JP5292110B2 - 渦流ブロワ - Google Patents

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Description

本発明は羽根車の回転により連続的に空気に運動エネルギーを与えて空気を圧送する渦流ブロワに関する。
渦流ブロワつまり渦流送風機は、円弧状の静止流路が形成されたケーシングを有している。この静止流路に対向する環状溝が設けられたシュラウドと、環状溝を横切って円周方向に所定の間隔毎にシュラウドに設けられた複数の羽根つまりブレードとを有する羽根車がケーシングに回転自在に装着されており、羽根車はケーシングに装着される電動機により回転駆動される。ケーシングには静止流路の一端部に連通する吸込流路と、静止流路の他端部に連通する吐出流路とが設けられており、吸込流路は静止流路の一端部側に吸込口を介して連通し、吐出流路は静止流路の他端部側に吐出口を介して連通している。羽根車を電動機により回転させると、吸込流路から流入した空気は羽根車のブレード相互間を内周から外周に向かって増速されて静止流路に流入し、静止流路内を円周方向に案内されて減速、昇圧される過程と、再度ブレード相互間に流入する過程とが繰り返される。これにより、流入空気は羽根車により繰り返し運動エネルギーが与えられて加圧される。加圧された空気は、吐出流路を介して外部に吐出されることになる。ケーシングには静止流路の両端部間を仕切る隔壁がブレードに対向するように設けられており、この隔壁により吸込流路と吐出流路との羽根車側の開口部が仕切られ、吸込口と吐出口とが直接連通しないようにシールされている。
このような構造の渦流ブロワは、単位羽根車外径当たりの仕事を表す圧力係数が遠心式ブロワに比して高く小型軽量化できることから、一般産業機械における比較的小容量の空気動力源として広く使用されている。渦流ブロワの使用形態としては、吐出流路から吐出される正圧空気を利用する場合と、吸込流路に発生する負圧を利用する場合とがある。例えば、工作機械の切粉を取り除くために渦流ブロワが使用されるときには正圧空気が利用され、ワークを吸着搬送するために渦流ブロワが使用されるときには吸込流路に発生する負圧空気が利用される。
渦流ブロワとしては、特許文献1に記載されるように、ブレードが三次元的に湾曲したタイプがあり、この三次元タイプのブレードは、円周面に沿う二次元方向と回転軸に沿う軸方向とにそれぞれ湾曲している。このタイプのブレードを有する渦流ブロワは、ブレードが径方向に真っ直ぐに延びてストレート型となった渦流ブロワに比して吐出圧力を高めることができるという利点を有している。しかし、吐出圧力を高めると、圧力変動に起因して吸込流路および吐出流路を介して外部へ放射される騒音が高くなる。そのため、特許文献1に記載される渦流ブロワにおいては、円弧状となった静止流路の両端部相互間を仕切る隔壁をケーシングに取り付けるようにし、吸込口の前方にこれに対向して吸込口を覆うように吸込側のガイドを隔壁に一体に設けるとともに、吐出口の前方にもこれに対向して吐出口を覆うように吐出口側のガイドを隔壁に一体に設けるようにしている。これにより、圧力変動に起因して発生した騒音を回折させて外部に放射される直接音を低減するようにしている。
渦流ブロワにおいては、吸込口から流入した流体は羽根車により昇圧されて吐出口から流出することになるが、羽根車により昇圧されてブレード相互間に捕捉された流体は吐出口側を過ぎるとガイドおよび隔壁に塞がれた状態となって吸込口側へ移送される。この移送される流体はキャリーオーバーまたは繰越流と言われている。したがって、吸込口に対向するガイドと吐出口に対向するガイドとが隔壁に一体に設けられた部材をケーシングに取り付けるようにすると、吐出口側のガイドから隔壁を介して吸込口側のガイドを過ぎるまで繰越流が形成されることになる。
