JP2008173387A - 超音波診断装置、超音波画像処理装置、及び超音波画像処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波画像処理装置、及び超音波画像処理プログラム Download PDF

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康彦 阿部
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Abstract

【課題】乳頭筋や腱索を含まずに心臓の内膜の輪郭を検出し、心機能の評価に供される画像を生成することが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】被検体の心臓に対して超音波を送信することで、心臓の時間的に連続する複数の断層像データを取得する。所定時相に取得された断層像において、乳頭筋や腱索を含まずに心臓の内膜の輪郭を指定する。輪郭位置算出部12は、指定された輪郭を初期輪郭とし、2つの断層像データ間におけるパターンマッチングにより、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。マーカ生成部11は、各時相における内膜の輪郭を表すマーカを生成し、時相ごとに異なる色を各時相のマーカに割り当てる。表示制御部6は、各時相のマーカで構成されるカラー画像を断層像に重ねて表示部7に表示させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、超音波によって被検体内の超音波画像を取得し、その超音波画像を利用して心機能の解析を行なう超音波診断装置に関する。また、超音波画像を利用して心機能の解析を行なう超音波画像処理装置、及び超音波画像処理プログラムに関する。
超音波診断装置を用いて心臓の病気を診断する方法として、時系列的に変化する心臓の断層像を取得し、断層像から内膜(心筋と血液との境界)の動きを自動的に検出し、その軌跡をカラー表示するカラーキネシス画像(CK画像)を用いる方法が提案されている。CK画像は、内膜軌跡に沿って、時間ごとに色を変えて心臓の横断面画像を表示したものである。CK画像を用いた場合、1枚の静止画像により、左心室隔壁の運動状態を時間的、空間的に観察することができ、さらに、色の構成比率から、左心室隔壁の収縮の時相(収縮の遅延の程度など)を知ることができる。
上記CK画像を用いた心機能の評価方法として、特許文献1に記載の手法が提案されている。この特許文献1に記載の手法は、例えば、心臓左心室の横断面画像を所定の領域に分割し、分割した各領域を関心領域として設定し、設定した各関心領域において、心臓の最大拡張時の内腔横断面積に対する拡張開始から所定時間経過時の内腔横断面積の割合を算出し、その算出した内腔横断面積の割合を評価基準値と比較することにより、心筋機能の評価を行う。この手法はICK解析と称されている。
このICK解析では、例えば特許文献2に記載の手法によって得られるCK画像を用いることで、心筋機能の評価が行われる。特許文献2に記載の手法では、組織と血液の輝度に基づいて内膜の輪郭を検出し、その内膜の軌跡をカラー表示することでCK画像としている。
特開2003−325521号公報 特開平8−98837号公報
上記特許文献2に記載の手法では、組織と血液の輝度に基づいて内膜の輪郭を検出している。しかしながら、内膜の近傍に存在する乳頭筋や腱索も輝度値が高いため、特許文献2に記載の手法によると、乳頭筋や腱索も内膜として検出されてしまう。このように、断層像の輝度に基づいて内膜の輪郭を検出しようとすると、乳頭筋や腱索がノイズとなり、内膜の輪郭を精度良く検出することは困難であった。
また、心臓の全体動(translation)がある場合は、その全体動の影響が含まれた内膜の輪郭を検出することになるため、各時相における内膜の輪郭を精度良く検出することが困難であった。
以上のように従来技術に係る内膜位置の検出方法によると、内膜の輪郭を精度良く検出することが困難であるため、ICK解析などの心筋機能の評価において誤差が含まれてしまい、正確な解析は困難であった。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、乳頭筋や腱索を含まずに心臓の内膜の輪郭を検出し、心機能の評価に供される画像を生成することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被検体の心臓を超音波で走査することで、時間的に連続する複数の断層像データを取得する超音波画像取得手段と、所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に対する前記心臓の内膜の輪郭の位置の指定を受け付け、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出手段と、前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成手段と、前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
また、請求項7に記載の発明は、被検体の心臓を超音波で走査することで取得された時間的に連続する複数の断層像データを受け付け、さらに、所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に前記心臓の内膜の輪郭の位置の指定を受け付けて、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出手段と、前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成手段と、前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする超音波画像処理装置である。
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータに、被検体の心臓を超音波で走査することで取得された時間的に連続する複数の断層像データを受け付け、さらに、所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に前記心臓の内膜の輪郭の位置の指定を受け付けて、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出機能と、前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成機能と、前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示装置に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする超音波画像処理プログラムである。
