JP5304958B2 - プレス成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、素材のプレス成形法に関する。
本願は、2011年6月30日に、日本に出願された特願2011−145903号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
底を有する径が一定の円筒状の容器や、途中に径の異なる段部を有する多段円筒状の製品を成形する方法として、カップ状の中間素材をさらに絞り成形する方法が広く一般に用いられている。例えば、非特許文献1に、第一工程で円盤状の素材からカップ状に成形した中間素材を第二工程で再度絞り加工する再絞り加工法が開示されている。
この加工法では、第一工程で成形されたカップ状中間素材をその内面に挿入された円筒状工具であるしわ押えとダイとの間で挟持しながら、しわ押えの内部を貫通させたパンチをダイの円環状の内面に挿入するように押し込み、カップ状中間素材の底部に円筒状の突部を成形する。このような成形法においては、カップ状の中間素材からパンチとダイの円筒状内面との間への材料の流入が不十分となり、パンチ先端角部での材料破断等の成形不良が生じ易いという問題があった。
このような問題に対して、特許文献1および特許文献2においては、分割したダイスを用いてカップをダイの円筒状内面に積極的に押し込むことにより材料破断等に伴う成形不良を防止する方法が提示されている。また、関連のある技術として、特許文献3、4が開示されている。
日本国特開平8−150426号公報 日本国特開2002−113528号公報 日本国特開平8−141662号公報 日本国特開平6−210363号公報
長田修次、柳本潤:基礎からわかる塑性加工、(1999)、p.195、コロナ社
しかしながら、上述した絞り成形法のうち、特許文献1に開示された方法では、液圧を使用した成形法であるために、金型の構造が複雑となる。さらに、カップをダイ内面に押し込む方向がパンチの押し込み方向とは逆の方向となるために、十分に押し込むことができない場合が多々ある。
特許文献2に開示された方法では、カップ状に成形された中間素材の底部を可動式のパンチで絞り成形する際に、側壁を挟圧するように配置された、側壁面の内面に挿入された工具と外壁面の外側に配置された可動型の工具とを、可動式のパンチにあわせて中間素材との間で摺接させる。これにより、中間素材の側壁の材料をダイの内面に積極的に送り込み、成形品のパンチ先端角部での材料破断を防止しようとしている。しかしながら、実際のカップ状の中間素材の側壁面と、その側壁を内外面から挟圧させようとする工具との間には隙間が設けられていることが一般的であるために、目的とする中間素材の側壁のダイの内面への材料の送りこみを十分に行うことができない場合が多々ある。また、ダイを分割しているために、ダイの材料との接触面端部の角状の部分で割れが生じ易い等の問題がある。
特許文献3には、絞り成形後の製品肉厚をより均一にすることを目的に、コイニング加工や軸圧縮加工等を用いた増肉工程を成形工程の途中に加えて、絞り成形で薄肉化される部分を増肉させる方法が開示されている。しかし、この方法では、単に増肉のみを行う工程が一工程増えるために、生産性が低下するとともに、製造コストが増加する等の問題がある。また、この方法は、成形された製品の肉厚精度向上を目的に絞り加工後に増肉成形を行う方法である。すなわち、この方法で、本発明が目的としている絞り加工における材料破断等による成形不良を防止することは難しい。
例えば特許文献4には、予め成形後肉厚が薄くなる部分と素材の位置との対応を調べた上で、絞り成形後に肉厚が薄くなる部分に対応する素材部位が他の部位と比較して相対的に肉厚が厚くなるように機械加工した素材を絞り加工する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、成形されるすべての素材を切削加工や研削加工等の機械加工で予め所定の寸法、形状に加工する必要があり、コストの増加および生産効率の低下を招くという問題がある。