特許文献2には、繰越流が吸込口の位置を通過してから繰越流を流入流体に合流させるようにした渦流ブロワが記載されている。この渦流ブロワにおいては、空力性能改善のために吸込口側のガイドに補助流供給路を形成し、この補助流供給路から繰越流を補助流として噴出することにより羽根車内に旋回流を形成するようにしている。このように、特許文献2の渦流ブロワにおいては、流入流体に繰越流による噴流を合流させて吸込口から静止流路内に流入した空気に旋回流を付加するようにして吐出性能を高めるようにしている。
特開平3−78595号公報 特開平5−65891号公報
しかしながら、特許文献2に記載されるように、繰越流の噴流を静止流路に向けて吹き付けるようにすると、吸込口から静止流路内に流入する流体よりも移送された繰越流の圧力が高いために、繰越流が吸込側に開放されるときに吸込口から静止流路を介して羽根車のブレード間へ流入する流れを阻害することになり、渦流ブロワの圧力損失を低下させる一因となっている。
一方、渦流ブロワにおいては、通常、ブレードと隔壁との干渉によりブレード枚数と回転数の乗数の整数倍の周波数を持つ風切り音が発生するが、特許文献2のように、吸込口からの圧力の低い流入流れと圧力の高い繰越流とを混合させるようにすると、混合部には急激な圧力変化が発生し、圧力脈動によって風切り音の騒音を増幅させていることが判明した。
湾曲したブレードを有する渦流ブロワにおいては、ブレードが湾曲していないストレート型の渦流ブロワに比して隔壁の円周方向の長さが長くなっている。しかも、渦流ブロワ外部への直接音を低減するために吸込口と吐出口をそれぞれ覆うように隔壁にガイドを設けると、ガイドを含めた隔壁の円周方向の長さが長くなる。このように、隔壁の円周方向の長さが長くなると、空気を昇圧させるための静止流路の円周方向角度が小さくなって静止流路の長さが相対的に短くなり吐出性能を向上させることができなくなる。
このように、隔壁の円周方向の長さが長くなると、ケーシングを鋳物やダイカストにより造形する場合にケーシングの表裏双方から型抜きができないアンダーカット部分が発生するので、ガイドが設けられた隔壁をケーシングに一体化させた一体構造のケーシングを製造することができなくなる。このため、隔壁とガイドとをケーシングとは別部品としなければならず、部品点数が多くなって製造工数が多くなるとともに材料費を引き上げる結果となっている。
本発明の目的は、渦流ブロワの吐出性能を維持しつつ渦流ブロワからの騒音発生を抑制することにある。
本発明の他の目的は、渦流ブロワのケーシングと隔壁とを一体的に製造し得るようにすることにある。
本発明の渦流ブロワは、一端側の吸込口と他端側の吐出口との間に円弧状に延びる静止流路が設けられたケーシングと、前記静止流路に対向する環状溝が設けられ前記ケーシングに回転自在に装着されるシュラウドに、軸方向と円周方向とに三次元的に湾曲したブレードが前記環状溝を横切って円周方向に所定の間隔毎に設けられた羽根車とを有する渦流ブロワであって、前記静止流路の両端部間を仕切るとともに前記ブレードに対して隙間を介して対向する隔壁を前記ケーシングに設け、前記吸込口を横切る方向に延びる吸込側端面を有し、前記吸込口前方に円周方向に突出して前記吸込口を部分的に覆う吸込側ガイドを前記隔壁に一体に設け、前記ブレードの径方向中央部に対応させて前記静止流路に対して径方向中央部で円周方向に延び、前記吸込側ガイドの径方向内側部と外側部とを仕切る仕切り部を前記吸込側ガイドに設け、前記隔壁と前記ブレードとの隙間よりも大きい隙間を有し、前記ブレードにより前記吐出口側から前記吸込口側に前記隔壁に沿って流れる繰越流を前記ブレードの外周部側で減圧させる膨張空間を前記仕切り部の外周側に形成し、前記膨張空間に入り込んで減圧された繰越流を前記静止流路の外周部に流すことを特徴とする。
本発明の渦流ブロワは前記膨張空間を前記吸込側ガイドを介して前記吸込口に対向する位置に設けることを特徴とする。本発明の渦流ブロワは、前記仕切り部を前記静止流路の前記径方向内部の前記吸込側端面よりも円周方向に張り出させて前記吸込側ガイドに設けることを特徴とする。本発明の渦流ブロワは、前記静止流路の前記径方向内部の前記吸込側端面を回転方向に傾斜させることを特徴とする。
