JP5303947B2 - 固体電解質および電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質塩を含む固体電解質、およびそれを用いた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder)、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度が得られる二次電池の開発が進められている。中でも、充放電反応に電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
このリチウムイオン二次電池の電解質としては、炭酸エステル系の溶媒に電解質塩であるリチウム塩を溶解させた液状の電解質(電解液)が広く用いられている。ところが、電解液を用いた電池では、電解液が漏れるおそれがあり、これにより周辺の電子部品を破損してしまうおそれがある。このため、電解液に代えて固体電解質を用いることが提案されている。この固体電解質としては、無機物系のものと有機物系のものとが挙げられるが、無機物系のものは、正極および負極と良好な界面を形成することが難しく、フレキシブル性が低いことから、有機物系の固体電解質が注目されている。
二次電池に用いられる有機物系の固体電解質としては、高分子化合物および電解質塩よりなる電解質が広く知られている。この高分子化合物としてポリエチレンオキサイドに代表されるポリエーテル系の化合物を用いた固体電解質の研究が盛んである。
ところで、燃料電池に用いられるプロトン伝導性を有する電解質膜として、パーフルオロスルホン酸樹脂が広く用いられており、その他に、プロトン解離性の基を有するフラーレンやカーボンナノチューブなどの炭素クラスターを用いる技術や、イオン解離性の官能基を有する炭素クラスターが連結基を介して互いに連結されている高分子化合物を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。なお、上記した炭素クラスターは、二次電池において負極活物質の材料や、電解液の添加剤として用いる技術も検討されている(例えば、特許文献3,4参照)。
特許第3951225号明細書 特開2004−055562号公報 特開2005−116327号公報 特開2004−234949号公報
しかしながら、二次電池に用いられる上記した高分子化合物を含む固体電解質では、高分子化合物中で解離されたリチウムイオンが高分子鎖のセグメント運動により移動することによって、イオン伝導性を有するものとなるため、低温においては、そのセグメント運動が低下し、イオン導電率が著しく低下する傾向がある。このため広い温度域において良好な電池特性を維持することが困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、低温において良好なイオン導電率を確保することができる固体電解質およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明の固体電解質は、炭素クラスターとアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含有する電解質塩とを含み、炭素クラスターおよび電解質塩が固相において粉砕混合されており、炭素クラスターがフラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種であるものである。
本発明の電池は、正極および負極と共に固体電解質を備え固体電解質炭素クラスターとアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含有する電解質塩とを含み、炭素クラスターおよび電解質塩が固相において粉砕混合されており、炭素クラスターがフラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種であるものである。
本発明の固体電解質によれば、炭素クラスターおよび電解質塩が固相において粉砕混合されており、その炭素クラスターが上記したフラーレン等であるので、固体電解質であっても、低温において良好なイオン導電率を確保することができる。これにより、本発明の固体電解質を備えた電池によれば、その固体電解質の低温におけるイオン伝導性の低下が抑制されるため、良好な電池特性を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る電解質は、例えば電池などの電気化学デバイスに用いられる固体電解質であり、炭素クラスターおよび電解質塩を含んでいる。この「炭素クラスター」とは、炭素を主元素とし、数十から数百の原子が結合したもの、またはその結合して形成されたものが凝集あるいは結晶化したもののことである。
この電解質が炭素クラスターを含んでいるのは、高分子鎖のセグメント運動によりカチオンを移動させているポリエチレンオキサイドやエチレンオキサイドを含む重合体とは異なり、低温においてイオン導電率が良好に維持できるからである。
炭素クラスターとしては、例えば、球状の構造体、籠状の構造体、平面状の構造体、あるいは筒状の構造体などが挙げられる。それらを単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、それらの単結晶でもよいし、多結晶でもよい。
球状の構造体としては、例えば、フラーレン、あるいはその誘導体が挙げられる。なお、この誘導体とは、例えばフラーレンに官能基などの原子団を導入して形成されたものなどのことであり、この誘導体が意味することは、後述においても同様である。フラーレンとしては、例えば、C36、C60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94あるいはC96などが挙げられる。フラーレンの誘導体としては、上記したフラーレンの酸化物や水素化物などが挙げられる。中でも、C60のフラーレンまたはその酸化物が好ましい。比較的容易に入手可能であると共に、低温において良好なイオン導電率が確保できるからである。
籠状の構造体としては、例えば、球状の構造体の欠損物が挙げられる。具体的には、上記したフラーレンあるいはその誘導体の欠損物が挙げられる。この「欠損物」とは、例えば球状の構造体の一部の原子が欠損することにより、開放した構造となったもののことであり、いわゆるスートと呼ばれる構造体を生成する際の副生成物などのことである。なお、この欠損物が意味することは、後述においても同様である。