この発明によると、乳頭筋や腱索を含まずに内膜の輪郭を指定し、パターンマッチングにより各時相における輪郭の位置を求めることで、乳頭筋や腱索の影響を受けずに各時相における輪郭の位置を求めることができる。そして、各時相における輪郭に、時相ごとに異なる色を割り当てて表示することで、内膜位置の変動情報が色で識別可能に表示されるため、心機能評価に好適な画像が得られる。
[第1の実施の形態]
(構成)
この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
超音波プローブ2には、複数の超音波振動子が所定方向(走査方向)に1列に配列された1次元超音波プローブ、又は、複数の超音波振動子が2次元的に配置された2次元超音波プローブが用いられる。送受信部3は、送信部と受信部を備えている。送信部は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施し、超音波プローブ2の各超音波振動子に電気信号を供給して超音波を発生させる。受信部は、超音波プローブ2の各超音波振動子が受波したエコー信号を増幅し、A/D変換した後、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与えて加算する。その加算により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
画像生成部4は、Bモード処理部、CFM処理部、及びドプラモード処理部を備えた信号処理部と、DSCを備え、送受信部3にて受信された受信信号に基づいて、断層像データなどの超音波画像データを生成する。Bモード処理部は、送受信部3から送られる信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、対数変換による圧縮処理を施すことで、エコーの振幅情報の映像化を行う。CFM処理部は、動いている血流情報の映像化を行う。血流情報には、速度、分散、パワーなどの情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。ドプラモード処理部は、パルスドプラ法又は連続波ドプラ法により血流情報を生成する。DSCは、走査線信号列で表される信号処理後のデータを、空間座標に基づいた座標系のデータに変換する(デジタルスキャンコンバージョン処理)。例えば、DSCは、Bモード処理部から出力された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施すことで、被検体の組織形状を表すBモード画像データ(以下、「断層像データ」と称する場合がある)を生成する。
なお、超音波プローブ2、送受信部3、画像生成部4が、超音波画像取得手段の1例に相当する。
画像生成部4によって生成された断層像データは、記憶部5に記憶される。また、被検体のECG信号が取得されている場合、制御部9は、ECG信号(心電波形)を超音波診断装置1の外部から受け付け、断層像データにその断層像データが生成されたタイミングで受け付けた時相を対応付けて記憶部5に記憶させる。
この実施形態に係る超音波診断装置1は、被検体の心臓を超音波で走査することで、心臓を表す時間的に連続する複数の断層像データ(心臓の動画像データ)を取得する。例えば、1心周期以上に亘って被検体の心臓を超音波で走査することで、1心周期以上に亘って時間的に連続する複数の断層像データ(心臓の動画像データ)を取得する。また、ECG信号が取得されている場合、制御部9は、各断層像データにその断層像データが生成されたタイミングで受け付けた時相を対応付けて記憶部5に記憶させる。これにより、複数の断層像データのそれぞれに、断層像データが生成された時相が対応付けられて記憶部5に記憶される。
表示制御部6は、記憶部5から断層像データを読み込み、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。例えば、操作者が操作部8を用いて任意の時相を指定すると、表示制御部6は指定された時相が対応付けられた断層像データを記憶部5から読み込み、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。
画像処理部10は、マーカ生成部11と輪郭位置算出部12を備えている。画像処理部10は、心臓を表す断層像上に指定された初期輪郭を心臓の内膜の輪郭として設定し、生成された時相が異なる2つの断層像間のパターンマッチングによって、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。
マーカ生成部11は、操作者によって指定された初期輪郭を表すマーカを生成する。表示制御部6はその初期輪郭を表すマーカを受けると、断層像にそのマーカを重ねて表示部7に表示させる。
ここで、上記初期輪郭の指定方法について説明する。まず、操作者が操作部8を用いて任意の時相を指定する。表示制御部6は、操作者によって指定された時相に生成された断層像データを記憶部5から読み込み、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。この実施形態では、心臓の断層像データを取得しているため、心臓の断層像が表示部7に表示される。例えば、超音波の送受信によって心臓の横断面画像データを取得し、心臓の横断面画像を表示部7に表示させる。
心臓の断層像には、心臓の内膜の他、乳頭筋や腱索などが表されている。操作者は、表示部7に表示されている心臓の断層像(例えば心臓の横断面画像)を観察しながら、心臓の断層像に表されている乳頭筋や腱索が含まれないように心臓の内膜の輪郭を指定する。このように内膜の輪郭が指定されると、マーカ生成部11は指定された輪郭を初期輪郭とし、その初期輪郭を表すマーカを生成する。表示制御部6は、その初期輪郭を表すマーカを断層像に重ねて表示部7に表示させる。この初期輪郭で指定された輪郭が、内膜の輪郭として輪郭位置算出部12に設定される。