本発明の渦流ブロワは、前記吐出口を横切る方向に延びる吐出側端面を有し、前記吐出口前方に円周方向に突出して前記吐出口を部分的に覆う吐出側ガイドを前記隔壁に設けることを特徴とする。本発明の渦流ブロワは、前記吸込側ガイドと前記吐出側ガイドと前記隔壁とを前記ケーシングに一体に設けることを特徴とする。
本発明によれば、吸込口を部分的に覆う吸込側ガイドの外周部の外面には繰越流を膨張させて減圧させる膨張空間が形成されているので、膨張空間内に入り込んだ繰越流は、膨張して減圧された後に、吸込口から静止流路内に流入した流入空気と混合することになり、混合時の圧力脈動が小さくなり、吸込口側における発生騒音を低減することができる。
吸込側ガイドは吸込口を部分的に覆うようにしているので、羽根車に対向する静止流路の長さを長くすることができ、吐出性能を高めることができる。これにより、吐出性能を維持しつつ渦流ブロワからの騒音発生を抑制して静粛な渦流ブロワが得られる。
吸込側ガイドと吐出側ガイドとを含めて隔壁とともにケーシングに一体に設けることができるので、ケーシングを隔壁を含めて鋳造ないしダイカストにより容易に製造することができる。これにより、少ない部品点数によって少ない工程で渦流ブロワを低コストで製造することができる。
本発明の一実施の形態である渦流ブロワを示す一部切欠き斜視図である。 図1に示された渦流ブロワの一部を示す縦断面図である。 羽根車の内面を示す正面図である。 ケーシングの正面側を示す斜視図である。 ケーシングの正面図である。 図5の一部拡大正面図である。 (A)は図6における7A−7A線断面図であり、(B)は図6における7B−7B線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この渦流ブロワは、図1に示されるように、台座部10が一体となったケーシング11を有している。ケーシング11には電動機12が取り付けられるようになっており、電動機12は台座部10にボルトにより固定される。図1および図2に示されるように、ケーシング11は環状部11aに一体となった湾曲部11bを有し、湾曲部11bの外周部には軸方向に突出する円筒部11cが一体となっている。環状部11aの中心には電動機12の回転軸13が貫通しており、環状部11aに嵌合されるボス部材14が軸受を介して回転軸13に装着されるようになっている。回転軸13には電動機12により回転駆動される羽根車15が取り付けられており、羽根車15は回転軸13に固定されるディスク部16aと湾曲部11bに対向する湾曲部16bとが設けられたシュラウド16を有し、湾曲部16bの内面には環状溝17が形成されている。
この環状溝17はシュラウド16の湾曲部16b内に円周方向に所定の間隔毎に設けられる複数の羽根つまりブレード18により区画されており、円周方向に隣り合うブレード18の間は遠心溝17aとなっている。ブレード18は、図3および図7に示されるように、羽根車15の回転方向をRとすると、回転方向前方側が凹面となるように回転軸13に沿う軸方向に湾曲するとともに、径方向中央部よりも径方向両端部が回転方向前方側に迫り出すように湾曲している。このように、ブレード18は、円周面に沿う二次元方向と回転軸に沿う軸方向とに三次元的に湾曲した湾曲タイプとなっている。ケーシング11の円筒部11cにはケーシングカバー19が取り付けられ、羽根車15はケーシングカバー19により覆われている。
