JP5303880B2 - ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光量子効率が高く且つ安定性に優れたナノ粒子の製造方法に関する。
ナノ粒子は、粒子サイズによって物理化学特性が大きく変化する物質である。特に、半導体ナノ粒子は、その結晶性に依存して高い効率で発光し、その波長が粒子サイズによって変化することが知られている。
このような半導体ナノ粒子の製造方法としては、水溶液中でのコロイド生成を利用する方法が一般的である。この方法においては、粒子サイズを均一化するために、(ビス(2―エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)(AOT)を界面活性剤として用いることで有機溶媒中に微小水滴を作り、この微小空間内でナノ粒子を合成している(後記する非特許文献1を参照。)。
近年では、反応溶媒としてトリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)を用いる製造方法が提案されている。この方法では、高温での反応にもかかわらず、溶媒であるTOPOそのものがナノ粒子を取り囲む配位子として機能するために、シングルナノメーターオーダーの高品質のナノ粒子を製造することが可能である。
例えば、カドミウム(Cd)−セレン(Se)からなるナノ微粒子の製造については、反応溶媒としてTOPO及びトリオクチルホスフィン(TOP)を用い、Cd原料としてジメチルカドミウム、Se原料としてセレン金属を用い、260℃〜300℃で数十分間加熱することでCdSeナノ粒子を合成する方法が開示されている(後記する非特許文献2、非特許文献8を参照。)。
尚、この製造方法は、CdSe等の第II−VI族ナノ粒子の合成に限定されず、金属や化合物半導体からなるナノ粒子の一般的な製造方法として用いられており第III−V化合物半導体ナノ粒子の合成方法としても用いることができる。
また、例えば、インジウム(In)−リン(P)からなるナノ粒子の製造については、反応溶媒としてTOPO及びTOPを用い、In原料に蓚酸インジウム、フッ化インジウム、又は、塩化インジウムを用い、P原料にトリメチルシリルホスフィンを用いる。そして、これらを混合した状態で260℃〜300℃で3日間加熱し、InPナノ粒子を合成する方法が開示されている(後記する非特許文献3を参照。)。合成したInPナノ粒子をフッ酸で表面処理することで発光量子効率を向上させており、室温での光励起による発光量子効率は5−40%であった。
後記する非特許文献4には、TOPO中でInCl3とP(Si(CH333とを高温で反応させてInPナノクリスタルを合成することが記載されている。
またこの他にも高量子効率のInPナノ粒子の製造方法については、上記と同様の方法でInPナノ粒子を合成した後、フッ酸で表面処理する際に、光を照射することが効果的であることが開示されている(後記する非特許文献5を参照。)。この方法においても発光量子効率の最大値は20−40%であった。
以上のようにTOPOを反応溶媒として用いる方法の他にも、反応溶媒としてオクタデセン、表面修飾剤としてミリスチン酸を用いる方法が開示されている。例えば、InPナノ粒子及びInAs(ヒ素)ナノ粒子の製造については、In原料として酢酸インジウム、P原料としてトリメチルシリルホスフィン(又は、As原料としてトリメチルシリル砒素)を用い、P原料(又は、As原料)以外の原料を溶解した溶液を300℃に過熱し、更に、オクタデセンに溶解したP原料(又は、As原料)を加えることにより、トリメチルシリルホスフィンを加えることで、InPナノ粒子及びInAs(ヒ素)ナノ粒子を合成する方法が開示されている(後記する非特許文献6を参照。)。この方法で作製したInPナノ粒子はフッ酸表面処理により発光強度が向上することが開示されているが、発光量子効率の値は記載されていない。
非特許文献6に記載の類似の方法として、In原料としてミリスチンインジウムを用い、他の工程は相違ないInPナノ粒子の合成方法が開示されている。この方法で作製したInPナノ粒子はフッ酸表面処理により発光量子効率が18%まで向上することが記載されている(後記する非特許文献7を参照。)。
「高発光の色−選択材料」と題する後記の特許文献1に、以下の記載がある。
光放出可能な被覆ナノ結晶を調製する方法は、実質的に単分散の第一半導体ナノ結晶及び熱変換可能な前駆体を配位溶媒中で第二半導体材料中に導入することを含む。該配位溶媒は、該前駆体を該第二半導体材料に変えるのに十分な、しかし実質的に第一半導体ナノ結晶の単分散性に変えるには不十分な温度で維持され、該第二半導体材料は、該第一半導体ナノ結晶より大きいバンドギャップを有する。該第二半導体材料のオーバーコートは、該第一半導体ナノ結晶の上に形成される。
アルキルホスフィン及びアルキルホスフィン酸化物は、高沸点配位溶媒として使用されてもよい;しかしながら、ピリジン類、フラン類、及びアミン類のような他の配位溶媒もナノ結晶子の製造に適している。
結晶子外表面を、キャップされた量子ドットの安定な懸濁液を形成できるように修飾することが望ましい。ナノ結晶の外表面は、キャップ成長工程中に用いられた配位溶媒由来の有機層を含む。結晶子表面は、過量の競合する配位基に繰り返し晒されることによって改変されてもよい。このような表面改変工程は、キャップされた量子ドットの外表面に配位又は結合することのできる様々な化合物を用いて実行され、例えば、ホスフィン類、チオール類、アミン類及びホスフェートを介して、行われてもよい。
「不均一反応を用いた低サイズ分布及び蛍光性半導体ナノ粒子の低温合成法」と題する後記の特許文献2に、以下の記載がある。
特許文献2の発明のナノ粒子の製造方法では、金属イオンの供給源として、配位性溶媒に対して溶解度が十分小さい常温で固体の金属化合物、及び、第Vb族又は第VIb族原子の供給源化合物として、常温で液体の化合物を使用する。該金属化合物が該液体化合物に分散した状態で反応させて結晶の成長を抑えることにより、ナノ粒子を得られる点に特徴を有する不均一反応法である。
特許文献2の発明において、ナノ粒子とは、ナノ結晶であることが好ましく、特許文献2の発明の方法によれば、ナノ結晶を得ることができる。これに対し、従来法では金属化合物の溶解度を高めるために、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、又は、ジメチルエチルアミン等のアミン化合物を溶媒に加えている。このように、固体金属化合物の溶解度を高めて溶解させると、得られる微粒子の粒径分布が不均一になる。
反応系に金属(第Vb族又は第VIb族)原子からなる化合物に配位可能な物質(配位性溶媒)を添加するのが好ましい。配位性溶媒として、好ましくは酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)が例示される。
配位性溶媒としては、酸化トリオクチルホスフィン、酸化トリブチルホスフィン等の(R)3PO(Rは同一又は異なってC2〜C20のアルキル基又はフェニル基を示す)で表されるホスフィンオキサイド化合物を好ましく例示できる。
「半導体ナノ粒子製造方法」と題する後記の特許文献3に、以下の記載がある。
光化学反応を利用したサイズ選択光エッチング(size-selective photoetching)法は、調製された半導体ナノ粒子溶液を、金属カルコゲナイド半導体が溶存酸素下で光照射により酸化溶解することを利用し、粒径の単分散化及び制御を行う方法である。つまり、広い粒径分布を有する半導体ナノ粒子に、その吸収端の波長よりも短い波長の光を照射することで、粒径の大きな半導体ナノ粒子のみを選択的に光励起し溶解させ、より小さな半導体ナノ粒子へと粒径をそろえていく方法である。この方法は、照射光波長を選択することのみで、任意の粒径において単分散化したナノ粒子を、常温で比較的安全に調製することができる方法である。更に、光照射時に単色光を用いることで、より精密に単分散化を行うことも可能である。
特許文献3の発明者は、水酸化ナトリウム水溶液やアミン化合物及びアンモニア化合物等の水溶液により半導体ナノ粒子の表面改質を行うことで高発光特性を持った半導体ナノ粒子の合成が可能であることを見出し、実験を重ねてきた。しかしながら、特許文献3の方法は数日から数週間の時間を要していたため、前記時間を短縮することが求められていた。
特許文献3の発明者は、前記表面改質工程を特定の環境下にて行うことにより、上記課題が解決されることを見出し特許文献3の発明に到達した。
即ち、半導体ナノ粒子に1種以上の電子供与性基を与える表面処理材料を加え、半導体ナノ粒子コア表面に電子供与性基を配列させる反応において、該反応を光照射により加速する。特許文献3の発明により、蛍光特性を有する半導体ナノ粒子を短時間で製造することができる。ここで、照射される光は限定されず、紫外線、可視光線、及び赤外線から選択される光線を含む。
