JP5313965B2 - NOxセンサの劣化シミュレータ - Google Patents

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Description

本発明は、被検出ガス中のNOx濃度を検出可能なNOxセンサが劣化した状態において出力する検出信号(劣化信号)を、擬似的に発生するNOxセンサの劣化シミュレータに関する。
従来、自動車のエンジンなどの内燃機関の排気通路に取り付けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサが知られている。酸素センサのセンサ素子は、固体電解質体に一対の電極を形成したセルを少なくとも1つ以上有する構成をなし、セルを介して出力される酸素濃度に応じた検出信号に基づいて、排気ガスの酸素濃度を検出するものである。酸素センサから出力される検出信号はECU(電子制御ユニット)に送信され、ECUでは、受信した検出信号に基づき排気ガスの酸素濃度、ひいては空燃比を算出し、エンジンにおける燃料の噴射量の調整等の空燃比フィードバック制御が行われる。
こうした酸素センサは、センサ素子が排気通路内で排気ガスに曝されることとなるため、長期間の使用に伴い経時劣化が生ずる。そこでECUの開発では、酸素センサがある程度劣化した状態でも空燃比フィードバック制御の精度を維持することができるように、酸素センサ劣化時の検出信号(劣化信号)に対しても最適なフィードバック制御のパラメータを決定できるようにする設計が行われている。例えば、加速耐久試験によって劣化度合いの異なる酸素センサを用意し、それら酸素センサから得られる劣化信号と、正常な酸素センサの検出信号とを用い、劣化信号の過渡的な段階における信号状態を予測して、パラメータの設定を行っている。しかし、加速耐久試験で狙い通りの劣化状態を再現することが難しいため、酸素センサの劣化状態を擬似的に発生することのできる劣化シミュレータが開発され、その劣化シミュレータを用いてECUの設計がなされている(例えば特許文献1参照)。
また、自動車のエンジンなどの内燃機関の排気通路に取り付けられ、排気ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサが知られている。NOxセンサのセンサ素子は、排気ガスを導入する第1測定室と、第1測定室に一方の電極が配置され、他方の電極が第1測定室外部に配置される第1の酸素ポンプセルと、第1測定室に連通する第2測定室と、第2測定室に一方の電極が配置され、他方の電極が第2測定室の外部に配置される第2の酸素ポンプセルとを含む構成をなしている。そして、このNOxセンサでは、第1測定室内に導入された排気ガス中の酸素濃度が略一定となるように、第1の酸素ポンプセルを用いて酸素の汲み出しまたは汲み入れを行って当該酸素濃度を調整すると共に、第2の酸素ポンプセルの一対の電極間に一定の電圧を供給し、第2測定室に導入された酸素濃度調整後のガスに含まれるNOxを還元または分解させ、その際に第2の酸素ポンプセルに流れる電流の大きさに基づき、排気ガス中のNOx濃度の検出を行っている。
こうしたNOxセンサにおいても長期間の使用に伴う経時劣化が生じ、例えば検出信号(第2の酸素ポンプセルにおける出力)が落ちて感度が低下する場合があった。このような場合には、劣化シミュレータを用い、NOx濃度を検出するためにセンサ素子に流す電流の大きさを抵抗値等で可変に調整することで、感度の落ちたNOxセンサから出力される検出信号を模擬することが可能である(例えば特許文献2参照)。
特開2004−93957号公報 特開2004−93400号公報
しかしながら、特許文献2において示唆されている劣化シミュレータは、上記のように、NOxセンサのセンサ素子に流す電流そのものの大きさを抵抗値等で可変に調整するものであり、厳密には、NOxセンサが劣化した状態を模擬したものではなく、NOxセンサの制御回路(センサ素子に電流を流す回路)が劣化した状態を模擬したものにすぎなかった。そもそも、NOxセンサの用途からすればNOx濃度の検出が行えれば十分であり、よって劣化シミュレータの機能としては、ゲインを変更し、検出信号が低下した状態を模擬できれば十分と考えられていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、NOxセンサが劣化した状態において出力する劣化信号の様々な形態を模擬することができるNOxセンサの劣化シミュレータを提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、第1固体電解質体および当該第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有し、前記一対の第1電極のうちの一方の電極が、被検出ガスが導入される第1検出室内に配置され、当該第1検出室に導入された前記被検出ガスに含まれる酸素濃度の調整を行う第1酸素ポンプセルと、第2固体電解質体および当該第