近年、デジタルスチルカメラなど、光を電気信号に変換して画像信号を出力する撮像装置が実用化されている。この撮像装置に用いる撮像デバイスとして、MOS(Metal−Oxide Semiconductor:金属酸化膜半導体)型固体撮像装置に関するより多くの研究開発がなされている。
以降の説明において、「固体撮像装置」という場合は、MOS型固体撮像装置を示すこととする。
図5は、特許文献1で開示された、全画素読み出しモードと列間引き読み出しモードとの切り替えが可能な従来の固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図5において、固体撮像装置500は、行方向および列方向(図5においては、2行4列)の二次元に配置された画素11〜24と、画素11〜24を読み出すための読み出しパルスを供給する垂直走査部2と、画素11〜24から読み出された信号を伝送する垂直信号線3と、垂直信号線3のそれぞれに一定の電流を流すための画素電流源MBと、垂直信号線3のそれぞれに接続され、垂直信号線3の信号に含まれるノイズ成分を抑圧するノイズ抑圧回路4と、ノイズ抑圧回路4を列単位で接続するノイズ抑圧回路接続スイッチMAと、ノイズ抑圧回路4からの信号を選択的に水平信号線6に出力するための列選択トランジスタMHと、ノイズ抑圧回路4からの信号を選択するための選択パルスを供給する水平走査部5と、水平信号線6に出力された信号を増幅して出力チャンネルOUTに出力する出力アンプ7と、水平信号線6の信号レベルをリセットするための水平信号線リセットトランジスタMRと、固体撮像装置500の読み出しモードを切り替えるタイミング制御部8とから構成される。
なお、図5に示した従来の固体撮像装置500において、各符号の後の“_:アンダーバー”に続く数字は、固体撮像装置500内に配置されている画素の列番号を示す。例えば、第2列の画素12および画素22が接続されている第2列の垂直信号線3は、「垂直信号線3_2」と表す。また、例えば、垂直信号線3_3と垂直信号線3_4とを接続するノイズ抑圧回路接続スイッチMAは、「ノイズ抑圧回路接続スイッチMA_34」と表す。また、画素の列番号を特定しない場合は、各符号の後の“_:アンダーバー”およびそれに続く数字を表記しない。
垂直走査部2は、画素11〜24を行単位で読み出すための転送パルスφTX1およびφTX2、リセットパルスφRST1およびφRST2、行選択パルスφROW1およびφROW2を、画素11〜24に出力する。
水平走査部5は、垂直信号線3のそれぞれに接続、すなわち、画素11〜24の列単位に接続されたノイズ抑圧回路4の出力信号を選択するための列選択パルスφH1〜φH4を、列選択トランジスタMH_1〜MH_4に出力する。なお、列選択パルスφH1〜φH4によって選択されたノイズ抑圧回路4の出力信号は、出力アンプ7によって増幅され、固体撮像装置500の画素信号として出力される。
また、水平走査部5は、水平信号線6を水平信号線リセット電圧VRの電位にリセットするための水平信号線リセットパルスφRSを、水平信号線リセットトランジスタMRに出力する。
タイミング制御部8は、ノイズ抑圧回路4を制御するためのクランプパルスφCL、サンプルホールドパルスφSHを、ノイズ抑圧回路4に出力する。
また、タイミング制御部8は、固体撮像装置500の読み出しモードに応じて、ノイズ抑圧回路4の接続を制御するための混合パルスφAVEを、ノイズ抑圧回路接続スイッチMAに出力する。
さらに、タイミング制御部8は垂直走査部2および水平走査部5を制御する制御信号を出力する。
画素部11〜24は、それぞれ入射光を電気信号に変換し、垂直信号線3に出力する回路である。画素部11〜24は、それぞれ、入射した光を光電変換した電気信号を蓄積するフォトダイオードPD、フォトダイオードPDに蓄積された電気信号を増幅トランジスタM3のゲート端子に転送する転送トランジスタM1、転送された電気信号を増幅する増幅トランジスタM3、増幅トランジスタM3のゲート端子の電位をリセットするリセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3による増幅信号を選択的に垂直信号線3に出力する行選択トランジスタM4とから構成される。
また、転送トランジスタM1、リセットトランジスタM2、行選択トランジスタM4のゲート端子には、垂直走査部2からの転送パルスφTX1またはφTX2、リセットパルスφRST1またはφRST2、行選択パルスφROW1またはφROW2がそれぞれ行単位で入力される。また、リセットトランジスタM2と増幅トランジスタM3とのドレイン端子は、画素電源VDDに接続されている。
ノイズ抑圧回路4は、画素11〜24から列単位で垂直信号線3に出力された信号をクランプ電圧VCの電位にクランプするためのクランプ容量Ccと、クランプ電圧VCをクランプ容量Ccに供給するクランプトランジスタM7と、ノイズ抑圧後の信号をサンプルホールドするサンプルホールド容量Csと、サンプルホールドトランジスタM6とから構成される。
また、クランプトランジスタM7のゲート端子には、タイミング制御部8からのクランプパルスφCLが入力され、サンプルホールドトランジスタM6のゲート端子には、タイミング制御部8からのサンプルホールドパルスφSHが入力される。
ノイズ抑圧回路接続スイッチMAは、ゲート端子に入力されたタイミング制御部8からの混合パルスφAVEに応じて、2つのノイズ抑圧回路4内のサンプルホールド容量Csを接続することによって画素の信号を混合するスイッチである。例えば、ノイズ抑圧回路4_1とノイズ抑圧回路4_2との出力を画素混合する場合は、タイミング制御部8から入力された混合パルスφAVEに応じて、ノイズ抑圧回路4_1およびノイズ抑圧回路4_2内に備えられたサンプルホールド容量Csを接続することによって画素混合をする。
各列の列選択トランジスタMHのゲート端子には、水平走査部5からの列選択パルスφH1〜φH4が、それぞれ入力される。
水平信号線リセットトランジスタMRのゲート端子には、水平信号線リセットパルスφRSが入力される。また、水平信号線リセットトランジスタMRのドレイン端子は、水平信号リセット電圧VRに接続されている。
画素電流源MBのゲート端子は、画素バイアス電流制御電圧VBIASに接続されている。
