JP5311298B2 - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、ポリアミド中に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、機械的強度、寸法安定性に優れ、機械部品、電気・電子部品、自動車部品等の広範囲な用途に用いることのできる樹脂組成物、その成形体、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、従来にない機械的物性、電気的特性、熱的特性等を有するためナノテクノロジーの有力な素材として注目を浴び、広範な分野で応用の可能性が検討されている。カーボンナノチューブをポリマーに添加し、ポリマーコンポジットの機械的物性、導電性、耐熱性等を改良することが提案されている。
例えば、カーボンナノチューブを用いポリマーコンポジットの導電性、ガスバリア性、強度、耐腐食性、成形性等を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。また、共役系高分子で被覆されたカーボンナノチューブを用いてポリマーコンポジットの弾性率を向上させることが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、カーボンナノチューブは表面が炭素原子に覆われ表面の自由エネルギーが低く分極し難い。そのためカーボンナノチューブをポリマー中に均一に分散させることが難しい場合がある。特に極性ポリマー中に分散させるのは難しい。カーボンナノチューブは導電性を有するため、カーボンナノチューブを含有するポリマーコンポジットは絶縁性を必要とする用途には不向きである。
近年、カーボンナノチューブと構造的な類似性を有する窒化ホウ素ナノチューブが検討されつつある(特許文献3参照)。この窒化ホウ素ナノチューブは非導電性であり、熱伝導性に優れ、カーボンナノチューブにはない特性を有する。
【特許文献1】 特表2005−520021号公報
【特許文献2】 特開2004−244490号公報
【特許文献3】 特開2000−109306号公報
【発明の開示】
【発明を解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の目的は、カーボンナノチューブを含有する樹脂組成物には不向きな絶縁性を必要とする用途に用いることのできる樹脂組成物を提供することにある。また本発明の目的は、熱伝導性に優れた樹脂組成物を提供することにある。また本発明の目的は、機械的物性、寸法安定性に優れた成形体となる樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、窒化ホウ素ナノチューブを分散させるマトリックス樹脂について鋭意検討した。その結果、窒化ホウ素ナノチューブは極性が高く、極性ポリマー、特にポリアミドとの親和性が良好で、ポリアミド中での分散性が良いことを見出した。そして、窒化ホウ素ナノチューブを含有するポリアミド樹脂組成物は、機械的物性、寸法安定性に優れる成形体となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、100重量部のポリアミドおよび0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブを含有する樹脂組成物である(ポリアミドから窒化ホウ素ナノチューブの中空部に充填されているものを除く)。
また本発明は、該樹脂組成物からなる成形体である。
さらに本発明は、(i)0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブと溶媒とを混合して分散液を得る工程、
(ii)分散液にポリアミドを、0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブに対して100重量部添加してドープを得る工程、および
(iii)溶媒を除去する工程からなる、
該樹脂組成物の製造方法を包含する。
また本発明は、ポリアミドと窒化ホウ素ナノチューブとを溶融混練することからなる該樹脂組成物の製造方法である。
また本発明は、窒化ホウ素ナノチューブの存在下で、重縮合を行い、ポリアミドを製造することからなる該樹脂組成物の製造方法である。
また本発明は、100重量部のポリアミド、0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有するドープを湿式成形することからなる成形体の製造方法である。
また本発明は、100重量部のポリアミドおよび0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブを含有する樹脂組成物を溶融成形することからなる成形体の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブの分散性に優れる。その結果、本発明の樹脂組成物を成形すると、機械的物性、寸法安定性に優れた成形体を得ることができる。また本発明の樹脂組成物を成形すると、絶縁性に優れた成形体を得ることができる。また本発明の樹脂組成物は優れた熱伝導性を有する。本発明の樹脂組成物は、化学的に安定でカーボンナノチューブを含有する樹脂組成物よりも優れた耐酸化性を有する
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。
【0007】
(窒化ホウ素ナノチューブ)
本発明において、窒化ホウ素ナノチューブとは、窒化ホウ素からなるチューブ状材料であり、理想的な構造としては6角網目の面がチューブ軸に平行に管を形成し、一重管もしくは多重管になっているものである。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは0.4nm〜1μm、より好ましくは0.6〜500nm、さらに好ましくは0.8〜200nmである。ここでいう直径とは、一重管の場合、その外径を、多重管の場合はその最外側の管の外径を意味する。平均長さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。アスペクト比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。アスペクト比の上限は、平均長さが10μm以下であれば限定されるものではないが、上限は実質25,000である。よって、窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることが好ましい。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径および平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)により50個の窒化ホウ素ナノチューブを観察し、それらの平均値とした。
窒化ホウ素ナノチューブは、アーク放電法、レーザー加熱法、化学的気相成長法を用いて合成できる。また、ホウ化ニッケルを触媒として使用し、ボラジンを原料として合成する方法も知られている。また、カーボンナノチューブを鋳型として利用して、酸化ホウ素と窒素を反応させて合成する方法もが提案されている。本発明に用いられる窒化ホウ素ナノチューブは、これらの方法により製造されるものに限定されない。窒化ホウ素ナノチューブは、強酸処理や化学修飾された窒化ホウ素ナノチューブも使用することができる。
【0008】
また、本発明において窒化ホウ素ナノチューブは共役系高分子で被覆されていても良い。窒化ホウ素ナノチューブを被覆する共役系高分子は、窒化ホウ素ナノチューブと相互作用が強く、マトリクス樹脂である脂肪族ポリアミドとの相互作用も強いものが好ましい。これらの共役系高分子としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。中でも、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェンが好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブは、ホウ素原子と窒素原子の間のダイポール相互作用により局所的な極性構造を有しており、極性構造を有する媒体への親和性、分散性がカーボンナノチューブより優れる。さらに電子構造的に広いバンドギャップを有するため絶縁性であり、絶縁性放熱材料としても期待できる他、カーボンナノチューブと異なり白色であることから着色を嫌う用途にも応用できる等、ポリマーの特徴を活かしたコンポジット創製が可能となる。
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミド100重量部に対して、窒化ホウ素ナノチューブを0.01〜50重量部含有する。窒化ホウ素ナノチューブの含有量の下限は、ポリアミド100重量部に対して、0.01重量部であるが、好ましくは0.05重量部、より好ましくは0.1重量部、さらに好ましくは1重量部である。一方、窒化ホウ素ナノチューブの含有量の上限は、ポリアミド100重量部に対して、50重量部であるが、好ましくは40重量部、より好ましくは30重量部である。よって、窒化ホウ素ナノチューブの含有量が、100重量部のポリアミドに対して0.01〜30重量部であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、窒化ホウ素ナノチューブをポリアミドに均一に分散させることが可能となる。また、窒化ホウ素ナノチューブが過度に多い場合は、均一な樹脂組成物を得ることが困難となり好ましくない。本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブに由来する窒化ホウ素フレーク、触媒金属等を含む場合がある。
【0009】
(ポリアミド)
ポリアミドは、下記式(1)で表される繰り返し単位を主として含有するポリアミドであることが好ましい。
【0010】
【化1】
【0011】
式中、Xは、
【0012】
【化2】
【0013】
である。
R1、R2、R3は、各々独立に、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基として、炭素数4〜16のアルキレン基または炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。