本発明は、かかる問題に対して、ダイの割れを生じ易くさせる分割ダイや金型構造を複雑にする液圧を使用することなく、成形中の素材の割れが生じにくい絞り成形法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)本発明の一態様に係るプレス成型方法は、
複数の軸を独立して作動させる多軸プレス装置を用いて、凹所が形成された素材の前記凹所の底部を押し出して中空軸に延伸加工するプレス成形方法であって、前記素材を凹金型にセットする第1の工程と;前記素材の、前記凹所を画成して円筒状をなす側壁の端面を軸方向に押し込むための第1の工具と、前記素材の前記底部を軸方向に押し出すための第2の工具と、前記第1の工具と前記第2の工具との間に配置された第3の工具とを用いて、前記第1〜第3の工具を一体として下降させ、前記第3の工具を前記底部に押圧させ、前記第3の工具を停止させたまま、前記第1の工具によって、前記素材の前記側壁の前記端面を前記第1の工具の軸方向に第1の速度Viで押し込むと同時に、前記第2の工具によって、前記素材の前記底部を前記第2の工具の軸方向に第2の速度Vbで押し出して成形する第2の工程と;を備え、前記第2の工程で、前記第1の速度Viに対する前記第2の速度Vbの比であるVb/Viを0.7〜1.5の範囲に制御する。
(2)上記(1)に記載のプレス成型方法では、前記第2の工程で、さらに、前記第1の工具及び前記第2の工具間に設けられた第3の工具により前記素材のしわ押さえも同時に行い;前記第2の工程前での、前記素材の板厚をt、前記素材の外周面と前記凹金型の内周面との水平方向の隙間s1及び前記素材の内周面と前記第3の工具の外周面との水平方向の隙間s2の総和をsとしたときに、以下の条件式(a)を満足してもよい。
0.02×t≦s≦0.3×t・・・・・・・・・(a)
本発明を適用することにより、素材を、割れが生じることなく、安定して絞り成形することが可能となる。
本実施形態に使用される金型の例を示した断面図である。 本実施形態に使用される金型の例を示した断面図である。 本実施形態に使用される金型の例を示した断面図である。 本実施形態が改善しようとする問題点であるパンチ先端角部での割れを説明する模式図である。 本実施形態の金型内部に素材が充満する前の状態を示す図である。 本実施形態の金型内部に素材が充満した後の状態を示す図である。
以下に図を用いて、本実施形態に係るプレス成型方法の詳細について説明する。本実施形態では、凹所が形成された素材として、カップ状の素材6を用い、このカップ状の素材6に対して成形を行う。図1Aから図1Cに、本実施形態に用いる多軸プレス装置の金型(プレス金型)100の概略図を示す。図1Aから図1Cに示す金型100は、前述の独立して作動させることが可能な複数の軸を備えた多軸プレス装置の所定の位置に設置して使用され、さらにカップ状の素材6の内側底部を押し出す円柱状のパンチ1と、パンチ1の周囲を覆うような筒形状であり成形過程にその外周面でカップ状の素材6の内面を押圧するしわ押え2を有する。パンチ1は、ダイ4(後述)のセット側(紙面上方)に配置されるカップ状の素材6の内側底部を、ダイ4の素材排出側(紙面下方)へ押し出す棒状のパンチである。本実施形態に係るプレス成形方法では、上述の多軸プレス装置によって、カップ状の素材6の底部を押し出し、中空軸に延伸加工する。
なお、用いる素材の外径は20mm〜300mmであることが望ましい。外径が20mm未満であると、カップ状の素材6の底部を押し出し、中空軸に延伸加工することが困難となる。また、外径が300mm超であると、金型が大型になるとともに成形荷重も増加して、大型のプレス機が必要になる等、実用上の成形が困難となる。より望ましくは、50mm〜120mmである。
また、素材の板厚寸法(肉厚)は、1.5mm〜15mmとすることが望ましい。1.5mm未満では、素材の側壁端面の押し込みが困難となり、15mm超では、カップ状の中間素材の成形が困難となる。より望ましくは、2mm〜12mmである。