ケーシング11の湾曲部11bの内面には円弧状の静止流路20が形成されている。図1に示すように、この静止流路20の一端部外周側に連通させて吸込流路21がケーシング11の台座部10に設けられ、静止流路20の他端部外周側に連通させて吐出流路22が台座部10に平行な図示しない台座部に設けられている。図6および図7に示されるように、吸込流路21は円弧状の静止流路20の一端部に吸込口23を介して連通し、吐出流路22は静止流路20の他端部に吐出口24を介して連通している。このように、吸込流路21と静止流路20とを連通させる部分が吸込口23となり、吐出流路22と静止流路20とを連通させる部分が吐出口24となっており、それぞれは静止流路20の径方向外周部側に設けられている。なお、図6においては、静止流路20に対向する羽根車15のブレード18が二点鎖線で示されている。
ケーシング11には静止流路20の両端部間つまり吐出口24と吸込口23の間を仕切る隔壁25がケーシング11に一体に設けられている。隔壁25は羽根車15がケーシング11に装着された状態のもとでは、図7に示されるように、ブレード18の先端面に対して0.3〜0.6mm程度の僅かな寸法C1の隙間26を介して対向することになる。ただし、図7においては隙間26が誇張して示されている。
吸込流路21の外方端には、図示しない吸込配管を接続するための接続口21bが図1に示すように設けられ、吸込配管を介して吸込流路21には外部から空気が供給される。吐出流路22の外方端には図示しない吐出配管を接続するための接続口が設けられている。吸込流路21には消音器27が組み込まれており、吐出流路22にも図示しない消音器が組み込まれている。
図5〜図7に示されるように、吸込口23の前方を円周方向に隔壁25から突出して吸込口23を部分的に覆う吸込側ガイド31が隔壁25に一体となって設けられており、図5に示されるように、吸込側ガイド31の吸込側端面32は吸込口23を横切る方向に延びている。吐出口24の前方を円周方向に隔壁25から突出して吐出口24を部分的に覆う吐出側ガイド33が隔壁25に一体となって設けられており、図5に示されるように、吐出側ガイド33の吐出側端面34は吐出口24を横切る方向に延びている。このように、吸込側ガイド31は吸込口23を部分的に覆うようになっているので、吸込口23のうち吸込側ガイド31により覆われない部分はブレード18に直接対向することになる。同様に、吐出口24のうち吐出側ガイド33により覆われない部分にはブレード18が直接対向することになる。
羽根車15を電動機12により回転駆動すると、吸込流路21により案内されて図7において矢印Iで示すように静止流路20から羽根車15内に流入する空気は、羽根車15のブレード18相互間の遠心溝17aを内周から外周に向かって増速されて静止流路20に流入する。これにより、流入した空気は静止流路20内を円周方向に案内されて減速、昇圧される過程と、再度遠心溝17a内に流入する過程とが繰り返される。このようにして渦流ブロワ内において、空気は螺旋状に流れながら、繰り返して運動エネルギーが羽根車15により与えられて加圧される。加圧された空気は、図7において矢印間Oで示すように吐出流路22を介して外部に案内される。図2には、流入した空気が羽根車15の遠心溝17a内において内周部側から外周側に流れ、静止流路20内において外周部側から内周部側に流れている状態が矢印Sで示されている。
このように、吸込口23から静止流路20に流入した流体は羽根車15により昇圧されて吐出口24から流出することになるが、羽根車15により昇圧されてブレード18相互間の遠心溝17a内に捕捉された流体は、羽根車15の回転に伴って吐出口側を過ぎると吐出側ガイド33、隔壁25および吸込側ガイド31により塞がれた状態となって吸込口側へ繰越流となって移送される。羽根車15の回転に伴って吸込側ガイド31の部分にまで移送された繰越流をブレード18の外周部側との間で減圧させる膨張空間35が吸込側ガイド31の外周部の表面に形成されている。
この膨張空間35は、図4〜図7に示されるように吸込側ガイド31に部分的に薄肉部36を形成することによって薄肉部36の表面37と、円周方向の段差面38と、径方向の段差面39とにより区画されており、膨張空間35はブレード18の先端の径方向外周部に対向することになる。薄肉部36の表面37とブレード先端との間の寸法C2は、隔壁25における隙間26の寸法C1よりも大きく設定されている。図示する場合には、この寸法C2は5mmに設定されており、隙間26の10倍程度に設定されている。
