JP5316450B2 - リアクトルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置等に用いられるリアクトルの製造方法に関する。
従来から、車両用のインバータ等の電力変換装置等に用いられるリアクトルが知られている。
リアクトルは、通電により磁束を発生する筒状のコイルと、そのコイルの周囲を覆うように配設されたコアとを有する。コアは、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂に鉄粉等の磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなる。そして、コイル及びコアは、収納ケースに収納されている(特許文献1、2参照)。
特開2008−182152号公報 特開2008−198981号公報
しかしながら、従来のリアクトルでは、成形型や収納ケースを製作上アンダーカット領域が生じないように型抜き可能な形状としていたため、コイルへの通電により発生した磁束が通過しない部分、すなわち、磁気回路としてほとんど利用されない部分にもコアが形成されていた(例えば、コアの外周側の角部周辺)。特に、コアを構成する材料はコストが高いため、このような無駄な部分にまでコアが形成されることにより、余分な材料コストがかかっていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ることができるリアクトルの製造方法を提供しようとするものである。
参考発明は、通電により磁束を発生する筒状のコイルと、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなり、上記コイルの周囲を覆うように配設されたコアとを備えるリアクトルであって、
上記コアは、上記コイルの軸方向両端面と外周面との間に形成される一対のコイル外周角部を覆う一対のコア外周被覆部を有し、
該一対のコア外周被覆部には、上記コイルの軸線を含む断面において凸状曲線となる形状を有する外周曲面部が形成されていることを特徴とするリアクトルにある。
発明は、通電により磁束を発生する筒状のコイルと、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなり、上記コイルの周囲を覆うように配設されたコアとを備えるリアクトルを製造する方法であって、
底部と該底部の外周から立設された筒状の側面部とを有する上方に開口した箱型形状を呈し、上記底部と上記側面部との間に形成される内角部が上記底部及び上記側面部に垂直な垂直断面において凹状曲線となる曲面を有する成形型内に、上記コイルを配置するコイル配置工程と、
上記成形型の開口部の外周部に、上記垂直断面において凹状曲線となる曲面を有する環状の曲面部材をその曲面が内側に向くよう配置する曲面部材配置工程と、
上記コイル配置工程及び上記曲面部材配置工程の後、上記曲面部材を配置した上記成形型内に上記磁性粉末混合樹脂を充填し、硬化させることにより、上記コアを形成するコア形成工程とを有することを特徴とするリアクトルの製造方法にある(請求項)。
参考発明のリアクトルにおいて、上記コアは、上記一対のコイル外周角部を覆う上記一対のコア外周被覆部を有する。そして、該コア外周被覆部には、上記外周曲面部が形成されている。すなわち、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分である上記コアの外周側の角部が上記外周曲面部によって曲面状に面取りされたようになっている。そのため、磁気特性に影響を与えることなく、上記コアに使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ることができる。
発明のリアクトルの製造方法においては、上記成形型の内角部に曲面が形成してあると共に、上記成形型の開口部の外周部に上記曲面部材を配置する。そして、上記曲面部材を配置した上記成形型内に上記磁性粉末混合樹脂を充填し、硬化させ、上記コアを形成することにより、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分である上記コアの外周側の角部が曲面状に面取りされたようになる。そのため、磁気特性に影響を与えることなく、上記コアに使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ったリアクトルを得ることができる。
このように、本発明によれば、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ることができるリアクトルの製造方法を提供することができる。
