JP5298519B2 - 電池学習システム - Google Patents

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Description

本発明は、電池学習システムに係り、特に、電気化学反応によって作動する電池の出力特性を、実測された特性値の学習によって逐次更新する電池学習システムに関する。
例えば、燃料電池の制御を行う場合の動作点を求めるには、燃料電池の出力特性として、電流−電圧特性、あるいは電流−電力特性が用いられる。前者はいわゆるI−V特性であり、後者はいわゆるI−P特性である。燃料電池の出力特性は、燃料電池の運転状況によって変化するものであるので、時々刻々の実測によって学習を行いながら更新される。
例えば、特許文献1には、燃料電池の電源制御処理に用いられるI−V特性について、燃料電池の運転状態に応じてI−V特性の補正を行う学習について述べられている。ここでは、燃料電池システムが定常運転中であるか否かが判断され、定常運転中でないときはI−V特性の更新に適さないとして現在記録されているI−V特性に基いて電源制御処理が行われ、定常運転中であると判断されると、I−V特性更新のための処理に移行する。I−V特性更新のための処理では、現時点における燃料電池の出力電流値が予め定められた所定のステップ毎の値に該当するか否かが判断され、該当しないときには、現在記録されているI−V特性に基いて電源制御処理が行われ、該当するときには、電圧センサからの実電圧値に基いてI−V特性が更新されることが開示されている。
また、実施形態2として、燃料電池の交流インピーダンスを算出する手段を備え、交流インピーダンスに対応する内部抵抗による電圧降下を排除した理論I−V特性を取得することが述べられている。この理論I−V特性についても、定常運転中であって所定のステップ毎の電流値のときに更新が行われることが述べられている。
特開2007−48628号公報
特許文献1によれば、燃料電池の現時点の出力電流値と電圧値とを特性値として、出力特性線であるI−V特性線の学習を行うことができる。
このように、電池の出力特性の学習を行うには、電池の出力値の実測が必要である。電池の出力特性線としては、予め定めた所定の特性ステップ点における出力値を特性値として各特性値を結んで離散的な出力特性線とするものが用いられるが、電池の出力値の実測は、必ずしも全部の特性ステップ点について常時行われるとは限られない。この場合に、既に学習済みの出力特性線について、今回の実測特性値に対応する特性ステップ点の特性値を実測特性値に置き換えて更新すると、その前後で、出力特性線が不連続な変化を有することが生じ得る。電池の出力特性は、電流−電圧特性あるいは電流−電力特性において、電池の電気化学反応に対応して、一般的には単調変化の特性である。したがって、出力特性線の不連続な変化は、電池の電気化学反応からみて不自然であり、例えば、電池の電源制御にこの出力特性線をそのまま用いると、制御誤差を生じることがある。
本発明の目的は、より正確な出力特性線を得ることができる電池学習システムを提供することである。
本発明に係る電池学習システムは、横軸に電流値、縦軸に電圧値を取った電流−電圧平面上に、所定の配列の刻みで格子状に配置された複数の点を特性ステップ点とし、前記電流値と、該電流値に対応する前記電圧値との組合せを特性値とし、電池について任意の前記電流値に対応する前記電圧値を実測して実電圧値を検出し、任意の前記電流値と前記実電圧値との組合せを実測特性値として取得する取得手段と、前記実測特性値に一致する前記特性値を有する前記特性ステップ点を実測特性ステップ点とし、2つの前記実測特性ステップ点の間で前記実測特性値が存在しない領域における前記特性ステップ点を未学習の特性ステップ点として、前記電池の電気化学反応における前記電流値が増加すると前記電圧値が一定かあるいは減少する単調減少特性に対応するように、前記未学習の特性ステップ点の前記特性値を計算特性値として推定計算する算出手段と、前記実測特性ステップ点と、前記計算特性値に一致する前記特性値を有する前記特性ステップ点とを順次結んで、最初の電流−電圧特性線を作成する作成手段と、前記作成手段において前記最初の電流−電圧特性線を作成した後で前記取得手段によって取得した前記実測特性値に基づく学習によって既に得られている電流―電圧特性線を順次更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電池学習システムにおいて、前記算出手段は、前記電池の代表的な電流−電圧特性線を基本電流−電圧特性線として複数の前記基本電流−電圧特性線を予め有しており、複数の前記実測特性ステップ点を結んだ部分的電流−電圧特性線に最も近い前記基本電流−電圧特性線に基づいて前記計算特性値を推定計算することが好ましい。
また、本発明に係る電池学習システムにおいて、前記算出手段は、前記実測特性ステップ点に最も近い前記未学習の特性ステップ点から始まって、さらに遠い前記未学習の特性ステップ点に向かって、前記計算特性値を順次推定計算することが好ましい。
また、本発明に係る電池学習システムにおいて、電池は燃料電池であることが好ましい。
上記構成により、電池学習システムは、既に得られている出力特性線について、電池の実出力値を実測した実測特性値に対応する出力特性線の該当する特性ステップ点の特性値を実測特性値に置き換えて更新し、それ以外の特性ステップ点の特性値を計算特性値として算出する際に、既に得られている出力特性線と、実測特性値と、計算特性値とを結ぶ離散的出力特性線が、電池の電気化学反応に対応して予め定められる所定の単調変化条件を満たすように計算特性値を算出する。
