JP5307583B2 - 電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 - Google Patents

電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法等に関する。
従来から、自動車の分野では、エミッション性や燃費性能等のさらなる向上を目的として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関を用いた従来の自動車に代えて、電動モータを動力源としたいわゆる電気自動車や、内燃機関と併用して電動モータを用いるいわゆるハイブリッド自動車等が開発されてきたのは周知の通りである。
このように、動力源の少なくとも一部として電動モータを用いた車両(以下、このような車両のことを電動車両という)では、車両の様々な走行シーンに電動モータの出力特性を対応させるために、比較的幅広い範囲の回転速度をカバーできるように電動モータを制御することが望まれる。
例えば、下記特許文献1では、電動モータの回転速度が所定の閾値(切替回転速度)を越えること等の条件が成立すると、電動モータの巻線の結線状態を切り替えたり、界磁制御方式を切り替えたりすることにより、電動モータの出力特性をより高回転寄りの領域まで対応可能な特性に変化させることが行われている。
特開平6−225588号公報
ところで、上記のような結線の切り替え等に応じて、電動モータの出力特性が、低回転寄りの運転領域に対応した出力特性(以下、低速モードという)と、高回転寄りの運転領域に対応した出力特性(以下、高速モードという)との間で切り替わる際には、電動モータの出力が断続的に変化する等により、車両の駆動輪に伝達されるトルクが一時的に変動すると考えられる。特に、車両が急加速しているときには、上記のような出力特性の切り替え時に発生するショック(切替ショック)が大きくなり、乗員が違和感を覚えるおそれがある。
この点に関し、上記特許文献1には、加速度が所定の閾値を超えていることが確認された場合に、上記のような出力特性の切り替えを禁止する点が開示されている。このようにすれば、加速時に大きな切替ショックが生じるのを防止して乗員の快適性を確保できるという利点が得られる。
しかしながら、上記特許文献1のように、加速時の出力特性の切り替え(低速モードから高速モードへの切り替え)を禁止した場合には、加速中において電動モータが低速モードで運転され続けるため、高回転域への移行時に出力特性を適正に高速モードに切り替えることができず、電動モータの駆動効率が大きく悪化してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、車両駆動用の電動モータの駆動効率を適正に確保しながら、その出力特性が切り替わる際に発生するショックを効果的に低減することが可能な方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、負荷および回転速度をパラメータとする制御マップ上に設定された切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、前記車両の加速状態を判定する加速判定ステップと、該加速判定ステップで前記車両が急加速していることが確認された場合に、前記出力特性の切り替え時に前記車両に発生するショックが小さくなるように、前記切替ラインを低回転側にシフトさせるシフトステップとを含むことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、電動モータの出力特性が低速モードから高速モードに切り替わる際に車両に発生するショックが大きくなり易い車両の急加速時に、上記出力特性を切り替える際の基準となる制御マップ上の切替ラインを、上記切り替え時のショックが小さくなる方向(低回転側)にシフトさせるようにしたため、当該ショックを効果的に低減して乗員の快適性を良好に維持することができる。しかも、本発明による制御は、従来と異なり切替ラインの位置を変更するだけであり、出力特性の切り替え自体を禁止するわけではないので、上記切替ラインを基準とした出力特性の切り替えは急加速中でも確実に実行される。このため、車両の急加速中に電動モータの出力特性が低速モードのまま切り替わらないといった不具合を解消することができ、このような不具合に起因した電動モータの駆動効率の悪化を効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、前記シフトステップでは、前記切替ラインの低回転側へのシフト量を高負荷域ほど大きく設定する(請求項2)。
このようにすれば、高速モードへの切り替えタイミングを高負荷域で相対的に早めることにより、モータ電流のサージ現象(電動モータに一時的な高電流が流れる現象)を抑制することができ、上記サージ現象によるモータの損失・損傷を効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、前記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値に基づいて前記切替ラインを可変的に設定し、この設定後の切替ラインを前記シフトステップでシフトさせる(請求項3)。
このようにすれば、電動モータの出力特性に影響する電源装置の電圧値に基づき上記切替ラインを可変的に設定することにより、上記電源電圧の変化による影響を考慮した適正なタイミングで上記出力特性の切り替えを実施できるとともに、急加速時には、上記設定後の切替ラインを低回転側にシフトさせることにより、上記電源電圧の変化を適正に考慮しつつ、上記出力特性切り替え時のショックを効果的に低減できるという利点がある。
