JP5285222B2 - 無鉛ガソリン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用燃料として有用な無鉛ガソリン組成物に関する。
ガソリンには、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分や、接触分解法による接触分解ガソリン、アルキル化によって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、更にはジイソブチレン等のイソオレフィンなどの様々な基材が用いられている(例えば、特許文献1、2を参照。)。最適な自動車用燃料を製造するためには、これらの基材を上手く配合することが必要とされる。
一方、現在の自動車に関わる問題としては、エンジンにデポジットが蓄積することによる性能の悪化や、二酸化炭素や規制排出ガスの低減といった環境問題などがある。特に、ガソリンエンジンの燃焼室内デポジットは、エンジンの燃焼状態を乱すことによる排出ガスの悪化や、カーボンノックを引き起こす原因となり得る。
燃料性状と燃焼室デポジットの関係についての検討により、燃料中の重質分や特に芳香族分が燃焼室デポジットを増加させる可能性があることが知られており(例えば非特許文献1参照)、ガソリン中の芳香族分を低減すれば、燃焼室デポジットを低減できる可能性があると考えられる。
特表2004−507576号公報 特表2003−523453号公報 上原ら,「自動車技術会学術講演会前刷集」,自動車技術会,1996年,No.10,9637203,
しかしながら、ガソリン中の芳香族分は高オクタン価を達成するための主要成分であり、その低減はオクタン価の低下、密度減少による燃費の悪化、ガソリンの蒸留性状の変化などを招くおそれがある。特に、オクタン価が低下すると、ノッキングを引き起こしてエンジンに損傷を与えるおそれがあり、さらに、プレミアムガソリン仕様車においてはエンジンの性能を最大限に発揮できなくなる可能性がある。また、ガソリンの蒸留性状が大きく変化すると、車両の運転性や加速性等の悪化を招くおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、オクタン価や蒸留性状および燃費を維持したまま、燃焼室デポジットの低減及び排出される二酸化炭素の低減を可能とする無鉛ガソリン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、無鉛ガソリン組成物において、炭素数8のイソオレフィン及び芳香族分の含有量、100〜150℃における留出量、リサーチ法オクタン価並びに硫黄分の含有量がそれぞれ特定条件を満たすようにすることで、燃焼室デポジットを低減し、エンジン性能を最大限に発揮することができ、さらには排出する二酸化炭素の少ない高性能なガソリンを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素数8のイソオレフィンの含有量及び芳香族分の含有量が下記式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される条件を満たし、100〜150℃における留出量が25容量%以上であり、リサーチ法オクタン価が89.0以上96.0未満であり、かつ、硫黄分の含有量が10質量ppm以下であり、芳香族分に占める炭素数7の芳香族分の割合がガソリン全量に対して21.3容量%以下であり、芳香族分に占める炭素数8の芳香族分の割合がガソリン全量に対して2.6容量%以下であり、芳香族分に占める炭素数9以上の芳香族の割合がガソリン全量に対して8.6〜14.6容量%である、無鉛ガソリン組成物を提供する。
1≦A≦30 (1)
B≧14.3 (2)
35.6≦A+B≦45 (3)
0.6≦B/A≦10.1 (4)
(式中、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Bは前記芳香族分の含有量(単位:容量%)を示す。)
本発明の無鉛ガソリン組成物においては、芳香族分に占める炭素数7の芳香族分の割合がガソリン全量に対して21.3容量%以下であり、芳香族分に占める炭素数8の芳香族分の割合がガソリン全量に対して2.6容量%以下であり、芳香族分に占める炭素数9以上の芳香族の割合がガソリン全量に対して8.6〜14.6容量%である。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、ジエン類の含有量が0.1容量%以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、炭素数8のイソオレフィンの含有量及びジエン類の含有量が下記式(5)で表される条件を満たすことが好ましい。
3.7≦A+C×100≦28.7 (5)
(式中、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、酸化防止剤を更に含有することが好ましく、該酸化防止剤の含有量は下記式(6)で表される条件を満たすことが好ましい。
X≧5+0.5×A+250×C (6)