図6は、特許文献1で開示された従来の固体撮像装置の概略動作を示すタイミングチャートである。なお、図6(a)は、従来の固体撮像装置500において、全画素の信号を読み出す全画素読み出しモードのタイミングチャートを示す。また、図6(b)は、画素の各列の信号を間引いて読み出す1/2列間引きモードのタイミングチャートを示す。なお、図6(a)および図6(b)に示したタイミングチャートでは、第1行目の画素11〜14を、全画素読み出しモードおよび1/2列間引きモードで読み出す場合の例を示している。
最初に図6(a)に示した全画素読み出しモードにおける動作について説明する。全画素読み出しモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、垂直走査部2は、まず、タイミングt1から、行選択パルスφROW1を“H”レベルとして、行選択トランジスタM4をON状態とし、増幅トランジスタM3の出力を、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出す状態とする。そして、垂直走査部2は、リセットパルスφRST1を“H”レベルとして、リセットトランジスタM2をON状態とし、増幅トランジスタM3のゲート端子を画素電源VDDの電位(以下、「リセット電位」という)にリセットする。このことにより、画素11〜14のリセット電位に応じた出力が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出される。また、このとき、タイミング制御部8は、クランプパルスφCLおよびサンプルホールドパルスφSHを“H”レベルとし、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csをクランプ電圧VCの電位にクランプする。
続いて、タイミングt2において、垂直走査部2がリセットパルスφRST1を“L”レベルとした後、タイミング制御部8は、タイミングt3において、クランプパルスφCLを“L”レベルとし、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csのクランプを終了する。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4において、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。このことにより、第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ出力される。ここで、画素11〜14のリセット電位から光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位は、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの容量値に応じて、VC−(Cc/(Cc+Cs))ΔSigの電位に変化する。このことによって、第1行の画素11〜14の各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去される。
続いて、タイミングt5において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとした後、タイミング制御部8は、タイミングt6において、サンプルホールドパルスφSHを“L”レベルとする。このことにより、変化したクランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位が、それぞれのノイズ抑圧回路4内のサンプルホールド容量Csに保持される。なお、ここでサンプルホールド容量Csに保持された電位が、ノイズ抑圧後の画素信号となる。そして、垂直走査部2が行選択パルスφROW1を“L”レベルにすることによって、第1行の画素11〜14の読み出し動作を完了する。
その後、タイミングt7から、水平走査部5が水平信号線リセットパルスφRSを“L”レベルにすることによって、水平信号線6の水平信号線リセット電圧VRへのリセットを解除し、列選択パルスφH1を“H”レベルにすることによって、ノイズ抑圧回路4_1内のサンプルホールド容量Csに保持された画素11のノイズ抑圧後の画素信号を水平信号線6に読み出す。このことによって、水平信号線6に読み出だされたノイズ抑圧後の画素11の画素信号が、出力アンプ7を通じて出力チャンネルOUTから出力される。そして、水平走査部5が列選択パルスφH1を“L”レベルとして、画素11のノイズ抑圧後の画素信号の読み出しを終了し、水平信号線リセットパルスφRSを“H”レベルとして、水平信号線6を水平信号線リセット電圧VRにリセットする。
タイミングt8以降、同様に水平走査部5からの水平信号線リセットパルスφRSおよび列選択パルスφH3〜φH4によって、ノイズ抑圧後の画素信号の水平信号線6への読み出しと水平信号線6のリセットとを繰り返すことによって、画素13〜14の画素信号が出力チャンネルOUTから出力される。
なお、図6(a)においては、第1行の画素11〜14の画素信号の読み出し動作について説明したが、固体撮像装置500が、さらに第1行の他の画素を備えた構成である場合は、続けて第1行の他の画素の画素信号の読み出し動作を繰り返す。また、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出しを行う場合は、上述したタイミングt1〜t10の場合と同様にして、以降の行の画素信号を読み出す。
従来の固体撮像装置500における全画素読み出しモードでは、このようにして複数行の画素、すなわち、全画素の読み出しを行っている。
次に図6(b)に示した1/2列間引きモードにおける動作について説明する。1/2列間引きモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、図6(a)に示した全画素読み出しモードのタイミングチャートのタイミングt1〜t3と同様に、画素11〜14のリセット電位に応じた出力を垂直信号線3_1〜3_4へ読み出し、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csをクランプ電圧VCの電位にクランプする。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4において、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。このことにより、第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ出力される。ここで、画素11〜14のリセット電位から光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位は、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの容量値に応じて、VC−(Cc/(Cc+Cs))ΔSigの電位に変化する。このことによって、第1行の画素11〜14の各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去される。
