JP5313194B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタ内から蒸発燃料を吸引脱離させる吸引手段と、蒸発燃料含有ガスから蒸発燃料を優先的に透過させて濃縮分離する分離手段とを備える蒸発燃料処理装置に関する。
この種の蒸発燃料処理装置として、例えば下記特許文献1がある。特許文献1では、燃料タンクで発生した蒸発燃料を一旦凝縮器へ導入して液化させたうえで、凝縮器からの蒸発燃料をキャニスタで吸着捕捉している。キャニスタ内に吸着捕捉された蒸発燃料は、吸引手段としての吸引ポンプによって吸引脱離される。そのうえで、キャニスタと吸引ポンプとの間に分離手段としての分離膜モジュールが設けられている。そして、分離膜モジュールによって分離された濃縮ガス(主として蒸発燃料からなるガス)は、凝縮器を経て最終的に燃料タンクへ回収される。このような蒸発燃料処理装置は、蒸発燃料をエンジンへの吸気通路へパージすることなく燃料タンクへ回収する、パージレスエバポシステムと称される。一方、分離膜を透過しなかった希釈ガス(主として空気からなるガス)は、蒸発燃料脱離用ガスとしてキャニスタへ導入される。また、特許文献1では、分離膜モジュールや吸引ポンプを設けずに、キャニスタからの脱離ガスを、機関吸気による負圧を利用して吸気通路へ導入してもよいとされている。
特開平11−93784号公報
しかしながら、キャニスタからの脱離ガスを吸気通路へそのまま導入したのでは、脱離ガス中の蒸発燃料濃度は一定でない。これでは、エンジンへ供給する空燃比が不安定となり、エンジンの排気エミッションが悪化してしまう。また、特許文献1では、キャニスタからの脱離ガスを分離膜モジュールへ導入して希釈ガスをキャニスタへ導入する形態と、キャニスタからの脱離ガスを吸気通路へ導入する形態とを、それぞれ別の構成として想定している。分離膜モジュールからの希釈ガスをキャニスタへ導入する場合は、ガスをシステム(処理装置)外へ排気する構成は存在しない。この場合、外気温度等によって燃温が上昇し、燃料タンクの内圧が大きく上昇しても、燃料タンクの圧抜きができない。これでは、燃料タンクが破損してしまう。そこで、分離膜モジュールからの希釈ガスを吸気通路へ導入することが考えられる。しかし、分離膜モジュールへの蒸発燃料含有ガス(特許文献1の場合は脱離ガス)の流量を制御する流量制御手段を有しない特許文献1では、やはりエンジンの排気エミッションの悪化は避けられない。分離膜による分離性能は、当該分離膜へ供給される蒸発燃料含有ガスの流量によって大きく変動するからである。
具体的には、図5に示すように、分離膜へのガス供給流量が多いほど分離性能は低下し、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が高くなる特性を有することが知られている。これは、分離膜へのガス供給流量が多いほど単位時間当たりの必要処理量(被処理量)が増大することで、分離し切れない蒸発燃料が生じることに起因する。なお、分離膜へのガス供給流量=希釈ガス流量+濃縮ガス流量となる。したがって、図5において希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度の低下と共に希釈ガス流量も低下しているのは、濃縮ガス流量が増大していることによる。すなわち、蒸発燃料含有ガスから蒸発燃料が良好に分離されるほど、分離膜を透過せずに残存する希釈ガス流量が低減することになる。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、分離手段へのガス供給流量を制御することで、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度を安定させた状態で燃料タンクの圧抜きができる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタ内から蒸発燃料を吸引脱離させる吸引手段と、蒸発燃料含有ガスから蒸発燃料を優先的に透過させて濃縮分離する分離手段とを備える蒸発燃料処理装置であって、前記燃料タンクの内圧を検知する圧力検知手段と、前記分離手段への蒸発燃料含有ガス供給流量を制御する流量制御手段とを備える。前記分離手段によって分離された濃縮ガス(主として蒸発燃料からなるガス)は、前記吸引手段を介して前記燃料タンクへ回収される。一方、前記分離手段を透過せずに残存する希釈ガス(主として空気からなるガス)は、内燃機関へ空気を吸入する吸気通路へ導入される。そのうえで、前記流量制御手段は、前記希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が安定するように、前記燃料タンクの内圧に基づいて、前記分離手段への蒸発燃料含有ガス供給量を制御することを特徴とする。
