JP5311109B2 - 永久磁石整流子モータおよびそれを用いた電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、単相交流電圧が100Vを超える商用電源で駆動することが可能な永久磁石整流子モータおよびそれを用いた電動工具に関し、特に、高電圧駆動電源に起因する整流子片でのフラッシュオーバーの発生を防止した永久磁石整流子モータ、およびそれを用いた電動工具に関するものである。
従来、固定子として永久磁石を用い、商用単相交流電圧を全波整流したものを電機子コアに巻回したコイルに印加する永久磁石整流子モータは、固定子コアに巻回したコイルに交流電流を通電し界磁を作るユニバーサルモータに比較して小形化および軽量化が可能となるので、電動工具の駆動源として一般に用いられている。
しかし、図7に示されるように、固定子3の界磁磁石として永久磁石3b、3cを用いる永久磁石整流子モータは、単相交流を全波整流器で整流しただけの直流電源で駆動すると、ユニバーサルモータに比べ格段に整流性が悪化するため、電解コンデンサ7を全波整流器2とモータのブラシ4間に並列に挿入し、単相交流電源1を全波整流した波形をさらに平滑化してモータを駆動することが行われている。平滑化に用いられる電解コンデンサ7は、商用交流電源が100Vの場合は挿入しなくても実用化されているが、100Vを超える電圧、特に、200V以上の商用電源で駆動する場合には、挿入するのが一般的である。
さらに、下記特許文献1に開示されているように、全波整流回路の出力側に電解コンデンサを並列接続した直流整流子モータにおいて、火花放電を軽減するために、直流電源の正極側に接続されるブラシを比抵抗の高い材質で構成し、直流電源の負極側に接続されるブラシを比抵抗の低い材質によって構成した技術が知られている。
特開2001−8424号公報
本発明者等は、従来の永久磁石整流子モータを単相交流電圧が100Vを超える全波整流直流電源で駆動する場合、次のような問題点が生ずることを見出した。
すなわち、従来の永久磁石整流子モータ(図7参照)では、商用電源1の単相交流100Vで駆動する場合、全波整流回路2の出力側に平滑化用電解コンデンサ7を挿入しなくても、実用上支障がないレベルの整流悪化でおさまる。しかし、駆動電源としての単相交流電圧が100Vを超えて、特に、200V以上の電圧になると、全波整流回路の出力側に脈流電圧を平滑化する電解コンデンサ7が挿入していない場合、整流子5aによる整流性が悪化する程度が激しくなり、起動時および運転中に、正極側ブラシ4と負極側ブラシ4間に火花が発生する。特に、脈流電圧がある限界を超えると、ブラシ間に流れる荷電粒子の量はなだれ的に増加し、ブラシ間には大電流が流れるように過大な火花放電(フラッシュオーバー)が発生し、モータの故障に至ることが分かった。また、このフラッシュオーバーを抑制するために、商用電源が100Vを超える電圧(例えば、単相交流電圧が200V)で駆動する場合、全波整流回路の出力側に数十μF以上の電界コンデンサ7を挿入して脈流電源の平滑化を図ることにより所期の目的が達成できることが分かった。
しかしながら、この大型容量の電解コンデンサ7は液漏れや膨張が発生しやいため、整流子モータの故障頻度が増える欠点があった。さらに、容積の大きな電解コンデンサを取付けるための大きな占有スペースを必要とするために、モータおよび電動工具が大形化するという問題があり、また、モータまたは電動工具の組立て工数が増加してコストアップになるという欠点もあった。
一方、上記特許文献1に開示されている正極側ブラシの材質を負極側ブラシの材質と異ならせる技術は、正極側ブラシと負極側ブラシの誤使用を防止するために、両者のブラシやブラシホルダの形状を変える必要があるので、組立時の部品点数および組立工数が増加してコストアップになるという欠点があった。
したがって、本発明の目的は、上記問題点を解消するために、電界コンデンサを挿入しなくても単相交流電源100Vを超える電源電圧で火花放電を低減させた永久磁石整流子モータおよびそれを用いた電動工具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に従って開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
