JP5307455B2 - 保持搬送装置 - Google Patents

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本発明は、物品を吸引によって保持し搬送する装置に関する。特に、びん、缶、合成樹脂製包装材等の複数個の容器からなる容器群を一度に吸引保持して搬送することができる保持搬送装置であって、パレット上から物品を荷おろしするデパレタイザ、または物品をパレット上に段積みするパレタイザに好適に適用される保持搬送装置に関する。
びん、缶、紙製あるいは合成樹脂製の包装材等の物品を搬送するための種々の技術が知られている。過去には、搬送する物品を段ボールや樹脂製の梱包材に収容して搬送する方法が広く行われてきた。しかし近年では、より効率よく迅速に大量の物品を搬送することを目的として、梱包材に収容することなく物品をパレットの上に段積みして搬送する技術が普及している。このような物品の段積みの手段として、パレタイザが利用される。又、段積みされた物品の積み下ろし手段として、デパレタイザが利用される。
パレタイザによって、びん、缶、紙製或いは合成樹脂製包装材等の物品を段積みする場合の代表的な形態を以下に説明する。まず最初に、パレットの上に、段積みする物品を安定且つ衛生的に保持することを目的として、セパレートシートが配置される。このセパレートシートの上に、1段目を構成する複数個の物品が積み重ねられる。ここで積み重ねられる物品の数は、その大きさと形状によって個数が予め規定されており、複数個である場合は、上面の高さが等しくなるように規則正しく配置される。配置された物品の上に新たなセパレートシートが積み重ねられる。以下は順次、物品とセパレートシートとが、交互に1段ずつ積み重ねられていく。物品の段数が予め定められた段数に達すると、容器群の上面にセパレートシートが配置され、更にその上にトップフレームが配置される。
このような段積みを行う場合の搬送装置として、物品、セパレートシート、又はトップフレームの上面を吸引保持して移動させる技術が知られている。特許文献1には、ボトル群を一括して吸着して吊り上げる吸着ハンドを備えたボトルハンドリング装置が開示されている。特許文献1のボトルハンドリング装置の吸着ハンドは、一群のボトルを外側から覆って収納する収納フードと吸引駆動源とを有しており、収容フードの内側にボトル群とボトル群の底部に敷設されたシートとを一括して収容して吸引して搬送を行う。
特許文献1に開示されるボトルハンドリング装置は、ボトル群とボトル群の底部に敷設されたセパレートシートを一度に搬送することができる。しかしながら、特許文献1のボトルハンドリング装置を適用してボトルとセパレートシートを段積みするパレタイズを行う場合には、予め別個の手段によってボトル群の下にセパレートシートを敷設するという工程が必要となる。又、段積みされたボトル群とセパレートシートを1段ずつ下ろしていくデパレタイズを行う場合には、下ろした後のボトル群から、別個の手段によってセパレートシートを取り除く工程が必要となる。このため搬送工程が複雑となり、搬送に要する時間が長くなる恐れがあった。
特許文献2には、複数の吸引孔を有する真空ホルダによって、柔軟な薄膜フィルムを吸引して保持する装置が開示されている。特許文献2の真空ホルダは、柔軟な薄膜フィルムによって覆われていない吸引孔が存在した場合であっても、真空ホルダの真空度を低下させることなく、フィルムを保持することができる。但し、そのために特許文献2の真空ホルダは、全ての吸引孔に真空度の低下を防止するバルブ手段が装着されることが必要となっている。
特許文献3には、負圧ソースと、これに接続された吸引ヘッドを備えた個別物体の運搬装置が開示されている。吸引ヘッドの下方には、多数の吸引孔を有する境界壁が設けられており、運搬の対象となるコップ、缶等は、負圧ソースが提供する負圧によって、吸引ヘッドの境界板に吸着されて運搬される。特許文献3の運搬装置は、吸引ヘッドの全ての吸引孔と負圧装置とを連通するに細い流通ダクトが設けられていることを特徴としている。この流通ダクトは、運搬対象物に当接せず、開放されている吸引孔によって、吸引室内の負圧低下を防止するために、その圧力抵抗が高くなるように構成されている。