平面状の構造体としては、例えば、グラフェン、あるいはその誘導体、またはそれらの欠損物が挙げられる。また、筒状の構造体としては、例えば、カーボンナノチューブ、あるいはその誘導体、またはそれらの欠損物が挙げられる。
この炭素クラスターは、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種であることが好ましい。高い効果が得られるからである。
電解質塩は、例えば、電池の電極反応物質をカチオンとして有するものであり、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含んでいる。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩あるいはカリウム塩が挙げられ、リチウム塩の具体例としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C2 5 SO2 2 )、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C2 5 SO2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C3 7 SO2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C4 9 SO2 ))、1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミドリチウム、1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミドリチウム、1,3−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウム、1,4−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウム、あるいはリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
この電解質中における炭素クラスターのモル数(M1)と電解質塩のモル数(M2)との比(モル比)M1/M2は、任意であるが、1/4以上4/1以下の範囲内であることが好ましい。高い効果が得られるからである。
この電解質を製造するにあたっては、例えば、所定量の炭素クラスターと電解質塩とを固相において粉砕しながら混合することにより製造することが好ましい。上記した電解質を容易に製造できるからである。
このように本実施の形態における電解質では、固体電解質であって、炭素クラスターと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含有する電解質塩とを含むことにより、ポリエチレンオキサイドなどの高分子化合物および電解質塩からなる従来の固体電解質とは異なり、低温において高分子鎖のセグメント運動が抑制されることによるイオン導電率の急激な低下がなく、広い温度範囲でイオン導電率が良好に維持される。なお、本実施の形態では、電解質は炭素クラスターと電解質塩とを含む粉末状の混合物であってもよいし、その粉末状の混合物を固めたものでもよい。
この電解質によれば、炭素クラスターを含むので、固体電解質であっても、低温において良好なイオン導電率を確保することができる。よって、電池など電子化学デバイスにこの電解質を用いた場合には、低温における良好な電池特性の維持に寄与することができる。また、炭素クラスターがフラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種である、または電解質塩がリチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩のうちの少なくとも1種であれば、高い効果を得ることができる。
次に、上記した電解質の使用例について説明する。ここで電気化学デバイスの一例として、電池を例に挙げると、電解質は以下のようにして用いられる。
(第1の電池)
図1は、第1の電池の断面構成を表している。この電池は、例えば、負極の容量が電池反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づく容量により表されるリチウムイオン二次電池である。
この二次電池は、外装缶11の中に収容された正極14と、外装カップ12に収容された負極15とを電解質16を介して積層したものである。この外装缶11および外装カップ12を用いた電池構造は、いわゆるコイン型と呼ばれている。
外装缶11および外装カップの12の周縁部はガスケット13を介してかしめることにより密閉されている。外装缶11は、正極14を収容する底の浅い皿状、いわゆるシャーレ状の形状であり、この二次電池の外部正極となる。外装缶11は、例えば、ステンレス、アルミニウム(Al)、あるいは収容される正極14側からアルミニウム、ステンレス、ニッケル(Ni)が厚み方向に順次積層された構造を有する金属などにより構成されている。また、外装カップ12は、負極15を収容するシャーレ状の容器であり、この二次電池の外部負極となる。外装カップ12は、例えばステンレス、アルミニウムあるいは表面にニッケルめっきが施された鉄(Fe)などの金属により構成されている。ガスケット13は、例えば、絶縁材料により構成されている。
正極14は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体14Aの片面に正極活物質層14Bが設けられたものである。正極集電体14Aは、例えばアルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種あるいは2種以上を含んでいる。この正極活物質層14Bは、必要に応じて、導電剤や結着剤などを含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化鉄(FeS2 )、硫化チタン(TiS2 )、硫化モリブデン(MoS2 )、セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しないカルコゲン化物、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物などが挙げられる。