電池の出力特性は、電流−電圧特性あるいは電流−電力特性において、電池の電気化学反応に対応して、一般的には単調変化の特性である。したがって、所定の単調変化条件を適切に設定することで、電池の電気化学反応からみて自然で、より正確な出力特性線を得ることができる。
また、電池学習システムにおいて、未学習の特性ステップ点が残されているときに、未学習の特性ステップ点の特性値を計算特性値として算出する初期学習手段を含む。これによって、初期学習において、全部の特性ステップ点を実測せずに、未学習の特性ステップ点については計算特性値を算出することで、初期出力特性線を得ることができ、迅速に初期学習を終えることができる。
また、電池学習システムにおいて、電池の出力特性が電池の電流−電圧特性のときは、所定の単調変化条件として、電流値の増加に対し電圧値が単調に減少する条件を用いる。ここで、単調減少とは、電流値の増加に対し電圧値が増加しない広義の意味で用いており、したがって、電流値の増加に対し、電圧値は一定値か、あるいは減少することである。これにより、実測特性値を反映しながら、単調減少特性を有する電池の電流−電圧特性に合わせることができる。
また、電池学習システムにおいて、電池の活性化過電圧を用い、電池の電流−電圧特性として、電池の電流−活性化過電圧特性の学習を行う。電池の活性化過電圧特性は、電池の内部抵抗の影響を排除したものであるので、電池の作動条件等の影響を比較的受けにくい。したがって、この電流−活性化過電圧特性を学習し、これに基いて電流−電圧特性等の出力特性を更新することで、より正確な出力特性線を得ることができる。
また、電池学習システムにおいて、電池の出力特性が電池の電流−電力特性のときは、
所定の単調変化条件として、電流値の増加に対し電力値が単調に増加する条件を用いる。ここで、単調増加とは、電流値の増加に対し電力値が減少しない狭義の意味で用いており、したがって、電流増加に対し、電力値はプラス勾配で増加することである。ここで、隣接する特性ステップ点の間の電力/電流の勾配が予め定めた所定の閾値勾配よりも大きな勾配とする。これにより、実測特性値を反映しながら、単調増加特性を有する電池の電流−電力特性に合わせることができる。
また、電池学習システムにおいて、実測特性ステップ点に最も近い他の特性ステップ点から始まって、さらに遠い他の特性ステップ点に向かって、計算特性値を順次算出するので、実測特性値からの乖離を少なくして、より正確な出力特性線を得ることができる。
また、電池学習システムにおいて、電池は燃料電池であるので、燃料電池の出力特性線をより正確なものとすることが可能になる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、出力特性線の学習を行う電池として、燃料電池を説明するが、これ以外の電池であっても、電気化学反応によって作動する電池であればよい。例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、マンガン電池等の2次電池であってもよい。
また、以下では、電池学習システムを備え、その学習によって得られる燃料電池の出力特性線に基いて燃料電池を含む電源の駆動制御を行う燃料電池システムを説明するが、燃料電池の駆動制御と切り離した電池学習システム単独の構成としてもよい。この場合には、燃料電池と学習を実行するコンピュータとで電池学習システムを構成することができ、また、その学習結果を、別途データ転送等で、燃料電池駆動制御装置に伝送することができる。
また、以下では、電源回路として、高電圧の蓄電装置、燃料電池、電圧変換器、高電圧作動のインバータを含む構成を説明するが、これ以外の要素を含むものとしてもよい。例えば、システムメインリレー、低電圧バッテリ、低電圧作動のDC/DCコンバータ等を含むものとできる。インバータは、モータ・ジェネレータ(M/G)である回転電機を負荷とするものとして説明するが、勿論、燃料電池用の補機を負荷とするインバータを設けるものとしてもよい。
図1は、電池学習システムを備える燃料電池システム10の構成を示す図である。燃料電池システム10は、電源回路11と、負荷である回転電機22と、記憶装置38と、制御部40とで構成される。ここで、電池学習システムは、電源回路11の構成要素である燃料電池30と、高周波信号源32と、電流検出手段34と、電圧検出手段36と、記憶装置38と、制御部40の構成要素である電池学習部42とを含む部分に相当する。
電源回路11は、蓄電装置12と、2次電池側の平滑コンデンサ14と、電圧変換器16と、燃料電池側の平滑コンデンサ18と、燃料電池30と、インバータ20とを含んで構成される。また、電源回路11には、燃料電池30の側に、高周波信号源32、電流検出手段34、電圧検出手段36が設けられる。
蓄電装置12は、充放電可能な高電圧2次電池であって、電圧変換器16を介して燃料電池30との間で電力の融通を行い、回転電機22等の負荷の変動に対応する機能を有する。かかる蓄電装置12としては、例えば、約200Vから約300Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。なお、電池学習システムは、電池化学反応によって作動する電池の出力特性線の学習に適用することが可能であるので、リチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池に適用することができるが、以下では、電池学習システムは燃料電池30の出力特性線の学習にのみ適用されるものとして説明する。