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有し、前記一対の第2電極のうちの一方の電極が、前記第1検出室に連通される第2検出室内に配置され、前記第1検出室から前記第2検出室に導入される、前記酸素濃度が調整された前記被検出ガスに含まれるNOxの還元または分解を行うことによって、前記一対の第2電極間に前記被検出ガス中のNOx濃度に応じたNOx濃度電流が流れる第2酸素ポンプセルと、を備えたNOxセンサに接続され、前記NOx濃度電流に基づき、当該NOxセンサの目標とする第1の劣化状態に劣化したときの前記NOx濃度電流に対応する第1劣化信号を擬似的に生成するNOxセンサの劣化シミュレータであって、前記第2酸素ポンプセルに流れる前記NOx濃度電流を示す第1検出信号を取得する第1検出信号取得手段と、前記第1検出信号取得手段によって取得された前記第1検出信号を、第1の劣化目標に応じて変化させる第1劣化処理手段と、前記第1劣化処理手段によって変化された前記第1検出信号に応じて第1劣化電流を生成し、当該第1劣化電流を前記第1劣化信号として外部回路に出力する第1出力処理手段と、を備え、前記第1劣化処理手段は、前記第1の劣化目標に応じて、前記第1検出信号の値を上下させるオフセット補正、前記被検出ガス中のNOx濃度変化に対応して前記第1検出信号が変化し始める時間を遅延させる時間特性補正、および、前記被検出ガス中のNOx濃度変化に対応する前記第1検出信号の変化速度を変化させる応答特性補正、の少なくとも一つを実行しており、前記第1劣化信号を擬似的に生成するのに加えて、前記第1酸素ポンプセルの前記一対の第1電極に流れる酸素濃度に応じた酸素濃度電流を示す第2検出信号を取得する第2検出信号取得手段と、前記第2検出信号取得手段によって取得された前記第2検出信号を、第2の劣化目標に応じて変化させる第2劣化処理手段と、前記第2劣化処理手段によって変化された前記第2検出信号に応じて第2劣化電流を生成し、当該第2劣化電流を、前記酸素濃度電流に対応する第2劣化信号として前記外部回路に出力する第2出力処理手段と、をさらに備えたNOxセンサの劣化シミュレータが提供される。
本発明の態様では、NOxセンサが劣化したときのNOx濃度電流に対応する第1劣化信号を擬似的に生成して外部回路に出力することができるので、ECUの開発や自動車の性能試験など、従来、加速耐久試験によってNOxセンサを実際に劣化させて行っていた各種試験や開発を、より簡単に行うことができる。一般に、加速耐久試験でNOxセンサを狙いの劣化状態とするのは難しく、特に、稀にしか生じない劣化状態を生じたNOxセンサが原因で起こる虞のある不具合等の場合、再現試験を行うことは難しい。本発明の態様の劣化シミュレータを用いれば、オフセット補正、時間特性補正、応答特性補正の少なくとも一つを実行することができるので、NOxセンサの一般的な劣化状態のみならず、稀にしか生じない劣化状態であっても容易に再現することができ、各種試験や開発を、確実かつ精度よく行うことができる。さらに、すでに自動車や試験装置に取り付け済みのNOxセンサをわざわざ取り外さずとも、NOxセンサと外部回路との間に劣化シミュレータを介在させるだけで済むので、各種試験や開発を円滑に行うこともできる。
また、本発明の態様において、前記第1劣化処理手段は、前記第1検出信号のゲインを変化させるゲイン補正を実行可能であり、前記第1の劣化目標に応じて、前記オフセット補正、前記時間特性補正、前記応答特性補正および前記ゲイン補正のうちの二つ以上を実行してもよい。オフセット補正、時間特性補正、応答特性補正に加え、さらにゲイン補正を実行すれば、NOxセンサの様々な劣化状態を再現することができ、各種試験や開発を、より確実に、より精度よく、より円滑に行うことができる。
NOxセンサ10、センサ制御装置50および劣化シミュレータ70の電気的な構成を示す図である。 劣化模擬処理のフローチャートである。 ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理の概要について説明するための図である。
以下、本発明を具体化したNOxセンサの劣化シミュレータの一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されているセンサや装置などの構成、各種処理のフローチャート等は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図1に示す、劣化シミュレータ70は、自動車の排気通路(図示外)に取り付けられるNOxセンサ10と、NOxセンサ10の制御を担うセンサ制御装置50との間に介在される装置である。まず、NOxセンサ10の構成について説明する。
図1に示す、NOxセンサ10は、排気ガス中の酸素濃度、および、NOxの濃度を検出可能な検出素子11を、排気管(図示外)に取り付けるためのハウジング(図示外)内に保持した公知の構造を有する。また、NOxセンサ10からは、検出素子11の出力する信号を取り出すための信号線や、検出素子11に併設されるヒータ素子35に通電するための通電線が引き出されている。NOxセンサ10が通常使用される場合には、これら信号線および通電線を介し、NOxセンサ10とセンサ制御装置50とが電気的に接続される。なお、センサ制御装置50が、本発明における「外部回路」に相当する。