続いて、タイミング制御部8は、タイミングt5において、混合パルスφAVEを“H”レベルとして、ノイズ抑圧回路接続スイッチMAをON状態とする。このことにより、2つのノイズ抑圧回路4(ノイズ抑圧回路4_1と4_2およびノイズ抑圧回路4_3と4_4)内のサンプルホールド容量Csが接続される。また、このことによって、2列分の信号の電位、例えば、ノイズ抑圧回路4_1内のサンプルホールド容量Csの電位とノイズ抑圧回路4_2内のサンプルホールド容量Csの電位とが混合される。
続いて、タイミングt6において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとした後、タイミング制御部8は、タイミングt7において、サンプルホールドパルスφSHおよび混合パルスφAVEを“L”レベルとする。このことにより、ノイズ成分が除去された2画素の混合画素信号の電位が、それぞれのノイズ抑圧回路4内のサンプルホールド容量Csに保持される。そして、垂直走査部2が行選択パルスφROW1を“L”レベルにすることによって、第1行の画素11〜14の読み出し動作を完了する。
その後、タイミングt8から、水平走査部5が水平信号線リセットパルスφRSを“L”レベルにすることによって、水平信号線6の水平信号線リセット電圧VRへのリセットを解除し、列選択パルスφH1を“H”レベルにすることによって、ノイズ抑圧回路4_1内のサンプルホールド容量Csに保持されたノイズ抑圧後の混合画素信号を水平信号線6に読み出す。このことによって、水平信号線6に読み出されたノイズ抑圧後の画素11と画素12との混合画素信号が、出力アンプ7を通じて出力チャンネルOUTから出力される。そして、水平走査部5が列選択パルスφH1を“L”レベルとして、ノイズ抑圧後の画素11と画素12との混合画素信号の読み出しを終了し、水平信号線リセットパルスφRSを“H”レベルとして、水平信号線6を水平信号線リセット電圧VRにリセットする。
タイミングt9以降、同様に水平走査部5が再び水平信号線リセットパルスφRSおよび列選択パルスφH3によって、画素13と画素14との2画素が混合されたノイズ抑圧後の混合画素信号を水平信号線6に読み出し、出力チャンネルOUTから出力する。
なお、図6(b)においては、第1行の画素11と画素12との混合画素信号および画素13と画素14との混合画素信号の読み出し動作について説明したが、固体撮像装置500が、さらに第1行の他の画素を備えた構成である場合は、続けて第1行の他の画素の混合画素信号の読み出し動作を繰り返す。また、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出しを行う場合は、上述したタイミングt1〜t9の場合と同様にして、以降の行の画素信号を読み出す。
従来の固体撮像装置500における1/2列間引きモードでは、このようにして各列の画素からの信号を混合するという、列の画素を間引いて読み出すことと等価の動作をすることにより、高速の読み出しを行うことを可能としている。また、ノイズ抑圧回路内のサンプルホールド容量を列単位で混合する列信号混合機能を設け、列間引き読み出し時に、読み出す画素の信号と読み出さない画素の信号とを混合して読み出している。このことによって、列を間引いた画素信号に基づいて信号処理した場合に発生する、例えば、モアレ等の擬似信号の発生を抑圧し、列間引き読み出し時の信号品質を向上している。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による、全画素読み出しモードと列間引き読み出しモードとの切り替えが可能な固体撮像装置100の概略構成を示したブロック図である。図1において、固体撮像装置100は、行方向および列方向(図1においては、2行4列)の二次元に配置された画素11〜24と、画素11〜24を読み出すための読み出しパルスを供給する垂直走査部2と、画素11〜24から読み出された信号を伝送する垂直信号線3と、垂直信号線3のそれぞれに一定の電流を流すための画素電流源MBと、画素電流源MBと垂直信号線3とを接続する画素電流源制御トランジスタM5と、垂直信号線3を列単位で接続する垂直信号線接続スイッチMCと、垂直信号線3のそれぞれに接続され、垂直信号線3の信号に含まれるノイズ成分を抑圧するノイズ抑圧回路4と、ノイズ抑圧回路4からの信号を選択的に水平信号線6に信号を出力するための列選択トランジスタMHと、ノイズ抑圧回路4からの信号を選択するための選択パルスを供給する水平走査部5と、水平信号線6に出力された信号を増幅して出力チャンネルOUTに出力する出力アンプ7と、水平信号線6の信号レベルをリセットするための水平信号線リセットトランジスタMRと、固体撮像装置100の読み出しモードを切り替えるタイミング制御部108とから構成される。
なお、本第1の実施形態の固体撮像装置100と図5に示した従来の固体撮像装置500との構成の違いは、従来の固体撮像装置500からノイズ抑圧回路接続スイッチMAが削除され、本第1の実施形態の固体撮像装置100に画素電流源制御トランジスタM5と垂直信号線接続スイッチMCとが追加されたことである。また、タイミング制御部8に代わり、タイミング制御部108を備えたことである。また、上記構成の違いにより、画素電流源MBの接続が異なる。
なお、本第1の実施形態の固体撮像装置100と従来の固体撮像装置500とにおいて、同様の動作をする構成要素については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、以下の説明において、各符号の後の“_:アンダーバー”に続く数字の表す意味も同様である。
