JP5319977B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、照明光源、液晶表示器用バックライト及びフラットパネルディスプレイ等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関するものである。
照明光源、液晶表示器用バックライト及びフラットパネルディスプレイ等に用いられる発光体として有機エレクトロルミネッセンス素子が知られている。有機エレクトロルミネッセンス素子は、光変換率が高く軽量で薄型なため、電子機器や照明機器の小型化、薄型化、形状の自由化及び高効率化などの要求を満たすものであり、発光の性能を上げるためにさらなる研究開発が行われている。
図3には、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例が示されている。この例では、透明な基板11上に陽極16となる透明電極が形成され、この陽極16の上にホール輸送層17、有機発光層15及び電子注入層14がこの順で積層され、その上に陰極12が形成されている構成となっている。この有機エレクトロルミネッセンスは、陽極16と陰極12との間に電圧を印加することによって、電子注入層14を介して有機発光層15に注入された電子と、ホール輸送層17を介して有機発光層15に注入されたホールとが、有機発光層15内で結合して発光が生じるものである。そして、有機発光層15で発光した光は、透明電極である陽極16及び透明な基板11を通して外部に出光する。有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するホール輸送層17、有機発光層15及び電子注入層14の各層は、数十nmの薄さで形成されており、このような薄い層厚となることにより機器の薄型化や小型化がなされている。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子は、水分に弱いことが知られている。すなわち、水分の存在する環境下においては、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生し、発光状態が悪化する。ダークスポットの発生は、水分の浸入により、陰極と陰極に接する層との間に剥離が生じるためであると考えられている。
このダークスポットを抑制するために種々の方法が研究されている。その一つとして、水分の浸入を抑制する方法が提案されており、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された基板の上にガラス封止缶を貼付することにより水分の侵入を抑制する方法、さらにこのガラス封止缶の内部に乾燥剤を入れることにより侵入した水分を捕捉する方法、SiONなどの無機薄膜を有機エレクトロルミネッセンス素子の上に形成して水分の浸入を抑制する方法などが知られている。しかしながら、このような封止による方法によっても、長期に使用された場合、封止缶を微量の水分が通過するために、ダークスポットを確実に防ぐことはできない。
また、界面での剥離が生じにくい陽極を外層に配置し、陰極を基板側に形成したトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子とすることにより、水分との接触を遠ざける方法も考えられる。例えば、特許文献1には、基板に陰極が形成されたリバースタイプと称されている有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。しかしながら、電子注入性の物質を含む層を陰極に積層する際には、異物が混入したり、表面の凹凸によって層が十分に形成されない部分ができたりして陰極の界面でショートを招きやすく、有機ルミネッセンス素子の電気的な信頼性が低下しやすい。
また、陰極と陰極に隣接する層との間の剥離を抑制することにより、ダークスポットの発生を抑制する方法も考えられる。陰極に接する層は、電子注入性を高めるため、LiFやアルカリ金属などの電子注入性の物質で形成されることが多い。これらの電子注入性の物質は水分に弱く、形成された界面は陰極への密着性がよくないため、密着性の向上が必要となっている。特許文献2には、陰極に接する層として層厚の薄い電荷変換層を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。この有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、前記のような電子注入性の高い物質が陰極に接する層に含まれていないので、陰極との密着性は向上するものと考えられる。しかしながら、陰極と電子注入性の層との間の距離は短く、この構成によっても、陰極の界面における層の剥離を十分には抑制できない。
特開2000−068073号公報 特開2005−166637号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、水分の存在する環境下におかれた場合であってもダークスポットの発生を抑制すると共に耐ショート性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供するものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極6と基板1の表面に形成された陰極2との間に有機発光層5を備えてなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、陰極2と有機発光層5との間に、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含み塗布により前記陰極2に直接接触して形成される第1混合物層3と、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含み蒸着により形成される第2混合物層4a、又は、仕事関数3.7eV以下の金属からなり蒸着により形成される電子注入層4bとが、真空蒸着又はスパッタリングによって形成された陰極2側からこの順で積層されて備えられていることを特徴とするものである。