NOxセンサ10の検出素子11は、3枚の細長で長尺な板状の固体電解質体12,13,14の間に、アルミナ等からなる絶縁体15,16をそれぞれ挟み、層状をなすように形成したものである。また、固体電解質体14の外層(図1における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層36,37を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン38を埋設したヒータ素子35が、検出素子11と一体に設けられている。ヒータ素子35は、固体電解質体12〜14の活性化のために設けられるものである。
固体電解質体12,13,14はジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。検出素子11の積層方向において固体電解質体12の両面には、固体電解質体12を挟むように多孔質性の電極17,18がそれぞれ設けられている。この電極17,18は、PtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。また、電極17,18の表面上にはセラミックスからなる多孔質性の保護層19,20がそれぞれ形成されている。保護層19,20は、電極17,18が排気ガスに含まれる被毒成分に晒されることにより劣化しないよう保護するものである。
固体電解質体12は、両電極17,18間に電流を流すことで、電極17の接する雰囲気(検出素子11の外部の雰囲気)と電極18の接する雰囲気(後述する第1検出室23内の雰囲気)との間で、酸素の汲み出しおよび汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。本実施の形態では、固体電解質体12および電極17,18を、「Ip1セル」2と称することとする。なお、Ip1セル2が、本発明の「第1酸素ポンプセル」に相当し、固体電解質体12および電極17,18が、それぞれ、本発明の「第1固体電解質体」および「一対の第1電極」に相当する。
なお、NOxセンサ10と、後述するセンサ制御装置50とが直接接続される通常使用時においては、電極17は、センサ制御装置50の制御回路部55(後述)のIp1+ポート51に接続される。同様に、電極18は、制御回路部55のCOMポート52に接続される。便宜上、NOxセンサ10側にも、Ip1+ポート51に対応するIp1+ポート41、およびCOMポート52に対応するCOMポート42を設けている(具体的には、センサ制御装置50との接続のための信号線が接続される検出素子11の電極パッド(図示外)に相当する。)。
次に、固体電解質体13は、絶縁体15を挟んで固体電解質体12と対向するように配置されている。検出素子11の積層方向における固体電解質体13の両面にも、固体電解質体13を挟むように多孔質性の電極21,22がそれぞれ設けられており、同様にPtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。そのうちの電極21は、固体電解質体12と向き合う側の面に形成されている。
また、固体電解質体12と固体電解質体13との間には、小空間としての第1検出室23が形成されており、固体電解質体12側の電極18と、固体電解質体13側の電極21とが第1検出室23内に配置されている。この第1検出室23は、排気通路内を流通する排気ガスが検出素子11内に最初に導入される小空間である。第1検出室23の検出素子11における先端側には、第1検出室23内外の仕切りとして、第1検出室23内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質の第一拡散抵抗部24が設けられている。同様に、第1検出室23の検出素子11における後端側にも、後述する第2検出室30につながる開口部25と第1検出室23の仕切りとして、排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質の第二拡散抵抗部26が設けられている。
固体電解質体13および電極21,22は、主として、固体電解質体13により隔てられた雰囲気(電極21の接する第1検出室23内の雰囲気と、電極22に接する基準酸素室29(後述)内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生することができるものである。本実施の形態では、固体電解質体13および電極21,22を、「Vsセル」3と称することとする。
なお、NOxセンサ10と、後述するセンサ制御装置50とが直接接続される通常使用時においては、電極21は、制御回路部55(後述)のCOMポート52に接続される。同様に、電極22は、制御回路部55のVs+ポート53に接続される。また、便宜上、NOxセンサ10側にも、Vs+ポート53に対応するVs+ポート43を設けている点について、上記同様である。
