JP5298692B2 - 有機エレクトロルミネッセンス光源装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と略す場合がある。)光源装置に関する。
複数層の電極間に有機発光層を設け、電気的に発光を得る有機EL素子は、液晶セルに代わる表示素子としての利用の他に、その高発光効率、低電圧駆動、軽量、低コスト等の特徴を生かした、平面型照明、液晶表示装置用バックライト等の面光源としての利用も検討されている。
有機EL素子を面光源として利用する場合、その光取り出し効率を高めることが課題となる。すなわち、有機EL素子の発光層自体は発光効率が高いものの、それが素子を構成する積層構造を透過して出光するまでの間に、層中における干渉等により光量が低減してしまうので、そのような光の損失を可能な限り低減することが求められる。
光取り出し効率を高めるための方法として、例えば特許文献1には、素子の正面方向(0°)の輝度を抑制し、角度50〜70°の輝度を増加させることで、全体的な輝度を高めることが開示されている。
ところで、有機EL素子を面光源に用いる場合、光取り出し効率の向上に加えて、観察角度による色味の変化を低減することが、さらなる課題となる。即ち、面光源を正面方向から観察した場合と、斜め方向から観察する場合とで、その光スペクトルが変化すると、観察角度による色味の変化が発生し、光源として好ましくない。
特開2004−296423号公報
本発明の目的は、観察角度による色味の変化が抑制された有機EL光源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本願発明者らは検討を行った結果、有機EL光源装置に、特定の光学的特性を有する選択反射層を設けることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本願発明を解決するに至った。
したがって、本発明によれば、下記〔1〕〜〔7〕が提供される。
〔1〕 有機エレクトロルミネッセンス発光素子と、選択反射層とを備える有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記有機エレクトロルミネッセンス発光素子が2つ以上の発光強度ピークをもつ有機発光層を有し、前記選択反射層が、その正面方向の透過光の選択反射帯域に、前記発光強度ピークの少なくとも1つのピーク波長を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔2〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、さらに光散乱層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔3〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、さらに凹凸構造層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔4〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記選択反射層が、波長575nmの正面方向の透過率T Y,N、波長575nmの極角60°方向の透過率の平均値T Y,60、波長480nmの正面方向の透過率T B,N、及び波長480nmの極角60°方向の透過率の平均値T B,60が式〔1〕の関係を満たすことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
(T Y,60/T Y,N)>(T B,60/T B,N) 式〔1〕
〔5〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記選択反射層が、正面方向の透過光の選択反射帯域として、波長500nm〜650nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔6〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記選択反射層が、極角60°方向の透過光の選択反射帯域として、波長400nm〜550nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔7〕 前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記有機エレクトロルミネッセンス発光素子が、波長550nm〜600nmの範囲に発光強度ピークを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
本発明の光源装置は、観察角度による色味の変化が少ないため、液晶表示装置のバックライト、照明装置などの光源として有用である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の有機EL光源装置の第1の実施形態の層構成を示す断面図である。図1において、装置100は、基板101と、基板101の入光面(図中の下面)に設けられた発光素子120と、基板101の出光面(図中の上面)に設けられた積層体130とを備え、当該装置の上側の面109が出光面である。積層体130は、基板101側から順に選択反射層131及び基材フィルム132を備える。発光素子120は、基板101側から順に、透明電極111、発光層121及び反射電極112を備える。
基板101としては、ガラス基板、石英ガラス、プラスチック基板などの、有機EL発光素子の基板として通常用いうる基板を採用することができる。
発光素子120を構成する発光層121としては、特に限定されず既知のものを適宜選択することができるが、光源としての用途に適合すべく、一種の層単独又は複数種類の層の組み合わせにより、後述する所定のピーク波長を含む光を発光するものとすることができる。透明電極111及び反射電極112も、特に限定されず既知のものを適宜選択することができる。また、電極間に、発光層に加えてホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層及びガスバリア層等の他の層をさらに有することもできる。
発光素子の具体的な層構成としては、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極の構成、陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成、陽極/正孔注入層/発光層/陰極の構成、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の構成、陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/等電位面形成層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成,陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成などが挙げられる。本発明の有機EL光源装置における発光素子は、一層以上の発光層を陽極と陰極との間に有するものとすることができるが、発光層として、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。各層の材料は特に限定されるものではない。例えば発光材料にはポリパラフェニレンビニレン系・ポリフルオレン系・ポリビニルカルバゾール系などがあげられる。また正孔注入層や正孔輸送層にはフタロシアニン系・アリールアミン系・ポリチオフェン系、電子注入層や電子輸送層にはアルミ錯体・フッ化リチウムなどがあげられる。また、透電位面形成層、あるいは電荷発生層としては、ITO、IZO、SnOなどの透明電極、あるいはAg,Alなどの金属薄膜があげられる。