電圧変換器16は、蓄電装置12と燃料電池30の間に配置される回路である。例えば、燃料電池30の電力が不足するときは、蓄電装置12の側から電圧変換器16を介して電力が負荷に供給され、蓄電装置12を充電するときは電圧変換器16を介して燃料電池30の側から蓄電装置12に電力が供給される。かかる電圧変換器16としては、リアクトルを含む双方向型コンバータを用いることができる。
電圧変換器16の両側にはそれぞれ平滑コンデンサが設けられる。すなわち、電圧変換器16と蓄電装置12とを結ぶ正極側母線と負極側母線との間に、2次電池側の平滑コンデンサ14が設けられ、電圧変換器16と燃料電池30とを結ぶ正極側母線と負極側母線との間に、燃料電池側の平滑コンデンサ18が設けられる。
燃料電池30は、燃料電池セルを複数組み合わせて、約200Vから約300V程度の高電圧の発電電力を取り出せるように構成された一種の組電池で、燃料電池スタックと呼ばれる。ここで、各燃料電池セルは、アノード側に燃料ガスとして水素を供給し、カソード側に酸化ガスとして空気を供給し、固体高分子膜である電解質膜を通しての電池化学反応によって必要な電力を取り出す機能を有する。
インバータ20は、制御部40の制御の下で、高電圧直流電力を交流三相駆動電力に変換し、回転電機22に供給する機能と、逆に回転電機22からの交流三相回生電力を高電圧直流充電電力に変換する機能とを有する回路である。かかるインバータ20は、スイッチング素子とダイオード等を含む回路で構成することができる。
電流検出手段34は、燃料電池30の出力電流値を検出する機能を有し、燃料電池30の負極側母線に直列に配置される。場合によっては、燃料電池30の正極側母線に電流検出手段34を配置するものとしてもよい。かかる電流検出手段34としては、適当な電流計を用いることができる。
電圧検出手段36は、燃料電池30の出力電圧値を検出する機能を有し、燃料電池30の正極側母線と負極側母線との間に燃料電池30と並列に配置される。かかる電圧検出手段36としては、適当な電計を用いることができる。


高周波信号源32は、燃料電池30のインピーダンスを測定するために、燃料電池30の負極側母線に高周波信号を付与するためのものである。付与された高周波信号は、電流検出手段34と電圧検出手段36によって直流成分とは別に交流成分として検出される。直流成分からは、燃料電池30の出力電流値としての直流電流値と、出力電圧値としての直流電圧値をそれぞれ得ることができる。そして、交流成分からは、周知の交流インピーダンス法によって、燃料電池30のインピーダンスを算出することができる。
回転電機22は、例えば車両に搭載されるモータ・ジェネレータであって、電源回路側から電力が供給されるときはモータとして機能し、制動時には発電機として機能する三相同期型回転電機である。回転電機22は、ここでは電源回路11の負荷の例示として示されている。
記憶装置38は、制御部40で実行されるプログラム等を格納する機能を有するが、ここでは特に、燃料電池30の出力特性線ファイル39を記憶する機能を有する。ここで、燃料電池30の出力特性線について、図2から図4を用いて説明する。以下では、図1の符号を用いて説明する。
燃料電池30の出力特性線とは、燃料電池30の出力特性について、予め定めた所定の特性ステップ点における出力値を特性値として各特性値を結んで得られる離散的な特性線である。
図2には、出力特性を電流−電圧特性として、横軸に電流(I)、縦軸に電圧(V)を取ったI−V平面上に、格子状に配置された特性ステップ点60の様子が示されている。図2の例では、特性ステップ点60の電流(I)に関する刻みΔSは、一定として示されているが、この刻みΔSは必ずしも一定値でなくてもよい。すなわち、特性ステップ点60の配列は、予め定めてあればよく、その配列の刻みは電流(I)、電圧(V)に関し、一定値である必要はなく、測定領域によって粗い配列、細かい配列とすることができる。
図1で説明した電流検出手段34によって検出された電流値、電圧検出手段36によって検出された電圧値は、図2における特性ステップ点60に一致する値のみが取得される。図2において黒丸で示された特性ステップ点が、測定によって取得された燃料電池30の実測された特性値62である。したがって、特性値は、(I=実出力電流値、V=実出力電圧値)の組合せで示される。そして、図2において破線で示される線が、実測された特性値62を結んで得られる離散的な特性線64で、これが燃料電池30の出力特性線である。
図3は、燃料電池30の出力特性線としての電流−電圧特性線を模式的に示す図である。なお、以下では、燃料電池30の電流−電圧特性線をI−V特性線、電流−電圧特性をI−V特性と呼ぶことにする。燃料電池30には内部抵抗があるので、I−V特性線は、この内部抵抗による電圧降下の影響を受ける。ここで、内部抵抗の大きさは、インピーダンスを測定し、その直流成分を抜き出すことで得ることができる。
図3には、燃料電池30の内部抵抗の大きさによってI−V特性線がどのように変化するかが示されている。同じ電流値のとき、内部抵抗が少ないほど、電圧値は大きくなる。すなわち、内部抵抗をゼロとしたときのI−V特性線66が最も電圧値が高い特性線となり、内部抵抗があるときのI−V特性線67は、内部抵抗が大きいほど、電圧値が低下する特性線となる。
内部抵抗をゼロとしたI−V特性線66は、燃料電池30について実測された出力電圧値である実電圧値から、燃料電池30の内部抵抗による電圧降下分を排除した電圧値を用いていることになる。実電圧値から内部抵抗による電圧降下を排除した電圧値は、活性化過電圧または理論電圧と呼ばれる。したがって、I−V特性線66は、電流−活性化過電圧特性線、または理論I−V特性線と呼ばれる。