以上のように、初期輪郭によって内膜の輪郭が指定されると、輪郭位置算出部12は、スペックルパターンを用いた2画像間のパターンマッチングによって、各時相で生成された断層像ごとに、初期輪郭によって指定された内膜の輪郭の位置を求め、その内膜の輪郭を時間的に追跡(トラッキング)する。
例えば、輪郭位置算出部12は、初期輪郭で指定された内膜の輪郭上の各点の座標情報を受け、さらに、その初期輪郭が設定された断層像(以下、「断層像A」と称する場合がある)の次に生成された断層像データ(以下、「断層像データB」と称する場合がある)を記憶部5から読み込み、スペックルパターンを用いた時間的に連続する2つの断層像間(断層像Aと次の断層像B)のパターンマッチングを行うことにより、初期輪郭で指定された内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。この移動ベクトルは、輪郭上の各点の変位と、各点が変位した移動方向を表している。つまり、輪郭位置算出部12は、2つの断層像間のパターンマッチングを行い、スペックルの移動量を算出することで、輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。このように輪郭上の各点の移動ベクトルを求めることで、初期輪郭が設定された断層像Aの次の断層像データBが生成された時相における内膜の輪郭の位置が求められる。
さらに輪郭位置算出部12は、断層像データBの次に生成された断層像データ(以下、「断層像データC」と称する場合がある)を記憶部5から読み込み、スペックルパターンを用いた時間的に連続する2つの断層像間(断層像Bと断層像C)のパターンマッチングによって、内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。これにより、断層像データCが生成された時相における内膜の輪郭の位置が求められる。
以上のようにして、スペックルパターンを用いたパターンマッチングによって、初期輪郭で指定された内膜の輪郭上の各点における移動ベクトルを各断層像データが生成された時相ごとに求め、内膜の輪郭上の各点における移動ベクトルを時間的に追跡する。その結果、内膜の輪郭を時間的に追跡することが可能となる。例えば、輪郭位置算出部12は、1心周期に亘って取得された全ての断層像データについて、時相ごとに内膜の輪郭を検出し、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。これにより、1心周期に亘って、各時相における内膜の輪郭位置が求められる。
輪郭位置算出部12によって各時相における内膜の輪郭の位置が求められると、マーカ生成部11は、各時相における内膜の輪郭を示す情報(輪郭上の各点の座標情報)を輪郭位置算出部12から受けて、各時相における内膜の輪郭を表すマーカを生成する。例えば、1心周期に亘って各時相における内膜の輪郭が検出されている場合、マーカ生成部11は、全時相について、内膜の輪郭を表すマーカを生成する。
さらに、マーカ生成部11は、各時相におけるマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。例えば、マーカ生成部11は、心臓の収縮末期から拡張末期にかけて各時相で異なる色を、対応する時相のマーカに割り当てる。例えば、各時相のマーカに割り当てる色を予め決めておき、時相と色との対応付けを予め記憶部(図示しない)に記憶しておく。マーカ生成部11は、その対応付けに従って各時相のマーカに対して、対応する色を割り当てる。
表示制御部6は、時相ごとに異なる色が割り当てられた複数のマーカ(以下、「カラー画像」と称する場合がある)をマーカ生成部11から受けて、表示部7に表示させる。このとき、表示制御部6は、操作者によって指定された時相に生成された断層像データを記憶部5から読み込み、その断層像データに基づく断層像にカラー画像を重ねて表示部7に表示させる。
カラー画像は、時相ごとに異なる色が割り当てられた複数のマーカによって構成されているため、1枚の断層像により、心臓の運動状態を時間的、空間的に観察することができ、さらに、色の構成比率から、心臓の収縮の時相(収縮の遅延の程度など)を知ることが可能となる。
以上のようにして生成された内膜の輪郭を表すカラー画像の1例を図2に示す。図2は、この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置で取得された画像と、心機能評価の結果を示す図である。
操作者が操作部8を用いて任意の時相を指定すると、表示制御部6は、指定された時相に取得された断層像データを記憶部5から読み込んで、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。さらに、表示制御部6は、その断層像に、時相ごとに異なる色が割り当てられた複数のマーカ(カラー画像)を重ねて表示部7に表示させる。例えば、図2に示すように、表示制御部6は、操作者によって指定された断層像100を表示部7に表示させるとともに、その断層像100にカラー画像101を重ねて表示させる。
図2に示す断層像100は、拡張末期に取得された心臓の横断面画像を表している。カラー画像101は、時相ごとに異なる色が割り当てられた複数のマーカによって構成されている。例えば、1心周期分のマーカによって構成される。断層像100とカラー画像101が重ねて表示された画像によって、心臓の運動状態を時間的、空間的に観察することができる。また、カラー画像101を構成する各マーカには、時相ごとに異なる色が割り当てられているため、色の構成比率から、心臓の収縮の時相(収縮の遅延の程度など)を知ることができる。なお、カラーバー102は、マーカに割り当てられている色と時相との対応付けを表している。具体的には、心臓の拡張開始時からの時間と、マーカに割り当てられている色との対応付けを表している。このように、各マーカは、各時相における内膜の輪郭を表しており、各マーカに時相ごとに異なる色が割り当てられているため、色の構成比率から、心臓の収縮の時相(収縮の遅延の程度など)を知ることができる。
この実施形態では、各時相のマーカ自体に、対応する時相に応じた色が割り当てられて表示されている。さらに、この実施形態では、表示制御部6は、マーカとマーカの間に、マーカに割り当てられている色を割り当てることで、マーカ間における色を補間して表示しても良い。