透明電極111、発光層121、反射電極112及び発光素子を構成するその他の任意の層は、基板101上にこれらを順次積層することにより設けることができる。
本発明において、発光層121は、2つ以上の発光強度ピークをもつ。好ましくは、2つ以上の発光強度ピークのうち1つ以上が、波長500nm〜650nmの範囲であるものとすることができる。
このような発光強度ピークを有する発光層のスペクトルの例を、図3に示す。図3に示すスペクトルでは、波長480nm及び575nmに2つのピークを有する。
このような2つ以上の発光強度ピークは、発光層を、上に述べたように複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層とすることにより得ることができる。
次に、基板101上の、選択反射層131について説明する。本発明において選択反射層とは、ある範囲の波長帯域において、特定の偏光を透過させ、その他の偏光を反射もしくは吸収する性質を有する層であり、選択反射帯域とは、選択反射層がそのような性質を有する波長帯域をいう。
本発明において、選択反射層は、その正面方向の透過光の選択反射帯域に、前記発光強度ピークの少なくとも1つのピーク波長を含む。図3に示した発光素子のスペクトルとの関係において例を述べると、選択反射層は、その正面方向の透過光の選択反射帯域に、波長480nm又は575nmのうち少なくとも一方の波長を含むものとすることができる。
ここで選択反射帯域とは、可視光域380〜780nm中における最大透過率をa[%]、最小透過率をb[%]とするとき、透過率(λ)[%]について:
{a−透過率(λ)}/{a−b}≧0.3
を満たす波長域とする。
好ましくは、選択反射層は、波長575nmの正面方向の透過率T Y,N、波長575nmの極角60°方向の透過率の平均値T Y,60、波長480nmの正面方向の透過率T B,N、及び波長480nmの極角60°方向の透過率の平均値T B,60が式〔1〕の関係を満たすものとすることができる。選択反射層がこのような選択反射帯域を有することにより、観察角度による色味の変化を低減することができる。
(T Y,60/T Y,N)>(T B,60/T B,N) 式〔1〕
また好ましくは、選択反射層は、正面方向の透過光の選択反射帯域として、波長500nm〜650nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有する。さらに、好ましくは、選択反射層は、極角60°方向、すなわち正面方向と60°の角度をなす方向の透過光の選択反射帯域として、波長400nm〜600nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有する。
図3に示した発光素子のスペクトルとの関係において、上に述べた選択反射帯域を有する選択反射特性の例を図2に示す。図2において、角度0°すなわち正面方向の透過光の選択反射特性においては、波長575nmにおいて最大の吸収を有し、正面方向の透過光の選択反射帯域は525nm以上かつ635nm以下である。そして透過光の角度が増加するにつれて最大吸収波長が短波長側にシフトし、それにより前記式〔1〕を満たし、さらに極角60°方向において、最大吸収波長が490nmとなり、選択反射帯域が580nm以下となっている。
図2に示す選択反射特性を有する選択反射層の例において、透過光の入射角度と反射率との関係を測定すると、例えば図6及び図7に示す関係が得られる。図6は波長480nmの青色光について、図7は波長575nmの黄色光についての測定結果である。青色光については図6に示す通り、反射率は入射角度が増加するにつれて上昇するが、黄色光については図7に示す通り、選択反射層の選択反射帯域のシフトにより、入射角度の増加につれて反射率が一旦低下してから増加するという特性が発現する。
かかる選択反射特性を有する選択反射層による、観察角度による色味の変化の抑制の例を、図4及び図5に示す。図5は、図1に示す本発明の有機EL光源装置であって、発光素子(電極111、電極112及び発光層121)として図3に示すスペクトラムを有する素子を用い、選択反射層131として、図2、図6及び図7に示す選択反射特性を有する選択反射層を用いた場合の、出光面109から出射する波長480nmの青色光及び波長575nmの黄色光の配光分布を示すグラフである。一方、図4は、基板101から出射する青色光及び黄色光の配光分布を、選択反射層131及び基材フィルム132を設けずに観察した際の配光分布を示すグラフである。これらのグラフに示される通り、基板101から出射する光は、青色光と黄色光で配光分布に乖離があるのに対し、選択反射層131を透過して出光面109から出射する光は、かかる乖離が縮小している。
本発明の有機EL光源装置において、発光層121は、透明電極111及び反射電極112に電圧が印加されることにより発光する。生じた光の一部は直接透明電極111を透過し、他の一部は反射電極112で反射してから透明電極111を透過する。透明電極111を透過した光は、基板101、選択反射層131及び基材フィルム132を透過して出光する。また、発光層121〜基板101までの間の界面において図中下向きに反射した光は、反射電極112又は他の界面で反射してから出光する。このようなさまざまな経路で出光する光が存在するため、光の干渉が発生する。干渉による光の増減は、波長に応じて異なり、その結果として、光の波長によって、観察角度と輝度との関係が異なり、観察角度による色味の変化をもたらす。このような光を、上に述べた特定の選択反射特性を有する選択反射層131をさらに透過させることにより、観察角度による色味の変化を低減させることができる。
本発明に用いる選択反射層は、上記選択反射帯域を有する限りにおいて、如何なる材質のものを用いてもよく、また如何なる原理の選択反射をするものであってもよいが、好ましい選択反射層の例として、円偏光分離シートを含むものが挙げられる。
選択反射層が円偏光分離シートを有する場合、かかる選択反射層は、選択反射帯域において、特定の円偏光のみを透過しその他の光(他の円偏光、直線偏光等)を反射するものとなる。
前記円偏光分離シートの例としては、コレステリック液晶相を呈しうる組成物(コレステリック液晶組成物)を透明樹脂基材に塗布して液晶層を得、次いで少なくとも1回の、光照射及び/又は加温処理により硬化してなる円偏光分離シートを挙げることができる。
前記コレステリック液晶組成物としては、棒状液晶性化合物であって、それ自体または他の物質と共に硬化しうるものを含む組成物を用いることができる。具体的には例えば、Δn値が0.10以上であって、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶化合物を挙げることができる。
より具体的には、前記棒状液晶性化合物としては、式(1A)で表される化合物を挙げることができる。
3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 式(1A)
(式中、R3及びR4は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3及びD4は単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3〜C6は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
