JP5292263B2 - 成膜方法及び発光素子の作製方法 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される発明は、成膜方法及び発光素子の作製方法に関する。
薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特徴を有する有機化合物を発光体として用いた発光素子は、次世代のフラットパネルディスプレイへ応用されている。
発光素子の発光機構は、一対の電極間にEL層(発光層ともいう)を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔がEL層の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に緩和する際にエネルギーを放出して発光するといわれている。
EL層を成膜する方法に1つとして、ドナーと呼ばれる基板上に、EL材料である有機材料を一様に成膜し、有機材料が成膜されたドナーと他の基板を重ね合わせて、ドナーにレーザビームを照射し、レーザビームが照射された領域の有機薄膜(発光素子のEL層)を他の基板に転写する技術が開発されてきている(特許文献1〜特許文献5参照)。このようなレーザ転写の技術として、LIPS(Laser−Induced Pattern−wise Sublimation)、LITI(Laser−Induced Thermal Imaging)(特許文献6参照)、RIST(Radiation Induced Sublimation Transfer)が提案されている。
また、金属箔の一方の面にその金属の蒸発・プラズマ化を行う吸収性の短パルスエネルギー、例えばレーザ光を含む光エネルギー、を印加することにより、金属ガスの急激な膨張によるジェットを発生させ、金属箔の他方の面で衝撃波を発生させることが知られている(特許文献7参照)。
特許文献7では、次のことが知られている。すなわち、短パルスエネルギー、例えば、Qスイッチレーザー光を金属箔に照射すると、融除が起こり、その反作用として金属箔中に衝撃波が発生し、衝撃波は金属箔の反対面で膨張波となって反射するので、金属箔は非常に高速で変形する。金属箔に付着させた微粒子は、超高速で打ち出される。
特表2007−504621号公報 特開2003−223991号公報 特開2003−308974号公報 特開2003−197372号公報 特開平10−208881号公報 特開2006−5328号公報 特開2002−272460号公報
EL材料である有機材料をレーザで加熱して転写させてEL層を形成する方法では、端部の膜厚が薄くなるということや、一様に転写されないという課題がある。
弾性基板上に金属膜を成膜し、弾性基板の、金属膜が形成された面の反対側の面上に転写したい有機材料を付着させ、金属膜の有機材料が付着していない方の面からレーザ照射することで、金属膜は瞬間的に高温となり、衝撃波が生じる。この衝撃波は金属膜中を伝播し、空気界面で膨張波となって反射し、金属膜は瞬間的に変形する。これにより弾性基板も変形する。
付着した有機材料は弾性基板の変形により高速で飛び出す。有機材料が飛び出す方向に転写対象基板を置いておくことで、高速に飛び出した有機材料は転写対象基板に付着し、有機材料は転写対象基板に転写される。
本明細書に開示される発明は、弾性基板の第1面に金属層を形成し、弾性基板の第1面と対向する第2面に有機材料層を形成し、弾性基板の第2面と、被成膜基板を空隙をもって対向配置し、弾性基板の第1面側から金属層を局所的に急速加熱し、該金属膜の膨張によって弾性基板を変形させ、有機材料層を弾性基板から被成膜基板に転写することを特徴とする成膜方法に関する。
また本明細書に開示される発明は、第1の電極を形成し、弾性基板の第1面に金属層を形成し、弾性基板の第1面と対向する第2面に有機材料層を形成し、弾性基板の第2面と、第1の電極を空隙をもって対向配置し、弾性基板の第1面側から金属層を局所的に急速加加熱し、該金属膜の膨張によって弾性基板を変形させ、有機材料層を弾性基板から第1の電極に転写し、転写された有機材料層上に、第2の電極を形成することを特徴とする発光装置の作製方法に関する。
金属層の加熱は、光エネルギーまたは電気エネルギーを局所的に高密度に与えるこ手段によって行う。
弾性基板とは、外力を加えると変形するが、除荷すると元に戻る性質を有する基板である。
有機材料層は、素材及び組成の異なる複数の層、あるいは、素材または組成の異なる複数の層で形成する。
有機材料層は、発光層、電子注入層、電子輸送層、ホール注入層、ホール輸送層から選ばれた少なくとも一種の層を含む。
有機材料が飛び出す方向の指向性がよく、一様な厚さを有する有機材料の膜を転写することが可能である。
弾性基板を変形させて有機材料を飛ばすため、積層膜を一度に転写することが可能である。
成膜方法を示す断面図。 成膜方法を示す断面図。 レーザ照射方法を示す斜視図。 成膜方法を示す断面図。 成膜方法を示す断面図。 発光装置の作製方法を示す断面図。
以下、本明細書に開示された発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本明細書に開示された発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本明細書に開示された発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
なお本明細書において、半導体装置とは、半導体を利用することで機能する素子及び装置全般を指し、電子回路、液晶表示装置、発光装置等を含む電気装置およびその電気装置を搭載した電子機器をその範疇とする。
[実施の形態1]
本実施の形態を、図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3、図4(A)〜図4(B)、図5(A)〜図5(C)を用いて説明する。
弾性基板101上に金属膜102を成膜する。また、弾性基板101の、金属膜102を成膜した面と反対側の面に有機材料103を付着させる(図1(A)参照)。有機材料103とは、EL材料であり、発光層の材料、電子注入層の材料、電子輸送層の材料、ホール注入層の材料、ホール輸送層の材料の少なくとも1つを含むものとする。なお弾性基板101と有機材料103との間にバッファ層を設けてもよい。弾性基板101として、外力を加えると変形するが、除荷すると元に戻る性質を有する基板であり、また、衝撃波を伝える材料である。
弾性基板101として、例えば、ゴム基板や樹脂基板等を用いればよい。ゴム基板を用いる場合の材料は、天然ゴムや合成ゴム等が挙げられる。
合成ゴムとしては、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレンゴム(ブチルゴム)等が挙げられる。