芳香族炭化水素基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニレン基等が挙げられる。さらに具体的には、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。芳香族炭化水素基として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基が好ましい。
脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基として、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基が挙げられる。
Ar1は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基として、
【0014】
【化3】
【0015】
が挙げられる。Ar1は、置換基を有していてもよい。置換基として、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基が挙げられる。
Ar2は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭素数2〜16の脂肪族炭化水素基である。
【0016】
芳香族炭化水素基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基等が挙げられる。さらに具体的には、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。芳香族炭化水素基として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基が好ましい。
芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基として、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基が挙げられる。
【0017】
Ar2の脂肪族炭化水素基として、炭素数4〜16のアルキレン基または炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。具体的には、炭素数4〜12のアルキレン基または炭素数5〜12のシクロアルキレン基が挙げられる。脂肪族炭化水素基として、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基が好ましい。
Y1、Y2は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜16のアルキル基である。アルキル基として、メチル基、エチル基等が挙げられる。
ポリアミドは、ホモポリマーであっても、式(1)で示される二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。ポリアミドは式(1)で表される繰り返し単位の一種を、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%含有することが好ましい。他の成分も、式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
ポリアミドは、非晶性または結晶性であることが好ましい。ポリアミドは、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、非晶性ポリアミドポリアミドから選ばれるポリアミドであることが好ましい。ポリアミドの数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000である。
【0018】
(脂肪族ポリアミド)
脂肪族ポリアミドは、下記式(2)で表される繰り返し単位を主として含有する脂肪族ポリアミドであることが好ましい。
【0019】
【化4】
【0020】
式(2)中、R1、R2は各々独立に、炭素数4〜16の2価の脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基として、炭素数4〜16のアルキレン基または炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。より具体的には炭素数4〜12のアルキレン基または炭素数5〜12のシクロアルキレン基が挙げられる。式(2)のR1は、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。R2は、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。
また脂肪族ポリアミドは下記式(3)で表される繰り返し単位からなる脂肪族ポリアミドであることが好ましい。
【0021】
【化5】
【0022】
式(3)中、R3は炭素数2〜12の2価の脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基として、炭素数4〜16のアルキレン基または炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。より具体的には、炭素数4〜12のアルキレン基または炭素数5〜12のシクロアルキレン基が挙げられる。R3は、ペンタメチレン基、デカメチレン基またはウンデカメチレン基であることが好ましい。
【0023】
脂肪族ポリアミドは、ホモポリマーであっても、式(2)および(3)から選ばれた二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。また、脂肪族ポリアミド中の式(2)、(3)の繰り返し単位の割合は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。他の成分として脂肪族ポリアミドを除く、上記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
脂肪族ポリアミドとは、脂肪族アミノカルボン酸、ラクタムあるいは脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例としては、脂肪族アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等がある。また脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等がある。またこれら脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
【0024】
かかる脂肪族ポリアミド樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリ(1,4−シクロヘキサメチレン)アジパミド、ポリヘキサメチレン−1,4−シクロヘキシレンカルボアミドおよびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。
さらにはこれらのモノマーを2種以上組み合わせて用いて共重合脂肪族ポリアミドとしても良い。また主鎖の一部や末端基にアミノ基、カルボキシル基、カルボニル基およびそれらのアミド、エステル誘導体構造を導入し変性せしめてもよい。モノマーの一部をエーテルやウレタン骨格として共重合することも可能である。これらのうち、ナイロン6、ナイロン6/66、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、またはこれらの混合物、共重合体が用いる脂肪族ポリアミドとして好ましく、特にナイロン6、ナイロン6/66、ナイロン66が好ましい。
【0025】
脂肪族ポリアミドの重合度は、特に制限はないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が、1.0〜10.0の範囲、特に2.0〜8.0の範囲にあることが好ましい。相対粘度が1.0未満のものは成形品の機械物性に劣る傾向にある一方で、10.0を越えるものは溶融状態あるいは溶液状態における流動性が悪くなりがちで、成形性が著しく低下する。脂肪族ポリアミドの数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000である。
ポリマー主鎖骨格内にアミド結合等の水素結合性原子団から構成された電子構造を有する脂肪族ポリアミドは、極性かつナノレベルで構造を有する窒化ホウ素ナノチューブと分子レベルで静電的に相互作用することが可能である。
本発明の脂肪族ポリアミドを含有する樹脂組成物は、脂肪族ポリアミドと窒化ホウ素ナノチューブ間の特異的な相互作用を有し、少量の窒化ホウ素ナノチューブを含有するにも拘らず、優れた耐熱性、機械特性を有する。
【0026】
(芳香族ポリアミド)
芳香族ポリアミドは、下記式(2)で表される繰り返し単位を主として含有する芳香族ポリアミドであることが好ましい。
【0027】
【化6】
【0028】
式(2)中、R1、R2は各々独立に、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基等が挙げられる。
R1、R2の具体例として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。
これらの芳香族基の水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。なお、R1、R12の芳香族基は、2種以上の芳香族基から構成されていても差し支えない。これらのうちR1としてメタフェニレン基、パラフェニレン基が好ましい。R2として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基が好ましい。
【0029】
好ましい芳香族ポリアミドとして、以下のものが挙げられる。
(i)R2がパラフェニレン基および3,4’−ジフェニレンエーテル基であり、R1がパラフェニレン基である共重合体であって、その共重合比(R2のパラフェニレン基と3,4’−ジフェニレンエーテル基のモル比)が1:0.8〜1:1.2の範囲にある芳香族ポリアミド、