前記、メソゲン基Mが有しうる置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−O−R5、−O−C(=O)−R5、−C(=O)−O−R5、−O−C(=O)−O−R5、−NR5−C(=O)−R5、−C(=O)−NR5、または−O−C(=O)−NR5を表す。ここで、R5及びRは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR6−C(=O)−、−C(=O)−NR6−、−NR6−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明において、該棒状液晶性化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(1A)において、メソゲン基Mを中心としてR3−C3−D3−C5−と−C6−D4−C4−R4が異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
本発明において、前記棒状液晶性化合物は、そのΔn値が0.10以上であることが好ましい。Δn値が0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔn値を有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有する円偏光分離シートを与えることができる。
本発明において、前記棒状液晶性化合物は、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有することが好ましい。前記反応性基としては、具体的にはエポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、オキサゾリン基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、及びアクリル基が挙げられる。これらの反応性基を有することにより、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、安定した硬化物を得ることができる。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有することができる。当該架橋剤としては、液晶組成物を塗布した液晶層の硬化時に同時に反応したり、硬化後に熱処理を行って反応を促進したり、又は湿気により自然に反応が進行して液晶層の架橋密度を高めることができ、かつ配向均一性を悪化させないものを適宜選択し用いることができ、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。架橋剤の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型イソシアネート、ビウレット型イソシアネート、アダクト型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のアルコキシシラン化合物;が挙げられる。また、該架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度や耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。
前記架橋剤の配合割合は、コレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中に0.1〜15重量%となるようにすることが好ましい。該架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られず、逆に15重量%より多いと液晶層の安定性を低下させてしまうため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、任意に光開始剤を含有することができる。当該光開始剤としては、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる公知の化合物が使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、β−アイオノン、β−ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α−アミルシンナックアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェノン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6−メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、アントラセンベンゾフェノン、α−クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1−クロルメチルナフタリン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]や1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(o−アセチルオキシム)、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、所望する物性に応じて2種以上の化合物を混合することができ、必要に応じて公知の光増感剤や重合促進剤としての三級アミン化合物を添加して硬化性をコントロールすることもできる。
該光開始剤の配合割合はコレステリック液晶組成物中0.03〜7重量%であることが好ましい。該光開始剤の配合量が0.03重量%より少ないと重合度が低くなってしまい膜強度が低下してしまう場合があるため好ましくない。逆に7重量%より多いと、液晶の配向を阻害してしまい液晶相が不安定になってしまう場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、任意に界面活性剤を含有することができる。当該界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。当該界面活性剤としては、具体的には、疎水基部分にシロキサン、フッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用でき、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤は、OMNOVA社PolyFoxのPF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−3320、PF−651、PF−652、ネオス社フタージェントのFTX−209F、FTX−208G、FTX−204D、セイミケミカル社サーフロンのKH−40等を用いることができる。界面活性剤の配合割合はコレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中0.05重量%〜3重量%となるようにすることが好ましい。該界面活性剤の配合割合が0.05重量%より少ないと空気界面における配向規制力が低下して配向欠陥が生じる場合があるため好ましくない。逆に3重量%より多い場合には、過剰の界面活性剤が液晶分子間に入り込み、配向均一性を低下させる場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有することができる。当該他の任意成分としては、カイラル剤、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