樹脂基板を用いる場合の材料は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチック、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。
汎用プラスチックとしては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(ポリ塩化ビニリデンを含む)、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)AS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる
エンジニアリング・プラスチックとしては、ポリアミド(ナイロンを含む)、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。
また、合成樹脂を用いた複合材料の一種として繊維強化プラスチックがあり、繊維強化プラスチックの代表的なものに、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)がある。
なお、弾性基板101の厚さは10μm〜1mm、金属膜102の膜厚は1nm〜1μm、有機材料103の膜厚は10nm〜300nmにすればよい。
弾性基板101を転写対象基板104から数10μm〜数100μmの隙間をあけて有機材料103が付着している面が、転写対象基板104に向かい合うように固定する(図1(B)参照))。
転写対象基板104は、有機材料が表面に成膜されていると、有機材料103の一部である有機層111が飛び出した後、付着しやすいので有用である。
このとき、有機材料103と転写対象基板104の間は、シール材107を使用し真空状態で封止する。こうすることで有機材料103を転写したときに転写された有機材料103の一部の膜厚が薄くなるのを防ぐことができ、また不純物の混入を防ぐことができる。真空状態では、平均自由行程が延びるため、転写される膜の分子が散乱されることなくまっすぐに進み、転写された有機材料103の一部の膜厚が薄くなるのを防ぐこと可能である。
次いで、金属膜102に光照射、例えばレーザビーム105を照射する(図1(C)参照))。なお後述する図3中A−Bの断面図が図1(C)である。光源としてレーザが好適であるが、金属膜102を局所的に加熱して衝撃波が生じさせるものであれば、他の代替手段を適用してもよい。
例えば、金属膜102にプローブを近接させてパルス放電(アーク放電)を生じさせ、局所的及び瞬間的に金属膜102を加熱して衝撃波を発生させてもよい。
レーザはQ−スイッチレーザや、その他のパルスレーザ、例えばエキシマレーザなどを使用するとよい。Q−スイッチレーザ光を照射すると、高エネルギー蓄積で金属膜102の表面は瞬間的に超高温に曝され(図2(A)参照)、レーザビーム105を照射する方向と逆方向に金属プラズマジェットを噴出し、その反作用として金属膜102中には衝撃波108が伝播する(図2(B)参照)。このときレーザビーム105のパワー分布を一様にすれば、衝撃波108の力も一様となる。
金属膜102中を伝播する衝撃波は、裏面の弾性基板101の界面で膨張波となって反射し、金属膜102は瞬間的に変形する。この金属膜102の膨張は弾性基板101にまで伝わり、弾性基板101も瞬間的に変形する。
これにより、弾性基板101上の、金属膜102が形成された面と反対側の面に付着していた有機材料103の一部である有機層111が高速で飛び出し、離れた転写対象基板104に転写される(図2(C)参照)。
弾性基板101及び転写対象基板104をX方向及びY方向に走査するステージ109に載せることで、金属膜102の全面に、レーザ発振器110から発振され、ミラー112によって反射されたレーザビーム105を照射することができる(図3参照)。
また金属膜102を所望の形状に成膜しておくことで、金属膜102の存在しない領域は変形しないため有機材料103が転写されず、金属膜102が存在する領域では、転写対象基板104上に所望の形状の有機層111を転写することができる(図4(A)参照)。
あるいは、有機材料103を所望の形状に成膜しておくと、所望の形状のまま有機層111が転写対象基板104に転写される(図4(B)参照)。
また、有機材料103として、第1の有機材料103a及び第2の有機材料103bを積層して積層膜を形成しておき、積層膜を一度に転写対象基板104に転写して、転写対象基板104上に第2の有機層111bと第1の有機層111aの積層膜を形成してもよい(図5(A)参照)。また有機材料103を積層膜として形成し、図4(A)に示す方法(図5(B)参照)や図4(B)に示す方法(図5(C)参照)により、所望の形状の積層膜である有機層111を転写対象基板104上に形成してもよい。
例えば、図5(A)に示すように、第1の有機材料103aを発光層の材料、第2の有機材料103bを電子注入層の材料とすると、転写対象基板104上に、電子注入層である第2の有機層111bと発光層である第1の有機層111aを一度に形成することが可能である。
以上に記載した成膜方法を用いて、発光素子を作製する方法を、図6(A)〜図6(F)を用いて以下に説明する。
まず透光性を有する基板121上に、下地膜122を形成する。透光性を有する基板121は、例えばガラス基板や石英基板を用いればよい。また下地膜122は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素膜のいずれか1つ、あるいは、2つ以上を積層した積層膜を用いればよい。
下地膜122上に、島状半導体膜141、島状半導体膜142、島状半導体膜143を形成する。島状半導体膜141、島状半導体膜142、島状半導体膜143それぞれは、下地膜122上に半導体膜を成膜し、島状になるようにマスクを用いてエッチングすればよい。
半導体膜を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料を用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質(アモルファス)半導体、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いは微結晶(セミアモルファス若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう)半導体、有機材料を主成分とする半導体などを用いることができる。半導体膜はスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜することができる。
