JP5288097B2 - 化学機械研磨用水系分散体、化学機械研磨用水系分散体の製造方法および化学機械研磨方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらのリサイクルシステムでは銅などの配線金属を研磨することにより発生する金属イオンが蓄積され、初期の研磨性能と再生後の研磨性能が大幅に変化するため、実用的な再利用ができない問題があった。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、前記(B)有機酸が含窒素複素五員環とカルボキシル基を有する化合物、含窒素複素六員環とカルボキシル基を有する化合物、およびアミノ酸よりなる群から選択される一種であることを特徴とする。
(a)研磨に用いられた化学機械研磨用水系分散体を回収する工程と、
(b)研磨に用いられた化学機械研磨用水系分散体中の粗大粒子を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒、(B)有機酸、および(C)銅イオンを含有し、前記(A)砥粒の長径Rmaxと、短径Rminの比率Rmax/Rminが1.0〜1.5であり、前記(C)成分の濃度が1.0×103〜1.0×105ppmである化学機械研磨用水系分散体である。以下、各成分について詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)砥粒としては、無機粒子が好ましい。無機粒子としては、ヒュームド法により、塩化ケイ素、塩化アルミニウムまたは塩化チタン等と酸素および水素とを気相中で反応させて合成されたヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニア;ゾルゲル法により、金属アルコキシドを加水分解縮合して合成されたシリカ;無機コロイド法等により合成され、精製により不純物を除去した高純度コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記のような判断手法により、たとえば、50個の砥粒粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)を測定し、長径(Rmax)と短径(Rmin)の平均値を算出したあと、長径と短径との比率(Rmax/Rmin)を計算して求めることができる。
本発明に用いられる(B)有機酸は、銅イオンまたは銅膜の表面に対し配位能力を有する有機酸が好ましい。より好ましくは、銅イオンまたは銅膜の表面に対しキレート配位能力を有する有機酸であり、たとえば、含窒素複素五員環とカルボキシル基を有する化合物、含窒素複素六員環とカルボキシル基を有する化合物、およびアミノ酸よりなる群から選択される一種であることが好ましい。
本発明に用いられるに用いられる含窒素複素五員環とカルボキシル基を有する化合物、含窒素複素六員環とカルボキシル基を有する化合物が有する複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造などの複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造などの複素六員環が挙げられる。このような複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造などが挙げられる。
このような構造を有する有機化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する有機化合物が好ましい。
アミノ酸としては、たとえば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、チロシン、パリンなどが挙げられる。特に、含窒素複素五員環とカルボキシル基を有する化合物、含窒素複素六員環とカルボキシル基を有する化合物であり、かつアミノ酸であるヒスチジン、トリプトファン、プロリンは前記(B)成分として最も好ましく用いることが可能である。
これらの(B)有機酸の含有量は、水系分散体を100質量%とした場合に、0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜2質量%とすることができる。(B)有機酸の含有量が前記範囲未満の場合には、化学機械研磨用水分散体を再使用する際に銅イオンの析出が発生し、被研磨ウエハーにスクラッチを発生させる可能性があり、一方、前記範囲を越えると、Cu膜などの金属膜の腐食やディッシングが大きくなるおそれがある。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に含有される(C)銅イオンの濃度は1.0×103〜1.0×105ppmであり、好ましくは3.0×103〜8.0×104ppm、さらに好ましくは5.0×103〜5.0×104ppmである。なお、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に含有される(C)銅イオンの濃度とは、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の全ての成分を含めた100質量%中に含有される(C)銅イオンの重量から算出される重量濃度である。このような(C)銅イオンの濃度は、原子吸光分析法、全反射蛍光X線分析法等、公知の方法により本発明に係る化学機械研磨用水系分散体から定量することができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体には、さらに非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤を配合することができる。前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤や三重結合を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。