本発明の一つの特徴は一対の対向する永久界磁磁石を備えた固定子と、回転軸方向に沿って延在するように形成された複数のスロットを有する電機子コアと、前記電機子コアの各スロット内に巻回された電機子コイルと、互いに電気的絶縁された複数の整流子片を有し、該整流子片を介して前記電機子コイルに駆動電流を供給するための整流子と、単相交流電源を全波整流するための電源回路手段と、前記電源回路手段に電気的接続され、前記整流子上を摺動して前記電機子コイルへ前記駆動電流を供給する一対のブラシと、を具備する永久磁石整流子モータにおいて、前記電機子コイルに、実効値200V以上の単相交流電源の全波整流電圧を平滑せずに印加し、前記スロットの数を12、前記整流子片の数を36とし、かつ前記各スロット内に巻回される前記電機子コイルの本数を3とすることにより、火花放電を防止するように構成したことにある。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記永久磁石は希土類焼結体から構成する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記永久界磁磁石の内半径(rm)を前記電機子コアの外周面までの外半径(ra)より大きくし、前記永久界磁磁石の内半径(rm)の中心を前記電機子コアの外半径(ra)の中心より所定値(δ)ずらすことにより、前記永久界磁磁石と前記電機子コアとの空隙を、前記永久界磁磁石の中央部から端部に向かって連続的に拡張するように構成する。
本発明のさらに他の特徴によれば、ハウジングと、前記ハウジング内に収納された電動モータと、前記ハウジングの一端部に装着された被加工部材を加工するための先端工具と、前記ハウジング内に収納されて前記電動モータの動力によって前記先端工具を駆動するための動力伝達機構部と、を具備する電動工具において、前記電動モータは、上記特徴を持つ永久磁石整流子モータによって構成される。
上記本発明の特徴によれば、前記複数の整流子片は、前記電機子コアに形成された前記複数のスロット数(n)より2倍以上の整数倍の数(2n、3n、・・・・)に形成され、かつ前記各スロット内に巻回される前記電機子コイルの本数を前記整数倍の数(2n、3n、・・・・)に等しく設置することによって、火花放電を低減させ、一対のブラシ間を閃絡するフラッシュオーバーを抑制することができる。これにより、ブラシおよび整流子の摩耗を抑制することができる。特に、スロット数nに対して、整流子の整流子片を3倍以上に設定することにより、実効値200V以上の単相交流電圧に対してフラッシュオーバーの発生を防止することができる。
上記本発明の他の特徴によれば、固定子の界磁磁石は希土類焼結体から構成されるので、固定子磁石により磁束量を増加させることができ、電機子コイルの総巻数を低減することができる。これによって、整流子片間のコイル巻数を減らすことができ、更なる整流性の改善が図れ、かつ火花放電の抑制効果が増大する。逆に、コイル巻数を減らさない場合は永久磁石を小形にでき、引いてはモータの小形化が図れる。
さらに、上記本発明の他の特徴によれば、永久磁石の内半径rmを電機子コアの外半径raより大きくし、永久磁石の内半径rmの中心を電機子コアの外半径raの中心より所定値δずらすことにより、永久磁石と電機子コアとの空隙を永久磁石の中央部から端部に向かって連続的に拡張することができる。これにより、永久磁石の端部における磁束の急激な変化をなくすことにより、電機子のコギングトルク(トルクムラ)を抑制できると共に、カーボンブラシと整流子間の機械的な摺動接触性を安定化させることができる。この場合、カーボンブラシの摺動性の不安定に起因する火花放電を抑制することができる。
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴は、以下の本明細書の記述および添付図面からさらに明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、上述した従来技術と同様な部材または構成要素についても、同一の符号を付している。
[電動工具100の全体構成について]
図1は、本発明の永久磁石整流子モータをロータリ型ハンマドリルに適用した場合の実施形態に係る電動工具全体の断面図(正面図)を示す。最初に、図1を参照して、電動工具全体の構成について説明する。
ロータリハンマドリル(電動工具)100は、後述する永久磁石整流子モータ70(以下、単に、「整流子モータ70」と称する)を動力の駆動源として使用している。ハウジング101は、整流子モータ70の回転軸と同一方向に沿って延びる胴体ハウジング部101aと、胴体ハウジング部101aの一端部から垂下するハンドルハウジング部101bとから構成されている。