微結晶半導体膜は、ギブスの自由エネルギーを考慮すれば非晶質と単結晶の中間的な準安定状態に属するものである。すなわち、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する。柱状または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。微結晶半導体の代表例である微結晶シリコン(珪素)は、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体膜が得られる。
この微結晶半導体膜は、周波数が数十MHz〜数百MHzの高周波プラズマCVD法、または周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置により形成することができる。代表的には、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFなどの水素化珪素を水素で希釈して形成することができる。また、水素化珪素及び水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈して微結晶半導体膜を形成することができる。これらのときの水素化珪素に対して水素の流量比を5倍以上200倍以下、好ましくは50倍以上150倍以下、更に好ましくは100倍とする。
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン(非晶質珪素)、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコン(多結晶珪素)などがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを用いて、非晶質シリコンを結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、微結晶半導体または半導体膜の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
また、半導体の材料としてはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの単体のほかGaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN、SiGeなどのような化合物半導体も用いることができる。また酸化物半導体である酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化マグネシウム亜鉛、酸化ガリウム、インジウム酸化物、及び上記酸化物半導体の複数より構成される酸化物半導体などを用いることができる。例えば、酸化亜鉛とインジウム酸化物と酸化ガリウムとから構成される酸化物半導体なども用いることができる。なお、酸化亜鉛を半導体膜に用いる場合、ゲート絶縁膜をY、Al、TiO、それらの積層などを用いるとよく、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、金(Au)、チタン(Ti)などを用いるとよい。また、ZnOにInやGaなどを添加することもできる。
半導体膜として、結晶性半導体膜を用いる場合、その結晶性半導体膜の作製方法は、種々の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体膜をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質珪素膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質珪素膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm以下にまで放出させる。これは水素を多く含んだ非晶質珪素膜にレーザ光を照射すると非晶質珪素膜が破壊されてしまうからである。
また、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する結晶化工程で、非晶質半導体膜に結晶化を促進する元素(触媒元素、金属元素とも示す)を添加し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)により結晶化を行ってもよい。結晶化を助長(促進)する元素としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)及び金(Au)から選ばれた一種または複数種類を用いることができる。
非晶質半導体膜への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体膜の表面またはその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を添加する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水または過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
結晶化を助長する元素を結晶性半導体膜から除去するため、結晶性半導体膜に接して、不純物元素を含む半導体膜を形成し、ゲッタリングシンクとして機能させる。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素、p型を付与する不純物元素や希ガス元素などを用いることができ、例えばリン(P)、窒素(N)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ボロン(B)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)から選ばれた一種または複数種を用いることができる。結晶化を促進する元素を含む結晶性半導体膜に、希ガス元素を含む半導体膜を形成し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)を行う。結晶性半導体膜中に含まれる結晶化を促進する元素は、希ガス元素を含む半導体膜中に移動し、結晶性半導体膜中の結晶化を促進する元素は除去される。その後、ゲッタリングシンクとなった希ガス元素を含む半導体膜を除去する。
非晶質半導体膜の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
また、結晶性半導体膜を、直接基板にプラズマ法により形成しても良い。また、プラズマ法を用いて、結晶性半導体膜を選択的に基板に形成してもよい。
有機材料を主成分とする半導体膜としては、他の元素と組み合わせて一定量の炭素または炭素の同素体(ダイヤモンドを除く)からなる物質を主成分とする半導体膜を用いることができる。具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