図4および図5に示されるように、静止流路20の両端部間を仕切る隔壁25には吸込側ガイド31と吐出側ガイド33とが一体となっており、吸込側ガイド31の外周部に設けられた膨張空間35の部分を除いて、吸込側ガイド31と吐出側ガイド33の表面は隔壁25の表面と同一面となっており、隔壁25の表面は環状の湾曲部11bの内周側先端面とも同一面となっている。
膨張空間35は、図5に示されるように、吸込口23に吸込側ガイド31の薄肉部36を介して対向する位置に設けられ、膨張空間35のサイズは吸込口23よりも小さく設定されている。また、膨張空間35は吸込口23に対して径方向外周部側に寄せられて設けられ、吸込口23にオーバーラップしている。
吸込側ガイド31には、ブレード18の径方向中央部に対応させて円周方向に延びる仕切り部40が設けられている。吸込側ガイド31の端面つまり吸込側端面32は、薄肉部36と仕切り部40に対応して径方向に延びる部分32aと、段差面38に沿って延びて仕切り部40を形成する円周方向の部分32bと、仕切り部40の根本部から静止流路20の径方向内方面に延びる部分32cとを有し、吸込側端面32は全体的に屈曲した形状となっている。吸込側端面32のうち静止流路20の径方向内方部に対応する吸込側端面の部分32cは、径方向内方に向かうに従って羽根車15の回転方向に進むように回転方向に傾斜している。
一方、吐出側ガイド33の吐出側端面34は、吐出口24を径方向に横断する部分34aと、この部分の径方向内方端から静止流路20の径方向内方部に向けて傾斜した部分34bとを有しており、吐出側端面34の傾斜した部分34bは、径方向内方に向かうに従って羽根車15の回転方向に対して逆方向に進むように傾斜している。
羽根車15の回転に伴って遠心溝17a内に捕捉され吐出側ガイド33、隔壁25および吸込側ガイド31により塞がれた繰越流は、吸込口側へ移送されることになるが、図7(B)に示されるように、繰越流のうち吸込側ガイド31の外周部側に移送された部分は、矢印Tで示すように吸込側ガイド31の外周部に設けられた膨張空間35内に入り込む。膨張空間35内に入り込んだ繰越流は、膨張して減圧された後に、静止流路20の外周部を円周方向に流れる。一方、吸込口23内に外部から流入した流入空気は、図5および図7において矢印Iで示すように静止流路20内に流入し、静止流路20の内周部側に流れ込むことになる。これにより、外周部側の繰越流は、減圧された後に吸込口23からの流入空気と混合することになるので、混合時の圧力脈動が小さくなり、吸込口23側における発生騒音である風切り音が低減される。
隔壁25と羽根車15との間の隙間C1は0.3〜0.5mm程度に設定され、膨張空間35の隙間C2は5mm程度に設定されており、膨張空間35の隙間C2は隙間C1に比して大きく設定されているので、繰越流は膨張空間35において膨張して減圧される。膨張空間35の隙間寸法を大きくし過ぎると、外周部を移送された繰越流が静止流路20の内周側に流出し易くなって性能低下が起きたり、急激な膨張による発力変動が発生したりして新たな騒音発生源となるおそれがあるが、隙間C2を調整することによって膨張した空気の流れに方向性を付与して風切り音による騒音の発生を抑制することができた。
ブレード18の径方向中央部に対応させて吸込側ガイド31には円周方向に延びる仕切り部40が設けられ、この仕切り部40は静止流路20と遠心溝17aとの間で渦流の中心部に位置しており、この仕切り部40により膨張空間35と吸込側ガイド31の径方向内側部とが仕切られている。これにより、矢印Iで示すように、吸込口23から静止流路20の内周部側に流入した空気は、羽根車15の内周部側から遠心溝17a内に流入し、遠心溝17aの外周部側から静止流路20の外周部に向けて流出することになり、ブレード18相互間の遠心溝17a内に円滑に流入することになる。
