JP5315974B2 - 光路コンバイナ、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

光路コンバイナ、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、ホログラム光学素子(以下、HOEとも称する)を有する光路コンバイナと、その光路コンバイナを備え、外界と重ね合わせてカラー映像を広い観察画角で観察可能な映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する)とに関するものである。
透明基材上に形成された反射透過特性を有する膜を用い、表示素子からの映像光を観察者の瞳の方向に反射すると同時に外界光を透過させ、映像(虚像)と外界とを重ね合わせて視認させる装置として、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUDとも称する)やHMDと呼ばれる装置がよく知られている。このような映像と外界とを同時に観察可能なシースルーの装置を使用すれば、前方の外界から視線をそらせることなく、表示される必要な情報を追加で観察することが可能であり、様々なシーンで非常に有用である。
この反射透過特性を有する膜、すなわち、外界光と映像光とを重ね合わせる優れた光路コンバイナとして、例えばHOEが用いられてきた(特許文献1参照)。HOEを用いることにより、高い外界光透過性を得ることができる。また、HOEが光学的パワーを有することにより、装置の小型・軽量化が可能となる。
特開2004−61731号公報
しかしながら、これまでHOEが用いられてきたのは、観察画角が狭い場合のみであり、より広い観察画角で映像を観察する場合には、従来のHOEではゴーストが発生する可能性があることが判明した。
例えば、特許文献1では、波長476nm、532nm、647nmの3色のレーザでHOEを作製している。そして、HOE作製時にホログラム感光材料を露光するための参照光源の位置を、使用時の光学瞳中心よりもHOEに近づく方向またはHOEから遠ざかる方向にずらして配置し、HOEを作製している。このようにして作製されたHOEを用いた場合、光学瞳内では光学瞳の中心、瞳端ともに、製造時の光線と観察時の光線との角度ズレは小さい(瞳位置の違いによる色ムラは小さい)。しかし、観察画面中心から画面端に向かう画角方向では、画面端ほど製造時の光線と観察時の光線との角度ズレが大きい(画角方向の色ムラが大きい)。
HOEは、波長選択性・角度選択性を有しているため、画角方向の角度ズレが大きくなると、各色について回折ピーク波長のシフト量も大きくなる。すなわち、各色について、光学瞳中心に入射する画角上端の光についての回折ピーク波長は例えば短波長側にシフトし、光学瞳中心に入射する画角下端の光についての回折ピーク波長は例えば長波長側にシフトする。表示映像の観察画角が広くなればなるほど、この影響は大きくなり、光学瞳に同時に入射する光の波長域が各色ともに広がる。このため、例えば、HOEで回折されて光学瞳に入射するB光の回折波長域とG光の回折波長域とが一部重なることが起こり得る。この場合、G光がB光を回折するHOEで回折されてゴースト光として光学瞳に入射するため、高画質のカラー映像を観察することができなくなる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、外界と重ね合わせて映像を観察する際に、観察画角が広角となる場合でも、ゴースト光が光学瞳に入射するのを回避して高画質のカラー映像を観察することができる光路コンバイナと、その光路コンバイナを備えた映像表示装置と、その映像表示装置を備えたHMDとを提供することにある。
本発明の光路コンバイナは、表示素子からの映像光を光学瞳方向に回折反射させる一方、外界光を透過させて光学瞳に導くことにより、光学瞳の位置にて、表示映像の虚像と外界とを重ね合わせて観察させる、体積位相型で反射型のホログラム光学素子を有する光路コンバイナであって、上記光路コンバイナの中心における垂線と、上記光路コンバイナの中心と光学瞳の中心とを結ぶ直線とを含む面内において、上記光路コンバイナから射出されて光学瞳中心に入射する光線の最大角度差が16度以上となるときに、上記光路コンバイナの中心から光学瞳の中心に入射する光線についての回折ピーク波長は離散的に複数存在し、かつ、複数の回折ピーク波長の互いの全ての組み合わせにおいて、一方の回折ピーク波長をλaとし、他方の回折ピーク波長をλbとして、
380nm<λa<λb<780nm、かつ、λb/λa>1.13
を満足することを特徴としている。
本発明の光路コンバイナにおいて、上記ホログラム光学素子は、平面形状であることが望ましい。
本発明の光路コンバイナは、
1.2<λb/λa<1.5
を満足する構成であってもよい。
本発明の光路コンバイナは、
500nm<λa<535nm、かつ、620nm<λb<680nm、
または、
440nm<λa<490nm、かつ、620nm<λb<680nm
を満足する構成であってもよい。
本発明の光路コンバイナにおいて、上記ホログラム光学素子は、発光波長が、510nm以上535nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザ、または、440nm以上490nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザを用いて作製されていてもよい。