(ii)R2とR1がともにパラフェニレン基である芳香族ポリアミド、
(iii)R2とR1がともにメタフェニレン基である芳香族ポリアミド。
芳香族ポリアミドは、ホモポリマーであっても、式(2)で示される二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。また、芳香族ポリアミド中の式(2)の繰り返し単位の割合は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。他の成分として芳香族ポリアミドを除く、上記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
【0030】
芳香族ポリアミドは、溶液重合法、界面重合法、溶融重合法等、従来公知の方法にて製造することが出来る。重合度は芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分の比率によりコントロールすることが出来、得られるポリマーの分子量としては98重量%濃硫酸に0.5g/100mLの濃度で溶かした溶液を30℃にて測定した特有粘度(inherent viscosity)ηinhが0.05〜20dL/gであることが好ましく、1.0〜10dL/gの間に有るものがより好ましい。芳香族ポリアミドの数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000である。
また芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒として、(i)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒、(ii)テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、(iii)メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、(iv)アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、(v)アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。該溶媒は脱水されていることが望ましい。
この場合、溶解性を挙げるために重合前、途中、終了時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
【0031】
また、芳香族ポリアミドを製造する際、これらのジアミン成分と酸クロライド成分は、ジアミン成分対酸クロライド成分のモル比として好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05で、用いることが好ましい。
この芳香族ポリアミドの末端は封止されることもできる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、例えばフタル酸クロライドおよびその置換体、アミン成分としてはアニリンおよびその置換体が挙げられる。一般に用いられる酸クロライドとジアミンの反応においては生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し中和反応する。
反応条件は特別な制限を必要としない。酸クロライドとジアミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例えば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。このようにして得られる芳香族ポリアミドはアルコール、水といった非溶媒に投入して、沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成形に供することもできるが、重合反応によって得た溶液をそのまま成形用溶液として用いることができる。
【0032】
(半芳香族ポリアミド)
ポリアミドは、下記式(2)で表される繰り返し単位を主として含有する半芳香族ポリアミドであることが好ましい。
【0033】
【化7】
【0034】
式(2)中、R1は、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基等が挙げられる。R1の具体例として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。
【0035】
R2は炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基として、炭素数2〜20のアルキレン基または炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。より具体的には、炭素数4〜12のアルキレン基または炭素数5〜12のシクロアルキレン基が挙げられる。式(2)のR2は、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。
半芳香族ポリアミドは、ホモポリマーであっても、式(2)で示される二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。また、半芳香族ポリアミド中の式(2)の繰り返し単位の割合は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。他の成分として半芳香族ポリアミドを除く、上記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。芳香族ポリアミドの数平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。
【0036】
(ポリアミドイミド)
ポリアミドイミドは、下記式(4)で表される繰り返し単位を主として含有することが好ましい。
【0037】
【化8】
【0038】
式中、Ar1は、炭素数5〜20の3価の芳香族炭化水素基である。Ar1は、
【0039】
【化9】
【0040】
であることが好ましい。
式中、Ar2は炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基である。Ar2は、
【0041】
【化10】
【0042】
であることが好ましい。
Ar1、Ar2の芳香族基は、1または2以上の置換基を有していてもよい。置換基として、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基が挙げられる。
ポリアミドイミドは、ホモポリマーであっても、式(4)で示される二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。また、ポリアミドイミド中の式(4)の繰り返し単位の割合は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。他の成分として式(4)で示されるポリアミドイミドを除く上記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式(4)の繰り返し単位を形成するためのカルボン酸成分としては芳香族トリカルボン酸およびその無水物をあげることができる。具体的には、トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、これらの無水物が挙げられる。トリメリット酸が特に好ましい。また複数のトリカルボン酸を混合して用いることも可能である。
また、溶剤に対する溶解性、重合性等を付与するために、芳香族トリカルボン酸に加えて、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、テトラカルボン酸およびアルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等の二無水物を酸成分として用いることができる。
【0043】
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等が挙げられ、好ましくはアジピン酸、セバシン酸である。
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1,2−ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、2,2’−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2−(2−カルボキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2−(3−カルボキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−2,4−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,4−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス−〔(4−カルボキシ)フタルイミド〕−4,4’−ジフェニルエーテル、ビス−〔(4−カルボキシ)フタルイミド〕−α,α’−メタキシレン等が挙げられ、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸である。
【0044】
テトラカルボン酸としては、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸等が挙げられ、また、これらの二無水物も挙げられる。好ましくはピロメリット酸二無水物である。
アルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテートとしては、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられ、好ましくはエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートである。
これらの酸成分は、一種でも、二種以上の混合物(例えば、イソフタル酸とエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等)でも、トリメリット酸無水物と一緒に用いることができる。