実施例1における、リアクトルの全体構造を示す説明図。 実施例1における、リアクトルを上方から見た説明図。 実施例1における、成形型を示す説明図。 実施例1における、成形型に中芯部材を配置した状態を示す説明図。 実施例1における、成形型にコイルを配置した状態を示す説明図。 実施例1における、成形型に曲面部材を配置した状態を示す説明図。 実施例1における、成形型及び曲面部材内に磁性粉末混合樹脂を充填する様子を示す説明図。 実施例1における、コアから曲面部材を取り外した状態のリアクトルを示す説明図。 実施例2における、コアから成形型及び曲面部材を取り外した状態のリアクトルを示す説明図。
上記参考発明において、上記リアクトルは、上記コイル及び上記コアを収納する収納ケースを有し、該収納ケースの内周面は、上記コアの外周面に沿った形状である構成とすることができる。
ここで、上記コイルへの通電を行った場合には、上記コイル及び上記コアが発熱し、膨張する。そして、線膨張率差によって上記コアと上記収納ケースとの間に熱応力が発生し、特に上記コアの外周側の角部にその熱応力が集中する。しかしながら、上記コアの外周側の角部には上記外周曲面部が形成されているため、その熱応力を上記外周曲面部において緩和することができる。これにより、上記コアにおける割れや上記収納ケースからの剥離等を防止することができる。
また、上記外周曲面部の上記凸状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることが好ましい。
この場合には、性能を維持しながら、上記コアに使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという効果を十分に発揮することができる。また、上述したような上記外周曲面部において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、上記外周曲面部の上記凸状曲線は、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過しない部分(磁気特性に影響のない部分)に形成される上記コアを削減し、磁気特性に影響を与えることのないように、曲率半径を7mm以下としておくことが好ましい。
また、上記リアクトルは、上記コイルの内周側において軸方向に貫通して配設された柱状の中芯部材を有し、上記コアは、上記コイルの軸方向両端面と内周面との間に形成される一対のコイル内周角部を覆う一対のコア内周被覆部を有し、該一対のコア内周被覆部には、上記コイルの軸線を含む断面において凸状曲線となる形状を有する内周曲面部が形成され、該内周曲面部は、上記中芯部材の外周面に沿って形成されている構成とすることができる。
この場合には、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分である上記コアの内周側の角部が上記内周曲面部によって曲面状に面取りされたようになっている。そのため、上記コアの外周側の角部だけでなく、内周側の角部についても、使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、より一層効果的にコストダウンを図ることができる。
また、上記コイルへの通電を行った場合には、上述したように、上記コイル及び上記コアが発熱し、膨張する。そして、線膨張率差によって上記コアと上記中芯部材との間に熱応力が発生し、特に上記コアの内周側の角部にその熱応力が集中する。しかしながら、上記コアの内周側の角部には上記内周曲面部が形成されているため、その熱応力を上記内周曲面部において緩和することができる。これにより、上記コアにおける割れや上記中芯部材からの剥離等を防止することができる。
また、上記中芯部材を設けることにより、上記コイル及び上記コアにおいて発生した熱を上記中芯部材に伝え、放熱することができる。これにより、放熱性を高めることができる。
また、上記中芯部材は、上記収納ケースを有する構成の場合には、該収納ケースにボルト等で固定することができる。また、上記収納ケースに一体的に設ける構成とすることもできる。また、一部を上記収納ケースに一体的に設け、その他の部分をボルト等で固定する構成とすることもできる。
また、上記内周曲面部の上記凸状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることが好ましい。
この場合には、性能を維持しながら、上記コアに使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという効果を十分に発揮することができる。また、上述したような上記内周曲面部において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、上記内周曲面部の上記凸状曲線は、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過しない部分(磁気特性に影響のない部分)に形成される上記コアを削減し、磁気特性に影響を与えることのないように、曲率半径を7mm以下としておくことが好ましい。
