JP5295684B2 - 超音波診断装置及び診断パラメータ自動計測方法 - Google Patents

超音波診断装置及び診断パラメータ自動計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波診断装置及び診断パラメータ自動計測方法に係り、特に、生体内の血流速度をドップラ情報に基づいて計測することができる超音波診断装置及び診断パラメータ自動計測方法に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された圧電振動子から発生する超音波信号を被検体内に送信し、被検体内からの反射信号を画像化して各種の診断を行うための装置である。診断用の画像としてBモード画像やカラードップラ画像が広く用いられている。
一方、被検体の血管内や心臓内の血流情報を定量的にかつ精度よく測定する方法として、ドップラスペクトラム法がある。ドップラスペクトラム法では、血管内や心臓内の所望の方向に超音波ビームを向けて送信し、受信信号から所望の深度の信号をレンジゲートによって切り出す。切り出した受信信号の系列に対してFFT等の演算を施してドップラスペクトラムを求め、さらに求めたドップラスペクトラム(ドップラ周波数)から血流速度や速度成分の強さ等の血流情報を得ている。
心臓や血管の内部のどの位置の血流情報を得るかは予め指定する必要があるが、この指定は、通常Bモード画像を用いて行う。Bモード画像上で特定の方向やレンジを指定し、指定した方向とレンジからの受信信号を抽出してその部位のドップラスペクトラムを求めている。
超音波診断装置によって得られるドップラスペクトラムは、通常、横軸に時間、縦軸に周波数をとって画像化し、また周波数成分毎の強度を画像の輝度として表現している。この画像を、ドップラ画像或いはドップラ波形画像と呼んでいる。
また、ドップラスペクトラムから血流の最高流速Vpや平均流速Vmを求め、横軸に時間、縦軸に最高流速Vpや平均流速Vmをとった波形も求めている。この波形をトレース波形と呼んでいる。トレース波形はハードディスク等の適宜の記憶手段に保存され、必要に応じて超音波診断装置の表示部に表示される。
心臓の機能を評価し或いは診断する場合に、上記のトレース波形から得られる診断パラメータが非常に有用となる。
例えば、心機能を評価する場合、左室流入血流(LV-Inflow)流速や、肺静脈血流(PV)流速等に対してトレース波形を求め、このトレース波形から各種診断パラメータを求めている。
左室流入血流波形に対しては、E波(拡張早期波)やA波(心房収縮期波)の振幅(振幅が血流速度に対応する)、E波とA波の振幅比E/A、DCT(E波の減速時間(Deceleration Time))等が診断パラメータとして広く用いられている。
また、肺静脈血流波形に対しては、S波(収縮期順行性血流)、D波(拡張期順行性血流)、AR波(収縮期逆行性血流)の振幅等が診断パラメータとして用いられている。
従来、これらの診断パラメータは、医師や技師等のユーザによるマニュアル操作によってトレース波形から読み取られていた。例えば、左室流入血流波形から診断パラメータを読み取る場合には、表示部に静止表示したトレース波形に対して2つのタイムカーソルを配置し、2つのタイムカーサの位置をE波とA波のピークに夫々ユーザが一致させる。そして、2つのタイムカーサの位置にあるE波の振幅とA波の振幅を装置が読み取り、診断パラメータとして表示部に表示する。また、読み取ったE波とA波の振幅から、振幅比E/Aを算出し、診断パラメータとして表示する。
また、減速時間DCTを求める場合は、一方のタイムカーサをE波のピークに合わせ、他方のタイムカーサをE波が減速してほぼゼロとなる位置に合わせる。そして、装置が2つのタイムカーサの時間差を読みとって、診断パラメータDCTを表示する。
このように、従来は、ユーザのマニュアル操作によって診断パラメータを求めていたため、操作が煩雑となるばかりでなく、診断パラメータを得るまでに多くの時間を要していた。
さらに、ドップラスペクトラム自体はほぼリアルタイムで得られるにもかかわらず、診断パラメータの取得は上記のようにマニュアル操作が介在するため、診断パラメータをリアルタイムで取得することは事実上不可能であった。
このような不都合を解消するため、診断パラメータを自動計測する技術が特許文献1等に開示されている。
特許文献1では、トレース波形から極大点、極小点のペアを複数求め、これらのペアの中からE波とA波のピーク時刻とピーク値を夫々自動的に求める技術等が開示されている。また、E波のピーク値からの下降曲線に対して接線を設定し、この接線とベースラインとが交わる時刻とE波のピーク時刻との間隔から減速時間DCTを求める技術も開示されている。
特開2006−102489号公報
しかしながら、超音波診断装置によって得られるドップラスペクトラムは、必ずしも必要な情報のみが含まれているとは限らない。
例えば、左室流入血流の速度情報を得ようとする場合、左心室入り口近傍の反射信号からドップラスペクトラムを取得することが多いが、左心室と左心房の間には僧帽弁と呼ばれる弁や僧帽弁を支持する多数の腱索が存在する。このため、計測するドップラスペクトラムには、評価対象とする左室流入血流のドップラ信号の他に、僧帽弁や腱索の動きに対応するドップラ信号が不要ドップラ信号として混在することになる。