次に、固体電解質体14は、絶縁体16を挟んで固体電解質体13と対向するように配置されている。固体電解質体14の固体電解質体13側の面にも同様に、PtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成された多孔質性の電極27,28がそれぞれ設けられている。
電極27が形成された位置には絶縁体16が配置されておらず、独立した小空間としての基準酸素室29が形成されている。この基準酸素室29内には、Vsセル3の電極22が配置されている。なお、基準酸素室29内には、セラミック製の多孔質体が充填されている。また、電極28が形成された位置にも絶縁体16が配置されておらず、独立した小空間としての第2検出室30が形成されている。そして、上記した第二拡散抵抗部26および開口部25を介し、この第2検出室30が第1検出室23に連通するように、固体電解質体13にも開口部31が設けられている。
固体電解質体14および電極27,28は、絶縁体16により隔てられた雰囲気(電極27に接する基準酸素室29内の雰囲気と、電極28に接する第2検出室30内の雰囲気)間にて酸素の汲み出しを行うことができるものである。本実施の形態では、固体電解質体14および電極27,28を、「Ip2セル」4と称することとする。なお、Ip2セル4が、本発明の「第2酸素ポンプセル」に相当し、固体電解質体14および電極27,28が、それぞれ、本発明の「第2固体電解質体」および「一対の第2電極」に相当する。
なお、NOxセンサ10と、後述するセンサ制御装置50とが直接接続される通常使用時においては、電極27は、制御回路部55(後述)のIp2+ポート54に接続される。同様に、電極28は、制御回路部55のCOMポート52に接続される。また、便宜上、NOxセンサ10側にも、Ip2+ポート54に対応するIp2+ポート44を設けている点について、上記同様である。
次に、センサ制御装置50の構成について説明する。センサ制御装置50は、NOxセンサ10の通常使用時においては、NOxセンサ10に直接接続されて、検出素子11およびヒータ素子35の制御を行う装置である。センサ制御装置50は、検出素子11の駆動制御を行う制御回路部55と、ヒータ素子35の駆動制御を行うヒータ制御部57と、制御回路部55およびヒータ制御部57の駆動制御を行うマイクロコンピュータ56と、通信部58とを有する。
制御回路部55は、検出素子11の各ポート41〜44(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)のそれぞれに対応し、信号線を介して接続されるIp1+ポート51、COMポート52、Vs+ポート53、Ip2+ポート54を有する。また、制御回路部55は、図示しない、公知のIp1/Vs制御回路と、Ip2制御回路とを有する。Ip1/Vs制御回路は、Vsセル3の電極21,22間の電圧(換言すると、Vsセル3に生ずる起電力)が一定値(たとえば425mV)となるように、Ip1セル2の電極17,18間に流す電流(以下、「Ip1電流」ともいう。)を制御する。すなわち、Vsセル3に生ずる起電力が一定となるように、Ip1電流を流して第1検出室23における酸素の汲み出しまたは汲み入れをIp1セル2にて行うことによって、第1検出室23の酸素濃度を一定に調整するフィードバック制御を行う。排気ガス中の酸素濃度の検出は、このIp1電流に基づいて行われる。
また、Ip1セル2によって第1検出室23内に導入された排気ガス中の酸素濃度は、所定の濃度に調整されて、第2検出室30に導入されることとなる。Ip2制御回路は、Ip2セル4の電極27,28間に一定の電圧(たとえば450mV)が印加されるように、両電極27,28間に流す電流(以下、「Ip2電流」ともいう。)を制御する。すなわち、電極28に電圧を印加して、第2検出室30に導入された排気ガス中のNOxを分解させ、Ip2セル4でNOx由来の酸素を運搬する。このとき流れるIp2電流に基づき、排気ガス中のNOx濃度の検出が行われる。
マイクロコンピュータ56は、公知のCPU、ROM、RAM等を備えた演算装置であり、あらかじめ組み込まれたプログラムに従って制御回路部55に制御信号を出力し、Ip1/Vs制御回路およびIp2制御回路の駆動状態を制御する。マイクロコンピュータ56はヒータ制御部57にも制御信号を出力し、ヒータ素子35への通電を制御する。また、マイクロコンピュータ56には、Ip1/Vs制御回路による排気ガス中の酸素濃度の検出結果や、Ip2制御回路によるNOx濃度の検出結果が入力される。そして、マイクロコンピュータ56は、自動車に搭載される各種電子部品の制御を司る、公知のECU(電子制御ユニット)5に対し、通信部58を介して上記の検出結果を出力する。