発明において、上記コア形成工程の後、上記成形型及び上記曲面部材を取り外さず、上記成形型及び上記曲面部材を上記コイル及び上記コアを収納する収納ケースとして用いることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記コアを成形するための上記成形型及び上記曲面部材を上記コイル及び上記コアを最終的に収納する上記収納ケースとして使用することにより、上記リアクトルの生産効率を高めることができる。
また、上記コア形成工程の後、上記コアから上記曲面部材を取り外し、上記成形型を上記コイル及び上記コアを収納する収納ケースとして用いることが好ましい(請求項)。
この場合には、取り外した上記曲面部材を再利用することができるため、生産におけるコストダウンを図ることができる。
また、上記コア形成工程の後、上記コアから上記成形型及び上記曲面部材を取り外すことが好ましい(請求項)。
この場合には、上記コアを成形するために上記成形型及び上記曲面部材を使用すると共に、上記成形型及び上記曲面部材を取り外した上記コイル及び上記コアを例えばインバータ等の電力変換装置のケースの一部等、最終的な使用に応じた様々な収納ケースに収納することができる。
また、上記コアと上記収納ケースとの関係においては、上述したように、上記コアと上記収納ケースとの間に発生する熱応力を上記コアの外周側の角部において緩和するという効果を得ることができる。
また、上記成形型及び上記曲面部材の上記凹状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記コアの外周側の角部に曲面を確実に形成することができる。これにより、性能を維持しながら、上記コアに使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという本発明の効果を十分に発揮することができる。また、上述したような上記コアの外周側の角部において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、上記成形型及び上記曲面部材の上記凹状曲線は、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過しない部分(磁気特性に影響のない部分)に形成される上記コアを削減し、磁気特性に影響を与えることのないように、曲率半径を7mm以下としておくことが好ましい。
また、上記コア形成工程前に、柱状の中芯部材を上記コイルの内周側において軸方向に貫通して配置する中芯部材配置工程を行い、上記中芯部材の両端部には、軸方向端面に近づくにつれて外径が大きくなると共に上記垂直断面において凹状曲線となる曲面が形成されている構成とすることができる(請求項)。
この場合には、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分である上記コアの内周側の角部にも曲面を形成することができる。そのため、上記コアの外周側の角部だけでなく、内周側の角部についても、使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、より一層効果的にコストダウンを図ることができる。
また、上記コアと上記中芯部材との関係においては、上述したように、上記コアと上記中芯部材との間に発生する熱応力を上記コアの内周側の角部において緩和するという効果を得ることができる。
また、上述したように、上記中芯部材によって放熱性を高めるという上述の効果を得ることができる。
また、上記中芯部材は、上記成形型の底部にボルト等で固定することができる。また、予め上記成形型に一体的に設ける構成とすることもできる。また、一部を予め上記成形型に一体的に設け、その他の部分をボルト等で固定する構成とすることもできる。
また、上記中芯部材の上記凹状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記コアの内周側の角部に曲面を確実に形成することができる。これにより、性能を維持しながら、上記コアに使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという本発明の効果を十分に発揮することができる。また、上述したような上記コアの内周側の角部において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、上記中芯部材の上記凹状曲線は、上記コイルへの通電により発生した磁束が通過しない部分(磁気特性に影響のない部分)に形成される上記コアを削減し、磁気特性に影響を与えることのないように、曲率半径を7mm以下としておくことが好ましい。