上記有機エレクトロルミネッセンス素子では、第1混合物層3の厚みは5〜80nmであることが好ましい
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、陽極6と基板1の表面に形成された陰極2との間に有機発光層5を備えてなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、陰極2と、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含む第1混合物層3と、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含む第2混合物層4a、又は、仕事関数3.7eV以下の金属からなる電子注入層4bと、有機発光層5とを順次に積層して形成する工程を含み、前記陰極2は真空蒸着又はスパッタリングによって形成されるものであり、前記第1混合物層3は塗布によって前記陰極2に直接接触して形成されるものであり、前記第2混合物層4a又は前記電子注入層4bは蒸着によって形成されるものであることを特徴とするものである。
本発明係る有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、水分への耐性が低い界面である陰極と陰極に接する層との界面が外層側ではなく基板側に配置されていることにより、水分の浸入を抑制して陰極と陰極に接する層との密着強度を維持することができ、有機エレクトロルミネッセンス素子の耐環境性を向上させることができる。また、耐水性の高い第1混合物層が陰極との界面に形成されることにより、水分が浸入した場合でも陰極と陰極に接する層との界面で層が剥離せず、陰極と陰極に接する層との密着を維持してダークスポットの発生を防止すると共に耐ショート性を向上させることができる。
また、第1混合物層が塗布によって形成されることにより、この第1混合物層が電極の凹凸を平坦化する層として機能するので、陰極表面の凹凸が起因となって生じる電気的接続の欠陥を抑制し、水分の侵入を低減してダークスポットとショートの発生をより防止し、電気的信頼性をさらに向上させることができる。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によれば、水分への耐性が低い界面である陰極と陰極に接する層との界面を基板側に形成することにより、水分の浸入を抑制して陰極と陰極に接する層との密着強度を確保するので、耐環境性の向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。また、耐水性の高い第1混合物層を陰極との界面に形成することにより、水分が浸入した場合でも陰極と陰極に接する層とが剥離するのを抑制してダークスポットの発生を防止すると共に耐ショート性を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
図1には、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例が示されている。この例では、基板1上に陰極2が形成され、この陰極2と陽極6との間に、第1混合物層3と、第2混合物層4a又は電子注入層4bと、有機発光層5とが、陰極2側からこの順に積層されて備えられている。基板1は、透明な板状体として形成されている。陰極2は、光透過性の電極として形成されている。陽極6は、光反射性の電極として形成されている。したがって、この実施形態では有機発光層5における発光は、陰極2側から基板1を通して取り出される構成となっている。なお、この図1では省略しているが、陰極2と陽極6との間に、電子輸送層、ホール注入層及びホール輸送層を適宜形成することができる。
第1混合物層3は、陰極2と直接接触する層である。この第1混合物層3は、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含んでいる。通常の有機エレクトロルミネッセンス素子では、陰極2に直接接触する層として電子注入性の層が形成されるが、そのような層に用いられる物質は水分に弱いため、陰極2との界面で層が剥離しやすい。しかしながら、本発明では、陰極2上には耐水性の高い第1混合物層3が隣接して積層されており、水分が侵入した場合でも陰極2の界面における層の剥離を抑制するので、有機エレクトロルミネッセンス素子におけるダークスポットの発生を防止することができる。
電子受容物質は、電子を供与することが可能な有機物から電子を引き抜く性質を有する物質である。電子受容物質としては、例えば、金属、金属酸化物、無機アクセプタ及び有機アクセプタなどが挙げられる。金属としては、仕事関数が5eV以上の金属が好ましく、具体的には、バナジウム、モリブデン、レニウム、タングステン、ニッケルなどが例示される。また、金属酸化物としては、バナジウム、モリブデン、レニウム、タングステン、ニッケル、亜鉛、スズ、ニオブなどの酸化物が例示される。無機アクセプタとしては、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化銅、臭素、ヨウ素などが例示される。有機アクセプタとしては、フッ素を含有する有機化合物やシアノ基を含有する有機化合物が好ましく、例えば、F4TCNQ(tetrafluorotetracyanoquinodimethane)、DDQ(2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone)、CF3TCNQ(trifluoromethyl-TCNQ)、2−TCNQ(7,7,8,8-tetracyanoquinodimethane)、TBPAH(tris(4-bromophenyl)aminium hexachloroantimonate)などやこれらの誘導体が挙げられる。