これによれば、分離手段へのガス供給流量を制御することで、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度を安定させることができる。すなわち、分離手段へのガス供給流量を制御することで、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度を所定の濃度に制御することができる。したがって、希釈ガスを吸気通路へ導入しても、エンジンへの空燃比が安定するので、エンジンの排気エミッションが悪化することを避けることができる。なお、本発明においては、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度を一定値に安定させることが主目的であり、蒸発燃料残存濃度を必ずしも低くする必要は無い。一方、蒸発燃料が殆ど残存していないに等しい濃度に制御すれば、エンジン停止中に希釈ガスを吸気通路へ導入しても、大気汚染を避けることができる。
前記希釈ガスは、常時吸気通路へ導入しても構わないが、前記燃料タンクの内圧が所定値以上の場合に前記燃料タンクの圧抜きのために前記吸気通路へ導入する一方、前記燃料タンクの内圧が所定値未満の場合は、前記希釈ガスを蒸発燃料脱離ガスとして前記キャニスタへ導入することが好ましい。これによれば、通常は希釈ガスを蒸発燃料脱離ガスとして利用することで蒸発燃料の脱離効率を向上でき、キャニスタを迅速に再生できる。そして、必要に応じて圧抜きのために希釈ガスを吸気通路へ排気することで、燃料タンクの破損を確実に防止できる。
前記分離手段は、前記蒸発燃料含有ガスが導入される導入室を備える。そのうえで、前記流量制御手段は、前記燃料タンクと前記分離手段の導入室との間に設けられた流量制御弁とすることができる。これによれば、流量制御弁の開弁量を制御することで、燃料タンクの内圧に応じた量の蒸発燃料含有ガスが分離手段へ供給されることになる。したがって、分離手段へ蒸発燃料含有ガスを積極的に供給するポンプ等は不要であり、装置の大型化を避けることができる。
また、前記分離手段は、前記濃縮ガスが精製される透過室を備える。そして、前記分離手段の透過室と前記吸引手段とを連通させたうえで、前記流量制御手段は、前記吸引手段によって前記分離手段の透過室へ負圧が作用している状態において、前記分離手段への蒸発燃料含有ガスの流量を制御することが好ましい。換言すれば、分離手段の透過室へ負圧が作用していない状態では、分離手段へ蒸発燃料含有ガスは供給されない。分離手段では、導入室と透過室との間の差圧が大きいほど分離効率が高い特性を有する。そこで、透過室へ負圧が作用している状態において蒸発燃料含有ガスを供給すれば、当該蒸発燃料含有ガスの供給初期から良好な分離効率を担保できる。これにより、蒸発燃料残存濃度も供給初期から安定させることができる。
前記流量制御弁は、開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる電磁弁とすることができる。この場合、流量制御弁の開弁状態と閉弁状態とを高速で切り替えながら、前記流量制御弁の開弁量を、当該流量制御弁の開弁時間/(開弁時間+閉弁時間)で定められるデューティ比によって制御すればよい。流量制御弁は、例えばモータ駆動弁等の開弁量(開弁度)そのものを制御可能なものを使用することもできるが、電磁弁であれば、その開弁量を迅速に制御することができる。
なお、前記流量制御弁の開弁量は、エンジンコントロールユニット(EUC)によって制御される。この場合、前記EUCには、前記燃料タンクの内圧−開弁量マップを予め記憶しておき、前記流量制御弁の開弁量は、前記燃料タンクの内圧−開弁量マップに基づいて制御することが好ましい。これによれば、圧力検知手段によって検知された燃料タンクの内圧に応じて逐次流量制御弁の開弁量を算出(計算)する必要はないので、燃料タンクの内圧変化に迅速に対応させることができる。
前記吸引手段としては、前記燃料タンク内の燃料を内燃機関へ圧送供給する燃料ポンプから吐出された燃料の一部を利用して負圧を発生させるアスピレータを使用することが好ましい。吸引手段として吸引ポンプを使用すれば、装置が大型化すると共に、吸引ポンプを駆動させるための電力も必要となる。これに対しアスピレータであれば、装置の大型化を避けることができる。また、アスピレータは燃料ポンプから吐出された燃料の一部を導入利用することで負圧を発生できるので、吸引手段を駆動させる電力は不用である。一方、吸引手段として機関吸気による負圧を利用する場合は、エンジンの駆動を前提としているので、エンジン停止中に蒸発燃料の処理をすることができない。これに対しアスピレータによれば、エンジン駆動と関係なく独立して作動させることができるので、エンジン停止中でも蒸発燃料を処理することができる。この効果は、例えば内燃機関モードと電気自動車モードとに切り替えられるようなハイブリット車において、特に有利である。ハイブリット車においては、エンジン駆動時間が一般的な自動車に比べて短い。したがって、機関吸気による負圧を利用する場合は、蒸発燃料の脱離(キャニスタの再生)時間も短くなる。すると、キャニスタから充分に蒸発燃料を脱離できてない状態において新たな蒸発燃料が導入されるおそれがある。この場合、キャニスタの許容量(蒸発燃料の最大吸着量)を超えてオーバーフローしてしまい、蒸発燃料漏れが生じるおそれがある。