また、本実施形態で用いた金型100は、しわ押え2の周囲を囲むような環状の筒形状の軸である外周パンチ3を有する。この外周パンチ3は、ダイ4の素材セット側に配置されているカップ状の素材6の開口部の上縁をダイ4の素材排出側へ押し込む突起部3aを有する。さらに、本実施形態の金型100は、カップ状の素材6の底部を押圧しながら降下するパンチ1との間で素材6を押圧して、所定の寸法形状に仕上げる略円環形状のダイ4、および円筒状のダイ4内面に挿入されてパンチ1との間で素材底面を押圧するカウンターパンチ5を有する。
なお、金型100は、凸金型と凹金型からなる。凸金型は、パンチ1、しわ押え2及び外周パンチ3を含み、凹金型は、ダイ4及びカウンターパンチ5を含む。
また本実施形態の多軸プレス装置は、パンチ1、しわ押え2、外周パンチ3、カウンターパンチ5の移動を個別独立して制御することが可能な駆動機構(図示しない)を有する。これら金型100の各部は、本実施形態には図示されていないプレス機により、素材6を所定の寸法形状に成形するようにその移動が制御される。
次に、図1A〜図1Cに示す金型100を用いたプレス成形方法における各部の挙動について説明する。まず、プレス機の駆動機構の制御により、パンチ1、しわ押え2、外周パンチ3は、ダイ4との間に、カップ状の素材6を挿入するのに十分な高さまで上昇する。この状態で、ダイ4上面にダイ4内周の中心軸とその中心軸とが略一致するように、カップ状の素材6を設置(セット)する。その後、パンチ1、しわ押え2、外周パンチ3が一体となって、プレス機の駆動機構により制御されながら降下する。しわ押え2とパンチ1が素材6の底面に接触し、外周パンチ3がカップ状の素材6の上縁面に接触すると、前述の降下動作が停止する(図1A参照)。
またこの時、これら工具の移動と同時に、カウンターパンチ5が円筒状のダイ4内面に沿うように上昇する。カウンターパンチ5が、素材6の底面に接触すると、前述の上昇動作が停止する(図1A参照)。ここまでの金型各部の動作が完了した状態で、カップ状の素材6は、しわ押え2とダイ4、パンチ1とカウンターパンチ5との間で押圧されてダイ4内に固定される。
上述のようにダイ4内にカップ状の素材6が固定された状態から、さらに、しわ押え2を停止させた状態で、パンチ1が降下しながら素材6の底部を押し出す。また、パンチ1の動きに合わせてカウンターパンチ5が降下する。この動作により、カップ状の素材6の底部に、素材6の外径よりも小さな径の筒状の突起が成形される(図1B参照)。この成形中に、パンチ1の降下に対応して外周パンチ3が降下することで、素材6の開口部の上縁面を押圧して素材6の金型100の内部への流入、すなわち、ダイ4及びカウンターパンチ5と、パンチ1、しわ押え2及び外周パンチ3との間の領域で、かつ、素材排出側への流入を促す(図1B、図1C参照)。この動作により、図2に示すような、上述したパンチ先端角部における素材の破断を防止する。
外周パンチ3を降下させる際、パンチ先端角部における素材の破断を防止するため、その降下速度Viを、パンチ1の降下速度Vbとの比が、Vb/Vi=0.7〜1.5の範囲となるように制御する。成形中の素材6のパンチ先端肩部における素材の破断防止に対して、パンチ1の降下速度Vbに対する外周パンチ3の降下速度Viが重要となるのは、以下の理由による。本実施形態に係るプレス成形方法では、成形中に外周パンチ3を用いてカップ状の素材6の上縁を押圧して素材の金型100内部への流入を促すことにより、素材に破断を生じさせることなく、安定して成形を行う。それ故、この外周パンチ3とパンチ1との降下速度比が適切でない場合、素材6の金型100内部への十分な流入効果が得られず、例えば図2に示すような破断が生じる場合がある。素材6の金型100内部への十分な流入効果が得られない原因としては、成形前にダイ4の所定の位置に設置されたカップ状の素材6とダイ4との間および素材6としわ押え2との間に設けられる隙間の影響が考えられる。