理論I−V特性線は、図3のI−V特性線66に示されるように、電流ゼロから電流が増加すると急激に電圧値が低下し、一定値に落ち着く。そして、さらに電流値が増加すると、一定値の電圧値から急激に電圧値が低下し、電圧値がゼロとなる。このように、理論I−V特性線は、電圧値が一定の範囲を有し、それ以外の領域では、電流が増加すると必ず電圧が低下する特性を有する。すなわち、理論I−V特性線においては、電流が増加するときは、電圧値は減少するか、一定値を取り、増加することはない。このように電流値の増加に対し、電圧値は増加することのない特性を有するので、これを単調減少特性と呼ぶことができる。ここでは、電流値の増加に従って電圧値が常に減少するとの狭義の意味での単調減少ではなく、電圧値が一定のことも含む広義の意味での単調減少である。この特性は、燃料電池30の電気化学反応の特性に基くものであり、燃料電池以外の電気化学反応によって作動する電池一般に見られる特性でもある。
電流検出手段34によって実測された実電流値と、電圧検出手段36によって実測された実電圧値とを用いるI−V特性線を実I−V特性線と呼ぶことにすると、実I−V特性線は、理論I−V特性線に内部抵抗による電圧降下が含まれたものとなる。電圧降下は、電流値をI、内部抵抗値をRとして、IRドロップとして与えられ、内部抵抗値が一定であれば、電流が増加すると必ず増加する。すなわち、図3のI−V特性線67に見られるように、電流値が増加すれば、電圧値が必ず低下する。すなわち、実I−V特性線においては、電流が増加するときは、電圧値は狭義の意味の単調減少となり、一定値を取ることも、増加することもない。
上記では、燃料電池の出力特性線として、I−V特性線を説明したが、燃料電池システム10の電源駆動制御に用いることのできる出力特性線として、電流−電力特性線を用いることができる。以下では、電流−電力特性線をI−P特性線、電流−電力特性をI−P特性と呼ぶことにする。
I−P特性線は、燃料電池30の出力電流値に対する出力電力値の関係を示す特性線である。燃料電池30の出力電力値は、電流検出手段34によって検出される実電流値に、電圧検出手段36によって検出される実電圧値を乗じて得ることができる。上記のように、燃料電池30における実電圧値は、実電流値の増加に対し単調減少するので、これに実電圧値を乗じたものはどのような変化をするかであるが、実際のところは、実電流値の増加に対し、電力値は単調増加する。その様子を図4に示す。ここに示されるように、燃料電池30のI−P特性線68は、電流値の増加とともに電力値が単調増加するが、電流値の小さいときに増加率が大きく、電流値が増加するにしたがい、増加率が低下する。しかし、電流値の増加に対し、電力値が一定値になることも、減少することもない。
このように、燃料電池30の出力特性線としては、実I−V特性線、理論I−V特性線、I−P特性線を用いることができる。そして、これらについて、実測値を用いて更新を行うことで、出力特性線の学習を行うことができる。図1の記憶装置38には、出力特性線ファイル39として、これらの出力特性線の学習結果等が記憶される。
ところで、学習を行う際に、今回の実測特性値に対応する特性ステップ点の特性値を実測特性値に置き換えて更新すると、その前後で、出力特性線が不連続な変化を有することが生じ得る。上記のように、電気化学反応に基いて作動する燃料電池30において、その出力特性は、実I−V特性線において広義の単調減少特性であり、理論I−V特性線においては狭義の単調減少特性であり、I−P特性線においては単調増加特性であり、いずれも単調変化特性を有し、不連続特性を有しない。
したがって、燃料電池30の出力特性線の学習において、今回の実測特性値に対応する特性ステップ点の特性値を実測特性値に置き換えて更新すると、その前後で、出力特性線が不連続な変化を有するときには、燃料電池30の出力特性線が本来有する単調変化条件に合うように、補正を行う必要がある。
そこで、図1に戻り、制御部40は、燃料電池システム10を構成する各要素を全体として統一された動作を行うように制御する機能を有するとともに、ここでは、燃料電池30の出力特性線の学習を行い、その結果に基いて、燃料電池システム10の電源駆動制御を行う機能を有する。そして、特に、燃料電池30の出力特性線の学習において、実測特性値を置き換えて更新する際に、出力特性線が不連続な変化を有するときに必要な補正を行う機能を有する。
具体的には、制御部40は、燃料電池30の出力特性線について実測値に基く学習を行う電池学習部42と、その結果に基いて、燃料電池システム10の電源駆動制御を行う電源駆動制御モジュール50とを含んで構成される。そして、電池学習部42は、実測値に基いて最初の出力特性線を作成する初期学習モジュール44と、初期学習が終了したI−V特性線について、実測値に基いて更新と必要な補正を行うI−V特性線学習モジュール46と、初期学習が終了したI−P特性線について、実測値に基いて更新と必要な補正を行うI−P特性線学習モジュール48とを有する。
かかる機能は、ソフトウェアによって実現でき、具体的には、燃料電池学習プログラムを実行することで実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
かかる構成の作用、特に制御部40の電池学習部42の各機能について、図5から図12を用いて詳細に説明する。これらの図は、いずれも燃料電池の出力特性線を示す図で、図5から図10までがI−V特性線、図11と図12がI−P特性線である。以下では、図1から図4の符号を用いて説明する。
出力特性線の学習には、最初の出力特性線を作成する初期学習と、既に得られている出力特性線について、実測された特性値に基いて出力特性線を更新する通常学習とがある。最初に、初期学習の機能について説明する。ここでは、出力特性線としてI−V特性線の場合を説明する。図5から図8は、初期学習におけるI−V特性線の作成、及び必要な補正の様子を示す図である。