上記方法にあっては、前記出力特性が切り替わる時点における前記電源装置の電圧値を加速初期時の電圧変化率により予測し、該予測された値に基づいて前記切替ラインを可変的に設定するようにしてもよい(請求項4)。
このようにすれば、電源装置の電圧値が急激に変化するためにその値を正確に検出する
ことが困難な場合でも、電圧の予測値を利用して適正に上記切替ラインの位置を決定できるという利点がある。
本発明おいて、好ましくは、前記加速判定ステップで前記車両が急減速していることが確認された場合には、前記シフトステップで前記切替ラインを低回転側にシフトさせる(請求項5)。
このようにすれば、車両の急減速時に電動モータの出力特性が高速モードから低速モードに切り替わる際の誘起電圧を抑制することができ、この誘起電圧の過上昇による電動モータ等の損傷を効果的に防止できるという利点がある。
また、本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータと、該電動モータの出力特性を、負荷および回転速度をパラメータとする制御マップ上に設定された切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、前記制御手段は、前記車両の加速状態を判定する加速判定手段と、該加速判定手段により前記車両が急加速していることが確認された場合に、前記出力特性の切り替え時に前記車両に発生するショックが小さくなるように、前記切替ラインを低回転側にシフトさせるシフト手段とを有することを特徴とするものである(請求項6)。
本発明による場合でも、上述したモータ制御方法による場合と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両駆動用の電動モータの駆動効率を適正に確保しながら、その出力特性が切り替わる際に発生するショックを効果的に低減できるという利点がある。
本発明の一実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図である。 上記電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。 上記電動車両用駆動装置における電動モータやインバータ等の電気的な構成を示す回路図である。 上記電動モータの出力特性を示す図である。 上記出力特性がバッテリ電圧により変化することに対応して設定された上記電動モータ用の制御マップを説明するための図である。 上記電動モータに対し行われる制御動作の内容を示すフローチャートである。 車両の加速状態を判定する制御が実行される運転領域を説明するための図である。 急加速時に切替ラインをシフトさせる様子を説明するための図である。 急減速時に切替ラインをシフトさせる様子を説明するための図である。 車両の減速時に電動モータの誘起電圧が変化する様子を説明するための図である。 切替ラインを低回転側にシフトさせることにより誘起電圧の過上昇を防止できることを説明するための図である。
図1は、本発明の一実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図、図2は、電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。これらの図に示される電動車両用駆動装置は、ハイブリッド型自動車からなる電動車両1(以下、単に車両1という)を駆動するための駆動装置として構成されている。具体的に、この電動車両用駆動装置は、発電用の動力源として設けられたガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等からなるエンジン2と、必要時にエンジン2を始動するとともに、エンジン2から駆動力を得て発電を行うジェネレータ3と、走行用の動力源として設けられた電動モータ5と、上記ジェネレータ3で発電された電力を蓄えて必要箇所に供給するバッテリ9(本発明にかかる電源装置に相当)と、このバッテリ9からの供給電力を交流に変換して上記ジェネレータ3および電動モータ5を駆動する第1インバータ11および第2インバータ12と、これら各部を統括的に制御するコントローラ15(本発明にかかる制御手段に相当)とを備えている。
上記電動モータ5は、ギヤトレイン6および差動装置7を介してドライブシャフト8と連動連結されており、これらギヤトレイン6、差動装置7、およびドライブシャフト8を含む動力伝達経路を経由することにより、上記電動モータ5の駆動力が、上記ドライブシャフト8に連結された左右一対の駆動輪16に伝達されるようになっている。なお、当実施形態の車両1では、その前後左右に備わる4つの車輪のうち2つが駆動輪16であり、残りの車輪は従動輪17である。
上記電動モータ5は、例えば3相の交流同期モータ等からなり、必要時にバッテリ9から第2インバータ12を介して電力の供給を受けることにより、上記ギヤトレイン6等を介してドライブシャフト8および駆動輪16を駆動する一方、減速時や下り坂走行時等には、上記ドライブシャフト8から駆動力を得て発電を行い、その発電電力を上記バッテリ9に蓄電するように構成されている。
上記ジェネレータ3は、エンジン2の始動時にバッテリ9から第1インバータ11を介して電力の供給を受けることにより、エンジン2のクランク軸を強制回転させてエンジン2を始動するスタータとしての機能、および、エンジン2のクランク軸から駆動力を得て発電するオルタネータとしての機能の両方を兼ね備えたものである。
