JP5316649B6 - 車両用差動装置 - Google Patents

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本発明は、車両用差動装置に関し、特に、ドライブシャフト軸受部に対する効率的な潤滑を実現するための改良に関する。
ベアリングを介してハウジングに回転可能に支持されたデフケースと、そのデフケースに挿入されたドライブシャフトとを、備えた車両用差動装置(デファレンシャル装置)が各種車両の動力伝達経路に用いられている。斯かる差動装置は、例えば、外周歯を有して前記ハウジング内に設けられたリングギヤと、そのリングギヤと一体的に設けられて一軸心まわりに回転する殻状の前記デフケースと、そのデフケース内においてそのデフケースに固定されたピニオンシャフトにより前記一軸心と直交する軸心まわりに回転可能に支持されたピニオンギヤと、前記デフケース内においてそのピニオンギヤを介在させた状態で相対向し且つ前記一軸心まわりに相対回転可能に設けられた一対のサイドギヤとを備えて構成され、それら一対のサイドギヤに連結された左右の駆動輪に対応する一対のドライブシャフト(車軸)に差動回転を許容しつつ駆動力を配分する。
上述のような差動装置においては、潤滑が必要とされる各部へ十分なオイルが供給されることが求められる。斯かる潤滑を実現するため、例えば、特許文献1に記載されたデファレンシャル装置の潤滑構造等の技術が提案されている。この技術によれば、オイルをチャンバに導入し、開口部から滴下するオイルをオイルガイドで案内してベアリングの背面部に供給し、ベアリング及びインボード部(デフケース)を潤滑することで、低回転から高回転まで安定した潤滑油を確保でき、潤滑性能を向上させることができるとされている。
特開2008−138780号公報
しかし、前記従来の技術では、特にデフケースの回転速度が比較的大きくなった場合に、前記ベアリングによるオイルの吸い込み量が多くなり、ドライブシャフト軸受部すなわち前記ドライブシャフトが挿入された前記デフケースの挿入穴とそのドライブシャフトとの間へのオイルの供給が不十分となるおそれがあった。このため、ドライブシャフト軸受部に対する効率的な潤滑を可能とする車両用差動装置の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ドライブシャフト軸受部に対する効率的な潤滑を可能とする車両用差動装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、ベアリングを介してハウジングに回転可能に支持されたデフケースと、そのデフケースに挿入されたドライブシャフトとを、備えた車両用差動装置であって、前記ベアリングに対して前記デフケースの反対側に、前記ドライブシャフトが挿入される挿通穴を備えたオイル溜め部材と、鉛直方向に関して前記ドライブシャフトよりも上側に形成されたオイル供給路とを、備え、前記挿通穴の少なくとも一部は、その挿通穴と前記ドライブシャフトとの間隙が、そのドライブシャフトの回転軸の鉛直下方よりも広くなるように形成されたものであり、前記オイル溜め部材は、前記オイル供給路に対応する部位とは周方向に関して別位相に対応する部位に形成された、そのオイル溜め部材とオイルシールとの間に形成される油室のオイルレベルが所定の高さを超えた場合にそのオイルが前記デフケース側へ流出する排出穴を備えたことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記ベアリングに対して前記デフケースの反対側に、前記ドライブシャフトが挿入される挿通穴を備えたオイル溜め部材と、鉛直方向に関して前記ドライブシャフトよりも上側に形成されたオイル供給路とを、備え、前記挿通穴の少なくとも一部は、その挿通穴と前記ドライブシャフトとの間隙が、そのドライブシャフトの回転軸の鉛直下方よりも広くなるように形成されたものであり、前記オイル溜め部材は、前記オイル供給路に対応する部位とは周方向に関して別位相に対応する部位に形成された、そのオイル溜め部材とオイルシールとの間に形成される油室のオイルレベルが所定の高さを超えた場合にそのオイルが前記デフケース側へ流出する排出穴を備えたものであることから、前記ドライブシャフトの下側に供給されたオイルが前記ベアリングに過剰に吸い込まれることを前記オイル溜め部材により抑制でき、そのオイル溜め部材の案内により前記ドライブシャフトとデフケースとの間に十分なオイルを供給することができる。また、前記油室にオイルが溜まり過ぎた場合にそのオイルをデフケース側へ逃がすことで、他の潤滑が必要な部分へ十分なオイルを供給することができることに加え、オイル供給路から供給されたオイルがすぐに前記排出穴に流入するのを抑制でき、前記油室に必要十分なオイルを溜めることができる。すなわち、ドライブシャフト軸受部に対する効率的な潤滑を可能とする車両用差動装置を提供することができる。