特許文献2及び特許文献3の装置は、柔軟な薄膜フィルムやコップ、缶等を吸引ヘッドに吸着させて搬送する装置を開示している。これらの装置は、吸引を行う真空ホルダ或いは吸引ヘッドの吸引口の一部が開放されている場合でも、負圧が維持されて、物品を搬送することが可能となっている。しかしながら、これらの装置は、吸引口の一部が開放されていても負圧低下を防止するために、特殊なバルブ手段或いは流通ダクトが必要となっている。このため、装置全体の構成が複雑となっていた。又、これらのバルブ手段或いは流通ダクトの構成を、搬送する物品によって最適化する必要があり、搬送する物品に対する装置の汎用性が低かった。
特開2003−192133号公報 米国特許公報第3,307,819号 特開平03−102014号公報
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、種々の物品を保持して搬送する他、異なる物品を組み合わせた状態で搬送することが可能であり、以てパレット上に迅速且つ効率よく物品を積み重ねたり、物品を段積みから迅速且つ効率よく下ろすことのできる保持搬送装置を提供するためになされたものである。
更に本発明は、種々の重量や形状を有する物品を、塑性変形や破損を起こさせることなく、物品の形状や材質の変化、或いは不規則な物品の配置にも対応可能であって、充分な吸引力によって安定して保持と搬送を行うことが可能な保持搬送装置を提供するためになされたものである。
請求項1の発明は、物品をパレット上に段積みするためのパレタイザ、又はパレット上から物品を荷おろしするためのデパレタイザにおいて、取扱い対象の物品を搬送可能に保持するための装置に関する。本発明に係る物品の保持搬送装置は、吸引室の下面側に複数の吸引孔を有する物品吸着面が設けられ、その物品吸着面を前記物品に当接させて当該物品を吸引保持するための吸引ヘッドと、吸引ヘッドの吸引室に連結された負圧供給手段とを備えている。本発明の負圧供給手段は、吸引ヘッドがその物品吸着面に物品を当接させ複数の吸引孔を介して前記物品を吸引保持する際に、物品吸着面の全面と対向するように前記物品が配置されておりほぼ全ての吸引孔から外気を直接吸引しない状態において、物品をほとんど塑性変形させることなく吸引保持することができ、且つ物品吸着面に物品が対向しない領域があることで物品に当接していない吸引孔から外気を直接吸入する状態においても物品の吸引保持を維持できるような負圧又は空気流をもたらす吸込み側静圧対風量の吸込み特性を有することを特徴とする
請求項の保持搬送装置は、その負圧供給手段が、送風機の吸引側を利用して構成されていることを特徴とする。
さらに請求項の保持搬送装置は、負圧供給手段として、風量30m /minで稼働される場合に4kPaの静圧を供し、且つ風量50m /minで稼働される場合に2kPaの静圧を供する送風機を1個又は複数個用いることを特徴とする
発明者らの種々の検討の結果、負圧供給手段により吸引ヘッドの物品吸着面の吸引孔に提供される負圧が10KPaを越えた場合には、変形容易な素材でできた物品を吸着して保持する際に、塑性変形を起こしてしまう可能性が非常に高くなることが確認された。又負圧が0.5KPa以下の場合には、通常の小型軽量の物品にあっては、これを吸着して保持搬送する際に脱落する恐れが高まり、安定した保持が困難であることが確認された。以上のことから、本発明の保持搬送装置においては、負圧供給手段が0.5KPa以上10KPa以下の負圧を提供することが最も好ましいことが今回確認された。
請求項の保持搬送装置は、上面が開口した容器、又は、複数個の前記容器からなる容器群を取扱い対象の物品として保持搬送することを特徴とする。
請求項の保持搬送装置は、セパレートシートとその上に位置する容器群とを組み合わせてなる組合せ物品を取扱い対象の物品として保持搬送することを特徴とする。
請求項の保持搬送装置は、セパレートシートとその上に位置するトップフレームとを組み合わせてなる組合せ物品を取扱い対象の物品として保持搬送することを特徴とする。