例えば、左室流入血流のE波の減速時間DCTを測定しようとした場合、その測定対象範囲に、僧帽弁や腱索の影響が混入している割合は、30%程度もあると言われている。
このため、特許文献1等に開示されている従来の方法でDCTを自動計測することは、現実問題としてはほぼ困難な状況となっていた。
E波の減速時間DCTは、心機能を評価する上で重要な診断パラメータの1つであり、信頼性の高いDCTの自動計測技術が強く求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、血流からのドップラスペクトラムに弁や腱索の影響が混入している場合であっても、E波の減速時間DCTを高い信頼性で自動計測することができる超音波診断装置及び診断パラメータ自動計測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る超音波診断装置は、心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成するドップラ処理部と、前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成するトレース波形生成部と、生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出するピーク波形検出部と、前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は検出した前記ピーク波形の減速領域の波形を前記評価用減速波形とする評価波形生成部と、前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する減速時間算出部と、心電波形を入力する心電波形入力部と、複数の心電波形を取得する一方、血流以外の影響を受けていないピーク波形を各心電波形に同期させて取得し、取得した前記複数の心電波形と前記複数の純正血流のピーク波形とから、パラメトリックシステム同定モデルのパラメータを予め求めて記憶するパラメータ記憶部と、を備え、前記評価波形生成部は、実時間で入力される前記心電波形と、前記パラメータ記憶部に記憶されている前記パラメトリックシステム同定モデルのパラメータとから推定ピーク波形を実時間で生成し、
実時間で得られる前記ピーク波形と前記推定ピーク波形との振幅差が所定の閾値を超えている場合は、前記血流以外の影響による変動があると判断し、前記閾値を超えている期間の波形を前記ピーク波形から除去することによって前記評価用減速波形を生成する、ことを特徴とする。
本発明に係る超音波診断装置、及び診断パラメータ自動計測方法によれば、血流からのドップラスペクトラムに弁や腱索の影響が混入している場合であっても、E波の減速時間DCTを高い信頼性で自動計測することができる。
本発明に係る超音波診断装置、及び診断パラメータ自動計測方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
(1)構成
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。超音波診断装置1は、超音波プローブ2、基準信号生成部3、送受信部4、システム制御部5、操作部6、ドップラ信号検出部7、ドップラ処理部8、カラードップラデータ生成部9、Bモードデータ生成部10、表示部11、記憶部12、血流評価部20等を備えて構成されている。
超音波プローブ2は、被検体の体表面に先端部を接触させて超音波の送受信を行うデバイスであり、1次元或いは2次元に配列された複数の微小な圧電振動子をその先端部に有している。圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気信号を超音波パルスに変換し、受信時には被検体から反射された超音波信号を電気信号に変換する。超音波プローブ2には、リニア走査対応、セクタ走査対応、コンベックス走査対応等のものがあり、診断部位に応じて選択される。また、圧電振動子が2次元配列されている超音波プローブ2では、いわゆる3次元走査が可能である。超音波プローブ2は、ケーブルを介して送受信部4に接続されている。
送受信部4は、その内部構成として送信ユニットと受信ユニット(いずれも図示を省略)を有している。送信ユニットは、基準信号生成部3から供給される基準信号(連続波或いは基準クロック)に基づいて、送信パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスを生成する。さらに、超音波ビームの走査角(送信走査角)に対応する遅延時間をレートパルスに与え、その後パルサ(図示せず)によってレートパルスを駆動パルスに変換し、この駆動パルスを超音波プローブ2の各圧電振動子に供給している。
一方、受信ユニットでは、超音波プローブ2の各圧電振動子から出力される電気信号をデジタル信号に変換した後、超音波ビームの走査角(受信走査角)に対応する遅延量を印加して加算することによって、ビームフォーミングされた受信信号を得ている。
システム制御部5は、ユーザが操作部6に対して設定し、或いは入力した情報に基づいて、ビーム走査や送受信に関する諸元を決定し、これらの諸元を送受信部4に対して設定している。