本発明によれば、分離手段へのガス供給流量を制御することで、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度を安定させることができる。これにより、希釈ガスを吸気通路へ導入しても、エンジンへの空燃比が安定するので、エンジンの排気エミッションが悪化することを避けることができる。また、蒸発燃料が殆ど残存していないに等しい濃度に制御すれば、エンジン停止中に希釈ガスを吸気通路へ導入しても、大気汚染を避けることができる。
蒸発燃料処理装置の概略構成を示す模式図である。 アスピレータの縦断面図である。 エンジン停止中に圧抜きする際の弁開閉タイミングと、これに伴う圧力変化を示すグラフである。 エンジン停止中に圧抜きする際の制御フローである。 分離膜への蒸発燃料含有ガス供給流量と希釈ガス流量及び希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度との関係を示す模式グラフである。 燃料タンクの内圧と流量制御弁の開弁量との関係を示すマップである。 エンジン駆動中に圧抜きする際の弁開閉タイミングと、これに伴う圧力変化を示すグラフである。 アスピレータの変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の代表的な実施の形態について説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。特に、本発明の蒸発燃料処理装置に必須の構成要素である燃料タンク、キャニスタ、吸引手段、及び分離手段を備える基本的構成を有する限り、その他種々の構成要素を付加できる。蒸発燃料処理装置は、揮発性の高い燃料(例えばガソリンなど)を燃料とする、自動車などの車両へ好適に適用できる。
(実施例)
蒸発燃料処理装置は、図1に示すように、燃料Fを貯留する燃料タンク1、燃料タンク1内の燃料Fを図外の内燃機関(エンジン)へ圧送供給する燃料ポンプ2、燃料タンク1内で発生した蒸発燃料(ベーパ)を吸着するキャニスタ3、キャニスタ3へ負圧を作用させて当該キャニスタ3内から蒸発燃料を吸引脱離させるアスピレータ4、蒸発燃料含有ガスから蒸発燃料を優先的に透過させて濃縮分離する分離膜モジュール5、燃料タンク1内の蒸発燃料をキャニスタ3へ導入して吸着捕捉させる捕捉ベーパ通路10、及び燃料タンク1内の蒸発燃料を分離膜モジュール5へ導入して処理させる処理ベーパ通路11などを有する。アスピレータ4が本発明の吸引手段に相当し、分離膜モジュール5が本発明の分離手段に相当する。
燃料タンク1は密閉タンクである。燃料ポンプ2は燃料タンク1内に配され、燃料供給通路12を通して燃料Fをエンジンへ圧送する。キャニスタ3の内部には吸着材Cが充填されている。吸着材Cとしては、空気は通すが蒸発燃料を吸着・脱離可能な活性炭等を使用できる。符号33は、キャニスタ3内(吸着材C)を加熱するヒータである。吸着材Cは、温度が高いほど特定成分(本発明では蒸発燃料)の吸着量が少なく、温度が低いほど特定成分の吸着量が多くなる特性を有する。したがって、吸着材Cに吸着捕捉されている蒸発燃料を脱離する際は、吸着材Cの温度はできるだけ高い方が好ましい。しかし、蒸発燃料が吸着材Cから脱離されるとき、その気化熱によって吸着材Cの温度は低下する。そこで、蒸発燃料脱離の際にヒータ33で吸着材Cを加熱することで、脱離効率を向上することができる。燃料タンク1とキャニスタ3とは、捕捉ベーパ通路10を介して連通されている。捕捉ベーパ通路10上には、当該捕捉ベーパ通路10の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、捕捉ベーパ通路弁20が設けられている。また、キャニスタ3には、その先端が大気開放された大気通路13が連結されている。大気通路13上にも、当該大気通路13の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、大気通路弁23が設けられている。また、燃料タンク1には、当該燃料タンク1の内圧を検知する圧力検知手段として、圧力センサ36が設けられている。