本発明の光路コンバイナにおいて、上記ホログラム光学素子は、発光波長が、440nm以上460nm以下のレーザと、525nm以上535nm以下のレーザと、630nm以上680nm以下のレーザとを用いて作製されていてもよい。
本発明の映像表示装置は、映像を表示する表示素子と、上記表示素子からの映像光を内部で全反射させる光学部材と、上記光学部材内部を導光された映像光を反射させて光学瞳に導く一方、外界光を透過させて光学瞳に導く光路コンバイナとを備え、上記光路コンバイナは、上述した本発明の光路コンバイナで構成されていることを特徴としている。
本発明の映像表示装置において、上記光路コンバイナのホログラム光学素子は、軸非対称な正の光学パワーを有しており、上記表示素子からの映像光を光学瞳に導く接眼光学系の少なくとも一部を構成していてもよい。
本発明のHMDは、上述した本発明の映像表示装置と、上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、体積位相型で反射型のHOEを有する光路コンバイナを用いることにより、外界と重ね合わせて映像(虚像)を観察することが可能となる。このとき、光学瞳中心に入射する光線の最大角度差が16度以上となるような広い観察画角で映像を観察するときに、離散的に存在する回折ピーク波長の互いの全ての組み合わせについて上述した条件式を満たすことにより、互いの回折ピーク波長が十分に離れる。これにより、例えば、HOEで回折されて光学瞳に入射するB光の回折波長域とG光の回折波長域とが一部重なるのを回避することができ、G光がB光を回折するHOEで回折されてゴースト光として光学瞳に入射するのを回避することができる。その結果、観察画角が広角となる場合でも、高画質のカラー映像を観察することが可能となる。
なお、上記ゴースト光は、例えば、ホログラム感光材料を露光する2光束のうち、光学瞳側の光束を平行光としてHOEを作製し、光学瞳の中心に観察者の瞳を位置させて映像を広角で観察する場合に発生しやすいが、光学瞳側の光束を点光源からの発散光としてHOEを作製し、点光源からの発散光の発散中心である点光源位置から観察者の瞳をずらした光学瞳位置で映像を広角で観察する場合でも同様に発生し得る。本発明によれば、上記いずれの場合でも、ゴースト光が観察者の瞳に入射するのを回避して、高画質のカラー映像を広角で観察することができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(映像表示装置について)
図1は、本発明の映像表示装置1の構成を模式的に示す説明図である。この映像表示装置1は、表示素子2と、光路コンバイナ3とを有している。表示素子2は、光源(図示せず)からの光を画像データに基づいて変調することにより映像を表示する光変調素子であり、例えば透過型の液晶表示素子で構成されている。
光路コンバイナ3は、表示素子2からの映像光を反射させて光学瞳Eに導くとともに、外界光を透過させて光学瞳Eに導く光学部材である。したがって、観察者は、光学瞳Eの位置にて、表示映像の虚像と外界とを重ね合わせて観察することができる。
光路コンバイナ3は、反射と透過の両方の機能を有していればよく、例えば、ハーフミラー、層状に干渉縞が記録された反射型ホログラム(HOE)、多層膜等で構成することができる。中でも、反射型HOEは、その波長選択性により任意の波長領域のみ反射可能であり、かつ、光学的パワーを持たせることで接眼光学系の一部を兼ねることができるため望ましい。反射波長を映像光波長と一致させることで、映像光を明るく観察することができるとともに、反射波長以外の外界光を透過させることができるので、外界も明るく観察することができる。なお、HOEは波長選択性・角度選択性を有しているため、光路コンバイナ3上での反射角が異なると、映像光の反射波長も異なる。
反射波長域の狭い光路コンバイナ3は、特に、体積位相型で反射型のHOEを用いることにより容易に作製することが可能である。体積位相型で反射型のHOEは、可干渉性の光による干渉露光により作製されるが、用いる材料の屈折率差(Δnd)や、作製条件(露光量、露光後処理(温度))等により、反射波長域を任意に制御することが可能である。このような用途に用いられるHOEを作製するためのホログラム感光材料としては、フォトポリマー、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンなどが挙げられるが、中でもドライプロセスで容易に製造可能なフォトポリマーが望ましい。以下では、光路コンバイナ3として、体積位相型で反射型のHOEを用いたものとする。
(比較例)
次に、本発明の理解を容易にするため、本発明の実施例を説明する前に、まず比較例について説明する。
図2は、光路コンバイナ3(HOE)の作製時の露光光線の光路と、使用時(再生時)の再生光線の光路とを模式的に示す説明図である。反射型のHOEは、ホログラム感光材料3aに対して互いに反対側から2光束(波長λaの露光光線1、2)を照射し、これらの干渉縞を記録することにより作製される。
ここで、反射型のHOEは、波長選択性・角度選択性を有するため、入射角が異なると、最大回折効率を示す回折ピーク波長も異なる。この入射角と回折ピーク波長との関係は、以下のブラックの条件を満足する。すなわち、反射型のHOEによる回折では、以下の2式が同時に成立する方向に回折する光の回折強度が最大となる。
(sinθ1−sinθ2)/λa = (sinθ3−sinθ4)/λb
(cosθ1−cosθ2)/λa = (cosθ3−cosθ4)/λb
ただし、
λa(nm):製造波長(露光波長)
θ1 (°):HOEに対する物体光(露光光線1)の入射角
(HOEの法線と露光光線1とのなす角度)