上記コントローラ15は、周知のCPU、ROM、RAM、およびI/O(入出力インターフェース)等からなり、このうちROMには、車両1の運転に必要な各種制御プログラム等があらかじめ格納されている。なお、RAMには制御プログラムの実行に必要な種々のワークメモリが格納されている。
図2に示すように、上記コントローラ15には、車両1の各部に設けられた種々のセンサ類が電気的に接続されている。具体的に、コントローラ15には、車両1の走行速度(車速)Vを検出する車速センサ30と、ドライバーにより踏み込み操作される図外のアクセルペダルの開度TVOを検出するアクセル開度センサ31と、エンジン2のクランク軸の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ32と、ジェネレータ3の軸回転速度を検出するジェネレータ回転速度センサ33と、バッテリ9からジェネレータ3に入力される入力電流またはジェネレータ3からバッテリ9へと出力される出力電流を検出するジェネレータ電流センサ34と、電動モータ5の軸回転速度Nを検出するモータ回転速度センサ35と、電動モータ5の入出力電流を検出するモータ電流センサ36と、バッテリ9の端子間電圧Vbを検出するバッテリセンサ37とがそれぞれ接続されており、これら各センサ30〜37により検出された各種制御情報が上記コントローラ15に電気信号として入力されるようになっている。
そして、上記コントローラ15は、上記各センサ30〜37からの入力情報に基づいて種々の演算を実行し、その結果に基づいて上記エンジン2、ジェネレータ3、電動モータ5、およびインバータ11,12等の動作を統括的に制御する。そして、このようにコントローラ15によって各部が制御されることにより、当実施形態の車両1では、ドライバーのアクセル操作等に基づき電動モータ5が駆動制御されて車両1の走行速度等が調節されるとともに、例えばバッテリ9の残容量が少なくなったとき等に、エンジン2の始動およびジェネレータ3による発電が行われ、その発電電力がバッテリ9に補充されるように構成されている。
図3は、上記ジェネレータ3、電動モータ5、およびインバータ11,12の回路図である。本図に示すように、上記電動モータ5の各相(U相、V相、W相)には、直列に接続された第1巻線L1および第2巻線L2からなる2つの巻線がそれぞれ設けられており、これら各相の巻線L1,L2に流れる電流の経路を切り替える手段として、上記第2インバータ12にはスイッチング素子Swが設けられている。そして、このスイッチング素子Swによる切替動作に応じて、上記第2インバータ12からの電流Imが上記第1・第2巻線L1,L2の両方を流れる状態と、このうちの第1巻線L1のみに電流Imが流れる状態との間で通電状態が切り替わるようになっている。
図4は、電動モータ5の出力特性を示す図である。この図4において、太線で示す特性線A1は、上記第1および第2巻線L1,L2の両方に電流を流したときの出力特性を、細線で示す特性線A2は、上記第1巻線L1のみに電流を流したときの出力特性を、それぞれ示している。本図に示すように、第1巻線L1のみに電流を流した場合(特性線A2の場合)には、両巻線L1,L2に電流を流した場合(特性線A1の場合)と比べて、電動モータ5の軸トルクTは低下するものの、より高い回転速度まで電動モータ5を駆動できるようになる。これは、以下の理由による。
すなわち、電動モータ5の第1および第2の巻線L1,L2に電流が流れているとき、この電動モータ5には、図3に示すように、モータ回転速度Nに応じた誘起電圧Vaが発生するが、この誘起電圧Vaがインバータ12側の電圧Vdcよりも小さい間は、その電位差によりインバータ12側から電動モータ5へと電流Imが流れる。ただし、この状態からさらにモータ回転速度Nが上昇し、上記誘起電圧Vaがインバータ側の電圧Vdcと略等しくなると、電動モータ5に電流Imが流れなくなり、図4の特性線A1の限界ラインALに示すように、電動モータ5のトルクTが急低下する。そこで、電流Imが流れなくなる前に、上記スイッチング素子Swにより電流経路を切り替えて、電流Imが第2巻線L2を迂回して第1巻線L1にのみ流れるようにすれば、その分だけ電動モータ5の誘起電圧Vaが低下するため、上記限界ラインALよりも高回転側の領域においても、インバータ12と電動モータ5の間に電位差を生じさせることができ、より高回転まで電動モータ5を駆動できるようになる。
このように、当実施形態では、直列に接続された複数の巻線L1,L2を電動モータ5の各相に設け、これら複数の巻線L1,L2の全部または一部に電流が流れるようにその経路を切り替えることにより、電動モータ5の出力特性を、低回転寄りの運転領域に対応する特性(図4の特性線A1)と、高回転寄りの運転領域に対応する特性(特性線A2)との間で適宜切り替えるようにしている。なお、以下では、上記第1および第2の巻線L1,L2の両方に電流を流すことにより、特性線A1のような出力特性が得られるように電動モータ5を制御した状態を低速モード、上記第1巻線L1のみに電流を流すことにより、特性線A2のような出力特性が得られるように電動モータ5を制御した状態を高速モードと称する。