(式中、Xは前記酸化防止剤の含有量(単位:g/kL)を示し、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、沸点範囲が100〜150℃にある留分の15℃における密度が0.730〜0.860g/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、10%留出温度が70℃以下、50%留出温度が75℃以上110℃以下、90%留出温度が180℃以下、蒸留終点が220℃以下、37.8℃における蒸気圧が44〜93kPa、15℃における密度が0.783g/cm以下、酸化安定度が240分以上、銅板腐食が1以下、洗浄実在ガムが5mg/100ml以下、未洗実在ガムが20mg/100ml以下、ベンゼン含有量が1容量%以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、芳香族分の含有量が45容量%以下、オレフィン分の含有量が45容量%以下、含酸素化合物含有量が酸素分換算で3.8質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、マンガンの含有量が2質量ppm以下、鉄の含有量が2質量ppm以下、ナトリウムの含有量が2質量ppm以下、カリウムの含有量が2質量ppm以下、及びリンの含有量が2質量ppm以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、金属不活性化剤を更に含有することが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、炭素数4のオレフィンの二量化反応によって得られた基材を含有することが好ましい。
上記二量化反応においては、炭素数4のオレフィンと固体酸触媒とを接触させることにより、炭素数8のイソオレフィンを好適に得ることができる。
上記二量化反応によって得られた基材に占める炭素数8のイソオレフィンの含有量の割合は80容量%以上であることが好ましく、また、該基材に占めるジエン類の含有量の割合は0.2容量%以下であることが好ましい。
以上の通り、本発明によれば、オクタン価や蒸留性状を維持したまま、燃焼室デポジットの低減及び排出される二酸化炭素の低減を可能とする無鉛ガソリン組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の無鉛ガソリン組成物に含まれる炭素数8のイソオレフィンは、「イソオクテン」とも呼ばれる。炭素数8のイソオレフィンの製造法は、特に限定されるものではなく、公知の製造法から得られる全ての炭素数8のイソオレフィンが使用可能であるが、固体酸触媒を用いて炭素数4のオレフィンの二量化反応を行うことによって製造される炭素数8のイソオレフィンが好適である。
炭素数4のオレフィンの二量化反応によって炭素数8のイソオレフィンを製造する場合、原料である炭素数4のオレフィンは特に限定されるものではなく、例えば、FCCプロセスで生産されるオレフィン留分や、ナフサクラッカーで生産される留分などを原料として用いることができる。
また、炭素数4のオレフィンの二量化反応に用いられる固体酸触媒としては、具体的には、非晶質または結晶質アルミノシリケート、粘土、イオン交換樹脂、混合酸化物、担体付き酸などが挙げられる。二量化反応の条件は特に制限されないが、固体リン酸触媒を用いた固定式連続流通反応形式で、オレフィン原料に、0℃〜300℃、常圧〜20MPaの任意の反応条件で接触させることにより二量化反応を行なう方法などが挙げられる。
上記二量化反応により得られる反応生成物は炭素数8のイソオレフィン以外の成分を含有してもよいが、当該反応生成物を基材として用いる場合は、適宜、反応生成物中の未反応物質や重質成分を蒸留によって精製し、反応生成物全量を基準として、炭素数8のイソオレフィンの含有量が80容量%以上であることが好ましく、また、ジエン類の濃度が0.2容量%以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物に含まれる芳香族分には、例えば、ガソリン基材に由来する炭素数6のベンゼン、炭素数7のトルエン、炭素数8のキシレンやエチルベンゼン、炭素数9の1,2,4−トリメチルベンゼンや1−メチル−3−エチルベンゼン、炭素数10の1,3−ジエチルベンゼン等が包含される。
本発明の無鉛ガソリン組成物において、炭素数8のイソオレフィンの含有量と芳香族分の含有量とは、それぞれ下記式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される条件を満たす必要がある。なお、本発明でいう「炭素数8のイソオレフィンの含有量」及び「芳香族分の含有量」とは、それぞれ石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定される炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)及び芳香族分の含有量(単位:容量%)を意味する。また、炭素数8のイソオレフィン以外のオレフィン分の含有量についても、上記と同様にして測定される各成分の含有量を意味する。
1≦A≦30 (1)
B≧5 (2)
10≦A+B≦45 (3)
0.25≦B/A≦30 (4)
(式中、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Bは前記芳香族分の含有量(単位:容量%)を示す。)
すなわち、上記式(1)に示したように、炭素数8のイソオレフィンの含有量Aは、二酸化炭素の排出量の低減及び燃焼室デポジットの低減の観点から、1容量%以上であることが必要であり、3容量%以上であることが好ましく、5容量%以上であることがより好ましい。また、無鉛ガソリン組成物の貯蔵安定性の確保及び容量燃費の悪化の抑制の観点から、Aは、30容量%以下であることが必要であり、25容量%以下であることが好ましく、20容量%以下であることがより好ましい。