また、三重結合を有する非イオン性界面活性剤としては、アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールなどが挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤、ポリビニルアルコール、シクロデキストリン、ポリビニルメチルエーテル、およびヒドロキシエチルセルロースなども挙げられる。前記アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族せっけん、硫酸エステル塩、およびリン酸エステル塩などが挙げられる。前記カチオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩および脂肪族アンモニウム塩などが挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、さらにpH調整剤を含むことができる。pH調整剤としては有機酸、塩基化合物等を用いることができる。本発明に用いることのできる有機酸は、例えばアミノ酸としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびトリプトファンなどが好ましい。有機酸としては、ギ酸、乳酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、アントラニル酸、マロン酸およびグルタル酸、少なくとも1個のN原子を含む複素六員環を含む有機酸、複素五員環からなるヘテロ環化合物を含む有機酸が挙げられる。より具体的には、キナルジン酸、キノリン酸、8−キノリノール、8−アミノキノリン、キノリン−8−カルボン酸、2−ピリジンカルボン酸、キサンツレン酸、キヌレン酸、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、7−ヒドリキシ−5−メチル−1,3,4−トリアザインドリジン、ニコチン酸、およびピコリオン酸などが好ましい。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、さらに酸化剤を含むことができる。酸化剤としては、被研磨面である金属膜の電気化学的性質などにより、例えば、Pourbaix線図等によって適宜のものを選択して使用することができる。たとえば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、硝酸第二鉄、硝酸二アンモニウムセリウム、硫酸鉄、オゾンおよび過ヨウ素酸カリウム、過酢酸などが挙げられる。これらの酸化剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの酸化剤のうち、分解生成物が無害である点で、過酸化水素、有機過酸化物、および過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が特に好ましい。さらに酸化力および再使用の容易さなどを考慮すると、過酸化水素が特に好ましい。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、さらに水溶性高分子を含むことができる。水溶性高分子としては、たとえばポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等をあげることができる。これらの水溶性高分子は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定された、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)が1000を超え、好ましくは1万を超えて200万以下、より好ましくは20万〜150万、さらに好ましくは50万〜130万である。重量平均分子量が前記範囲にあると、金属膜や絶縁膜に対して高い研磨速度を維持しながら、金属膜スクラッチ等のディフェクトを抑制することができる。重量平均分子量が前記下限より小さいと金属膜や絶縁膜の研磨選択性が低下することがある。また、重量平均分子量が大きすぎると実用的な金属膜研磨速度が得られず、化学機械研磨用水系分散体供給装置内で(A)砥粒の凝集を引き起こし、凝集した(A)砥粒によってCu上のスクラッチが増加するおそれがある。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、ビニルアルコール、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルグリコール酸などを用いることができる。側鎖のアルキル鎖長、エチレンオキシド鎖長、は特に限定はされない。
複素環を有する単量体としては、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルオキサゾリン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルピロール、ビニルキノリンなどを用いることができる。
また、分子内に重合性二重結合とスルホン酸基を有する界面活性剤が市販されており、このような界面活性剤を単量体として用いてもよい。このような界面活性剤としては、エレミノールJS−2(三洋化成社製)、ラテムルASK(花王社製)などがある。
水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の質量に対し0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が前記範囲にあると、銅膜のディッシング抑制効果を向上させることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体は、前記化学機械研磨用水系分散体の使用後に排出されるCMP廃液を、(a)研磨に用いられた化学機械研磨用水系分散体を回収する工程と、(b)研磨に用いられた化学機械研磨用水系分散体中の粗大粒子を除去する工程を含む、化学機械研磨用水系分散体の製造方法により製造、さらに再生利用することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