本発明の請求項1の物品の保持搬送装置によれば、吸引ヘッドに負圧をもたらす負圧供給手段の静圧対風量の特性が最適化されていることにより、吸引ヘッドの物品吸着面に取扱い対象の物品を当接させて吸引保持する際に、物品吸着面の全面に前記物品が対向するように配置されてほぼ全数の吸引孔から外気を直接吸引しない状態であっても、物品を塑性変形させることなく吸引保持することができる。同時に、物品吸着面に物品が対向していない領域があることで、前記物品に当接していない吸引孔から外気を直接吸引して吸引ヘッドの負圧が低下した状態であっても物品の吸引保持を維持できる。
このように、物品吸着面と物品との間から空気を吸引しても安定して物品を吸引保持できる効果があることから、特許文献3に示されるパッド32の如き柔らかく変形して物品との間から空気の流入を阻止する部材の如き特別な構成を必要としない。また、物品吸着面が金属・合成樹脂等剛体で良いので保守が少なくて清潔で破損したパッドが容器内に混入したりしない。そして、特許文献2の特殊バルブや特許文献3のホース等複雑で保守を要する部品が少ないので、安価で故障の少ない装置を提供できる。このように対象とする物品の幅広い条件の変動に対応して、前記物品を損傷することなく安定して吸引保持できる効果がある。
請求項に記載したように、負圧供給手段として送風機の吸引側を用いることで、上記のような吸込み側静圧対風量の吸込み特性を比較的安価に実現することができる。
送風機の吸引側を利用することで、広い風量領域にわたって低い負圧特性を備えた負圧供給手段を実現できるため、物品吸着面の全面に対向するように物品が配置されてほぼ全数の吸引孔から外気を直接吸引しない状態で吸引ヘッドの負圧が高い状態になっても、前記物品をほとんど塑性変形させることなく吸引保持することがでる。又、前記物品吸着面に物品が当接していない領域が広く前記物品に当接していない多くの吸引孔から外気を直接吸引して吸引ヘッドの負圧が低下した状態でも前記物品を確実に吸引保持することができる。
請求項に記載した二つの条件を同時に満たすように静圧及び風量を前記物品の形状や重量等の物性に応じて設定することで、吸引ヘッドの物品吸着面の吸引孔の全てに物品が当接して全ての吸引孔から外気を直接吸入しない状況で物品を保持して搬送する場合において、この搬送する物品が比較的変形容易な素材でできた物品であっても物品吸着面への吸引保持時に当該物品に塑性変形をほとんど生じさせない。同時に、物品に当接せず、物品によって塞がれていない吸引孔が外気を直接吸入するという状況下においても、吸引ヘッドの物品吸着面に物品を搬送時も脱落しないように安定的に吸引保持することができる。このように請求項の発明は、二つの背反的事項を両立させることができる。
請求項に記載の保持搬送装置によって、容器群を吸引ヘッドの物品吸着面に吸引保持して搬送することが可能である。本発明の保持搬送装置は、取扱い対象の容器の変更により容器群が物品吸着面に当接する領域が変わっても、また、吸引保持すべき容器群の配置が不規則であるために物品吸着面の物品と当接する領域が不規則となった場合であっても、取扱い対象の容器を塑性変形させることなく、安定して対象の容器群を吸引保持することができる。
請求項に記載の保持搬送装置によって、容器群とその下のセパレートシートの組合せ物品を吸引保持して搬送することが可能である。このため、容器群とセパレートシートを交互に段積みするパレタイザや、容器群とセパレートシートを組み合わせて一段ずつ荷おろしするデパレタイザにおいて、容器群とその下のセパレートシートを同時に吸引保持して搬送することによりパレタイザ、またはデパレタイザの作業工程を単純化して効率を向上させることができる。また、パレタイザにおいては他の場所にある容器群を先に本発明の物品の保持搬送装置で吸引保持した後、セパレートシートの供給位置に移動して容器群の下にセパレートシートを併せて吸引保持することもできる。なお、デパレタイザにおいては、パレット上から段積みされた容器群とセパレートシートの一組を吸引保持して搬送し、所定の位置でセパレートシートを開放して蓄積し、他の指定位置の例えばコンベヤ上に容器群を開放して荷おろしと効率的に実施することができる。