コレステリック液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記必須成分及び任意成分を混合することにより製造することができる。
本発明において、前記コレステリック液晶組成物を用いて選択反射層を形成する方法としては、前記コレステリック液晶組成物を基材フィルム132に塗布して液晶層を得、次いで少なくとも1回の、光照射及び/又は加温処理により硬化する方法が挙げられる。
基材フィルム132の材質は特に限定されず1mm厚で全光透過率80%以上の基材を使用することができる。具体的には、脂環式オレフィンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、変性アクリルポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルムが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーが特に好ましい。
前記基材フィルムは、必要に応じて、配向膜を有することができる。配向膜を有することにより、その上に塗布されたコレステリック液晶組成物を所望の方向に配向させることができる。配向膜は、基材表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどを水又は溶剤に溶解させた溶液等を、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後乾燥塗膜にラビング処理を施すことにより形成することができる。配向膜の厚さは、所望する液晶層の配向均一性が得られる膜厚であればよく、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがさらに好ましい。
前記基材フィルムへの液晶組成物の塗布は、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法により行うことができる。液晶組成物の塗布層の厚さは、後述する所望の液晶層乾燥膜厚が得られるよう、適宜調整することができる。
前記塗布により得られた塗布層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施すことができる。配向処理は、例えば塗布層を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、コレステリック液晶層を良好に配向させることができる。
必要に応じて配向処理を施した後、コレステリック液晶組成物を硬化させることにより、コレステリック液晶組成物の硬化物である硬化液晶層を得ることができる。前記硬化の工程は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度40〜200℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは50〜140℃、時間は1秒〜3分、好ましくは5〜120秒とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、反射帯域の広い円偏光分離シートとすることもできる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、硬化液晶層とすることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行うこともできる。
本発明において、透明樹脂基材上へのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上の硬化液晶層を形成することもできる。
前記選択反射層において、硬化液晶層の乾燥膜厚は好ましくは0.5μm〜10.0μm、より好ましくは1.0μm〜5.0μmとすることができる。前記硬化液晶層の乾燥膜厚が0.5μmより薄いと反射率が低下してしまい、逆に10.0μmより厚いと、硬化液晶層に対して斜め方向から観察した時に着色してしまうため、それぞれ好ましくない。なお、前記乾燥膜厚は、硬化液晶層が2以上の層である場合は、各層の膜厚の合計を、硬化液晶層が1層である場合にはその膜厚をさす。
上記の工程によって、基材フィルム132及びその上に設けられた選択反射層131を有する積層構造が得られる。これを、基板101上に貼付することにより、図1に示す基板101、選択反射層131及び基材フィルム132の構造を得ることができる。好ましくは、基板101の一面に透明電極111、発光層121及び反射電極112等からなる発光素子120を設けた後、基板101の反対側の面に基材フィルム132及び選択反射層131を有する積層体を貼付することができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の有機EL光源装置の第2の実施形態の層構成を示す断面図である。図8において、装置800は、基板101と選択反射層131との間に、拡散層841を有する点で、第1の実施形態と異なっている。
かかる拡散層841としては:
拡散層(イ):バインダーとしての樹脂にフィラーとしての粒子を分散させたもの、及び
拡散層(ロ):微細な凹凸を有するフィルム
等を用いることができる。
(拡散層(イ))
拡散層として、前記拡散層(イ)(バインダー及びフィラーからなる拡散層)を用いる場合において、バインダーの樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、脂環式構造を有する樹脂等を用いることができる。
前記フィラーの材料は特に限定されず、無機、および有機のフィラーを適宜選択して用いることができる。
無機フィラーとしては、ガラス、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート等からなるもの;有機フィラーとしては、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、またはこれらの架橋物等からなるものが挙げられる。
フィラーの形状としては、特に限定されず、球状、楕円体状、立方体状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられるが、中でも光の拡散方向を等方的にできる点で球状、もしくは球状に近い楕円体状が好ましい。
フィラーの大きさは、好ましくは直径0.2μm〜50μm、より好ましくは0.5μm〜10μmである。尚、ここでいう直径は、完全な球状ではない場合は、同一体積の球の直径で代用される。針状のような一方向に著しく寸法の異なるフィラーの場合は、その方向に垂直な断面の断面積と同一面積の円の直径で代用する。
フィラーの屈折率は、バインダー樹脂の屈折率と異なることが好ましく、屈折率差が0.05以上であることがより好ましい。
フィラーは、単独の素材、大きさ、屈折率等の性質ものを用いてもよく、また、2種類以上のフィラーを混合して用いても良い。また、フィラーとして2種類以上の素材からなるものを用いてもよい。
バインダー及びフィラーからなる拡散層におけるフィラーの含有量は、バインダー100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
拡散層(イ)に含まれるフィラーの平均粒径dと、拡散層の厚みlの比は、好ましくは0.05≦d/l≦0.6、特に好ましくは、0.07≦d/l≦0.3である。0.05未満であると、フィラーの粒径が小さすぎるか、層の膜厚が厚すぎるため、前者であれば必要な散乱特性が得られないおそれが、後者では拡散層が不要な位相差を発生させるおそれがあり、0.6を超えると、拡散層と他の層との接着力が不足し拡散層が剥離するおそれがある。拡散層(イ)の厚さは 0.02〜3.0mmとすることができる。