【0045】
一方、アミン成分としてはジアミンが挙げられ、具体的には、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアニリン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアニリン、ジアミノ−m−キシレン、ジアミノ−p−キシレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド等の芳香族ジアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;ジシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン等が挙げられる。また、上記ジアミンのアミノ基を−N=C=O基で置き換えたイソシアネート等も挙げられる。上記アミン成分は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
酸成分およびアミン成分は、通常、等モル配合されるが、必要に応じて、一方の成分を多少増減させることもできる。
【0046】
本発明に用いられるポリアミドイミドは、ジイソシアネート法や酸クロリド法等、通常の方法で製造できるが、重合性、コストの点からジイソシアネート法が好ましい。
ポリアミドイミドの重合に使用される溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶剤;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶剤;ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤の他、γ−ブチロラクトンやテトラメチルウレア等の比較的誘電率の高い溶剤等が挙げられ、好ましくはγ−ブチロラクトンである。これらは、単独でも、混合溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドンとジグライム等)としても用いることができ、さらにキシレン、トルエン等の比較的誘電率の低い溶剤を混合して用いても構わない。
反応温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは70〜180℃である。また、反応を促進させるために、3級アミン類(例えば、t−ブチルアミン等)、金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、コバルト、スズ、亜鉛等)、半金属化合物等の触媒を添加してもよい。
【0047】
このようにして得られたポリアミドイミド溶液の対数粘度は、好ましくは0.2dl/g以上、より好ましくは0.3dl/g以上である。対数粘度が0.2dl/g未満であると、強靱性、屈曲性が低下し、樹脂が脆くなる。対数粘度は、酸成分とアミン成分(トリメリット酸無水物と、ジアミンまたはジイソシアネート)の仕込みモル比を調整するか、あるいは触媒を選択すること等によって調整できる。また、対数粘度は、0.5g(固形分)のポリアミドイミドを100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、25℃でウベローデ粘度管を用いて測定したものである。
ポリアミドイミドの数平均分子量は、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、好ましくは5,000〜50,000、より好ましくは8,000〜30,000である。ガラス転移温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上である。
ポリマー主鎖骨格内にアミド結合、イミド結合等のドナー性原子団から構成された電子構造を有するポリアミドイミドは、極性であり、ナノレベルで構造を有する窒化ホウ素ナノチューブと分子レベルで静電的に相互作用することが可能である。
本発明のポリアミドイミドを含有する樹脂組成物は、ポリアミドイミドとナノチューブ間の特異的な相互作用を有し、少量の窒化ホウ素ナノチューブを含有するにも拘らず、優れた耐熱性、機械特性を有する。
【0048】
(非晶性ポリアミド)
本発明で使用する非晶性ポリアミドとしては公知素材が使用できる。これら非晶性ポリアミドは、透明ナイロンとも呼ばれるポリマーの結晶化がほとんど起らないかまたは結晶化速度が非常に小さい一群の特殊なポリアミドであって、一般的に結晶化度が10%未満のものをいう。非晶性であることに由来して透明性を有することで特徴づけられ、通常の溶融成形条件下で透明な成形品を与え、その成形品が熱処理、吸水処理時にも後結晶化によって失透を起さない。そして明確な融点も測定可能な融解熱をも有しないことを特徴とする。この融解熱は示差走査熱量計(DSC)の使用によって測定することが便宜的で、この装置で測定して1cal/g未満の融解熱を有するものを本発明において非晶性ポリアミドと定義することにする。また窒化ホウ素ナノチューブとの組成物となってもポリマーの融解熱は測定可能であるが、組成物で測定した融解熱が1cal/g未満であるものをいう。
このような非晶性ポリアミドは、特殊なモノマーの使用によるもの、共重合によるもの、およびこれらの両方の組合せによって製造することができる。非晶性ポリアミド樹脂を製造するためには生成したポリアミドがホモポリマーであるか共重合体であるかにかかわらず結晶化を阻害する構造部分すなわち、重合体鎖に不規則性をもたらす側鎖やシクロヘキサン環やフェノール環のような環構造を有するモノマー成分を用いることが必要である。
非晶性ポリアミドは、モノマー成分として、ラクタム、アミノカルボン酸またはジアミンとジカルボン酸等を用いて製造されたものが好ましい。
【0049】
ラクタムとして、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
アミノカルボン酸として、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、p−アミノ安息香酸等が挙げられる。
ジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4ーアミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3ーアミノシクロヘキシル)メタン、3ーアミノシクロヘキシルー4ーアミノシクロヘキシルメタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン等のジアミン類等が挙げられる。
ジカルボン酸として、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等挙げられる。
非晶性ポリアミドは、下記式(2)で表される繰り返し単位を主として含有するポリアミドであることが好ましい。
【0050】
【化11】
【0051】
R1は、フェニレン基である。フェニレン基として、p−フェニレン基、m−フェニレン基またはこれらの組み合わせが挙げられる。
R2は、側鎖を有する炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基または炭素数5〜16の脂環族炭化水素基である。主鎖の脂肪族炭化水素基として、炭素数3〜16のアルキレン基が挙げられる。より具体的には、ペンタメチレン基、へキサメチレン基、オクタメチレン基が挙げられる。また側鎖として、炭素数3〜16のアルキレン基等が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基等が挙げられる。側鎖の数は2個以上でもよい。
【0052】
また脂環族炭化水素基として、炭素数5〜16のシクロアルキレン基が挙げられる。より具体的には、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロオクチレン基が挙げられる。
非晶性ポリアミドは、ホモポリマーであっても、式(2)で示される二種以上が組合わされたコポリマーであってもよい。また、非晶性ポリアミド中の式(2)の繰り返し単位の割合は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。他の成分として式(2)で示される非晶性ポリアミドを除く上記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
【0053】
非晶性ポリアミドは、そのガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。非晶性ポリアミドの具体例として以下のものが挙げられる。
a)2,2,4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと、テレフタル酸および/またはイソフタル酸との重縮合から得られる重合体、
b)ヘキサメチレンジアミンと55〜100重量%のイソフタル酸および45〜0重量%のテレフタル酸(酸の全重量に基づいて)との重縮合から得られる重合体、
c)70〜100重量%の2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび30〜0重量%のヘキサメチレンジアミンの混合物(ジアミンの全重量に基づいて)と、0〜100重量%のテレフタル酸および100〜0重量%のイソフタル酸(酸の全重量に基づいて)の混合物の重縮合から得られる重合体、
d)1)少なくとも1種のシクロヘキシル成分を有する8〜20個の炭素原子から構成される脂環式ジアミンおよび、2)50〜100重量%のイソフタル酸および50〜0重量%のテレフタル酸に、4〜12個の炭素原子を有するラクタム、ω−アミノカルボン酸、または4〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸と、2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンの塩10〜50重量%(ポリアミドの全重量に基づいて)の重縮合から得られる重合体、