請求項に記載の保持搬送装置の吸引ヘッド及び負圧供給手段によって、トップフレームとその下のセパレートシートの組合せ物品を同時に吸引保持して搬送することにより工程を単純化及び効率化することが可能である。このように本発明によれば、単一の物品、並びに物品群と組合せ物品とを一つの吸引ヘッドで保持搬送が可能であるため、種々の物品を従来よりも迅速且つ効率的に段積みすることが可能となり、又、段積みされている物品を従来よりも迅速且つ効率的に荷おろしすることが可能となる効果がある。
以下に、本発明の保持搬送装置の最良の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である保持搬送装置1が、規則正しく配列された複数の缶11とその下面に当接しているセパレートシート12とを吸引保持して搬送している状態を示す側面図である。本発明の保持搬送装置1は、吸引ヘッド2と、負圧供給手段4と、吸引ヘッド2を移動させるロボット3とを備えている。吸引ヘッド2の内側に設けられている吸引室9と負圧供給手段4とは、吸気ダクト5によって連通している。
負圧供給手段4は送風機4a、吸気ダクト5、吸気分配室15、分配ダクト5cからなり、吸引室9に接続されている。また、吸気ダクト5は固定された固定ダクト5aと可撓吸気ダクト5bから構成されている。可撓吸気ダクト5bは可撓性を備えており、ロボット3に支持されて移動する吸引ヘッド2の一部である吸気分配室15の移動に併せてその先端部が移動することができる。
保持搬送装置1の吸引ヘッド2の上面図を図2に示す。吸引ヘッド2の上面には4カ所の吸気口6が開口しており、それぞれが分配ダクト5cに接続されている。本実施の形態における吸気ダクト5の直径は300mmであり、吸気口6から負圧供給手段までの距離が10mとなっている。
保持搬送装置1の吸引ヘッド2の下面図を図3に示す。吸引ヘッド2の下面側には、ヘッド枠2aが設けられており、このヘッド枠に、直径7mmの円形の吸引孔8がピッチ20で開口している物品吸着面7が固定されている。物品吸着面7の吸引孔8の開口面積の総和(A)に対する物品吸着面(B)の比率(A/B)を開口率とすると、本実施形態の物品吸着面7の開口率は10%なっている。図4には、物品吸着面7が、平面的に隙間無く多列配置された複数の缶11を吸着保持する状態を、仮想線で示している。
保持搬送装置1の負圧供給手段4は、送風機(ブロアー)4aである。吸気ダクト5は、この送風機4aの吸引側に接続されている。負圧供給手段4を構成する送風機4aの風量と静圧との関係(Q−H特性)の一例を図4に示す。この送風機4aは、風量30m/minで稼働させた場合に4kPaの静圧を供する。負圧供給手段4は、この送風機4a、吸気ダクト5等の関連装置、及び吸引ヘッド2の組合せによって、吸引ヘッド2の物品吸着面7の吸引孔8に、3.5kPaの負圧をもたらすことができる。又、負圧供給手段4を風量50m/minで稼働させた場合には、負圧供給手段4は2kPaの静圧を供することができる。この場合、吸引ヘッド2の物品吸着面7の吸引孔8には、1.8kPa負圧がもたらされる。これらの送風機4aを1個又は複数個用いることにより、保持搬送装置1は、必要とされる負圧特性に応じた負圧を発生させることができる。
なお、図4に、比較例として、従来型の保持搬送装置において吸引ヘッド2への負圧供給手段として用いられていた真空ポンプの特性を一点鎖線で示す。図4からわかるように、真空ポンプは比較的少ない風量範囲で非常に高い吸引負圧を発生するという特性(風量変化に対する圧力変化が急峻な特性)を有する。かかる特性によれば、吸引ヘッドにおける吸引孔の大部分が取扱い対象物品によって閉塞された状態(つまり、外気を直接吸入する吸引孔がほとんどない状態)では非常に強力に物品を吸引保持することができる。その反面、物品によって塞がれていないために外気を直接吸入する吸引孔の数が増えると、吸引負圧が急激に低下して物品の安定的な吸引保持が難しくなるという弱点を露呈する。このような特性の真空ポンプを使用する限り、変形し易い素材でできた容器を塑性変形させずに吸引保持するための負圧の制御が極めて難しく、また、安定的な吸引保持が困難となり、容器の塑性変形防止と安定的吸引保持との両立を図ることは実際上不可能と言っても過言ではない。