半導体ナノ粒子表面に電子供与性基を与える表面処理材料としては、水酸化アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属、アンモニア、アミン類、アンモニウム類、ニトリル類、イソシアネート類から選択される含窒素化合物、又は、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類から選択される含酸素化合物の少なくとも1種以上が好ましく例示される。特に、アンモニア、第1級アミン類(R1NH2)、第2級アミン類(R12NH)、第3級アミン類(R123N)、第4級アンモニウム化合物類(R4567+)[ここで、Rは水素、置換又は無置換の炭化水素基から選ばれる]の少なくとも1種以上が好ましい。
「硫黄前駆体としてチオール化合物を用いた硫化金属ナノ結晶の製造方法」と題する後記の特許文献4に、以下の記載がある。
最近は、配位可能な有機溶媒に前駆体物質を入れて様々な大きさのナノ結晶を成長させる化学的湿式方法が多く研究されている。この合成法では、有機溶媒内で結晶が成長しながら分散剤が自然にナノ結晶の表面に配位し、結晶の成長をナノサイズに調節する。この方法は、使用される前駆体の濃度、分散剤の種類、有機溶媒の種類、合成の温度及び時間等を変化させることにより、様々なサイズのナノ結晶を合成することができるという利点がある。この中でも、第II−VI族化合物半導体ナノ結晶は、可視光線領域で発光し、第III−V族化合物半導体に比べて合成が比較的容易なので、活発に研究されている。
第II−VI族化合物半導体ナノ結晶及びコア−シェル型のナノ結晶を湿式合成するために、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド、トリオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、オクダデシン等の有機溶媒を用いる場合には、合成に使用する前駆体の種類が文献の範囲から外れておらず、多くの研究が合成容易なテルル化カドミウム又はセレン化カドミウムに集中している。
特許文献4の発明に使用可能な反応溶媒は、通常用いられる有機溶媒である一級アルキルアミン、二級アルキルアミン、三級アルキルアミン、窒素原子又は硫黄原子を含むヘテロ環構造化合物、アルカン、アルケン、アルキン、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド等が挙げられる。更に、極性を有する一級アルコール、二級アルコール、三級アルコール、ケトン、エステル等も反応溶媒として使用できる。さらにまた、水溶液を単独で或いは有機溶媒と一緒に使用することもできる。
分散剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸のようなカルボン酸、ヘキシルホスホン酸、n−オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸のような有機リン酸、n−オクチルアミン、ヘキサデシルアミンのようなアミン等が使用できるが、チオール化合物が硫黄前駆体であると同時に分散剤としての役割もすることができるため、分散剤を別に使用しなくてもよい。
「発光ナノ粒子及びそれらの調製方法」と題する後記の特許文献5に、以下の記載がある。
調製されたコアは、当業者に周知の方法(例えば、非溶媒(例えば、メタノール)を用いた綿状反応)を使用して単離され得る。必要に応じて、このように調製され、そして単離されたコアは、シェル形成の前にアミン処理工程に供され得る。このようなアミン処理は、Talapinらによって開示され、そして当業者によって十分に理解される。一旦個々の半導体コアを含有する単分散粒子集団が形成されると、半導体コアは、第1の溶媒から単離され得、次いでコア溶液を形成するために第2の溶媒中に配置され得る。添加剤前駆体もまた、コア溶液中に含まれ得る。
適切な第1の溶媒及び第2の溶媒は、以下からなる群より選択され得る:酸(特に脂肪酸)、アミン、ホスフィン、酸化ホスフィン、ホスホン酸(及び、ホスホルアミド、リン酸、リン酸等)、並びに、これらの混合物。アルカン、アルケン、ハロ−アルカン、エーテル、アルコール、ケトン、エステル等を含む他の溶媒はまた、これに関して、特に、添加されるナノ粒子リガンドの存在下で、有用である。第1の溶媒及び第2の溶媒は、同じであり得、そして「ワンポット(one−pot)」型シリンジにおいて同じ溶液を含み得ることが理解される。好ましい酸としては、ステアリン酸及びラウリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアミンとしては、ドデシルアミンのようなアルキルアミンが挙げられるがこれらに限定されない。好ましいホスフィンとしては、トリオクチルホスフィンが挙げられるが、これらに限定されず;好ましい酸化ホスフィンとしては、酸化トリオクチルホスフィンが挙げられるがこれらに限定されず;そして好ましいホスホン酸としては、テトラデシルホスホン酸が挙げられるがこれらに限定されない。溶媒は、上記の溶媒の何れかの混合物を含み得ることが理解される。
「高効率蛍光体の製造方法」と題する後記の特許文献6に、以下の記載がある。
量子ドットから完全な励起子PLを生じるには、最適な表面構造が必要である。最適な表面構造を得るために、コア及びコア/シェル量子ドット合成における温度と同様、前駆物質の特性及び濃度、並びに、配位性有機溶媒の選択について注目が集まっている。また、発光効率を高める方法として、量子ドットの表面に保護層(シェル)を形成することが知られている。
特許文献6の発明において、基材(コア)は、従来公知のナノ粒子からなる量子ドットの製造方法に従って得ることができ、例えば、配位性有機溶媒に溶解させた金属化合物と、第Vb族元素化合物又は第VIb族元素化合物の供給源となる液体化合物を、約100〜200℃、好ましくは約110〜150℃で不活性ガス雰囲気下にて反応させることによって得られる。
(1)金属化合物:金属化合物の金属としては、例えば、第IIb族〜第IIIb族原子があげられる。この様な金属としては、例えば、Zn及びCd(第IIb族);Ga及びIn(第IIIb族)があげられる。
金属化合物としては、例えば、金属酸化物又は金属塩化合物があげられる。金属酸化物としては、各金属における種々の酸化状態の酸化物が広く使用できる。
(2)配位性有機溶媒:配位性有機溶媒としては、例えば、トリ−n−オクチルホスフィン(TOP)、酸化トリ−n−クチルホスフィン(TOPO)等があげられ、これらの混合溶液を用いることもできる。また、金属化合物の溶解を助けるため、配位性有機溶媒に、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、ヘキサデシルアミン(HDA)等のアミン類を添加してもよい。
TOPO、TOP等の配位性有機溶媒には、金属化合物の溶解を助けるため、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、ヘキサデシルアミン(HDA)等のアミン類を添加してもよい。
「燐光体ナノ粒子及びその製造方法」と題する後記の特許文献7に、以下の記載がある。
特許文献7の発明に係る方法は、(1)炭酸イットリウムと、炭酸ユウロピウムとを混合して混合液を調製する混合工程(S1)と、(2)上記混合工程によって調製された混合液を加熱して、酸化イットリウムを格子骨格するマトリクスにユウロピウムがドープした燐光体ナノ粒子を生成する加熱生成工程(S2)とを含む方法を提供する。
更には、加熱生成工程(S2)によって生成された燐光体ナノ粒子を、上記混合液から回収するために、特許文献7の発明の方法は、上記(1)・(2)に加えて、(3)上記加熱生成工程(S2)によって生成された上記燐光体ナノ粒子を上記混合液から取り出す分離工程(S3)を含む方法を提供する。
上記混合工程(S1)では、炭酸イットリウムと炭酸ユウロピウムとを、脂肪酸含有溶液(溶媒)と混合して混合液を調製する。脂肪酸含有溶液としては、オレイン酸、リノール酸、デカン酸、ヘキサデカン酸といった脂肪酸を含有する溶液が挙げられる。中でも、続く加熱生成工程で生成される燐光体ナノ粒子同士の凝集を効果的に防ぐために、オレイン酸、リノール酸を用いるのが好ましい。脂肪酸含有溶液にイットリウム塩とユウロピウム塩とを混合することによって、混合液中では金属脂質複合体が形成される(以下、これを燐光体ナノ粒子前駆体と呼ぶ)。
更に、特許文献7の実施形態では、脂肪酸含有溶液に更に一級アミンを混合することが好ましい。一級アミンとしては、オレイルアミン、ドデシルアミン、ヘキシルアミンが挙げられるがこれに限定されるものではない。一級アミンを混合することによって、続く加熱生成工程によって形成される燐光体ナノ粒子同士が混合液中で凝集することを防ぐことができる。一級アミンの混合(添加)量は、脂肪酸に対して、モル比で、(アミン/脂肪酸)=2/1以上であれば、ナノ粒子の生成はなされない。そのため、原料塩が原料溶液に溶解する範囲であれば、アミンの混合量を2/1以上、望ましくは4/1以上にすることが望ましい。
上記加熱生成工程(S2)では、上記混合工程(S1)で得られた混合液を加熱することによって、混合液中に生成した燐光体ナノ粒子前駆体が分解し、様々な粒子系を有する、イットリウムを格子骨格するマトリクスにユウロピウムがドープした酸化物ナノ結晶(燐光体ナノ粒子)が生成する。加熱生成工程(S2)では、第一加熱生成工程(S2a)及び第二加熱生成工程(S2b)を含む。
第一加熱生成工程(S2a)では、混合工程(S1)で得られた混合液を190℃以上、260℃以下の温度で加熱する。これにより、混合液中に生成した燐光体ナノ粒子前駆体が分解し、平均約4nmの非常に微細な燐光体ナノ粒子が生成する。