タイミング制御部108は、ノイズ抑圧回路4を制御するためのクランプパルスφCL、サンプルホールドパルスφSHを、ノイズ抑圧回路4に出力する。
なお、タイミング制御部108は、ノイズ抑圧回路4に出力するクランプパルスφCL、サンプルホールドパルスφSHによって、ノイズ抑圧回路4の動作と停止とを、個別に制御することができる。なお、本発明においては、タイミング制御部108によってノイズ抑圧回路4の動作と停止とを個別に制御する方法、例えば、それぞれのノイズ抑圧回路4に出力するクランプパルスφCL、サンプルホールドパルスφSHの出力を切り替える方法等に関しての規定はしない。
また、タイミング制御部108は、固体撮像装置100の読み出しモードに応じて、垂直信号線3の列単位の接続を制御するための混合パルスφAVEを、垂直信号線接続スイッチMCに出力する。また、タイミング制御部108は、画素電流源MBと垂直信号線3との接続を制御するための画素電流源制御パルスφVBIASを、画素電流源制御トランジスタM5に出力する。
さらに、タイミング制御部8は垂直走査部2および水平走査部5を制御する制御信号を出力する。
画素電流源MBのゲート端子には、画素バイアス電流制御電圧VBIASが入力され、画素電流源MBのドレイン端子は、画素電流源制御トランジスタM5のソース端子に接続される。
画素電流源制御トランジスタM5は、ゲート端子に入力されたタイミング制御部108からの画素電流源制御パルスφVBIASに応じて、画素電流源MBと垂直信号線3との接続を切り替えるスイッチである。
垂直信号線接続スイッチMCは、ゲート端子に入力されたタイミング制御部108からの混合パルスφAVEに応じて、垂直信号線3を列単位で接続するスイッチである。
次に、本実施形態の固体撮像装置の動作タイミングについて説明する。図2は、本第1の実施形態の固体撮像装置100の概略動作のタイミングを示したタイミングチャートである。なお、図2(a)は、固体撮像装置100において、全画素の信号を読み出す全画素読み出しモードのタイミングチャートを示す。また、図2(b)は、画素の各列の信号を間引いて読み出す1/2列間引きモードのタイミングチャートを示す。なお、図2(a)および図2(b)に示したタイミングチャートでは、図6(a)および図6(b)に示した従来の固体撮像装置500のタイミングチャートと同様に、第1行目の画素11〜14を、全画素読み出しモードおよび1/2列間引きモードで読み出す場合の例を示している。
最初に図2(a)に示した全画素読み出しモードにおける動作について説明する。全画素読み出しモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、タイミング制御部108は、まず、タイミングt1から、画素電流源制御パルスφVBIASを“H”レベルとして、画素電流源制御トランジスタM5をON状態とし、画素バイアス電流制御電圧VBIASにより垂直信号線3_1〜3_4に一定の電流を流す。そして、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“H”レベルとして、行選択トランジスタM4をON状態とし、増幅トランジスタM3の出力を、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出す状態とする。そして、垂直走査部2は、リセットパルスφRST1を“H”レベルとして、リセットトランジスタM2をON状態とし、増幅トランジスタM3のゲート端子をリセット電位にリセットする。このことにより、画素11〜14のリセット電位に応じた出力が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出される。また、このとき、タイミング制御部108は、クランプパルスφCLおよびサンプルホールドパルスφSHを“H”レベルとし、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csをクランプ電圧VCの電位にクランプする。
続いて、タイミングt2において、垂直走査部2がリセットパルスφRST1を“L”レベルとした後、タイミング制御部108は、タイミングt3において、クランプパルスφCLを“L”レベルとし、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csのクランプを終了する。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4において、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。このことにより、第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ出力される。ここで、画素11〜14のリセット電位から光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位は、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの容量値に応じて、VC−(Cc/(Cc+Cs))ΔSigの電位に変化する。このことによって、第1行の画素11〜14の各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去される。
続いて、タイミングt5において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとした後、タイミング制御部108は、タイミングt6において、サンプルホールドパルスφSHを“L”レベルとする。このことにより、変化したクランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位が、それぞれのノイズ抑圧回路4内のサンプルホールド容量Csに保持される。なお、ここでサンプルホールド容量Csに保持された電位が、ノイズ抑圧後の画素信号となる。そして、垂直走査部2が行選択パルスφROW1を“L”レベルとし、タイミング制御部108が画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとすることによって、第1行の画素11〜14の読み出し動作を完了する。
その後、タイミングt7から、ノイズ抑圧回路4_1内のサンプルホールド容量Csに保持されたノイズ抑圧後の画素11の画素信号が水平信号線6に読み出され、出力アンプ7を通じて出力チャンネルOUTから出力される。