これに対し、本実施形態では、図4に示すように風量変化に対して圧力変化が比較的緩やかな特性を有する送風機の吸引側を負圧供給手段に採用している。このため、物品吸着面7に設けられた複数の吸引孔8の大部分、或いは全部が物品で塞がれても負圧が増大して取扱い対象物品を塑性変形させる事態にならず、また、複数の吸引孔8の一部分、或いは半数に物品が当接しない状態でも負圧が低下して取扱い対象物品の吸引保持が困難になる事態にはならず取扱い対象物品を安定的に吸引保持するのに適した圧力及び風量の範囲を比較的広く確保することができる。このため、一度に吸引保持すべき物品の数量が変化しても、何ら追加的な対策を施すことなく、そのままの装置で対応することができる。つまり、本実施形態の保持搬送装置によれば、取扱い対象物品の形状や数量が変化した場合でも、変形し易い素材でできた容器の変形防止と安定的吸引保持との両立を容易に図ることができる。その意味で、本実施形態の保持搬送装置は、それが組み込まれたパレタイザ又はデパレタイザの汎用性を高めることに大きく貢献することができる。
本実施の形態における保持搬送装置1が、紙製の、直径80mm、内容量600,000mm、重量30gの上面が開口した缶11を176個保持する場合、並びに、176個の缶11とその下面に当接するように配置されたセパレートシート12の組合せ物品を保持して搬送する場合を例として、保持搬送装置1の吸引孔8付近の負圧と空気流の関係を例に挙げて、保持搬送装置1の特性を説明する。缶11は、上面が開放されており、側面と下面によって内側に閉じた空間13が形成された円筒形の形状を有している。
保持搬送装置1が、図5の平面図に示すように互いに等間隔で接するように多列で密集配列(千鳥配列)された缶11を176個同時に保持搬送する場合について説明する。このとき、隣り合う3つの缶11の間には垂直方向の隙間14が存在している。缶11の断面積に対して、その周囲の隙間の水平方向の面積比は78%となる。このように密集配列された複数の缶11は、176個が一度に吸引ヘッド2によってその上面が吸引されて保持される。このとき吸引ヘッド2の物品吸着面7は、1個の缶11につき12個〜17個の吸引孔8が当接する。送風機4aを2個使用して、風量が80m/minとした場合、吸引ヘッド2の物品吸着面7の吸引孔8のうち、缶11と当接する吸引孔8には1kPaの負圧がもたらされて、缶11を安定して保持する。一方で、隙間14の上に位置する吸引孔8は、缶11が吸引ヘッド2に吸着保持されている場合でも、外気に開放された状態となっており、外気を直接吸入している。しかしこの吸引孔8に発生する空気流は、缶11の保持に必要な負圧が維持される程度の流量であるために、缶11は安定して保持される。又、缶11が塑性変形する静圧は3kPa以上であるため、缶11が吸引ヘッド2に由来する負圧によって塑性変形する恐れはなく、缶11は好適な状態で保持される。
次に176個の缶11とその下面に当接するように配置されたセパレートシート12の組合せ物品を保持して搬送する場合について説明する。負圧供給手段4の風量が80m/minである場合、吸引ヘッド2の物品吸着面7の吸引孔8のうち、缶11と当接する吸引孔8には、1kPaの負圧がもたらされて、缶11を安定して保持する。一方で隙間14は、その下面に当接するセパレートシート12と物品吸着面7とによって閉じた空間となるために、隙間14には、同様に1kPaの負圧がもたらされて、セパレートシート12を安定して保持することができる。このように、保持搬送装置1は、負圧供給手段4によって供給される負圧が最適化されていることによって、その吸引ヘッド2の物品吸着面7の吸引孔8の一部が缶11に当接することなく外気を直接吸入する状態であっても、缶11を好適に保持して搬送することが可能である。又、負圧供給手段4の風量を変更することなく、セパレートシート12とその上に位置する176個の缶11とを組み合わせてなる組合せ物品を同様に好適に保持して搬送することが可能である。
次に、本実施の形態の保持搬送装置1を使用して、パレット上に複数の缶11とセパレートシート12を段積みする方法について、図6〜図10を用いて説明する。図6に示すように、保持搬送装置1は、缶11が供給される多列ステージ22と、パレット20の搬送コンベア25と、セパレートシート供給装置23と、トップフレーム供給装置28の間に設置されており、効率よく迅速に段積みを行うことができる。