e)1)存在する全酸に基づいて40〜98重量%のイソフタル酸、2)存在する全酸に基づいて2〜60重量%のテレフタル酸、3)存在する全アミンに基づいて50〜98重量%のヘキサメチレンジアミン、およびiv)存在する全アミンに基づいて2〜50重量%の6〜20個の炭素原子を有し且つ少なくとも1個のシクロヘキサン環を含有する少なくとも1種の脂肪族ジアミンの重縮合から得られる重合体等が挙げられる。
これらの非晶性ポリアミドは単独で使用しても、複数を混合して使用しても良い。
【0054】
本発明に用いられる非晶性ポリアミドは、公知の溶融重合、溶液重合、塊状重合あるいは界面重合等の方法で製造することができる。またさらに高分子量のポリアミドを得るために公知の固相重合法、押出機による高重合度化およびこれらの方法を組み合わせた方法を併用することも可能である。中でも、重合性、コストの点から最も一般的な方法は溶融重合法である。溶融重合法としては、(1)ジアミンとジカルボン酸またはその誘導体からなる中性塩(以下、「ナイロン塩」と称する。)の水溶液を、加圧下に昇温、濃縮し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態において重合させる方法、(2)ナイロン塩水溶液とωーアミノカルボン酸および/またはラクタムとを加圧下に昇温、濃縮し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態において重合させる方法等を好ましく実施することができる。
また溶液重合を実施する場合は、カルボン酸あるいは対応するカルボン酸クロリドやカルボン酸活性エステル等の誘導体を適当な溶媒の存在下に対応するジアミンと攪拌下に反応、重合せしめることにより得ることができる。
【0055】
非晶性ポリアミド樹脂の重合に使用される溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶剤、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶剤、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤およびテトラメチルウレア等の比較的誘電率の高い溶剤が挙げられる。また、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、プソイドクメン、イソプロピルベンゼン、ジフェニルエーテル、ビフェニル、ジメチルビフェニル、ジエチルビフェニル、トリメチルビフェニル、トリエチルビフェニル、トリプロピルビフェニル、テトラエチルビフェニル、シクロヘキシルビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、水素化トリフェニル、水素化ビフェニル、水素化ターフェニル、ベンジルトルエン、イソプロピルナフタレン等のモノマー成分を溶解するが、重合後のポリマーは溶解せず分離、精製できる比較的誘電率の低い溶剤も好ましく使用することができる。これらは、単独でも、混合溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドンとジグライム混合物やキシレン、ジフェニルエーテルとビフェニルの混合物あるいは誘電率の高い溶剤と低い溶剤の混合物)としても用いることができる。
反応温度は、通常0〜200℃であり、好ましくは10〜180℃である。また、反応を促進させるために、3級アミン類(例えば、t−ブチルアミン等)、金属およびその塩(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、コバルト、スズ、亜鉛等および対応する塩)、半金属化合物等の触媒を添加してもよい。
【0056】
非晶性ポリアミドの分子量についても特に制限はないが、m−クレゾールを用い濃度1g/dl、25℃で測定したときの相対粘度が、1.2から5.0、さらには1.3から4.0の範囲にあるものが好ましい。相対粘度が5.0をこえると組成物の流動性が悪くなるだけでなく、アイゾット衝撃強度に代表される靱性が低下するので好ましくない。相対粘度が1.2よりも低いと組成物の機械的強度が小さくなるという欠点が生じる。
非晶性ポリアミドの数平均分子量は、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、5,000〜20,000、好ましくは7,000〜15,000の範囲である。
ポリマー主鎖骨格内にアミド結合等のドナー性原子団から構成された電子構造を有する非晶性ポリアミドは、極性かつナノレベルで構造を有する窒化ホウ素ナノチューブと分子レベルで静電的に相互作用することが可能である。その結果、本発明の樹脂組成物は、少量の窒化ホウ素ナノチューブを含有するのにも拘らず、耐熱性に優れる。
【0057】
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブとポリアミドを混合することにより製造することができる(方法(a))。
方法(a)として、例えば、ポリアミドと窒化ホウ素ナノチューブとを溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練の方法は特に制限はないが、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー、ラボプラストミル、バンバリーミキサーあるいはミキシングロール等を用いて混練することができる。
方法(a)として、溶媒を用いる場合、溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた分散液を調製し、ポリアミドを添加、溶解させる方法(方法(A))、溶媒にポリアミドを溶解した樹脂溶液を調製し、窒化ホウ素ナノチューブを添加して分散させる方法(方法(B))、溶媒にポリアミドと窒化ホウ素ナノチューブを添加して調製する方法(方法(C))等が挙げられる。
【0058】
本発明ではこれらの方法を単独若しくは組み合わせ用いることができる。就中、窒化ホウ素ナノチューブ分散液にポリアミドを添加、溶解させる方法法(A)が好ましい。
即ち、本発明によれば、(i)0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブと溶媒とを混合して分散液を得る工程、
(ii)分散液にポリアミドを、0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブに対して100重量部添加してドープを得る工程、および
(iii)溶媒を除去する工程からなる、
樹脂組成物の製造方法が提供される。
溶媒中の窒化ホウ素ナノチューブに、ビーズミル処理、超音波処理等を行い、せん断力を生じさせ、窒化ホウ素ナノチューブの分散性を向上させることができる。就中、超音波処理を施す方法が好ましい。本発明においては、分散液にポリアミドを添加して、超音波処理等を施すと、窒化ホウ素ナノチューブの分散性が飛躍的に向上する。ポリアミドの添加量は窒化ホウ素ナノチューブ1重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
【0059】
本発明においてポリアミドを溶解させるために適当な溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、必要に応じて溶媒を選ぶことができる。分散液中の溶媒含有量は、0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブに対し、好ましくは0.1〜10,000重量部、より好ましくは1〜100重量部である。
溶解性を損なわない範囲で、メタノール、エタノール、ブタノール、オルトクロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、クロロベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロトルエン、水といった溶媒が含まれていても差し支えない。
このようにして調製された樹脂組成物には、さらに分散性を高める目的で、溶融混練処理を行ってもよい。混練方法は特に特定はしないが、一軸ルーダー、ニ軸のルーダーおよびニーダーを使用して行うことができる。溶融混練の温度は、ポリアミドの軟化、流動する温度より5℃〜100℃高い温度である。高温過ぎると樹脂の分解や異常反応を生じ好ましくない。また、混練処理時間は少なくとも30秒以上15分以内、好ましくは1〜10分である。
これらの工程で用いる窒化ホウ素ナノチューブは、あらかじめマトリクスであるポリアミドで被覆しておいて使用することもできる。ポリアミドを窒化ホウ素ナノチューブに被覆する方法として特に限定はされないが、1)窒化ホウ素ナノチューブを溶融状態のポリアミドに添加して混合する無溶媒で行う方法、2)窒化ホウ素ナノチューブとポリアミドを、ポリアミドを溶解する溶媒中で分散混合する方法等が挙げられる。2)の方法においては窒化ホウ素ナノチューブを分散させる方法として超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。
【0060】
また、共役系高分子で被覆した窒化ホウ素ナノチューブを使用する場合は、共役系高分子を窒化ホウ素ナノチューブに被覆した後、被覆窒化ホウ素ナノチューブを上記のようにポリアミドまたは樹脂溶液に混合分散させることにより本発明の樹脂組成物を製造することができる。
窒化ホウ素ナノチューブを共役高分子で被覆する方法として、1)窒化ホウ素ナノチューブを、溶融している共役高分子に添加して混合する無溶媒で行う方法2)窒化ホウ素ナノチューブと共役高分子とを、共役高分子を溶解する溶媒中で分散混合する方法等が挙げられる。2)の方法においては窒化ホウ素ナノチューブを分散させる方法として超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、このようなポリアミドを重合、窒化ホウ素ナノチューブと複合した後、任意の成形を行う前の塊状やペレット状等のいわゆる成形前樹脂組成物を意味する。
【0061】
(成形体)
本発明の樹脂組成物を成形して成形体を得ることができる。成形体としてフィルム、繊維が挙げられる。成形は、湿式成形または溶融成形を適用することができる。