また、上記式(2)に示したように、芳香族分の含有量Bは、容量あたりの燃費を確保するという観点から、5容量%以上であることが必要であり、10容量%以上であることが好ましく、15容量%以上であることがより好ましい。また、Bは、45容量%以下であることが好ましく、40容量%以下であることがより好ましく、35容量%以下であることが更に好ましい。芳香族分が45容量%を超えると、吸気バルブデポジットや燃焼室デポジットが増加したり、点火プラグのくすぶりが発生したりする可能性がある。あるいはまた、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性がある。
また、上記式(3)に示したように、炭素数8のイソオレフィンの含有量Aと芳香族分の含有量Bとの和A+Bは、耐ノッキング性能を維持する観点から、10容量%以上であることが必要であり、15容量%以上であることが好ましく、20容量%以上であることがより好ましい。また、A+Bは、45容量%以下であることが必要であり、42容量%以下であることが好ましく、41容量%以下であることがより好ましく、40容量%以下であることがさらに好ましい。A+Bが45容量%を超えると、吸気バルブデポジットや燃焼室デポジットが増加したり、点火プラグのくすぶりが発生したりする可能性がある。あるいはまた、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性がある。
また、上記式(4)に示したように、炭素数8のイソオレフィンの含有量Aに対する芳香族分の含有量Bの比B/Aは、燃料のオクタン価と密度および50%留出温度が自動車ガソリン規格であるJIS K 2202を満たし、かつ、ノッキングや運転性の悪化などの車両での不具合を起こさせない観点から、0.25以上、30以下であることが必要であり、0.5以上、25以下であることが好ましく、1以上、20以下であることがより好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の100〜150℃における留出量(E150−E100)は、25容量%以上である必要があり、30容量%以上であることが好ましく、35容量%以上であることがより好ましい。なお、E150―E100が25容量%未満であると、車両の運転性や加速性が不十分となる。なお、本発明でいうE150及びE100とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物のリサーチ法オクタン価(RON)は、ノッキングを防止し、加速性及び運転性を向上させる点から、89.0以上であることが必要であり、90.0以上であることが好ましい。また、本発明の無鉛ガソリン組成物のRONは、0主にレギュラーガソリン仕様車で使用される場合の走行時の二酸化炭素排出量の低減量をガソリン組成物の製造時の二酸化炭素排出量の増加量よりも大きくするために、96.0未満であることが必要である。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物のモーター法オクタン価(MON)は、高速走行中の耐ノッキング性能の改善の点から、80.0以上が好ましい。
なお、本発明でいうリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価とは、それぞれJIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の硫黄分の含有量は、組成物全量基準で、10質量ppm以下であることが必要であり、8質量ppm以下であることが好ましい。硫黄分の含有量が10質量ppmを超える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、また、ベンゼンの排出量も増加する可能性がある。なお、本発明でいう硫黄分の含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
本発明の無鉛ガソリン組成物のその他の性状は、炭素数8のイソオレフィンの含有量A及び芳香族分の含有量Bが上記式(1)〜(4)で表される条件を満たし、かつ、100〜150℃における留出量、リサーチ法オクタン価及び硫黄分の含有量がそれぞれ上記の条件を満たす限りにおいて特に制限されないが、以下に示す各種性状を有していることが好ましい。
本発明の無鉛ガソリン組成物においては、芳香族分の含有量Bが上記式(2)〜(4)で表される条件を満たせば、その内訳は特に制限されないが、エンジンデポジットを低減するとともに密度の低下を抑える観点から、芳香族分に占める炭素数7の芳香族分の割合はガソリン全量に対し30容量%以下であることが好ましく、芳香族分に占める炭素数8の芳香族分の割合はガソリン全量に対し20容量%以下であることが好ましく、芳香族分に占める炭素数9以上の芳香族の割合はガソリン全量に対し15容量%以下であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物におけるジエン類の含有量は、無鉛ガソリン組成物の貯蔵安定性を確保する観点から、組成物全量を基準として、0.1容量%以下であることが好ましく、0.05容量%以下であることがより好ましく、0.01容量%以下であることが更に好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、ガソリンの貯蔵安定性を確保する観点から、炭素数8のイソオレフィンの含有量A及びジエン類の含有量Cが下記式(5)で表される条件を更に満たすことが好ましい。さらに、A+C×100は、35以下であることがより好ましく、30以下であることが特に好ましい。
