JP5304034B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
前記裁断工程で裁断された前記端部は、複数の搬送ロールにより前記樹脂フィルムから分離搬送され、前記複数の搬送ロールの全てにおいて、前記裁断された端部が前記搬送ロールに巻き付く円弧の角度θが15°以上90°以下とされており、前記複数の搬送ロールのうち、前記断裁工程後の最初の搬送ロールでは対向するロールと搬送ロールにより前記裁断された端部が挟持されて搬送され、前記最初の搬送ロール以外の搬送ロールでは対向するロールは設けられずに前記裁断された端部が搬送されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
前記裁断工程で裁断された前記端部を前記搬送ロールで搬送するとき、該搬送ロールの雰囲気温度が40℃以上90℃以下であることを特徴とする1に記載の光学フィルムの製造方法。
1又は2に記載の光学フィルムの製造方法を用いて製造されることを特徴とする光学フィルム。
〈原料樹脂〉
本発明に用いる原料樹脂としては、光学フィルムとして一般に用いられる樹脂フィルムの原料樹脂であれば良く、特に限定するものではないが、例えばセルロースエステルを用いることが好ましい。セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
〈溶媒〉
上記のセルロースエステルを溶解する溶剤(溶媒)としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
〈可塑剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法に用いるドープには、可塑剤が含有されるのが好ましい。可塑剤としては、特に限定するものではないが、セルロースエステルフィルムに対しては、従来公知のセルロースエステル用の可塑剤が好ましく使用できる。特に相溶性に優れたものが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができ、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。分子量の大きい可塑剤は、押し出し成形の際の揮発が抑制でき好ましい。これらの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロールクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロールクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー類などが挙げられる。上記可塑剤は、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
〈他の添加剤〉
本発明のドープには、他の添加剤として、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子などを添加するのが好ましい。
〈光学フィルムの製造方法〉
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について、セルロースエステルフィルムを例として詳しく説明する。
ここで、Mはフィルムの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの質量である。
(実施例1〜14、比較例1〜4)
光学フィルムの製造装置として、図1に示す装置を用いた。
〈ドープの組成〉
セルローストリアセテート 100質量部
(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
トリフェニルフォスフェート 8質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
メチレンクロールイド 440質量部
エタノール 40質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 0.2質量部
上記の材料を密閉したドープ溶解釜に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。溶解後、密閉釜での攪拌を停止し、密閉釜に連結した配管を経て流延ダイから30℃に保たれたドープを、30℃の乾燥風を吹かせたステンレス鋼製エンドレスベルト支持体上に流延し、支持体上で溶媒を蒸発させ、ドープ膜(フィルム)を形成した後、これが約1周したところで、エンドレスベルト支持体上から剥離する。
(評価)
耳部を搬送ロールで粗砕機に搬送する過程で、途中で耳部が破断して、搬送できなくなるまでの光学フィルムの連続製膜長さで評価した。連続製膜長さが500km未満を×、500km以上2000km未満を○、2000kmを越えるものを◎とした。生産性の観点から○以上が必要である。評価結果を表1に示す。
2 流延ダイ
3 剥離ロール
4 延伸装置
5 乾燥装置
61、62、63 搬送ロール
9 カッター
10 フィルム
11 端部、耳部
100 粗砕機
θ 巻き付く円弧の角度
15 巻きとり装置
Claims (1)
- 連続する樹脂フィルムの幅手方向の両端を把持して幅手方向に張力を付与しながら樹脂フィルムを搬送し、幅手方向に1.2〜1.6倍に延伸する延伸工程と、該延伸工程後に幅手方向における前記樹脂フィルムの端部を裁断する裁断工程と、を有する光学フィルムの製造方法において、
前記裁断工程で裁断された前記端部は、複数の搬送ロールにより前記樹脂フィルムから分離搬送され、前記複数の搬送ロールの全てにおいて、前記裁断された端部が前記搬送ロールに巻き付く円弧の角度θが15°以上90°以下とされており、前記複数の搬送ロールのうち、前記断裁工程後の最初の搬送ロールでは対向するロールと搬送ロールにより前記裁断された端部が挟持されて搬送され、前記最初の搬送ロール以外の搬送ロールでは対向するロールは設けられずに前記裁断された端部が搬送されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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