θ2 (°):HOEに対する参照光(露光光線2)の入射角
(HOEの法線と露光光線2とのなす角度)
λb(nm):再生波長(使用波長、回折波長)
θ3 (°):HOEに対する再生光線の入射角の補角
(HOEの法線と再生入射光線3とのなす角度の補角)
θ4 (°):HOEからの再生光線の出射角
(HOEの法線と再生出射光線4とのなす角度)
である。
次に、反射型HOEコンバイナを用いたときのHOEの波長選択性・角度選択性の影響について考える。ここでは、説明の理解をしやすくするため、図3に示すように、反射型HOEは、光路コンバイナ3から表示素子に向かう平行光線(露光光線1)と、光学瞳から光路コンバイナ3に向かう平行光線(露光光線2)との2光束によってホログラム感光材料3aを露光することにより作製されているものとする。
表示素子からの平行な再生光線が光路コンバイナ3に入射すると、露光光線と同じ波長の再生光線は、光路コンバイナ3にて瞳方向に平行に回折反射され、映像として観察される。再生光線は瞳方向に平行に反射されるので、観察者の瞳位置が上下に多少ずれても、観察者の瞳が光学瞳中心にあるときと同じ(色の変化のない)表示像を観察できる。
しかし、画角方向においては、観察画角の端に向かうに従って、光路コンバイナ3から瞳中心に入射する光線と露光光線2との角度差がα1、α2と大きくなり、その光線についての回折ピーク波長の、露光光線の波長λaからのシフト量が大きくなる。すなわち、図4に示すように、瞳中心に入射する画角上端の光(記録された干渉縞からの射出角が大きくなる方向の光)の回折ピーク波長は短波長シフト、瞳中心に入射する画角下端の光(記録された干渉縞からの射出角が小さくなる方向の光)の回折ピーク波長は長波長シフトすることとなる。表示映像の観察画角が広くなればなるほど、この波長シフトの影響が大きくなる。
次に、光学瞳の大きさを考慮して、実際の観察時に同時に光学瞳(観察者の瞳)に入射する光線について検討する。図5は、光路コンバイナ3にて回折反射されて光学瞳Eに入射する再生光線の光路を模式的に示す説明図である。上述したように、露光時の光線と再生時の光線との角度差が大きいほど波長シフト量が大きいので、瞳上端に入射する最大角度差α1の光線(画角下端の光線)L1と、瞳下端に入射する最大角度差α2の光線(画角上端の光線)L3についての回折ピーク波長をそれぞれ検討することで、瞳に同時に入射する光の波長域(HOEでの回折波長域)を算出することができる(少なくとも上記2つの回折ピーク波長間の波長域の光が瞳に入射する)。
ここで、以下の条件のもとで、瞳上端に入射する最大角度差の光線L1、瞳中心に入射する画角中心の光線L2、瞳下端に入射する最大角度差の光線L3のそれぞれについての回折ピーク波長を算出した。青色光、緑色光、赤色光を回折反射するHOEを、それぞれ、B−HOE、G−HOE、R−HOEとし、上記したブラック回折の式を用いて回折ピーク波長を計算すると、図6のようになる。
<計算モデル条件>
・HOEコンバイナは平面で、垂直面に対して30度傾けて配置されている。
・HOEコンバイナの垂線に対して30度入射の平行光と、−30度反射の平行光とを用いてホログラム感光材料を露光し、HOEコンバイナを作製した。
・HOEコンバイナ中心と光学瞳との距離を15mmとした。
・瞳サイズ(同時に瞳に入射する瞳径)を3mmとした。
・HOEの作製レーザ波長は、Ar+ 476.5nm、YAG:Nd3+(2倍波) 532nm、Kr+ 647.1nmである。
・ホログラム感光材料の収縮はないものとした。
・HOEの回折半値幅は考慮しない。
・映像の観察画角を20度とした。
・単純化のため、HOEは光学的パワーを持たないものとした。
図6より、B−HOEでの回折反射によって、445〜498nmの波長域の光が瞳に入射し、G−HOEでの回折反射によって、497〜556nmの波長域の光が瞳に入射し、R−HOEでの回折反射によって、605〜677nmの波長域の光が瞳に入射することがわかる。つまり、これらの波長域の光が同時に瞳に入射する。
ここで、B−HOEとG−HOEとで、必要とする回折波長域が一部重なっている。このため、例えば波長497nmの光は、B−HOEとG−HOEとの両方で回折反射され、瞳に到達してしまう。したがって、どちらか一方の映像(例えばGの映像)を表示しようとしても、G光がB−HOEでも回折反射されて瞳に届くので、これがゴーストとなって現れる。
なお、ここでは、単純化のため、HOEの回折効率の半値波長幅を考慮していないので、B−HOEとG−HOEとにおける回折波長域の重複領域は1nmであるが、実際には半値波長幅分の光が瞳に届くので、さらに必要な回折波長域の重複領域が大きくなり、よりゴーストが発生することとなる。また、表示映像の観察画角が広くなればなるほど、瞳に同時に入射する光線の最大角度差α1、α2が大きくなり、回折ピーク波長のシフト量が多くなるので、ゴーストの影響は大きくなる。なお、HOEの半値波長幅(例えば20nm)を考慮すると、観察画角が20度よりも狭い場合(例えば画角16度)でも、ゴーストが発生する。
(実施例1)
次に、本発明の一実施例について、実施例1として説明する。実施例1では、HOEの作製レーザ波長を、Ar+ 457.9nm、YAG:Nd3+(2倍波) 532nm、He−Ne 633nmとした以外は、比較例の計算モデル条件と同じ条件でHOEを作製した。図7は、上記光線L1、L2、L3についてのHOE(B−HOE、G−HOE、R−HOE)における回折ピーク波長を示している。