本発明に係る化学機械研磨方法は、溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板(図4(c)および図5(c))を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、前記金属層を、前記化学機械研磨用水系分散体を供給しながら研磨する方法である。前記基材は、必要に応じて、溝部の底面および内壁面、ならびに溝部を有する基材面にバリアメタル層を有していてもよい(図5)。
金属配線部分および金属層を形成する金属としては、純タングステン、純アルミニウム、純銅等の純金属;タングステン、アルミニウム、銅等と他の金属との合金が挙げられる。非配線部分を構成する材料は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、酸化ケイ素、絶縁性樹脂などが挙げられる。バリアメタル層を構成する金属としては、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等が挙げられる。
前記化学機械研磨用水系分散体のみを用いた前記エンドポイントまでの研磨では、非配線領域に金属層が一部残存していることが多い(図4(b)または図5(b))。そこで、前記エンドポイントまで研磨した後、引き続いて、前記化学機械研磨用水系分散体、あるいは研磨速度比の異なる化学機械研磨用水系組成物を供給しながら所定時間、オーバー研磨して残存した金属層4aを除去する。オーバー研磨時間は、実験的に適宜設定されるが、通常、前記エンドポイントまでの研磨時間の0〜50%の時間が好ましい。また、研磨パッドの種類、キャリア荷重、キャリア回転数、定盤回転数、化学機械研磨用水系分散体の流量などの研磨条件は、研磨される金属層の材質により適宜決定される。オーバー研磨時の化学機械研磨用水系分散体の流量は、前記エンドポイントまでの研磨時の化学機械研磨用水系分散体の流量以下が好ましい。
このように、化学機械研磨用水系分散体のみを供給して、基材またはバリアメタル層が露出するまで研磨した後、引き続いて、前記化学機械研磨用水系分散体、あるいは研磨速度比の異なる化学機械研磨用水系組成物を供給してオーバー研磨することにより、ディッシングの拡大を防止し、かつ銅残りのない研磨を達成することができる。また、本発明に係る化学機械研磨方法では、コロージョン発生もなく、平坦かつ良好な金属配線基板を得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」および「質量%」を示す。
(ヒュームドシリカ粒子含有水分散体の調製)
ヒュームドシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル 90G)100重量部を、イオン交換水900重量部に超音波分散機によって分散し、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、ヒュームドシリカ粒子を10質量%含有するヒュームドシリカの水分散体(1)を調製した。
(コロイダルシリカ含有水分散体の調製)
濃度25質量%のアンモニア水60質量部、イオン交換水40質量部、エタノール170質量部およびテトラエトキシシラン20質量部を、フラスコに仕込み、回転速度180rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。温度を60℃に維持しながら撹拌を2時間継続してコロイダルシリカ粒子のアルコール分散体を得た。
引き続きイオン交換水を添加してロータリーエバポレータによりアルコール成分を除去し、コロイダルシリカ粒子を10質量%含むコロイダルシリカの水分散体(2)を調製した。この水分散体に含まれるコロイダルシリカ粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ平均一次粒子径は30nmであり、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、動的光散乱式粒子径分布測定装置、型番「HORIBA LB550」)によって測定した平均二次粒子径は65nmであった。
(コロイダルシリカ含有水分散体の調製)
濃度25質量%のアンモニア水70質量部、イオン交換水30質量部、エタノール100質量部およびテトラエトキシシラン30質量部を、フラスコに仕込み、回転速度180rpmで撹拌しながら70℃に昇温した。温度を70℃に維持しながら撹拌を2時間継続してコロイダルシリカ粒子のアルコール分散体を得た。
引き続きイオン交換水を添加してロータリーエバポレータによりアルコール成分を除去し、コロイダルシリカ粒子を10質量%含むコロイダルシリカの水分散体(3)を調製した。この水分散体に含まれるコロイダルシリカ粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ平均一次粒子径は30nmであり、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、動的光散乱式粒子径分布測定装置、型番「HORIBA LB550」)によって測定した平均二次粒子径は75nmであった。
[実施例1]