中でも、リチウム含有化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、あるいはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Lix Ni(1-v-w) Cov Mnw 2 (v+w<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。中でも、ニッケルを含む複合酸化物が好ましい。高い容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-u Mnu PO4 (u<1))などが挙げられる。
この他、上記した正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物や、硫黄や、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
負極15は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体15Aの片面に負極活物質層15Bが設けられたものである。負極集電体15Aは、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する金属材料により構成されているのが好ましい。この金属材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケルあるいはステンレスなどが挙げられる。中でも、金属材料としては、銅が好ましい。高い電気伝導性が得られるからである。
特に、負極集電体15Aを構成する金属材料としては、リチウムと金属間化合物を形成しない1種または2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電時における負極集電体15Aの膨張および収縮による応力の影響を受けて破損するため、集電性が低下したり、負極活物質層15Bが剥離したりしやすくなるからである。この金属元素としては、例えば、銅、ニッケル、チタン(Ti)、鉄あるいはクロム(Cr)などが挙げられる。
負極活物質層15Bは、負極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種あるいは2種以上を含有している。この負極活物質層15Bは、必要に応じて、導電剤あるいは結着剤などを含んでいてもよい。なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量としては、正極活物質による充電容量よりも大きくなっているのが好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。このような炭素材料としては、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素、あるいは(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などが挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成し、炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高エネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られる上、さらに導電剤としても機能するので好ましい。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。このような負極材料は、高いエネルギー密度が得られるので好ましい。この負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またはこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。ここでの合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、ここでの合金は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などである。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が特に好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金および化合物、ならびにスズの単体、合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種が挙げられる。すなわち、ケイ素の単体、合金あるいは化合物、スズの単体、合金あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料である。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の化合物あるいはスズの化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、ケイ素あるいはスズに加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
特に、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する材料としては、スズを第1の構成元素とし、そのスズに加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。第2の構成元素は、コバルト、鉄、マグネシウム、チタン、バナジウム(V)、クロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀、インジウム、セリウム(Ce)、ハフニウム、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマスおよびケイ素からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素、炭素、アルミニウムおよびリンからなる群のうちの少なくとも1種である。第2および第3の構成元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
中でも、スズ、コバルトおよび炭素を構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズおよびコバルトの合計に対するコバルトの割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られるからである。