初期学習においては、図2で説明した特性ステップ点における燃料電池30の実電流値と実電圧値を用いて、I−V特性線を作成する。したがって、図2で説明した特性ステップ点の刻みであるΔSごとに実測を行えばよいが、初期学習ではできるだけ迅速に最初のI−V特性線を得たい。そこで、I−V特性線で変化の激しい領域である電流の小さい領域を刻みΔSで実測した後は、特性ステップ点を飛ばして実測を行う。この場合、実測していない特性ステップ点については、未学習であるので、その特性ステップ点についての特性値を推定計算して、計算特性値を求める必要がある。
I−V特性線で未学習の特性ステップ点について計算特性値を求めるには、まず、未学習領域の始発点となる特性ステップ点を特定する。以下では、電流値のステップで、m番目の特性ステップ点から未学習であるとする。換言すれば、m−1番目までの特性ステップ点までは既に測定済みか学習済みである。次に、実測点の特性値はそのまま用いる。そして、実測点の特性ステップ点をn番目として、その実測特性ステップ点に最も近い未学習の特性ステップ点から始まって、さらに遠い未学習の特性ステップ点に向かって、計算特性値を順次求める。こうすることで、実測点近傍の特性ステップ点の特性値の精度が高くなり、実測特性値からの乖離を少なくして、より正確な出力特性線を得ることができる。
計算特性値の算出には、燃料電池の電気化学反応の特性から、I−V特性線が単純減少特性を有することを利用する。すなわち、隣接する2つの特性ステップ点の間で、電流値が大きい方の特性ステップ点の電圧値が電流の小さい方の特性ステップ点の電圧値より同じか小さくなるように、実測測定点から始まって順次遠くの特性ステップ点に向かって計算特性値の算出を行う。このようにするとき、n番目の実測点からm−1番目の特性ステップ点に向かっては特性値が同じか増加することになるが、増加しすぎると、I−V特性線全体として単調減少とならずに変極点等の特異点が出る。したがって、特異点をできるだけ少なくするように、補正を行う。
このような計算特性値の算出には、基準となるI−V特性を参照すると算出が容易となる。すなわち、いままでに実績のあるI−V特性は、電流値の増加に対し、電圧値が必ず同じか減少する特性を有するからである。この基準となるI−V特性を用いて、既に学習済みの特性ステップ点と接続するときに不連続が生じるときは、不連続を最小限とする補正を行えばよい。以下にその手順を説明する。以下の手順は、図1で説明した電池学習部42の初期学習モジュール44の機能により実行される。
図5は、電流の小さい領域について実測を行った状態を示す図である。ここでは、実測された部分が学習済みとして、実線で示されている。図5において、m−1として示されているのは、特性ステップ点のm−1番目まで実測が行われたことを示すもので、m番目の特性ステップ点から未学習領域が始まり、これより電流値の大きい領域が未学習領域である。
m番目の特性ステップ点以降の未学習領域については、m−1番目までの学習領域で得られた部分的I−V特性線70に基いて、I−V特性線を推定する。この推定には、いままで得られている燃料電池30の代表的なI−V特性の中で、部分的I−V特性線70を延長したものに最も近い特性線を用いることができる。したがって、滑らかで、単調減少特性で、部分的I−V特性線70に連続的に接続する特性線が用いられる。このようにして得られた推定I−V特性線は、理想的な燃料電池のI−V特性線に近く、これを以後の計算特性値の算出の基準として用いるので、これを基本I−V特性線72と呼ぶことにする。
このようにして、まずは、実測された部分的I−V特性線70に連続して接続される基本I−V特性線を設定する。これが初期学習の出発点となる。次に、上記のように、m番目以降の未学習領域において、特性ステップ点を飛ばして実測が行われる。実測が行われたところをn番目の特性ステップ点として、n≧mである。
m番目以降が未学習領域であるときに、n番目の特性ステップ点が実測され、その実電圧値が、基本I−V特性線72上にあれば、基本I−V特性線72において、m番目からn番目までは基本I−V特性線72を用いることができ、これによって、n番目の特性ステップ点までが学習済みとして扱うことができる。m番目以降が未学習領域であるときに、n番目の特性ステップ点が実測され、その実電圧値が、基本I−V特性線72上にない場合には、その食い違いを補正する必要がある。
図6は、第1の補正の手順を示す図である。ここでは、実測点74であるn番目の特性ステップ点の実電圧値が基本I−V特性線72の上にない。この場合、実測点74を通るように、基本I−V特性線72を平行移動する。図6では、実測点74を通る平行移動I−V特性線76が示されている。
I−V特性線は、燃料電池30の電気化学反応の特性から、電流値の増加に応じて電圧値が広義の単調減少の特性を示す。したがって、n≧mであるときは、平行移動I−V特性線76が、既に実測された実電圧値よりも大きな電圧値を有するときは、燃料電池30の電気化学反応の特性から見て不自然なことになる。その場合には、補正を行う。図7と図8は、補正の2つの例について説明する図である。
図7は、実測点74であるn番目の特性ステップ点の実電圧値が、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値よりも小さい場合である。このときには、実測点74を通る平行I−V特性線76を、その電圧値がm−1番目の特性ステップ点の実電圧値以下となる領域で用いる。平行I−V特性線76の電圧値が、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値を超えることとなる領域では平行I−V特性線76を用いない。この領域では、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値を補正I−V特性線78として用いる。