送受信部4から出力される受信信号は、Bモードデータ生成部10やドップラ信号検出部7に出力される。
Bモードデータ生成部では、受信信号を例えば振幅検波して、Bモード画像の表示に必要となる走査角ごとのレンジ対振幅情報のデータ(即ちBモードデータ)を生成して記憶部12に一時的に保存している。このBモードデータは記憶部12から読み出され、表示部11にBモード画像として表示される。ちなみに、図2は、Bモード画像の表示例として、心臓のBモード画像を模式的に示した図である。
一方、ドップラ信号検出部7では、受信信号に対して位相検波を行っており、位相検波信号をカラードップラデータ生成部9とドップラ処理部8に供給している。
カラードップラデータ生成部9では、位相検波信号から自己相関値を求め、自己相関値から平均ドップラ周波数(平均血流速度に対応する量)や周波数の分散値を算出し、これらのカラードップラデータを対応する走査角データと共に記憶部12に一時的に記憶している。カラードップラ表示を行う場合には、記憶部12からカラードップラデータが読み出され、Bモード画像と同様な2次元画像の上に平均血流速度に対応するカラーの輝度表示がなされる。
ドップラ処理部8では、血流速度を詳細に評価するため、位相検波信号に対してFFT等の周波数解析処理を行ってドップラスペクトラムを生成している。ドップラスペクトラムは、被検体内の特定の部位を走査角とレンジによって指定し、この特定の部位からの反射信号を所定の期間収集したデータから求めている。
ドップラスペクトラムは、通常横軸に時間、縦軸に周波数をとって画像化し、また周波数成分毎の強度を画像の輝度として表現している。この画像を、ドップラ画像或いはドップラ波形画像と呼んでいる。ドップラ処理部8から出力されたドップラスペクトラムは記憶部12に記憶され、表示部11にドップラ画像として表示される。
また、ドップラスペクトラムから血流の最高流速Vpや平均流速Vmを求め、横軸に時間、縦軸に最高流速Vpや平均流速Vmをとった波形も生成している。この波形をトレース波形と呼んでいる。血流評価部20のトレース波形生成部21は、記憶部12からドップラスペクトラムを読み出し、このドップラスペクトラムからトレース波形を生成する。生成されたトレース波形は再び記憶部12に保存され、必要に応じて表示部11に表示される。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、血流のトレース波形から診断上有用な診断パラメータを自動的に計測する機能を有しており、この自動計測機能を血流評価部20で実現している。血流評価部20は、上述したトレース波形生成部21の他、ピーク波形検出部22、評価波形生成部23、減速時間算出部24、パラメータ記憶部25、心電波形入力部26等を有しており、これらの各部の機能の詳細については後述する。
(2)診断パラメータの自動計測
図2は、心臓の模式的なBモード画像と、Bモード画像上で指定される血流の評価部位とを例示している図である。図2では、左心房から左心室へ流入する近傍が走査角とレンジゲートによって指定されており、左室流入血流を評価対象としている例を示している。
本実施形態に係る超音波診断装置1の血流評価対象はこの左室流入血流に限定されるものではないが、左室流入血流の評価は心機能の評価上非常に重要なものであるため、以下の説明では主として左室流入血流を評価対象の例としてとりあげて説明する。
心臓は収縮と拡張を繰り返しているが、拡張期には左心房から左心室に血液が流れる。この血流流速を左心室の入り口近傍を観測対象部位として観測したドップラスペクトラムが左室流入血流のドップラスペクトラムであり、このドップラスペクトラムの例えばピーク値をトレースした波形が左室流入血流のトレース波形である。
図3は、左室流入血流のトレース波形の実例を心臓の拡張期と収縮期を示す信号と併記して示している。拡張期と収縮期を示す信号は、心電計100(図1参照)から出力される心電波形(ECG波形ともいう)や心音波形から求めることができる。
左室流入血流のトレース波形(以下、単にトレース波形という)の縦軸は、ドップラ周波数から求めた左室流入血流の血流速度(図3に示す単位はcm/s)を示しており、横軸は時間である。
図3に示したように、拡張期のトレース波形には、E波とA波の2つの特徴的なピーク波形が存在する。拡張期の早期には、左心室が拡張することによって左心室の圧力が低下し、血液が左心房から左心室に流入する。このときの血流に対応する波形がE波(拡張早期波)である。拡張期の後期には、左心房が収縮して左心房に残っている血液を左心室に押し込む。このときの血流に対応する波形がA波(心房収縮期波)である。つまり、E波は左心室拡張による血液の左室流入を、A波は左心房収縮による血液の左室流入を表している。
拡張期左室流入波形に基づく診断パラメータとしては、E波のピーク値(Ep)、A波のピーク値(Ap)、E波のピーク値とA波のピーク値との比(E/A)、E波の減速時間DCT(Deceleration Time)等がある。E波の減速時間DCTは、E波のピークから血流速度がゼロとなるまでの時間として定義されるものである。これらの診断パラメータの値によって心機能を評価することができる。