実施例1では、瞳中心に入射する画角中心の光線L2、すなわち、光路コンバイナ3の中心から光学瞳Eの中心に入射する光線についての回折ピーク波長は、RGBのそれぞれの波長域で存在しており、離散的に複数存在している。しかも、複数の上記回折ピーク波長の互いの全ての組み合わせにおいて、一方の回折ピーク波長をλa(nm)とし、他方の回折ピーク波長をλb(nm)として、
380nm<λa<λb<780nm ・・・(1)
λb/λa>1.13 ・・・(2)
を同時に満足している。つまり、図7の例では、λa=458nm、λb=532nmとした場合は、λb/λa=1.162となり、λa=532nm、λb=633nmとした場合は、λb/λa=1.190となり、λa=458nm、λb=633nmとした場合は、λb/λa=1.382となり、いずれも条件式(1)(2)を同時に満足している。
図5に示した、HOEの波長選択性・角度選択性が大きい面内、すなわち、光路コンバイナ3の中心における垂線と、光路コンバイナ3の中心と光学瞳Eの中心とを結ぶ直線とを含む面内において、光路コンバイナ3から射出されて光学瞳Eの中心に入射する光線の最大角度差α(観察画角)が16度以上となるときに、離散的に存在する上記回折ピーク波長の互いの全ての組み合わせについて条件式(1)(2)を満足することにより、互いの回折ピーク波長が十分に離れ、HOEで必要とする回折波長域が異なる色間で重なるのを回避することができる。つまり、図7の例では、B−HOEで必要とする回折波長域は428〜479nmであり、G−HOEで必要とする回折波長域は497〜556nmであり、R−HOEで必要とする回折波長域は592〜662nmであり、これらは互いに重なってはいない。したがって、比較例のように、同じ波長の光が2種類のHOEで回折されて光学瞳Eに同時に入射するのを回避することができる。その結果、16度以上の広い観察画角でも、ゴーストの発生しない良好なカラー映像(RGBによる高画質のフルカラー映像)を観察することが可能となる。
このとき、光路コンバイナ3を構成するHOEは、平面形状であることが望ましい(図1等参照)。HOEが平面形状であれば、例えば、未露光状態のフィルム状のホログラム感光材料を基板に貼り付けて光路コンバイナ3を製造したり、あるいはホログラム記録後のHOEを基板に貼り付けて光路コンバイナ3を製造することが可能となり、光路コンバイナ3の製造が容易となる。
ところで、HOEを作製するレーザの発光波長は、上記の値(457.9nm、532nm、633nm)に限定されるわけではない。例えば、発光波長が440nm以上460nm以下のレーザと、525nm以上535nm以下のレーザと、630nm以上680nm以下のレーザとを用いることにより、条件式(1)(2)を満足するHOE(光路コンバイナ3)を実現することができる。つまり、上記各レーザを用いて、BGRの3色の光を回折させる3色HOEを実現することにより、広い観察画角でも高画質の映像を観察できる本発明の効果を得ることができる。
また、実施例1では、瞳中心に向かう再生光線のHOEに対する入射角および出射角は、2つの露光光線のHOE(ホログラム感光材料)に対する各入射角と同じであるため(HOEの収縮なしと仮定しているが、実際には2%程度収縮し、その分(2%)短波長シフトする)、瞳中心に向かう再生光線についての回折ピーク波長と、レーザの露光波長とは等しい。しかし、作製できるレーザ光の波長は離散的で限られているため、必要であれば、瞳中心に向かう再生光線と露光光線との角度をずらして(露光時の参照光の入射方向を瞳中心方向からずらして)HOEを作製することで、瞳中心に向かう再生光線の回折ピーク波長を任意に設定することが可能である。このとき、以下に示すレーザ群のいずれかを選択して、BGRで組み合わせて使用することで、上記波長域のレーザを実現することができる。
Bのレーザ群:He−Cd+ 441.6nm、
Ar+ 457.9nm、476.5nm、488.0nm
Gのレーザ群:Ar+ 514.5nm、
Kr+ 530.9nm、
YAG:Nd3+(2倍波) 532nm
Rのレーザ群:He−Ne 633nm
Kr+ 647.1nm、676.4nm
(実施例2)
次に、本発明の他の実施例について、実施例2として説明する。実施例2では、光路コンバイナ3として、RGBのいずれか2色の光を回折させる2色HOEで構成している。例えば図8(a)は、GとRの2色の光を回折させる2色HOEの回折特性を示し、図8(b)は、BとRの2色の光を回折させる2色HOEの回折特性を示している。これらの2色HOEは、例えば以下の発光波長のレーザを用いてホログラム感光材料を露光することによって作製することが可能である。
GとRの2色:YAG:Nd3+(2倍波) 532nm、Kr+ 647.1nm
BとRの2色:Ar+ 476.5nm、Kr+ 647.1nm
「より広い観察画角に対応する」、「HOEの半値波長幅が広い(映像明るい)場合に対応する」という観点からは、互いの回折ピーク波長の差を大きくするほうが望ましい。BGRの3色ではなく、GとRまたはBとRの2色の光を回折する2色HOEを作製することにより、互いの回折ピーク波長の差を容易に大きくすることが可能となり、例えば1.2<λb/λa<1.5を実現することができる。したがって、2色HOEを作製することにより、より広角で映像を観察する場合でも、HOEの半値波長幅が広い場合でも、ゴースト光が瞳に入射するのを回避して、高画質のカラー映像を観察することができる。