本発明が好適に適用される車両用差動装置の骨子図である。 図1の車両用差動装置の構成を詳しく説明する図であり、そのデフケースの回転軸心を含む平面で切断した断面を装置下側から見た断面図である。 図2のIII−III視断面図であり、ベアリング近傍の構成を詳しく説明する図である。 図3におけるオイル溜め部材を矢印IVの方向に視た図であり、ドライブシャフトの断面等を併せて示している。 従来技術の車両用差動装置によるドライブシャフト軸受部へのオイル供給の問題点を説明する図である。 図5に示す従来技術との対比において図3に示す本実施例の構成の効果を説明する図である。 図1の車両用差動装置に好適に適用されるオイル溜め部材の他の構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用差動装置10の骨子図である。この図1に示す差動装置10は、例えば駆動輪である左右一対の後輪12l、12rに対応して設けられ、それら一対の後輪12l、12rの差動回転を許容しつつ、入力軸(デフ入力軸)14を介して伝達される駆動力をそれら一対の後輪12l、12rへ配分するデファレンシャル装置(差動歯車装置)である。なお、上記入力軸14は、例えばプロペラシャフトの軸端に自在継手を介して連結されたものであり、図示しない駆動力源により出力された駆動力が変速機及びそのプロペラシャフト等を介して上記入力軸14に入力されるように構成されている。
図1に示すように、上記差動装置10は、非回転部材であるハウジング(ケース)16内に、そのハウジング16との間にベアリング18を介してそのハウジング16に対する回転可能(自転可能)に支持された上記入力軸14と、その入力軸14における上記ハウジング16の内部側の端部に連結された小径傘歯車20と、上記入力軸14の軸心と直交する軸心まわりに回転可能(自転可能)に上記ハウジング16との間にベアリング22、24を介して支持された殻状のデフケース(デファレンシャルケース)26と、そのデフケース26の外周部にボルト等によって固定された、上記小径傘歯車20と噛み合う大径傘歯車28と、上記デフケース26に両端部が支持され、そのデフケース26の回転軸心に直交する姿勢でノックピンによりそのデフケース26に固定されたピニオンシャフト30と、そのピニオンシャフト30を挟んで相対向する状態で、上記デフケース26によってその軸心まわりに回転可能(自転可能)に支持された一対のサイドギヤ32l、32r(以下、特に区別しない場合には単にサイドギヤ32という)と、上記ピニオンシャフト30が貫通させられることによってそのピニオンシャフト30により回転可能(自転可能)に支持されて一対のサイドギヤ32l、32rとそれぞれ噛み合う一対のピニオンギヤ34とを、備えて構成されている。
前記差動装置10においては、上記サイドギヤ32lが左後輪12lに対応する左輪用ドライブシャフト36lに、上記サイドギヤ32rが右後輪12rに対応する右輪用ドライブシャフト36r(以下、特に区別しない場合には単にドライブシャフト36という)にそれぞれ連結されている。また、前記差動装置10におけるハウジング16内には、各部の潤滑のためのオイル(潤滑油)が封入されている。このために、上記ベアリング18近傍における上記入力軸14とハウジング16との間にはオイルシール38が、上記ベアリング22近傍における上記ドライブシャフト36lとハウジング16との間にはオイルシール40が、上記ベアリング24近傍における上記ドライブシャフト36rとハウジング16との間にはオイルシール42がそれぞれ設けられており、上記ハウジング16内に蓄積されたオイルの外部への流出が防止されている。
図2は、前記差動装置10の構成を詳しく説明する図であり、上記デフケース26の回転軸心を含む平面で切断した断面を装置下側から見た断面図である。なお、この図においては上記デフケース26内に設けられたピニオンシャフト30、サイドギヤ32、及びピニオンギヤ34等の構成を省略すると共に、上記ドライブシャフト36を破線で示している。この図2に示すように、本実施例の差動装置10においては、上記ベアリング18として相対向する一対の円錐ころ軸受(テーパードローラベアリング)が前記ハウジング16と入力軸14との間に設けられており、その入力軸14を前記ハウジング16に対して回転可能(自転可能)に支持している。また、前記デフケース26を挟んで相対向する一対の円錐ころ軸受(テーパードローラベアリング)が上記ベアリング22、24として前記ハウジング16とドライブシャフト36との間に設けられており、それぞれ対応するドライブシャフト36を前記ハウジング16に対して回転可能(自転可能)に支持している。