また、上記曲面部材を構成する材料としては、例えば該曲面部材を上記収納ケースの一部として利用するのであれば、該収納ケースの材料として用いられるアルミニウム等が挙げられる。また、上記曲面部材を取り外して再利用するのであれば、取り外しが容易となるようにテフロン(登録商標)等の樹脂を用いることが好ましい。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるリアクトルの製造方法について、図を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1、図2に示すごとく、通電により磁束を発生する筒状のコイル2と、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなり、コイル2の周囲を覆うように配設されたコア3とを備える。
コア3は、コイル2の軸方向両端面(上端面201、下端面202)と外周面204との間に形成される一対のコイル外周角部22を覆う一対のコア外周被覆部32を有し、その一対のコア外周被覆部32には、コイル2の軸線Xを含む断面において凸状曲線となる形状を有する外周曲面部321が形成されている。
以下、これを詳説する。
図1に示すごとく、リアクトル1は、円筒状のコイル2と、そのコイル2の周囲を覆うように配設された磁性粉末混合樹脂からなるコア3とを有する。
コイル2は、銅線を螺旋状に巻回して円筒状に形成されている。また、コア3を構成する材料である絶縁樹脂としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いており、磁性粉末としては、鉄粉を用いている。
図1、図2に示すごとく、コイル2及びコア3は、アルミニウム製の有底円筒状の収納ケース4内に収納されている。
収納ケース4は、底部51とその底部51の外周から立設された円筒状の側面部52とを有し、上方に開口した箱型形状を呈する収納本体部5と、収納本体部5の開口部54の外周部541に配置された円環状の曲面部材6とにより構成されている。
図1に示すごとく、収納本体部5において、底部51と側面部52との間に形成される内角部53には、コイル2の軸線Xを含む断面において凹状曲線となる曲面531が周方向に形成されている。
また、曲面部材6は、コイル2の軸線Xを含む断面において凹状曲線となる曲面601を有している。曲面部材6は、曲面601が内側に向くよう配置されている。
図1、図2に示すごとく、コイル2の内周側には、アルミニウム製の柱状の中芯部材7がコイル2の内周側を軸方向に貫通して配設されている。中芯部材7は、収納ケース4の収納本体部5の底部51にボルト等で固定されている。また、中芯部材7の両端部(上端部71、下端部72)には、軸方向端面に近づくにつれて外径が大きくなると共に上記垂直断面において凹状曲線となる曲面711、721が形成されている。
図1に示すごとく、コア3は、コイル2の軸方向両端面(上端面201、下端面202)と外周面204との間に形成される一対のコイル外周角部22を覆う一対のコア外周被覆部32を有する。一対のコア外周被覆部32には、コイル2の軸線Xを含む断面において凸状曲線となる形状を有する外周曲面部321が形成されている。外周曲面部321は、収納本体部5の内角部53の曲面531及び曲面部材6の曲面601に沿って形成されている。外周曲面部321の凸状曲線は、曲率半径が6mmの円弧である。
同図に示すごとく、コア3は、コイル2の軸方向両端面(上端面201、下端面202)と内周面203との間に形成される一対のコイル内周角部21を覆う一対のコア内周被覆部31を有する。一対のコア内周被覆部31には、コイル2の軸線Xを含む断面において凸状曲線となる形状を有する内周曲面部311が形成されている。内周曲面部311は、中芯部材7の外周面704、具体的には中芯部材7の両端部(上端部71、下端部72)に形成された曲面711、721に沿って形成されている。内周曲面部311の凸状曲線は、曲率半径が6mmの円弧である。
次に、本例のリアクトル1の製造方法について説明する。
本例のリアクトル1を製造するに当たっては、図3〜図7に示すごとく、少なくとも、コイル配置工程、曲面部材配置工程、コア形成工程を行う。
コイル配置工程では、底部51とその底部51の外周から立設された筒状の側面部52とを有する上方に開口した箱型形状を呈し、底部51と側面部52との間に形成される内角部53が底部51及び側面部52に垂直な垂直断面において凹状曲線となる曲面531を有する成形型50内に、コイル2を配置する。
曲面部材配置工程では、成形型50の開口部54の外周部541に、上記垂直断面において凹状曲線となる曲面601を有する環状の曲面部材6をその曲面601が内側に向くよう配置する。
コア形成工程では、コイル配置工程及び曲面部材配置工程の後、曲面部材6を配置した成形型50内に磁性粉末混合樹脂30を充填し、硬化させることにより、コア3を形成する。
以下、これを詳説する。
まず、図3に示すごとく、成形型50を準備する。成形型50は、最終的に収納ケース4の収納本体部5(図1参照)となる。