ちなみに、上記したGとRの2色HOEでは、λa=532nm、λb=647.1nmとすれば、λb/λa=1.216となり、BとRの2色HOEでは、λa=476.5nm、λb=647.1nmとすれば、λb/λa=1.358となり、いずれも、1.2<λb/λa<1.5を満足している。つまり、上記のGとRまたはBとRの2色HOEでは、λb/λaの値が実施例1よりもさらに大きくなり(互いの回折ピーク波長の差がさらに大きくなり)、より広角で映像を観察する場合や、HOEの半値波長幅が広い場合にも容易に対応することが可能となる。
以上のことから、光路コンバイナ3は、以下の条件式(3)を満足すれば、より広角で映像を観察する場合や、HOEの半値波長幅が広い場合でも、ゴースト光が瞳に入射するのを回避して、高画質のカラー映像を観察することができると言える。すなわち、
1.2<λb/λa<1.5 ・・・(3)
である。
ところで、2色HOEを作製するレーザの発光波長は、上記の値に限定されるわけではない。例えば、510nm以上535nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザ、または、440nm以上490nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザを用いることが可能である。このような発光波長のレーザを用いてGとRまたはBとRの2色HOEを作製することにより、2色HOEを用いることによる上述の効果を得ることができる。
また、このような組み合わせのレーザを用いると、瞳中心に向かう再生光線と露光光線との角度をずらしてHOEを作製する等により、以下の式を満足する2色HOEを実現することが可能となる。すなわち、
500nm<λa<535nm、かつ、620nm<λb<680nm、
または、
440nm<λa<490nm、かつ、620nm<λb<680nm
である。
このようなGとRまたはBとRの2色HOEを実現することにより、回折ピーク波長の差を大きくできる以外にも、さらに以下の効果を得ることができる。すなわち、2色HOEを用いることにより、2色とその中間色を表現できる。つまり、フルカラーではないが、単色およびそれとは異なる色のマルチカラーの映像を観察することが可能となる。また、HOE1層で2色を表現する場合(HOEが2色の光を回折する干渉縞を有する場合)は、HOE1層で3色を表現する場合に比べて、各色の回折効率を高めることができ、映像を明るくすることができる。さらに、2色HOEの場合、例えば表示素子を照明する光源として、発光部が2色のものを使用できるが、光源の消費電力を同じとした場合、発光部が3色よりも2色のほうが、1色あたりの照明光の強度を高くでき、映像を明るくすることができる。同じ照明光源であれば、観察画角が広いほど観察像の面積が大きくなるため暗く観察されるので、広画角であればあるほど、少しでも映像を明るく観察可能にすることは重要である。
(実施例3)
次に、本発明のさらに他の実施例について、実施例3として説明する。図9は、光路コンバイナ3を構成するHOEを作製するときの露光光線と、HOEを使用するときの再生光線の各光路を示す説明図である。実施例3では、HOE作製時の参照光源(露光光線2の点光源)の位置を、使用時の光学瞳Eの中心よりもHOEから遠ざけて配置し、HOEを作製している。実施例3では、参照光(露光光線2)が平行光の実施例1および2よりは、画角方向の波長ズレの程度は小さいが、依然として波長ズレが存在するため、観察画角が広くなるとゴーストが発生しやすくなる。実施例3では、以下の計算モデル条件でゴーストについて考察した。図10は、その計算モデル条件のもとで得られる回折ピーク波長を示している。
<計算モデル条件>
・HOEコンバイナは、垂直面に対して30度傾けて配置されている。
・HOEコンバイナの垂線に対して30度入射の平行光と、コンバイナ中心において上記垂線から−30度の方向で、かつ、コンバイナ中心から距離30mmの位置からの発散光とで、HOEコンバイナを作製した。
・HOEコンバイナ中心と光学瞳との距離を15mmとした。
・瞳サイズ(同時に瞳に入射する瞳径)を3mmとした。
・HOEの作製レーザ波長は、Ar+ 457.9nmまたはAr+ 476.5nm、YAG:Nd3+(2倍波) 532nm、Kr 647.1nmである。
・ホログラム感光材料の収縮はないものとした。
・HOEの回折半値幅は考慮しない。
・映像の観察画角を30度とした。
図10において、Ar+ 457.9nmのレーザを用いて作製したHOEを、B−HOE(1)とし、Ar+ 476.5nmのレーザを用いて作製したHOEを、B−HOE(2)とする。476.5nm、532nm、647.1nmの3色のレーザでHOEを作製した場合、B−HOE(2)とG−HOEの必要な回折波長域は、B−HOE(2)では447〜492nm、G−HOEでは500〜550nmと非常に近接している。この計算ではHOEの回折効率の半値波長幅を考慮していないが、実際には、半値波長幅を例えば20nmとすると、互いの必要な回折波長域が重なることになり、ゴーストが発生する。
そこで、回折ピーク波長476nmのB−HOE(2)の代わりに、回折ピーク波長458nmのB−HOE(1)を作製することが望ましい。この場合、B−HOE(1)の必要な回折波長域は430〜474nmとなり、G−HOEの必要な回折波長域と十分に離れるので、ゴーストの発生を確実に回避することが可能となり、高解像度の映像観察が可能となる。ちなみに、λa=458nm、λb=532nmとすると、λb/λa=1.16となり、条件式(1)(2)を満足する。
(光路コンバイナの配置について)
