JP5314880B2 - ブラシホルダ - Google Patents

Description

本発明は、特許請求の範囲における請求項１の前半部分に記載したブラシホルダに関する。このブラシホルダは少なくとも１個のカーボンケースを有し、このカーボンケースによりカーボンブラシのためのガイドを構成する。また、カーボンケースに保持ばねを設け、カーボンブラシを保持押圧力によってガイドの第１ガイド面に対して押圧する。

この種のブラシホルダでは、作動中に振動が生ずる際に、カーボンブラシがカーボンケースに対して傾動することがある。この振動は、移動のための遊びにより生ずる。このような移動のための遊びは、カーボンブラシをガイドに沿って移動できるようにするために保持しなければならない。この傾動、または移動のための遊びにより、接触面ならびにカーボンケースに接触する面において、部分的に磨耗が大きくなる恐れがある。傾動及びそれによって生ずる磨耗は、既知のブラシホルダにおいて、カーボンブラシをガイド面に押圧することにより明らかに低減できる。

特許文献１には、ばね装置を旋回可能に保持したカーボンケースが記載されている。このばね装置はロール状にした板ばねを有し、この板ばねの押圧部分を整流子から離れる側の、カーボンブラシの端面に押し付けることにより、カーボンブラシを整流子に対して押圧する。同時に、板ばねの遊端を曲げ出して設けた湾曲領域により、カーボンブラシをカーボンケースのガイド壁に対して押し付ける。
米国特許第３５２６７９７号明細書

既知のカーボンケースでは、ばね装置を非常に複雑な形状に形成するために、特別な収容部をカーボンケースに設けなければならないという欠点を有する。これにより、全体的にブラシホルダの製造コストが非常に高くなる。さらに、カーボンブラシを側面から押圧する湾曲領域が線形的応力を生じ、作動中に生ずる振動によってこの線形的応力が、カーボンブラシの侵食を助長する。

本発明の課題は、上述の欠点を回避し、低コストでブラシカーボンにおける磨耗を低減するブラシホルダを得ることにある。

この課題は、本発明特許請求の範囲における請求項１の後半部分に記載の特徴により解決する。この特徴によれば、保持ばねに、互いに接近する方向の締め付け力を生ずる２個の締め付け部分を設け、これらの部分間に、カーボンケースおよびカーボンブラシの双方の一部分を配置し、一方の部分をカーボンケースに、他方の部分をカーボンブラシに作用させる。

これにより、カーボンブラシを保持ばねによってカーボンケースに対して押圧し、磨耗の原因となる、振動によって引き起こされる２個の素子の間における相対移動を低減させることができる。その際、保持ばねの位置は、保持ばね自身の押圧力によって固定できるため、ブラシホルダに特別な保持手段を設ける必要がない。さらに、この種の伯父ばねは簡単に製造でき、多くの場合既製のブラシホルダに後付けできる。

とくに好適な実施例では、保持ばねを、カーボンケースを包囲するＵ字状の板ばねによって構成する。これにより、保持ばねを、とくに低コストで製造できる。

好適には、保持ばねの第１脚にカーボンケースに固定するための固定手段を設け、第２脚に圧着手段を設け、この圧着手段を、カーボンケースに設けた切除部に突入させ、カーボンケースに接触させる。これにより、保持ばねは、カーボンケースまたはカーボンブラシにそれぞれ直接接触する領域を有する。このためそれぞれの領域を、最適な状態でカーボンケースまたはカーボンブラシと連係動作するように構成できる。

好適には、固定手段を鼻状のラッチによって構成し、このラッチを、適合する形状を有するカーボンケースのラッチ収容部に係止する。これにより、保持ばねを自身の押圧力により、とくに安定的に、配置した位置において固定できる。

好適には、圧着手段によって圧着面を構成し、この圧着面をカーボンブラシに面接触させる。これにより、同程度の押付力で、圧着手段とカーボンブラシとの間の押圧力を相対的に小さく保つことができるため、さらにこの領域における磨耗を低減できる。

以下、図面につき本発明の好適な実施例を詳細に説明する。

図１には、部分的に手工具装置のブラシホルダ２を示す。このブラシホルダ２にカーボンケース４を支持し、このカーボンケース４によってカーボンブラシ６を案内軸線Ａに沿って案内し、詳細を図示しないロータの整流子８に電気的に接触させる。これに加えて、カーボンブラシ６に接触ばね力ＫＦの圧着力を加え、整流子８に対して押圧される。