以上のようにして乳頭筋や腱索を含まないように内膜の輪郭を指定し、スペックルパターンを用いた2つの断層像間のパターンマッチングにより各時相における内膜の輪郭を検出することで、乳頭筋や腱索の影響を受けずに内膜の輪郭を検出することが可能となる。そして、各時相の内膜の輪郭を表すマーカに時相ごとに異なる色を割り当てて表示することで、内膜位置の変動情報が色で識別可能に表示されるため、心機能評価に好適な画像を提供することが可能となる。
上記断層像100とカラー画像101を利用した心機能評価は、心機能評価部20によって実施される。具体的には、心機能評価部20は、特開2003−325521号公報に記載の心機能解析(「ICK解析」と称する)を実行する。この心機能解析について、簡単に説明する。
心機能評価部20は、例えば心臓の横断面画像に重心位置を設定し、その重心位置から放射状に直線を引くことにより、横断面画像を6分割する。図2に示す例では、横断面画像に相当する断層像100を、int(下壁):D1、pst(後壁):D2、lat(側壁):D3、ant(前壁):D4、asp(前壁中隔):D5、sp(後壁中隔):D6の6つの領域に分割している。そして、心機能評価部20は、D1〜D6の領域ごとに、心臓の最大拡張時における横断面積に対する経時的な横断面積の割合(拡張時面積変化率)を算出する。また、心機能評価部20は、D1〜D6の領域ごとに、心臓の収縮開始時の横断面積に対する経時的な横断面積の割合(収縮時面積変化率)を算出する。心機能評価部20は、分割されたD1〜D6領域の各領域において経時的に変化する横断面積に基づいて、拡張時面積変化率と収縮時面積変化率を求める。
そして、心機能評価部20は、心臓の最大拡張時の面積に対する拡張開始から所定時間経過した時の断面積の割合を算出し、その算出した面積の割合と評価基準値とを比較することで、心機能の評価を行う。例えば、心機能評価部20は、拡張開始から30%経過した時点の拡張時面積変化率を求め、その値と、予め設定された評価基準値と比較することにより、その値が正常な値か否かを判断する。ここでは、1例として拡張開始30%経過時における拡張時面積変化率と、評価基準値を比較したが、30%以外の時点における拡張時面積変化率を評価基準値と比較して心機能の評価を行っても良い。
具体的には、心機能評価部20は、画像処理部10にて求められた、各時相における内膜の輪郭に基づき、その輪郭で囲まれた内部の面積を算出する。この面積の算出は、内膜の輪郭によって囲まれた部分のドット数をカウントすることにより算出する。そして、心機能評価部20は、6分割された各領域D1〜D6について、各時相における横断面積を求め、D1〜D6の領域ごとの最大拡張時における横断面積に対する、各時相における横断面積の割合(拡張時面積変化率)を求める。そして、心機能評価部20は、拡張開始30%経過時の拡張時面積変化率と、予め設定された評価基準値とを比較することにより、その値が正常な値か否かを判断する。
また、心機能評価部20は、図2に示すグラフ110や帯グラフ120を作成する。グラフ110は、拡張期における内膜の輪郭の位置を示したグラフである。縦軸は最大拡張時に対する内膜位置の割合を示し、横軸は時間を示している。横軸の100%が最大拡張時の時間を表している。心機能評価部20は、D1〜D6の領域ごとにグラフを作成する。また、帯グラフ120は、各領域における内膜の輪郭の位置を示している。この帯グラフ120についても、心機能評価部20は、D1〜D6の領域ごとにグラフを求める。表示制御部6は、心機能評価部20からグラフ110と帯グラフ120を受けると、断層像100とともに表示部7に表示させる。
そして、操作者によって、例えば拡張開始から30%経過が経過した時点が指定されると、表示制御部6は、各領域の帯グラフ120上の30%経過時に相当する位置に、30%経過時を示すポインタ121を表示させる。拡張開始時からの経過時間は、カラーバー102上で指定することができ、また、グラフ110の横軸にて指定しても良い。30%経過時を示すポインタ121の表示位置を基準にして、各領域の帯グラフが示す内膜位置を確認することで、心機能の評価を行うことができる。
操作部8は、キーボード、マウス、トラックボール、又はTCS(Touch Command Screen)などで構成され、操作者の操作によって、初期輪郭(心臓の内膜の輪郭)や、その初期輪郭を指定するための断層像が取得された時相が指定される。
なお、画像処理部10、表示制御部6、及び心機能評価部20による各処理は、ハードウェアで実現しても良く、ソフトウェアで実現しても良い。例えば、画像処理部10、表示制御部6、及び心機能評価部20をCPUと、ROM、RAM、HDDなどの記憶装置とで構成する。記憶装置に、画像処理部10の機能を実現するための画像処理プログラム、表示制御部6の機能を実現するための表示制御プログラム、及び心機能評価部20の機能を実現するための心機能評価プログラムを記憶させておく。そして、CPUが記憶装置に記憶されている画像処理プログラムを実行することで画像処理部10の機能を実現し、表示制御プログラムを実行することで表示制御部6の機能を実現し、心機能評価プログラムを実行することで心機能評価部20の機能を実現するようにしても良い。
(超音波画像処理装置)
また、記憶部5、表示制御部6、表示部7、操作部8、画像処理部10、及び心機能評価部20を備えた超音波画像処理装置によって、各時相における心臓の内膜の輪郭を検出し、カラー画像を生成しても良い。つまり、超音波診断装置の外部に超音波画像処理装置を設け、その超音波画像処理装置によって、カラー画像を生成しても良い。
この場合、超音波画像処理装置の外部に設置された従来技術に係る超音波診断装置によって心臓を超音波で走査することで、時間的に連続する複数の断層像データ(心臓の動画像データ)を取得する。そして、超音波画像処理装置は、超音波診断装置によって取得された複数の断層像データを受け付けて、それら複数の断層像データを記憶部5に記憶させる。このように、超音波画像処理装置の外部に設置された超音波診断装置によって複数の断層像データが取得されて、超音波画像処理装置の記憶部5に記憶される。そして、画像処理部10は、スペックパターンを用いた2画像間のパターンマッチングにより、各時相の断層像データから心臓の内膜の輪郭を検出し、さらに、各時相の内膜の輪郭を表すマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。表示制御部6は、色が割り当てられたマーカ(カラー画像)を断層像に重ねて表示部7に表示させる。心機能評価部20は、そのカラー画像に基づいて心機能の評価を実施する。