なお、タイミングt7以降の画素信号の読み出し動作は、図6(a)に示した従来の固体撮像装置500における、全画素読み出しモードのタイミングと同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図2(a)において、第1行の画素11〜14の画素信号の読み出し動作以降、続けて第1行の他の画素の画素信号の読み出す場合や、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出す場合に関しても、図6(a)に示した従来の固体撮像装置500における、全画素読み出しモードのタイミングと同様である。
固体撮像装置100における全画素読み出しモードでは、このようにして複数行の画素、すなわち、全画素の読み出しを行っている。
次に図2(b)に示した1/2列間引きモードにおける動作について説明する。1/2列間引きモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、図2(a)に示した全画素読み出しモードのタイミングチャートのタイミングt1と同様に、画素11〜14のリセット電位に応じた出力を垂直信号線3_1〜3_4へ読み出し、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csをクランプ電圧VCの電位にクランプする。
なお、図2(b)に示した1/2列間引きモードでは、タイミング制御部108は、垂直信号線3_1に接続されたノイズ抑圧回路4_1および垂直信号線3_3に接続されたノイズ抑圧回路4_3のクランプパルスφCLおよびサンプルホールドパルスφSHのみを制御する。また、1/2列間引きモードの全期間において、垂直信号線3_2に接続されたノイズ抑圧回路4_2および垂直信号線3_4に接続されたノイズ抑圧回路4_4のクランプパルスφCLおよびサンプルホールドパルスφSHは、常に“L”レベルであり、ノイズ抑圧回路4_2およびノイズ抑圧回路4_4は、停止状態である。
続いて、タイミングt2において、垂直走査部2がリセットパルスφRST1を“L”レベルとした後、タイミングt3から、タイミング制御部108は、画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“L”レベルとして、垂直信号線3_1〜3_4をフローティング状態とする。そして、タイミング制御部108は、混合パルスφAVEを“H”レベルとして、垂直信号線接続スイッチMCをON状態とする。このことにより、画素を混合する2つの垂直信号線3(垂直信号線3_1と3_2および垂直信号線3_3と3_4)が接続される。また、このことによって、接続しているそれぞれの垂直信号線3に出力されているリセット電位に応じた出力(画素リセット信号)が混合され、ノイズ抑圧回路4_1およびノイズ抑圧回路4_3内のクランプ容量Ccの電位が、2つの垂直信号線3の画素リセット信号が混合された電位となる。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4から、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。そして、タイミング制御部108は、混合パルスφAVEを“L”レベルとした後、クランプパルスφCLを“L”レベルとし、クランプ容量Ccおよびサンプルホールド容量Csのクランプを終了する。
続いて、タイミングt5において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとした後、タイミング制御部108は、タイミングt6において、画素電流源制御パルスφVBIASを“H”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“H”レベルにする。このことによって、タイミングt4からタイミングt5の期間の転送パルスφTX1の“H”レベルによって増幅トランジスタM3のゲート端子に転送された第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4に出力される。
続いて、タイミングt7において、タイミング制御部108は、画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“L”レベルとして、垂直信号線3_1〜3_4を再びフローティング状態とする。
続いて、タイミング制御部108は、タイミングt8において、混合パルスφAVEを“H”レベルとして、垂直信号線接続スイッチMCをON状態とする。このことにより、画素を混合する2つの垂直信号線3(垂直信号線3_1と3_2および垂直信号線3_3と3_4)が接続され、接続している垂直信号線3のそれぞれに出力されている各画素の光信号に伴う電気信号が混合される。ここで、2つの垂直信号線3が混合されたリセット電位から、2つの垂直信号線3が混合された光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、ノイズ抑圧回路4_1およびノイズ抑圧回路4_3内のクランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの間の電位は、クランプ容量Ccとサンプルホールド容量Csとの容量値に応じて、VC−(Cc/(Cc+Cs))ΔSigの電位に変化する。このことによって、第1行の混合された各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去される。
続いて、タイミング制御部108は、タイミングt9から、サンプルホールドパルスφSHおよび混合パルスφAVEを“L”レベルとする。このことにより、ノイズ成分が除去された2列分の混合画素信号の電位が、ノイズ抑圧回路4_1およびノイズ抑圧回路4_3内のサンプルホールド容量Csに保持される。
その後、ノイズ抑圧回路4_1内のサンプルホールド容量Csに保持された画素11と画素12との2画素が混合されたノイズ抑圧後の混合画素信号が、水平信号線6に読み出され、出力アンプ7を通じて画素11と画素12との混合画素信号として出力チャンネルOUTから出力される。