第一加熱生成工程(S2a)の後に、混合液にトリオクチルホスフィンオキサイド(以下、TOPOとする)を添加・混合する。TOPOの添加量は、第一加熱生成工程後の混合液に対して1mmol以下であると第二加熱生成工程中の生成ナノ粒子同士の凝集を防ぐことは出来ないため、1mmol以上となるように添加・混合することが好ましく、4mmol以上がより好ましい。TOPOを添加することによってTOPOが生成したナノ粒子に効果的に吸着し、ナノ粒子を安定化させるため、TOPOが添加されていない場合にはナノ粒子同士が凝集するような条件においても、長時間加熱することが可能になり、結晶性が高く、実用的な強度の燐光を生じさせることの出来る生成物を得ることが可能になる。
またTOPOを、第一加熱生成工程後であって、第二加熱生成工程前の混合液に添加することによって、結晶性が高く、燐光を生じさせることが出来、しかも粒子同士の凝集が少ない酸化物燐光ナノ粒子を得ることが可能になる。
続いて、第二加熱生成工程(S2b)では、TOPOが添加・混合された混合液を260℃以上、330℃以下の温度で加熱する。これにより、第一加熱生成工程によって混合液中に生成した非常に微細な燐光粒子を所望の径(10nm以下)の燐光粒子に成長させることができる。
なお、特許文献7の実施形態ではTOPOを用いているが、特許文献7の発明はこれに限定されるものではなく、有効に凝集を抑制できる界面活性剤であれば種々の界面活性剤を用いることができる。具体的には、トリブチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリオクチルフォスフェイト、トリオクチルアミン、トリオクチルカルボン酸等が挙げられる。
「金属酸化物名の粒子及びその製造方法、並びに、発光素子組立体及び光学材料」と題する後記の特許文献8に、以下の記載がある。
特許文献8の発明の金属酸化物ナノ粒子の製造方法は、(A)金属アルコキシド、界面活性剤、及び、有機溶媒を、不活性雰囲気下、混合して反応溶液を調製した後、(B)触媒と溶媒との混合によって調製された反応開始剤、及び、反応溶液を混合し、次いで、不活性雰囲気下、反応開始剤と反応溶液との混合物を加熱し、以て、表面が界面活性剤で被覆された金属酸化物ナノ粒子を得る、工程を具備することを特徴とする。
好ましい形態を含む特許文献8の発明において、界面活性剤(分散剤とも呼ばれる)として、カルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、チオール、及び、アミンから成る群から選択された化合物であり、且つ、選択された該化合物は、炭素数6乃至30の直鎖或いは分岐したアルキル鎖、アリール基、アリールオキシ基又はオレフィン鎖を含む形態を挙げることができる。
「固液界面における量子ドット結晶成長初期過程の解析」と題する後記の非特許文献8→9に、以下の記載がある。
カドミウム前躯体は酸化カドミウムをオレイン酸(CH3(CH27CH=CH(CH27COOH)に溶解して調製する(Cd:oleic acid)。セレン前躯体はセレンを配位性TOP:Se)。ついで、Cd:oleic acid をTOP及びもうひとつの配位性溶媒の一種、酸化トリオクチルホスフィン(TOPO: [CH3(CH273PO)と混合する。この混合溶液にTOP:Seを素早く注入して攪拌する。この混合溶媒中に、もうひとつの配位性溶媒ヘキサデシルアミン(HDA:CH3(CH215NH2)の添加有無による、反応過程の違いも調べた。反応は120、150、及び、180℃で、溶液の酸化及び発火を防ぐために、すべてアルゴン雰囲気で行った。初期のコロイド法ではHDAは添加されていなかった。その後、HDAの添加によって、発光効率の向上が見出されたという経緯がある。
「有機化合物の微粒子の製造方法」と題する後記の特許文献9に、以下の記載がある。
特許文献9の発明は、溶媒中に分散させた有機化合物にレーザー光を照射することを特徴とする有機化合物の微粒子の製造方法を提供する。
特許文献9の発明の製造方法によって微粒子化可能な有機化合物としては、該化合物が波長190〜3000nmの間に光吸収を示し、常温で固体の有機化合物が挙げられる。
特許文献9の発明の製造方法を適用するに際し、溶媒中に分散させる有機化合物は、合成後の粗製粉末等、任意のサイズ・形状の粉末固体でよいが、微粒子化の効率が向上するので、予め、平均粒径1〜100μmの範囲に粉砕しておくことが好ましい。
「結晶性超微粒子、複合材料、結晶性超微粒子の製造方法、逆ミセル、前駆体超微粒子内包逆ミセル、結晶性超微粒子内包逆ミセル及び前駆体超微粒子」と題する後記の特許文献10に、以下の記載がある。
非極性溶媒中で界面活性剤分子の親水基部を内側に、疎水基部を外側に向けた分子集合体、すなわち逆ミセルが含む水の中に、結晶性超微粒子の前駆体超微粒子が含まれているもの、すなわち前駆体超微粒子内包逆ミセルを形成した後、その前駆体超微粒子に、熱処理、レーザー光照射、超音波照射、マイクロ波照射等を行って結晶化処理を行うことで、結晶性の高い応力発光性超微粒子、すなわち結晶性超微粒子を得ることができる。
逆ミセルが含む水の中に、結晶性超微粒子を構成する金属のイオンが溶けたものを形成した後、結晶性超微粒子を構成する物質に応じた適切な雰囲気、例えば、結晶性超微粒子が酸化物からなる場合には酸素を含む雰囲気或いは結晶性超微粒子が硫化物からなる場合にはイオウを含む雰囲気(例えば、H2S雰囲気)中において、熱処理、レーザー光照射、超音波照射、マイクロ波照射等の結晶化処理を行うことで、結晶性超微粒子を得ることもできる。
特表2001−523758号公報(段落0014、段落0028、段落0032) 特開2005−187314号公報(段落0009〜0010、段落0016、段落0027) 特開2005−213472号公報(段落0008、段落0024〜0027、図3) 特開2005−325016号公報(段落0003〜0004、段落0026〜0027) 特表2005−519782号公報(段落0052、段落0059) 特開2006−143919号公報(段落0003、段落0010〜0014、段落0042) 特開2007−46022号公報(段落0058〜0060、段落0065〜0070、段落0075、図1) 特開2007−51053号公報(段落0008、段落0017) 特開2001−113159号公報(段落0015〜0017) 特開2004−149738号公報(段落0050、段落0054) "CdS:Mn nanocrystals passivated by ZnS:Synthesis and luminescent properties", H. Yang and P. H. Holloway, J. Chem. Phys., 121, 10233-10240(2004)(II. EXPERIMENT) "Synthesis and Characterization of Nearly Monodisperse CdE(E=S,Se,Te)Semiconductor Nanocrystallites", C. B. Murray et al, J. Am. Chem. Soc., 115, 8706-8715(1993)(II. Experimental Section(General.)) "Optical, Electronic, and Structural Properties of Uncoupled and Close-Packed Arrays of INP Quantum Dots",Q. I. Micic et al, J. Phys. Chem. B, 102,9791-9796(1998)(II. Experimental Section(A. Synthesis of Colloidal InP QDs.; B. Etching of Colloidal InP Quantum Dots with HF.)) "Synthesis of Size-Selected, Surface-Passivated InP Nanocrystals", A. A. Guzelian et al, J. Phys. Chem., 100, 7217-7219(1996)(II. Experimental Section(A. Synthesis of InP Nanocrystals.)) "Etching of Colloidal InP Nanocrystals with Fluorides: Photochemical Nature of the Process Resulting in High Photoluminescence Efficiency", D. V. Talapin et al, J. Phys. Chem. B, 106,12659-12663(2002)(Experimental Section) "Formation of High Quality InP and InAs Nanocrystals in a Noncoordinating Solvent", D. Battaglia and X. Peng, Nano Lett., Vol.2, No.9, 1027-1030(2002)(P.1027) "Spectroscopy Studies of InP Nanocrystals Synthesized Through a Fast Reaction", M. Furis et al, Mat. Res. Soc. Symp. Proc., vol.789, N3.35(2004)(ABSTRACT, INTRODUCTION, EXPERIMENTAL DETAILS) "(CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots: Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallite", B. O. Dabbousi et al, J. Phys. Chem. B, 101, 9463-9475(1997)(II. Experimental Section(Synthesis of Composite Quantum Dots.)) "固液界面における量子ドット結晶成長初期過程の解析"、「CdSe量子ドットの調製」、[online]、2006年4月14日、独立行政法人 産業技術総合研究所、[平成19年4月10日検索]、インターネット<URL:http://www.aist.go.jp/aist j/press release/pr2006/pr20060414/pr20060414.html>