燃料供給通路12には、分岐通路14の一端が分岐状に連結されており、その他端にアスピレータ4が設けられている。分岐通路14上には、アスピレータ4への燃料導入と遮断とを切り替える燃料導入制御手段として、分岐通路弁24が設けられている。また、アスピレータ4には、キャニスタ3に至る回収通路15も連結されている。回収通路15上には、当該回収通路15の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、回収通路弁25が設けられている。すなわち、アスピレータ4は、回収通路15を介してキャニスタ3と連通されている。回収通路15上のアスピレータ4と回収通路弁25との間には、アスピレータ4によって発生した負圧を検知する負圧検知手段として、負圧センサ37が設けられている。なお、負圧センサ37は、圧力センサ36と同じものを使用すればよい。
アスピレータ4は、図2に示すように、ベンチュリ部41とノズル部45とから構成されている。ベンチュリ部41は、絞り42と、絞り42の燃料流動方向上流側に設けられた先窄まり状の減圧室43と、絞り42の燃料流動方向下流側に設けられた末拡がり状のディフューザ部44と、吸引ポート41pとを備えている。減圧室43、絞り42、およびディフューザ部44は、それぞれ同軸に形成されている。吸引ポート41pは、減圧室43に連通形成されている。吸引ポート41pに、回収通路15が連結される。ノズル部45は、ベンチュリ部41の上流側に接合されている。ノズル部45は、アスピレータ4内に燃料を導入する導入ポート45pと、導入された燃料を噴射するノズル本体46とを備えている。導入ポート45pに、分岐通路14が連結される。ノズル本体46は減圧室43内に同軸収納されており、当該ノズル本体46の噴射口46pは絞り42に臨んでいる。
燃料ポンプ2から吐出された燃料Fの一部は、燃料供給通路12から分岐通路14を通して燃料導入ポート45pからアスピレータ4内へ導入される。すると、導入された燃料Fがノズル本体46から噴射され、絞り42及びディフューザ部44の中央部を軸方向に高速で流動する。このとき、減圧室43においては、ベンチュリ効果によって負圧が発生する。これにより、吸引ポート41pおよび回収通路15に吸引力が生じる。回収通路15を通して吸引ポート41pから吸引された気体(本発明ではキャニスタ3からの蒸発燃料及び空気)は、ノズル本体46から噴射された燃料Fと共にディフューザ部44から混合排出される。
分離膜モジュール5は、密閉容器5aと、当該密閉容器5a内を導入室5bと透過室5cとに区画するように配された分離膜5dとからなる。ここでの分離膜5dには、燃料成分に対する溶解拡散係数が高く、燃料成分を優先的に透過分離するが空気成分は透過し難い公知の分離膜を使用している。そのうえで、分離膜モジュール5の導入室5bには、処理ベーパ通路11が連結される。すなわち、燃料タンク1と分離膜モジュール5の導入室5bとは、処理ベーパ通路11を介して直接連通されている。処理ベーパ通路11上には、当該処理ベーパ通路11の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、処理ベーパ通路弁21が設けられている。当該処理ベーパ通路弁21が、本発明の流量制御弁に相当する。また、分離膜モジュール5の導入室5bには、分離膜5dを透過せずに残存する希釈ガスが流動していく希釈ガス通路16の一端が連結されている。希釈ガス通路16の中途部は、枝分かれ状に二方向へ分岐しており、その各他端がキャニスタ3と吸気通路30に連結されている。吸気通路30は、エンジン駆動中に当該エンジンへ空気(大気)を吸入する通路である。符号31は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じて吸入空気量を制御するストッロルバルブである。符号32は、エアフィルタである。希釈ガス通路16上の分岐点と吸気通路30との間には、当該希釈ガス通路16の連通状態と遮断状態とを切り替え可能な圧抜き弁26が設けられている。なお、希釈ガス通路16は、スロットルバルブ31より上流(エアフィルタ32側)において吸気通路30と連結されている。一方、分離膜モジュール5の透過室5cには、分離膜5dによって濃縮分離された濃縮ガスが流動していく濃縮ガス通路17の一端が連結されている。濃縮ガス通路17の他端は、回収通路弁25より下流(アスピレータ4側)において回収通路15に連結されている。これにより、分離膜モジュール5の透過室5cとアスピレータ4とは、濃縮ガス通路17及び回収通路15を介して連通している。
圧力センサ36及び負圧センサ37からの検知信号は、エンジン・コントロール・ユニット(ECU)35に入力される。ECU35は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などを有する。ROMには、所定の制御プログラムや、図6に示すような燃料タンク1の内圧−処理ベーパ通路弁(流量制御弁)21の開弁量特性マップが予め記憶されており、CPUが、当該制御プログラムや内圧−開弁量特性マップに基づいて、各構成要素を所定のタイミングで制御操作する。捕捉ベーパ通路弁20、処理ベーパ通路弁21、大気通路弁23、分岐通路弁24、回収通路弁25、及び圧抜き弁26は、それぞれECU35によって開閉タイミングが制御される電磁弁である。