次に、劣化シミュレータ70の構成について説明する。前述したように、劣化シミュレータ70は、NOxセンサ10とセンサ制御装置50との間に介在される装置である。NOxセンサ10の各ポート41〜44(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)に接続するため、それぞれに対応する各ポート101〜104(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)を有する。同様に、センサ制御装置50の各ポート51〜54(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)との接続のため、それぞれに対応する各ポート105〜108(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)も有する。また、劣化シミュレータ70は、上記のセンサ制御装置50と同一、あるいはヒータ制御部57や通信部58等の構成を省き簡略化されたセンサ制御装置60(本実施の形態では後者)を内蔵する。さらに、劣化シミュレータ70は、マイクロコンピュータ79、検出抵抗R1,R2,R3、差動増幅回路85,86、A/Dコンバータ81,82、D/Aコンバータ91,92、電圧電流変換回路95,96、Ip−Vs変換回路97、操作部100を備える。
劣化シミュレータ70の入力側の各ポート101〜104(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)は、それぞれ、センサ制御装置60の対応する各ポート61〜64(Ip1+,COM,Vs+,Ip2+)に接続されている。そのうち、Ip1+ポート101とIp1+ポート61との間に、検出抵抗R1が設けられている。検出抵抗R1の両端は差動増幅回路85に接続されており、Ip1セル2の電極17,18間を流れるIp1電流が電圧変換されるとともに増幅される。さらにA/Dコンバータ81を介してデジタル変換され、Ip1セル2を流れるIp1電流によって示される酸素濃度の検出信号(Ip1信号)として、マイクロコンピュータ79に入力される。マイクロコンピュータ79においては、後述するIp1劣化模擬回路部88にて行われる劣化模擬処理により、Ip1信号をもとに、NOxセンサ10が劣化したときの酸素濃度の検出信号を模擬したIp1模擬信号が擬似的に生成される。Ip1模擬信号はD/Aコンバータ91を介してアナログ変換され、さらに電圧電流変換回路95に入力されてIp1劣化電流(劣化が模擬されたIp1電流に相当)に変換され、Ip1劣化信号(劣化が模擬されたIp1信号に相当)として、Ip1+ポート105からセンサ制御装置50に対し出力される。なお、電圧電流変換回路95とIp1+ポート105との間には、検出抵抗R3が設けられている。
同様に、Ip2+ポート104とIp2+ポート64との間にも、検出抵抗R2が設けられている。検出抵抗R2の両端に接続された差動増幅回路86によって、Ip2セル4の電極27,28間を流れるIp2電流が電圧変換されるとともに増幅され、さらにA/Dコンバータ82を介し、Ip2セル4を流れるIp2電流によって示されるNOx濃度の検出信号(Ip2信号)として、マイクロコンピュータ79に入力される。マイクロコンピュータ79においては、後述するIp2劣化模擬回路部89にて行われる劣化模擬処理により、Ip2信号をもとに、NOxセンサ10が劣化したときのNOx濃度の検出信号を模擬したIp2模擬信号が擬似的に生成される。Ip2模擬信号はD/Aコンバータ92を介してアナログ電圧に変換され、さらに電圧電流変換回路96に入力されてIp2劣化電流に変換され、Ip2劣化信号として、Ip2+ポート108からセンサ制御装置50に対し出力される。なお、検出抵抗R2、差動増幅回路86、およびA/Dコンバータ82が、本発明における「第1検出信号取得手段」に相当し、D/Aコンバータ92および電圧電流変換回路96が、本発明における「第1出力処理手段」に相当する。
NOxセンサ10のCOMポート42に接続されるCOMポート102は、制御回路部55のCOMポート52とCOMポート42とが同電位になるように、COMポート52に接続されるCOMポート106に直接接続されている。また、Vs+ポート103の電圧は、Ip−Vs変換回路97に入力されている。さらに、Ip−Vs変換回路97には検出抵抗R3の両端が接続されており、検出抵抗R3を流れるIp1劣化電流(劣化が模擬されたIp1電流)の大きさが電圧の大きさに変換されて入力される。Ip−Vs変換回路97は、増幅回路等を用いて構成され、電圧変換したIp1劣化電流を増幅(例えば、約10000倍に増幅)してVs+ポート103の電圧に重畳し(換言すると、Vs+ポート103の電位をIp1劣化電流の大きさにあわせてオフセットする。)、Vs+ポート107から、センサ制御装置50に対し出力する。Ip−Vs変換回路97によって、Ip1劣化電流によって模擬された電流劣化の度合いに応じたVsセル3の起電力が、模擬される。また、操作部100には、図示しない操作パネルやモニタ等が設けられており、利用者が劣化シミュレータ70の各種設定(後述する利得率Gain、電圧値Offset、無駄時間Tの設定など)を行うことができる。なお、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部機器との接続ポートを有し、外部機器から各種設定を行えるようにしてもよい。