A+C×100≦40 (5)
(式中、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、エンジンの出力性能を確保する観点から、沸点範囲が100〜150℃にある留分の15℃における密度が、0.730g/cm以上であることが好ましく、0.860g/cm以下であることが好ましい。
また、本発明のガソリン組成物の15℃における密度(組成物全体の密度)は、0.783g/cm以下であることが好ましい。下限は、好ましくは0.710g/cm以上であり、また、上限はより好ましくは0.765g/cm以下である。ガソリンの密度が0.710g/cmに満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.783g/cmを超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。
なお、本発明でいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の蒸留性状に関し、その10容量%留出温度(T10)は、70℃以下であることが好ましく、65℃であることがより好ましい。T10が70℃を超える場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性がある。一方、T10は、35℃以上であることが好ましい。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性の不具合を生じる可能性がある。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の50容量%留出温度(T50)は、加速性の向上及び排出ガス中の炭化水素(HC)の増加の抑制の観点から、110℃以下であることが好ましく、105℃以下がより好ましい。また、T50は、燃費の悪化を防止する観点から、75℃以上であることが好ましく、78℃以上であることがより好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の90容量%留出温度(T90)は、冷機時の中低温運転性における不具合の防止、排出ガス中の炭化水素の増加の抑制、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加の抑制、吸気バルブデポジットの増加の抑制、燃焼室デポジットの増加の抑制、エンジンオイルの劣化の抑制、及びスラッジの発生の抑制の観点から、180℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましい。また、T90は、燃費の悪化を防止する観点から、115℃以上であることが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の蒸留終点(EP)は、吸気バルブデポジット及び燃焼室デポジットの増加の抑制、並びにプラグくすぶりの防止の観点から、220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
なお、本発明でいうT10、T50、T90及びEPとは、それぞれJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定されるT10、T50、T90及びEPを意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物のリード蒸気圧(RVP)はガソリンが使用される季節や地域によって調整する必要があるが、低温始動性やベーパーロックなどによる運転性の不具合防止の点から、一般に夏期(5月〜9月)には好ましくは44〜65kPa、より好ましくは50〜65kPa、最も好ましくは55〜65kPaに調整することが望ましい。一方、冬期(10月〜4月)では、好ましくは65〜93kPa、より好ましくは70〜93kPa、最も好ましくは70〜90kPaに調整することが望ましい。なお、本発明でいうリード蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の酸化安定度は、240分以上であることが好ましく、480分以上であることがより好ましく、960分以上であることが最も好ましい。酸化安定度が240分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。なお、本発明でいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の銅板腐食(50℃、3h)が1以下であることが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を超える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。なお、本発明でいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の未洗実在ガム量は、20mg/100mL以下であることが好ましく、18mg/100mL以下であることがより好ましい。