図4に示すように、上記低速モードと高速モードとの間の切り替えは、電動モータ5の回転速度Nが、低速モードと高速モードとの重複部分にあらかじめ設定された切替ラインPを通過したときに実行される。例えば、図中の矢印D1に示すように、回転速度Nが切替ラインPよりも低速側にあるために電動モータ5が低速モードで駆動されている状態で、上記回転速度Nが切替ラインPよりも高回転側の領域まで上昇した場合には、電動モータ5の出力特性が低速モードから高速モードに切り替えられる。一方、上記矢印D1とは逆に、電動モータ5が高速モードで駆動されている状態で、その回転速度Nが上記切替ラインPよりも低回転側の領域まで低下した場合には、上記電動モータ5の出力特性が、高速モードから低速モードに切り替えられる。
ここで、低速モードと高速モードとの間の境界線である上記切替ラインPは、例えば図8や図10に示すように、コントローラ15によって変動的に設定される。具体的に、コントローラ15は、車両1の走行中にその加速状態を判定し、その結果車両1が急加速または急減速していることが確認された場合に、上記切替ラインPを所定の回転速度の範囲で変動的に設定するように構成されている。
再び図2に戻って、上記切替ラインPの設定に関するコントローラ15の機能について具体的に説明する。本図に示すように、上記コントローラ15は、その機能要素として、加速判定手段15a、シフト手段15b、および記憶手段15cを有している。
上記加速判定手段15aは、上記車速センサ30により検出される車速Vの変化から加速度の値を算出し、その大きさ等に基づいて車両1の加速状態を判定するものである。
上記シフト手段15bは、上記加速判定手段15aにより自車両が急加速または急減速していることが確認された場合に、上記切替ラインPをシフトさせるものである。
上記記憶手段15eは、上記シフト手段15bが切替ラインPをシフトさせる際に参照する制御マップを記憶するものである。
図5は、上記記憶手段15eに記憶されている制御マップを説明するための図である。本図に示される制御マップMは、条件に応じて設定される複数のマップM1,M2…の束により構成されている。具体的には、上記バッテリセンサ37により検出されるバッテリ9の端子間電圧Vbに応じて、回転速度域の異なる複数のマップM1,M2…が用意され、これら複数のマップの束が上記制御マップMとして記憶手段15eに記憶されている。
すなわち、電動モータ5に電力を供給するバッテリ37の残容量が減ることや、急加速時にバッテリが大電流を出す際のバッテリ内部抵抗による電圧降下により、その端子間電圧(バッテリ電圧)Vbが低下すると、電動モータ5の上限の回転速度がその分低下するため、電動モータ5の出力特性は図示のように横軸の方向に縮小する。そこで、上記バッテリ電圧Vbの値に対応して設定された複数のマップM1,M2…が用意され、このうちの適当なマップが、上記バッテリセンサ37の検出値に基づき適宜選択されるようになっている。なお、図5中のマップM1は、上記バッテリ電圧Vbが最大値(満充電時の電圧)付近にあることにより、電動モータ5の回転速度域を最も広く確保できる場合のマップであり、マップMnは、上記マップM1からn番目に狭いマップを示している。これらマップM1とマップMnを比較すると分かるように、各マップの切り替えによる回転速度域の変化に伴って、上記切替ラインPの位置も横軸の方向に移動するようになっている。
次に、以上のように構成されたコントローラ15により行われる制御動作の具体的内容について図6のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートがスタートすると、コントローラ15は、まず、車速センサ30、アクセル開度センサ31、モータ回転速度センサ35、およびバッテリセンサ37から、各センサの検出値として、車速V、電動モータ5の回転速度N、アクセルペダルの開度TVO、およびバッテリ9の端子間電圧(バッテリ電圧)Vbを読み込む制御を実行する(ステップS1)。また、ここで読み込まれたアクセル開度TVO等に基づいて、現時点での電動モータ5の要求トルクを算出する(ステップS2)。
次いで、コントローラ15は、上記記憶手段15cに記憶されている複数の制御マップM1,M2…(図5参照)の中から、上記ステップS1で読み込まれたバッテリ電圧Vbに応じた適当なマップを選択する制御を実行する(ステップS3)。
さらに、コントローラ15は、上記ステップS3で選択された制御マップ(M1,M2…のうちの1つ)を用いて、電動モータ5の現在の運転状態が、出力特性切り替え時の基準となる上記切替ラインPの近傍にあるか否かを判定する制御を実行する(ステップS4)。具体的に、ここでは、上記ステップS1で読み込まれたモータ回転速度Nと、上記ステップS2で算出された要求トルクとに基づき特定される現時点での電動モータ5の運転状態が、図7の領域Qに示すような範囲、つまり、切替ラインPを中心とした所定の回転速度範囲内にあるときに、上記切替ラインPの近傍と判定する。
上記ステップS4でYESと判定されて切替ラインPの近傍にあることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれた車速Vと、以前に読み込まれた車速Vとの変化に基づいて、車両1の加速度αを算出する制御を実行する(ステップS5)。なお、ここで求められる加速度αは、車両1が加速していればプラスの値として算出され、減速していればマイナスの値として算出されることになる。
さらに、コントローラ15は、上記ステップS5で算出された加速度αの値に基づいて、車両1が急加速しているか否かを判定する制御を実行する(ステップS6)。すなわち、コントローラ15は、上記加速度αの値がプラスであり、かつその大きさが所定の閾値以上であるときに、車両1が急加速していると判定する。