(拡散層(ロ))
一方、拡散層として、前記拡散層(ロ)(微細な凹凸を有するフィルム)を用いる場合において、かかるフィルムは、拡散層フィルム基材の一方の表面に薄膜を成膜して積層体を得る工程と、前記積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させて前記薄膜を褶曲させる工程とを含む製造方法を用いて製造することが出来る。
(拡散層(ロ):拡散層フィルム基材)
拡散層の製造に用いる拡散層フィルム基材は、薄膜を積層させた後に、面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させることができるものであれば特に限定されない。例えば、拡散層フィルム基材自身が加熱等の手段によって収縮するものであってもよいし、一軸延伸させたときに延伸方向に直交する方向に収縮するものであっても良い。
拡散層フィルム基材の収縮前の平均厚さは、ハンドリングの観点から通常5〜1000μm、好ましくは20〜200μmである。
拡散層フィルム基材は、通常、樹脂や、ゴムもしくはエラストマーで形成されている。樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、有機酸ビニルエステル樹脂、ビニルエーテル樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン樹脂、脂環式構造を有する樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等)、ポリフェニレンエーテル樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体等)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメートル類、セルロースエーテル類等)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等)などが挙げられる。
なお、脂環式構造を有する樹脂としては、前述したものと同様のものを挙げることができるが、例えば、特開平05−310845号公報や米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム共重合体、特開平05−97978号公報や米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報や国際公開99/20676号に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物などが挙げられる。
またゴムもしくはエラストマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。拡散層フィルム基材の材料は、これらのうち、製造が容易な点から熱可塑性樹脂が好ましい。
拡散層フィルム基材を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、加工の容易さの観点からガラス転移温度が60〜200℃であるものが好ましく、100〜180℃であるものがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
また、拡散層フィルム基材を構成する熱可塑性樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより成形加工性が良好となり、機械的強度を向上させることが出来る。この重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定することができる。
拡散層フィルム基材を構成する樹脂や、ゴムもしくはエラストマーは、顔料や染料の如き着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤、拡散粒子、熱可塑性エラストマーその他の配合剤が適宜配合されたものであっても良い。
拡散層フィルム基材は、その製法によって特に制限されない。拡散層フィルム基材の原反は、前述の樹脂等を公知のフィルム成形法で形成することなどによって得られる。拡散層フィルム成形法としては、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
加熱等の手段によってそれ自身が収縮する拡散層フィルム基材は、通常、面内で分子配向していることが好ましい。本来、分子は原子間結合角に応じた低いエネルギー配置状態になろうとする。分子が面内で規則的に並んだ状態は分子の結合状態に歪を含んでおり、高エネルギーの配置状態といえる。この高エネルギーの配置状態になっている拡散層フィルム基材を加熱などしたときに、分子が低エネルギーの配置状態に戻ろうとし、拡散層フィルム基材全体が収縮するのである。分子配向の状態は、公知の方法で測定することが出来、例えば、自動複屈折計KOBRA21ADHを用いて測定することもできる。
加熱等の手段によってそれ自身が収縮する拡散層フィルム基材は、例えば、前述の樹脂等を公知の成形法で原反フィルムに形成し、該原反フィルムを延伸することによって得ることができる。また、延伸処理の代わりに、磁場や電場をかけて又はラビング処理して分子を配向させ収縮性を示すフィルム基材とすることができる。ゴム又はエラストマーを公知の成形法で弾性フィルムに形成し、該弾性フィルムを面内方向に引っ張った状態にすることで、弾性による復元力を利用した収縮性を示すフィルム基材とすることが出来る。さらに硬化性樹脂からなるフィルムをあらかじめ溶剤などで膨潤させ、該膨潤フィルムが乾燥するときに生じる収縮を利用してフィルム基材とすることができる。これらのうち、原反フィルムを延伸することによって得られる収縮性を示すフィルム基材が好ましい。
原反フィルムを延伸することによって得られる収縮性を示す拡散層フィルム基材は、その延伸方法によって特に制限されず、一軸延伸法、二軸延伸法のいずれで延伸したものであっても良い。二軸延伸の場合は、通常、フィルム面内の二つの方向に収縮することになる。延伸処理する方法としては、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法;テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法等の二軸延伸法;などが挙げられる。
主たる収縮方向の収縮率が大幅に高くなると、主たる収縮方向に直交する方向に伸びが生じることがあり、その伸びによって凹凸形状に亀裂が生じることがある。この収縮時の亀裂発生を抑制することができるという観点から、(i)延伸時の縦方向の収縮を好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下に抑えて横方向に一軸延伸する(横一軸延伸法)か、(II)縦方向および横方向に二軸延伸する(二軸延伸法)ことが好ましい。
延伸に用いる装置として、例えば、縦一軸延伸機、テンター延伸機、バブル延伸機、ローラ延伸機などが挙げられる。
延伸時の温度は、拡散層フィルム基材を構成する材料のガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは(Tg−30℃)と(Tg+60℃)の間、より好ましくは(Tg−10℃)と(Tg+50℃)の間の温度から選択される。延伸倍率は、使用するフィルムの引っ張り特性に応じて、所望する凹凸の寸法になるように適宜選択すればよい。