上述の従来技術による反応溶媒を用いたInPナノ粒子の製造方法では、InPナノ粒子の発光量子効率の限界は40%であった。また、従来、ナノ粒子の劣化については配慮が十分されておらず、上述の従来技術による方法で作製したInPナノ粒子は安定性が低く、発光デバイスへの適用の妨げとなっていた。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、発光量子効率が高く、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることが可能な製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、第IIb族又は第IIIb族の金属もしくは金属化合物を、20wt%以下のアミンを含む有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液を調製する第1の工程と、第Vb族又は第VIb族の元素もしくは化合物、又は、これを溶解させた溶液を、所定の温度に加熱された前記有機溶媒溶液に注入して所定の時間保持して、第IIb族と第VI族の元素、又は第IIIb族と第Vb族の元素から構成されたナノ粒子を合成する第2の工程とを有する、
ナノ粒子の製造方法に係るものである。
本発明によれば、20wt%以下のアミンを含む有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液中でナノ粒子を合成した後、フッ酸表面処理を行うことによって、高発光量子効率のナノ粒子を得ることができ、ナノ粒子がInPである場合、30%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
本発明のナノ粒子の製造方法では、前記アミンがヘキサデシルアミンである構成とするのがよい。この構成によれば、高発光量子効率のナノ粒子を得ることができ、ナノ粒子がInPである場合、20wt%以下のアミンを含む前記非水溶媒溶液中でのナノ粒子の合成によって、30%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
また、前記有機溶媒は、10wt%以下の前記アミンを含む構成とするのがよい。この構成によれば、ナノ粒子がInPである場合、37.5%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
また、前記有機溶媒は、0.5wt%以上、15wt%以下の前記アミンを含む構成とするのがよい。この構成によって、ナノ粒子がInPである場合、34%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
また、前記有機溶媒は、好ましくは、1wt%以上、10wt%以下の前記アミンを含む構成とするのがよい。この構成によって、ナノ粒子がInPである場合、37.5%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
また、前記有機溶媒は、更に好ましくは、2wt%以上、7wt%以下の前記アミンを含む構成とするのがよい。この構成によって、ナノ粒子がInPである場合、45%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
また、前記ナノ粒子が第III−V族化合物半導体である構成とするのがよい。この構成によれば、高発光量子効率のナノ粒子を得ることができる。
また、前記ナノ粒子がInPである構成とするのがよい。この構成によれば、高発光量子効率のInPナノ粒子を得ることができる。
また、前記ナノ粒子が第II−VI族化合物半導体である構成とするのがよい。この構成によれば、高発光量子効率のナノ粒子を得ることができる。
また、前記第2の工程で合成されたナノ粒子を有機溶媒中に分散させてフッ素化合物を添加して、光を照射した状態で表面処理を行う第3の工程を有する構成とするのがよい。この構成によれば、表面処理の結果、高発光量子効率のナノ粒子を得ることができる。
また、前記第3の工程において、前記表面処理されたナノ粒子が分散されている前記有機溶媒に不活性雰囲気で光を照射する第4の工程を有する構成とするのがよい。この構成によれば、ナノ粒子の劣化を防止することができ、発光量子効率が高く、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることができる。
また、前記不活性雰囲気は酸素及び水蒸気が除去された雰囲気である構成とするのがよい。この構成によれば、同様に、ナノ粒子の劣化を防止することができ、発光量子効率が高く、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることができる。
本発明にナノ粒子の製造方法によれば、20wt%以下のアミンが添加された有機溶媒中での反応によって合成されたナノ粒子に対して、フッ酸表面処理を行い、更に、大気を除去した不活性雰囲気下で光照射することによって、従来技術による方法によって得られる発光量子効率を超えた高い発光量子効率を有し、且つ、安定性に優れたInPナノ粒子を製造することができる。従って、本発明の製造方法によるInPナノ粒子を発光デバイスへ適用することによって、発光効率が高く、安定して動作する高機能のデバイスを製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明による実施の形態について詳細に説明する。
第1の実施の形態
本実施の形態による高発光量子効率を有するナノ粒子の製造方法では、反応溶媒として有機溶媒を使用して、この反応溶媒中にナノ粒子原料を導入し、所定の加熱温度にて所定時間保持することによってナノ粒子を合成する工程を有し、この工程において使用される反応溶媒中にアミンが含まれている。アミンとして、例えば、ヘキサデシルアミンを使用する。
反応溶媒中のアミンの重量パーセントを、0%より大きく20%より小さい値とする。好ましくは、反応溶媒中のアミンの重量パーセントは、1%より大きく10%より小さい値とする。代表的には、ナノ粒子は、第III−V族化合物半導体であり、InPである。
本実施の形態によれば、アミンを添加した反応溶媒中でInPナノ粒子を合成した後、フッ酸表面処理を行うことによって、高発光量子効率のInPナノ粒子を得ることができる。
以下、本発明を、第III−V族化合物半導体からなるナノ粒子の製造に適用した実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における、第III−V族元素化合物半導体ナノ粒子の製造工程を説明する図である。
図1によって、有機溶媒中におけるナノ粒子の製造工程を説明する。先ず、第III元素又は第III元素化合物を配位性有機溶媒に溶解させ(工程1)、この配位性有機溶媒に第V元素又は第V元素化合物を注入する(工程2)。次に、所定温度に所定時間保持して、第III−V族化合物半導体ナノ粒子を合成する(工程3)。合成された第III−V族化合物半導体ナノ粒子を分取して(工程4)、これを有機溶媒に分散させる(工程5)。第III−V族化合物半導体ナノ粒子が分散された有機溶媒にフッ素化合物を添加し、光照射して、第III−V族化合物半導体ナノ粒子の表面処理を行う(工程6)。表面処理の後、フッ素化合物を除去して(工程7)、第III−V族化合物半導体ナノ粒子を有機溶媒に分散させる(工程8)。
本発明で使用される反応溶媒としては、沸点(bp)が250℃乃至300℃以上を有する有機溶媒が使用され、合成されるナノ粒子の表面に配位する配位性有機溶媒が、単一種類又は複数種類合わせて用いられる。また、配位性を有さない有機溶媒を、配位性を有する有機溶媒と組み合わせて用いてもよい。このような有機溶媒として例えば、トリオクチルホスフィン(TOP)等のホスフィン類、トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)等のホスフィンオキサイド類、アミン類、オクタデセン(ODE)等の直鎖飽和炭化水素化合物等の高沸点有機化合物が用いられる。配位剤としては、ミリスチン酸、オレイン酸等のカルボン酸や、チオール類が上げられる。