図3A,図3Bを参照しつつ、上述の流入効果が得られない原因について説明する。図3Aは、ダイ4の素材セット側にセットされた素材6に対して、パンチ1、しわ押え2及び外周パンチ3が当接した瞬間の状態(ただし、素材6に加わる押圧力は無視できる程度の微弱な力であるものとする)を示す図である。また、図3Bは、金型100内部に素材6が充満した後の状態を示す図である。
ここで、図3Aの状態から図3Bの状態に変化する際の多軸プレス装置の挙動を説明する。図3Aに示すように、素材6を金型100にセットした時には、素材6としわ押え2との間及び素材6とダイ4との間に、それぞれ水平方向における隙間が形成されている。この状態から、外周パンチ3によって素材6の上縁を押圧すると、外周パンチ3の押圧によって素材6の上端部は圧縮応力を受ける。この応力が伝播することで素材6がひずみ、セット時の隙間を埋めるように素材6の形状が変化する。その後、図3Bの状態となり、素材6の外壁と金型100内部の内壁との全面が当接した状態、すなわち、金型100内部が素材6で充満した状態となる。
素材6の据え付け時(セット時)に、素材6としわ押え2及びダイ4との間に隙間が設けられる理由について説明する。この隙間は、素材6の金型100内部の所定の位置への設置を可能かつ容易にするために設けられる。素材6とダイ4との間の隙間がなければ、素材6を金型100にセットする際、所定の位置に設置される前に、素材6とダイ4とが嵌合状態となり、それ以上素材6を押し込むことができなくなる可能性がある。従って、素材6を金型100内の所定の位置まで移動して設置することができない。また、移動できなくなった素材6を、強制的に移動させようとした場合、素材6や金型100に疵を生じさせる等の問題が生じる場合もある。
また一方、素材6としわ押え2との間の隙間については、成形開始時のカップ状の素材6内面へのしわ押え2の挿入を容易にするとともに、しわ押え2と素材6との間の疵の発生を防止することを目的として設けられる。
以上のような隙間を金型各部と素材6との間に設けた状態で、外周パンチ3でカップ状の素材6の上縁を押圧しながらパンチ1を降下させて絞り成形を行った場合、外周パンチ3の降下速度とパンチ1の降下速度の比の値によっては、本実施形態に係るプレス成形方法において目的とする外周パンチ3の素材6の上縁の押圧による素材6の金型100内部への流入効果が十分に得られずに、素材6に破断が生じる場合がある。これは、素材6とダイ4およびしわ押え2等の工具との間に隙間がある状態で、外周パンチ3によって素材6の上縁を押圧した場合、外周パンチ3の降下速度とパンチ1の降下速度の比の値によっては、押圧の効果が、本実施形態の目的とする素材6の金型100内部への流入促進よりもむしろ、素材6のダイ4およびしわ押え2等との隙間への充満に費やされ、その結果、外周パンチ3による押圧の効果が、素材6の破断防止に十分に寄与しなくなるためである。
本実施形態に係るプレス成形方法では、このような問題を防止するために、外周パンチ3を降下させる際に、その降下速度を適切な値に制御する。即ち、本実施形態に係るプレス成形方法では、外周パンチ3の降下速度Viはパンチ1の降下速度Vbとの比で、Vb/Vi=0.7〜1.5の範囲となるように制御する。Vb/Viを上記範囲とすることにより、外周パンチ3の押圧による素材6のダイ4への流入効果を十分確保したうえで、素材に破断を生じさせることなく成形を行うことができる。
外周パンチ3の降下速度Viとパンチの降下速度Vbとの比Vb/Viが1.5超の場合、パンチ1の降下速度が外周パンチ3の降下速度に対して過大となり、パンチ1の押し出しに対する外周パンチ3による素材6の金型100内部への送り込み量が不足して、パンチ1の先端角部における素材の破断を十分に防止できなくなる。
また、Vb/Viが0.7未満の場合、外周パンチ3による素材6の押し込みが過大となり、外周パンチ3とダイ4との間にバリが生じる等の製品製造上の問題点が生じる。上述の範囲は、素材が金型100内部に充満しているかどうかに関わらない。