高い凹凸を得たい場合には、薄膜の膜質や厚さにもよるが、概ね延伸倍率を高く設定する。低い凹凸を得たい場合には、延伸倍率を低く設定する。例えば、主たる延伸方向の延伸倍率は、通常1.01〜30倍であり、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.05〜5倍である。前記延伸倍率が1.01倍より小さい場合には、凹凸形状が発生しないおそれがあり、30倍より大きい場合には、フィルム強度が低下するおそれがある。このため、延伸倍率は、前記好適な範囲とすることができる。
(拡散層(ロ):薄膜)
前記薄膜の収縮前の平均厚さは、1nm〜50μmであることが好ましい。薄膜の厚さは、透過電子顕微鏡にて、薄膜の垂直断面を写真撮影し、該写真像から厚さの平均値を求める。
薄膜としては、無機薄膜及び有機薄膜がある。本発明に用いる無機薄膜は無機物質からなるものである。薄膜を構成する無機物質としては、金属;金属酸化物や金属窒化物などの金属化合物;非金属;非金属酸化物などの非金属化合物などが挙げられ、具体的には、アルミニウム、珪素、マグネシウム、パラジウム、白金、亜鉛、錫、ニッケル、銀、銅、金、アンチモン、イットリウム、インジウム、ステンレス鋼、クロム、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、ランタン、セリウムなどの金属もしくは非金属;またはこれらの酸化物や窒化物;又はそれらの混合物が挙げられる。
無機薄膜の平均厚さは、1nm〜5μmであることが好ましい。1nmより薄すぎると凹凸形状が形成しづらくなり、5μmより厚すぎると収縮時に無機薄膜層にクラックが発生しやすくなる。無機薄膜を用いると、凸部頂点間の平均距離が50nm〜10μmの微細な凹凸形状が容易に得られる。
無機薄膜を形成する方法は、特に制限されず、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD(化学蒸着)等の蒸着法;スピンコート法、デイツビング法、ロールコート法、スプレー法、ベーパー法、グラビアコータやブレードコータなどのコータ法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の塗布法;無電解めっき法、電解めっき法などが挙げられる。
有機薄膜としては、収縮によって薄膜が褶曲構造をとるものであれば特に制限されない。有機薄膜は、拡散層フィルム基材を収縮させる温度条件下での収縮率が、拡散層フィルム基材の収縮率より小さいものであることが好ましい。有機薄膜の平均厚さは、100nm〜50μmであることが好ましい。100nmより薄すぎると凹凸形状が形成しづらくなり、50μmより厚すぎると凹凸の制御が難しくなるため好ましくない。有機薄膜を用いると、凸部頂点間の平均距離が500nm〜50μmの微細な凹凸形状が容易に得られる。
有機薄膜としては熱可塑性樹脂からなるものと、硬化性樹脂からなるものとが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、前記拡散層フィルム基材に用いることができるものとして例示したものと同様のものを挙げることができる。また、薄膜は、前記拡散層フィルム基材に用いる樹脂同様に配合剤を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂からなる有機薄膜の形成方法としては、(1)拡散層フィルム基材を構成する樹脂と、薄膜を構成する樹脂とを共押出する方法;(2)熱可塑性樹脂を薄膜に成形し、これを拡散層フィルム基材に貼り合わせる方法;(3)拡散層フィルム基材の表面に熱可塑性樹詣を含有する溶液を塗布し乾燥する方法等が挙げられる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性のものと、エネルギー線硬化性のものとがある。なお、エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線などのことをいう。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性不飽和基(例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、スチリル基、ビニル基等)および/またはカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、オキセタニル基等)の官能基を有する樹脂で、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリプタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、硬化性樹脂の中に光重合開始剤、光増感剤などを含ませる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
硬化性樹脂からなる薄膜には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等の配合剤が含まれていてもよい。
硬化性樹脂からなる有機薄膜の形成方法は、特に限定されない。硬化性樹脂からなる有機薄膜は、例えば、拡散層フィルム基材面に硬化性樹脂の組成物を塗布し、硬化することによって得られる。硬化性樹脂薄膜を形成する際、拡散層フィルム基材のガラス転移温度T1より5℃以上低い温度で熱処理することが望ましい。薄膜形成の際に高い温度がかかると、拡散層フィルム基材がアニールされ、設計どおりに収縮しなくなるおそれがある。有機薄膜としては、微細な凹凸形状の制御が容易な場合があるため、硬化性樹脂薄膜を用いることが好ましい。
(拡散層(ロ):褶曲誘起構造)
この製造方法においては、拡散層フィルム基材表面に薄膜を形成する前に、薄膜の褶曲を引き起こさせるための構造(褶曲誘起構造)を拡散層フィルム基材の表面に形成すること、または拡散層フィルム基材表面に薄膜を形成した後で且つ該基材を収縮させる前に、該薄膜の褶曲を引き起こさせるための構造(褶曲誘起構造)を薄膜に形成することを含むことが、凹凸形状(条列)の凸部(凸条または凹条)の頂点間の距離の均一性を向上させたい場合には、好ましい。該構造は、基材が収縮したときに薄膜の褶曲を引き起こさせる構造であれば特に限定されず、例えば、ラビング処理やその他の方法で表面に付けた傷、インクジェットプリンターや印刷機等で載せたインク印、エンボス加工やインプリントなどで付与した凹凸などが挙げられる。褶曲誘起構造は一定間隔の位置に形成されることが好ましい。褶曲誘起構造の間隔は、所望する凹凸形状の凸部頂点間の距離とは直接に関係無いので、所望の凹凸形状の凸部頂点間の距離よりも狭くても、広くても良いが、凹凸形状の凸部頂点間の所望距離の0.05倍〜100倍の褶曲誘起構造の間隔にすることが好ましい。
次に、前記薄膜を表面に形成した拡散層フィルム基材を収縮させ、薄膜を褶曲させる。拡散層フィルム基材を収縮させる方法は、拡散層フィルム基材の種類に応じて適宜選択すればよい。
拡散層フィルム基材の収縮率は、拡散層フィルム基材の収縮によって薄膜が褶曲したときに薄膜等に亀裂などが生じないようにするために、主たる収縮方向の収縮率ΔL、および主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMが、式〔7〕および式〔8〕を満たすことが好ましい。
なお、ΔLおよびΔMは式〔5〕および式〔6〕でそれぞれ定義される。
式〔5〕:ΔL=(L0−L1)/L0×100(L0:主たる収縮方向の収縮前の長さ、L1:主たる収縮方向の収縮後の長さ)
式〔6〕:ΔM=(M0−M1)/M0×100(M0:主たる収縮方向に直交する方向の収縮前の長さ、M1:主たる収縮方向に直交する方向の収縮後の長さ)