また洗浄実在ガム量は、5mg/100mL以下であることが好ましく、3mg/100mL以下であることがより好ましく、1mg/100mL以下であることが更に好ましい。未洗実在ガム量及び洗浄実在ガム量が上記上限値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着したりするおそれがある。なお、本発明でいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物におけるベンゼン含有量は、1容量%以下であることが好ましく、0.5容量%以下であることがより好ましい。なお、本発明でいうベンゼン含有量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定した値を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物のオレフィン分の含有量は、45容量%以下であることが好ましく、40容量%以下であることがより好ましく、35容量%以下であることが更に好ましい。オレフィン分が45容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ吸気バルブデポジットを増加させる可能性がある。なお、本発明でいうオレフィン分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物において、マンガンの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、鉄の含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、ナトリウムの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、カリウムの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、リンの含有量は2質量ppm以下であることが好ましい。これら金属分が上記上限値を超えた場合は、排出ガス浄化触媒上への蓄積量の増加、触媒担体の劣化、空燃比センサの劣化等により排出ガス浄化システムの効率を低下させる恐れがある。なお、本発明でいうマンガン、鉄、ナトリウムの含有量は「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」、カリウムの含有量は「燃焼灰化−原子吸光法」、リンの含有量はASTM D3231”Standard Test Method for Phosphorus in Gasoline”により測定される値を意味する。
「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」及び「燃焼灰化−原子吸光法」の測定は、下記(i)〜(vi)に示す手順に従って行うことができる。
(i)試料20gを白金皿に採取する。
(ii)成分元素の揮散を抑えるために粉末硫黄0.4gを加え、サンドバス上で150℃で時間おき、揮発分を除く。
(iii)残留分を燃焼させる。
(iv)500℃の電気炉で2〜3時間灰化する。
(v)2〜3mLの濃硫酸で溶解し、20mLに定容する。
(vi)マンガン、鉄、ナトリウムの含有量は誘導結合プラズマ発光分光分析計(島津製、ICPS−8000)、リンの含有量は原子吸光光度計(日立製、Z6100)を用いて分析する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物の灯油混入量は、4容量%以下であることが好ましく、1容量%以下であることがより好ましい。なお、本発明でいう灯油混入量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される値を意味する。
本発明の無鉛ガソリン組成物の製造方法は、得られる無鉛ガソリン組成物が上記の条件を満たせば特に制限されないが、好ましくは、炭素数8のイソオレフィンの含有量A及び芳香族分の含有量Bが上記式(1)〜(4)で表される条件を満たし、かつ、100〜150℃における留出量、リサーチ法オクタン価及び硫黄分の含有量がそれぞれ上記の条件を満たすように、炭素数8のイソオレフィンと、1種又は2種以上のガソリン基材と、必要に応じて添加される酸化防止剤、清浄分散剤、摩擦調整剤及びその他の添加剤とを混合することで調製することができる。
ガソリン基材は、得られる無鉛ガソリン組成物が上記の条件を満たす限り特に制限されないが、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分(軽質改質ガソリン)、改質ガソリンの中重質留分(中重質改質ガソリン)、改質ガソリンの重質留分(重質改質ガソリン)、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(フルレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。これらのガソリン基材の中でも、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートなどの基材が好ましく用いられる。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、その酸化安定度を向上させるために、酸化防止剤をさらに含有することが好ましい。酸化防止剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類などのガソリン酸化防止剤として公知の化合物が用いることができる。