ホスフィン類としては、一般式RR'PH(R、R'は有機基)で表される第一ホスフィンの例として、ジフェニルホスフィン([C652PH、bp=280℃)等があり、一般式RR'R”P(R、R'、R”はH又は有機基)で表される第三ホスフィンの例として、トリオクチルホスフィン(TOP)([CH3(CH2)73P、bp=284℃〜291℃/50Torr)、イソプロピルジフェニルホスフィンオキシド(C1517P=O)、ジエチルフェニルホスフィン(C1015P、bp=120℃〜121℃/29Torr)の他に、ジ−o−トリルホスフィン(C1415P、bp=306℃〜307℃)、ジ−p−トリルホスフィン(C1415P、bp=295℃〜298℃)、トリフェニルホスフィン(TPP)([C653P、bp=377℃)、トリフェニルホスフィン([C653P、bp=377℃)、メチルジフェニルホスフィン([C652PCH3、bp=284℃)、トリブチルホスフィン([CH3(CH233P、bp=149.5℃/50Torr)等があり、沸点(bp)が250℃乃至300℃以上を有していれば、一般式RPH2で表される第ニホスフィンであってもよい。
ホスフィンオキサイド類としては、一般式RR'R”P=O(R、R'、R”はH又は有機基)によって表されるホスフィンオキシドの例として、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)([CH3(CH2)73PO、bp=201℃〜202℃/2Torr)、トリブチルホスフィンオキシド(C1227OP、bp=103℃〜104℃/25Torr)、トリエチルホスフィンオキシド(C615OP)、トリプロピルホスフィンオキシド(C921OP)の他に、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)([C653P=O、bp=360℃)、メチルジフェニルホスフィンオキシド(C1313OP)等があり、沸点(bp)が250℃乃至300℃以上を有していれば、一般式RR'HP=O又はRH2P=Oによって表されるホスフィンオキシドであってもよい。
有機溶媒としてアミン類を添加することが高発光量子効率のナノ粒子を合成するのに効果的である。アミン類として例えば、ヘキサデシルアミン(HDA)トリオクチルアミン、トリアリルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリフェニルアミン等があげられる。
アミン類としては、脂肪族第一アミンの例として、ヘキサデシルアミン(HDA)(セチルアミン、CH3(CH214CH2NH2、bp=330℃)の他に、ペンタデシルアミン(CH3(CH213CH2NH2、bp=298℃〜301℃)、ドデシルアミン(CH3(CH210CH2NH2、bp=247℃〜249℃)、トリデシルアミン(CH3(CH211CH2NH2、bp=273.8℃)、テトラデシルアミン(CH3(CH212CH2NH2、bp=162℃/15Torr)、オクタデシルアミン(ステアリルアミン、CH3(CH216CH2NH2、bp=232℃/32Torr)等がある。
脂肪族第二アミンの例:として、ジ−2−メチルへキシルアミン([C8172NH、bp=281℃)、ジデシルアミン([(CH3(CH28CH2)]2NH、bp=179℃/2Torr)等があり、脂肪族第三アミンの例として、トリオクチルアミン([CH3(CH26CH23N、bp=365℃〜367℃)の他に、トリドデシルアミン([CH3(CH210CH23N、bp=450℃)、トリアミルアミン([n−C5113N、bp=240℃〜245℃)等がある。
脂肪族不飽和アミンの例として、オレイルアミン(CH3(CH27CH=CH(CH27CH2NH2、bp=348℃〜350℃)等があり、脂環式アミンの例として、ジシクロヘキシルアミン([C6112NH、bp=254℃〜255℃)等がある。
芳香族アミンの例として、ジフェニルアミン((C562NH、bp=302℃)、トリフェニルアミン((C563N、bp=365℃)、α−ナフチルアミン(C107NH2、bp=300.℃)、β−ナフチルアミン(C107NH2、bp=294℃)、ジベンジルアミン([C56CH22NH、bp=270℃/250Torr)、トリベンジルアミン([C56CH23N、bp=230℃/13Torr)等がある。
カルボン酸のうち、飽和脂肪酸(カルボン基1個をもつカルボン酸RCOOHのうち鎖式構造をもつ脂肪酸)の例として、テトラデカン酸(ミリスチン酸、C1327COOH、bp=249℃/100Torr)の他に、ペンタデシル酸(C1429COOH、bp=339℃)、パルミチン酸(C1531COOH、bp=351℃〜352℃)、へプタデシル酸(ヘプタデカン酸、C1633COOH、bp=364℃)、ステアリン酸(C1735COOH、bp=376℃(分解)、232℃/15Torr)、ノナデカン酸(C1837COOH、bp=297℃/100Torr)、アラキン酸(C1939COOH、bp=328℃)、ベヘン酸(C2143COOH、bp=306℃/60Torr)、リグノセリン酸(C2347COOH、bp=272℃/10Torr)、ナノン酸(C817COOH、bp=247℃〜259℃)、デカン酸(カプリン酸、C919COOH、bp=268℃〜270℃)、ウンデシル酸(C1021COOH、bp=284℃)、ドデカン酸(C1123COOH、bp=225℃/100Torr)、トリデシル酸(トリデカン酸、C1225COOH、bp=200℃/24Torr)等がある。
カルボン酸のうち、不飽和脂肪酸(カルボン基1個をもつカルボン酸RCOOHのうち鎖式構造をもつ脂肪酸)の例として、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸、C1733COOH、bp=360℃)の他に、グルタル酸(COOH(CH23COOH、bp=302℃)、アジピン酸(COOH(CH24COOH、bp=338℃)、エライジン酸(trans−9−オクタデセン酸、C1733COOH、bp=288℃/100Torr)、o−フタル酸(C64(COOH)2、bp=295℃)、桂皮酸(C65(CH=CH)COOH、bp=300℃)、ウンデシレン酸(C1019COOH、bp=275℃)、リノール酸(C1733COOH、bp=229℃〜230℃/16Torr)、α−リノレン酸(C1729COOH、bp=230℃〜232℃/1Torr)、安息香酸(C65COOH、bp=249℃)、サリチル酸((COOH)C65(OH)、bp=211℃/20Torr)、没食子酸((OH)3(C62)COOH、bp=250℃)等がある。
チオール(メルカプタン)類の例としては、1−ペンタンチオール(C512S、bp=123℃〜124℃)、1−オクタンチオール(C818S、bp=197℃〜200℃)、1−ドデカンチオール(1−デカンチオール、ドデシルメルカプタン、CH3[CH211SH、bp=266℃〜283℃)、1−ヘキサデカンチオール(C1634S、bp=184℃〜191℃/7Torr)、1−オクタデカンチオール(ステアリルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン)(C1838S、bp=204℃〜210℃/11Torr)、11−メルカプトウンデカン酸(C11222S)の他に、ペンタデカン−1−チオール(C1532S、bp=325℃)、オクタデカンチオール(オクタデシルメルカプタン、CH3(CH216CH2SH、bp=204℃〜210℃/11Toor)、1,6−ヘキサンジチオール(C6142、bp=242℃〜243℃)、1,8−オクタンジチオール(C8182、bp=269℃〜270℃)等がある。
高沸点の直鎖飽和炭化水素化合物の例として、オクタデカン(オクタデセン(ODE)、C1838、bp=317℃)の他に、ヘプタデカン(C1736、bp=302℃)、ノナデカン(C1940、bp=330℃)、イコサン(C2042、bp=342.7℃)、ヘンイコサン(C2144、bp=356.5℃)、ドコサン(C2246、bp=369℃)、トリコサン(C2348、bp=234℃/15Torr)、テトラコサン(C2450、bp=391℃)、ペンタコサン(C2552、bp=259℃/15Torr)、ヘキサコサン(C2654、bp=262℃/15Torr)、ヘプタコサン(C2756、bp=270℃/15Torr)、オクタコサン(C2858、bp=440℃)、ナノココサン(C2960、bp=286℃/15Torr)、トリアコンタン(C3062、bp=455℃)、ドトリアコンタン(C3266、bp=467℃)、ペンタトリアコンタン(C3572、bp=331℃/15Torr)、テトラデカン(C1430、bp=252℃〜254℃)、ペンタデカン(C1532、bp=268℃〜270℃)、ヘキサデカン(C1634、bp=287℃)等がある。
反応溶媒としては、以上にあげるような材料が適宜選択され、1種で、又は、2種以上の混合物で用いられる。