このCoSnC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン、ガリウムあるいはビスマスなどが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。より高い効果が得られるからである。
なお、CoSnC含有材料は、スズ、コバルトおよび炭素を含む相を有しており、その相は、低結晶性の構造あるいは非晶質な構造を有しているのが好ましい。また、CoSnC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合しているのが好ましい。スズなどが凝集あるいは結晶化が抑制されるからである。
また、元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素あるいは半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合している。
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
さらに、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物あるいは高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどが挙げられ、高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
もちろん、上記した一連のリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
電解質16は、上記した電解質により構成されている。低温において良好な電池特性を維持できるからである。また、電解質16が固体電解質であることから、液状の電解質(電解液)や電解液を高分子化合物に保持させた電解質(ゲル電解質)を用いた場合とは異なり、液漏れや電解質の分解などが生じず、優れた安全性およびサイクル特性が得られる。
この二次電池を製造するに場合には、例えば、正極14、電解質16および負極15を積層して、外装缶11の中に収納し、外装缶11の周縁部にガスケット13を介して外装カップ12をかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが放出され、電解質16を介して負極15に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極15からリチウムイオンが放出され、電解質16を介して正極14に吸蔵される。
この二次電池によれば、負極15の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表される場合に、上記した電解質を備えているので、電解質16の低温におけるイオン伝導性の低下が抑制されるため、良好な電池特性を維持することができる。また、電解質16が固体電解質であるので、液状の電解質や電解液を高分子化合物に保持させた電解質を用いた場合に懸念される、液漏れがなく、充放電を繰り返しても電解質の分解が抑制される。よって、安全性およびサイクル特性の向上に寄与することができる。しかも液状の電解質や、無機物系の固体電解質を用いた場合と比較して、電池全体の軽量化を図ることができる。
(第2の電池)
第2の電池は、負極15の構成が異なる点を除き、第1の電池と同様の構成、作用および効果を有していると共に同様の手順により製造される。第1の電池と共通の構成要素については、その説明は省略する。
負極15は、第1の電池と同様に、負極集電体15Aの片面に負極活物質層15Bが設けられたものである。負極活物質層15Bは、例えば、負極活物質としてケイ素あるいはスズを構成元素として含む材料を含有している。具体的には、例えば、ケイ素の単体、合金あるいは化合物、またはスズの単体、合金あるいは化合物を含有しており、それらの2種以上を含有していてもよい。
この負極活物質層15Bは、気相法、液相法、溶射法あるいは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成されたものであり、負極活物質層15Bと負極集電体15Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体15Aの構成元素が負極活物質層15Bに拡散し、あるいは負極活物質層15Bの構成元素が負極集電体15Aに拡散し、またはそれらの構成元素が互いに拡散し合っていることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層15Bの膨張および収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層15Bと負極集電体15Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法あるいはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が挙げられる。
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
炭素クラスターとして酸化フラーレンを用いて上記した電解質を作製した。
まず、酸化フラーレンを合成した。この場合には、温度計を取り付けた三ツ口フラスコにフラーレンであるC60(フロンティアカーボン社製;nanon purple 純度99%以上)のトルエン溶液(1mmol/dm3 )を300cm3 入れ、その三ツ口フラスコをオイルバスにより80℃になるように加温した。そののち、オゾンガス(濃度30g/m3 )を1.0dm3 /minの流量で三ツ口フラスコ内に導入して、そのトルエン溶液を300秒間バブリングさせることにより、C60が酸化するように反応させた。この際、反応させたトルエン溶液の温度は71℃〜73℃程度に低下していた。続いて、窒素ガスを三ツ口フラスコ内に300秒間導入することにより、三ツ口フラスコ中のオゾンガスを除去すると共に、その反応を停止させ、トルエン溶液を80℃で30分間撹拌した。そののち室温まで冷却することにより、酸化フラーレン含有トルエン溶液を得た。次に、この酸化フラーレン含有トルエン溶液に1dm3 のトルエンを加え、1時間還流したのち、室温まで冷却した。続いて、還流した酸化フラーレン含有トルエン溶液を孔径1.0μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターにより、不溶性分と可溶性分とを濾別した。この際、不溶性分には、酸化フラーレンであるC60x (x>6)が含まれており、可溶性分には、酸化フラーレンであるC60x (0<x≦6)が含まれていた。最後に不溶性分を80℃で真空乾燥することにより、C60x (x>6)を得た。