また、図2に示すように、前記デフケース26における前記ドライブシャフト36l、36rに対応する部分には、それらドライブシャフト36l、36rを挿入するための貫通穴44l、44r(以下、特に区別しない場合には単に貫通穴44という)がそれぞれ形成されており、各ドライブシャフト36はそれぞれ対応する貫通穴44に相対回転可能に挿入され、前記デフケース26の内部側の端部において前記サイドギヤ32に連結されている。すなわち、図2に示す差動装置10においては、前記デフケース26に形成された貫通穴44の内周面が前記ドライブシャフト36を回転可能(自転可能)に支持するドライブシャフト軸受部(ドライブシャフト支持部)に相当する。
また、図2に示すように、前記ドライブシャフト36l、36rに対応して設けられたオイルシール40、42それぞれの近傍には、それらオイルシール40、42付近に供給されたオイル(潤滑油)を蓄積するためのオイル溜め部材46、48が設けられている。ここで、上記オイル溜め部材46は前記左輪用ドライブシャフト36l及びベアリング22等の構成に対応して前記オイルシール40の近傍に、上記オイル溜め部材48は前記右輪用ドライブシャフト36r及びベアリング24等の構成に対応して前記オイルシール42の近傍にそれぞれ設けられたものである。これらオイル溜め部材46、48、共に後述するような構成を有し、等価な効果を奏するものであるが、以下の説明においては専ら前記ベアリング22及び左輪用ドライブシャフト36l等に対応して設けられたオイル溜め部材46の構成及び効果について詳述する。
図3は、図2のIII-III視断面図であり、前記差動装置10における前記ベアリング22近傍の構成を詳しく説明する図である。また、図4は、図3におけるオイル溜め部材46を矢印IVの方向に視た図であり、前記ドライブシャフト36lの断面等を併せて示している。これらの図に示すように、上記オイル溜め部材46は、その中央に挿通穴46hを有する環状の板部材(円環状プレート)であり、前記ベアリング22に対して前記デフケース26の反対側に圧入されている。また、前記差動装置10において、前記ドライブシャフト36lは上記挿通穴46hに挿入された状態で組み付けられている。換言すれば、上記オイル溜め部材46は、前記ドライブシャフト36lの外周側に、そのドライブシャフト36lの軸心に略垂直を成すように組み付けられている。
また、図3に示すように、前記ハウジング16には、図に矢印Pで示す鉛直方向に関して前記ドライブシャフト36lよりも上側に、前記ベアリング22等の構成にオイル(潤滑油)を供給するためのオイル供給路50が形成されている。このオイル供給路50は、前記差動装置10の駆動に応じて前記ハウジング16内を循環させられるオイルが導かれるものであり、図3に示すようにそのオイル供給路50から流出されるオイルは、略前記オイルシール40のリップ部40lに向かって供給されるように構成されている。また、本実施例の差動装置10においては、上述のように構成されたオイル溜め部材46とオイルシール40との間に油室(オイル溜まり)52が形成されており、上記オイル供給路50から供給されるオイルは、その油室52に蓄積されるようになっている。
また、図4に示すように、前記オイル溜め部材46における挿通穴46hの少なくとも一部は、その挿通穴46hと前記ドライブシャフト36lとの間隙(クリアランス)が、そのドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直下方よりも広くなるように形成されたものである。換言すれば、前記挿通穴46hは、前記ドライブシャフト36lの下側の内径が比較的小さく、それ以外の部分の内径が比較的大きくなるように構成されている。好適には、図4に示すように、前記ドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直下方を中心とする中心角θ°に対応する部分に関して、前記挿通穴46hとドライブシャフト36lとの間隙が可及的に狭くなるように構成される一方、残る中心角180−θ°に対応する部分に関して、前記挿通穴46hとドライブシャフト36lとの間隙が所定の幅寸法dとなるように構成されている。また、前記オイル溜め部材46における外周部には、前記ハウジング16に対してそのオイル溜め部材46の周方向の位置を固定するためのキー部46kが形成されており、そのキー部46kが前記ハウジング16の該当部位に係合させられることにより、そのハウジング16に対する前記オイル溜め部材46の相対回転が阻止され、鉛直方向に関する前記ドライブシャフト36l等との相対的な位置関係が定められるようになっている。