次に、蒸発燃料処理装置による蒸発燃料の処理機構について説明する。駐車中(オフ時)は、大気通路弁23は開弁しているが、捕捉ベーパ通路弁20、処理ベーパ通路弁21、分岐通路弁24、回収通路弁25、及び圧抜き弁26はそれぞれ閉弁している。給油時には、捕捉ベーパ通路弁20がECU35によって開弁される。これにより、給油に伴って燃料タンク1の内圧が上昇すると、燃料タンク1内の蒸発燃料含有ガスが捕捉ベーパ通路10を通してキャニスタ3内に流入する。すると、キャニスタ3内の吸着材Cによって蒸発燃料が選択的に吸着捕捉される。残余の空気は吸着材Cを透過し、キャニスタ3から大気通路13を通して大気中に放散される。これにより、大気汚染を回避しながら燃料タンク1が圧力開放され、燃料タンク1の破損が防止される。
給油時以外の駐車中(エンジン停止中)には、捕捉ベーパ通路弁20及び処理ベーパ通路弁21が共に閉弁されていることで、燃料タンク1内は密閉空間となっている。したがって、蒸発燃料が発生することにより燃料タンク1の内圧は徐々に上昇していく。そして、燃料タンク1の内圧が所定値を超えると、燃料タンク1の破損を防止するため、燃料タンク1の圧抜き制御が行われる。以下に、エンジン停止中における圧抜き制御について詳しく説明する。図3に、エンジン停止中に圧抜きする際の各弁の開閉タイミング等と、これに伴う回収通路15及び濃縮ガス通路17内の圧力(キャニスタ3や分離膜モジュール5に作用する負圧)の挙動、並びに燃料タンク1の内圧の挙動を示す。図4に、エンジン停止中に圧抜きする際の制御フローを示す。したがって、以下の説明において、各弁の開閉タイミング等や圧力挙動に関しては図3を参照し、制御手順に関しては図4を参照。なお、以下の説明において、各弁の開閉タイミングや燃料ポンプ2の駆動タイミング等は、全てECU35によって行われる。
エンジン停止中において、燃料タンク1の内圧が所定値(判定圧力)以上となったことが圧力センサ36によって検知されると、燃料ポンプ2が駆動されると共に、所定の弁が開閉制御される(タイミングT1)。なお、ここでの判定圧力は特に限定されず、任意の圧力に設定すればよい。但し、少なくとも燃料タンク1が破損しない圧力(燃料タンク1の耐圧力未満)とする。燃料タンク1の種類にもよるが、例えば5kPa程度に設定することができる。タイミングT1では、大気通路弁23が閉弁される一方、分岐通路弁24が開弁される。これにより、燃料ポンプ2から吐出された燃料Fの一部が、燃料供給通路12から分岐通路14を通して、アスピレータ4へ導入される。すると、アスピレータ4によって負圧が発生し、回収通路15内が減圧される。しかし、回収通路弁25は閉弁したままである。したがって、キャニスタ3へは負圧が作用しない。また、濃縮ガス通路17は回収通路弁25より下流(アスピレータ4側)において回収通路15と連結されていることで、回収通路15と同時に濃縮ガス通路17も減圧される。これにより、分離膜モジュール5の透過室5cに負圧が作用する。なお、このタイミングT1では、圧抜き弁26も閉弁されている。したがって、この時点(タイミングT1)では燃料タンク1の圧抜きはされない。また、エンジンは停止しているので、燃料ポンプ2から吐出され、アスピレータ4へ導入されなかった残余の燃料Fは、図示していないプレッシャレギュレータから燃料タンク1内へ返流される。
そして、負圧センサ37によって回収通路15及び濃縮ガス通路17内が充分に負圧となったことが検知されると、処理ベーパ通路弁21及び圧抜き弁26が開弁される(タイミングT2)。このときの判定負圧も特に限定されず、任意の圧力に設定すればよい。分離膜モジュール5において導入室5bと透過室5cとの間に良好な差圧が生じる程度とすることが好ましい。したがって、このときの判定負圧は、できるだけ低い(負圧の程度が大きい)方が好ましい。例えば−5kPa程度としたり、アスピレータ4によって減圧可能な最大負圧(飽和負圧)とすることができる。
処理ベーパ通路弁21及び圧抜き弁26が開弁されると、燃料タンク1内の蒸発燃料含有ガスは、処理ベーパ通路11を通して分離膜モジュール5の導入室5bへ導入される。すると、蒸発燃料含有ガス中の蒸発燃料が分離膜5dを優先的に透過することで、透過室5cに濃縮ガス(主として蒸発燃料からなるガス)が分離精製される。このとき、導入室5bと透過室5cとの間には既に良好な差圧が生じていることで、蒸発燃料含有ガスが分離膜モジュール5に導入された初期から、高い分離効率が担保されている。濃縮ガスは、濃縮ガス通路17及び回収通路15を通して、アスピレータ4から燃料タンク1内へ燃料Fと共に吐出回収される。一方、分離膜5dを透過せずに導入室5bに残存している希釈ガス(主として空気からなるガス)は、希釈ガス通路16を通して吸気通路30へ導入される。このとき、エンジンが停止していることで、スロットルバルブ31は全閉状態にある。そこで、希釈ガス通路16をスロットルバルブ31より上流(エアフィルタ32側)において吸気通路30に連結していることで、希釈ガスはエアフィルタ32を介して大気へ放出される。これにより、燃料タンク1の圧抜きが行われ、燃料タンク1の内圧が徐々に低下していく。このとき、処理ベーパ通路弁21は、燃料タンク1の内圧変化に基づいて、開弁量が制御される。
