例においては、正極活物質および硫化物系固体電解質材料の間に空隙は観察されなかった。一方、比較例1および比較例2については正極活物質および硫化物系固体電解質材料の間に空隙が観察された。なお、上記観察は、電子顕微鏡を用いた画像解析により行った。
1 … 硫化物系固体電解質材料
2 … 活物質
11 … 固体電解質層
21 … 正極層
22 … 負極層
31 … 正極集電体
32 … 負極集電体
4 … 絶縁性の枠

Claims (5)

  1. 活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む電極層を少なくとも有する全固体リチウム二次電池をプレス成形して形成する全固体リチウム二次電池形成工程と、
    前記全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程と、
    前記充放電工程後の前記全固体リチウム二次電池を再度プレス成形して再成形する全固体リチウム二次電池再成形工程とを有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記全固体リチウム二次電池再成形工程が、前記充放電工程後の前記全固体リチウム二次電池を0.1ton/cm 以上の圧力で再度プレス成形して再成形することを特徴とする請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  3. 前記電極層が正極層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  4. 前記活物質が酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  5. 前記全固体リチウム二次電池形成工程で、前記硫化物系固体電解質材料からなる固体電
    解質層と、負極活物質および硫化物系固体電解質材料を含む負極層とをさらに有する全固
    体リチウム二次電池をプレス成形して形成することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
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