次いで、図4に示すごとく、柱状の中芯部材7を成形型50の中心に配置する(中芯配置工程)。中芯部材7は、成形型50の底部51にボルト等で固定する。なお、中芯部材は、予め成形型50に一体的に設けておいてもよい。また、一部を成形型50に一体的に設け、その他の部分をボルト等で固定してもよい。
次いで、図5に示すごとく、成形型50内に、コイル2を配置する(コイル配置工程)。このとき、中芯部材7がコイル2の内周側を軸方向に貫通して配設されるように、コイル2を配置する。また、成形型50の底部51とコイル2との間にスペーサ等を配置し、コイル2を所定の位置に正確に配置する。
次いで、図6に示すごとく、成形型50の開口部54の外周部541に、円環状の曲面部材6を配置する(曲面部材配置工程)。このとき、曲面部材6は、曲面601が内側に向くよう配置する。また、曲面部材6は、最終的に収納ケース4の一部となる(図1参照)。
次いで、図7に示すごとく、曲面部材6を取り付けた成形型50内に、磁性粉末混合樹脂30を充填し、コイル2を磁性粉末混合樹脂30内に埋設させる。そして、磁性粉末混合樹脂30に対して熱処理を施し、磁性粉末混合樹脂30を硬化させてコア3とする(コア形成工程)。
これにより、図1に示すリアクトル1が得られる。
次に、本例のリアクトル1及びその製造方法における作用効果について説明する。
本例のリアクトル1において、コア3は、一対のコイル外周角部22を覆う一対のコア外周被覆部32を有する。そして、コア外周被覆部32には、外周曲面部321が形成されている。すなわち、コイル2への通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分であるコア3の外周側の角部が外周曲面部321によって曲面状に面取りされたようになっている。そのため、磁気特性に影響を与えることなく、コア3に使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ることができる。
また、本例では、リアクトル1は、コイル2及びコア3を収納する収納ケース4(収納本体部5、曲面部材6)を有し、収納ケース4の内周面403は、コア3の外周面304に沿った形状である。ここで、コイル2への通電を行った場合には、コイル2及びコア3が発熱し、膨張する。そして、線膨張率差によってコア3と収納ケース4との間に熱応力が発生し、特にコア3の外周側の角部にその熱応力が集中する。しかしながら、コア3の外周側の角部には外周曲面部321が形成されているため、その熱応力を外周曲面部321において緩和することができる。これにより、コア3における割れや収納ケース4からの剥離等を防止することができる。
また、外周曲面部321の凸状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧である。そのため、性能を維持しながら、コア3に使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという本例の効果を十分に発揮することができる。また、上述したような外周曲面部321において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、リアクトル1は、コイル2の内周側において軸方向に貫通して配設された柱状の中芯部材7を有し、コア3は、コイル2の軸方向両端面(上端面201、下端面202)と内周面203との間に形成される一対のコイル内周角部21を覆う一対のコア内周被覆部31を有し、一対のコア内周被覆部31には、コイル2の軸線Xを含む断面において凸状曲線となる形状を有する内周曲面部311が形成され、内周曲面部311は、中芯部材7の外周面704に沿って形成されている。すなわち、コイル2への通電により発生した磁束が通過せず、磁気回路としてほとんど利用されない部分であるコア3の内周側の角部が内周曲面部311によって曲面状に面取りされたようになっている。そのため、コア3の外周側の角部だけでなく、内周側の角部についても、使用する材料を削減することができる。これにより、性能を維持しながら、より一層効果的にコストダウンを図ることができる。
また、コイル2への通電を行った場合には、上述したように、コイル2及びコア3が発熱し、膨張する。そして、線膨張率差によってコア3と中芯部材7との間に熱応力が発生し、特にコア3の内周側の角部にその熱応力が集中する。しかしながら、コア3の内周側の角部には内周曲面部311が形成されているため、その熱応力を内周曲面部311において緩和することができる。これにより、コア3における割れや中芯部材7からの剥離等を防止することができる。
また、内周曲面部311の凸状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧である。そのため、性能を維持しながら、コア3に使用する材料を削減して効果的にコストダウンを図るという本例の効果を十分に発揮することができる。また、上述したような内周曲面部311において熱応力を緩和するという効果も十分に発揮することができる。