ところで、図2に示したように、左室流入血流の測定対象部位の近傍(左心房と左心室の間)には、僧帽弁と呼ばれる弁があり、また僧帽弁を支持するための多数の腱索が存在する。僧帽弁や腱索は動きを伴うため、ドップラスペクトラムやトレース波形には血流以外の影響として弁や腱索の影響による変動波形(不要波形)が混入する。
図3に示した4つの拡張期のトレース波形のうち、左から3つの拡張期波形は血流のみによる波形(E波とA波)が支配的であるが、右端の拡張期のトレース波形には、E波の減速期間中に、弁や腱索の影響と見られる顕著な不要波形が観測されている。
多数の実測データを検証した結果、拡張期のトレース波形のうち30%程度のトレース波形に図3の右端に示したように弁や腱索の影響を受けたトレース波形が含まれることが判明している。
弁や腱索の影響を受けた波形に基づいて診断パラメータを自動計測すると、誤った診断パラメータを出力することになる。特に、E波の減速時間DCTの自動計測に関してはその誤差は大きなものとなる。以下の説明では、診断パラメータのうち、E波の減速時間DCTの自動計測に焦点を絞り、どのようして弁や腱索の影響を排除し、どのようにして信頼性の高い減速時間DCTを自動計測によって得るかについて順次説明する。
図4は、本実施形態に係る評価パラメータ(特にE波の減速時間DCT)の自動計測処理の一例を示すフローチャートである。
ステップST1では、心臓内の所定の部位(例えば、左心室入り口近傍)に超音波ビームの走査角とレンジゲートを設定し、その部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成する。ドップラスペクトラムの生成はドップラ処理部8で行う。
ステップST2では、ドップラスペクトラムからトレース波形を生成する。具体的には、ドップラスペクトラムのピークを検出して時間軸方向にトレースした波形を生成する。トレース波形の生成は、血流評価部20のトレース波形生成部21で行う。
ステップST3では、トレース波形(この場合、左室流入血流のトレース波形)から所定のピーク波形、即ちE波とA波を検出する。
E波とA波の検出は、例えば特許文献1に開示されている技術を利用することができる。この技術では、まず、心電信号(ECG信号)のR波から心拍周期の40%を基準位置とする。この基準位置を収縮期から拡張期への移行時刻とみなす。次に、トレース波形の極大/極小ペアを検索して、最大の極大値と、2番目に大きな極大値とを有する2つの座標を検出し、前記基準位置に後続する極大の座標をE波のピークとして選定し、このE波のピークに後続する極大の座標をA波のピークとして選定する。特許文献1には、この他にも心音波形(PCG波形)を用いて上記の基準位置を求める手法や、トレース波形のみからE波とA波の各ピークの座標を求める手法等が開示されている。ステップST3では、これらの手法を用いてE波のピーク座標とA波のピーク座標を検出する。また、ステップST3の処理、即ちとレース波形からピーク波形を検出し、E波のピーク座標とA波のピーク座標の検出する処理は、血流評価部20のピーク波形検出部22で行っている。
ステップST4では、E波の減速領域の波形に血流以外の影響(即ち、弁や腱索の影響)による変動があるか否かを判定する。この判定の具体的な方法については後述する。ステップST4で、血流以外の影響がE波の減速領域の波形には存在しないと判定された場合にはステップST5へ進む。
ステップST5では、E波の減速波形の所定の領域を抽出して評価用減速波形とする。具体的には、E波のピーク値(Ep)よりも所定の比率だけ小さい、例えばE波のピーク値の1/2の値の中間値(Ep/2)を求め、ピーク値(Ep)と中間値(Ep/2)の間にある減速波形を抽出して評価用減速波形とする。
ステップST7では、ステップST5で求めた評価用減速波形のデータ(ピーク値(Ep)と中間値(Ep/2)の間のデータ)に基づいて、評価用減速波形の近似直線を求める。この近似直線は、例えば最小自乗法等の手法で求める。さらに、近似直線がゼロクロスする時刻を求め、ゼロクロスの時刻とE波のピークの時刻との差をE波の減速時間DCTとして算出する。上述したステップST4及びステップST5の処理は評価波形生成部23で行っており、ステップST7の処理は減速時間算出部24で行っている。
図5の中央部に示す説明図は、弁や腱索の影響が無い場合の波形に対して上述したステップST5及びステップST7の処理を行い、E波の減速時間DCTが良好に求まることを示している。
これに対して、図5の右側に示す説明図は、弁や腱索の影響が有る波形に対して上述したステップST5及びステップST7の処理をそのまま行うと、減速時間DCTに大きな誤差が発生することを示している。この場合、E波のピーク値(Ep)と中間値(Ep/2)の間には、弁や腱索の影響に起因する不要なピーク波形が存在し、最小自乗法に使用するデータにはこの不要なピーク波形のデータが含まれる。このため、求めた近似直線は弁や腱索の影響を受けたものとなり、この近似直線から算出される減速時間DCTは大きな誤差をもつことになる。
そこで、本実施形態に係る超音波診断装置1では、弁や腱索の影響を排除する方法を2つの方法で実現している。第1の排除方法はパラメトリックシステム同定モデルを利用する排除方法であり、第2の排除方法は極小値検出を利用する排除方法である。