図1に示す工程1において、このような反応性溶媒に導入する第IIIb族原料には、第IIIb族元素を含有する無機材料、有機材料、又は、第IIIb族元素の単体金属が用いられる。無機材料としては、例えば、塩化物、水酸化物、蓚酸塩、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等が例示される。一方、有機材料としては、カルボン酸塩、金属アルコキシド、アセチルアセトナート塩等が例示される。尚、反応溶媒中には、このような第IIIb族原料を1種類又は複数種類合わせて導入してもよい。
第IIIb族の元素の単体、第IIIb族の元素を含む無機又は有機化合物を使用することができる。無機化合物として、例えば、塩化物、水酸化物、蓚酸塩、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等を使用することができる。有機化合物として、例えば、カルボン酸塩、アルコキシド(アルコール類の水酸基の水素を金属で置換した化合物)、アセチルアセトン錯塩等を使用することができる。なお、第IIIb族の元素の単体、第IIIb族の元素を含む無機又は有機化合物から選択された1種類又は複数種類を含む溶媒中に溶解して、第IIIb族の元素の供給源として使用することができる。
アミンを含む有機溶媒中へ第IIIb族原料を入れ、これを加熱攪拌し(100℃〜300℃)溶解させる。
ここへ、図1に示す工程2において、第Vb族原料を短時間(〜1秒)で注入し、図1に示す工程3において、所定温度(100℃〜300℃)所定時間(〜60分)保持することで、第III−V族化合物半導体ナノ粒子が得られる。
第Vb族原料には、第Vb族元素を含有する無機材料、有機材料、又は、第Vb族元素を単体金属が用いられる。無機材料としては、例えば、塩化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等が例示される。一方、有機材料としては、カルボン酸塩、金属アルコキシド等が例示される。尚、反応溶媒中には、このような第Vb族原料を1種類又は複数種類合わせて導入してもよい。
第Vb族の元素の単体、第Vb族の元素を含む無機又は有機化合物を使用することができる。無機化合物として、例えば、塩化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等を使用することができる。有機化合物として、例えば、カルボン酸塩、アルコキシド等を使用することができ、また、第Vb族の元素を含む有機金属化合物を使用することができる。
このようにして合成した第III−V族化合物半導体ナノ粒子の光励起による発光は、微弱なものである。粒子表面を、フッ素を含有する化合物で表面処理する必要がある。
具体的には、図1に示す工程4において、合成された第III−V族化合物半導体ナノ粒子を分取して、図1に示す工程5において、合成した第III−V族化合物半導体ナノ粒子を第III−V族化合物半導体ナノ粒子を凝集させることのない有機溶媒へ分散させ、粒子濃度を低くした状態で、図1に示す工程6において、微量のフッ素化合物を添加し、この状態で光を照射しながら数時間保持する。
上記有機溶媒として例示すると、1−ブタノール、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、オクタン、オクタノール、ブタン、ペンタン、イソプロピルアルコール等の単体、又は、その混合溶媒等があげられる。
上記フッ素化合物として例示すると、フッ酸、フッ化アンモニウム、N(C494F・3H2O、Pyridine Poly(hydrogen fluorine)、HF-melamine complexes等の単体、又は、混合物があげられる。
表面処理終了後、図1に示す工程7において、フッ酸を第III−V族化合物半導体ナノ粒子が分散された分散溶液から取り除く。溶液を加熱しながら減圧することでフッ酸を気化させ取り除くことが可能である。この工程7が終了した後、図1に示す工程8において、フッ第III−V族化合物半導体ナノ粒子(以下、ドット(dot)とも言う。)を不活性ガス中で表面処理時に用いた有機溶媒に溶解させることで第III−V族化合物半導体ナノ粒子が分散された分散溶液を得ることができる。
フッ酸を取り除く工程7として次の方法を用いてもよい。表面処理が終了したドットを含むドット溶液に極性溶媒、例えば、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノールを加え、遠心分離機を用いてドットを沈殿させる。これをグローブボックス内にて上澄み液を取り除き、前述した表面処理時に用いた有機溶媒に溶解させることで第III−V族化合物半導体ナノ粒子が分散された分散溶液を得ることができる。
以上のような工程1〜工程8により、発光量子効率の高い第III−V族化合物半導体ナノ粒子を得ることができる。第III−V族化合物半導体ナノ粒子の代表的な例は、InPナノ粒子である。
なお、有機溶媒に分散させた分散液の状態で得られた第III−V族化合物半導体ナノ粒子は、分散液を凍結乾燥又は低温での真空乾燥を行うことによって、固体状態として得ことができる。
第2の実施の形態
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態によって調製された第III−V族化合物半導体ナノ粒子(例えば、InPナノ粒子)の分散溶液に光照射を行う。即ち、本実施の形態によるナノ粒子の製造方法では、第1の実施の形態によるナノ粒子の製造方法の工程に、更に、大気を除去した雰囲気下において光照射する工程を有している。この大気を除去した雰囲気は、酸素、水蒸気を除去した雰囲気である。
本実施の形態によれば、ナノ粒子の劣化を防止することができ、発光量子効率が高く、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることができる。
図2は、本発明の第2の実施の形態における、第III−V族元素化合物半導体ナノ粒子の製造工程を説明する図である。
なお、図2において、図2に示す工程1〜工程8は、図1に示す工程1〜工程8と同じであり、図2に示す工程9において、工程8において有機溶媒に分散された第III−V族元素化合物半導体ナノ粒子に、大気を除去した不活性雰囲気で光照射を行う。
即ち、第III−V族化合物半導体ナノ粒子が分散された分散溶液をグローブボックス内でガラス製の透明密閉容器に移し、大気が流入することのないように密栓をする。キセノンランプ等の光源を用いて、分散溶液中の第III−V族化合物半導体ナノ粒子に光照射する。光を照射する時間が長くなればなるほど発光量子効率は向上し、ある程度の時間が経過したのちに、発光量子効率は一定値に収束する。
発光量子効率が一定値に収束までの照射時間は照射強度に依存し、光の照射強度が高ければ短時間で収束する。
以上の工程1〜工程9によって、高発光量子効率を有し、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることができる。第III−V族化合物半導体ナノ粒子の代表的な例は、InPナノ粒子である。
第1の実施例
図3は、本発明の第1の実施例における、InPナノ粒子の製造工程を説明する図である。
図3によって、InPナノ粒子の製造工程を説明する。先ず、TOP(トリオクチルホスフィン)、TOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)、HDA(ヘキサデシルアミン)、ODE(オクタデセン)の各有機溶媒を所定量分取して(工程S1)、これら各有機溶媒の混合液に所定量のInCl3を添加し(工程S2)、所定温度(t℃)で30分間攪拌する(工程S3)。
次に、工程S3によって加温、攪拌された溶液に、トリメチルシリルホスフィン液体(P[Si(CH333)0.5mgを添加注入(この時、溶液温度は、図4には注入温度として示されており、上記所定温度(t℃)に保持されている。)した(工程S4)後、(t−20)℃に降温して所定時間保持した後、加熱源を除去して、InPナノ粒子の合成を終了する(工程S5)。
合成されたInPナノ粒子を30mL分取して、これにヘキサン1mL、ブタノール1mLを添加する(工程S6)。工程S6による溶液に、フッ酸エッチング溶液(フッ酸5%、水10%、1−ブタノール85%混合溶液)50μLを添加する(工程S7)。工程S7による溶液を、紫外線ランプの照射下に1時間放置して、InPナノ粒子の表面処理を行う(工程S8)。
工程S8において使用された、表面処理されたInPナノ粒子を含む容器を130℃に加熱しながら減圧して、溶媒を除去した後(工程S9)、この容器をアルゴンガスによって満たし、乾燥溶液(ヘキサン1mL、ブタノール1mL)を添加して、InPナノ粒子が分散された分散溶液とする(工程S10)。
図4は、本発明の第1の実施例における、InPナノ粒子の合成条件と発光量子効率の関係を説明する図である。
図4には、合成に使用したHDA、TOP、ODE、InCl3の重量(g)、合成時間(詳細については後述する。)、トリメチルシリルホスフィンの添加注入時の温度(注入温度)、合成されたInPナノ粒子の量子効率(%)を示している。