また、本例の製造方法において、コア形成工程の後、成形型50(収納本体部5)及び曲面部材6を取り外さず、成形型50(収納本体部5)及び曲面部材6をコイル2及びコア3を収納する収納ケース4として用いている。すなわち、コア3を成形するための成形型50及び曲面部材6をコイル2及びコア3を最終的に収納する収納ケース4として使用することにより、リアクトル1の生産効率向上や生産コスト削減を図ることができる。
このように、本例によれば、性能を維持しながら、効果的にコストダウンを図ることができるリアクトル1及びその製造方法を提供することができる。
なお、本例の製造方法において、図8に示すごとく、コア形成工程の後、コア3から曲面部材6を取り外し、成形型50(収納本体部5)をコイル2及びコア3を収納する収納ケース4として用いることもできる。この場合には、取り外した曲面部材6を再利用することができるため、生産におけるコストダウンを図ることができる。このとき、コア3から曲面部材6を容易に取り外すために、曲面部材6をテフロン(登録商標)等の樹脂で構成しておくことが好ましい。
(実施例2)
本例は、リアクトルの製造方法において、コア形成工程後の作業を変更した例である。
本例のリアクトル1の製造方法では、図9に示すごとく、コア形成工程の後、コア3から成形型50及び曲面部材6を取り外す。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、コア3を成形するために成形型50及び曲面部材6を使用すると共に、成形型50及び曲面部材6を取り外したコイル2及びコア3を例えばインバータ等の電力変換装置のケースの一部等、最終的な使用に応じた様々な収納ケースに収納することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 リアクトル
2 コイル
201 上端面
202 下端面
204 外周面
22 コイル外周角部
3 コア
32 コア外周被覆部
321 外周曲面部
X 軸線

Claims (7)

  1. 通電により磁束を発生する筒状のコイルと、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなり、上記コイルの周囲を覆うように配設されたコアとを備えるリアクトルを製造する方法であって、
    底部と該底部の外周から立設された筒状の側面部とを有する上方に開口した箱型形状を呈し、上記底部と上記側面部との間に形成される内角部が上記底部及び上記側面部に垂直な垂直断面において凹状曲線となる曲面を有する成形型内に、上記コイルを配置するコイル配置工程と、
    上記成形型の開口部の外周部に、上記垂直断面において凹状曲線となる曲面を有する環状の曲面部材をその曲面が内側に向くよう配置する曲面部材配置工程と、
    上記コイル配置工程及び上記曲面部材配置工程の後、上記曲面部材を配置した上記成形型内に上記磁性粉末混合樹脂を充填し、硬化させることにより、上記コアを形成するコア形成工程とを有することを特徴とするリアクトルの製造方法。
  2. 請求項1に記載のリアクトルの製造方法において、上記コア形成工程の後、上記成形型及び上記曲面部材を取り外さず、上記成形型及び上記曲面部材を上記コイル及び上記コアを収納する収納ケースとして用いることを特徴とするリアクトルの製造方法。
  3. 請求項1に記載のリアクトルの製造方法において、上記コア形成工程の後、上記コアから上記曲面部材を取り外し、上記成形型を上記コイル及び上記コアを収納する収納ケースとして用いることを特徴とするリアクトルの製造方法。
  4. 請求項1に記載のリアクトルの製造方法において、上記コア形成工程の後、上記コアから上記成形型及び上記曲面部材を取り外すことを特徴とするリアクトルの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法において、上記成形型及び上記曲面部材の上記凹状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることを特徴とするリアクトルの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法において、上記コア形成工程前に、柱状の中芯部材を上記コイルの内周側において軸方向に貫通して配置する中芯部材配置工程を行い、上記中芯部材の両端部には、軸方向端面に近づくにつれて外径が大きくなると共に上記垂直断面において凹状曲線となる曲面が形成されていることを特徴とするリアクトルの製造方法。
  7. 請求項6に記載のリアクトルの製造方法において、上記中芯部材の上記凹状曲線は、曲率半径が1mm以上の円弧であることを特徴とするリアクトルの製造方法。
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