吸込側ガイド31の径方向内側部の隙間は隔壁25と羽根車15との間の隙間と同一寸法となっており、その部分を通過する繰越流は減圧膨張することはないが、吸込口23に対しては径方向にずれているので、風切り音を発生させることなく、静止流路20の内周部側に流れることになる。しかも、径方向内側の吸込側端面部分32cはスキューつまり傾斜しているので、図6に二点鎖線で示すようにブレード18と端面部分32cは交差しており、端面部分32cからは静止流路20内に同時に繰越流が流入することなく、羽根車15の回転に伴って徐々にブレード18が端面部分32cを横切って繰越流が静止流路20内に流れることになるので、この部分からの騒音の発生を抑制することができる。
一方、静止流路20の吐出側においては加圧流体が吐出側ガイド33の吐出側端面34に衝突して圧力変動が発生することになるが、静止流路20の吐出側に比べて吐出側の圧力変動は小さく、騒音の発生は小さい。したがって、吐出側ガイド33により吐出口24の全体を覆うことなく、図示するように部分的に覆うようにしても、吐出側からの騒音発生が大きくなることはなかった。
吸込側ガイド31は吸込口23を部分的に覆うようにして吸込側端面32を吸込口23を横切る位置に設け、吐出側ガイド33は吐出口24を部分的に覆うようにして吐出側端面34を吐出口24を横切る位置に設けることにより、吸込側ガイド31と吐出側ガイド33を含めた隔壁25の円周方向の長さは、吸込側ガイド31と吐出側ガイド33を吸込口23と吐出口24をそれぞれ全体的に覆うようにした場合よりも短くなる。隔壁25の円周方向の最小長さは、吸込口23と吐出口24との間の圧力漏れを防ぐ長さにより設定され、通常ではブレード3枚分の円周方向間隔に対応させた長さに隔壁25を設定すれば圧力漏れを防止できると考えられている。ブレード18の枚数を増加させれば隔壁25の円周方向長さを短くすることができるが、一般的にはブレード枚数を増加させると、空力性能が低下する傾向があり、隔壁25の円周方向長さを短くするのには限界がある。本発明の渦流ブロワにおいては、隔壁25の円周方向長さをブレード3枚分の間隔に対応させることにより、空力特性を低下させることなく、吸込口23と吐出口24との間のシール性を確保するようにしている。
このように、吸込側ガイド31は吸込口23の全てを覆うことなく部分的に覆うようにし、吐出側ガイド33も吐出口24を全て覆うことなく部分的に覆うようにしたので、隔壁25とそれぞれの吸込側ガイド31と吐出側ガイド33とをケーシング11に一体的に鋳造ないしダイカストにより容易に造形つまり製造することができる。これにより、隔壁とガイドを従来のようにケーシングとは別部品とすることなく、少ない部品点数によって少ない工程で渦流ブロワを製造することができる。ただし、隔壁25とケーシング11とを別部品とすることも可能である。
従来のように、吸込側ガイド31を吸込口23の全体を覆うようにし、吐出側ガイド33を吐出口24の全体を覆うようにすると、図6において二点鎖線で示すように吸込側端面41と吐出側端面42は、それぞれ本発明の吸込側端面32と吐出側端面34よりも大きくずれることになる。従来の吸込側端面41は全体的に傾斜してブレード18が内周部側から端面を通過するようにしており、吐出側端面42は半径方向部分と傾斜部分とを有し、ブレード18が内周部側から端面を通過するようにしている。このように、従来では吸込口23と吐出口24を全体的にガイドにより覆うようにして騒音発生を抑制するようにしているが、繰越流は吸込側に開放されるときに吸込口から羽根車のブレード間へ流入する流れを阻害し、渦流ブロワの圧力損失を低下させる一因となっている。しかも、吸込口からの圧力の低い流入流れと圧力の高い繰越流とが混合するので、混合部には急激な圧力変化が発生し、圧力脈動によって風切り音の騒音を増幅させることになる。