即ち成形体は、100重量部のポリアミド、0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有するドープを湿式成形することにより製造することができる。湿式成形は、ドープを支持体に流延し、特定の厚みに成形した後、溶媒を除去することにより行うことができる。例えばフィルムの場合、ガラス、金属といった基板上にキャストして成形したのち、溶媒を除去してフィルムを作製することができる。
溶媒として、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ドープ中の溶媒含有量は、100重量部のポリアミドに対し、好ましくは50〜10,000重量部、より好ましくは100〜5,000重量部である。
成形体は、100重量部のポリアミドおよび0.01〜50重量部の窒化ホウ素ナノチューブを含有する樹脂組成物を溶融成形することにより製造することができる。溶融成形として、押出成形、射出成形、インフレーション成形が挙げられる。成形時に、流動配向、せん断配向または延伸配向させ、ポリアミドおよび窒化ホウ素ナノチューブの配向を高め機械的特性を向上させることが出来る。
【0062】
(他の成分)
また本発明の樹脂組成物は、その物性を損なわない範囲で各種添加剤の使用が可能である。例えば、他の樹脂、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、離型剤、発泡剤、耐衝撃性改良剤、架橋剤、着色剤、充填剤等の添加剤を加えてもよい。
適当な樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂および架橋剤(多官能イソシアネート等)、ブタジエン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、液晶ポリマー、ポリオレフィン等、これらの樹脂の混合物がある。かかる他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全重量を基準にして好ましくは1〜40重量%、好ましくは30重量%以下の量である。
【実施例】
【0063】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
実施例中の物性の評価は以下の方法で行った。
【0064】
(1)窒化ホウ素ナノチューブの平均直径と平均長さ
透過型電子顕微鏡(TEM)により50個の窒化ホウ素ナノチューブを観察し、その直径と長さの平均をとることで窒化ホウ素ナノチューブの平均直径および平均長さとした。TEM(Transmission Electron Microscopy)は日立製作所H−800を用いた。
(2)強伸度測定
強伸度は、50mm×10mmのサンプルを用い、引張り速度5mm/分で行いオリエンテックUCT−1Tによって測定した。
(3)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、TAインストルメント製TA2920を用いて窒素気流中、30〜300℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンのピーク値よりガラス転移温度を計算した。
(4)熱膨張係数
熱膨張係数は、TAインストルメント製TA2940を用いて空気中、30〜80℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンの値を熱膨張係数とした。
(5)ポリマー重量減少温度
ポリマー重量減少温度は、Rigaku製TG 8120を用いて空気中、30〜800℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、5%重量減少時のピーク値より算出した。
(6)融解熱
TAインストルメント製の示差走査熱量計(DSC)TA2920を用いて窒素気流中、30〜300℃の範囲で昇温速度10℃/分にてポリアミドおよび樹脂組成物の融解熱を測定した。
【0065】
参考例1:窒化ホウ素ナノチューブの製造
窒化ホウ素製のるつぼに、1:1のモル比でホウ素と酸化マグネシウムを入れ、るつぼを高周波誘導加熱炉で1,300℃に加熱した。ホウ素と酸化マグネシウムは反応し、気体状の酸化ホウ素(B2O2)とマグネシウムの蒸気が生成した。この生成物をアルゴンガスにより反応室へ移送し、温度を1,100℃に維持してアンモニアガスを導入した。酸化ホウ素とアンモニアが反応し、窒化ホウ素が生成した。1.55gの混合物を十分に加熱し、副生成物を蒸発させると、反応室の壁から310mgの白色の固体が得られた。続いて得られた白色固体を濃塩酸で洗浄、イオン交換水で中性になるまで洗浄後、60℃で減圧乾燥を行い窒化ホウ素ナノチューブ(以下、BNNTと略すことがある)を得た。得られたBNNTは、平均直径が27.6nm、平均長さが2,460nmのチューブ状であった。
【0066】
参考例2:ナイロン6の重合
窒素導入管を設置した三口フラスコ中にて、ε−カプロラクタム500重量部、10重量部のε−アミノカプロン酸および10重量部の水を混合し、内部を脱気、窒素置換した。その後、常圧下にて280℃で攪拌反応することで水の留出を伴い重合反応が進行した。5時間後に重合を完了し、室温まで冷却後に内容物を採取した。得られたポリマーをミルにて粉砕、ついで100℃のイオン交換水1,000重量部中で1時間攪拌洗浄した後、30mmHg減圧下にて80℃で24時間乾燥することでナイロン6を得た。得られたナイロン6の、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlで測定した相対粘度は2.75であった。
【0067】
参考例3:ナイロン66の重合
窒素導入管を設置した三口フラスコ中にてアジピン酸438重量部とヘキサメチレンジアミン354重量部とを混合し、内部を脱気、窒素置換した。その後、常圧下にて、220℃で1時間、続いて280℃に4時間攪拌反応することで水の留出を伴い重合反応が進行した。重合完了後に室温まで冷却しナイロン66を得た。得られたナイロン66の96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlで測定した相対粘度は3.10であった。
【0068】
実施例1
(分散液の調製)
参考例1で得られた0.8重量部のBNNTを100重量部の蟻酸に添加して、超音波バスにて2時間処理を行い、分散液を調製した。
(ドープの調製)
次に、分散液に参考例2で調製したナイロン6を15重量部添加して室温でナイロン6が溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で60分、次いで130℃で60分放置しフィルムを形成した。フィルムをガラス板より剥離し、金枠に固定して80℃で10分、130℃で1時間乾燥させた。得られたフィルムの厚みは30μm、引張弾性率は1.1Gpa、引張り強度は36.1Mpaであった。またガラス転移温度は41.7℃、熱膨張係数は43.9ppm/℃であった。
【0069】
比較例1
BNNTを含まない以外は、実施例1と同様にしてナイロン6のフィルムを製造した。フィルムの厚みは29μm、引張弾性率は0.45Gpa、引張り強度は25.3Mpaであった。またガラス転移温度は40.9℃、熱膨張係数は68ppm/℃であった。
【0070】
実施例2
(分散液の調製)
0.8重量部の参考例1で得られたBNNTを100重量部の蟻酸に添加して、超音波バスにて2時間処理を行い、BNNT分散液を調製した。
(ドープの調製)
次いで、参考例3で調製したナイロン66を15重量部添加して、室温でナイロン66が溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で60分、次いで130℃で60分放置しフィルムを形成した。フィルムをガラス板より剥離し、金枠に固定して80℃で10分、130℃で1時間乾燥させた。得られたフィルムの厚みは32μm、引張弾性率は1.2Gpa、引張り強度は38.5Mpaであった。またガラス転移温度は44.1℃、熱膨張係数は42.8ppm/℃であった。
【0071】
比較例2
BNNTを含まない以外は実施例2と同様にして、ナイロン66のフィルムを作製した。フィルムの厚みは30μm、引張弾性率は0.47Gpa、引張り強度は26.4Mpaであった。またガラス転移温度は42.5℃、熱膨張係数は64.7ppm/℃であった。
【0072】
実施例3
(分散液の調製)
45重量部の参考例2で調製したナイロン6および0.54重量部の参考例1で得られたBNNTを水50重量部に添加し、超音波バスにて2時間処理を行い、分散液を調製した。
(溶融物の調製)
得られた分散液を、攪拌装置、窒素導入管および排出管を設置した三ツ口フラスコ中にて窒素雰囲気下にて混合攪拌した。これを、常圧下240℃下に5分間、次いで、260℃で0.5mmHgに減圧下、20分間攪拌混合することでBNNTが均一に混合された溶融物を得た。
(フィルムの製造)
得られた溶融物を冷却した後、取り出しミルにて粉砕した。これをホットプレート上240℃に加熱した金属盤上にて融解、200μmのドクターブレードを使用して流延製膜した後、冷却し、膜厚40μmのフィルムを製造した。フィルムの引張弾性率は3.0Gpa、引張り強度は85Mpaであった。またガラス転移温度は48.3℃、熱膨張係数は60ppm/℃であった。
【0073】
比較例3
BNNTを含まない以外は実施例3と同様にしてナイロン6のフィルムを製造した。フィルムの厚みは38μm、引張弾性率は2.3Gpa、引張り強度は75Mpaであった。またガラス転移温度は47℃、熱膨張係数は65ppm/℃であった。
【0074】
比較例4
実施例1のBNNTの代わりにカーボンナノチューブ(CNT,Shinzhen Nanotech Port Ltd製、製品名L.SWNTs、平均直径2nm、平均長5〜15μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。フィルムの厚みは37μm、引張弾性率は1.0GPa、引張り強度は29.1MPaであった。またガラス転移温度は41.0℃、熱膨張係数は69ppm/℃であった。実施例1〜3、比較例1〜4の結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
参考調製例4