また、図4に示すように、前記オイル溜め部材46は、そのオイル溜め部材48とオイルシール40との間に形成される前記油室52のオイルレベルすなわち油面が所定の高さを超えた場合に、そのオイルが前記デフケース26側へ流出する単数乃至複数(図4では3つ)の排出穴54a、54b、54c(以下、特に区別しない場合には単に排出穴54という)を備えたものである。すなわち、前記油室52のオイルレベルがL1を超えた場合にそのオイルが上記排出穴54aから、前記油室52のオイルレベルがL2を超えた場合にそのオイルが上記排出穴54bから、前記油室52のオイルレベルがL3を超えた場合にそのオイルが上記排出穴54cから、それぞれ前記デフケース26側へ流出する(排出される)ように構成されている。なお、上述のように構成された前記挿通穴46h(その挿通穴46hとドライブシャフト36lとの間隙)により、前記油室52のオイルレベルがL0を超えた段階でそのオイルは前記デフケース26側へ流出するものであるが、上記排出穴54は何らかの理由により前記油室52にオイルが溜まり過ぎた場合にそのオイルを効率的にデフケース26側へ逃がす機能を奏する。また、後述するように前記ベアリング22によりオイルが吸引される際、上記排出穴54は空気の逃げ道となる。
また、図4に示すように、前記排出穴54は、何れも前記ハウジング16に形成されたオイル供給路50(その供給口)に対応する部位とは異なる位置に形成されたものである。換言すれば、前記排出穴54は、前記ハウジング16に形成されたオイル供給路50の対角(対称位置)側に配置されるように形成されている。また、前記排出穴54は、前記ハウジング16に形成されたオイル供給路50とは周方向に関して別位相に対応する部位に形成されている。
以上のように構成されたオイル溜め部材46を備えた本実施例の構成による効果を、そのオイル溜め部材46を有しない従来の構成を示す図5との対比において説明する。前記差動装置10においては、図5に破線で囲繞して示すドライブシャフト軸受部すなわち前記ドライブシャフト36lが挿入された前記デフケース26の貫通穴(挿入穴)44lとそのドライブシャフト36lとの間における潤滑が問題となる。すなわち、図5に示すような従来の構成では、前記オイル供給路50から供給されるオイルは破線白抜き矢印で示すような経路をたどり、前記オイルシール40とベアリング22との間のスペースに供給される。このオイルが上記ドライブシャフト軸受部に供給されるためには、上記スペースに供給されるオイルの供給油量が、そのスペースから排出される排出油量よりも大きくなることが条件となる。しかし、特に前記デフケース26の回転速度が比較的大きくなった場合では、前記ベアリング22によるオイルの吸い込み量が大きくなり、前記オイル供給路50から供給されたオイルは上記ドライブシャフト軸受部に十分に供給されることなく前記ベアリング22に吸い込まれてしまい、結果、そのドライブシャフト軸受部の潤滑が不十分となることが考えられる。
図6は、図5に示す従来技術との対比において本実施例の差動装置10の効果を説明する図である。前述したようなオイル溜め部材46が設けられた本実施例の差動装置10においては、前記オイル供給路50から供給されるオイルは図6に破線白抜き矢印で示すような経路をたどり、前記オイル溜め部材46とオイルシール40との間に供給されると共に、その間に形成された前記油室52に蓄積される。そして、その油室52に蓄積されたオイルの油面が、図4を用いて前述したオイルレベルL0を超えると、前記ドライブシャフト36lと挿通穴46hとの間の比較的広い間隙から前記デフケース26側へ前記オイル溜め部材46を乗り越えてオイルが供給され、そのオイルが破線で囲繞して示すドライブシャフト軸受部すなわち前記ドライブシャフト36lが挿入された前記デフケース26の貫通穴44lとそのドライブシャフト36lとの間に供給される。ここで、前記挿通穴46hの内径に関して、前記ドライブシャフト36lの鉛直上側が鉛直下側に比べて広く形成されていることで、上記ドライブシャフト軸受部へのオイル供給を必要部位のすぐ近くで行うことができ、オイルの安定供給による効率的な潤滑が実現されるのである。
このように、本実施例によれば、前記ベアリング22に対して前記デフケース26の反対側に、前記ドライブシャフト36lが挿入される挿通穴46hを備えたオイル溜め部材46を備え、その挿通穴46hの少なくとも一部は、その挿通穴46hと前記ドライブシャフト36lとの間隙が、そのドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直下方よりも広くなるように形成されたものであることから、前記ドライブシャフト36lの下側に供給されたオイルが前記ベアリング22に過剰に吸い込まれることを前記オイル溜め部材46により抑制でき、そのオイル溜め部材46の案内により前記ドライブシャフト36lとデフケース26の貫通穴44lとの間に十分なオイルを供給することができる。すなわち、ドライブシャフト軸受部に対する効率的な潤滑を可能とする車両用差動装置10を提供することができる。