なお、パラメトリックシステム同定モデルにはいくつかの種類が存在するが、以下の説明ではパラメトリックシステム同定モデルの中のARXモデルを例にとって説明する。
(3)第1の排除方法
図6は、ARXモデルの利用によって弁や腱索の影響を排除する第1の排除方法の概念を示す図である。
この方法では、ARXモデルに基づく判定処理によって弁や腱索の影響を受けているか否かを判定し、影響をうけている場合には影響を受けている領域を特定する(ステップST4)。そして、影響を受けている領域をE波の減速波形から除去し、さらに除去した領域を線形補間する、或いはARXモデルに基づく推定トレース波形で置換することによって評価用減速波形を生成する(ステップST6)。なお、第1の排除方法における上記ステップST4、ステップST6の処理も評価波形生成部23で行っている。第1の排除方法によるステップST4とステップST6のより詳細な処理を以下に説明する。
第1の排除方法では、図7に示したように、複数の心電波形(ECG波形)u(t)と、血流以外の影響(即ち、弁や腱索の影響)を受けていない複数の実測トレース波形Yi(t)を前記心電波形u(t)と同期させて予め収集しておく。血流以外の影響を受けていないトレース波形Yi(t)は、例えば、弁や腱索の存在しない心臓の部位で血流測定を行って収集することができる。或いは、弁や腱索の影響を受けているトレース波形から、ベテランの医師や技師が手動でその影響部位を除去することによって得ることができる。
収集したこれらのトレース波形Yi(t)と心電波形u(t)を基にARXモデルによるシステム同定を行う。
ここで、ARXモデルは、次の(式1)から(式3)で表される。
[数1]
A(q)*Yi(t) = B(q)*u(t-nk)+e(t) (式1)
A(q) = 1+aq-1+・・・anaq-na (式2)
B(q) = b+bq-1+・・・bnbq-nb+1 (式3)
(式1)から(式3)において、e(t)は残差、即ち期待値と実測値との差、A(q)及びB(q)は、既約なシフトオペレータqの多項式、nkは、心電波形u(t)に対応する血流以外の影響を受けていないトレース波形Yi(t)との時間の遅れ、及びna、nbは整数の引数である。また、(式2)及び(式3)における
[数2]
ai = (a, a, ・・・・ana) (式4)
bj = (b, b, ・・・・bnb) (式5)
が血流以外の影響を受けていないときのARXモデルパラメータである。
収集した多数の血流以外の影響を受けていないトレース波形Yi(t)、いわば理想的なトレース波形Yi(t)と心電波形u(t)によって(式4)、(式5)に示すARXモデルパラメータを予め求めておく。そして予め求めたARXモデルパラメータを血流評価部20のパラメータ記憶部25に保存しておく。
図8は、ステップST4における判定の概念を説明する図である。ステップST4における判定では、リアルタイムで得られる患者の実測トレース波形(これをYp(t)と記述する)とARXモデルによって推定される推定トレース波形(これをYe(t)と記述する)とを比較する。推定トレース波形Ye(t)は、リアルタイムで得られる患者の実測トレース波形Yp(t)と、これと同時に得られる実測心電波形u(t)、及びパラメータ記憶部25に保存されているARXモデルパラメータとから、次の(式6)によって求められる。
[数3]
Ye(t) = −Σ{ ai*Yp(t-i)} +Σ{ bj*u(t-j)} (式6)
(式6)で使用するARXモデルパラメータは、弁や腱索の影響を受けていない理想的な状態で収集されたトレース波形Yi(t)によって決定されたものであり、(式6)で得られる推定トレース波形Ye(t)も、実測トレース波形Yp(t)から弁や腱索の影響が取り除かれたものとして推定される波形となる。
従って、この推定トレース波形Ye(t)と実測トレース波形Yp(t)との差分をとり、差分の絶対値ABS(Ye(t)−Yp(t))を所定の閾値と比較することによって実測トレース波形Yp(t)における弁や腱索の影響を判定することができる。即ち、ABS(Ye(t)−Yp(t))が閾値より小さい場合は弁や腱索の影響を受けていないと判定し、ABS(Ye(t)−Yp(t))が閾値より小さい場合は、その期間を弁や腱索の影響を受けている期間であると判定する。以上が第1の排除方法を用いた場合のステップST4の処理である。
次にステップST6では、弁や腱索の影響を排除した評価用減速波形を生成する。図9は、ステップST6の処理の概念を示す図である。
すでにステップST4で弁や腱索の影響を受けている期間が求められているため、実測トレース波形Yp(t)からこの期間の波形を除去する(図9の中央の図)。そして、除去された期間の波形を直線で補間して評価用減速波形を生成する(図9の右側上部の図)。
或いは、除去された期間を、該当する期間の推定トレース波形Ye(t)で置換して評価用減速波形を生成してもよい(図9の右側下部の図)。
このようにして弁や腱索の影響が排除された評価用減速波形が生成された後は、前述した方法と同様の方法によって減速期間の近似直線を生成して減速時間DCTを算出する(ステップST7)。