ε−カプロラクタム495重量部を梨型フラスコ中で、80℃に加熱した。得られた融液に5重量部の参考例1で得られたBNNTを添加し、そのまま80℃で超音波バスにて2時間処理を行った。これを室温に冷却後、粉砕することでBNNTが均一分散したε−カプロラクタム原末を得た。
原末500重量部を窒素導入管に接続した三口フラスコ中にて、10重量部のε−アミノカプロン酸、10重量部の水と混合し、内部を脱気、窒素置換した。その後、常圧下にて280℃で攪拌反応することで水の留出を伴い重合反応が進行した。5時間後に重合を完了し、室温まで冷却後に内容物を採取した。これをミルにて粉砕、ついで100℃のイオン交換水5,000重量部中で1時間攪拌洗浄した後、30mmHg減圧下にて80℃で24時間乾燥し、ナイロン6およびBNNTを含有する樹脂組成物(ナイロン6/BNNT=99/1(重量比))を得た。96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlで測定した相対粘度は2.85であった。またこの樹脂組成物のガラス転移温度は49.0℃であった。
【0077】
参考例4:ポリアミドC12Tの重合
窒素導入管を設置した三口フラスコ中にて1,12−ジアミノドデカン120.22重量部とジフェニルテレフタレート191.00重量部を混合し、内部を脱気、窒素置換した。その後、常圧下にて250℃で攪拌反応することでフェノールの留出開始を確認し、20分間かけて温度を300℃に上昇、内部を0.1mmHgまで減圧し2時間重合反応を進行せしめることで重合を完了した。内容物を室温まで冷却し得られたポリマーを採取後、ミルにて粉砕、ついでメタノール1,000重量部中で50℃にて1時間攪拌洗浄した後、30mmHg減圧下にて60℃で24時間乾燥することで、下記式で表されるポリアミドC12Tを得た。96重量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlで測定した相対粘度は1.45であった。
【0078】
【化12】
【0079】
実施例5
窒素導入管を設置した三口フラスコ中にて、参考例1で得られた0.8重量部のBNNTを参考例4で得られたポリアミドC12T粉末79.2重量部と共によく混合した。これをラボプラストミル中330℃にて5分間溶融混練し、ついでペレット化、冷却することでBNNTを含有するポリアミドC12T樹脂組成物のペレットを調製した。ペレットのガラス転移温度は101.1℃、結晶融点は294.8℃であった。
【0080】
比較例5
BNNTを含まない以外は実施例5と同様にして、ポリアミドC12Tペレットを調製した。ペレットのガラス転移温度は96.2℃、結晶融点は286.9℃であった。
【0081】
比較例6
BNNTの代わりに多層カーボンナノチューブ(CNT,Shinzhen Nanotech Port Ltd製、製品名L.SWNTs、平均直径2nm、平均長5〜15μm)を用いた以外は、実施例5と同様にして多層カーボンナノチューブを含有するポリアミドC12T樹脂組成物のペレットを調製した。ペレットのガラス転移温度は98.5℃、結晶融点は289.3℃であった。
【0082】
実施例6
ポリアミドイミドとして、下記式で表される繰り返し単位を含む、25%NMP中で4,000cpの溶液粘度を有するアモコ製のトーロン4000Tを使用した。
【0083】
【化13】
【0084】
式中Arは、芳香族アミンの混合物である。
【0085】
(分散液の調製)
0.15重量部のBNNTを100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い分散液を調製した。
(ドープの調製)
得られた分散液にポリアミドイミド(トーロン4000T、アモコ製)0.15重量部を添加して超音波バスにて30分処理を行ったところ、飛躍的にBNNTの分散性が向上した。続いてさらに14.85重量部のポリアミドイミドを添加して60℃でポリアミドイミドが完全に溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させフィルムを形成した。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。次にフィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間、減圧乾燥を実施した。得られたフィルムの厚みは19μm、ガラス転移温度は276.9℃、熱膨張係数は36.3ppm/℃、引張強度は83.44MPaおよび引張弾性率は2.98Gpaであった。
【0086】
参考調製例7
(被覆BNNTの調製)
参考例1で得られたBNNT0.1重量部を100重量部のジクロロメタンに添加して超音波バスにて2時間処理を行い、BNNT分散液を調製した。続いて0.1重量部のアルドリッチ製ポリ(m−フェニレンビニレン−co−2,5−ジオクトキシ−p−フェニレンビニレン)を添加して超音波処理を1時間実施した。得られた分散液をミリポア製オムニポアメンブレンフィルター0.1μでろ過し、大量のジクロロメタンで洗浄後、60℃減圧乾燥を2時間行うことで黄色の共役系高分子で被覆されたBNNTを得た。BNNT上に被覆された共役系高分子の量はBNNTに対して4.2重量%であった。
(分散液の調製)
得られた被覆BNNT(0.18重量部のBNNTを含む)を100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて2時間処理を行い、BNNT分散液を調製した。
(ドープの調製)
得られた分散液に、ポリアミドイミド(トーロン4000T)15重量部を添加して室温で樹脂が完全に溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させた。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。得られたフィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間にて減圧乾燥を実施した。フィルムの厚みは20μm、ガラス転移温度は277.5℃、熱膨張係数は35.3ppm/℃、引張強度は83.78MPaおよび引張弾性率は3.00Gpaであった。
【0087】
比較例7
BNNTを含有しない以外は、実施例6と同様にポリアミドイミドのフィルムを製造した。フィルムの厚みは18μm、ガラス転移温度は267.0℃、熱膨張係数は45.9ppm/℃、引張強度は78.23MPaおよび引張弾性率は2.55Gpaであった。実施例6、参考調製例7および比較例7の結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】
実施例8
非晶性ポリアミドとして、下記式で表され、数平均分子量が3〜4万のダイセル・デグサ社製のトロガミドTを用いた。
【0090】
【化14】
【0091】
(分散液の調製)
0.15重量部のBNNTを100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、分散液を調製した。
(ドープの調製)
得られた分散液に非晶性ポリアミド(トロガミドT、ダイセル・デグサ社製)0.15重量部を添加して超音波バスにて30分処理を行ったところ、飛躍的にBNNTの分散性が向上した。続いてさらに14.85重量部の非晶性ポリアミドを添加して60℃で非晶性ポリアミドが完全に溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させた。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。得られたフィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間減圧乾燥を実施した。フィルムの厚みは25μm、ガラス転移温度は141.9℃、熱膨張係数は54.5ppm/℃であった。また、5%ポリマー重量減少温度は376.8℃であった。また得られたフィルムについて示差走査熱量計により融解熱を測定したが、融解熱は確認されなかった。
【0092】
実施例9
0.30重量部のBNNTを用いた以外は実施例8と同様にしてBNNTが分散した非晶性ポリアミドフィルムを製造した。得られたフィルムの厚みは22μm、ガラス転移温度は142.4℃、熱膨張係数は51.0ppm/℃であった。また、5%ポリマー重量減少温度は383.6℃であった。また得られたフィルムについて示差走査熱量計により融解熱を測定したが、融解熱は確認されなかった。
【0093】
参考調製例10
(被覆BNNTの調製)
参考例1で得られたBNNT0.1重量部を100重量部のジクロロメタンに添加して超音波バスにて2時間処理を行い、BNNT分散液を調製した。続いて0.1重量部のアルドリッチ製ポリ(m−フェニレンビニレン−co−2,5−ジオクトキシ−p−フェニレンビニレン)を添加して超音波処理を1時間実施した。得られた分散液をミリポア製オムニポアメンブレンフィルター0.1μでろ過し、大量のジクロロメタンで洗浄後、60℃減圧乾燥を2時間行うことで黄色の共役系高分子で被覆されたBNNTを得た。BNNT上に被覆された共役系高分子の量はBNNTに対して4.2重量%であった。
(分散液の調製)
得られた被覆BNNT(0.18重量部のBNNTを含む)を100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて2時間処理を行い、分散液を調製した。
(ドープの調製)
次に分散液に、非晶性ポリアミド(トロガミドT、ダイセル・デグサ社製)15重量部を添加して室温で樹脂が完全に溶解するまで攪拌しドープを調製した。
(フィルムの調製)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させた。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。次に、フィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間にて減圧乾燥を実施した。得られたフィルムの厚みは25μm、ガラス転移温度は142.0℃、熱膨張係数は52.5ppm/℃であった。また、5%ポリマー重量減少温度は377.5℃であった。得られたフィルムについて示差走査熱量計により融解熱を測定したが、融解熱は確認されなかった。