図2に示す製造工程に従って、以下に説明するようにして、InPナノ粒子を作製した。実験1〜実験18の18種の作製サンプルの合成条件の詳細は、図4に示す通りである。InPナノ粒子の合成に使用した有機溶媒は非水溶媒であり、TOPOを少なくとも含み、TOP又は/及びODEを含んでいる。なお、図4では、各実験No.で使用した、HDA、TOP、ODE、InCl3の重量(g)を示しており、必ず使用されているTOPOの重量(g)は、HDA、TOP、TOPO、ODEの総重量(g)が10gとなるようにされているので、TOPOの重量(g)は省略している。
有機溶媒であるTOPO、TOP、HDA、ODEをそれぞれ、図4に示すように、所定量3つ口フラスコへ分取した。これにIn原料である塩化インジウム(InCl3)を、図4に示すように、所定量導入し、所定温度(図4に示す。)で30分間攪拌することで透明溶液を得た。
加熱した透明溶液中にP原料であるトリメチルシリルホスフィン0.5mgを、シリンジを用いて添加し、ただちに上記の所定温度より20℃降温させ、所定時間(図4に合成時間として示す。)だけ保持した。以上のプロセスにより、InPナノ粒子を合成した。また、図4に示す所定の合成時間の保持後には、3つ口フラスコから熱源を取り除いた。以上までの全ての操作は、アルゴンで不活性化された雰囲気中で行った。
次に、合成したInPナノ粒子をサンプル管に30μLとり、これに、ヘキサン1mLとブタノール1mLを加えることで透明溶液を得た。更に、この溶液にフッ酸エッチング溶液(フッ酸5%、水10%、1−ブタノール85%混合溶液)を50μL添加し、これを紫外線ランプ下で数時間放置することで、InPナノ粒子の表面処理を行った。この表面処理の工程は大気中で行った。
このようにして得られるInPナノ粒子の粒径は、合成工程における温度、溶液中のIn原料及びP原料の濃度等の因子によって変化し、InPナノ粒子に配位する溶媒分子の配位強度等にもよるが、これら因子を一定に制御することによって、InPナノ粒子は、中心粒径2nmm〜7nm、±10%程度の分布幅をもつほぼ正規分布をもつ粒径として得ることができる。
以上の説明した方法によって合成され、図4に示す実験1〜実験18に対応する18個のInPナノ粒子の発光効率が、図4における右端の欄に示されている。
InPナノ粒子の発光効率の測定は、InPナノ粒子が有機溶媒に分散された溶液に対して、HORIBA JOBIN YVONのモジュール型蛍光分光測定装置を用いて行った。
図5は、本発明の第1の実施例における、ヘキサデシルアミンの添加量とInPナノ粒子の発光量子効率の関係を説明する図である。
図5は、以上の説明した方法によって合成され、図4に示す実験1〜実験18に対応する18個のInPナノ粒子の発光効率と、InPナノ粒子の合成におけるヘキサデシルアミンの添加量との関係を示す図であり、縦軸は、合成されたInPナノ粒子の発光量子効率(%)を示し、横軸は、InPナノ粒子の合成においてヘキサデシルアミンの添加量(g、wt%)を示す。
図5では、トリオクチンホスフィンの濃度(wt%)が一定の場合の上記の関係を示す3つのグラフ、及び、この3つのグラフを平均化したグラフ(即ち、ヘキサデシルアミンの添加量と発光量子効率の平均値との関係を示す。)の4種類のグラフを示している。
この4種類のグラフの何れについても、発光量子効率は、ヘキサデシルアミンの添加量が0.5g(5wt%)の時に最大値となっている。発光量子効率の向上の効果は、ヘキサデシルアミンの微量添加時より見られ、添加量2g(20wt%)では向上の効果がなくなっていることがわかる。
上記の平均化したグラフから、発光量子効率は、0.5g(5wt%)添加時に最大値となっており、効率向上の効果は微量添加時より見られ、2g(20%)添加では効果がなくなっていることがわかる。即ち、キサデシルアミンの添加の効果は、0wt%<HDA≦20wt%で見られ、5wt%で最大値を示す。
更に、上記の平均化したグラフから、以下のことが明らかである。
(1)20wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒溶液中での合成によって、30%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
(2)10wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒の構成では、37.5%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
(3)0.5wt%以上、15wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒の構成では、34%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
(4)1wt%以上、10wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒の構成では、37.5%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
(5)2wt%以上、7wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒の構成では、45%以上の発光量子効率を有するInPナノ粒子を得ることができ、最大50%を超える発光量子効率を得ることができる。
なお、InPナノ粒子の合成において、In原料(In供給源)として、塩化インジウム(InCl3)以外に、塩化インジウムInCl3の他に、例えば、水酸化インジウムIn(OH)3、硝酸インジウムIn(NO33、硫酸インジウムIn(SO4)3、臭化インジウムInBr3、ヨウ化インジウムInI3、蓚酸塩In(C24)3、フッ化物(フッ化インジウム)InF3、酸化物(酸化インジウム)In23、硫化物(硫化インジウム)In23等を使用することができる。また、Inの供給源として、有機インジウム化合物を使用することができ、例えば、R3In(R=CH3、C25、C37、C65)、CH3In(OH)2、[(CH3)2In]2O、(C652InBr、その他、カルボン酸塩、アルコキシド、アセチルアセトン錯塩等を使用することができる。
また、P原料(P供給源)として、トリメチルシリルホスフィンP[(Si(CH33)]3の他に、有機化合物原料として、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン等、無機化合原料として、塩化リンPCl3、リン化水素PH3等を使用することができる。P原料が固体である場合には、上述した各種の有機溶媒の中から、原料を溶解できる溶媒を選択しテこれに溶解させて液体状原料として使用する。
第2の実施例
以下に説明する第2の実施例では、第1の実施例によって合成されたInPナノ粒子を、大気中からInPナノ粒子を不活性雰囲気下に移動して光照射することによって、従来技術の製造方法によって得られるInPナノ粒子に比べ、耐光性に優れ、高発光量子効率で発光量子効率が50%超であり、且つ、安定性に優れたInPナノ粒子を得ることができる。
図6は、本発明の第2の実施例における、InPナノ粒子の製造工程を説明する図である。
なお、図6において、図6に示す工程S1〜工程S10は、図3に示す工程S1〜工程S10と基本的に同じであり、図6に示すように、工程S10による、InPナノ粒子が分散された分散溶液を、別容器に移して、この別容器の空間をアルゴンガスによって満たした後、密閉容器とした後(工程S11)、この密閉容器をキセノンランプ(500W)で1時間照射して、InPナノ粒子を光照射する(工程S12)。
以下、図6に示す、工程S1〜工程S12に従って、InPナノ粒子の製造工程を詳細に説明する。
工程S1において、有機溶媒中のHDA濃度が5wt%となるように、有機溶媒であるTOPO(1g)、TOP(8.5g)、ヘキサデシルアミン(HDA)(0.5g)を3つ口フラスコへ分取した。これにIn原料である塩化インジウム(InCl3)(1g)を導入し(工程S2)、230℃で30分間攪拌することで透明溶液を得た(工程S3)。
加熱した透明溶液中にP原料であるトリメチルシリルホスフィン(0.5mg)を、シリンジを用いて添加し(工程S4)、ただちに210℃に降温したのち、10分間保持した。以上のプロセスにより、InPナノ粒子を合成した(工程S5)。また所定時間の保持後には、3つ口フラスコから熱源を取り除いた。
以上の工程は、アルゴンで不活性化されたグローブボックス内で行った。
次に、合成したInPナノ粒子をサンプル管に30μLとり、これに、ヘキサン1mLとブタノール1mLを加えることで透明溶液を得た(工程S6)。更に、この溶液にフッ酸エッチング溶液(フッ酸5%、水10%、1−ブタノール85%混合溶液)50μLを添加し(工程S7)、これにキセノンランプ(500W)下で1時間放置することで、InPナノ粒子の表面処理を行った(工程S8)。以上の工程は大気中で行った。
次に表面処理を行ったサンプルを丸底フラスコに移した後、130℃にセットしたホットプレート上で加熱しながら油圧回転式ポンプを用いて減圧することで溶媒を除去した(工程S9)。1時間経過後、アルゴンガスで不活性化したグローブボックス内へ丸底フラスコを移動し、フラスコ内へアルゴンガスを注入した。更に、ヘキサン(乾燥溶媒)1mLとブタノール(乾燥溶媒)1mLを加えることで、InPナノ粒子が分散した溶液を得た(工程S10)。