さらに、カーボンケース４に保持ばね１０を設ける。この保持ばね１０を、とくに図２および図３に示すようにほぼＵ字状の板ばねによって構成する。保持ばね１０は第１脚１４において保持部分１２を有し、この保持部分１２に固定手段１６を設ける。この固定手段１６はカーボンケース４の対向固定手段１８と連係動作する。この場合、固定手段１６を鼻状のラッチとして構成し、適合する大きさの、対向固定手段１８として機能するラッチ受容部に侵入させる。

保持ばね１０の第２脚２０に構成した圧着部分２１に圧着手段２２を設け、この設置手段２２を圧着面２４により構成する。圧着手段２２をカーボンケース４の切除部２６に突入させ、カーボンブラシ６の側面２８に接触させる。

図３に示す非組み付け状態において、保持ばね１０には、第２脚２０の圧着面２４と固定手段１６に隣接する保持部分１２の圧着領域３０との間に間隔ａを設ける。この間隔ａを、図２に示すカーボンブラシ６の側面２８と、カーボンケース４の第１ガイド壁３４における、対向固定手段１８を設けた外側面３２との間における間隔ｂよりも小さいものとする。これにより、第１脚１４及び第２脚２０が、保持ばね１０を取り付けてカーボンケース４を包囲した状態において互いに接近し合う押圧力を発生する。このため、圧着面２４が保持押圧力ＨＦで、カーボンブラシ６を第１ガイド壁３４の内側面３６に押し付ける。これにより、内側面３６がカーボンケース４のガイド３８における第１ガイド面を、圧着面２４がこの第１ガイド面から離間する第２ガイド面を構成し、この第１ガイド面及び第２ガイド面に沿って、カーボンブラシ６を接触ばね力ＫＦにより整流子８に対して押圧する。

本発明によるブラシホルダの側面図である。 図１に示すブラシホルダにおけるカーボンケースのII‐II線上の縦断面図である。 図２に示すカーボンケースの保持ばねを単独で示した斜視図である。

符号の説明

２ ブラシホルダ
４ カーボンケース
６ カーボンブラシ
８ 整流子
１０ 保持ばね
１２ 保持部分
１４ 第１脚
１６ 固定手段
１８ 対向固定手段
２０ 第２脚
２１ 圧着部分
２２ 圧着手段
２４ 圧着面
２６ 切除部
２８ 側面
３０ 圧着領域
３２ 外側面
３４ 第１ガイド壁
３６ 内側面
３８ ガイド
Ａ 案内軸線
ａ 間隔
ｂ 間隔
ＨＦ 保持押圧力
ＫＦ 接触ばね力

Claims (2)

1. カーボンケース（４）を有するブラシホルダ（２）であって、カーボンケース（４）は、カーボンブラシ（６）のためのガイド（３８）を構成し、また、カーボンケース（４）に保持ばね（１０）を設け、カーボンブラシ（６）を保持押圧力（ＨＦ）によって前記ガイド（３８）の第１ガイド面に対して押圧する該ブラシホルダ（２）において、
   前記保持ばね（１０）に、互いに接近する方向の締め付け力を生ずる２個の締め付け部分（１２，２１）を設け、これら締め付け部分（１２，２１）間に、カーボンケース（４）およびカーボンブラシ（６）の双方の一部を配置し、
   保持ばね（１０）を、カーボンケース（４）を包囲するＵ字状の板ばねによって構成し、
   保持ばね（１０）の第１脚（１４）にカーボンケース（４）に固定するための固定手段（１６）を、第２脚（２０）に圧着手段（２２）を設け、この圧着手段（２２）を、カーボンケース（４）に設けた切除部（２６）に突入させ、カーボンブラシ（６）に接触させるとともに、
   固定手段（１６）を鼻状のラッチによって構成し、このラッチを、適合する形状を有するカーボンケース（４）のラッチ収容部に係止可能にしたことを特徴とするブラシホルダ。
2. 請求項１記載のブラシホルダにおいて、圧着手段（２２）によって圧着面（２４）を構成し、この圧着面（２４）をカーボンブラシ（６）に面接触させたブラシホルダ。

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