【0094】
比較例8
BNNTを含有しない以外は、実施例8と同様に非晶性ポリアミドフィルムを製造した。フィルムの厚みは24μm、ガラス転移温度は131.2℃、熱膨張係数は67.8ppm/℃であった。また、5%ポリマー重量減少温度は348.0℃であった。実施例8〜9、参考調製例10および比較例8の結果を表3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】
実施例11
(分散液の調製)
参考例1で得られたBNNT100mgをN−メチル−2−ピロリドン50mlに添加して、3周波超音波洗浄器(アズワン製、出力100W、28Hz)で30分間、超音波処理を行い、分散液を調製した。続いて、分散液に下記式で表される繰り返し単位を含む固有粘度1.35dl/gのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド)(以下、PMPIA−1と略すことがある)100mgを添加し、さらに1時間、超音波処理し、分散液を得た。
【0097】
【化15】
【0098】
(ドープの調製)
得られた分散液をアイスバスで冷却し、PMPIA−1を10g冷却下添加し、分散させた後、熱をかけてPMPIA−1を溶解し、PMPIA−1、BNNTおよびNMPを含有するドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープを、ドクターブレード200μmを用いて、ガラス基板上にキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させ、ガラス基板上に乾燥フィルムを得た。乾燥フィルムを氷水に浸漬し、ガラス基板から剥離させ、金枠に固定し、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥することでフィルムを得た。フィルムの厚みは20μm、熱膨張係数は42ppm、引張弾性率は4.1Gpa、強度は57.8Mpaであった。フィルムの光学顕微鏡写真を図1に示す。BNNTの分散性が非常に高いことがいえる。
【0099】
比較例9
NMP50gをアイスバスで冷却し、10gのPMPIA−1を冷却下添加し、分散させた後、熱をかけてPMPIA−1を溶解し、ドープを調製した。ドープをドクターブレード200μを用いて、ガラス基板上にキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させガラス基板上に乾燥フィルムを得た。乾燥フィルムを氷水に浸漬し、ガラス基板から剥離させ、金枠に固定し、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは20μm、熱膨張係数は49.0ppm、引張弾性率は3.7Gpa、強度は43.7Mpaであった。実施例11および比較例9の結果を表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】
実施例12
芳香族ポリアミドとして、下記式で表される構造を有する、帝人テクノプロダクツ(株)製のコーネックス(ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、IV=1.4(N−メチル−2−ピロリジノン中))を用いた(以下、PMPIA−2と略すことがある)。
【0102】
【化16】
【0103】
(分散液の調製)
参考例1で得られた0.60重量部のBNNTを100重量部のN−メチル−2−ピロリジノンに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、分散液を調製した。
(ドープの調製)
分散液に、0.60重量部のPMPIA−2を添加して超音波バスにて30分処理を行ったところ、飛躍的にBNNTの分散性が向上した。続いて14.40重量部のPMPIA−2を続けて添加して40℃でPMPIA−2が溶解するまで攪拌し、ドープを調製した。
(フィルムの製造)
得られたドープをガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、イオン交換水に浸漬し溶媒を抽出することでフィルムを形成した。これをイオン交換した流水中で1時間洗浄後、フィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、120℃で1時間減圧乾燥を実施した。この後、フィルムを金型に固定し、高温2軸延伸装置(東洋精機製作所(株)製 X7D−HT)にて270℃で1.55倍一軸延伸を行うことで厚み50μmの延伸フィルムを得た。フィルムの熱膨張係数は22.6ppm/℃、引張強度は139.5MPaであった。また、引張弾性率は4.43GPa、伸度は16.7%であった。
【0104】
比較例10
BNNTを含有しない以外は、実施例12と同様に1.55倍延伸フィルムを得た。フィルムの厚みは50μm、熱膨張係数は31.4ppm/℃、引張強度は115.4MPaであった。また、引張弾性率は4.14GPa、伸度は11.8%であった。
【0105】
比較例11
BNNTのかわりにカーボンナノチューブ(CNT,Shinzhen Nanotech Port Ltd製、製品名L.SWNTs、平均直径2nm、平均長5−15μm)を用いた以外は実施例12と同様にPMPIA−2の1.55倍延伸フィルムを得た。フィルムの厚みは51μm、熱膨張係数は27.7ppm/℃、引張強度は106.9MPaであった。また、引張弾性率は3.96GPa、伸度は12.4%であった。
【0106】
比較例12
BNNTのかわりに六方晶窒化ホウ素(Aldrich製、平均粒径10μm)を用いた以外は実施例12と同様にPMPIA−2の1.55倍延伸フィルムを得た。フィルムの厚みは50μm、熱膨張係数は25.4ppm/℃、引張強度は87.0MPaであった。また、引張弾性率は3.60GPa、伸度は14.6%であった。実施例12および比較例10〜12の結果を表5に示す。
【0107】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の樹脂組成物は、絶縁性、熱伝導性に優れるので絶縁放熱材料に応用できる。本発明の樹脂組成物は、溶液、溶融成形等の任意の成形方法により、所望の形状に成形できる。よって、本発明の成形体は、自動車、機械、建材、産業資材、電気電子の分野で好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】 実施例11で得られたフィルムの光学顕微鏡写真である。
Claims (14)
- 100重量部のポリアミドおよび0.01〜50重量部の、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上の窒化ホウ素ナノチューブを含有する樹脂組成物(ポリアミドが窒化ホウ素ナノチューブの中空部に充填されているものを除く)。
- ポリアミドが下記式(1)
ここでR1、R2、R3は、各々独立に、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素基
または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、
Ar1は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、
Ar2は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または
炭素数2〜16の脂肪族炭化水素基であり、
Y1、Y2は、各々独立に水素原子または炭素数1〜16のアルキル基である、
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1に記載の樹脂組成物。 - ポリアミドが下記式(2)
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1記載の樹脂組成物。 - 式(2)中、R1は、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基であり、R2は、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基または1,4−シクロヘキシレン基である請求項3記載の樹脂組成物。
- ポリアミドが下記式(3)
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1記載の樹脂組成物。 - 式(3)のR3は、ペンタメチレン基、デカメチレン基またはウンデカメチレン基である請求項5に記載の樹脂組成物。
- ポリアミドが下記式(2)
炭数6〜20の芳香族炭化水素基である、
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1記載の樹脂組成物。 - ポリアミドが下記式(2)
R2は炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基である
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1記載の樹脂組成物。 - ポリアミドが下記式(4)
Ar2は炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基である
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1に記載の樹脂組成物。 - Ar1は、
- ポリアミドが下記式(2)
R2は、側鎖を有する炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基または
炭素数5〜16の脂環族炭化水素基である、
で表される繰り返し単位を主として含有する請求項1記載の樹脂組成物。 - ポリアミドは、非晶性である請求項1に記載の樹脂組成物。
- ポリアミドは、結晶性である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 窒化ホウ素ナノチューブが白色のものである請求項1記載の樹脂組成物。
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