次に、劣化シミュレータ70のマイクロコンピュータ79において行われる劣化模擬処理について説明する。マイクロコンピュータ79は、公知のCPU、ROM、RAM等を備えた演算装置であり、あらかじめROMに記憶されたプログラムに従って劣化模擬処理を行う。本実施の形態では、便宜上、図1におけるマイクロコンピュータ79の構成を、機能的なブロック図によって示している。マイクロコンピュータ79は、Ip1電流に基づく入力信号(Ip1電流を電圧変換し、さらにデジタル変換したIp1信号)に対して劣化模擬処理を行って、その信号の劣化した状態を模擬した出力信号(Ip1模擬信号)を生成する機能的なブロックとして、Ip1劣化模擬回路部88を有する。同様に、Ip2電流に基づく入力信号(Ip2電流を電圧変換し、さらにデジタル変換したIp2信号)に対して劣化模擬処理を行って、その信号の劣化した状態を模擬した出力信号(Ip2模擬信号)を生成する機能的なブロックとして、Ip2劣化模擬回路部89を有する。なお、Ip2劣化模擬回路部89が、本発明における「第1劣化処理手段」に相当する。
Ip1劣化模擬回路部88は、機能ブロックとして、ゲイン劣化ブロック71、オフセット劣化ブロック72、応答遅れブロック73、無駄時間遅れブロック74を有する。そして各機能ブロックにおいて、Ip1信号に対し、順に、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理を施すことにより、Ip1模擬信号が生成される。Ip2劣化模擬回路部89も同様に、機能ブロックとして、ゲイン劣化ブロック75、オフセット劣化ブロック76、応答遅れブロック77、無駄時間遅れブロック78を有する。そして各機能ブロックにおいて、Ip2信号に対し、順に、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理を施すことにより、Ip2模擬信号が生成される。なお、Ip1劣化模擬回路部88の各機能ブロックにおいて行われる劣化模擬処理は、Ip2劣化模擬回路部89の各機能ブロックにおいて行われる劣化模擬処理と同様の処理となっている。よって以下では、Ip2劣化模擬回路部89の各機能ブロックにおいて行われる各処理を例に、劣化模擬処理についての説明を行うものとする。また、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理の具体的な処理方法については公知であり、以下では概略的な説明を行うものとする。ゲイン劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理の詳細については、例えば、特開2007−315210号公報を参照されたい。また、オフセット劣化処理の詳細については、例えば、特開2008−203152号公報を参照されたい。なお、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理が、それぞれ、本発明における「ゲイン補正」、「オフセット補正」、「応答特性補正」、「時間特性補正」に相当する。
Ip2劣化模擬回路部89における劣化模擬処理は、図2に示すフローチャートのように、マイクロコンピュータ79で実行されるプログラムに従って行われる。Ip2電流に基づくIp2信号はマイクロコンピュータ79に随時入力されている。Ip2劣化模擬回路部89では、所定時間(例えば25msec)ごとに、Ip2信号を取得し、劣化模擬処理を施してIp2模擬信号を生成し、出力している。
図2に示すように、まず、Ip2電流に基づくIp2信号が読み込まれ、変数Vip2として、図示しないRAMに記憶される(S11)。この変数Vip2に対し、あらかじめ設定された利得率Gainを掛け合わせ、演算結果を変数Vip2に上書きするゲイン劣化処理(Vip2←Vip2×Gain)が行われる(S13)。ゲイン劣化処理は、入力信号の電圧値に利得率Gainを掛け、増幅あるいは減衰させた出力信号を生成する処理である。例えば、図3に例示するように、(A)に示す入力信号に対してゲイン劣化処理(ここでは減衰)を施せば、(B)に示すように、電圧値が利得率Gainに応じて増加あるいは減少(ここでは減少)した出力信号を生成することができる。
次に、変数Vip2に対し、あらかじめ設定された電圧値Offsetを重畳し、演算結果を変数Vip2に上書きするオフセット劣化処理(Vip2←Vip2+Offset)が行われる(S15)。オフセット劣化処理は、入力信号の電圧値を所定の電圧値Offset分ずらした出力信号を生成する処理である。例えば、図3に例示するように、(A)に示す入力信号に対してオフセット劣化処理(ここでは正の電圧値Offsetを重畳)を施せば、(C)に示すように、電圧値を上下にずらした(ここでは上側にずらした)出力信号を生成することができる。