島状半導体膜141、島状半導体膜142、島状半導体膜143のそれぞれには、ゲート絶縁膜123を介して、ゲート電極145、ゲート電極146、ゲート電極147が形成されている(図6(A)参照)。
ゲート絶縁膜123、ゲート電極145、ゲート電極146、ゲート電極147は公知の構造、方法により作製すれば良い。例えば、ゲート絶縁膜123は、酸化珪素の単層膜または酸化珪素と窒化珪素との積層膜など、公知の構造で作製すればよい。
ゲート電極145、ゲート電極146、ゲート電極147はそれぞれ、CVD法やスパッタ法、液滴吐出法などを用い、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Si、Ge、Zr、Baから選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、単層構造でも複数層の構造でもよい。
島状半導体膜141、島状半導体膜142、島状半導体膜143それぞれに、ゲート電極145、ゲート電極146、ゲート電極147をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を添加してもよい。一導電型を付与する不純物元素として、n型を付与する不純物元素の場合には、リン(P)やヒ素(As)を用いればよく、p型を付与する不純物元素の場合には、ホウ素(B)を用いればよい。
なお本実施の形態においては、トップゲートの薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を形成する例を示したが、もちろんその他、ボトムゲートや公知の他の構造のトランジスタを用いても構わない。
ゲート絶縁膜123、ゲート電極145、ゲート電極146、ゲート電極147を覆って、絶縁膜124を形成する。絶縁膜124上に、島状半導体膜141に電気的に接続する電極151及び電極152、島状半導体膜142に電気的に接続する電極153及び電極154、島状半導体膜143に電気的に接続する電極154及び電極155を形成する(図6(B)参照)。
絶縁膜124は、有機絶縁材料を用いて形成し、有機絶縁材料としては、アクリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン等を使用することができる。
また電極151、電極152、電極153、電極154、電極155はそれぞれ、ゲート電極145と同様にして形成すればよい。なお電極154は島状半導体膜142及び島状半導体膜143に電気的に接続されている。島状半導体膜142及び島状半導体膜143のいずれか一方はn型を付与する不純物元素、他方はp型を付与する不純物元素が添加されており、CMOS回路135を形成している。このCMOS回路135は駆動回路の基本構成となっている。
また島状半導体膜141には、n型を付与する不純物元素あるいはp型を付与する不純物元素が添加されており、TFT134が形成される。TFT134は画素回路を構成するものである。
次いで、絶縁膜124上に、TFT134の電極152と電気的に接続する電極127を形成する(図6(C)参照)。
電極127は、発光素子137の第1の電極である。電極127が陽極である場合は、透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In)や酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO;ITO)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)を用いても良い。また、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
電極127を陰極とする場合には、アルミニウムなど仕事関数の低い材料の極薄膜を用いるか、そのような物質の薄膜と上述のような透明導電膜との積層構造を用いることによって作製することができる。
次いで、絶縁膜124及び電極127を覆って、有機絶縁材料を用いて絶縁膜131を形成する。また絶縁膜131を電極127の表面が露出しかつ電極127の端部を覆うように加工する。絶縁膜131の電極127の端部を覆う領域を、隔壁と呼ぶ(図6(D)参照)。CMOS回路135上には絶縁膜131は存在していなくてもよい。
次いで、絶縁膜131及び電極127上に、発光層128を形成する(図6(E)参照。発光層128は、図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3、図4(A)〜図4(B)に示す工程を用いて形成すればよい。すなわち、発光層128として有機材料103を用い、転写対象基板104の代わりに、電極127上に、発光層128を転写させればよい。
発光層128の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質を含む層または正孔輸送性の高い物質を含む層、電子注入性の高い物質を含む層、正孔注入性の高い物質を含む層、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質を含む層等を適宜組み合わせて構成すればよい。
なお本明細書では、発光層128は、発光層単層、あるいは、発光層、及び、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層の少なくともいずれか1つとの積層を指す。
例えば、発光層128として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。本実施の形態では、発光層128は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する構成について説明する。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層は、陽極に接して設けられ、正孔注入性の高い物質を含む層である。モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても正孔注入層を形成することができる。
また、正孔注入層として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、電極127として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることができる。アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