ハンドルハウジング部101bの下端部には、整流子モータ70の駆動電源となる単相交流200Vの商用電源を供給するための電源ケーブル104が導出されている。また、ハンドルハウジング部101b内には、スイッチ機構部106が装着されており、該スイッチ機構部106には、作業者によるトリガ引き操作に従って整流子モータ70への給電をオン・オフ制御できるように、トリガ105が機械的に結合されている。また、上記電源ケーブル104とスイッチ機構部106の間には、単相交流電源200Vを全波整流するための全波整流器(回路基板)2が装着されている。
胴体ハウジング部101a内に装着された整流子モータ70の固定子3は、磁束密度の大きな希土類の焼結体から成る一対の永久磁石(N極およびS極の界磁磁石)3b、3cと、一対の永久磁石の磁路を形成する円形状の固定子ヨーク3aとから構成される。また、整流子モータ70の電機子5は、電機子シャフト5eから樹脂絶縁層5gによって絶縁された電機子コア5bと、電機子コアに巻回された電機子コイル6と、電機子コイル6の一端に電気的接続された整流子5aとを具備する。整流子5aには、一対のブラシ4が接触するように設けられている。一対のブラシ4は、ブラシホルダ4aによって保持されたカーボンブラシによって構成され、この一対のブラシ4は、上記全波整流回路基板2の直流出力(整流出力)の正極側および負極側にそれぞれ電気的接続されている。
整流子モータ70の回転出力は、回転シャフト5eの出力軸に結合されたピニオンギヤ(図示なし)を介して動力伝達機構部107に伝達される。動力伝達機構部107は、図示されていないが、ピニオンギヤ等を含む減速機構部と、シリンダ、ピストン、クラッチ機構等を含む打撃機構部とから構成される。この動力伝達機構部107によって、整流子モータ70の回転出力を、工具保持部102によって取付けられたドリルビット(先端工具)103に回転力および打撃力として同時に付与し、先端工具103を回転駆動させることができる。なお、整流子モータ70の回転出力軸(動力伝達機構部107側)には、冷却ファン(図示なし)が取付けられ、風窓108より冷却風を吸入するように構成されている。
このような電動工具100では、作業者がトリガ105の引き操作を行ってスイッチ機構部106を介して整流子モータ70を駆動すると、整流子モータ70の出力軸(5e)における回転力は動力伝達機構部107によって減速され、かつ打撃力に変換され、その減速回転力および打撃力が先端工具103に伝達される。これにより、ドリル103は被加工部材に穴あけ作業を実施できる。
[整流子モータ70の構成について]
上記電動工具100において、特に、整流子モータ70は、次のように構成されている。
整流子モータ70の電機子コア5bは、図3の電機子コイル展開図(略式図)に示されるように、12個のスロット5c(1〜12)によって互いに分離された12個の電機子コアのティース部5dによって構成される。また、整流子5aは、互いに絶縁層(図示なし)によって分離された36枚の整流子片5f(1〜36)から構成される。すなわち、整流子片5fは、電機子コア5bに形成されたスロット5cの数n(例えば、12スロット)に対して、3倍の数3n(例えば、36枚)を有する。
そして、一端が整流子片5fに電気的接続された電機子コイル6は、電機子コア5bの互いに対向する各スロット5c(図3におけるスロットNo.1とスロットNo.6)に対して、3本(整流子片数3n/スロット数n=3本)のコイル61、62および63が巻回される。すなわち、隣接する3組の整流子片5f(例えば、No.36、No.1、No.2の整流子片5f)に接続される3本のコイル61、62および63が、同一スロットNo.1に巻回される。所謂、各スロットは、3本のコイルが巻回される3本持ちコイルとなる。全波整流回路基板2によって全波整流した直流電源は、前記一対のカーボンブラシ4および整流子5aを経由して電機子コイル6に供給される。図2は、整流子モータ70の回路図を示す。
また、図3に示されるように、カーボンブラシ4の位置は、永久磁石のN極3bとS極3cの中間の位置、所謂、幾何学的中性点、から電機子5の回転方向と逆方向にある角度θへずらした場所になっている。直流電源2の正極側および負極側に電気的接続される一対のカーボンブラシ4は、共に同一の比抵抗を持つ同一の材質で、かつ同一の形状寸法を有する。なお、図3に示されるように、カーボンブラシ4の幅bは、カーボンブラシの加工精度を考慮して、整流子5aを構成する整流子片5fの幅aの2.5倍以下、つまり、ブラシカバリング2.5以下となるように構成する。