また、図5に示すような従来の構成に比べ、新たにオイル供給路を設けることや油量の調節等のソフト的な変更を行う必要がなく、簡単な構成である前記オイル溜め部材46を設けることにより前記効果を奏することから、開発工数の軽減といった効果も併せて実現することができる。特に、前記ハウジング16に特別のオイル導入リブを設ける構成に比べ、別体としての環状プレートである前記オイル溜め部材46を設ける構成の方が低コスト化を実現することができ、更には必要部位の周辺のにみ前記オイル溜め部材46を設けるため、前記ハウジング16からの導入リブ等が必要なく、装置の軽量化を図ることができるという利点もある。
また、前記オイル溜め部材46は、そのオイル溜め部材46とオイルシール40との間に形成される油室52のオイルレベルが所定の高さを超えた場合に、そのオイルが前記デフケース26側へ流出する排出穴54を備えたものであるため、前記油室52にオイルが溜まり過ぎた場合にそのオイルをデフケース26側へ逃がすことで、他の潤滑が必要な部分へ十分なオイルを供給することができる。
また、鉛直方向に関して前記ドライブシャフト36lよりも上側に形成されたオイル供給路50を備え、前記排出穴54は、そのオイル供給路50に対応する部位とは異なる位置に形成されたものであるため、斯かるオイル供給路50から供給されたオイルがすぐに前記排出穴54に流入するのを抑制でき、前記油室52に必要十分なオイルを溜めることができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記オイル溜め部材46に形成された挿通穴46hは、その挿通穴46hと前記ドライブシャフト36lとの間隙に関して、そのドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直上方が鉛直下方よりも広くなるように形成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図7に示すオイル溜め部材46′のように、前記ドライブシャフト36lの両側部に相当する部位がそのドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直下方よりも広くなるように形成されると共に、その回転軸心Cの鉛直上方は同様に狭くなるように形成されたものであってもよい。すなわち、ドライブシャフト軸受部へ効率的なオイル供給を行うために、前記挿通穴46hの少なくとも一部が前記ドライブシャフト36lの回転軸心Cの鉛直下方よりも大径に構成されたものであれば、本発明の一応の効果を奏する。
また、前述の実施例において、前記オイル溜め部材46には3つの排出穴54が形成されたものであったが、この排出穴54は2つ乃至1つでもその効果を奏する。また、前記油室52のオイルレベルが上昇した際に、前記挿通穴46hとドライブシャフト36lとの間隙が前記デフケース26側へオイルを排出するための排出口として十分に機能するのであれば、前記排出穴54は必ずしも設けられなくともよい。
また、前述の実施例では、駆動輪としての一対の後輪12へ駆動力を配分する後輪用差動装置10に本発明が適用された例を説明したが、駆動輪としての一対の前輪へ駆動力を配分する前輪用差動装置にも本発明が好適に適用され得ることは言うまでもない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:車両用差動装置
12:後輪
14:入力軸
16:ハウジング
18:ベアリング
20:小径傘歯車
22、24:ベアリング
26:デフケース
28:大径傘歯車
30:ピニオンシャフト
32:サイドギヤ
34:ピニオンギヤ
36:ドライブシャフト
38:オイルシール
40、42:オイルシール
40l:リップ部
44:貫通穴
46、48:オイル溜め部材
46h:挿通穴
46k:キー部
50:オイル供給路
52:油室
54:排出穴

Claims (1)

  1. ベアリングを介してハウジングに回転可能に支持されたデフケースと、該デフケースに挿入されたドライブシャフトとを、備えた車両用差動装置であって、
    前記ベアリングに対して前記デフケースの反対側に、前記ドライブシャフトが挿入される挿通穴を備えたオイル溜め部材と、
    鉛直方向に関して前記ドライブシャフトよりも上側に形成されたオイル供給路と
    を、備え、
    前記挿通穴の少なくとも一部は、該挿通穴と前記ドライブシャフトとの間隙が、該ドライブシャフトの回転軸の鉛直下方よりも広くなるように形成されたものであり、
    前記オイル溜め部材は、前記オイル供給路に対応する部位とは周方向に関して別位相に対応する部位に形成された、該オイル溜め部材とオイルシールとの間に形成される油室のオイルレベルが所定の高さを超えた場合に該オイルが前記デフケース側へ流出する排出穴を備えたものである
    ことを特徴とする車両用差動装置。
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