以上のように、超音波画像処理装置によって各時相における心臓の内膜の輪郭を表すカラー画像を生成した場合であっても、乳頭筋や腱索の影響を受けずに内膜の輪郭を検出することが可能となる。そして、各時相の内膜の輪郭に対して、時相ごとに異なる色を割り当てて表示することで、内膜位置の変動情報が色で識別可能に表示されるため、心機能評価に好適な画像が得られる。
(動作)
次に、この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図3を参照して説明する。図3は、この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置による一連の動作を説明するためのフローチャートである。この実施形態では、心臓を診断部位として心臓の断層像データを取得し、その断層像データに基づいて、心機能の評価に供される心臓の内膜の輪郭を検出する。
(ステップS01)
まず、超音波プローブ2を被検体に当てて、心臓に対して超音波を送信し、画像生成部4によって、時間的に連続する複数の断層像データ(心臓の動画像データ)を生成する。例えば、1心周期以上に亘って超音波を送受信することで、1心周期以上に亘って時間的に連続する複数の断層像データを生成する。制御部9は、超音波診断装置1の外部からECG信号を受け付けて、生成された各断層像データにその断層像データが生成された時相を対応付けて記憶部5に記憶させる。
(ステップS02)
次に、操作者が操作部8を用いて、心機能評価を行う解析区間を指定する。例えば、心臓の収縮期又は拡張期を指定する。この実施形態では、心臓の拡張期が指定されているものとする。
(ステップS03)
次に、操作者が操作部8を用いて、初期輪郭を設定するための断層像が生成された時相を指定する。例えば、心臓の収縮末期近傍の時相を指定し、収縮末期に生成された断層像に初期輪郭を設定することが好ましい。心臓の収縮末期近傍の時相に生成された断層像に対して初期輪郭を設定し、収縮末期から拡張末期にかけて内膜の輪郭を追跡した方が、輪郭の検出精度が良好だからである。すなわち、心臓の内腔の輝度値が低いため、拡張末期から収縮末期にかけて内膜の輪郭を追跡すると、輝度値が低い方向に内膜の輪郭を追跡することになる。その結果、輪郭の検出に誤差が含まれるおそれがある。従って、収縮末期に生成された断層像に対して初期輪郭を設定して、内膜の輪郭を追跡した方が好ましい。
(ステップS04)
操作者によって時相が指定されると、表示制御部6はその時相が対応付けられた断層像データを記憶部5から読み込んで、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。心臓の収縮末期近傍の時相が指定された場合、表示制御部6は、収縮末期近傍の時相が対応付けられた断層像データを記憶部5から読み込み、収縮末期近傍の断層像を表示部7に表示させる。
(ステップS05)
収縮末期近傍の断層像が表示部7に表示されている状態で、操作者は操作部8を用いて、断層像に表された乳頭筋や腱索が含まれないように初期輪郭によって内膜の輪郭を指定する。操作者によって初期輪郭が指定されると、マーカ生成部11はその初期輪郭を表すマーカを生成する。表示制御部6は、初期輪郭を表すマーカを、収縮末期近傍の断層像に重ねて表示部7に表示させる。
(ステップS06)
輪郭位置算出部12は、初期輪郭が設定された断層像Aの次に生成された断層像データBを記憶部5から読み込み、スペックルパターンを用いた2つの断層像間(断層像Aと断層像B)のパターンマッチングを行うことによって、内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。例えば、輪郭位置算出部12は、1心周期に亘って取得された全ての断層像データについて、1心周期に含まれる各時相における内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求めることで、各時相における内膜の輪郭を検出する。
(ステップS07)
マーカ生成部11は、輪郭位置算出部12から各時相の内膜の輪郭を示す情報(輪郭上の各点の座標情報)を受けると、各時相の内膜の輪郭を表すマーカを生成する。そして、マーカ生成部11は、各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。例えば、1心周期に亘って各時相における内膜の輪郭が検出されている場合、マーカ生成部11は、全時相について、内膜の輪郭を表すマーカを生成する。
(ステップS08)
表示制御部6は、時相ごとに異なる色が割り当てられたマーカ(カラー画像)を、操作者によって指定された断層像に重ねて表示部7に表示させる。例えば、操作者によって拡張末期が指定されると、表示制御部6は拡張末期に生成された断層像データを記憶部5から読み込み、その断層像データに基づく断層像を表示部7に表示させる。そして、表示制御部6は、カラー画像を拡張末期の断層像に重ねて表示部7に表示させる。例えば図2に示すように、表示部7には、カラー画像101が、拡張末期の断層像100に重ねて表示される。このように、CK画像と同様に、内膜位置の変動情報が色で識別可能な画像として出力される。
(ステップS09)
以上のようにして各時相における内膜の輪郭が求められて、カラー画像が生成されると、心機能評価部20は、カラー画像に基づいてICK解析(特開2003−325521号公報に記載の解析手法)を行なう。
以上のように、乳頭筋や腱索を含まないように内膜の輪郭を指定し、スペックルパターンを用いた2画像間のパターンマッチングにより各時相における内膜の輪郭を検出することで、乳頭筋や腱索の影響を受けずに内膜の輪郭を検出することが可能となる。そして、各時相の内膜の輪郭を表すマーカに時相ごとに異なる色を割り当てて表示することで、内膜位置の変動情報が色で識別可能に表示されるため、心機能評価に好適な画像を提供することが可能となる。このカラー画像に基づいてICK解析を実施することで、より適切な評価が可能となる。
[第2の実施の形態]
(構成)
次に、この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図4を参照して説明する。図4は、この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。第2実施形態では、心臓の全体動(translation)の影響を除去する処理を行う。
第2実施形態に係る超音波診断装置1Aは、画像処理部30の構成が第1実施形態に係る超音波診断装置1の画像処理部10の構成と異なる。画像処理部30以外の構成については、第1実施形態に係る超音波診断装置1と同じであるため、説明を省略する。
