JP5301779B2 - 粘着剤組成物ならびに粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物ならびに粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として共重合してなるアクリル系重合体を主成分とする、アウトガスの発生が少ない粘着剤用樹脂組成物であり、金属に対する密着性およびタック力等の粘着物性および耐腐食性に優れた、樹脂組成物を用いた粘着剤組成物ならびに粘着シートに関するものである。
従来から、各種分野において粘着剤組成物が多用されている。上記粘着剤組成物において、強粘着性を示すものは、通常、酸を多く導入することにより粘着力が付与されているが、粘着対象物に対する腐食等の問題により酸を用いないタイプ(酸フリー)の用途も多く求められている。特に、電子部品用途には、動作不良を生起する原因となるガスの発生と、これにより電子部材を腐食し外観不良を引き起こすことのない粘着剤組成物が求められている。
上記電子部材、特に精密電子部材に貼り合わせて用いられる情報ラベルや電子部材固定用の粘着剤および粘着シートは、塵のような異物を発生しないことは大前提であるが、上記粘着剤および粘着シートに含まれる低沸点揮発成分や残存溶剤由来のガス(アウトガス)も異物の一種であり、これらが電子部材の動作不良の原因となっている。すなわち、精密な電子部材を備えた電子機器内部は使用時には高温高湿雰囲気となるため、このような雰囲気状態でのガス発生量を低く抑える必要がある。このようなアウトガスの発生量を低減する方法として、酸基を含有しないアクリル系重合体を粘着剤に用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−268335号公報
しかしながら、上記特許文献1のような水酸基等の酸基以外の官能基を導入したアクリル系重合体を用いた粘着剤では、低アウトガスタイプの粘着シートは得られるものの、酸基が導入されていないため粘着力が不充分なものであった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、電子部材の動作不良を引き起こす原因となるガスの発生量、特に高温高湿雰囲気下におけるガスの発生量が少ないことはもとより、精密電子部材を腐食し外観不良を生じさせることがなく、粘着物性、とりわけ金属に対する密着性やタック力に優れた樹脂組成物、特に粘着剤用樹脂組成物を用いた粘着剤組成物ならびに粘着シートの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、アクリル系共重合体を構成する共重合性モノマー成分として、開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体を用いることが重要であることを見出した。
すなわち、本発明は、共重合成分として酸基含有不飽和単量体を含有せず、下記の(A)〜(C)成分からなる共重合体を主成分とする粘着剤組成物であって、上記共重合体中の(C)成分から導かれる構造単位が(A)〜(C)成分からなる共重合体の5〜30重量%である共重合体と、架橋剤を含有してなる粘着剤組成物を第1の要旨とする。
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル。
(B)官能基含有不飽和単量体(ただし、酸基含有不飽和単量体を除く)。
(C)開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体。
また、本発明は、基材面に、上記粘着剤組成物を用いて粘着剤層が形成されてなる粘着シートを第の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、高温高湿雰囲気下でのガスの発生量を抑制し、腐食による外観不良を引き起こすことがなく、金属に対する密着性に優れた樹脂組成物を得るために鋭意検討を重ねた。そして、まず、ガス発生の原因を探るべく研究を重ねた結果、アクリル系粘着剤の架橋性官能基を有する単量体であるアクリル酸が、金属部材の腐食とアウトガスを増大させている原因となっているという知見を得た。そして、この知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、実質的にアクリル酸を使用せず、上記特定の各単量体を用いて導かれる構造単位を各々特定の割合に備えた共重合体とすると、酸基を含有しないことからガスの発生量を少なくすることが可能となり、電子部材等の金属の腐食が抑制され、しかも優れた金属密着性や良好なタック力が得られることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明は、前記(A)〜(C)成分を用い、上記(C)成分に導かれる構造単位が特定の割合となる共重合体を主成分とする樹脂組成物である。このため、金属密着性およびタック力などの粘着物性に優れ、かつ、ガス発生、特に高温高湿雰囲気下でのガス発生量が抑制され、結果、腐食による被着体の外観不良の発生が防止される。したがって、上記樹脂組成物を用い架橋剤を含有する粘着剤組成物は、これを用いて基材に粘着剤層を形成してなる粘着シートとした場合、発生ガスに起因する動作不良や被着体の腐食による外観不良の発生が防止されることから、電子部材用途に好適に用いられる。