つまり、n≧mである未学習領域では、学習済みの特性ステップ点の電圧値と実測特性ステップ点の電圧値の中の大きな電圧値よりも小さい電圧値となる条件で、平行I−V特性線76を補正する。このようにして得られる複数のI−V特性線70,78,76が、この場合の初期学習I−V特性線となる。
図8は、実測点75であるn番目の特性ステップ点の実電圧値が、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値より大きい場合である。このときにも、実測点75を通る平行I−V特性線76を、その電圧値がm−1番目の特性ステップ点の実電圧値以下となる領域で用いる。平行I−V特性線76の電圧値が、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値を超えることとなる領域では、平行I−V特性線76を用いずに、実測点75であるn番目の特性ステップ点の実電圧値を一定値のまま、補正I−V特性線78として用いる。このようにしてもなお、補正I−V特性線78の電圧値は、m−1番目の特性ステップ点の実電圧値より大きいので、補正I−V特性線78の適用範囲は、未学習領域のみとし、すなわちm番目の特性ステップ点以降とする。次に、m−1番目の特性ステップ点とm番目の特性ステップ点とを結ぶ。この範囲のI−V特性線79には、電圧値に不連続が見られることになるが、特性ステップ点の間における最小限の刻みの範囲に不連続性が止められている。
ここでも、最小限の不連続性を除いて、未学習領域では、学習済みの特性ステップ点の電圧値と実測特性ステップ点の電圧値の中の大きな電圧値よりも小さい電圧値となる条件で、平行I−V特性線76が補正される。このようにして得られる複数のI−V特性線70,79,78,76が、この場合の初期学習I−V特性線となる。
このように、I−V特性線の初期学習においては、実測点74、75に最も近い未学習の特性ステップ点から、さらに遠い未学習の特性ステップ点に向かって、平行I−V特性線76について順次補正が行われる。その補正は、電流値の増加に対し、電圧値が広義の単調減少となる条件の下で行われる。こうして、実測点74、75の結果を反映しつつ、例外を最小限に止めて、燃料電池30の電気化学反応からみて自然な単調減少特性を満たす初期学習のI−V特性線を得ることができる。
上記では、I−V特性線を実I−V特性線、つまり、燃料電池30の内部抵抗を含んだ特性線として説明したが、同様の考え方で、理論I−V特性線の初期学習を行うことができる。この場合には、次の手順で、各特性ステップ点において活性化過電圧を求める。すなわち、燃料電池30において、高周波信号源32を用いるときの電流検出手段34、電圧検出手段36が検出する交流成分より、燃料電池30のインピーダンスを求める。そして、その実軸成分と虚軸成分の分解から内部抵抗を求め、直流電流値と内部抵抗の積より内部抵抗による電圧降下を求め、これを直流電圧値から差し引いて、活性化過電圧値を算出する。このようにして、各特性ステップ点における電流値と電圧値とインピーダンス値とから、各特性ステップ点における活性化過電圧を算出する。
電流−活性化過電圧特性線は、上記のように、電流値の増加に対し、電圧値が狭義の単調減少特性を有する。したがって、実I−V特性線の初期学習に、基本I−V特性線として、実績のある実I−V特性線を用いたと同様に、理論I−V特性線の初期学習における基本I−V特性線として、実績のある理論I−V特性線を用いることができる。そして、上記の手順、及び狭義の単調減少条件の下で、未学習領域において計算特性値を算出することで、理論I−V特性線についても初期学習を行うことができる。
次に、このようにして得られた初期学習済みのI−V特性線を、その後の実測値に基いて学習して更新する通常学習の手順について図9、図10を用いて説明する。以下の手順は、図1で説明した電池学習部42のI−V特性線学習モジュール46の機能により実行される。
ここでは、既に学習済みのI−V特性線が得られているので、その後に実測されたn番目の特性ステップ点の実電圧値が、この学習済みI−V特性線の上にあれば問題がない。実測された電圧値が学習済みI−V特性線の上にないときに、単調減少特性を満たすように、補正を行う必要が出てくる。図9、図10に、補正の2つの例を示す。これらの図において、学習済みI−V特性線を、I−V特性線80とし、実測された特性ステップ点を実測点82,83としてある。
図9は、実測点82であるn番目の特性ステップ点の実電圧値が、学習済みのI−V特性線80上の電圧値よりも大きい場合である。このときには、実測点82よりも電流値の小さい特性ステップ点の電圧値を、実測点82の実電圧と同じにする。そして、実測点82よりも電流値の大きい特性ステップ点の電圧値は、学習済みのI−V特性線80上の電圧値とする。つまり、n+1番目の特性ステップ点から以降が学習済みのI−V特性線80上の電圧値を取ることになる。このようにして、実測点82を含むI−V特性線全体として、広義の単調減少特性を有するものとできる。ここでは、電流値の小さい方から大きい方に向かって、複数のI−V特性線80,84,85,80が、補正後のI−V特性線となる。このようにして、実測点82の特性値を反映した学習が行われる。