化学機械研磨用水系分散体の総量を100質量%となるように、固形分換算にて1.2質量%に相当する量のヒュームドシリカ水分散体(1)をポリエチレン製の瓶に入れ、これに、表1に記載の(A)砥粒、(B)有機酸、その他の添加剤、30質量%過酸化水素水、(C)銅イオンを表1記載の所定の含量になるように添加して十分に攪拌した。なお、(C)銅イオンは、1%硝酸銅水溶液を添加することにより、表1に記載の銅イオン濃度となるように調整した。攪拌しながら化学機械研磨用水系分散体pHが9となるようにアンモニア水溶液を添加し、最後に全構成成分の量が100質量%となるようにイオン交換水を加えて1時間撹拌した。その後、孔径5μmのフィルターでろ過することにより、化学機械研磨用水系分散体を得た。この化学機械研磨用水系分散体を原子吸光法により銅イオンの濃度を測定したところ、6.0×103ppmであり、配合量に見合った銅イオンを含有していることを確認した。
前記調製方法と同様にして各例で使用する化学機械研磨用水系分散体を、表1の組成に調製した。なお、実施例3、比較例3では48質量%水酸化カリウム水溶液を添加してpHを調整した。
化学機械研磨装置((株)アプライドマテリアル社製、型式「MIRRA−Mesa」)に、多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ローム&ハース(株)製、品番「IC」)を装着し、前記で調製した分散体を供給しながら、後述する研磨速度測定用基板について、後述する研磨条件にて1分間化学機械研磨処理を行い、下記の手法によって銅膜の研磨速度を算出した。銅膜の研磨速度は、好ましくは800nm/分以上であり、より好ましくは1000nm/分以上である。
・8インチ熱酸化膜付きシリコン基板上に膜厚1500nmの銅膜が設けられたもの。
(b)研磨条件
・研磨パッド :Rodel社製、商品名:IC1000
・ヘッド荷重 :200g/cm2
・ヘッド回転数:80rpm
・定盤回転数 :100rpm
・化学機械研磨用水系分散体の供給速度:200mL/min
抵抗率測定器(エヌピーエス(株)製、形式「S−5」)を用いて、直流4針法によって研磨処理後のシート抵抗値を測定し、下記式によって研磨後の金属膜の厚さを算出し、化学機械研磨により減少した膜厚とエンドポイント時間とから研磨速度を算出した。
金属膜の厚さ(オングストローム)=シート抵抗値(Ω/cm2)÷各金属の理論抵抗値(Ω/cm)×108
パターン付きウエハー(SEMATECH INTERNATIONAL製、形式「SEMATECH 854」、種々の配線パターンを有する銅膜研磨のテスト用の基板)を被研磨物として、研磨時間を、研磨開始からテーブルトルク電流の変化によって検出した終点に到るまでの時間の1.3倍としたこと以外は、前記「銅膜の研磨速度評価」における研磨条件と同様にして、化学機械研磨を行い、下記のようにして微細配線パターン上の銅残り、銅配線のエロージョンを評価した。
幅9μmの銅配線部と幅1μmの絶縁部が交互に連続したパターンが、長さ方向に1.25mm連続した部分について、配線群の中央部の両端部に対する窪み量(エロージョン)を、精密段差計(ケーエルエー・テンコール社製、形式「HRP−240」)を使用して測定した。この結果を表2〜4に示す。一般的に、エロージョンは、500nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましい。
前記<銅膜の研磨速度評価>で使用した化学機械研磨用水系分散体を、(株)日立工機製の日立高速冷却遠心機CR22Eを用い、ロータとして同遠心機用の連続ロータR18Cを用いて、最大遠心加速度が1000G、回転時間が10分の条件で遠心分離を行い、砥粒を沈降させることにより回収した。回収した砥粒は乾燥させることなく、全ての砥粒が回収できたと仮定して、再度、化学機械研磨用水系分散体の総量を100質量%となるように、(A)砥粒、(B)有機酸、その他の添加剤、30質量%過酸化水素水、(C)銅イオンを表1記載の所定の含量になるように添加して十分に攪拌した。なお、(C)銅イオンとしては相当する1%硝酸銅水溶液を表1に記載の銅イオン濃度となるように添加した。攪拌しながら化学機械研磨用水系分散体pHが9となるようにアンモニア水溶液を添加し、最後に全構成成分の量が100質量%となるようにイオン交換水を加えて1時間撹拌した。その後、10μmのフィルターでろ過して化学機械研磨用水系分散体を作成した。
一方、比較例1〜3の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合、再使用研磨を実施すると研磨特性が大幅に低下するため、再使用できないことが明らかになった。
1 金属材料(金属配線部)
2 基材
2a 非配線領域
3a 基材の溝部のバリアメタル層
3b 非配線領域上のバリアメタル層
4 金属層
4a 残存した金属層
Claims (5)
- (A)砥粒と、(B)ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピラジンカルボン酸およびアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1種と、(C)銅イオンと、を含有し、
前記(A)砥粒の長径Rmaxと短径Rminとの比率Rmax/Rminが1.0〜1.5であり、
前記(B)成分の含有量が0.01〜5質量%であり、
前記(C)成分の濃度が5.0×103〜1.0×105ppmである、化学機械研磨用水系分散体。 - 前記(A)砥粒がシリカであることを特徴とする、請求項1に記載の化学機械研磨用水系分散体。
- 界面活性剤をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用水系分散体。
- (a)請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体の使用済み廃液を回収する工程と、
(b)前記廃液中の粗大粒子を除去する工程と、
を含む、化学機械研磨用水系分散体の製造方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いた化学機械研磨方法。
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