電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物は、電子が引き抜かれやすい性質を有した有機物であり、第1混合物層3において電子受容物質に電子を供与するものである。電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物としては、電荷移動錯体系を形成するものとして知られている有機物を用いることができる。このようなものとして、ホール輸送性の有機物が例示され、通常ホール輸送層の材料として使用されている有機物を用いることができる。そのような有機物として具体的には、トリアリールアミン誘導体、ビフェニル誘導体、アントラセン誘導体、ナフタレン誘導体、アニリン誘導体、チオフェン誘導体などが例示される。また、これらの誘導体を骨格に有する高分子であるトリアリールアミンポリマー、ポリアニリン、ポリチオフェンなども例示される。さらに、導電性の高分子材料として知られているPEDOT:PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-poly(styrene sulfonate))なども例示される。これらの中でも、芳香族誘導体が好ましく、トリアリールアミン誘導体又はそのポリマーがより好ましい。トリアリールアミン誘導体としては、具体的には、α−NPD(4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル)、TPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン)、DNTPD(N,N'-Bis-[4-(di-m-tolylamino)phenyl]-N,N'-diphenylbiphenyl-4,4-diamine)、2−TNATA(tris[2-naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine)などが例示される。また、トリアリールアミンのポリマーとしては、TPDPES(tetraphenyldiamine-containing poly(arylene ether. sulfone)などが例示される。
電子受容物質と電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物との混合比率は、材料の種類に応じて適宜設定することが可能であるが、これらの合計量を100mol%とした場合に、電子受容物質が好ましくは0.1〜80mol%、更に好ましくは1〜50mol%の範囲で有機物に混合される。混合比をこの範囲にすることにより良好な電子注入性が確保でき、信頼性など素子の特性を向上させることができる。電子受容物質の混合比が0.1mol%よりも低いと混合の効果がなく十分な電子注入性が得られないおそれがあり、電子受容物質の混合比が80mol%よりも高いと素子の特性が低下するおそれがある。
第1混合物層3は、一般的に知られている方法によって積層形成され得るものである。そのような方法として、例えば、二種以上の材料による共蒸着、交互蒸着、混合物の蒸着、混合物の塗布などが挙げられる。これらの方法のうち、第1混合物層3は塗布によって形成されているのが好ましい。塗布によって形成されることにより、その積層表面が平滑にされ、電極上の異物や凹凸に起因して層の形成されない部分が生じるのを防ぎ、ショートを低減させてさらに電気的に信頼性のある有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。そのため、第1混合物層3に用いられる成分は、上記成分のうち塗布の容易なものが好ましく、そのような成分として、高分子の有機材料や平滑なアモルファスを形成する低分子の有機材料などが例示される。
第1混合物層3の厚みは、適宜設定され得るものであるが、5〜80nmであるのが好ましい。第1混合物層3の厚みがこの範囲になることにより平坦で均一な層が得られるとともに、電極上の凹凸などに起因する欠陥を抑制し、さらに光透過率が低下することによる素子の特性の低下も防止することができる。第1混合物層3の厚みがこの範囲より小さいと欠陥を抑制する効果が十分に得られないおそれがあり、第1混合物層3の厚みがこの範囲より大きいと光透過率が低下して素子の特性が低下するおそれがある。
第2混合物層4a又は電子注入層4bは、有機発光層5側に電子を注入するための層である。本発明においては、これらのいずれかの層が第1混合物層3と有機発光層5との間に形成されることにより、素子内で電流が流れるのを確保することができる。詳しくは、この第2混合物層4a又は電子注入層4bは、第1混合物層3との間で電荷の交換・分離を行っている。すなわち、第2混合物層4a又は電子注入層4b側に電子、第1混合物層3側にホールという、電荷の分離が行われる。そのため、ホール輸送性の有機物を含む第1混合物層3が陰極2に隣接して形成されていても素子の電子注入能力を確保することができ、電流の流れを妨げず良好な発光を得ることができる構成となっている。
第2混合物層4aは、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含む層である。この第2混合物層は、電荷移動錯体系として知られている電子注入に寄与する物質系により構成することができる。
電子供与物質としては、有機物に電子を供与することが可能なエネルギー準位の物質を用いることができ、例えば、仕事関数が3.7eV以下の金属やその酸化物半導体、有機ドナーとして知られている有機材料などを用いることができる。具体的には、仕事関数が3.7eV以下の金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などの金属が挙げられ、具体的には、セリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、ルビジウム、サマリウム、イットリウムなどや、それらの酸化物などが例示される。また、有機ドナーとしてはルテニウム錯体が例示される。