かかる整流子モータ70の構成によれば、図7に示されるような高耐圧、高容量の大型の電解コンデンサ(7)を接続することなく、100V(実効値)を超える単相交流電圧に対してフラッシュオーバーを防止することができる。もちろん、図7に示されるように、もし必要ならば、電磁ノイズ(パルス状サージ電圧)を抑制するために、全波整流回路2の入力側の単相交流電源線間に1個のコンデンサ8aと、アース間に2個のコンデンサ8b、8cとから構成されたコンデンサ組を装着してもよい。この場合、単相交流電源線間に挿入される線間容量は、極性の無い最大0.6μF程度であるので、整流電圧に対する平滑効果が全く得られず、フラッシュオーバーを抑制する作用がない。
[整流子モータ70の整流性能について]
上記整流子モータ70によれば、次のような整流性能を得ることができる。
(1)正極側および負極側における一対のカーボンブラシ4間の供給電圧、すなわち電機子間電圧をVa(実効値)、整流子片5fの数をNsegとすると、隣接する整流子片5f間の電圧Vsegは、Vseg=2Va/Nsegとなる。例えば、電機子コアのスロット5cの数が12で整流子片5fの数が36枚の整流子5aなら、整流子片5fの数24枚の整流子5aを使用した場合に比べ、整流子片5f間の電圧Vsegは、2/3に低下させることができる。
しかも、各スロット内に配設される電機子コイル6の本数は、整流子片5fの数24枚の整流子5aを使用した場合の電機子コイル6の本数2本(2本持ち)に比べ、3本(3本持ち)にすることができるため、隣接する整流子片5f間に挿入されるコイル抵抗RsegおよびコイルインダクタンスLsegを小さくできる。
従って、整流子片5f間の上記供給電圧Va、ならびにコイル抵抗RsegおよびコイルインダクタンスLsegを小さく設定できるので、電機子コアのスロット5cの数が12で整流子片5fの数が36枚の整流子5aなら、整流子片5fの数24枚の整流子5aを使用した場合に比べ、起動時や運転中に正負のカーボンブラシ4間で発生する過大な火花であるフラッシュオーバーの発生の抑制が可能になると実験的に考えられる。
図4は、電機子コアのスロット5cの数が12で整流子片5fの数を3倍の36枚の場合、および電機子コアのスロット5cの数が12で整流子片5fの数を2倍の24枚の場合について、起動時の火花放電(フラッシュオーバーの発生)を単相交流電源1の電圧値(実効値)を変えて測定した結果を示したものである。なお、この検討に用いた整流子モータ70の電機子コア5bの外径は35.7mm、電機子コア5bの積厚は22mm、整流子モータ70の入力電力は650W程度である。
図4から明らかにされるように、整流子片24枚については、電源電圧200Vでフラッシュオーバーが発生するのに対して、整流子片36枚では、電源電圧260Vでフラッシュオーバーが発生する。また、図4に図示されていないが、整流子片12枚については、電源電圧150V以下でフラッシュオーバーの発生が観測された。結果的に図5に示すように、電源電圧100Vを超えて200V以下の場合は整流子片24枚でコイル本数2本とし、電源電圧200Vを超えて260V以下の場合は整流子片36枚でコイル本数3本に設定すれば、フラッシュオーバーの発生を抑制することができる。本発明によれば、特に、200Vの単相交流電源電圧に対してフラッシュオーバーを抑制するために、整流子片36枚でスロット内のコイル本数を3本とすればよい。
(2)永久磁石モータ70はカーボンブラシ4を幾何学的中性点から電機子5の回転方向と逆方向にある角度θずらすことにより、電機子コイル6の整流中のコイルが、磁束密度の小さい位置においてカーボンブラシ4で短絡されるようにでき、電気的な整流性能をさらに向上させることができる。
(3)永久磁石モータ70はブラシカバリングを2.5以下として、4枚の整流子片5fを1つのカーボンブラシ4で短絡しない構成とすることにより、同時に整流を行うコイル数を減らすことができる。これにより、整流改善の効果がさらに向上する。
[整流子モータ70の変形例について]
図6に示すように、固定子ヨーク3aに固着された一対の永久磁石3b、3cの内半径rmを、電機子コア5bの外半径raより大きくし、かつ永久磁石3b、3cの内半径rmの中心を電機子コア5bの外半径raの中心よりδずらすことにより、永久磁石3b、3cと電機子コア5bとの空隙(離間距離)を永久磁石3b、3cの中央部から端部に向けて連続的に拡張してもよい。これにより、永久磁石3b、3cの端部における磁束の急激な変化をなくすことにより、電機子5のコギングトルク(トルクムラ)を抑制できる。また、カーボンブラシ4と整流子5a間の機械的な摺動接触性を安定させることができるので、さらに整流性能を安定させ、火花放電を抑制できる。