上記ステップS6でYESと判定されて車両1が急加速していることが確認された場合、コントローラ15は、上記第2インバータ12のスイッチング素子Swの作動状態に基づいて、現時点での電動モータ5の出力特性が低速モードに設定されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS8)。すなわち、先にも説明したように、スイッチング素子Swの作動状態に応じて、電動モータ5の2つの巻線L1,L2の両方に電流が流れるように電流経路が設定されていれば、上記電動モータ5の出力特性として低速モードが選択されていることになるため、スイッチング素子Swが上記のような作動状態にあるときに、電動モータ5が低速モードで駆動されていると判定する。
上記ステップS8でYESと判定されて低速モードに設定されていることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS3で選択された制御マップ(M1,M2…のうちの1つ)に元々設定されていた切替ラインPを、図8の矢印Xに示すように低回転側にシフトさせることにより、出力特性切り替え時(低速モードから高速モードへの切り替え時)の低ショック性を重視した位置に上記切替ラインPをシフトさせる制御を実行する(ステップS9)。
すなわち、上記ステップS3で選択された制御マップには、元々、電動モータ5の駆動効率等を考慮して定められた位置に切替ラインPが設定されているが、上記のように車両1が急加速している状態では、上記切替ラインPを境に出力特性が高速モードに切り替わる際に、その切り替え時のトルク変動に起因して車両1にかなり大きなショック(切替ショック)が発生し、乗員が違和感を覚えるそれがある。そこで、当実施形態では、車両1が急加速しているときに、上記のような切替ショックを低減する方向として、上記切替ラインPを通常の位置から低回転側にシフトさせることにより、乗員が覚える違和感をより軽減するようにしている。
ここで、図8を見ると分かるように、上記ステップS9で低回転側にシフトされる切替ラインPは、高負荷域(縦軸のプラス側)ほどより低回転側に大きくシフトされる。すなわち、切替ショックを最も低減できる最適ラインが図8の1点鎖線で示すラインであるとすると、上記ステップS9では、この最適ラインに対し、その高負荷部分を低回転側に補正した位置に上記切替ラインPをシフトさせる。これは、上記切替ラインPを境に電動モータ5の出力特性が低速モードから高速モードに切り替わる際に発生するモータ電流のサージを軽減するためである。
一般に、高速モードへの切り替え時に発生するモータ電流のサージ(一時的に電流が過大になる現象)は、モータの制御上、ある程度のレベルで起きることは避けられないが、サージ量があまりに大きいと、不要な高電流が流れることによるモータの損失が増大する上に、モータが損傷してしまうおそれがある。そこで、このようなサージ現象を抑制するために、上記ステップS9では、図8に示すように、上記切替ラインPの低回転側へのシフト量を高負荷域ほど大きく設定するようにしている。
すなわち、モータ電流のサージ量は、より高い目標電流値が設定される高回転・高負荷域ほど大きくなる傾向にあるため、高負荷域ではできるだけ低回転側で高速モードへの切り替えを行った方が、サージ量を小さくできる点で有利である。このような点を考慮して、上記ステップS9では、高負荷域ほど上記切替ラインPをより大きく低回転側にシフトさせており、これにより、高負荷域における高速モードへの切り替えがより早期に行われ、上記のようなサージ現象が抑制されるようになっている。
再び図6に戻ってフローチャートの続きを説明する。上記ステップS9で切替ラインPのシフトが完了すると、コントローラ15は、現時点において低速モードで運転されている上記電動モータ5の運転状態が、上記シフト後の切替ラインPを通過したか否か、つまり、この切替ラインPよりも高回転側の領域に移行したか否かを判定する制御を実行する(ステップS10)。すなわち、上記ステップS1,S2で取得されたモータ回転速度Nおよび要求トルクに基づく現時点での電動モータ5の運転状態が、図8の制御マップ上でどの位置に相当するかを特定し、その位置と上記シフト後の切替ラインPとを比較することにより、上記電動モータ5の運転状態が上記切替ラインPよりも高回転側に移行したか否かを判定する。
上記ステップS10でYESと判定されてシフト後の切替ラインPよりも高回転側に移行したことが確認された場合、コントローラ15は、第2インバータ12のスイッチング素子Swを作動させ、電動モータ5の第1・第2巻線L1,L2のうち第1巻線L1のみに電流が流れるように電流経路を切り替えることにより、電動モータ5の出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS11)。
一方、上記ステップS10でNOと判定されて上記切替ラインPよりも高回転側に移行していないことが確認された場合には、上記のような切り替え動作を行うことなくリターンし、電動モータ5の出力特性を低速モードのまま維持する。
次に、上記ステップS6でNOと判定された場合、つまり、車両1が急加速していない場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、上記ステップS5で算出された加速度αの値に基づいて、車両1が急減速しているか否かを判定する制御を実行する(ステップS7)。すなわち、コントローラ15は、上記加速度αの値がマイナスであり、かつその大きさ(絶対値)が所定の閾値以上であるときに、車両1が急減速していると判定する。