電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物としては、電子輸送性の有機物を用いることができる。そのような有機物として、例えば、Alq等の有機金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物などが挙げられる。
電子注入層4bは、仕事関数3.7eV以下の金属からなる層である。仕事関数が3.7eV以下の金属としては、前記と同様のものが例示され、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などの金属が挙げられ、具体的には、セリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、ルビジウム、サマリウム、イットリウムなどや、それらの酸化物などが例示される。
第2混合物層4a又は電子注入層4bには、上記以外の有機化合物や無機化合物が含まれていてもよい。これらの層が、二種以上の材料によって形成されることにより、単独では安定性が悪い材料を安定にしたり、隣接する層との密着性を向上させたりすることが可能となる。このような化合物としては、Al、Cu、Ni、Ag、Au、Tiなどの金属、LiF、LiO、NaF、CsFなどの金属ハロゲン化物が例示される。
さらに、この第2混合物層4a又は電子注入層4bには、非導電性の有機化合物や絶縁性の無機化合物が含まれていてもよい。無機化合物としては、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムなどの金属塩化物、その他金属ハロゲン化物などであって導電性を有さない化合物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛などの酸化物などであって導電性を有さない化合物や、これらの金属の窒化物、炭化物及び酸化窒化物などであって導電性を有さない化合物が例示される。具体的には、Al、MgO、酸化鉄、AlN、SiC、SiON、BNなどの絶縁物として用いられるものや、SiO、SiOなどの珪素化合物、炭素化合物などが例示される。
第2混合物層4a又は電子注入層4bの厚みは、適宜設定され得るものであるが、第2混合物層4aの場合は1〜20nmであるのが好ましく、電子注入層4bの場合は0.1〜5nmであるのが好ましい。第2混合物層4a又は電子注入層4bの厚みがこの範囲になることにより電子注入能を確保することがより容易となる。第2混合物層4a又は電子注入層4bの厚みがこの範囲より小さいと電子注入性が低下するおそれがあり、第2混合物層4a又は電子注入層4bの厚みがこの範囲より大きいと熱安定性が低下するおそれがある。
第2混合物層4a又は電子注入層4bは、蒸着や転写等乾式プロセスによって成膜することにより形成しても良いし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等及び湿式プロセスによって成膜することにより形成してもよい。
有機発光層5は、電子とホールとが結合することにより発光が生じる層である。有機発光層5に使用できる発光材料としては、有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。そのようなものとして、例えば、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン、ジスチリルアリーレン、ジスチリルアミン、及び、これらの化合物の誘導体や各種蛍光色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、前記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、及び、それらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。これらの発光材料に適宜の材料が加えられて有機発光層5が形成される。
有機発光層5は、蒸着や転写等乾式プロセスによって成膜することにより形成しても良いし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等及び湿式プロセスによって成膜することにより形成してもよい。
有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するその他の部材である基板1、陰極2及び陽極6等には、従来から使用されているものを使用することができる。
基板1は素子を保持する板状体であり、図1の実施の形態のように、有機発光層5における発光が陰極2側から取り出される場合、すなわち基板1を通して外部に出射される場合には、基板1は光透過性を有するものである。この場合、基板1は光が透過するものであればよく、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。基板1を形成する材料としては、例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって形成されたプラスチックフィルムやプラスチック板などの材料を用いることができる。さらに、基板1内に基板1の母剤とは屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有させたり、あるいは基板1の表面形状を加工したりすることによって、有機エレクトロルミネッセンス素子に光拡散効果を付与することもできる。
また、図1とは別の実施の形態として基板1を通さずに光が射出される場合、すなわち陽極6側からでのみ光が取り出される場合には、基板1は必ずしも光透過性を有するものでなくてもよく、素子の発光特性、寿命特性等を損なわない限り、任意の材料により形成することができる。特に、通電時の素子の発熱による温度上昇を軽減するために、熱伝導性の高い材料により基板1を形成することもできる。