式〔7〕:ΔL>0
式〔8〕:−(ΔL×0.3)≦ΔM≦ΔL
微細凹凸形状の異方性を強くしたい場合、すなわち、凹凸形状を面内でストライプ状に細長く伸びた構造にしたい場合には、式〔7〕および式〔9〕を満たすことが好ましい。
式〔9〕:−(ΔL×0.2)≦ΔM≦(ΔL×0.2)
このように収縮条件を変更するだけで、凸部頂点間距離、凹凸の高さ等を任意に調整できるので条列を有する拡散層の製造に好適である。
なお、主たる収縮方向は、収縮する度合い(収縮率)が最も大きい方向である。例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して得られた拡散層フィルム基材は加熱によって収縮する。フィルムの延伸を一軸方向にだけ行った場合には、通常、該延伸方向が主たる収縮方向になる。また二軸方向に延伸を行った場合には、通常、延伸した二つの方向のうち延伸倍率の大きい方向が主たる収縮方向になる。
熱可塑性樹脂からなるフィルムを一軸延伸すると、延伸時に延伸方向に直交する方向にフィルムが収縮する。この延伸時の収縮を利用した拡散層フィルム基材では、延伸方向に直交する方向が主たる収縮方向である。なお、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMの値がマイナスのときは、収縮処理においてフィルムが伸びたことを表す。主たる収縮方向にフィルムが収縮したときに、主たる収縮方向に直交する方向の伸びが大きくなりすぎると薄膜に亀裂が生じやすくなる。
主たる収縮方向に直交する方向の収縮率は、1%〜90%であることが好ましく、1%〜50%であることがより好ましい。
拡散層(ロ)の凹凸の高さは、0.3μm以上であることが、良好な拡散及び色味補正の効果が得られるため好ましい。
(第3実施形態及び第4実施形態)
図10及び図11は、本発明の有機EL光源装置の第3の実施形態である有機EL光源装置1100及び第4の実施形態である有機EL光源装置1200の層構成を示す断面図である。
上に述べた第2実施形態の光源装置800では、基板101及び選択反射層131の間に拡散層841を設けたが、第3の実施形態のように、拡散層1141を、光源装置の出光面109上に位置するように構成することもできる。このような装置は、例えば、基板101上に、必要に応じて配向膜(不図示)を設けた後、選択反射層の材料となる前記コレステリック液晶組成物及び拡散層の材料となる前記バインダー及びフィラーの組成物を順次塗布し硬化することによって製造することができる。
また、第4の実施形態のように、基材フィルム1252上に拡散層1241及び選択反射層131を設けた積層物を、接着層1251を介して貼付することにより、これらが装置表面に設けられた有機EL光源装置1200とすることもできる。
(第5実施形態)
また、図8を用いて説明すると、本発明の有機EL光源装置の第5の実施形態の層構成は、基板101と選択反射層131との間に、拡散層841に代えて凹凸構造物1361を有している構成であり、この点で図8に示す第2の実施形態と異なっている。
ここで、構造物1361の形状は、表面に傾斜角を有する面が2つ以上形成されていれば良く、ウェーブ状、プリズム形状、矩形状、円錐状などが挙げられる。また規則的に配列していても良いし、ランダムな配置であっても良い。
本発明の有機EL光源装置の用途は、特に限定されないが、観察角度による色味が少ない利点を生かした、液晶表示装置のバックライト、照明装置などの光源とすることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<製造例1:円偏光分離シートの調製>
(P1−1:透明樹脂基材フィルムの調製)
脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(株式会社オプテス製、商品名「ゼオノアフィルムZF14−100」)の両面をコロナ放電処理した。5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材フィルムを調製した。
(P1−2:硬化液晶層の形成)
下記の組成で、硬化液晶層を構成するためのコレステリック液晶組成物を調製した。
固形分率40重量%
液晶性化合物(Δn(ne−no)=0.13を有する棒状液晶化合物 95.70重量部
光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名IRG907)3.1重量部
界面活性剤(セイミケミカル株式会社製、商品名KH−40)0.11重量部
カイラル剤(BASF社製、商品名LC756)4.30重量部
溶媒 メチルエチルケトン 154.82重量部
このコレステリック液晶組成物を♯4のワイヤーバーを使用して、上記(P1−1)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材フィルムの、配向膜を有する面に塗布した。塗膜を100℃で5分間乾燥及び配向熟成した。塗膜にさらに紫外線を1.0mJ/cm(UV−A:365nm±5nm)を照射し、100℃で1分間保持し、次いで紫外線を500mJ/cm2照射して塗膜を硬化させて、基材フィルム132上に、配向膜を介し乾燥膜厚2μmの選択反射層131が設けられた円偏光分離シートを作製した。得られた円偏光分離シートの反射スペクトルを分光光度計(日本分光社製JASCO V−550)を用いて測定したところ、図2、図6及び図7に示す通りの選択反射測定を有していた。
<実施例1>
図1に示す、本発明の第1実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
(1−1:発光素子の調製)
厚さ1.1mmのガラス製の基板101の一方の面上に、透明電極111、有機発光層121及び反射電極112を含む有機EL発光素子を設けた。
この段階で、有機EL発光素子に電流を通電し、基板101から出光する波長480nmの青色光及び波長575nmの黄色光についての配光分布を測定したところ、図4に示す結果を得た。
(1−2:有機EL光源装置の製造)
さらに、基板101の他の面上に、製造例1で得た円偏光分離シートを、選択反射層131が基板101に面するよう貼付し、図1に示す構成を有する有機EL光源装置を製造した。得られた有機EL発光素子に電流を通電し、出光面109から出光する波長480nmの青色光及び波長575nmの黄色光についての配光分布を測定したところ、図5に示す結果を得た。
図4及び図5の結果の対比から明らかな通り、発光素子に加えて円偏光分離シートを備える本発明の有機EL光源装置は、円偏光分離シートを設けていない発光素子に比べて、青色光と黄色光の配光分布の差が小さく、観察角度による色味の変化が少ないことが分かる。
<実施例2>
図8に示す、本発明の第2実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
(2−1:拡散剤が分散した樹脂基材の製造))
透明樹脂に脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン(株)、ゼオノア)97重量部と、光拡散剤にポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子(GE東芝シリコーン(株)、トスパール120)3重量部とを混合し、2軸押出機で混練してストライド状に押し出し、ペレタイザーで切断して光拡散基材用ペレットを製造した。このペレットから、射出成形機を用いて、両面が平滑な、厚み0.7mmの基材を成形した。
(2−2:有機EL光源装置の製造)