ここで、図3Aに図示する状態、すなわち、外周パンチ3によって素材6の上縁を押圧する前の状態において、素材6の板厚寸法をt、素材6とダイ4との間に形成された隙間(水平方向の隙間)をs1、素材6としわ押え2との間に形成された隙間(水平方向の隙間)をs2とする。s1とs2との総和をsとした場合、0.02×t≦s≦0.3×tを満足するのが好ましい。板厚tと隙間の総和sとが前記条件を満足することによって、外周パンチ3の降下速度Viとパンチの降下速度Vbとの速度比率を上述の如く規定することによる効果をより確実に得ることができる。隙間の総和sが上述の範囲でない場合でも、破断やバリの発生は起こらず、成形を完了させることができる。しかしながら、隙間の総和sが0.02tより小さい場合、成形前に金型100内部に設置されたカップ状の素材6の内面にしわ押え2を円滑に挿入することができずに、素材6の上縁面に凹み疵が生じたり、側壁の一部分が薄くなる場合がある。また、隙間の総和sが0.3t超では、隙間が過大なためにしわ押え2の挿入後に、外周パンチ3によるカップ状の素材6の上縁の押下が始まると、素材6の側壁に曲がりが生じて成形品に形状不良が生じる場合がある。そのため、高い成形精度が求められる場合には、隙間の総和sが、0.02×t≦s≦0.3×tを満足することが好ましい。
素材6が金型へ充満したかどうかの判断については、同じ素材および多軸プレス装置の設定条件で予備成形を行い、例えば、金型各部の制御位置と素材の金型内部への充満度との関係を求めておき、その関係に基づいて、金型の位置で素材の充満有無を判断すれば良い。より具体的には、成形を成形途中で終了させる実験を異なる複数の条件(Vb/Viの条件)下で行い、各条件下における多軸プレス装置の駆動開始から成形終了までのパンチ1のストローク量を記録する。そして、成形された材料の断面の形状測定を行うことにより、金型の詳細な寸法および形状が記載された金型図面より求められる金型形状との関係から材料の充満状態を把握して、駆動開始時からのパンチ1のストローク量を用いて速度比率を変更するタイミングを予め実験的に求めることができる。
素材6が金型へ充満したかどうかの判断は、上記以外の方法を用いてもよい。例えば、素材6が金型へ充満すると、外周パンチ3に係る荷重が増加する。そのため、外周パンチ3に荷重計を取り付け、荷重の変化により充満の有無を判断してもよい。
(実施例1)
図1A〜図1Cに示す多軸プレス装置を用いて、外径φ90mm×肉厚2mm×高さ30mmの炭素鋼のカップ状の素材を、肉厚は2mmのまま室温で、外径φ50mmのカップに成形した。この成形においては、予備成形により確認した素材が金型内部への充満する前と後(充満前と充満後)、どちらの場合も外周パンチ3の降下速度Viとパンチの降下速度Vbとの比Vb/Viが同じ値となるように多軸プレス装置を設定した。表1には、この成形における速度比Vb/Viと成形結果との関係を示す。
速度比Vb/Viが0.7〜1.5の範囲である場合は、素材に破断やバリを生じさせることなく成形を完了させることができた。これに対して、速度比Vb/Viが0.7より小さい場合は、素材に製品製造上問題となるバリが生じた。また、速度比Vb/Viが1.5より大きい場合は、成形中の素材に破断が生じたため成形を中断した。
Figure 0005304958
(実施例2)
図1A〜図1Cに示す多軸プレス装置を用いて、外径φ120mm×肉厚5mm×高さ40mmのアルミ製のカップ状の素材を、肉厚は5mmのまま室温で、外径φ70mmのカップに成形した。この成形においては、予備成形により確認した素材の金型内部への充満前と充満後とで、外周パンチ3の降下速度Viとパンチの降下速度Vbとの比Vb/Viが異なる値となるように多軸プレス装置を設定した。表2には、この成形での成形における多軸プレス装置の速度比Vb/Viと成形結果との関係を示す。