本発明の無鉛ガソリン組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量Xは下記式(6)で表される条件を満たすことが好ましい。Xが式(6)で表される条件を満たすことによって、酸化防止剤の添加による酸化安定度の向上効果をより有効に得ることができる。
X≧5+0.5×A+250×C (6)
(式中、Xは前記酸化防止剤の含有量(単位:g/kL)を示し、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は金属不活性化剤を更に含有することが好ましい。金属不活性化剤としては、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等が挙げられる。
本発明の無鉛ガソリン組成物において、金属不活性化剤の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0〜100g/kL、より好ましくは0〜10g/kLである。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、吸気バルブデポジットの防止効果及び燃焼室デポジットの低減効果を向上できる点から、清浄分散剤を更に含有することが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤などが挙げられる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが好ましく、ポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンが特に好ましい。
本発明の無鉛ガソリン組成物が清浄分散剤を含有する場合、清浄分散剤の含有量は、組成物全量基準で、25〜1000g/kLであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500g/kLが更に好ましく、100〜300g/kLが最も好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、潤滑性を向上できる点から、摩擦調整剤を更に含有することが好ましい。摩擦調整剤としては、例えば、アルコール;ヒドロキシル基を1〜4個有する炭素数1〜30のアルコール化合物;カルボン酸;モノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル;ポリカルボン酸と多価アルコールとのエステル;>NR(Rは炭素数5〜40の炭化水素基を示す。)で表される構造を有しかつ1以上の置換基を有する少なくとも1個の窒素化合物と、多価アルコールとのエステル;カルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物等が挙げられる。これらの中でも、炭素数10〜25のモノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル及び/又は炭素数5〜25のカルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物がより好ましく、炭素数10〜25のモノカルボン酸とグリセリンエステル及び/又は炭素数5〜25のモノカルボン酸とジエタノールアミンとのアミド化合物がさらに好ましい。これらの摩擦調整剤は、1種を単独で用いてもよく、または、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の無鉛ガソリン組成物が摩擦調整剤を含有する場合、摩擦調整剤の含有量は特に制限されないが、他の添加剤と合わせて添加後のガソリン組成物の未洗実在ガム量が前述の好ましい範囲を満たすように添加することが好ましい。また、十分な燃費及び出力改善効果を発揮させ、一方、それ以上添加しても効果の向上が期待できない等の観点から、摩擦調整剤の含有量は、好ましくは10〜300g/kL、より好ましくは30〜250g/kLである。
なお、摩擦調整剤と称して市販されている商品は、耐摩耗性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがある。このような市販の摩擦調整剤を本発明の無鉛ガソリン組成物に添加する場合、上記の含有量は、摩擦調整剤の有効成分の含有量を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物においては、ガソリン基材等に本来的に含まれ得る含酸素化合物の他に、必要に応じて含酸素化合物を更に添加してもよい。添加する含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテルなどが挙げられる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
本発明の無鉛ガソリン組成物における含酸素化合物の含有量は、組成物全量を基準として、酸素元素換算で、5.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%以下、最も好ましくは2.0質量%以下である。5.0質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。なお、ここでいう含酸素化合物の含有量とは、ガソリン基材等に本来的に含まれ得る含酸素化合物の含有量と、添加剤として添加される上記含酸素化合物の含有量との合計を意味する。