そして、上記(C)成分である開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体が、エチレン性不飽和基含有イミダソール系化合物であると、より一層金属に対する密着性およびタック力などの粘着物性、耐腐食性の向上効果が得られる。
また、上記(B)成分である官能基含有不飽和単量体が、水酸基およびアミド基の少なくとも一方を有する不飽和単量体であると、共重合性に優れ、物性に優れた樹脂組成物が得られる。
本発明に係る樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A成分)と、官能基含有不飽和単量体(B成分)と、開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体(C成分)と、必要に応じて上記A〜C成分と共重合可能な上記B成分以外の不飽和単量体(D成分)を用いて共重合させてなる共重合体を主成分とするものである。
なお、本発明において、上記「主成分とする」とは、上記共重合体成分が粘着剤用樹脂組成物全体の50重量%以上を占めることをいう。そして、本発明において、上記A〜D成分の各成分から導かれる構造単位とは、共重合体中の上記A〜D成分の各成分の基本構造を備えた構成単位をいう。また、本発明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸あるいはメタクリル酸を、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味する。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A成分)としては、特に限定されないが、通常、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、共重合性と汎用性という観点から、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。
上記A成分から導かれる構造単位は、通常、A〜C成分、D成分を含む場合はA〜D成分からなる共重合体の50〜94.9重量%に設定されることが好ましい。より好ましくは68〜94.5重量%である。すなわち、A成分から導かれる構造単位が少なすぎると、汎用性が劣る傾向があり、多すぎると、他の共重合成分、特に官能基含有不飽和単量体の含有量が不足してしまい、凝集力不足となる傾向があるみられるからである。なお、上記A成分から導かれる構造単位の、A〜C成分またはA〜D成分からなる共重合体全体に対する割合は、共重合体作製時の共重合性モノマー成分全体におけるA成分の配合割合に準ずるものである。以下、B〜D成分においても同様である。
上記官能基含有不飽和単量体(B成分)としては、架橋剤と反応しうる官能基を通常1個有する単量体であれば特に限定するものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのポリカプロラクトン変性物等のヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、脂環エポキシ基含有モノマー等のエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、共重合性、汎用性等の点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシルブチル等の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマーが好ましく用いられる。
上記B成分から導かれる構造単位は、通常、A〜C成分またはA〜D成分からなる共重合体の0.1〜10重量%に設定されることが好ましい。より好ましくは0.5〜7重量%である。すなわち、B成分から導かれる構造単位が少なすぎると、粘着剤組成物が凝集力不足となる傾向があり、多すぎると、逆に凝集力が高くなり過ぎて、良好な粘着性特性が得られ難くなる傾向があるからである。なお、上記B成分から導かれる構造単位の、共重合体全体に対する割合は、共重合体作製時の共重合性モノマー成分全体におけるB成分の配合割合に準ずるものである。
上記開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体(C成分)としては、通常、窒素原子を2〜3個有する5〜8員環構造を1〜3個有するエチレン性不飽和単量体であって、共重合体形成後においても複素環構造が維持される単量体である。これら単量体の具体例としては、例えば、N−ビニルイミダゾール、N−(メタ)アクリロイルピラゾール、N−(メタ)アクリロイルピラゾリン、N−アリルイミダゾール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、金属密着性やタック力、耐腐食性、粘着物性の改変という点から、窒素原子を2個有する5員環の複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体が好ましく、特にはN−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール等のエチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物が好ましく用いられる。