次に、上述した光路コンバイナ3の配置について説明する。図11(a)は、映像光の縦入れ構成、すなわち、光学瞳Eと対向する垂直面Pに対して光路コンバイナ3の下端が上端よりも光学瞳E側に近くなるように、角度φ1だけ光路コンバイナ3を傾けて配置した状態を示している。この構成では、図示しない表示素子からの映像光は、光路コンバイナ3に対して上方向から入射し、光路コンバイナ3で瞳方向に反射される。この場合、上下方向の観察画角に対して、上述した画角方向の波長ズレが発生する。
一方、図11(b)は、映像光の横入れ構成、すなわち、光学瞳Eと対向する垂直面Pに対して光路コンバイナ3の左端が右端よりも光学瞳E側に近くなるように、角度φ2だけ光路コンバイナ3を傾けて配置した状態を示している。この構成では、図示しない表示素子からの映像光は、光路コンバイナ3に対して右方向から入射し、光路コンバイナ3で瞳方向に反射される。この場合、左右方向の観察画角に対して、上述した画角方向の波長ズレが発生する。
上述した実施例1〜3の構成によれば、光路コンバイナ3を構成するHOEの波長選択性・角度選択性が大きい面、すなわち、光路コンバイナ3の中心における垂線と、光路コンバイナ3の中心と光学瞳Eの中心とを結ぶ直線とを含む面と平行な方向の観察画角が広角となる場合に、ゴースト光の発生を回避して高画質のカラー映像を観察することができる。したがって、図11(a)に示すように光路コンバイナ3を配置したときは、上下方向の観察画角が広角となったときに上述した本発明の効果を得ることができる。一方、図11(b)に示すように光路コンバイナ3を配置したときは、左右方向の観察画角が広角となったときに上述した本発明の効果を得ることができる。
(HMDに適用した具体例ついて)
次に、上述した映像表示装置1をHMDに適用したときの具体的な構成について説明する。
図12は、HMDに適用される映像表示装置11の概略の構成を示す断面図である。映像表示装置11は、観察者に外界をシースルーで観察させるとともに、映像を表示して観察者にそれを虚像として提供するものであり、上述した映像表示装置1(図1等参照)に対応している。この映像表示装置11は、映像表示部21と、接眼光学系31とを有して構成されている。映像表示部21は、光源22と、一方向拡散板23と、集光レンズ24と、LCD25とを有している。
光源22は、中心波長が例えば465nm、520nm、635nmとなる3つの波長帯域の光を発するRGB一体型のLEDで構成されている。光源22のRGBの各発光部は、水平方向に並んで配置されている。一方向拡散板23は、光源22からの照明光を拡散させるものであるが、その拡散度は方向によって異なっている。より詳細には、一方向拡散板23は、図12の紙面に垂直な方向(水平方向)には入射光を約40゜拡散させ、紙面に平行な方向(上記水平方向に垂直な方向)には入射光を約0.2゜拡散させる。
集光レンズ24は、一方向拡散板23にて拡散された光を集光する照明光学系である。集光レンズ24は、上記拡散光が効率よく光学瞳Eを形成するように配置されている。LCD25は、映像信号に基づいて光源22からの光を各画素ごとに変調することにより、映像を表示する表示素子であり、例えば透過型の液晶表示素子で構成されている。LCD25は、上述した表示素子2(図1等参照)に対応している。
一方、接眼光学系31は、LCD25からの映像光を光学瞳Eに導く一方、外界光を透過させて光学瞳Eに導くことで、光学瞳Eの位置にて、表示映像の虚像とともに外界をシースルーで観察させる。この接眼光学系31は、接合プリズム(接合光学部材)で構成され、テレセントリックな光学系を構成している。具体的には、接眼光学系31は、光学部材である接眼プリズム32と偏向プリズム33とを、光路コンバイナ34を挟んで接合してなっている。
接眼プリズム32と偏向プリズム33とは、接着剤で接合されている。接眼プリズム32は、平行平板の下端部を楔状にし、その上端部を厚くした形状で構成されており、LCD25からの映像光を内部で全反射させて導光する。この接眼プリズム32は、面32a・32b・32cを有している。面32aは、映像表示部21からの映像光が入射する入射面であり、面32b・32cは互いに対向する面である。このうち、面32bは、全反射面兼射出面となっている。
偏向プリズム33は、平行平板の上端部を接眼プリズム32の下端部に沿った形状とすることによって、接眼プリズム32と一体となって略平行平板となるように構成されている。接眼プリズム32に偏向プリズム33を接合させない場合、外界光が接眼プリズム32の楔状の下端部を透過するときに屈折するので、接眼プリズム32を介して観察される外界像に歪みが生じる。しかし、接眼プリズム32に偏向プリズム33を接合させて一体的な略平行平板を形成することで、外界光が接眼プリズム32の楔状の下端部を透過するときの屈折を偏向プリズム33でキャンセルすることができる。その結果、シースルーで観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
光路コンバイナ34は、接眼プリズム32内部で導光されたLCD25からの映像光を反射させて光学瞳Eに導くとともに、外界光を透過させて光学瞳Eに導く反射光学素子であり、例えば体積位相型で反射型のHOEで構成されている。光路コンバイナ34は、上述した光路コンバイナ3(図1等参照)に対応しており、上述した条件式(1)(2)等を満足するように、各色の回折ピーク波長が設定されている。光路コンバイナ34を構成するHOEは、LCD25にて表示された映像を拡大する、軸非対称な正の光学パワーを有している。
光路コンバイナ34は、接眼プリズム32の下端部の傾斜面に貼り付けられており、この結果、接眼プリズム32と偏向プリズム33とで挟まれている。2つの透明部材(接眼プリズム32、偏向プリズム33)の間にHOEを形成することにより、HOEが外気に触れることがないので、光学性能を安定に保つことが可能となる。