続いて、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内において、合成した酸化フラーレンとしてC60x (x>6)と、電解質塩としてリチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI;シグマアルドリッチ社製)とを乳鉢で約10分間粉砕混合することにより、電解質を作製した。この際、炭素クラスターであるC60x (x>6)のモル数M1と電解質塩であるLiTFSIのモル数M2との比(モル比)M1/M2が1/1になるように混合した。
(実施例1−2,1−3)
モル比M1/M2を1/1に代えて、1/2(実施例1−2)あるいは1/4(実施例1−3)にしたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。
(実施例1−4)
電解質塩としてLiTFSIに代えて、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )を用いたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。なお、この際、炭素クラスターであるC60x (x>6)のモル数M1と電解質塩であるLiAsF6 のモル数M2との比(モル比)M1/M2が1/1になるように混合した。
(比較例1)
ポリエチレンオキサイド(PEO)とLiTFSIとからなる電解質を、PEOのモノマー単位であるエチレンオキサイド(EO)のモル数と、LiTFSIが含むリチウム(Li)のモル数との比(EO:Li)が10:1になるように作製した。この場合には、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内において、0.5gのポリエチレンオキサイド(分子量100000;シグマアルドリッチ社製)と、0.0326gのLiTFSIとを50cm3 のアセトニトリルに溶解させ、その溶液を12時間撹拌した。次に、その撹拌した溶液をPTFEからなるシャーレに入れ、アルゴン雰囲気下で風乾させたのち、80℃で真空乾燥することにより、電解質を作製した。
これらの実施例1−1〜1−4および比較例1の電解質について、−20℃〜80℃においてインピーダンス測定をし、イオン導電率の温度特性を調べた。インピーダンス測定する際には、ドライルーム内において、電解質の温度が所定の温度に達してから1時間保持させたのちイオン導電率(σ;S/cm)を測定した。この各温度におけるイオン導電率の値に基づいてアレニウスプロットしたところ、図2に示した結果が得られた。なお、図2において、縦軸はイオン導電率σを対数で表し、横軸は温度T(絶対温度;K)の逆数T-1(K-1)を表している。
図2に示したように、C60x (x>6)を含む実施例1−1〜1−4では、イオン導電率が50℃以上(3.1×10-3-1以下)においてほぼ一定になり、50℃より低くなる(3.1×10-3-1より高くなる)と穏やかに低下していく傾向を示した。一方、PEOを含む比較例1では、イオン導電率が温度の低下にしたがって急激に低下し、その傾きの絶対値は実施例1−1〜1−4のほうが、比較例1よりも小さくなった。この結果は、ポリエチレンオキサイドなどの高分子化合物を含む電解質では、温度の低下にしたがって高分子鎖のフラグメント運動が抑制されイオン導電率が著しく低下するが、酸化フラーレンであるC60x (x>6)を含む電解質では、低温におけるイオン導電率の低下が抑制されることを表している。
このことから、固体電解質では、フラーレンの誘導体とリチウム塩とを含むことにより、低温において良好なイオン導電率が確保できることが確認された。よって、このような電解質を備えた電池では、低温において良好な電池特性が維持できるものと考えられる。
また、実施例1−1〜1−3を比較すると、50℃以上では電解質中におけるLiTFSIの割合(モル比率)が多くなるにしたがってイオン導電率が高くなり、C60x (x>6)とLiTFSIとのモル比M1/M2が1/2の場合に、広い温度範囲において高く安定したイオン導電率が得られることがわかった。さらに、実施例1−1と実施例1−4との比較から、酸化フラーレンを含む電解質では、電解質塩としてLiAsF6 を用いた場合のほうが、LiTFSIを用いた場合よりも高いイオン導電率が得られることが示唆された。
(実施例2−1,2−2)
炭素クラスターとしてC60x (x>6)に代えて、フラーレンであるC60を用いたことを除き、実施例1−1あるいは実施例1−4と同様の手順を経た。この際には、電解質塩としてはLiTFSI(実施例2−1)、あるいはLiAsF6 (実施例2−2)を用い、その場合の炭素クラスターと電解質塩とのモル比M1/M2はいずれも1/1とした。
これらの実施例2−1,2−2において、実施例1−1と同様にイオン導電率の温度特性を調べたところ、図3に示した結果が得られた。なお、図3には比較例1の結果も併せて示した。
図3に示したように、C60を用いた場合においても図2に示した結果と同様の結果が得られた。すなわち、C60を含む実施例2−1,2−2では、イオン導電率が50℃以上においてほぼ一定になり、50℃より低くなると穏やかに低下していく傾向を示した。また、温度低下に伴い低下するイオン導電率の傾きの絶対値は実施例2−1,2−2のほうが比較例1よりも小さくなった。すなわち、C60を含む電解質においても低温におけるイオン導電率の低下が抑制されたことを表している。
このことから、固体電解質では、フラーレンとリチウム塩とを含むことにより、低温において良好なイオン導電率が確保できることが確認された。よって、このような電解質を備えた電池では、低温において良好な電池特性が維持できるものと考えられる。
また、実施例2−1と実施例2−2との比較から、フラーレンを含む電解質においても、電解質塩としてLiAsF6 を用いた場合のほうが、LiTFSI用いた場合よりも高いイオン導電率が得られることが示唆された。