上記C成分から導かれる構造単位は、A〜C成分またはA〜D成分からなる共重合体の5〜30重量%に設定する必要がある。より好ましくは5〜20重量%である。すなわち、C成分から導かれる構造単位が5重量%未満では、金属密着性に対する寄与が少なく充分な粘着物性が得られず、30重量%を超えると、樹脂調整における重合反応の際、増粘現象を引き起こすため、共重合体を得ることが困難となるからである。なお、上記C成分から導かれる構造単位の、共重合体全体に対する割合は、共重合体作製時の共重合体モノマー成分全体におけるC成分の配合割合に準ずるものである。
上記A〜C成分と共重合可能な上記B成分以外の不飽和単量体(D成分)としては、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等のエチレン性不飽和単量体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記D成分から導かれる構造単位は、通常、A〜D成分からなる共重合体の0〜10重量%に設定されることが好ましい。より好ましくは5重量%以下である。すなわち、D成分から導かれる構造単位が多すぎると、粘着剤が硬くなり過ぎる場合があり、良好な粘着物性が得られ難くなる傾向があるからである。なお、上記D成分から導かれる構造単位の、A〜D成分からなる共重合体全体に対する割合は、共重合体作製時の共重合体モノマー成分全体におけるD成分の配合割合に準ずるものである。
本発明に係る樹脂組成物では、上記A〜C成分またはA〜D成分を所定の割合で配合し各種重合方法に従って共重合させることにより、主成分である(メタ)アクリル系共重合体を作製することができる。上記重合方法としては、特に限定するものではなく従来公知の方法である、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等があげられる。例えば、上記A〜C成分またはA〜D成分を所定の割合で重合溶剤に溶解させ、これに重合開始剤を加え攪拌しながら70〜85℃に昇温して重合反応を行う。さらに、これに重合開始剤を添加し、重合反応を進めることにより(メタ)アクリル系共重合体を作製することができる。
本発明で得られるアクリル系共重合体は、上記A〜C成分またはA〜D成分を所定の割合で有機溶媒中でラジカル重合させるような、当業者周知の方法によって製造される。
上記重合開始剤としては、従来公知の各種重合開始剤を用いることができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、上記重合溶剤としては、特に限定するものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などがあげられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの溶剤は、単独でも複数をあわせて用いてもよい。
このようにして作製された(メタ)アクリル系共重合体を主成分とする本発明に係る樹脂組成物は、粘着剤用樹脂組成物として非常に有用であり、上記樹脂組成物に、架橋剤を配合することにより粘着剤組成物が得られる。なお、架橋方法としては、再現性、製品の安定性、汎用性という観点から、通常、前記架橋性樹脂組成物(粘着剤用樹脂組成物)に架橋剤を配合し架橋反応させる方法があげられ、電子線照射や熱処理を施してもよい。
そして、上記粘着剤組成物に対して、所定の条件にて架橋処理が施される。
上記架橋処理方法としては、電子線照射による架橋、加熱による架橋等があげられるが、なかでも再現性、製品の安定性、汎用性という観点から、架橋剤を用いての加熱架橋処理が好適に用いられる。
上記架橋剤としては、特に限定するものではないが、例えば、エポキシ系、金属塩、金属アルデヒド、アルデヒド系化合物、非アミノ樹脂系アミノ化合物、尿素系、イソシアネート系、金属キレート系、メラミン系、アジリジン系等、通常の粘着剤に使用される架橋剤をあげることができる。なかでも、特にトリレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、イソフォロンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、トリレンジジイソシアネート3量体、イソフォロンジイソシアネート3量体、ヘキサメチレンジイソシアネート3量体、ビュレット型ヘキサメチレンジイソシアネート3量体等のイソシアネート系架橋剤が汎用性、物性の安定性の点で好適に用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記架橋剤の使用量は、特に限定するものではないが、粘着剤用樹脂組成100重量部(以下「部」と略す)に対して0.01〜15部に設定することが好ましく、特に好ましくは0.1〜5部である。上記架橋剤の使用量が少なすぎると、粘着剤が凝集不足となる傾向がみられ、逆に上記架橋剤の使用量が多すぎると、ポットライフの悪化、すなわちゲル化現象が生起する傾向がみられるからである。
さらに、本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて、クマロン−インデン系樹脂やロジンエステル、水添ロジン、重合ロジン、不均化ロジン等のロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、石油系樹脂等の各種粘着付与剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の従来公知の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜配合することができる。これらの添加剤は、単独でまたは2種以上併せて用いられる。これらの添加量は所望する物性が得られるように適時設定すればよい。