上記の説明では、ARXモデルを例として説明したが、このモデルに限定されるものではなく、ARXモデル以外のパラメトリックシステム同定モデルを用いた方法でも良い。
(4)第2の排除方法
図10は、極小値検出を利用して弁や腱索の影響を排除する第2の排除方法の概念を示す図である。
第2の排除方法を用いた場合、ステップST4の処理では、E波のピーク値Ep2と、このピーク値Ep2よりも所定の比率だけ小さな中間値(例えばピーク値Ep2の半分のEp2/2)との間に極小値が存在するか否かを判定する。ピーク値Ep2と中間値Ep2/2の間に極小値が存在しない場合は、血流以外の影響(弁や腱索の影響)は受けていないと判定し、ステップST5へ進む。
一方、ピーク値Ep2と中間値Ep2/2の間に極小値が存在する場合は、弁や腱索の影響を受けていると判定し、ステップST6へ進む。
極小値の存在の判定方法は特に限定するものではないが、例えば図11に示したように、トレース波形の2次微分波形を求め、判定対象期間において2次微分波形が所定の閾値を超えるか否かによって判定することができる。
ステップST6では、図10に示したように、実測トレース波形からピーク値Ep2と極小値との間の波形だけを抽出する。この期間の波形は弁や腱索の影響を受けていない波形であり、これを評価用減速波形とする。なお、第2の排除方法におけるステップST4やステップST6の処理も、評価波形生成部23で行われる。
ステップST7では、この評価用減速波形(ピーク値Ep2と極小値との間の波形)に対して最小自乗法によって近似直線を求め、この近似直線からE波の減速時間DCTを算出する。
上述したように、第1の排除方法、或いは第2の排除方法のいずれの方法でも、E波の減速期間の波形に血流以外の影響(弁や腱索の影響)の有無を判定することが可能であり、影響のある場合にはこれを排除した評価用減速波形を生成することができる。
(5)簡略化最小自乗法
ステップST7では、生成した評価用減速波形から最小自乗法を用いて近似直線を求める演算を行うが、本実施形態では、通常の最小自乗法を簡略化して少ない演算量で近似直線を求める手法を採用している。
図12は、従来から通常行われている最小自乗法によって近似直線を求める方法(図12の左の図)と、本実施形態で用いている簡略化最小自乗法によって近似直線を求める方法(図12の右の図)を示す図である。
前述したように、評価用減速波形から近似直線を求める場合、E波のピーク値Epから減速期間の中間値Ep/2までのデータに対して最小自乗法を適用している。
従来の方法では、図12の左図に示したように、求める近似直線を、
[数4]
y = a1*x+a0 (式7)
としている。この場合、求める未知数は1次項の係数a1と定数項a0の2つとなり、次の連立方程式を解く必要がある。
[数5]
a1*(Σxi)+a0*N = Σyi (式8)
a1*(Σxi 2)+a0*Σxi = Σyi*xi (式9)
ここで、xi, yi (i=1からN)は、ピーク値Epから中間値Ep/2までのデータである。
これに対して、本実施形態では図12右図に示したように、まず、E波のピーク位置が原点(0,0)となるように評価用減速波形を平行移動させる。この結果求める近似式(原点通過近似直線)は、
[数6]
y = a1*x (式10)
となり、未知数は1次項の係数a1のみとなる。この係数a1は次のスカラー式から簡単に求めることができ、従来の方法に比べると積和演算の数は大幅に削減される。
[数7]
a1=(Σyi*xi)/(Σxi 2) (式11)
ここで、(式11)におけるxi, yi (i=1からN)は、評価用減速波形を平行移動させた後のピーク値Epから中間値Ep/2までのデータである。求めた原点通過近似直線を、逆方向に平行移動させれば、従来の方法と全く同じ近似曲線が得られる。本実施形態では2回の平行移動を行っているが、平行移動に伴う演算負荷の増加はわずかなものであり、それよりも積和演算の低減による演算負荷の削減効果の方がはるかに大きい。
以上説明してきたように、本実施形態に係る超音波診断装置1及び診断パラメータ自動計測方法によれば、血流からのドップラスペクトラムに弁や腱索の影響が混入している場合であっても、E波の減速時間DCTを高い信頼性で自動計測することができる。
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図。 超音波診断装置の測定対象の一例を示す図。 左室流入血流のトレース波形の一例を示す図。 E波の減速時間DCTの自動計測処理の一例を示すフローチャート。 弁・腱索の影響を受けていないトレース波形と影響を受けているトレース波形を比較する図。 弁や腱索の影響をトレース波形から排除する第1の排除方法の概念説明図。 ARXモデルパラメータを求める方法の概念説明図。 ARXモデルパラメータを利用して弁や腱索の影響を受けている期間を判定する方法の概念説明図。 第1の排除方法における評価用減速波形の生成方法の概念説明図。 弁や腱索の影響をトレース波形から排除する第2の排除方法の概念説明図。 第2の排除方法において極小値を求める方法の概念説明図。 本実施形態に係る簡略化最小自乗法の概念説明図。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