なお、上記実施形態において、強磁性体の固定子ヨーク3aの内周面に固着される一対の永久磁石3a、3bの材質は、磁束密度の大きな希土類の焼結体磁石で構成することが望ましい。これにより、モータの小形軽量化を図ることができる。しかも、固定子の界磁磁石を形成する電磁石コイルがないモータに係わらず、フラッシュオーバーの発生を防止することができる。
以上の実施形態の説明から明らかにされるように、本発明によれば、単相交流電源電圧が100Vを超える電圧に対して火花放電またはフラッシュオーバーを抑制することができる。特に、200V以上の高電圧電源で駆動する場合に適用して、大型の平滑用電解コンデンサを使用することなく、火花放電またはフラッシュオーバーを抑制することができる。これにより、従来の平滑用電解コンデンサ(7)の接続を省略することが可能となるので、安価で信頼性の高い整流子モータおよび電動工具を提供することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の一実施形態に係る永久磁石整流子モータおよび電動工具の断面図。 図1に示す永久磁石整流子モータの回路図。 図1に示す永久磁石整流子モータの展開図。 図3に示す永久磁石整流子モータについて単相交流電源電圧と火花放電の関係を実験的に求めたグラフ。 図4に示すグラフから単相交流電源電圧と火花放電の関係を求めた特性表。 本発明に係る永久磁石整流子モータの変形例を示す断面図。 従来の永久磁石整流子モータを示す回路図。
符号の説明
1:単相交流電源(商用電源) 2:全波整流回路(基板)
3:固定子 3a:固定子ヨーク 3b、3c:固定子永久磁石
4:ブラシ 4a:ブラシホルダ 5:電機子 5a:整流子
5b:電機子コア 5c:電機子コアスロット 5d:電機子コアティース部
5e:電機子シャフト 5f:整流子片 6:電機子コイル
61:第1の電機子コイル 62:第2の電機子コイル
63:第3の電機子コイル 7:電解コンデンサ
8a、8b、8c:ノイズ抑制用コンデンサ 70:永久磁石整流子モータ
100:ハンマドリル(電動工具) 101:ハウジング
101a:胴体ハウジング部 101b:ハンドルハウジング部
102:工具保持部 103:先端工具 104:電源ケーブル
105:トリガ 106:スイッチ機構部 107:動力伝達機構部
108:風窓 a:整流子片幅 b:カーボンブラシの回転方向の幅
ra:電機子コアの外半径 rm:永久磁石の内半径
δ:rmとraの中心のずれ

Claims (4)

  1. 一対の対向する永久界磁磁石を備えた固定子と、
    回転軸方向に沿って延在するように形成された複数のスロットを有する電機子コアと、
    前記電機子コアの各スロット内に巻回された電機子コイルと、
    互いに電気的絶縁された複数の整流子片を有し、該整流子片を介して前記電機子コイルに駆動電流を供給するための整流子と、
    単相交流電源を全波整流するための電源回路手段と、
    前記電源回路手段に電気的接続され、前記整流子上を摺動して前記電機子コイルへ前記駆動電流を供給する一対のブラシと、を具備する永久磁石整流子モータにおいて、
    前記電機子コイルに、実効値200V以上の単相交流電源の全波整流電圧を平滑せずに印加し、
    前記スロットの数を12、前記整流子片の数を36とし、かつ前記各スロット内に巻回される前記電機子コイルの本数を3とすることにより、火花放電を防止するように構成したことを特徴とする永久磁石整流子モータ。
  2. 前記永久磁石は希土類焼結体から構成されたことを特徴とする請求項1に記載された永久磁石整流子モータ。
  3. 前記永久界磁磁石の内半径(rm)を電機子コアの外周面までの外半径(ra)より大きくし、前記永久界磁磁石の内半径(rm)の中心を前記電機子コアの外半径(ra)の中心より所定値(δ)ずらすことにより、前記永久界磁磁石と前記電機子コアとの空隙を、前記永久界磁磁石の中央部から端部に向かって連続的に拡張したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の久磁石整流子モータ。
  4. ハウジングと、前記ハウジング内に収納された電動モータと、前記ハウジングの一端部に装着された被加工部材を加工するための先端工具と、前記ハウジング内に収納されて前記電動モータの動力によって前記先端工具を駆動するための動力伝達機構部と、を具備する電動工具において、
    前記電動モータは、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載された永久磁石整流子モータによって構成されたことを特徴とする電動工具。
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