上記粘着剤組成物においては、架橋により最終的なゲル分率が10%以上であることが好ましい。すなわち、ゲル分率が少なすぎると、凝集力不足で、粘着剤としての実用物性に乏しくなる傾向がみられるからである。なお、通常、ゲル分率の上限値は100%であるが、好ましい上限値としては96%である。
なお、上記ゲル分率は架橋の目安になるものであり、つぎのような方法により算出される。すなわち、乾燥した粘着剤(アクリル共重合体と架橋剤との併用により架橋された架橋物)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、この金網中に残存した不溶解の架橋物の重量百分率をゲル分率(%)とする。
上記粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成することにより粘着シートを作製することができる。すなわち、上記粘着シートは、例えば、つぎのようにして作製することができる。まず、所定の厚みとなるように基材面に上記粘着剤組成物を塗工し、加熱乾燥することにより粘着剤層を形成する。ついで、必要に応じて上記粘着剤層面に剥離シートを貼り合わせることにより粘着シートを作製することができる。そして、使用時には、上記剥離シートを粘着剤層から剥離して使用に供される。このようにして、基材面に粘着剤層が形成され、さらにこの粘着剤層面に必要に応じて剥離シートが設けられた粘着シートが得られる。
上記基材としては、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属箔;ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルムまたはシート、上質紙、グラシン紙等の紙、硝子繊維、天然繊維、合成繊維等から選択される単層体または複層体があげられる。
さらに、上記剥離シートとしては、特に限定するものではないが、例えば、上記基材で例示した合成樹脂シート、紙、布、不織布等に離型処理したものを使用することができる。
また、上記加熱乾燥条件としては、粘着剤組成物を乾燥させることが可能であればよく、例えば、70〜150℃で1〜5分間程度の条件があげられる。
このようにして得られる粘着シートの厚みは、特に限定するものではなく用途に応じ適宜設定されるが、例えば、30〜300μmの範囲に設定することが好ましい。また、基材の厚みは、15〜75μmの範囲に設定することが好ましく、さらに粘着剤層の厚みは、5〜200μmの範囲に設定することが好ましい。
本発明の粘着シートを利用するにあたっては、特に被着体の種類に制限はないが、例えば、アルミニウム、銅、鉄の金属箔;ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルム、シートまたは板があげられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
「アクリル系共重合体溶液の調製」
アクリル酸ブチル93.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル2.0部、N−ビニルイミダゾール5.0部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1部、酢酸エチル140部を反応器に入れ、攪拌しながら80℃に昇温して重合反応を行い、さらに酢酸エチル30部にアゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液を逐次添加しながら7時間かけて重合させた。反応終了後に希釈溶剤(酢酸エチル)を追加することによりアクリル系共重合体の40重量%溶液を作製した。
「粘着シートの作製」
基材として、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(パナック社製、ルミラーT−25)を用いた。一方、剥離シートには、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(パナック社製、SEPA100)を用いた。また、粘着剤としては、上記アクリル系共重合体溶液の樹脂固形分に対して1.2重量%のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL55E)を添加した粘着剤組成物を作製した。
そして、上記基材の片面に、乾燥後の厚みが25μmとなるように、アプリケーターを用いて上記粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間加熱乾燥させて粘着剤層を形成した。ついで、この粘着剤層面に上記剥離シートを貼り合わせることにより粘着シートを作製した。
〔実施例2〜4、比較例1〜4〕
後記の表1〜表2に示す各成分を用いるとともに、その配合量を後記の表1〜表2に示す割合に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてアクリル系共重合体の40重量%溶液を作製した。
さらに、上記アクリル系共重合体溶液を用いて、上記実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例5,6〕