画像処理部30は、輪郭位置算出部31、輪郭移動速度算出部32、収縮中心算出部33、収縮中心移動速度算出部34、減算部35、輪郭再構成部36、及びマーカ生成部37を備えている。
輪郭位置算出部31は、第1実施形態に係る輪郭位置算出部12と同様に、スペックルパターンを用いた時間的に連続する2つの断層像間のパターンマッチングを行うことで、初期輪郭で設定された内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを時相ごとに求める。これにより、各時相における内膜の輪郭が求められる。輪郭移動速度算出部32は、各時相における輪郭上の各点の移動ベクトル(変位)と、各時相間の時間とに基づいて、各時相における輪郭上の各点の移動速度を算出する。例えば、輪郭位置算出部31は、1心周期に亘って取得された全ての断層像データについて、時相ごとに内膜の輪郭を検出し、輪郭移動速度算出部32は、1心周期に含まれる各時相における輪郭上の各点の移動速度を求める。
収縮中心算出部33は、輪郭位置算出部31によって算出された各時相における内膜の輪郭に基づいて、例えば、内膜の輪郭で囲まれた範囲の重心の位置を収縮中心の位置の1例として時相ごとに算出する。なお、この実施形態では、厳密な収縮中心の位置を求める必要はなく、収縮中心の近傍の位置を求めても良い。重心の算出方法は、従来技術に係る方法が用いられる。また、収縮中心算出部33は、各時相における重心の位置に基づいて、各時相における重心の移動ベクトルを収縮中心の移動ベクトルの1例として算出する。重心(収縮中心)の移動ベクトルは、重心(収縮中心)の位置の変位と、重心(収縮中心)が変位した移動方向を表している。収縮中心移動速度算出部34は、例えば、各時相における重心(収縮中心)の移動ベクトル(変位)と、各時相間の時間とに基づいて、各時相における重心の移動速度を収縮中心の移動速度の1例として算出する。
減算部35は、輪郭移動速度算出部32によって求められた内膜の輪郭上の各点の移動速度から、収縮中心速度算出部34によって求められた収縮中心の移動速度を減算する。このとき、減算部35は、同じ時相の移動速度同士を減算する。すなわち、減算部35は、各時相における輪郭上の各点の移動速度から、同じ時相における収縮中心の移動速度を減算し、各時相における移動速度の差分を求める。
この実施形態では、各時相における内膜の輪郭で囲まれた範囲の重心の位置を、心臓の収縮中心の位置であると仮定する。また、収縮中心位置の移動速度が、心臓の全体動の速度に等しいと仮定する。つまり、重心の移動速度が、心臓の全体動の速度に等しいと仮定する。そして、内膜の輪郭上の各点の移動速度から、重心の移動速度を減算することで、心臓の全体動の影響を除去する。
輪郭再構成部36は、減算部35によって求められた各時相における移動速度の差分に基づいて、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。例えば、輪郭再構成部36は、各時相における移動速度の差分を、各時相間の時間で積分することで、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。内膜の輪郭上の各点の移動速度から、心臓の全体像の速度と仮定された重心の移動速度が減算されているため、全体像の影響が除去された内膜の輪郭が求められることになる。
また、減算部35は、輪郭位置算出部31によって求められた内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルから、収縮中心算出部33によって求められた収縮中心の移動ベクトルを減算しても良い。このとき、減算部35は、同じ時相の移動ベクトル同士を減算する。すなわち、減算部35は、各時相における輪郭上の各点の移動ベクトルから、同じ時相における収縮中心の移動ベクトルを減算し、各時相における移動ベクトルの差分を求める。この場合、輪郭再構成部36は、減算部35によって求められた各時相における移動ベクトルの差分に基づいて、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。重心の移動ベクトルを心臓の全体動の移動ベクトルと仮定すると、移動ベクトル同士を減算することで、心臓の全体動の影響を除去することができる。
マーカ生成部37は、輪郭再構成部36によって求められた各時相における内膜の輪郭を表すマーカを生成する。さらに、マーカ生成部37は、第1実施形態と同様に、各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。表示制御部6は、操作者によって指定された時相の断層像に、時相ごとに異なる色が割り当てられたマーカ(カラー画像)を重ねて表示部7に表示させる。そして、第1実施形態と同様に、心機能評価部20が心機能の評価を実施する。
以上のように、各時相における輪郭の重心の位置を、心臓の収縮中心の位置であると仮定し、収縮中心位置の移動速度を、心臓の全体動の速度に等しいと仮定し、内膜の輪郭上の各点の移動速度から重心の移動速度を減算することで、心臓の全体動の影響が軽減された内膜の輪郭を求めることができる。また、内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルから重心の移動ベクトルを減算した場合であっても、心臓の全体動の影響が軽減された内膜の輪郭を求めることができる。そして、上記仮定が成立した範囲では、心臓の全体動の影響を軽減した心機能の解析が可能となる。
(動作)
次に、この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の第1の動作態様を示すフローチャートである。図6は、この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の第2の動作態様を示すフローチャートである。まず、図5を参照して第1の動作態様を説明し、次に図6を参照して第2の動作態様を説明する。
(第1の動作態様)
まず、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS01からステップS05までの処理を実行することで、心臓を表す時間的に連続する複数の断層像データを取得し、所定時相の断層像上に乳頭筋や腱索が含まれないように初期輪郭を設定する。例えば、1心周期以上に亘って超音波を送受信することで、1心周期以上に亘って時間的に連続する複数の断層像データを生成する。