上記の構成において、映像表示部21の光源22から出射された光は、一方向拡散板23にて拡散され、集光レンズ24にて集光されてLCD25に入射する。LCD25に入射した光は、映像信号に基づいて各画素ごとに変調され、映像光として出射される。このとき、LCD25には、カラー映像が表示される。
LCD25からの映像光は、接眼光学系31の接眼プリズム32の内部にその上端面(面32a)から入射し、対向する2つの面32b・32cで複数回全反射されて、光路コンバイナ34に入射する。光路コンバイナ34に入射した光はそこで回折反射され、面32bを介して射出され、光学瞳Eに達する。したがって、光学瞳Eの位置では、観察者は、LCD25に表示された映像の拡大虚像を観察することができる。
一方、接眼プリズム32、偏向プリズム33および光路コンバイナ34は、外界光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界を観察することができる。したがって、LCD25に表示された映像の虚像は、外界の一部に重なって観察されることになる。以上のことから、光路コンバイナ34は、映像光と外界光とを同時に観察者の眼に導くコンバイナであると言える。
以上のように、接眼光学系31は、体積位相型で反射型のHOEからなる光路コンバイナ34を含んで構成されている。体積位相型で反射型のHOEは、回折効率が高く、しかも、回折効率ピークの半値波長幅が狭い。したがって、このようなHOEを用い、LCD25からの映像光をHOEにて回折反射させて光学瞳Eに導く構成とすることにより、明るい映像を観察させることができる。また、外界光の透過率も高くなるので、明るい外界を観察させることができる。
また、接眼プリズム32内での全反射を用いて映像光を導光する構成なので、通常の眼鏡レンズと同程度に厚さを薄く(例えば3mm程度に)することができ、接眼プリズム32を小型軽量にできるとともに、外界光の透過率が高くなり、外界を良好に観察することができる。また、LCD25を接眼光学系31の一端部側に配置する、つまり、視野の周辺に配置することが可能となり、広い外界視野角を確保することができる。
また、HOEは、軸非対称な正の光学パワーを有しており、接眼光学系31の少なくとも一部を構成しているので、接眼光学系31を小型に構成しながら、装置を構成する各光学部材の配置の自由度を高めて、装置を小型軽量にできるとともに、良好に収差補正された映像を観察することが可能となる。
また、光路コンバイナ34は、特定入射角の特定波長の光のみを回折させる体積位相型で反射型のHOEで構成されているので、LCD25からの映像光が、接眼プリズム32、偏向プリズム33および光路コンバイナ34を透過する外界光に影響を与えることがない。それゆえ、観察者は、光路コンバイナ34を介してLCD25の表示映像の虚像を観察しながら、接眼プリズム32、偏向プリズム33および光路コンバイナ34を介して外界を通常通りかつ明瞭に観察することができる。
次に、上記の映像表示装置11が適用されるHMDについて説明する。図13(a)(b)(c)は、それぞれ、上記HMDの概略の構成を示す平面図、正面図および側面図である。HMDは、上述した映像表示装置11と、それを支持する支持手段12とを有しており、全体として、一般の眼鏡から一方(例えば左眼用)のレンズを取り除いたような外観となっている。映像表示装置11において、眼鏡の右眼用レンズに相当する部分は、接眼プリズム32と偏向プリズム33との貼り合わせによって構成されている。
支持手段12は、映像表示装置11を観察者の眼前(例えば右眼の前)で支持するものであり、ブリッジ13と、フレーム14と、テンプル15と、鼻当て16と、ケーブル17とを有している。なお、フレーム14、テンプル15および鼻当て16は、左右一対設けられているが、これらを左右で区別する場合は、右フレーム14R、左フレーム14L、右テンプル15R、左テンプル15L、右鼻当て16R、左鼻当て16Lのように表現するものとする。
映像表示装置11の一端は、ブリッジ13に支持されている。このブリッジ13は、映像表示装置11のほかにも、左フレーム14Lおよび鼻当て16を支持している。左フレーム14Lは、左テンプル15Lを回動可能に支持している。一方、映像表示装置11の他端は、右フレーム14Rに支持されている。右フレーム14Rにおいて映像表示装置11の支持側とは反対側端部は、右テンプル15Rを回動可能に支持している。ケーブル17は、外部信号(例えば映像信号、制御信号)や電力を映像表示装置11に供給するための配線であり、右フレーム14Rおよび右テンプル15Rに沿って設けられている。
観察者がHMDを使用するときは、右テンプル15Rおよび左テンプル15Lを観察者の右側頭部および左側頭部に接触させるとともに、鼻当て16を観察者の鼻に当て、一般の眼鏡をかけるようにHMDを観察者の頭部に装着する。この状態で映像表示装置11にて映像を表示すると、観察者は、映像表示装置11の映像を虚像として観察することができるとともに、この映像表示装置11を介して外界をシースルーで観察することができる。
このように、映像表示装置11が支持手段12で支持されているので、観察者は映像表示装置11から提供される映像をハンズフリーで観察することができる。また、観察者の観察方向が一方向に定まるので、観察者は暗環境でも表示映像を探しやすいという利点もある。
なお、HMDは、観察者の両眼の眼前に2個の映像表示装置11を配置した構成であってもよい。