ここで、処理ベーパ通路弁21が常時全開状態であれば、燃料タンク1の内圧が高いほど、分離膜モジュール5への蒸発燃料含有ガス供給量は多くなる。これでは、分離膜5dにおける蒸発燃料の分離効率は安定しない。分離膜5dは、図5に示すように、当該分離膜5dへのガス供給流量が多いほど分離性能は低下し、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が高くなる特性を有するからである。したがって、燃料タンク1の内圧が高い状態では、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が高くなる。これでは、希釈ガスを大気開放することで、大気汚染を招いてしまう。そこで、図5に示す既知の特性に基づいて、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が所定濃度Ds以下となるように、分離膜5dへのガス供給流量を所定流量Qsに制御する必要がある。ここでの所定濃度Dsは、大気を汚染することがないとみなせる程度の濃度、すなわち殆ど残存していないに等しい濃度とする。例えば、1vol%程度以下を目標とすればよい。なお、ガス供給流量−蒸発燃料残存濃度特性は、分離膜5dの種類や形態によって異なる。
これを前提として、ECU35には、分離膜5dへのガス供給流量を所定流量Qsに制御するための、図6に示すような燃料タンク1の内圧−処理ベーパ通路弁21の開弁量特性マップが予め記憶されている。そのうえで、処理ベーパ通路弁21(流量制御弁)は、当該内圧−開弁量特性マップに基づいて、燃料タンク1の内圧変化に応じた開弁量にフィードバック制御される。具体的には、燃料タンク1の内圧が高ければ処理ベーパ通路弁21の開弁量を小さくし、燃料タンク1の内圧低下に伴って処理ベーパ通路弁21の開弁量を大きくしていく。これにより、燃料タンク1の内圧に応じて分離膜モジュール5への蒸発燃料含有ガス供給量も制御され、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が所定濃度Dsで安定する。そして、所定濃度Dsが充分に低い濃度に設定されていることで、圧抜きに伴う大気汚染を回避することができる。なお、本実施例における処理ベーパ通路弁21は、電磁弁である。そこで、処理ベーパ通路弁21は、開弁状態と閉弁状態とが高速で繰り返され、当該処理ベーパ通路弁21の開弁量は、開弁時間/(開弁時間+閉弁時間)で定められるデューティ比によって制御される。そして、燃料タンク1の内圧が充分に低下したことが圧力センサ36によって検知されると、燃料ポンプ2が停止されると共に、各弁が初期状態へ開閉制御される(タイミングT3)。ここでの判定圧力も特に限定されないが、できるだけ低い方が好ましい。例えば大気圧程度、好ましくは0Pa程度とすればよい。なお、圧力センサ36による燃料タンク1の内圧や、負圧センサ37による負圧の検知は、常時モニタリングしておくことが好ましいが、所定時間間隔で定期的に検知するよう制御することもできる。
一方、エンジン駆動中は、処理ベーパ通路弁21、分岐通路弁24、及び回収通路弁25が開弁される。この場合も、燃料タンク1内で発生した蒸発燃料が分離膜モジュール5を介して濃縮分離されたうえで、アスピレータ4から再度燃料タンク1内へ吐出回収される点は、上記エンジン停止中における圧抜きの場合と同じである。また、回収通路弁25も開弁されていることで、アスピレータ4によって発生した負圧がキャニスタ3へも作用する。これにより、吸着材Cに吸着捕捉されていた蒸発燃料が吸引脱離される。脱離された蒸発燃料も、回収通路15を通してアスピレータ4へ吸引され、燃料F及び濃縮ガスと共に燃料タンク1内へ吐出回収される。すなわち、本実施例の蒸発燃料処理装置は、パージレスエバポシステムとなっている。一方、分離膜5dを透過せずに導入室5bに残存する希釈ガスは、希釈ガス通路16を通してキャニスタ3内へ導入され、蒸発燃料脱離用のガスとして利用される。これにより、蒸発燃料の脱離が促進される。
エンジン駆動中は、外気温度や燃料ポンプ2の駆動熱などによって燃料Fの温度が上昇し得る。したがって、エンジン駆動中に蒸発燃料を処理している間にも、燃料タンク1の内圧は上昇し得る。そこで、エンジン駆動中に燃料タンク1の内圧が所定値以上となった場合にも、圧抜きを行う必要がある。ここでの判定圧力は、上記エンジン停止中の判定圧力と同じにすればよい。以下に、エンジン駆動中における圧抜き制御について、図7を参照しながら説明する。図7は、エンジン駆動中に圧抜きする際の弁開閉タイミングと、これに伴う圧力変化を示すグラフである。