これに対し、膨張空間35を吸込側ガイド31に設けると、繰越流のうち吸込側ガイド31の外周部側に移送された部分は、吸込側ガイド31の外周部に設けられた膨張空間35内に入り込み、膨張して減圧された後に、静止流路20の外周部を円周方向に流れる。一方、吸込口23内に外部から流入した流入空気は、静止流路20内に流入し静止流路20の内周部側に流れ込むことになり、外周部側の繰越流は、減圧された後に吸込口23からの流入空気と混合することになるので、混合時の圧力脈動が小さくなり、吸込口23側における発生騒音である風切り音が低減される。
しかも、吸込口23から流入した空気は直ちに羽根車15により加圧されることになり、羽根車15に対向する静止流路20の長さが長くなるので、吐出性能を高めることができ、吐出性能を維持しつつ渦流ブロワからの騒音発生を抑制し、静粛な渦流ブロワが得られることになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
11 ケーシング
11a 環状部
11b 湾曲部
12 電動機
13 回転軸
15 羽根車
16 シュラウド
17 環状溝
17a 遠心溝
18 ブレード
20 静止流路
21 吸込流路
22 吐出流路
23 吸込口
24 吐出口
25 隔壁
31 吸込側ガイド
32 吸込側端面
33 吐出側ガイド
34 吐出側端面
35 膨張空間
36 薄肉部
38 円周方向段差面
39 径方向段差面
40 仕切り部

Claims (6)

  1. 一端側の吸込口と他端側の吐出口との間に円弧状に延びる静止流路が設けられたケーシングと、前記静止流路に対向する環状溝が設けられ前記ケーシングに回転自在に装着されるシュラウドに、軸方向と円周方向とに三次元的に湾曲したブレードが前記環状溝を横切って円周方向に所定の間隔毎に設けられた羽根車とを有する渦流ブロワであって、
    前記静止流路の両端部間を仕切るとともに前記ブレードに対して隙間を介して対向する隔壁を前記ケーシングに設け、
    前記吸込口を横切る方向に延びる吸込側端面を有し、前記吸込口前方に円周方向に突出して前記吸込口を部分的に覆う吸込側ガイドを前記隔壁に一体に設け、
    前記ブレードの径方向中央部に対応させて前記静止流路に対して径方向中央部で円周方向に延び、前記吸込側ガイドの径方向内側部と外側部とを仕切る仕切り部を前記吸込側ガイドに設け、
    前記隔壁と前記ブレードとの隙間よりも大きい隙間を有し、前記ブレードにより前記吐出口側から前記吸込口側に前記隔壁に沿って流れる繰越流を前記ブレードの外周部側で減圧させる膨張空間を前記仕切り部の外周側に形成し、
    前記膨張空間に入り込んで減圧された繰越流を前記静止流路の外周部に流すことを特徴とする渦流ブロワ。
  2. 請求項記載の渦流ブロワにおいて、前記膨張空間を前記吸込側ガイドを介して前記吸込口に対向する位置に設けることを特徴とする渦流ブロワ。
  3. 請求項1または2記載の渦流ブロワにおいて、前記仕切り部を前記静止流路の前記径方向内部の前記吸込側端面よりも円周方向に張り出させて前記吸込側ガイドに設けることを特徴とする渦流ブロワ。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の渦流ブロワにおいて、前記静止流路の前記径方向内部の前記吸込側端面を回転方向に傾斜させることを特徴とする渦流ブロワ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の渦流ブロワにおいて、前記吐出口を横切る方向に延びる吐出側端面を有し、前記吐出口前方に円周方向に突出して前記吐出口を部分的に覆う吐出側ガイドを前記隔壁に設けることを特徴とする渦流ブロワ。
  6. 請求項記載の渦流ブロワにおいて、前記吸込側ガイドと前記吐出側ガイドと前記隔壁とを前記ケーシングに一体に設けることを特徴とする渦流ブロワ。
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