次いで、変数Vip2に対し、例えば一次遅れの伝達関数を適用した演算を行ってなまし、演算結果を変数Vip2に上書きする応答遅れ処理(Vip2←Vip2×1/(1+τs))が行われる(S17)。応答遅れ処理は、入力信号の電圧値の変化の度合いを緩慢化させて変動させる(なます)処理である。一次遅れの伝達関数G(s)は、以下の式によって表される。
G(s)=k/(1+τs)、ただし、τ:時定数、k:ゲイン(ここではk=1)とする。
例えば、図3に例示するように、(A)に示す入力信号に対して応答遅れ処理を施せば、(D)に示すように、電圧値が急峻な変化を表す入力信号と比べ電圧値の変化が緩慢になり、入力信号に遅れて追従する変化を表す出力信号を生成することができる。
さらに、変数Vip2に対し、無駄時間遅れ処理が行われる。無駄時間遅れ処理は、入力信号を、あらかじめ無駄時間として設定された時間T後に出力する処理である。例えば、図3に例示するように、(A)に示す入力信号に対して無駄時間遅れ処理を施せば、(E)に示すように、入力信号よりもタイミングが遅れた出力信号を生成することができる。
無駄時間遅れ処理では、上記のように、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理が施された、現在の変数Vip2に、経過時間情報(初回の経過時間は0)を付加した上で(S19)、RAMに一旦保存する(S21)。次に、保存されているすべての変数Vip2の経過時間を、それぞれ、単位時間分進める(S23)。そして、経過時間情報として保持する経過時間が無駄時間Tに達した変数Vip2を信号値とするIp2模擬信号が、上記したように、D/Aコンバータ91および電圧電流変換回路95を介してIp2劣化電流に変換され、Ip2劣化信号として、センサ制御装置50に順次出力される(S25)。一方で、今回取得されたIp2信号に基づく変数Vip2は、無駄時間Tが経過するまで、RAMに保持されることとなる。
Ip2信号に対し、上記S11〜S25の劣化模擬処理が行われた後、所定時間(例えば25msec)の経過を待って(S27:NO)、S11に戻ることで(S27:YES)、新たに取得されるIp2信号に対しても劣化模擬処理が実施される。
以上説明したように、本実施の形態の劣化シミュレータ70は、NOxセンサ10が劣化したときのIp2電流に対応するIp2劣化信号を擬似的に生成してセンサ制御装置50に出力することができるので、ECU5の開発や自動車の性能試験など、従来、加速耐久試験によってNOxセンサを実際に劣化させて行っていた各種試験や開発を、より簡単に行うことができる。一般に、加速耐久試験でNOxセンサを狙いの劣化状態とするのは難しく、特に、稀にしか生じない劣化状態を生じたNOxセンサが原因で起こる虞のある不具合等の場合、再現試験を行うことは難しい。本実施の形態の劣化シミュレータ70を用いれば、オフセット劣化処理、無駄時間遅れ処理、応答遅れ処理の少なくとも一つを実行することができるので、NOxセンサ10の一般的な劣化状態のみならず、稀にしか生じない劣化状態であっても容易に再現することができ、各種試験や開発を、確実かつ精度よく行うことができる。さらに、すでに自動車や試験装置に取り付け済みのNOxセンサ10をわざわざ取り外さずとも、NOxセンサ10とセンサ制御装置50との間に劣化シミュレータ70を介在させるだけで済むので、各種試験や開発を円滑に行うこともできる。上記に加えてゲイン劣化処理を実行すれば、NOxセンサ10の様々な劣化状態を再現することができ、各種試験や開発を、より確実に、より精度よく、より円滑に行うことができる。また、劣化シミュレータ70では、さらに、NOxセンサ10が劣化したときのIp1電流に対応するIp1劣化信号を擬似的に生成して外部回路に出力することができるので、Ip2電流が劣化状態に応じて変化した場合だけでなく、Ip1電流が変化した場合も含めた総合的なNOxセンサ10の劣化状態を容易に再現することができる。ゆえに、NOxセンサ10の様々な劣化状態を想定したECUの開発や自動車の性能試験などを、より確実に、より精度よく、より円滑に行うことができる。
また、劣化シミュレータ70は、センサ制御装置50とほぼ同一な構成のセンサ制御装置60を内蔵することで、NOxセンサ10の制御を既存の回路で行うことができる。ゆえに、NOxセンサ10の制御においてやりとりされる信号に矛盾がない。その上で、NOxセンサ10から得られる検出信号(Ip1信号、Ip2信号)を加工した劣化信号(Ip1劣化信号、Ip2劣化信号)をセンサ制御装置50に出力することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、劣化模擬処理では、ゲイン劣化処理、オフセット劣化処理、応答遅れ処理、無駄時間遅れ処理を、それぞれ独立して実行することが可能であり、一部の処理を行わずともよく、少なくとも二つ以上の処理が実行されればよい。