エンジン駆動中に燃料タンク1の内圧が所定値以上となったことが、圧力センサ36によって検知されると、圧抜き弁26が開弁されると共に、燃料タンク1の内圧変化に応じて処理ベーパ通路弁21の開弁量が制御される(タイミングT1)。なお、エンジンが駆動しているので、燃料ポンプ2は既に駆動している。また、蒸発燃料の処理中なので、分離膜モジュール5において導入室5bと透過室5cとの間にも、既に差圧は生じている状態である。したがって、エンジン駆動中の圧抜きの際には、分離膜モジュール5の透過室5cに充分な負圧が作用するまで待機する必要はない。
そして、上記エンジン停止中の圧抜きの際と同様に、予めECU35に記憶されていた、図6に示すような内圧−開弁量特性マップに基づいて、分離膜5dへのガス供給量が所定流量Qsとなるように、処理ベーパ通路弁21(流量制御弁)の開弁量が燃料タンク1の内圧に応じてフィードバック制御される。このときの処理ベーパ通路弁21の開弁量も、開弁時間/(開弁時間+閉弁時間)で定められるデューティ比によって制御される。これにより、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が所定濃度Dsで安定する。そのうえで、希釈ガスは希釈ガス通路16を通して吸気通路30へ導入され、燃料タンク1が圧抜きされる。ここでは、エンジンが駆動していることで、希釈ガスはエンジンへ吸気される。しかし、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度は安定しているので空燃比も安定し、排気エミッションが悪化することが避けられる。そして、燃料タンク1の内圧が充分に低下したことが圧力センサ36によって検知されると、再度蒸発燃料の処理モードへ各弁が開閉制御される(タイミングT2)。
なお、エンジン駆動中に圧抜きする際の希釈ガス中の蒸発燃料所定濃度Dsは、エンジン停止中に圧抜きする際の所定濃度Dsと必ずしも一致させる必要は無い。エンジン停止中では大気汚染防止の観点からできるだけ低く設定する必要があるが、エンジン駆動中では、排気エミッションの悪化を防止できればよいので、希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が安定さえしていれば、所定濃度Dsは比較的高くても構わない。但し、エンジン駆動の有無によって、所定濃度Dsやこれに応じた処理ベーパ通路弁21の開弁量等を変更するよう制御することは制御プログラムが複雑になるので、双方の所定濃度Dsを一致させておくことが好ましい。
(変形例)
燃料導入制御手段は、分岐通路14上のほかに、アスピレータ4へ設けることもできる。例えば、アスピレータ4内に、ノズル本体46からの燃料噴射タイミングを制御するニードル弁を設けることができる。具体的には、図8に示すように、ノズル部45に弁設置ベース48を接合したうえで、当該弁設置ベース48の中央部に、ノズル本体46を開閉するニードル弁47を配すことができる。ニードル弁47はピン状の部材であり、アスピレータ4の軸方向に沿って摺動可能となっている。ニードル弁47と弁設置ベース48との間には圧縮バネ49が配されており、当該圧縮バネ49によってニードル弁47は閉弁方向へ常時付勢されている。また、弁設置ベース48の周縁部には、電磁石50がニードル弁47を囲むように配されている。ECU制御によって電磁石50に通電されると、ニードル弁47が開弁方向へ引き寄せられ、ノズル本体46が開弁される。
上記実施例では、蒸発燃料の処理中は、処理ベーパ通路弁21の開弁量を制御していなかったが、蒸発燃料の処理中にも、処理ベーパ通路弁21の開弁量を制御することもできる。この場合、エンジン駆動中の所定濃度Dsをエンジン停止中の所定濃度Ds、すなわち蒸発燃料が殆ど残存していないに等しい濃度(例えば1vol%以下)としておけば、蒸発燃料脱離ガスとしてキャニスタ3に導入される希釈ガス中の蒸発燃料濃度も低減できる。また、このような所定濃度Dsに設定すれば、希釈ガス通路16の先端を大気開放し、希釈ガスを大気中へ直接放出してもよい。この場合、希釈ガス通路16の中途部を枝わかれ状に三方向へ分岐させ、その内の一通路の先端を大気開放しておく。当該大気開放通路上にも、ECU35によって開閉制御される開閉手段として電磁弁を設けておく。又は、希釈ガス通路16の分岐点に四方弁を設けてもよい。上記実施例でも、圧抜き弁26に代えて、希釈ガス通路16の分岐点に三方弁を設けることもできる。負圧センサ37は、濃縮ガス通路17上に設けてもよい。
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ
3 キャニスタ
4 アスピレータ
5 分離膜モジュール
5b 導入室
5c 透過室
5d 分離膜
10 捕捉ベーパ通路
11 処理ベーパ通路
13 大気通路