なお、本実施形態で説明した構成を適宜組み合わせて、光路コンバイナ、映像表示装置ひいてはHMDを構成することも勿論可能である。
なお、本実施形態で説明した光路コンバイナや映像表示装置は、例えばHUDに適用することも可能である。
本発明は、HMDやHUDに利用可能である。
本発明の映像表示装置の構成を模式的に示す説明図である。 上記映像表示装置の光路コンバイナの作製時の露光光線の光路と、使用時(再生時)の再生光線の光路とを模式的に示す説明図である。 光路コンバイナを平行な2光束を用いて作製する際の露光光線の光路と、その光路コンバイナで回折されて光学瞳の中心に入射する再生光線の光路とを模式的に示す説明図である。 上記光路コンバイナにおいて、画角に応じて回折ピーク波長がシフトする様子を示す説明図である。 上記光路コンバイナで回折反射されて、一定の大きさを持つ光学瞳に同時に入射する再生光線の光路を模式的に示す説明図である。 比較例において、光学瞳に入射する各光線についてのHOEにおける回折ピーク波長を示す説明図である。 実施例1において、光学瞳に入射する各光線についてのHOEにおける回折ピーク波長を示す説明図である。 (a)は、GとRの2色の光を回折させる2色HOEの回折特性を示す説明図であり、(b)は、BとRの2色の光を回折させる2色HOEの回折特性を示す説明図である。 他の光路コンバイナを作製するときの露光光線の光路と、使用時の再生光線の光路とを示す説明図である。 実施例3において、光学瞳に入射する各光線についてのHOEにおける回折ピーク波長を示す説明図である。 (a)は、映像光の縦入れ構成を示す説明図であり、(b)は、映像光の横入れ構成を示す説明図である。 HMDに適用される映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、上記HMDの概略の構成を示す平面図、正面図および側面図である。
符号の説明
1 映像表示装置
2 表示素子
3 光路コンバイナ
11 映像表示装置
12 支持手段
25 LCD(表示素子)
31 接眼光学系
32 接眼プリズム(光学部材)
34 光路コンバイナ(ホログラム光学素子)
E 光学瞳

Claims (9)

  1. 表示素子からの映像光を光学瞳方向に回折反射させる一方、外界光を透過させて光学瞳に導くことにより、光学瞳の位置にて、表示映像の虚像と外界とを重ね合わせて観察させる、体積位相型で反射型のホログラム光学素子を有する光路コンバイナであって、
    上記光路コンバイナの中心における垂線と、上記光路コンバイナの中心と光学瞳の中心とを結ぶ直線とを含む面内において、上記光路コンバイナから射出されて光学瞳中心に入射する光線の最大角度差が16度以上となるときに、上記光路コンバイナの中心から光学瞳の中心に入射する光線についての回折ピーク波長は離散的に複数存在し、かつ、複数の回折ピーク波長の互いの全ての組み合わせにおいて、一方の回折ピーク波長をλaとし、他方の回折ピーク波長をλbとして、
    380nm<λa<λb<780nm、かつ、λb/λa>1.13
    を満足することを特徴とする光路コンバイナ。
  2. 上記ホログラム光学素子は、平面形状であることを特徴とする請求項1に記載の光路コンバイナ。
  3. 1.2<λb/λa<1.5
    を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光路コンバイナ。
  4. 500nm<λa<535nm、かつ、620nm<λb<680nm、
    または、
    440nm<λa<490nm、かつ、620nm<λb<680nm
    を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光路コンバイナ。
  5. 上記ホログラム光学素子は、発光波長が、510nm以上535nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザ、または、440nm以上490nm以下のレーザと630nm以上680nm以下のレーザを用いて作製されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光路コンバイナ。
  6. 上記ホログラム光学素子は、発光波長が、440nm以上460nm以下のレーザと、525nm以上535nm以下のレーザと、630nm以上680nm以下のレーザとを用いて作製されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光路コンバイナ。
  7. 映像を表示する表示素子と、
    上記表示素子からの映像光を内部で全反射させる光学部材と、
    上記光学部材内部を導光された映像光を反射させて光学瞳に導く一方、外界光を透過させて光学瞳に導く光路コンバイナとを備え、
    上記光路コンバイナは、請求項1から6のいずれかに記載の光路コンバイナで構成されていることを特徴とする映像表示装置。
  8. 上記光路コンバイナのホログラム光学素子は、軸非対称な正の光学パワーを有しており、上記表示素子からの映像光を光学瞳に導く接眼光学系の少なくとも一部を構成していることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
  9. 請求項7または8に記載の映像表示装置と、
    上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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