陰極2は、素子中に電子を注入するための電極である。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、この陰極2は基板1の表面に形成されている。それにより、水分に耐性の高い陽極6と陽極6に接する層との界面が基板1から遠い外層側に配置され、水分に耐性の低い界面である陰極2と陰極2に接する層との界面が基板側に配置されている構成となるので、水分の浸入が抑制されて陰極2と陰極2に接する層との密着強度が確保され、有機エレクトロルミネッセンス素子の耐環境性が向上する。
陰極2に使用される材料は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、陽極6に使用される材料と同じものを用いることができる。陰極2と陽極6の材料を同じにすると、電極を同一の材料で形成することができ、素子を製造する際の作業性が向上される。また、一般に陰極2として好ましいとされている仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることもでき、この場合、仕事関数が5eV以下のものを用いるのがさらに好ましい。陰極2の材料としては、図1の実施の形態のように陰極2側から光を取り出す場合には、透明電極を形成できる材料が好ましい。このような材料として、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等を使用することができる。これらの材料を用いれば、同一の材料で陽極6を形成することができる。また、その他に陰極2に好ましい材料として、例えば、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属等、およびこれらと他の金属との合金等を使用することができる。陰極2の形成は、これらの電極材料を真空蒸着やスパッタリング等の方法を用いて基板1の上に薄膜として形成することにより行われる。
陰極2側から光を取り出す場合、すなわち、図1の実施の形態のように陰極2を透明電極にして陰極2側から発光を取りだす場合や、陽極6と陰極2の両電極から光を取り出す場合には、陰極2の光透過率は70%以上であることが好ましい。この場合、材料によっても異なるが、陰極2の層厚は、陰極2の光透過率等の特性を制御するために、通常500nm以下、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。一方、有機発光層5における発光を陽極6側のみから取り出す場合には、陰極2は光反射性の層であるのが好ましく、陰極2の光透過率は10%以下であることが好ましい。陰極2のシート抵抗は、数百Ω/□以下であるのが好ましく、より好ましくは100Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
陽極6は、素子中にホールを注入するための電極である。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、この陽極6は素子の外層側に形成されている。このように、耐水性のある陽極6と陽極6に接する層との界面が外層側に配置されているので、有機エレクトロルミネッセンス素子の耐水性が向上する。図1の実施の形態では、陽極6は光反射性の電極として形成されている。
陽極6に使用される材料は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、光反射性の電極を形成する材料の他、上記のとおり陰極2に使用される材料と同じものを用いることもできる。また、一般に陽極6として好ましいとされている仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることも好ましく、この場合、仕事関数が4eV以上のものを用いるのが好ましい。陽極6の材料としては、例えば、金、アルミ、銀、Niなどの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、カーボンナノチューブなどの導電性材料を挙げることができる。陽極6の形成は、これらの電極材料を有機発光層5等が積層された内部層の上に真空蒸着やスパッタリングなどの方法を用いて薄膜として形成することにより行われる。
図1の実施の形態のように陽極6を光反射性の電極に形成して、陽極6側からは光を取り出さずに陰極2側からでのみ光を取り出す場合には、陽極6の光透過率は10%以下であることが好ましい。一方、図1とは別の実施の形態として、有機発光層5における発光を陽極6側から取り出す場合、すなわち光が陽極6を透過して外部に照射する場合には、陽極6の光透過率は70%以上であることが好ましい。
陽極6のシート抵抗は、数百Ω/□以下であるのが好ましく、さらに好ましくは100Ω/□以下である。また、陽極6の層厚は、光透過率、シート抵抗等の特性に合わせて適宜設定され得るものであり、材料によっても異なるが、通常500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲とするのがよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子には、本発明の効果を損ねない限り、上記の層以外にも任意の層を形成することができる。例えば、図1の実施の形態では省略しているが、前述のとおり、ホールの注入性を高めるホール注入層、ホールの輸送性を高めるホール輸送層及び電子の輸送性を高める電子輸送層を形成することができる。
ホール輸送層に用いられる材料としては、一般に知られている任意のホール輸送性を有する化合物を用いることが可能である。そのような化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができる。
ホール注入層に用いられる材料としては、一般に知られている任意のホール注入性を有する化合物を用いることが可能である。そのような化合物としては、例えば、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、スターバーストアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、チオフェン誘導体などの低分子などを挙げることができる。