14 分岐通路
15 回収通路
16 希釈ガス通路
17 濃縮ガス通路
21 処理ベーパ通路弁(流量制御弁)
26 圧抜き弁
36 圧力センサ
37 負圧センサ
C 吸着材
F 燃料

Claims (6)

  1. 燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタ内から蒸発燃料を吸引脱離させる吸引手段と、蒸発燃料含有ガスから蒸発燃料を優先的に透過させて濃縮分離する分離手段とを備える蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクの内圧を検知する圧力検知手段を備え
    前記吸引手段と前記キャニスタとは回収通路を介して連通され、該回収通路上には、該回収通路の連通状態と遮断状態とを切り替える回収通路弁が設けられており、
    前記燃料タンクと前記キャニスタとは捕捉ベーパ通路を介して連通され、該捕捉ベーパ通路上には、該捕捉ベーパ通路の連通状態と遮断状態とを切り替える捕捉ベーパ通路弁が設けられており、
    前記分離手段は、蒸発燃料含有ガスが導入される導入室と、濃縮ガスが精製される透過室とを有し、
    前記燃料タンクと前記導入室とは処理ベーパ通路を介して連通され、該処理ベーパ通路上には、該処理ベーパ通路の連通状態と遮断状態とを切り替え、前記分離手段への蒸発燃料含有ガス供給流量を制御する流量制御手段として処理ベーパ通路弁が設けられており、
    前記透過室からは、前記回収通路の前記回収通路弁と前記吸引手段との間に連通する濃縮ガス通路が延びており、
    前記導入室からは、前記キャニスタと、内燃機関へ空気を吸入する吸気通路とへ分岐状に連通する希釈ガス通路が延びており、前記吸気通路側へ分岐した希釈ガス通路上には、該希釈ガス通路の連通状態と遮断状態とを切り替える圧抜き弁が設けられており、
    給油時以外の前記内燃機関停止中は、初期状態として、前記回収通路弁、前記捕捉ベーパ通路弁、前記処理ベーパ通路弁、及び前記圧抜き弁の全てが閉弁されているが、前記燃料タンクの内圧が所定値を超えたことが前記圧力検知手段によって検知されると、前記吸引手段によって前記回収通路及び濃縮ガス通路を介して前記分離手段の透過室へ負圧を作用させてから、前記処理ベーパ通路弁及び前記圧抜き弁を開弁して、前記燃料タンクの圧抜き制御を行い、
    該圧抜き制御時には、前記希釈ガス中の蒸発燃料残存濃度が安定するように、前記燃料タンクの内圧に基づいて前記処理ベーパ通路弁の開弁量を制御することで前記分離手段への蒸発燃料含有ガス供給量を制御し、前記分離手段によって分離された濃縮ガスが、前記濃縮ガス通路、前記回収通路、及び前記吸引手段をこの順で介して前記燃料タンクへ回収される一方、前記分離手段を透過せずに残存する希釈ガスが、前記吸気通路へ導入されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記圧抜き制御では、前記燃料タンクの内圧が高いほど前記処理ベーパ通路弁の開弁量を小さくし、前記燃料タンクの内圧低下に伴って前記処理ベーパ通路弁の開弁量を大きくし、前記燃料タンクの内圧が所定値以下となれば、前記吸引手段を停止して前記各弁が前記初期状態へ戻されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    記燃料タンクの内圧が所定値未満の場合は、前記希釈ガスは蒸発燃料脱離ガスとして前記キャニスタへ導入されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記処理ベーパ通路弁は、開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる電磁弁であり、
    前記処理ベーパ通路弁の開弁量が、開弁時間/(開弁時間+閉弁時間)で定められるデューティ比によって制御されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記処理ベーパ通路弁の開弁量は、エンジンコントロールユニットによって制御され、
    前記エンジンコントロールユニットには、前記燃料タンクの内圧−開弁量マップが予め記憶されており、
    前記処理ベーパ通路弁の開弁量が、前記燃料タンクの内圧−開弁量マップに基づいて制御されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の蒸発燃料処置装置であって、
    前記吸引手段が、前記燃料タンク内の燃料を内燃機関へ圧送供給する燃料ポンプから吐出された燃料の一部を利用して負圧を発生させるアスピレータであることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。

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