複合材料に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、正孔輸送層として、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
発光層は、発光性の物質を含む層である。発光層の種類としては、発光中心物質を主成分とするいわゆる単膜の発光層であっても、ホスト材料中に発光中心材料を分散するいわゆるホスト−ゲスト型の発光層であってもどちらでも構わない。
用いられる発光中心材料に制限は無く、公知の蛍光又は燐光を発する材料を用いることができる。蛍光発光性材料としては、例えばN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、等の他、発光波長が450nm以上の4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン、(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)などが挙げられる。燐光発光性材料としては、例えば、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、の他、発光波長が470nm〜500nmの範囲にある、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)、発光波長が500nm(緑色発光)以上のトリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))等が挙げられる。以上のような材料又は他の公知の材料の中から、各々の発光素子における発光色を考慮し選択すれば良い。
ホスト材料を用いる場合は、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、NPB(またはα−NPD)、TPD、BSPBなどの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)などを挙げることができる。これら及び公知の物質の中から、各々が分散する発光中心物質のエネルギーギャップ(燐光発光の場合は三重項エネルギー)より大きなエネルギーギャップ(三重項エネルギー)を有する物質を有し、且つ各々の層が有すべき輸送性に合致した輸送性を示す物質を選択すればよい。
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。
また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、陰極となる電極に接して電子注入層を設けてもよい。電子注入層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、発光素子137の第2の電極である電極129からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
電極129を形成する物質としては、電極129を陰極として用いる場合には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、陰極と電子輸送層との間に、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を陰極として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また電極129を陽極として用いる場合には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。また、上述の複合材料を陽極に接して設けることによって、仕事関数の高低にかかわらず電極の材料を選択することができる。
また、高分子系有機発光材料を用いる例として、正孔注入層として20nmのポリチオフェン(PEDOT)膜をスピン塗布法により設け、その上に、発光層として100nm程度のポリフェニレンビニレン(PPV)やPPVの誘導体膜を設けてもよい。なお、π共役系高分子であるPPVやPPVの誘導体を用いると、赤色から青色まで発光波長を選択できる。また、電子輸送層や電子注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。
以上の説明のようにして、発光素子137を有する発光装置が作製される(図6(F)参照)。発光素子137は、電極127が透光性を有する電極、電極129が反射性を有する電極、基板121が透光性を有する基板の場合、基板121の方向に光が射出される。
なお、基板121と下地膜122との間に分離層を形成し、分離層により下地膜122上の構成と基板121とを分離し、フレキシブル基板と下地膜122上の構成とを接着層により貼り合わせることにより、フレキシブル基板上に発光素子を作製することができる。フレキシブル基板上に発光素子を作製した場合、様々な形状の電子機器に組み合わせることが可能である。
101 弾性基板
102 金属膜
103 有機材料
103a 有機材料
103b 有機材料
104 転写対象基板
105 レーザビーム
107 シール材
108 衝撃波
109 ステージ
110 レーザ発振器
111 有機層
111a 有機層
111b 有機層
112 ミラー
121 基板
122 下地膜
123 ゲート絶縁膜
124 絶縁膜
127 電極
128 発光層
129 電極
131 絶縁膜
134 TFT
135 CMOS回路
137 発光素子
141 島状半導体膜
142 島状半導体膜
143 島状半導体膜
145 ゲート電極
146 ゲート電極
147 ゲート電極
151 電極
152 電極
153 電極
154 電極
155 電極

Claims (2)

  1. 弾性基板の第1面に金属層を形成し、
    前記弾性基板の第1面と対向する第2面に有機材料を含む層を形成し、
    前記弾性基板の第2面と、被成膜基板と、間隔をあけて対向配置し、
    前記弾性基板の第1面側から前記金属層を局所的に急速加熱し、前記金属の膨張によって前記弾性基板を変形させ、
    前記有機材料を含むの一部を前記弾性基板から前記被成膜基板に移すことを特徴とする成膜方法。
  2. 弾性基板の第1面に金属層を形成し、
    前記弾性基板の第1面と対向する第2面に有機材料を含む層を形成し、
    前記弾性基板の第2面と、第1の電極と、間隔をあけて対向配置し、
    前記弾性基板の第1面側から前記金属層を局所的に急速加熱し、前記金属の膨張によって前記弾性基板を変形させ、
    前記有機材料を含むの一部を前記弾性基板から前記第1の電極にた後、移された有機材料を含む層上に、第2の電極を形成することを特徴とする発光素子の作製方法。
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