8 ドップラ処理部
21 トレース波形生成部
22 ピーク波形検出部
23 評価波形生成部
24 減速時間算出部
25 パラメータ記憶部
26 心電波形入力部

Claims (12)

  1. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成するドップラ処理部と、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成するトレース波形生成部と、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出するピーク波形検出部と、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は検出した前記ピーク波形の減速領域の波形を前記評価用減速波形とする評価波形生成部と、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する減速時間算出部と、
    心電波形を入力する心電波形入力部と、
    複数の心電波形を取得する一方、血流以外の影響を受けていないピーク波形を各心電波形に同期させて取得し、取得した前記複数の心電波形と前記複数の純正血流のピーク波形とから、パラメトリックシステム同定モデルのパラメータを予め求めて記憶するパラメータ記憶部と、
    を備え、
    前記評価波形生成部は、
    実時間で入力される前記心電波形と、前記パラメータ記憶部に記憶されている前記パラメトリックシステム同定モデルのパラメータとから推定ピーク波形を実時間で生成し、
    実時間で得られる前記ピーク波形と前記推定ピーク波形との振幅差が所定の閾値を超えている場合は、前記血流以外の影響による変動があると判断し、
    前記閾値を超えている期間の波形を前記ピーク波形から除去することによって前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記所定のピーク波形は、心臓拡張期のE波の波形であり、前記減速時間は、E波の減速時間DCTである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記評価波形生成部は、
    前記ピーク波形から除去された期間の波形を、除去後に残っている前記ピーク波形によって補間し、前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記評価波形生成部は、
    前記ピーク波形から除去された期間の波形を、該当する期間の前記推定ピーク波形と置換して、前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成するドップラ処理部と、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成するトレース波形生成部と、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出するピーク波形検出部と、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は検出した前記ピーク波形の減速領域の波形を前記評価用減速波形とする評価波形生成部と、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する減速時間算出部と、
    を備え、
    前記評価波形生成部は、
    抽出した前記ピーク波形のピーク値と、このピーク値よりも所定の比率だけ小さな中間値との間に極小値があるか否かを判定し、
    前記極小値がある場合には、前記血流以外の影響による変動があると判断し、
    前記ピーク波形の前記ピーク値から前記極小値までの範囲の波形を前記評価用減速波形として生成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成するドップラ処理部と、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成するトレース波形生成部と、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出するピーク波形検出部と、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は検出した前記ピーク波形の減速領域の波形を前記評価用減速波形とする評価波形生成部と、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する減速時間算出部と、
    を備え、
    前記減速時間算出部は、