なお、タイミングt9以降の画素信号の読み出し動作は、図6(b)に示した従来の固体撮像装置500における、1/2列間引きモードのタイミングと同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図2(b)において、第1行の画素11〜14の画素信号の読み出し動作以降、続けて第1行の他の画素の画素信号の読み出す場合や、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出す場合に関しても、図6(b)に示した従来の固体撮像装置500における、1/2列間引きモードのタイミングと同様である。
固体撮像装置100における1/2列間引きモードでは、このようにして各列の画素からの信号を混合するという、列の画素を間引いて読み出すことと等価の動作をすることにより、高速の読み出しを行うことを可能としている。
また、垂直信号線3上で列信号混合を行うことによって、読み出す画素の信号と読み出さない画素の信号とを混合して読み出している。このことによって、列を間引いた画素信号に基づいて信号処理した場合の擬似信号の発生を抑圧し、列間引き読み出し時の信号品質を向上させている。
上記に述べたとおり、本発明の第1の実施形態によれば、従来の固体撮像装置と同様に列間引き読み出しを行うことができる。また、本発明の第1の実施形態の固体撮像装置100においては、列間引き読み出し時の列信号混合を、垂直信号線3上で行うことによって、間引きされる画素の列のノイズ抑圧回路の動作を停止させた状態で、列間引き読み出しによる画素信号の混合を行うことができる。このことによって、列間引き読み出し時における固体撮像装置のノイズ抑圧回路による電力の消費を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態による全画素読み出しモードと、列間引き読み出しモードとの切り替えが可能な、固体撮像装置200の概略構成を示したブロック図である。図3において、固体撮像装置200は、行方向および列方向(図3においては、2行4列)の二次元に配置された画素11〜24と、画素11〜24を読み出すための読み出しパルスを供給する垂直走査部2と、画素11〜24から読み出された信号を伝送する垂直信号線3と、垂直信号線3のそれぞれに一定の電流を流すための画素電流源MBと、画素電流源MBと垂直信号線3とを接続する画素電流源制御トランジスタM5と、垂直信号線3を列単位で接続する垂直信号線接続スイッチMCと、垂直信号線3のそれぞれに接続され、垂直信号線3の信号成分を増幅する列信号増幅回路9と、列信号増幅回路9からの信号を選択的に水平信号線6に信号を出力するための列選択トランジスタMHと、列信号増幅回路9からの信号を選択するための選択パルスを供給する水平走査部5と、水平信号線6に出力された信号を増幅して出力チャンネルOUTに出力する出力アンプ7と、水平信号線6の信号レベルをリセットするための水平信号線リセットトランジスタMRと、固体撮像装置200の読み出しモードを切り替えるタイミング制御部108とから構成される。
なお、本第2の実施形態の固体撮像装置200と第1の実施形態の固体撮像装置100との構成の違いは、第1の実施形態の固体撮像装置100に備えたノイズ抑圧回路4に代わり、列信号増幅回路9を備えたことである。また、上記構成の違いにより、タイミング制御部108は、列信号増幅回路9を制御することが異なる。
なお、本第2の実施形態の固体撮像装置200と第1の実施形態の固体撮像装置100とにおいて、同様の動作をする構成要素については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、以下の説明において、各符号の後の“_:アンダーバー”に続く数字の表す意味も同様である。
列信号増幅回路9は、垂直信号線3の信号、すなわち、画素11〜24から列単位で出力された信号をクランプ電圧VCの電位にクランプするためのクランプ容量Ccと、クランプ電圧VCをクランプ容量Ccに供給するクランプトランジスタM7と、増幅後の信号をサンプルホールドするサンプルホールド容量Csと、サンプルホールドトランジスタM6と、入力された信号を増幅するための列アンプ91と、列アンプ91をリセットするアンプリセットトランジスタM9と、列信号増幅回路9のゲインを決定する増幅用容量Cgおよび帰還容量Cfとから構成される。
また、クランプトランジスタM7およびアンプリセットトランジスタM9のゲート端子には、タイミング制御部108からのクランプパルスφCLが入力され、サンプルホールドトランジスタM6のゲート端子には、タイミング制御部108からのサンプルホールドパルスφSHが入力される。
次に、本実施形態の固体撮像装置の動作タイミングについて説明する。図4は、本第2の実施形態の固体撮像装置200の概略動作のタイミングを示したタイミングチャートである。なお、図4(a)は、固体撮像装置200において、全画素の信号を読み出す全画素読み出しモードのタイミングチャートを示す。また、図4(b)は、画素の各列の信号を間引いて読み出す1/2列間引きモードのタイミングチャートを示す。なお、図4(a)および図4(b)に示したタイミングチャートでは、図2(a)および図2(b)に示した第1の実施形態の固体撮像装置100のタイミングチャートと同様に、第1行目の画素11〜14を、全画素読み出しモードおよび1/2列間引きモードで読み出す場合の例を示している。
最初に図4(a)に示した全画素読み出しモードにおける動作について説明する。全画素読み出しモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、タイミング制御部108は、まず、タイミングt1から、画素電流源制御パルスφVBIASを“H”レベルとして、画素電流源制御トランジスタM5をON状態とし、画素バイアス電流制御電圧VBIASにより垂直信号線3_1〜3_4に一定の電流を流す。そして、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“H”レベルとして、行選択トランジスタM4をON状態とし、増幅トランジスタM3の出力を、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出す状態とする。そして、垂直走査部2は、リセットパルスφRST1を“H”レベルとして、リセットトランジスタM2をON状態とし、増幅トランジスタM3のゲート端子をリセット電位にリセットする。このことにより、画素11〜14のリセット電位に応じた出力が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ読み出される。また、このとき、タイミング制御部108は、クランプパルスφCLを“H”レベルとし、クランプ容量Ccをクランプ電圧VCの電位にクランプするとともに、列アンプ91をリセット状態とする。