「アクリル系共重合体溶液の調製」
後記の表1〜表2に示す各成分を用いるとともに、その配合量を後記の表1〜表2に示す割合に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてアクリル系共重合体の40重量%溶液を作製した。
「粘着シートの作製」
基材および剥離シートとしては、実施例1と同様のものを用いた。また、粘着剤としては、上記アクリル系共重合体溶液の樹脂固形分に対して1.0重量%のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX)を添加した粘着剤組成物を作製した。そして、上記実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
このようにして得られた実施例および比較例のアクリル系共重合体溶液および粘着シートを用い、下記の方法に従って特性評価を行った。その結果を後記の表1〜表2に併せて示す。
(1)40℃×3日後の特性
上記粘着シートを、40℃で3日間養生した後、下記の通り粘着力とゲル分率とを測定した。
〔粘着力〕
各粘着シートを裁断して、25mm×120mmの大きさの試験片を作製し、この試験片を、被着体としてステンレス板に2kgのローラーを1往復させる方法で圧着した。24時間放置後、23℃×50%RHの雰囲気下、剥離速度を0.3m/minにて180°剥離力(粘着力)とした。
〔ゲル分率〕
乾燥した粘着剤(アクリル共重合体と架橋剤との併用により架橋された架橋物)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の架橋物の重量百分率をゲル分率(%)とする。
(2)40℃×3日間に加え、さらに70℃×3日後の特性
上記粘着シートを、40℃で3日間養生し、さらに70℃で3日間養生した後、上記と同様にして、ゲル分率、粘着力を測定した。
〔指触タック評価〕
各粘着シートを裁断して、10cm×10cmの大きさの試験片を作製し、この試験片に人差し指を押し当て触感によりタック力を評価した。
○:タック感が強い
△:タック感が弱い
×:タック感がほとんどない
〔耐金属腐食性〕
各粘着シートを裁断して、25mm×100mmの大きさの試験片を作製し、この試験片を、被着体として日本テストパネル社製のテスト用銅板に貼付した。そして、カトー社製の恒温恒湿機で、温度60℃×湿度90%RHの条件下、7日間放置して、銅板の腐食具合を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:銅板表面上に腐食や変色が全くみられない。
△:銅板表面上に若干の変色がみられる。
×:銅板表面上に酷い腐食や変色がみられる。
Figure 0005301779
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上記結果から、実施例品は、高い粘着力およびタック力を示し、耐金属腐食性に関しても銅板表面上に腐食や変色が全くみられず良好な結果が得られた。また、実施例品においては、40℃×3日後からさらに70℃×3日エージング後のゲル分率の変化が少なく、早くに架橋が完結していることがわかり、このことから本発明においては、良好な粘着物性を備えるとともに、その粘着物性が得られるまでの養生時間が短くて済むといった効果をも有するものである。
これに対して、アクリル酸ブチルと酢酸ビニルとアクリル酸で作製された比較例1品は、粘着力に関しては満足のいく値が得られたが、耐金属腐食性に関しては銅板表面上に酷い腐食や変色がみられ評価が悪かった。また、N−ビニルイミダゾールの使用量が特定の範囲未満の比較例2品は、耐金属腐食性に関しては良好な結果が得られたが、粘着力およびタック力が不充分であり、一方、N−ビニルイミダゾールの使用量が特定の範囲を超える比較例3品は、アクリル系共重合体の製造が困難となり、評価不能であった。さらに、窒素原子が1個であるアクリロイルモルホリンを用いた比較例4品は、粘着力および金属腐食性については良好であるものの、ガラス転移温度が高くなりすぎる結果となるためタック感が得られず粘着剤として不充分なものであった。
本発明に係る樹脂組成物は、例えば、剥離型(再剥離型を含む)粘着剤材料等に用いられる。そして、上記樹脂組成物を用いてなる粘着剤組成物を用いて、基材面に粘着剤層を形成してなる粘着シートは、貼付ラベル,電子部材用の固定シート等に有用である。

Claims (2)

  1. 共重合成分として酸基含有不飽和単量体を含有せず、下記の(A)〜(C)成分からなる共重合体を主成分とする粘着剤組成物であって、上記共重合体中の(C)成分から導かれる構造単位が(A)〜(C)成分からなる共重合体の5〜30重量%である共重合体と、架橋剤を含有してなる粘着剤組成物。
    (A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル。
    (B)官能基含有不飽和単量体(ただし、酸基含有不飽和単量体を除く)。
    (C)開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体。
  2. 基材面に、請求項記載の粘着剤組成物を用いて粘着剤層が形成されてなる粘着シート。
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