上記ステップS7でYESと判定されて車両1が急減速していることが確認された場合、コントローラ15は、上記第2インバータ12のスイッチング素子Swの作動状態に基づいて、現時点での電動モータ5の出力特性が高速モードに設定されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS12)。
上記ステップS12でYESと判定されて高速モードに設定されていることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS3で選択された制御マップ(M1,M2…のうちの1つ)に元々設定されていた切替ラインPを、図9の矢印Yに示すように低回転側にシフトさせる制御を実行する(ステップS13)。
このような切替ラインPの低回転側へのシフトは、上記電動モータ5の誘起電圧Va(図3)が急減速時に過大になるのを防止するために行われる。すなわち、車両1が上記のように急減速状態にあるときに、電動モータ5の出力特性が高速モードから低速モードに切り替わると、その切り替わり時の誘起電圧Vaが過大になって電動モータ5が損傷するおそれがあるため、このような事態を防止するために、上記切替ラインPを低回転側にシフトさせる。
この点についてより詳しく説明する。図10は、車両1の減速時における電動モータ5の誘起電圧Vaの変化を示す図である。本図において、横軸のNtで示す点は、上記切替ラインP上の任意の1点に相当する回転速度を表わしている(以下、このような回転速度のことを切替回転速度Ntという)。すなわち、車両1の減速に伴ってモータ回転速度Nが上記切替回転速度Ntまで低下したときに、上記電動モータ5の出力特性が高速モードから低速モードに切り替わるようになっている。
出力特性が低速モードに切り替わると、上記電動モータ5の第1・第2巻線L1,L2の両方に電流が流れるようになる(つまり誘起電圧Vaの大きさを決める鎖交磁束数が増大する)ため、上記電動モータ5の誘起電圧Vaは、上記切替回転速度Ntを境に瞬間的に増大する。このとき、電動モータ5、ジェネレータ3、バッテリ9、第1インバータ11、第2インバータ12からなる電動システムの性能を保証するための許容電圧をVmaxとすると、上記低速モードに切り替わった瞬間の誘起電圧Vaの最大値は、図中の破線の波形に示すように、切替回転速度Ntの値が高いほど上記許容電圧Vmaxに近づくことになる。
上記誘起電圧Vaが許容電圧Vmaxを大きく超えると、上記電動システムの何れかが損傷するおそれがあるため、特に上記のような車両1の減速時には、上記誘起電圧Vaが過大にならないように注意する必要がある。
ここで、図4に示した電動モータの特性図において、回転数に対してのトルク特性が負の傾きとなっている領域は、一般に弱め界磁制御と呼ばれる制御を行っている。これは電動モータを駆動する正弦波電流の位相をずらして誘起電圧Vaを減少させる制御であって、電動モータ5の誘起電圧Vaが第2インバータ12の電圧Vdcを超えることで、電動モータ5に駆動電流が流れなくなることを防ぐために行っている。このとき、弱め界磁制御のおける上記位相のずらし量を大きくするほど、誘起電圧Vaの減少量を大きくすることができる。したがって、誘起電圧Vaがモータ回転数の上昇に伴って上昇すれば、弱め界磁制御による位相のずらし量もそれに伴って増加させればよい。ここで、上記低速モードへの切り替えの直後は、前述の誘起電圧Vaが瞬間的に増大することにより、弱め界磁制御における前記位相のずらし量も瞬時に大きく変化させる必要がある。しかしながら、車両1の減速度が比較的大きい場合(つまり急減速時)には、弱め界磁制御における上記位相のずらし量のフィードバックの追従遅れにより、図11の1点鎖線の波形(Z部)に示すように、切り替え時の誘起電圧Vaが上記許容電圧Vmaxを大きく超えるおそれがある。そこで、当実施形態では、車両1が急減速していることが確認された場合に、図9に示したように切替ラインPを低回転側にシフトさせ、これに伴って図11の切替回転速度Ntを低回転側にシフトさせるようにしている(図中の破線の波形参照)。これにより、急減速時の一時的な誘起電圧Vaの上昇があっても、この誘起電圧Vaが許容電圧Vmaxを大きく超えることが回避され、上記電動モータ5を含む電動システムの損傷防止を図ることができる。
再び図6に戻ってフローチャートの続きを説明する。上記ステップS13で切替ラインPのシフトが完了すると、コントローラ15は、現時点において高速モードで運転されている上記電動モータ5の運転状態が、上記シフト後の切替ラインPを通過したか否か、つまり、この切替ラインPよりも低回転側の領域に移行したか否かを判定する制御を実行する(ステップS14)。そして、ここでYESと判定されて切替ラインPよりも低回転側に移行したことが確認された場合に、上記電動モータ5のスイッチング素子Swを作動させて第1・第2巻線L1,L2の両方に電流が流れるように電流経路を切り替えることにより、上記電動モータ5の出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS15)。
一方、上記ステップS14でNOと判定されて上記切替ラインPよりも低回転側に移行していないことが確認された場合には、上記のような切り替え動作を行うことなくリターンし、電動モータ5の出力特性を高速モードのまま維持する。