(製造例1)で得られた円偏光分離シートと上記(2−1)で得られた樹脂基材を、選択反射層131/拡散層841/基板101の順になるように貼付して積層体を調製した。この積層体と、実施例1の工程(1−1)で得たガラス製の基板101/透明電極111/有機発光層121/反射電極112の層構成を有する有機EL発光素子とを貼付し、図8に示す構成を有する有機EL光源装置を製造した。得られた有機EL発光素子に電流を通電し、出光面109から出光する波長480nmの青色光及び波長575nmの黄色光についての配光分布を測定したところ、図9に示す結果を得た。
図4及び図9の結果の対比から明らかな通り、発光素子及び円偏光分離シートに加えてさらに拡散層を備える本発明の有機EL光源装置は、円偏光分離シートを設けていない発光素子に比べて、青色光と黄色光の配光分布の差が小さく、観察角度による色味の変化が少ないことが分かる。また、図5及び図9の対比から明らかな通り、拡散層を備えることにより、青色光と黄色光の配光分布の差は、拡散層を備えない実施例1の有機EL光源装置よりさらに小さくなっている。
<実施例3>
(3−1:透明樹脂基材フィルムの調製)
脂環式オレフィン樹脂(日本ゼオン社製、ZEONOR1420、ガラス転移温度136℃)のペレットを、窒素を流通させた熱風乾燥機を用いて、100℃で4時間乾燥した。次いでこのペレットを、50mmφのスクリューを備えたTダイ式フィルム溶融押出成形機を使用して、溶融樹脂温度260℃で押出し成形することにより、幅650mm、厚さ188μmのフィルムを製造し、両端25mmずつをトリミングして幅600mmの脂環式オレフィン樹脂からなる原反フィルムを得た。
幅600mmの原反フィルムの両端をクリップに把持させて、テンター延伸機内に導入し、温度140℃でフィルム幅方向に1.3倍、フィルム流れ方向に1倍の延伸倍率になるように横一軸延伸し、延伸機から出た延伸フィルムをクリップから外し、両端を連続的にトリミングして幅700mmの基材フィルムを得た。
前記フィルム基材の両面をコロナ放電処理し、5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材フィルムを調製した。
(3−2:凹凸構造をもった円偏光分離シートの調製)
製造例1の工程(P1−2)で調製したものと同一のコレステリック液晶組成物を、♯4のワイヤーバーを使用して、上記(3−1)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材フィルムの、配向膜を有する面に塗布した。塗膜を100℃で5分間乾燥及び配向熟成した。塗膜にさらに紫外線を1.0mJ/cm(UV−A:365nm±5nm)を照射し、100℃で1分間保持し、次いで紫外線を500mJ/cm2照射して塗膜を硬化させて、基材フィルム132上に、配向膜を介し乾燥膜厚2μmの選択反射層131が設けられた円偏光分離シートを作製した。
次いで薄膜の表面をフィルム流れ方向にラビング処理した。走査型電子顕微鏡で観察したところ、薄膜の表面にフィルム流れ方向に沿った線状の傷が一様に付いていた。次に該積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=20%で収縮させた。
前記収縮フィルムを、日立製作所製電界放出型走査電子顕微鏡S−4700にて観察したところ、ストライプ状に細長く伸びた微細な凹凸形状が表面に均一に形成されていた。
(3−3:有機EL光源装置の製造)
上記(3−2)で得られた、凹凸構造をもった円偏光分離シートを、有機EL素子に貼付し、有機EL光源装置を製造した。
本発明の一実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す断面図である。 図1に示す有機EL光源装置における選択反射層の、様々な観察角における透過波長と透過率との関係を示すグラフである。 図1に示す有機EL光源装置における、発光素子の発光スペクトラムを示すグラフである。 図1に示す有機EL光源装置における、基板101から出射する青色光及び黄色光の配光分布を示すグラフである。 図1に示す有機EL光源装置における、出光面109から出射する青色光及び黄色光の配光分布を示すグラフである。 図1に示す有機EL光源装置における選択反射層の、青色光の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。 図1に示す有機EL光源装置における選択反射層の、黄色光の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。 本発明の別の一実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す断面図である。 図2に示す有機EL光源装置における、基板101から出射する青色光及び黄色光の配光分布を示すグラフである。 図2に示す有機EL光源装置における、基材フィルム132から出射する青色光及び黄色光の配光分布を示すグラフである。 本発明の別の一実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す断面図である。
符号の説明
101 基板
111 透明電極
112 反射電極
121 発光層
131 選択反射層
132 基材フィルム
841、1141、1241 拡散層
1251 接着層
1252、1352 基材フィルム
1361 構造物

Claims (6)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス発光素子と、
    この有機エレクトロルミネッセンス発光素子の光出射側に配置される選択反射層と、を備え、
    前記有機エレクトロルミネッセンス発光素子が、2つ以上の発光強度ピークをもつ有機発光層を有し、
    前記選択反射層が、その正面方向の透過光の選択反射帯域に、前記発光強度ピークの少なくとも1つのピーク波長を含み、
    前記選択反射層が、波長575nmの正面方向の透過率T Y,N 、波長575nmの極角60°方向の透過率の平均値T Y,60 、波長480nmの正面方向の透過率T B,N 、及び波長480nmの極角60°方向の透過率の平均値T B,60 が式〔1〕:
    (T Y,60 /T Y,N )>(T B,60 /T B,N ) 式〔1〕
    の関係を満たすことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    さらに光散乱層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  3. 請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    さらに凹凸構造層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    前記選択反射層が、正面方向の透過光の選択反射帯域として、波長500nm〜650nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    前記選択反射層が、極角60°方向の透過光の選択反射帯域として、波長400nm〜550nmの範囲内に1つ以上の選択反射帯域を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス発光素子が、波長550nm〜600nmの範囲に発光強度ピークを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
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