続いて、タイミングt2において、垂直走査部2がリセットパルスφRST1を“L”レベルとした後、タイミング制御部108は、タイミングt3において、クランプパルスφCLを“L”レベルとし、クランプ容量Ccのクランプおよび列アンプ91のリセットを終了する。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4において、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。このことにより、第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4にそれぞれ出力される。ここで、画素11〜14のリセット電位から光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、列アンプ91の入力は、クランプ容量Ccの電位に応じて、VC−ΔSigの電位に変化する。これにより、列アンプ91の出力は、Vc−(1+Cg/Cf)ΔSigとなり、第1行の画素11〜14の各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去されるとともに、列アンプ91によって信号増幅される。
続いて、タイミングt5において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとする。
続いて、タイミング制御部108は、タイミングt6において、サンプルホールドパルスφSHを“H”レベルとした後、タイミングt7において、サンプルホールドパルスφSHを“L”レベルとする。このことにより、列アンプ91が出力した電位が、それぞれの列信号増幅回路9内のサンプルホールド容量Csに保持される。なお、ここでサンプルホールド容量Csに保持された列アンプ91の出力した電位が、ノイズ抑圧され、増幅された後の画素信号となる。そして、垂直走査部2が行選択パルスφROW1を“L”レベルとし、タイミング制御部108が画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとすることによって、第1行の画素11〜14の読み出し動作を完了する。
その後、タイミングt8から、列信号増幅回路9_1内のサンプルホールド容量Csに保持されたノイズ抑圧および増幅後の画素11の画素信号が水平信号線6に読み出され、出力アンプ7を通じて出力チャンネルOUTから出力される。
なお、タイミングt8以降の画素信号の読み出し動作は、図2(a)に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における、全画素読み出しモードのタイミングと同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図4(a)において、第1行の画素11〜14の画素信号の読み出し動作以降、続けて第1行の他の画素の画素信号の読み出す場合や、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出す場合に関しても、図2(a)に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における、全画素読み出しモードのタイミングと同様である。
固体撮像装置200における全画素読み出しモードでは、このようにして複数行の画素、すなわち、全画素の読み出しを行っている。
次に図4(b)に示した1/2列間引きモードにおける動作について説明する。1/2列間引きモードでは、第1行の画素11〜14の読み出し動作が可能となると、図4(a)に示した全画素読み出しモードのタイミングチャートのタイミングt1と同様に、画素11〜14のリセット電位に応じた出力を垂直信号線3_1〜3_4へ読み出し、クランプ容量Ccをクランプ電圧VCの電位にクランプし、列アンプ91のリセットを行う。
なお、図4(b)に示した1/2列間引きモードでは、タイミング制御部108は、垂直信号線3_1に接続された列信号増幅回路9_1および垂直信号線3_3に接続された列信号増幅回路9_3のクランプパルスφCLのみを制御する。また、1/2列間引きモードの全期間において、垂直信号線3_2に接続された列信号増幅回路9_2および垂直信号線3_4に接続された列信号増幅回路9_4のクランプパルスφCLおよびサンプルホールドパルスφSHは、常に“L”レベルであり、さらに、列アンプ91に流れるバイアス電流もOFF状態とし、列信号増幅回路9_2および列信号増幅回路9_4は、停止状態である。
続いて、タイミングt2において、垂直走査部2がリセットパルスφRST1を“L”レベルとした後、タイミングt3から、タイミング制御部108は、画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“L”レベルとして、垂直信号線3_1〜3_4をフローティング状態とする。そして、タイミング制御部108は、混合パルスφAVEを“H”レベルとして、垂直信号線接続スイッチMCをON状態とする。このことにより、画素を混合する2つの垂直信号線3(垂直信号線3_1と3_2および垂直信号線3_3と3_4)が接続される。また、このことによって、接続しているそれぞれの垂直信号線3に出力されているリセット電位に応じた出力(画素リセット信号)が混合され、列信号増幅回路9_1および列信号増幅回路9_3内のクランプ容量Ccの電位が、2つの垂直信号線3の画素リセット信号が混合された電位となる。
続いて、垂直走査部2は、タイミングt4から、転送パルスφTX1を“H”レベルとして、転送トランジスタM1をON状態とし、フォトダイオードPDで発生した光信号に伴う電気信号を、増幅トランジスタM3のゲート端子へ転送する。そして、タイミング制御部108は、混合パルスφAVEを“L”レベルした後、クランプパルスφCLを“L”レベルとし、クランプ容量Ccのクランプおよび列アンプ91のリセットを終了する。