(ステップS10)
輪郭位置算出部31は、第1実施形態に係る輪郭位置算出部12と同様に、初期輪郭が設定された断層像Aの次に生成された断層像データBを記憶部5から読み込み、スペックルパターンを用いた2つの断層像間のパターンマッチングを行うことによって、内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。例えば、輪郭位置算出部31は、1心周期に亘って取得された全ての断層像データについて、1心周期に含まれる各時相における内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求めることで、各時相における内膜の輪郭を検出する。
(ステップS11)
輪郭移動速度算出部32は、輪郭位置算出部31によって求められた各時相における輪郭上の各点の移動ベクトルと、各時相間の時間とに基づいて、各時相における輪郭上の各点の移動速度を算出する。
(ステップS12)
一方、収縮中心算出部33は、輪郭位置算出部31によって求められた各時相における内膜の輪郭の重心の位置を収縮中心の位置の1例として算出する。また、収縮中心算出部33は、各時相における重心に基づいて、各時相における重心の移動ベクトルを収縮中心の移動ベクトルの1例として算出する。
(ステップS13)
収縮中心移動速度算出部34は、各時相における重心の移動ベクトルと、各時相間の時間とに基づいて、各時相における重心の移動速度を収縮中心の移動速度の1例として算出する。
(ステップS14)
そして、減算部35は、ステップS11で求められた輪郭上の各点の移動速度から、ステップS13で求められた重心の移動速度を減算する。このとき、減算部35は、同じ時相の移動速度同士を減算することで、各時相における移動速度の差分を求める。
(ステップS15)
そして、輪郭再構成部36は、各時相における移動速度の差分を、各時相間の時間で積分することで、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。例えば、1心周期に含まれる各時相における内膜の輪郭の位置を求める。
(ステップS07)
そして、マーカ生成部37は、輪郭再構成部36によって求められた各時相の内膜の輪郭を表すマーカを生成する。さらに、マーカ生成部37は、第1実施形態と同様に、各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。
そして、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS08とステップS09の処理を実行することで、心機能の評価を行う。
以上のように、各時相における重心の移動速度を、心臓の全体動の速度に等しいと仮定し、輪郭上の各点の移動速度から重心の移動速度を減算することで、心筋の全体動の影響を軽減した画像を得ることができる。これにより、心臓の全体動の影響を軽減した心機能の解析が可能となる。
(第2の動作態様)
まず、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS01からステップS05までの処理を実行することで、心臓を表す時間的に連続する複数の断層像データを取得し、所定時相の断層像上に乳頭筋や腱索が含まれないように初期輪郭を設定する。例えば、1心周期以上に亘って超音波を送受信することで、1心周期以上に亘って時間的に連続する複数の断層像データを生成する。
(ステップS20)
輪郭位置算出部31は、第1実施形態に係る輪郭位置算出部12と同様に、スペックルパターンを用いた2つの断層像間のパターンマッチングを行うことによって、初期輪郭により設定された内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求める。例えば、輪郭位置算出部31は、1心周期に亘って取得された全ての断層像データについて、1心周期に含まれる各時相における内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルを求めることで、各時相における内膜の輪郭を検出する。
(ステップS21)
収縮中心算出部33は、輪郭位置算出部31によって求められた各時相における内膜の輪郭の重心の位置を収縮中心の位置の1例として求める。
(ステップS22)
さらに、収縮中心算出部33は、各時相における重心の位置に基づいて、各時相における重心の移動ベクトルを収縮中心の移動ベクトルの1例として算出する。
(ステップS23)
減算部35は、ステップS20で求められた輪郭上の各点の移動ベクトルから、ステップS22で求められた重心の移動ベクトルを減算する。このとき、減算部35は、同じ時相の移動ベクトル同士を減算することで、各時相における移動ベクトルの差分を求める。
(ステップS24)
輪郭再構成部36は、ステップS23で求められた各時相における移動ベクトルの差分に基づいて、各時相における内膜の輪郭の位置を求める。例えば、1心周期に含まれる各時相における内膜の輪郭の位置を求める。
(ステップS07)
そして、マーカ生成部37は、輪郭再構成部36によって求められた各時相の内膜の輪郭を表すマーカを生成する。さらに、マーカ生成部37は、第1実施形態と同様に、各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てる。
そして、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS08とステップS09の処理を実行することで、心機能の評価を行う。
以上のように、輪郭上の各点の移動ベクトルから重心の移動ベクトルを減算することで、心筋の全体動の影響を軽減した画像を得ることができる。これにより、心臓の全体動の影響を軽減した心機能の評価が可能となる。
この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置で取得される画像と、心機能評価の結果を示す図である。 この発明の第1実施形態に係る超音波診断装置による一連の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置による第1の動作態様を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る超音波診断装置による第2の動作態様を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1、1A 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 送受信部