図10は、実測点83であるn番目の特性ステップ点の実電圧値が、学習済みのI−V特性線80上の電圧値よりも小さい場合である。このときには、実測点83よりも電流値の大きい特性ステップ点の電圧値を、実測点83の実電圧と同じにする。そして、実測点83よりも電流値の小さい特性ステップ点の電圧値は、学習済みのI−V特性線80上の電圧値とする。つまり、n−1番目より手前の特性ステップ点から学習済みのI−V特性線80上の電圧値を取ることになる。このようにして、実測点83を含むI−V特性線全体として、広義の単調減少特性を有するものとできる。ここでは、電流値の小さい方から大きい方に向かって、複数のI−V特性線80,87,86,80が、補正後のI−V特性線となる。このようにして、実測点83の特性値を反映した学習が行われる。
ここでも、実測点から始まって、隣接する2つの特性ステップ点の間で、電流値が大きい方の特性ステップ点の電圧値が電流の小さい方の特性ステップ点の電圧値より小さくなるように、順次遠くの特性ステップ点に向かって補正が行われる。その補正は、電流値の増加に対し、電圧値が広義の単調減少となる条件の下で行われる。つまり、初期学習の場合に未学習の特性ステップ点における計算特性値の算出のときの補正と同じ条件の下で、I−V特性線に対する学習における補正が行われていることになる。なお、上記では、実I−V特性線の学習について説明したが、理論I−V特性線の学習についても同様の条件の下で、同様な手順を行うことができる。
次に、出力特性線としてI−P特性線の場合を説明する。I−P特性線においても、初期学習と、初期学習の後の実測値による学習とがある。既にI−V特性線で説明したように、初期学習のときも、その後の学習のときも、同様な考え方の条件を用いるので、ここでは、初期学習によって学習済みのI−P特性線が得られた後に行われる学習について説明する。
I−P特性線の学習の場合でも、実測点の特性値がそのまま用いられることは、I−V特性線の場合と同じである。そして、実測点の特性ステップ点をn番目として、その実測特性ステップ点に最も近い未学習の特性ステップ点から始まって、さらに遠い未学習の特性ステップ点に向かって、推定特性値を順次算出することも同じである。I−V特性線の場合と異なるのは、燃料電池の電気化学反応の特性から、実I−V特性線が広義の単純減少特性、理論I−V特性線が狭義の単純減少特性であるのに対し、I−P特性線が狭義の単調増加特性を有することである。
したがって、I−V特性線の場合に、隣接する2つの特性ステップ点の間で、電流値が大きい方の特性ステップ点の電圧値が電流の小さい方の特性ステップ点の電圧値と同じか小さくなるように補正等を行ったが、I−P特性線の場合は、隣接する2つの特性ステップ点の間で、電流値が大きい方の特性ステップ点の電力値が電流の小さい方の特性ステップ点の電力値より大きくなるように補正等を行う。ここで、I−P特性線は、一定値を取らず必ず単調増加特性となるので、勾配=電力値/電流値について、予め定めた所定の閾値勾配よりもプラス側に大きくなるように、推定等を行うことがよい。なお、閾値勾配は、プラスの値である。
そこで、初期学習済みのI−P特性線を、その後の実測値に基いて学習して更新する手順について説明する。以下の手順は、図1で説明した電池学習部42のI−P特性線学習モジュール48の機能により実行される。
ここでは、既に学習済みのI−P特性線が得られているので、その後に実測されたn番目の特性ステップ点の実電力値が、この学習済みI−P特性線の上にあれば問題がない。実測された電力値が学習済みI−P特性線の上にないときに、単調増加特性を満たすように、補正を行う必要が出てくる。図11、図12に、補正の2つの例を示す。これらの図において、学習済みI−P特性線を、I−P特性線90とし、実測された特性ステップ点を実測点92,93としてある。
図11は、実測点92であるn番目の特性ステップ点の実電力値が、学習済みのI−P特性線90上の電力値よりも小さい場合である。このときには、n番目の特性ステップ点である実測点92よりも電流値の小さい特性ステップ点について、実測点92から出発しながら、実測点92に向かう勾配=電力値/電流値が、閾値勾配よりも大きなプラス勾配となるように電力値を補正する。勾配の大きさとしては、実際には、閾値勾配とすればよい。閾値勾配としては、実績のあるI−P特性線90の全範囲における勾配の中で最も小さな勾配、あるいは、その最小勾配に適当な係数を乗じた重み付き勾配を用いることができる。また、n番目の特性ステップ点である実測点92よりも電流値の大きい特性ステップ点については、学習済みのI−P特性線90の電力値と同じにする。すなわち、n+1番目の特性ステップ点から、学習済みのI−P特性線90上の電力値を取ることになる。このようにして、実測点92を含むI−P特性線全体として、狭義の単調増加特性を有するものとできる。ここでは、電流値の小さい方から大きい方に向かって、複数のI−P特性線90,94,95,90が、補正後のI−P特性線となる。このようにして、実測点92の特性値を反映した学習が行われる。
図12は、実測点93であるn番目の特性ステップ点の実電力値が、学習済みのI−P特性線90上の電力値よりも大きい場合である。このときには、n番目の特性ステップ点である実測点93よりも電流値の大きい特性ステップ点について、実測点93から出発しながら、実測点93からの勾配=電力値/電流値が、閾値勾配よりも大きなプラス勾配となるように電力値を補正する。また、n番目の特性ステップ点である実測点93よりも電流値の小さい特性ステップ点については、学習済みのI−P特性線90の電力値と同じにする。すなわち、n−1番目の特性ステップ点から、学習済みのI−P特性線90上の電力値を取ることになる。このようにして、実測点93を含むI−P特性線全体として、狭義の単調増加特性を有するものとできる。ここでは、電流値の小さい方から大きい方に向かって、複数のI−P特性線90,97,96,90が、補正後のI−P特性線となる。このようにして、実測点93の特性値を反映した学習が行われる。