さらに、図2および図3の結果から、炭素クラスターを含む固体電解質では、炭素クラスターの種類に関係なく、低温において良好なイオン導電率を確保できることが確認され、特に、酸化フラーレンを用いた場合よりもフラーレンを用いた場合において、より高いイオン導電率が得られることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本発明の電解質の使用用途は、必ずしも電池に限らず、電池以外の他の電気化学デバイスであってもよい。他の用途としては、例えば、キャパシタなどが挙げられる。
また、上記した実施の形態では、本発明の電池として、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。本発明の電池は、負極の容量がリチウムの析出および溶解に基づく容量成分により表されるリチウム金属二次電池や、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量とリチウムの析出および溶解に基づく容量とを含み、かつそれらの容量の和により表される二次電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態では、本発明の電池について、電極反応物質としてリチウムを用いる場合を例に挙げて説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他の長周期型周期表における1族元素やマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの2族元素やアルミニウムなどの他の軽金属を用いてもよい。この場合においても、負極活物質として、上記実施の形態で説明した負極材料を用いることが可能である。
また、上記した実施の形態では、本発明の電池について、電池構造がコイン型である場合を例に挙げて説明したが、本発明の電池は、円筒型、ラミネートフィルム型、角型あるいはボタン型などの他の電池構造を有する場合や、電池素子が積層構造あるいは巻回構造などの構造を有する場合についても同様に適用可能である。また、本発明の電池は、二次電池に限らず、一次電池などの他の種類の電池についても同様に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る第1の電池の構成を表す断面図である。 電解質(実施例1−1〜1−4、比較例1)におけるイオン導電率の温度特性を表す図である。 他の電解質(実施例2−1,2−2、比較例1)におけるイオン導電率の温度特性を表す図である。
符号の説明
11…外装缶、12…外装カップ、13…ガスケット、14…正極、14A…正極集電体、14B…正極活物質層、15…負極、15A…負極集電体、15B…負極活物質層、16…電解質。

Claims (4)

  1. 素クラスターと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含有する電解質塩とを含み、
    前記炭素クラスターおよび前記電解質塩は、固相において粉砕混合されており、
    前記炭素クラスターは、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種である、
    固体電解質。
  2. 前記電解質塩は、アルカリ金属塩を含有し、
    前記アルカリ金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩のうちの少なくとも1種である
    請求項1記載の固体電解質。
  3. 前記リチウム塩は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF 6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF 4 )、過塩素酸リチウム(LiClO 4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF 6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C 6 5 4 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF 3 SO 2 2 )、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C 2 5 SO 2 2 )、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF 3 SO 2 )(C 2 5 SO 2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF 3 SO 2 )(C 3 7 SO 2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF 3 SO 2 )(C 4 9 SO 2 ))、1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミドリチウム、1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミドリチウム、1,3−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウム、1,4−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウム、およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF 3 SO 2 3 )のうちの少なくとも1種である、
    請求項2記載の固体電解質。
  4. 正極および負極と共に固体電解質を備え
    前記固体電解質は、炭素クラスターと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含有する電解質塩とを含み、
    前記炭素クラスターおよび前記電解質塩は、固相において粉砕混合されており、
    前記炭素クラスターは、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンの水素化物、カーボンナノチューブの水素化物、グラフェンの水素化物、フラーレンの酸化物、カーボンナノチューブの酸化物、およびグラフェンの酸化物、ならびにそれらの欠損物からなる群のうちの少なくとも1種である、
    電池。
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