また、本実施の形態では、劣化模擬処理のプログラムを実行することでソフトウェア的にIp1信号やIp2信号からIp1模擬信号やIp2模擬信号を生成したが、一部の処理については、ロジック回路を構成したアナログまたはデジタルハードウェア回路を作製し、Ip1模擬信号やIp2模擬信号の生成を行うようにしてもよい。例えばゲイン劣化処理の場合、Ip1電流,Ip2電流を検出抵抗R1,R2で電圧変換したIp1信号,Ip2信号を差動増幅回路85,86で増幅する際に、増幅率をトリマ抵抗を用いて任意に変更できるようにすればよい。また、オフセット劣化処理の場合、基準電圧(例えば5V)を抵抗で分圧し、分圧した電圧(オフセット電圧)を、Ip1信号,Ip2信号の電圧値に重畳すればよい。このとき、分圧抵抗の一方にトリマ抵抗を用いてオフセット電圧を任意に変更できるようにすればよい。オフセット電圧は、差動増幅回路85,86のレファレンス電圧とすればよい。応答遅れ処理の場合、Ip1信号,Ip2信号を、例えば一次のローパスフィルタを通過させ、信号をなまして出力すればよい。ローパスフィルタはコンデンサと抵抗で構成されるが、応答性を表す時定数τをC×Rで算出することができるので、CまたはRの値を調整すれば(例えばトリマ抵抗を用いてRを調整する。)、応答性の調整が可能である。ローパスフィルタは、差動増幅回路85,86の後段に設ければよい。
2 Ip1セル
4 Ip2セル
10 NOxセンサ
12,14 固体電解質体
17,18,27,28 電極
23 第1検出室
30 第2検出室
50 センサ制御装置
70 劣化シミュレータ
75 ゲイン劣化ブロック
76 オフセット劣化ブロック
77 応答遅れブロック
78 無駄時間遅れブロック
79 マイクロコンピュータ
81,82 A/Dコンバータ
85,86 差動増幅回路
88,89 劣化模擬回路部
91,92 D/Aコンバータ
95,96 電圧電流変換回路
97 Ip−Vs変換回路
R1,R2 検出抵抗

Claims (2)

  1. 第1固体電解質体および当該第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有し、前記一対の第1電極のうちの一方の電極が、被検出ガスが導入される第1検出室内に配置され、当該第1検出室に導入された前記被検出ガスに含まれる酸素濃度の調整を行う第1酸素ポンプセルと、
    第2固体電解質体および当該第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有し、前記一対の第2電極のうちの一方の電極が、前記第1検出室に連通される第2検出室内に配置され、前記第1検出室から前記第2検出室に導入される、前記酸素濃度が調整された前記被検出ガスに含まれるNOxの還元または分解を行うことによって、前記一対の第2電極間に前記被検出ガス中のNOx濃度に応じたNOx濃度電流が流れる第2酸素ポンプセルと、
    を備えたNOxセンサに接続され、前記NOx濃度電流に基づき、当該NOxセンサの目標とする第1の劣化状態に劣化したときの前記NOx濃度電流に対応する第1劣化信号を擬似的に生成するNOxセンサの劣化シミュレータであって、
    前記第2酸素ポンプセルに流れる前記NOx濃度電流を示す第1検出信号を取得する第1検出信号取得手段と、
    前記第1検出信号取得手段によって取得された前記第1検出信号を、第1の劣化目標に応じて変化させる第1劣化処理手段と、
    前記第1劣化処理手段によって変化された前記第1検出信号に応じて第1劣化電流を生成し、当該第1劣化電流を前記第1劣化信号として外部回路に出力する第1出力処理手段と、
    を備え、
    前記第1劣化処理手段は、前記第1の劣化目標に応じて、前記第1検出信号の値を上下させるオフセット補正、前記被検出ガス中のNOx濃度変化に対応して前記第1検出信号が変化し始める時間を遅延させる時間特性補正、および、前記被検出ガス中のNOx濃度変化に対応する前記第1検出信号の変化速度を変化させる応答特性補正、の少なくとも一つを実行しており、
    前記第1劣化信号を擬似的に生成するのに加えて
    記第1酸素ポンプセルの前記一対の第1電極に流れる酸素濃度に応じた酸素濃度電流を示す第2検出信号を取得する第2検出信号取得手段と、
    前記第2検出信号取得手段によって取得された前記第2検出信号を、第2の劣化目標に応じて変化させる第2劣化処理手段と、
    前記第2劣化処理手段によって変化された前記第2検出信号に応じて第2劣化電流を生成し、当該第2劣化電流を、前記酸素濃度電流に対応する第2劣化信号として前記外部回路に出力する第2出力処理手段と、
    をさらに備えたことを特徴とするNOxセンサの劣化シミュレータ。
  2. 前記第1劣化処理手段は、
    前記第1検出信号のゲインを変化させるゲイン補正を実行可能であり、
    前記第1の劣化目標に応じて、前記オフセット補正、前記時間特性補正、前記応答特性補正および前記ゲイン補正のうちの二つ以上を実行することを特徴とする請求項1に記載のNOxセンサの劣化シミュレータ。
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