このように、実測点から始まって、隣接する2つの特性ステップ点の間で、勾配=電力値/電流値が閾値勾配よりも大きいプラス勾配となるように、順次遠くの特性ステップ点に向かって補正が行われる。なお、I−P特性線の初期学習についても、同様の条件の下で、未学習領域における隣接する2つの特性ステップ点の間で、勾配=電力値/電流値が閾値勾配よりも大きいプラス勾配となるように、補正を同様な手順で行うことができる。
本発明に係る実施の形態の電池学習システムを備える燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、出力特性を電流−電圧特性として、格子状に配置された特性ステップ点の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、燃料電池の電流−電圧特性線を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、燃料電池の電流−電力特性線を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習の手順のうち、電流の小さい領域について実測を行った状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習の手順のうち、実測点を通るように、基本I−V特性線を平行移動する様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習で補正を行う1つの例について説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習で補正を行う他の例について説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習済みのI−V特性線の学習で補正を行う1つの例について説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習済みのI−V特性線の学習で補正を行う他の例について説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習済みのI−P特性線の学習で補正を行う1つの例について説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電池学習システムにおいて、初期学習済みのI−P特性線の学習で補正を行う他の例について説明する図である。
符号の説明
10 燃料電池システム、11 電源回路、12 蓄電装置、14,18 平滑コンデンサ、16 電圧変換器、20 インバータ、22 回転電機、30 燃料電池、32 高周波信号源、34 電流検出手段、36 電圧検出手段、38 記憶装置、39 出力特性線ファイル、40 制御部、42 電池学習部、44 初期学習モジュール、46 I−V特性線学習モジュール、48 I−P特性線学習モジュール、50 電源駆動制御モジュール、60 特性ステップ点、62 特性値、64 特性線、66,67,70,72,76,78,79,80,84,85,86,87 I−V特性線、68,90,94,95,96,97 I−P特性線、74,75,82,83,92,93 実測点。

Claims (4)

  1. 横軸に電流値、縦軸に電圧値を取った電流−電圧平面上に、所定の配列の刻みで格子状に配置された複数の点を特性ステップ点とし、
    前記電流値と、該電流値に対応する前記電圧値との組合せを特性値とし
    電池について任意の前記電流値に対応する前記電圧値を実測して実電圧値を検出し、任意の前記電流値と前記実電圧値との組合せを実測特性値として取得する取得手段と、
    前記実測特性値に一致する前記特性値を有する前記特性ステップ点を実測特性ステップ点とし、2つの前記実測特性ステップ点の間で前記実測特性値が存在しない領域における前記特性ステップ点を未学習の特性ステップ点として、
    前記電池の電気化学反応における前記電流値が増加すると前記電圧値が一定かあるいは減少する単調減少特性に対応するように、前記未学習の特性ステップ点の前記特性値を計算特性値として推定計算する算出手段と、
    前記実測特性ステップ点と、前記計算特性値に一致する前記特性値を有する前記特性ステップ点とを順次結んで、最初の電流−電圧特性線を作成する作成手段と、
    前記作成手段において前記最初の電流−電圧特性線を作成した後で前記取得手段によって取得した前記実測特性値に基づく学習によって既に得られている電流―電圧特性線を順次更新する更新手段と、
    を備えることを特徴とする電池学習システム。
  2. 請求項1に記載の電池学習システムにおいて、
    前記算出手段は、
    前記実測特性ステップ点に最も近い前記未学習の特性ステップ点から始まって、さらに遠い前記未学習の特性ステップ点に向かって、前記計算特性値を順次推定計算することを特徴とする電池学習システム。
  3. 請求項1に記載の電池学習システムにおいて、
    前記算出手段は、
    前記電池の代表的な電流−電圧特性線を基本電流−電圧特性線として複数の前記基本電流−電圧特性線を予め有しており、複数の前記実測特性ステップ点を結んだ部分的電流−電圧特性線に最も近い前記基本電流−電圧特性線に基づいて前記計算特性値を推定計算することを特徴とする電池学習システム。
  4. 請求項1に記載の電池学習システムにおいて、
    前記電池は燃料電池であることを特徴とする電池学習システム。
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