次に、上記ステップS7でNOと判定された場合、つまり、車両1が急加速も急減速もしていない場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、上記ステップS3で選択された制御マップを用いて、電動モータ5の運転状態が、上記制御マップ上に元々設定されていた通常の切替ラインPを通過したか否か、つまり、上記切替ラインPを境に低回転側から高回転側へ、またはその逆へと運転状態が移行したか否かを判定する制御を実行する(ステップS16)。
上記ステップS16でYESと判定されて切替ラインPを通過したことが確認された場合、コントローラ15は、電動モータ5の運転状態が上記切替ラインPよりも低回転側に移行したのか高回転側に移行したのかに応じて、上記電動モータ5の出力特性を高速モードから低速モードへ、またはその逆へと切り替える制御を実行する(ステップS17)。
以上説明したように、当実施形態の電動車両用駆動装置は、車両1の駆動輪16を回転駆動する電動モータ5と、この電動モータ5の出力特性を、制御マップM上の切替ラインPを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替えるコントローラ15とを備えている。そして、当実施形態では、上記電動モータ5に対する制御として、車両1の加速状態を判定するステップ(S6,S7)と、このステップで車両1が急加速していることが確認された場合(S6でYESの場合)に、上記出力特性の切り替え時に車両1に発生するショックが小さくなる方向、つまり低回転側(図8のX方向)に上記切替ラインPをシフトさせるステップ(S9)とを含む制御動作が、上記コントローラ15により実行されるようになっている。このような構成によれば、上記電動モータ5の駆動効率を適正に確保しながら、その出力特性が切り替わる際に発生するショックを効果的に低減できるという利点がある。
すなわち、車両1が急加速している状態では、電動モータ5の運転状態が切替ラインPを通過してその出力特性が高速モードへと切り替わる際に、その切り替え時のトルク変動により車両1にかなり大きなショックが発生するおそれがあるが、上記実施形態では、急加速時に上記切り替え時のショックが小さくなる方向(低回転側)に上記切替ラインPをシフトさせることにより、上記切り替え時のショックを効果的に低減して乗員の快適性を良好に維持することができる。しかも、上記実施形態による制御は、従来と異なり切替ラインPの位置を変更するだけであり、出力特性の切り替え自体を禁止するわけではないので、上記切替ラインPを基準とした出力特性の切り替えは急加速中でも確実に実行される。このため、車両1の急加速中に電動モータ5の出力特性が低速モードのまま切り替わらないといった不具合を解消することができ、このような不具合に起因した電動モータ5の駆動効率の悪化を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、図8に示したように、上記切り替え時のショックが小さくなる方向(上記実施形態では低回転側)に切替ラインPをシフトさせる際に、その低回転側へのシフト量を高負荷域ほど大きく設定するようにした。このような構成によれば、高速モードへの切り替えタイミングを高負荷域で相対的に早めることにより、電流のサージ現象(高速モードへの切り替え時に電動モータ5に一時的な高電流が流れる現象)を抑制することができ、上記サージ現象によるモータの損失・損傷を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、車両1の加速状態を判定するステップで車両1が急減速していることが確認された場合(ステップS7でYESの場合)には、その後のステップ(S13)で上記切替ラインPを低回転側にシフトさせるようにしたため(図9の矢印Y参照)、車両1の急減速時に電動モータ5の出力特性が高速モードから低速モードに切り替わる際の誘起電圧Vaを抑制することができ、この誘起電圧Vaの過上昇による電動モータ5等の損傷を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、急減速時には、電動モータ5に対する弱め界磁制御(電動モータを駆動する正弦波電流の位相をずらして誘起電圧Vaを弱める制御)が間に合わず、図11に示すように、電動モータ5の誘起電圧Vaが許容電圧Vmaxを超える可能性が高いため、上記切替ラインPを通常の位置に維持したままでは、上記誘起電圧Vaが容易に許容電圧Vmaxを越えてしまい、電動モータ5、ジェネレータ3、バッテリ9、第1インバータ11、第2インバータ12からなる電動システムの何れかが損傷するおそれがある。これに対し、上記実施形態のように、車両1の急減速時に上記切替ラインPを低回転側にシフトさせるようにした場合には、上記電動モータ5が高速モードから低速モードに切り替わる際のモータ回転速度(切替回転速度Nt)が相対的に小さくなるため、上記低速モード切り替え時の誘起電圧Vaの値が抑えられ、この誘起電圧Vaの過上昇による電動モータ5等の損傷を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、電動モータ5用の電源電圧値、つまりバッテリ9の端子間電圧Vbに応じて、図5に示した複数の制御マップM(M1,M2…)の中から適当なマップを選択することにより、上記切替ラインPを上記電圧値Vbに応じて可変的に設定し(ステップS3)、急加速時や急減速時には、上記設定された切替ラインPをその後のステップS9やS13で低回転側にシフトさせるようにした。