缶11は、缶供給コンベア21によって1個ずつ供給され、多列ステージ22において、互いに千鳥配置で接するように多列で密集配列される。図7に示すように、ロボット3は、吸引ヘッド2を多列ステージ22の配列された複数の缶11の上端面まで移動させ、吸引ヘッド2の物品吸着面7と吸引ヘッド2の物品吸着面7を当接させる。これにより、缶11の内部が負圧とされて、複数の缶11は吸引ヘッド2に吸引保持される。以下に於いては、これを、第1の吸引保持工程と称する。
複数の缶11を吸引保持した状態の吸引ヘッド2は、図6に示すロボット3によってセパレートシート供給装置23の上に移動される。缶11の下端面が、セパレートシート供給装置23上に用意されているセパレートシート12に当接されることで、密集配列された缶11の隙間14と、吸引ヘッド2の物品吸着面7及びセパレートシート12によって区画される隙間14の空間にも、缶11の内部と同程度の負圧が及ぼされることになる。この結果、図8に示すように、吸引ヘッド2に吸引保持されている缶11の列の下面側に、更にセパレートシート12が吸引保持される。以下に於いては、これを第2の吸引保持工程と称する。
ロボット3は、密集配列された複数の缶11とセパレートシート12を吸引保持した状態の吸引ヘッド2をパレット20の上に移動させる。そして、負圧を解除することにより、密集配列された状態の缶11とセパレートシート12をパレット20上の所定位置に配置する。以下に於いては、これを吸引解除工程と称する。
ここで、できるかぎり速やかに負圧を解除するために、吸気ダクト5の負圧供給手段4側にダンパ26を設けて、負圧を解除する直後に、負圧供給手段4の吸気を遮断することが可能である。更に、吸気ダクト5の吸気ヘッド2側にシャッター27を設けて、負圧を解除する瞬間にこのシャッター27を開放することにより外気を導入することが可能である。ダンパ26とシャッター27の作用により、負圧は速やかに解除されて缶11とセパレートシート12は迅速に配置される。
缶11に対する第1の吸引保持工程と、缶11及びセパレートシート12に対する第2の吸引保持工程と、吸引解除工程を1サイクルとした操作を複数回実行することにより、パレット20上に密集配列された缶11とセパレートシート12とを交互に段積みすることが可能となる。図9に、第1の吸引保持工程と、第2の吸引保持工程と、吸引解除工程とを4サイクル実行した結果、缶11とセパレートシート12が交互に4段積み重ねられている様子を示す。
図6において、所定の段数の段積みが完了したことが図示しないセンサーで検出されると、トップフレーム供給装置28は、矢印Bの如くセパレートシート供給位置23に供給されているセパレートシート12の上に、枠形状のトップフレーム24を積み重ねる。ロボット3は、セパレートシート12の上に配置されているトップフレーム24の上面に吸引ヘッド2の物品吸着面7を当接させて、セパレートシート12とトップフレーム24とを、物品吸着面7によって区画されるトップフレーム空間24aを負圧とすることで吸引ヘッド2に吸引保持する。そして、図10に示すように、トップフレーム24およびセパレートシート12を吸引保持した状態で吸引ヘッド2を、段積みされた缶11の最上段に移動させた後、負圧を解除することにより、パレット20上に積み上げられた缶11の上に、トップフレーム24とセパレートシート12とを重ねるように配置して、段積みを完了する。所定の段数の缶11を搭載したパレット20は、搬送コンベア25によって次の工程に搬送される。
以上、最適な実施の形態に基づいて本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、円筒の物品を密集させずに所定の間隔を保って配列した場合には、円筒の物品の断面積に対する周囲の隙間の水平方向の面積比はより大きくなる。このような場合であっても、本発明の保持搬送装置は、その物品の断面積に対する隙間の面積比が50%以下であり、吸引ヘッドの吸引孔の半数に物品が当接している場合には、物品の搬送が可能である。