    前記評価用減速波形のピークの座標が時間ゼロ、振幅ゼロの原点となるように前記評価用減速波形を平行移動させ、移動後の前記評価用減速波形のピーク値と、このピーク値よりも所定の比率だけ小さな中間値との間の波形データに基づく最小自乗法によって、1次項のみからなる原点通過近似直線を求め、求めた前記原点通過近似直線を先に移動させた量だけ逆に平行移動させて近似直線を求め、前記近似直線がゼロクロスする時刻と前記評価用減速波形のピーク値に対応する時刻との差から前記減速時間を算出する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成し、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成し、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出し、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は抽出した前記ピーク波形を前記評価用減速波形とし、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出し、
    心電波形を入力し、
    複数の心電波形を取得する一方、血流以外の影響を受けていないピーク波形を各心電波形に同期させて取得し、取得した前記複数の心電波形と前記複数のピーク波形とから、パラメトリックシステム同定モデルのパラメータを予め求めて記憶する、
    ステップを備え、
    前記評価用減速波形を生成するステップでは、
    実時間で入力される前記心電波形と、前記パラメトリックシステム同定モデルのパラメータとから推定ピーク波形を実時間で生成し、
    実時間で得られる前記ピーク波形と前記推定ピーク波形との振幅差が所定の閾値を超えている場合は、前記血流以外の影響による変動があると判断し、
    前記閾値を超えている期間の波形を前記ピーク波形から除去することによって前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする診断パラメータ自動計測方法。
  8. 前記所定のピーク波形は、心臓拡張期のE波の波形であり、前記減速時間は、E波の減速時間DCTである、
    ことを特徴とする請求項7に記載の診断パラメータ自動計測方法。
  9. 前記評価用減速波形を生成するステップでは、
    前記ピーク波形から除去された期間の波形を、除去後に残っている前記ピーク波形によって補間し、前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の診断パラメータ自動計測方法。
  10. 前記評価用減速波形を生成するステップでは、
    前記ピーク波形から除去された期間の波形を、該当する期間の前記推定ピーク波形と置換して、前記評価用減速波形を生成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の診断パラメータ自動計測方法。
  11. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成し、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成し、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出し、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は抽出した前記ピーク波形を前記評価用減速波形とし、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する、
    ステップを備え、
    前記評価用減速波形を生成するステップでは、
    抽出した前記ピーク波形のピーク値と、このピーク値よりも所定の比率だけ小さな中間値との間に極小値があるか否かを判定し、
    前記極小値がある場合には、前記血流以外の影響による変動があると判断し、
    前記ピーク波形の前記ピーク値から前記極小値までの範囲の波形を前記評価用減速波形として生成する、
    ことを特徴とする診断パラメータ自動計測方法。
  12. 心臓内の所定の部位から反射される超音波信号からドップラスペクトラムを生成し、
    前記ドップラスペクトラムにおける所定のスペクトラム成分の時間的変化をトレース波形として生成し、
    生成された前記トレース波形から所定のピーク波形を検出し、
    前記ピーク波形の減速領域の波形に血流以外の影響による変動があると判断される場合は、この変動を取り除いて評価用減速波形を生成し、それ以外の場合は抽出した前記ピーク波形を前記評価用減速波形とし、
    前記評価用減速波形から、前記所定のピーク波形の減速時間を算出する、
    ステップを備え、
    前記減速時間を算出するステップでは、
    前記評価用減速波形のピークの座標が時間ゼロ、振幅ゼロの原点となるように前記評価用減速波形を平行移動させ、移動後の前記評価用減速波形のピーク値と、このピーク値よりも所定の比率だけ小さな中間値との間の波形データに基づく最小自乗法によって、1次項のみからなる原点通過近似直線を求め、求めた前記原点通過近似直線を先に移動させた量だけ逆に平行移動させて近似直線を求め、前記近似直線がゼロクロスする時刻と前記評価用減速波形のピーク値に対応する時刻との差から前記減速時間を算出する、
    ことを特徴とする診断パラメータ自動計測方法。
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