電子輸送層に用いられる材料としては、一般に知られている任意の電子輸送性を有する材料を用いることが可能である。そのような化合物としては、例えば、Alq等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物などが挙げることができる。
また、有機発光層5へのホール注入をさらに促進したり、陽極6が成膜される際に有機発光層5がダメージを受けるのを抑制したりするために、陽極6と有機発光層5との間に、前述の第1混合物層3と同種の材料からなる層を形成したり、モリブデン、レニウム、ルテニウム、イリジウム、タングステン、バナジウムなどの金属の酸化物からなる金属酸化物層を形成したりすることもできる。このような層が導入されることにより、陽極6と有機発光層5との界面がより安定化されて剥離が生じにくくなり、電気的に信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
上記のような層によって構成される本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1の表面に形成された陰極2の上に、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含む第1混合物層3と、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含む第2混合物層4a、又は、仕事関数3.7eV以下の金属からなる電子注入層4bと、有機発光層5とを順次に積層して形成し、さらにその間又は後に適宜の層を形成した後、最後に陽極6を積層することにより製造されるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
実施例として図2に示されている形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。図2(a)には平面図が、図2(b)にはA−A’断面図が示されている。
まず、基板1として、0.7mm厚のガラス製の基板1を用意した。この基板1には、陰極2が、厚み110nm、幅5mm、シート抵抗約12Ω/□のITO膜として形成されており、その形成のパターンは図2に示されているとおりである。この基板1に対して、洗剤、イオン交換水、アセトンで各10分間超音波洗浄を行った後、IPA(イソプロピルアルコール)で蒸気洗浄を行い、その後、基板1を乾燥して、さらにこの基板1にUV/O3処理を施した。
次に、TPDPES(95重量%)とTBPAH(5重量%)との混合物が2重量%で溶解されたクロロホルム溶液をスピンコートで陰極2上に塗布することにより、陰極2の上に塗布膜を形成した。この塗布膜を40℃のホットプレートで30秒間乾燥した後、クロロホルムを含ませた綿棒で外周を除去し、有機発光層5の積層されるサイズよりも各辺が約3mm大きくなるように塗布膜を残すことにより、第1混合物層3を層厚15nmで形成した。
次に、第1混合物層3が形成された基板1を真空蒸着装置に入れ、1×10−4Pa以下の減圧雰囲気下でAlqにLiが20mol%混合された混合物を蒸着させてAlqとLiからなる第2混合物層4aを層厚5nmで形成した。続いて、Alqを第2混合物層4aの上に蒸着させて電子輸送層を層厚30nmで形成した。さらに、Alqとルブレンとを共蒸着することにより、Alqとルブレン7重量%とからなる有機発光層5を層厚20nmで形成した。
次いで、この有機発光層5の上に、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)を蒸着してホール輸送層を層厚40nmで形成した。さらに、α−NPDと酸化モリブデン(MoO)を共蒸着(モル比1:1)してホール注入層を層厚30nmで形成した。
そして、アルミニウムを蒸着速度0.4nm/sにて蒸着し、幅5mm、層厚100nmの陽極6を形成した。陽極6の形成パターンは図2に示されているとおりである。このようにして実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子が得られた。なお、図2では、電子輸送層、ホール輸送層及びホール注入層が省略されている。
[実施例2]
DNTPD(98mol%)とF4TCNQ(2mol%)との混合物が濃度2重量%で溶解されたクロロホルム溶液をスピンコートで塗布することにより第1混合物層3を形成した。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[実施例3]
第1混合物層3の層厚を20nmとした。また、第2混合物層4aと置き換えて電子注入層4bをLiで形成し、層厚を1nmとした。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[実施例4]
NPDと酸化モリブデン(MoO)との共蒸着(モル比1:1)により、層厚15nmとなるように第1混合物層3を形成した。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[実施例5]
陰極2として、スパッタにより層厚100nmのアルミニウム層を形成した。また、IZOをスパッタすることにより陽極6を層厚100nmで形成した。なお、有機エレクトロルミネッセンスのパターン形成は実施例1と同じである。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[実施例6]
DNTPD(98mol%)とF4TCNQ(2mol%)との混合物を共蒸着することにより第1混合物層3を形成した。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[比較例1]
比較例1として基板1上に陽極6が形成されている、実施例1とは逆順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