このような構成によれば、電動モータ5の出力特性に影響する上記バッテリ電圧Vbに応じて上記切替ラインPを可変的に設定することにより、上記バッテリ電圧Vbの変化による影響を考慮した適正なタイミングで上記出力特性の切り替え(低速モードおよび高速モード間の切り替え)を実施できるとともに、急加速時や急減速時には、上記設定後の切替ラインPを低回転側にシフトさせることにより、上記バッテリ電圧Vbの変化を適正に考慮しつつ、上記出力特性切り替え時のショックや誘起電圧Vaの増大を効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記実施形態では、図6のフローチャートに示したように、バッテリ電圧Vbの検出値に応じて複数の制御マップM(M1,M2…)の中から適当なマップを都度選択する等により、上記バッテリ電圧Vbの変化による出力特性への影響を常に考慮しながら切替ラインPの位置を決定するようにしたが、上記バッテリ電圧Vbの影響を考慮した制御はこのようなものに限られない。
例えば、車両1がフルスロットルで急加速しており、その加速度が相当程度大きいような場合には、上記バッテリ電圧Vbが急激に変化するため、その値を上記バッテリセンサ37により逐次正確に検出することが困難な場合も考えられる。そこで、このような場合には、加速初期におけるバッテリ電圧Vbの変化率に基づいて、電動モータ5が高速モードに切り替わる時点におけるバッテリ電圧Vbの値を予測し、この予測値に基づいて、上記制御マップM(M1,M2…)の中から適当なマップを選択することにより、上記切替ラインPを上記予測値に応じた位置に可変的に設定するようにしてもよい。このようにすれば、バッテリ電圧Vbが急激に変化するためにその値を正確に検出することが困難な場合でも、バッテリ電圧Vbの予測値を利用して適正に上記切替ラインPの位置を決定できるという利点がある。なお、このことは、車両1の急減速時についても同様である。
また、上記実施形態では、エンジン2と電動モータ5とを動力源として併用したハイブリッド型自動車に対して本発明の制御方法を適用した例について説明したが、本発明の制御方法は、電動モータ5を動力源の少なくとも一部として用いた電動車両であれば、特にその種類を問わず適用可能である。
1 車両
5 電動モータ
9 バッテリ(電源装置)
15 コントローラ(制御手段)
15a 加速判定手段
15b シフト手段
16 駆動輪
M(M1,M2…) 制御マップ
P 切替ライン
α 加速度
Vb バッテリの端子間電圧(電源装置の電圧値)

Claims (6)

  1. 車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、負荷および回転速度をパラメータとする制御マップ上に設定された切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、
    前記車両の加速状態を判定する加速判定ステップと、
    該加速判定ステップで前記車両が急加速していることが確認された場合に、前記出力特性の切り替え時に前記車両に発生するショックが小さくなるように、前記切替ラインを低回転側にシフトさせるシフトステップとを含むことを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  2. 請求項1記載の電動車両のモータ制御方法において、
    前記シフトステップでは、前記切替ラインの低回転側へのシフト量を高負荷域ほど大きく設定することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  3. 請求項1または2記載の電動車両のモータ制御方法において、
    前記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値に基づいて前記切替ラインを可変的に設定し、この設定後の切替ラインを前記シフトステップでシフトさせることを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  4. 請求項3記載の電動車両のモータ制御方法において、
    前記出力特性が切り替わる時点における前記電源装置の電圧値を加速初期時の電圧変化率により予測し、該予測された値に基づいて前記切替ラインを可変的に設定することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  5. 請求項1、2、4のいずれか1項に記載の電動車両のモータ制御方法において、
    前記加速判定ステップで前記車両が急減速していることが確認された場合には、前記シフトステップで前記切替ラインを低回転側にシフトさせることを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  6. 車両の駆動輪を回転駆動する電動モータと、該電動モータの出力特性を、負荷および回転速度をパラメータとする制御マップ上に設定された切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、
    前記制御手段は、
    前記車両の加速状態を判定する加速判定手段と、
    該加速判定手段により前記車両が急加速していることが確認された場合に、前記出力特性の切り替え時に前記車両に発生するショックが小さくなるように、前記切替ラインを低回転側にシフトさせるシフト手段とを有することを特徴とする電動車両用駆動装置。
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