又、最適な実施の形態では、本発明の保持搬送装置が円筒状の紙製の缶11を搬送する場合について詳細な説明を行ったが、合成樹脂製のより柔軟な素材からなる容器群、金属製のより重量のある容器群、或いは通気性のある素材からなる容器群であっても、その負圧供給手段の風量を調整することにより、それら容器群を塑性変形させることなく好適に搬送することが可能である。容器の形状は、四角断面であったり、より複雑な形状であっても搬送が可能である。容器以外の包装物にも本発明の保持搬送装置を適用して、保持搬送することが可能である。
更に、最適な実施の形態では、送風機4aを床上に設置した例を示したが、ロボット3に支持されて移動する吸引ヘッド2に送風機4aを固定して用いることにより、吸気ダクト5の構成を簡略化することもできる。
本発明の一実施形態である保持搬送装置1の側面図である。 保持搬送装置1の吸引ヘッド2の上面図である。 保持搬送装置1の吸引ヘッド2の下面図である。 負圧供給手段4である送風機の風量と静圧との関係の一例を示す図である。 保持搬送装置1に吸引保持されるために多列で密集配列された缶11の状態を示す図である。 本発明の一実施形態である保持搬送装置1が使用される保持搬送工程のレイアウト図である。 保持搬送装置1を使用して行われる第1の吸引保持工程を示す図である。 保持搬送装置1を使用して行われる第2の吸引保持工程を示す図である。 保持搬送工程で段積みされた缶11とセパレートシート12の側面図である。 トップフレーム24およびセパレートシート12を吸引保持した保持搬送装置1の側面図である。
符号の説明
1 保持搬送装置
2 吸引ヘッド
3 ロボット
4 負圧供給手段
4a 送風機
5 吸気ダクト
5a 可撓吸気ダクト
5b 固定ダクト
5c 分配ダクト
6 吸気口
7 物品吸着面
8 吸気孔
9 吸引室
11 缶
12 セパレートシート
13 缶内側の空間
14 隙間
15 吸気分配室
20 パレット
21 缶供給コンベア
22 多列ステージ
23 セパレートシート供給装置
24 トップフレーム
25 搬送コンベア
26 ダンパ
27 シャッター

Claims (4)

  1. 物品をパレット上に段積みするためのパレタイザ、又はパレット上から物品を荷おろしするためのデパレタイザにおいて、取扱い対象の物品を搬送可能に保持するための装置であって、
    吸引室の下面側に複数の吸引孔を有する物品吸着面が設けられ、その物品吸着面を前記物品に当接させて当該物品を吸引保持するための吸引ヘッドと、
    前記吸引ヘッドの吸引室に連結された負圧供給手段とを備え、
    前記負圧供給手段は、
    前記吸引ヘッドがその物品吸着面に前記物品を当接させ前記複数の吸引孔を介して前記物品を吸引保持する際に、前記物品吸着面の全面と対向するように前記物品が配置されておりほぼ全ての吸引孔から外気を直接吸引しない状態において、前記物品をほとんど塑性変形させることなく吸引保持することができ、且つ前記物品吸着面に前記物品が対向しない領域があることで前記物品に当接していない吸引孔から外気を直接吸入する状態において、前記物品の吸引保持を維持できるような負圧又は空気流をもたらす吸込み側静圧対風量の吸込み特性を有しており、
    前記負圧供給手段が、送風機の吸引側を利用して構成されており、
    前記負圧供給手段として、風量30m /minで稼働される場合に4kPaの静圧を供し、且つ風量50m /minで稼働される場合に2kPaの静圧を供する送風機を1個又は複数個用いることを特徴とする物品の保持搬送装置。
  2. 前記取扱い対象の物品は、複数個の前記容器からなる容器群であることを特徴とする請求項1に記載の物品の保持搬送装置。
  3. 前記取扱い対象の物品は、容器群とその下のセパレートシートとを組み合わせてなる組合せ物品であることを特徴とする請求項1に記載の物品の保持搬送装置。
  4. 前記取扱い対象の物品は、トップフレームとその下のセパレートシートとを組み合わせてなる組合せ物品であることを特徴とする請求項1に記載の物品の保持搬送装置。
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