充満前と充満後、いずれの場合についても速度比Vb/Viが0.7〜1.5の範囲である場合は、素材に破断やバリを生じさせることなく成形を完了させることができた。これに対して、充満前と充満後、いずれかの場合に速度比Vb/Viが0.7より小さな値となった場合、素材に製品製造上問題となるバリが生じた。また、充満前と充満後、いずれかの場合に速度比Vb/Viが1.5より大きな値となった場合は、成形中の素材に破断が生じたため成形を中断した。
Figure 0005304958
(実施例3)
さらに、図1A〜図1Cに示す多軸プレス装置を用いて、外径φ80mm×肉厚5mm×高さ45mmの炭素鋼のカップ状の素材を肉厚は5mmのままで、外径φ45mmのカップに室温で成形した。表3には、この成形での素材6とダイ4及びしわ押え2との隙間の総和sと、成形結果の関係を示す。
Figure 0005304958
表3中の隙間は、図3Aに図示する状態において、素材6と、ダイ4及びしわ押え2との間に形成された隙間(水平方向の隙間)の総和sを素材6の板厚寸法をtで除した値である。
充満前と充満後、いずれの場合についても速度比Vb/Viが0.7〜1.5の範囲である場合は、素材に破断やバリを生じさせることなく成形を完了させることができた。これに対して、充満前と充満後、いずれかの場合に速度比Vb/Viが0.7より小さな値となった場合、素材に製品製造上問題となるバリが生じた。また、充満前と充満後、いずれかの場合に速度比Vb/Viが1.5より大きな値となった場合は、成形中の素材に破断が生じたため成形を中断した。
なお、隙間の総和sが素材の板厚の0.02倍より小さい場合は、しわ押えの挿入不良が生じ、隙間が素材6の板厚の0.3倍より大きい場合は、素材6の側壁に曲がりが生じた。これに対して、隙間の総和sが素材の板厚tの0.02倍から0.3倍の間の範囲である場合は、このようなしわ押えの挿入不良や素材側壁の曲がりが生じることなく、より精度の高い成形を行うことができた。
本発明のプレス成形では、素材を、割れが生じることなく、安定して絞り成形することが可能となる。そのため、産業の利用価値は高い。
1 パンチ
2 しわ押え
3 外周パンチ
3a 突起部
4 ダイ(凹金型)
5 カウンターパンチ
6 素材

Claims (2)

  1. 複数の軸を独立して作動させる多軸プレス装置を用いて、凹所が形成された素材の前記凹所の底部を押し出して中空軸に延伸加工するプレス成形方法であって、
    前記素材を凹金型にセットする第1の工程と;
    前記素材の、前記凹所を画成して円筒状をなす側壁の端面を軸方向に押し込むための第1の工具と、前記素材の前記底部を軸方向に押し出すための第2の工具と、前記第1の工具と前記第2の工具との間に配置された第3の工具とを用いて、
    前記第1〜第3の工具を一体として下降させ、前記第3の工具を前記底部に押圧させ、前記第3の工具を停止させたまま、前記第1の工具によって、前記素材の前記側壁の前記端面を前記第1の工具の軸方向に第1の速度Viで押し込むと同時に、前記第2の工具によって、前記素材の前記底部を前記第2の工具の軸方向に第2の速度Vbで押し出して成形する第2の工程と;
    を備え、
    前記第2の工程で、前記第1の速度Viに対する前記第2の速度Vbの比であるVb/Viを0.7〜1.5の範囲に制御する
    ことを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記第2の工程で、さらに、前記第1の工具及び前記第2の工具間に設けられた第3の工具により前記素材のしわ押さえも同時に行い;
    前記第2の工程前での、
    前記素材の板厚をt、
    前記素材の外周面と前記凹金型の内周面との水平方向の隙間s1及び前記素材の内周面と前記第3の工具の外周面との水平方向の隙間s2の総和をsとしたときに、
    以下の条件式(1)を満足する;
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
    0.02×t≦s≦0.3×t・・・・・・・・・(1)
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