まず、基板1として、0.7mm厚のガラス製の基板1を用意した。この基板1には、陽極6が、厚み110nm、幅5mm、シート抵抗約12Ω/□のITO膜として形成されている。この陽極6の上にα−NPDと酸化モリブデン(MoO)を共蒸着(モル比1:1)してホール注入層を層厚30nmで形成した。次いで、α−NPDを蒸着して蒸着してホール輸送層を層厚40nmで形成した。さらに、Alqとルブレンとを共蒸着することにより、Alqとルブレン7重量%とからなる有機発光層5を層厚20nmで形成した。
次に、Alqを有機発光層5の上に蒸着させて電子輸送層を層厚50nmで形成した。続いて、Liを蒸着させて電子注入層4bを層厚0.5nmで形成した。最後に、アルミニウムを蒸着速度0.4nm/sにて蒸着し、幅5mm、層厚100nmの陰極2を形成した。
このようにして、図2と同じパターン形状を有し、陽極6が基板1に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[比較例2]
第2混合物層4a及び電子注入層4bのいずれの層も形成しなかった。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[比較例3]
第1混合物層3を形成しなかった。また、第2混合物層4aの層厚を20nmとした。その他は実施例1と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[比較例4]
第1混合物層3を形成しなかった。また、陰極2としてスパッタにより層厚100nmのアルミニウム層を形成した。その他は実施例5と同様の材料及び方法で、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
[評価]
実施例及び比較例の各有機エレクトロルミネッセンス素子に10mA/cmの電流を通電して、電圧及び輝度を測定した。また、封止を行わない状態で有機エレクトロルミネッセンス素子を温度23℃、湿度50%の大気雰囲気下に12時間放置し、再度点灯した際の発光面の状態(ダークスポットの有無及び発光面積)を観察した。また、各有機エレクトロルミネッセンス素子のサンプル5つについて、N雰囲気下で30mA/cmの電流を通電して点灯させ、200時間後にショートせずに光っているサンプルの数を検査した。
Figure 0005319977
表1には、実施例1〜6の有機エレクトロルミネッセンス素子が良好な駆動電圧にて十分な輝度の発光をすることが示されており、大気雰囲気下に放置された後にも、ダークスポットの発生や発光面積の減少がなく、発光面の状態が悪化しにくいことが示された。また、200時間の通電後もショートの発生が低減されており、電気的信頼性が高いことが示された。さらに、第1混合物層3が共蒸着で形成された実施例6よりも塗布で形成された実施例2の方が、ショートの発生が低減されていることが示された。
一方、比較例1、3、4の有機エレクトロルミネッセンス素子では、駆動電圧と輝度は実施例と同等であるものの、大気雰囲気下に放置された後に、ダークスポットが発生して発光面積が減少しており、発光面の状態が悪化することが示された。また、200時間の通電後には多数のショートが観測された。また、比較例2の有機エレクトロルミネッセンスでは、電圧を10Vに上げても電流が流れず発光が観測されなかった。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略断面図である。 実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子のパターンの一例を示し、(a)は平面図であり、(b)はA−A’断面図である。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陰極
3 第1混合物層
4a 第2混合物層
4b 電子注入層
5 有機発光層
6 陽極

Claims (3)

  1. 陽極と基板の表面に形成された陰極との間に有機発光層を備えてなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、陰極と有機発光層との間に、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含み塗布により前記陰極に直接接触して形成される第1混合物層と、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含み蒸着により形成される第2混合物層、又は、仕事関数3.7eV以下の金属からなり蒸着により形成される電子注入層とが、真空蒸着又はスパッタリングによって形成された陰極側からこの順で積層されて備えられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 第1混合物層の厚みは5〜80nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 陽極と基板の表面に形成された陰極との間に有機発光層を備えてなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、陰極と、電子受容物質及び当該電子受容物質に対して電子を供与することが可能な有機物を含む第1混合物層と、電子供与物質及び当該電子供与物質から電子を受容することが可能な有機物を含む第2混合物層、又は、仕事関数3.7eV以下の金属からなる電子注入層と、有機発光層とを順次に積層して形成する工程を含み、前記陰極は真空蒸着又はスパッタリングによって形成されるものであり、前記第1混合物層は塗布によって前記陰極に直接接触して形成されるものであり、前記第2混合物層又は前記電子注入層は蒸着によって形成されるものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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