続いて、タイミングt5において、垂直走査部2が転送パルスφTX1を“L”レベルとした後、タイミング制御部108は、タイミングt6において、画素電流源制御パルスφVBIASを“H”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“H”レベルにする。このことによって、タイミングt4からタイミングt5の期間の転送パルスφTX1の“H”レベルによって増幅トランジスタM3のゲート端子に転送された第1行の画素11〜14の各画素の光信号に伴う電気信号が、増幅トランジスタM3によって増幅され、その増幅された増幅信号が、垂直信号線3_1〜3_4に出力される。
続いて、タイミングt7において、タイミング制御部108は、画素電流源制御パルスφVBIASを“L”レベルとし、垂直走査部2は、行選択パルスφROW1を“L”レベルとして、垂直信号線3_1〜3_4を再びフローティング状態とする。
続いて、タイミング制御部108は、タイミングt8において、混合パルスφAVEを“H”レベルとして、垂直信号線接続スイッチMCをON状態とする。このことにより、画素を混合する2つの垂直信号線3(垂直信号線3_1と3_2および垂直信号線3_3と3_4)が接続され、接続している垂直信号線3のそれぞれに出力されている各画素の光信号に伴う電気信号が混合される。ここで、2つの垂直信号線3が混合されたリセット電位から、2つの垂直信号線3が混合された光信号に伴う電気信号の電位への変化分をΔSigとすると、列アンプ91の入力は、クランプ容量Ccの電位に応じて、VC−ΔSigの電位に変化する。これにより、列アンプ91の出力は、Vc−(1+Cg/Cf)ΔSigとなり、第1行の画素11〜14の各画素のリセット電位に含まれるノイズ成分が除去されるとともに、列アンプ91によって信号増幅される。また、タイミング制御部108は、サンプルホールドパルスφSHを“H”レベルとする。
続いて、タイミング制御部108は、タイミングt9から、サンプルホールドパルスφSHおよび混合パルスφAVEを“L”レベルとする。このことにより、列アンプ91が出力した2列分の混合画素信号の電位が、列信号増幅回路9_1および列信号増幅回路9_3内のサンプルホールド容量Csに、それぞれ保持される。
その後、列信号増幅回路9_1内のサンプルホールド容量Csに保持された画素11と画素12との2画素が混合され、増幅された増幅後の混合画素信号が、水平信号線6に読み出され、出力アンプ7を通じて画素11と画素12との混合画素信号として出力チャンネルOUTから出力される。
なお、タイミングt9以降の画素信号の読み出し動作は、図2(b)に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における、1/2列間引きモードのタイミングと同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図4(b)において、第1行の画素11〜14の画素信号の読み出し動作以降、続けて第1行の他の画素の画素信号の読み出す場合や、1行分の画素信号を全て出力チャンネルOUTに出力した後に、次の行の画素信号の読み出す場合に関しても、図2(b)に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における、1/2列間引きモードのタイミングと同様である。
固体撮像装置200における1/2列間引きモードでは、このようにして各列の画素からの信号を混合するという、列の画素を間引いて読み出すことと等価の動作をすることにより、高速の読み出しを行うことを可能としている。
また、垂直信号線3上で列信号混合を行うことによって、読み出す画素の信号と読み出さない画素の信号とを混合して読み出している。このことによって、列を間引いた画素信号に基づいて信号処理した場合の擬似信号の発生を抑圧し、列間引き読み出し時の信号品質を向上させている。
上記に述べたとおり、本発明の第2の実施形態によれば、従来の固体撮像装置と同様に列間引き読み出しを行うことができる。また、本発明の第2の実施形態の固体撮像装置200においては、列間引き読み出し時の列信号混合を、垂直信号線3上で行うことによって、間引きされる画素の列の列信号増幅回路の動作を停止させた状態で、列間引き読み出しによる画素信号の混合と増幅とを行うことができる。このことによって、列間引き読み出し時における固体撮像装置の列信号増幅回路による電力の消費を低減することができる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、従来の固体撮像装置と同様に、全画素読み出しモードと、列間引き読み出しモードとの切り替えが可能であり、さらに、間引きされる画素の列の処理回路を停止させることができるので、列間引き読み出し時における固体撮像装置の消費電力を低減することができる。
また、本実施形態においては、垂直信号線以降に接続される列回路として、ノイズ抑圧回路または列信号増幅回路を備えた場合について説明したが、本発明では、固体撮像装置の列間引き読み出しにおける列信号混合を垂直信号線上で行うため、垂直信号線以降に接続する列回路は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な列回路に適用することができる。このことによって、混合画素信号の信号品質をさらに向上することや、固体撮像装置の多機能化が可能となる。
また、本発明の固体撮像装置に適用する列回路は、アナログ処理回路に限定されるものではなく、例えば、垂直信号線上の画素信号に応じたデジタルデータを出力する列AD変換回路等を適用することもできる。
なお、本実施形態においては、列間引き読み出しモードとして、1/2列間引きモードの場合について説明したが、本発明における列間引き読み出しモードは、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な列間引き読み出しモードに変更することができる。例えば、1/4列間引きモードや1/8列間引きモード等にも適用することができる。
また、本実施形態においては、単位画素の行方向および列方向の配置に関して、2行4列の例を示したが、単位画素の行方向および列方向の配置は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において単位画素を配置する行方向および列方向の数を変更することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。