サンプル瓶へ移した後完全に密閉して密閉容器とし(工程S11)、サンプル瓶内の溶媒で満たされていない空間はアルゴンガスで満たされている状態とした。上記サンプル瓶をキセノン(Xe)ランプ(500W)で1時間照射した(工程S12)。光照射強度は0.3W/cm2である。
比較例
第2の実施例と同じ方法で、InPナノ粒子を分散させたヘキサン・ブタノール混合溶液を作製した。第2の実施例では溶液をアルゴン雰囲気下で光照射したが、比較例では光照射直前にサンプル瓶を大気中で開封し、サンプル瓶内のアルゴンを大気で置換した。このサンプルを第2の実施例と同様にキセノンランプで1時間照射した。
図7は、本発明の第2の実施例における、光照射時間とInPナノ粒子の発光強度の関係を説明する図である。
図7において、縦軸はInPナノ粒子の発光強度を任意単位によって示し、横軸は光照射時間(min、分)を示す。なお、縦軸は、光照射時間が0分(即ち、光未照射である。)の場合のInPナノ粒子の発光強度を100とする相対強度を示している。
図7では、第2の実施例におけるInPナノ粒子の発光強度の光照射時間の変化と、比較例におけるInPナノ粒子の発光強度の光照射時間の変化を比較して示しているが、第2の実施例では、はじめの10分間に発光強度の上昇が見られ、その後、発光強度の変化はないが、比較例では、発光強度は光照射時間が長くなればなる程ほど低下している。
即ち、第2の実施例では光照射によって、発光強度は照射時間と共に増加して略一定の飽和値に達するが、比較例では、光照射によって、発光強度は照射時間と共に減少して劣化してしまい、略一定の飽和値に達する。
図8は、本発明の第2の実施例における、InPナノ粒子の発光スペクトルと発光量子効率を説明する図であり、図8(A)はInPナノ粒子の発光スペクトルを説明する図、図8(B)はInPナノ粒子の発光量子効率を説明する図である。
図8(A)において、縦軸はInPナノ粒子の発光強度を任意単位によって示し、横軸は発光波長(nm)を示しており、第2の実施例における発光スペクトルのピーク波長は633nmであり、比較例における発光スペクトルのピーク波長は620nmであり、第2の実施例に比べると波長が短波長へシフトしている。
図8(B)に示すように、比較例におけるサンプルの発光量子効率の測定値は20.1%であった。第2の実施例におけるサンプルの発光量子効率の測定値は50.2%であり、比較例の2.5倍であった。比較例における発光量子効率は第2の実施例に比べると大幅に低下している。
以下、第2の実施例において、工程S1における有機溶媒中のHDA濃度が0wt%となるように、TOPO(1.5g)、TOP(8.5g)を3つ口フラスコへ分取して、ヘキサデシルアミンを使用しないで製造したInPナノ粒子の発光量子効率を測定した結果について、説明する。
図9は、本発明の第2の実施例において、ヘキサデシルアミンを使用しないで製造したInPナノ粒子の発光量子効率を説明する図である。
図9に示す実施例に関するグラフは、第2の実施例における工程S12でのXeランプによる光照射をアルゴンガス雰囲気下で1時間、行った場合の発光量子効率を示し、比較例に関するに関するグラフは、Xeランプによる光照射を大気下で1時間、行った場合の発光量子効率を示しており、図8(B)に示す例と同様に、アルゴンガス雰囲気下での光照射によって、発光量子効率は向上し、大気下での光照射の場合の約2倍となっている。
このように、InPナノ粒子の合成にHDAを使用しない場合にも、有機溶媒中に粒子を含む分散液を、アルゴンガス雰囲気下でXeランプにより光照射することによって、発光量子効率を大きくすることができる。
第1の実施例によって合成されたInPナノ粒子に対して、第2の実施例で説明した大気を除去した雰囲気下での光照射の工程S12を実行しない場合には、劣化が急速に進み、劣化して安定した発光強度が得られないが、工程S12を実行する場合には、劣化は生じない。第1の実施例によって合成されたInPナノ粒子(分散液中にある。)は、大気を除去しない雰囲気下では劣化してしまうので、劣化を防止するため光照射を行うために、InPナノ粒子(分散液中にある。)を不活性雰囲気下へ移動してやる必要がある。この不活性雰囲気下への移動のプロセスでも発光量子効率の低下が見られるが、発光量子効率が低下した状態のサンプルへ光照射をすることで、元の発光量子効率まで回復させることができる。この光照射を行う時の雰囲気は不活性雰囲気であることが必須である。

以上説明した本発明の製造方法によって得られたナノ粒子は、有機溶媒に分散された状態で、高発光量子効率を有し、且つ、安定性に優れているので、有機溶媒に分散されたナノ粒子を光透過性の良好なガラス等の材料で封止された状態として使用するのが望ましい。このようにして、高発光量子効率を保持した状態を維持することができる。
本発明の製造方法によって得られたナノ粒子は、光学デバイスにおける発光体として好適に使用することができる。電流注入型の光学デバイスであるLEDの場合、本発明によるナノ粒子は発光層として用いることができ、電流注入層に関しては、無機物(通常のLEDに近いもの)、有機物(有機ELに近いもの)を用いることができる。光励起型の光学デバイス、例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、蛍光灯、更に、紫外〜青色光を発するLEDを励起光源としこの励起光源による紫外〜青色光をナノ粒子によって色変換するLEDでは、従来の蛍光体と同じように、本発明によるナノ粒子を使用することができる。また、電子線励起型の光学デバイス、例えば、CRTデバイスでは、従来の蛍光体と同じように、本発明によるナノ粒子を使用することができる。
本発明によるナノ粒子、即ち、高発光量子効率であり、且つ、安定性に優れたナノ粒子を発光デバイスへ適用することによって、発光効率が高く、安定に動作する高機能デバイスを製造することができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述したInPナノ粒子の製造法方法と同様にして、IIIb族から選択される元素及びVb族から選択される元素によって、InN、InAs、InSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb等のナノ粒子を合成することができる。また、IIb族から選択される元素及びVIb族から選択される元素によって、CdSe、CdTe、CdS、ZnSe等のナノ粒子を合成することができる。
本発明に係るナノ粒子の製造方法によれば、発光量子効率が高く、且つ、安定性に優れたナノ粒子を得ることができ、このナノ粒子を発光デバイスへ適用することによって、発光効率が高く、安定して動作する高機能デバイスを製造することができる。
本発明の第1の実施の形態における、第III−V族元素化合物半導体ナノ粒子の製造工程を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態における、第III−V族元素化合物半導体ナノ粒子の製造工程を説明する図である。 本発明の第1の実施例における、InPナノ粒子の製造工程を説明する図である。 同上、InPナノ粒子の合成条件と発光量子効率の関係を説明する図である。 同上、ヘキサデシルアミンの添加量とInPナノ粒子の発光量子効率の関係を説明する図である。 本発明の第2の実施例における、InPナノ粒子の製造工程を説明する図である。 同上、光照射時間とInPナノ粒子の発光強度の関係を説明する図である。 同上、InPナノ粒子の発光スペクトルと発光量子効率を説明する図である。 同上、ヘキサデシルアミンを使用しないで製造したInPナノ粒子の発光量子効率を説明する図である。
符号の説明
S1〜S12…InPナノ粒子の製造工程

Claims (5)

  1. 塩化インジウムを、20wt%以下のヘキサデシルアミンを含む有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液を調製する第1の工程と、
    トリメチルシリルホスフィンを、所定の温度に加熱された前記有機溶媒溶液に注入して所定の時間保持して、インジウム(In)−リン(P)からなるナノ粒子を合成する第2の工程と
    を有する、ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記有機溶媒は、10wt%以下の前記ヘキサデシルアミンを含む、請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
  3. 前記第2の工程で合成されたナノ粒子を有機溶媒中に分散させてフッ素化合物を添加して、光を照射した状態で表面処理を行う第3の工程を有する、請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、前記表面処理されたナノ粒子が分散されている前記有機溶媒に不活性雰囲気で光を照射する第4の工程を有する、請求項3に記載のナノ粒子の製造方法。
  5. 前記不活性雰囲気は酸素及び水蒸気が除去された雰囲気である、請求項4に記載のナノ粒子の製造方法。
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