4 画像生成部
5 記憶部
6 表示制御部
7 表示部
8 操作部
9 制御部
10、30 画像処理部
12、31 輪郭位置算出部
11、37 マーカ生成部
20 心機能評価部
32 輪郭移動速度算出部
33 収縮中心算出部
34 収縮中心移動速度算出部
35 減算部
36 輪郭再構成部
100 断層像
101 カラー画像
102 カラーバー
110 グラフ
120 帯グラフ

Claims (8)

  1. 被検体の心臓を超音波で走査することで、時間的に連続する複数の断層像データを取得する超音波画像取得手段と、
    所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に対する前記心臓の内膜の輪郭の指定を受け付け、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出手段と、
    前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成手段と、
    前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記輪郭位置算出手段は、時間的に連続する2つの断層像データ間のパターンマッチングにより、前記内膜の輪郭上における各点の変位と移動方向を表す移動ベクトルを時相ごとに求め、前記各点の移動ベクトルに基づいて前記各時相における前記内膜の輪郭の位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記各時相における前記内膜の輪郭に基づいて規定される収縮中心の位置を時相ごとに求める収縮中心算出手段と、
    前記輪郭位置算出手段によって求められた各時相における前記内膜の輪郭の位置と、前記各時相における前記収縮中心の位置との差に基づいて、新たな内膜の輪郭の位置を時相ごとに求める輪郭再構成手段と、を更に有し、
    前記マーカ生成手段は、前記新たな内膜の輪郭を表す新たなマーカを時相ごとに生成し、前記各時相の新たなマーカに、時相ごとに異なる色を割り当て、
    前記表示制御手段は、前記色が割り当てられた前記各時相の新たなマーカを断層像に重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置。
  4. 前記各時相における前記内膜の輪郭に基づいて規定される収縮中心の位置を時相ごとに求める収縮中心算出手段と、
    前記各時相における前記収縮中心の位置の変位に基づいて、前記各時相における前記収縮中心の移動速度を求める収縮中心移動速度算出手段と、
    前記輪郭位置算出手段によって求められた各時相における前記内膜の輪郭の位置の変位に基づいて、前記各時相における前記輪郭上の各点の移動速度を求める輪郭移動速度算出手段と、
    前記収縮中心の移動速度と、前記輪郭上の各点の移動速度との差を時相ごとに算出し、その差に基づいて、新たな内膜の輪郭の位置を時相ごとに求める輪郭再構成手段と、を更に有し、
    前記マーカ生成手段は、前記新たな内膜の輪郭を表す新たなマーカを時相ごとに生成し、前記各時相の新たなマーカに、時相ごとに異なる色を割り当て、
    前記表示制御手段は、前記色が割り当てられた前記各時相の新たなマーカを断層像に重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記各時相における前記内膜の輪郭に基づいて規定される収縮中心の位置を時相ごとに求め、前記各時相における収縮中心の位置の変位と移動方向を表す収縮中心の移動ベクトルを求める収縮中心算出手段と、
    前記輪郭位置算出手段によって求められた前記内膜の輪郭上の各点の移動ベクトルと、前記収縮中心の移動ベクトルとの差を時相ごとに算出し、その差に基づいて、新たな内膜の輪郭の位置を時相ごとに求める輪郭再構成手段と、を更に有し、
    前記マーカ生成手段は、前記新たな内膜の輪郭を表す新たなマーカを時相ごとに生成し、前記各時相の新たなマーカに、時相ごとに異なる色を割り当て、
    前記表示制御手段は、前記色が割り当てられた前記各時相の新たなマーカを断層像に重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  6. 前記各時相のマーカで囲まれた範囲の面積を算出し、前記心臓の最大拡張時における面積に対する、前記各時相における面積の割合を求め、前記割合に基づいて心機能の評価を行う心機能評価手段を更に有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 被検体の心臓を超音波で走査することで取得された時間的に連続する複数の断層像データを受け付け、さらに、所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に対する前記心臓の内膜の輪郭の指定を受け付けて、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出手段と、
    前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成手段と、
    前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする超音波画像処理装置。
  8. コンピュータに、
    被検体の心臓を超音波で走査することで取得された時間的に連続する複数の断層像データを受け付け、さらに、所定時相に取得された断層像データに基づく断層像に対する前記心臓の内膜の輪郭の指定を受け付けて、前記所定時相以外の各時相に取得された断層像データに基づく断層像における前記内膜の輪郭の位置を時相ごとにパターンマッチングにより求める輪郭位置算出機能と、
    前記各時相における前記内膜の輪郭を表すマーカを時相ごとに生成し、前記各時相のマーカに、時相ごとに異なる色を割り当てるマーカ生成機能と、
    前記色が割り当てられた前記各時相のマーカを断層像に重ねて表示装置に表示させる表示制御機能と、
    を実行させることを特徴とする超音波画像処理プログラム。
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