また、本発明の無鉛ガソリン組成物が含有し得るその他の添加剤としては、有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤;カチオン系界面活性剤;両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類;アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエステル類等の水抜き剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で、または、2種以上を組み合せて添加することができる。これらの添加剤の含有量の合計は組成物全量基準で0.1質量%以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(ガソリン基材)
無鉛ガソリン組成物を調製するための基材として、ブタン、軽質ナフサ、ラフィネート、トルエン、重質改質ガソリン、分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートおよびイソオクテンを準備した。各基材の性状を表1、2に示す。
なお、表2に示すイソオクテンは、固体酸触媒としてリン酸担持珪藻土触媒を用い、固定床連続流通反応形式によって70℃〜100℃程度の反応温度で炭素数4のオレフィン原料と接触させることにより、二量化反応を行うことによって得られた基材である。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
実施例1〜5及び比較例1〜3、5においては、それぞれ表1、2に示す基材及び以下に示す添加剤を用いて表3又は5に示す組成を有する無鉛ガソリン組成物を調製した。また、比較例4の無鉛ガソリン組成物として、市販されているプレミアムガソリンを準備した。各無鉛ガソリン組成物の性状を表3〜6に示す。
(添加剤)
酸化防止剤:N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン。
[燃費測定・排出二酸化炭素測定]
実施例1〜7及び比較例1〜5の各無鉛ガソリン組成物について、下記の試験車両を使用して10・15モード走行による燃費測定および排出二酸化炭素の測定を実施した。得られた結果を表4、6に示す。
(試験車両)
エンジン:直列4気筒
排気量:1795cc
噴射方式:マルチポイント式。
[燃焼室デポジット試験]
実施例1〜7及び比較例1〜5の各無鉛ガソリン組成物について、下記の試験エンジンを使用し、JASO法による燃焼室デポジット試験を実施した。試験後のデポジット量を表4、6に示す。
(試験車両)
エンジン:直列4気筒
排気量:2156cc
噴射方式:マルチポイント式。
表3、4に示す通り、実施例1〜7の無鉛ガソリン組成物は、JIS K 2202に規定する自動車ガソリンの規格を満足するものであり、また、酸化安定度や燃費を維持したまま、燃焼室デポジットを低減するとともに二酸化炭素の排出量も少なくすることを可能としていることが分かる。これらの効果をわかりやすく示すために、○△×の記号により整理した。
酸化安定度:○=1440分以上、△=480分以上1440分未満、×=480分未満
燃費:○=12.3km/L以上、△=12.0km/L以上12.3km/L未満、×=12.0km/L未満
燃焼室デポジット:○=800mg/test未満、△=800mg/test以上1000mg/test未満、×=1000mg/test以上
排出二酸化炭素:○=217.5g/test未満、△=217.5g/test以上218g/test未満、×=218g/test以上。

Claims (11)

  1. 炭素数8のイソオレフィンの含有量及び芳香族分の含有量が下記式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される条件を満たし、100〜150℃における留出量が25容量%以上であり、リサーチ法オクタン価が89.0以上96.0未満であり、かつ、硫黄分の含有量が10質量ppm以下であり、前記芳香族分に占める炭素数7の芳香族分の割合がガソリン全量に対して21.3容量%以下であり、前記芳香族分に占める炭素数8の芳香族分の割合がガソリン全量に対して2.6容量%以下であり、前記芳香族分に占める炭素数9以上の芳香族の割合がガソリン全量に対して8.6〜14.6容量%である、無鉛ガソリン組成物。
    1≦A≦30 (1)
    B≧14.3 (2)
    35.6≦A+B≦45 (3)
    0.6≦B/A≦10.1 (4)
    (式中、Aは前記炭素数8のイソオレフィンの含有量(単位:容量%)を示し、Bは前記芳香族分の含有量(単位:容量%)を示す。)
  2. ジエン類の含有量が0.1容量%以下である、請求項1に記載の無鉛ガソリン組成物。
  3. 酸化防止剤を更に含有する、請求項1または2に記載の無鉛ガソリン組成物。
  4. 沸点範囲が100〜150℃にある留分の15℃における密度が0.730〜0.860g/cm以下である、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  5. 10%留出温度が70℃以下、50%留出温度が75〜110℃、90%留出温度が180℃以下、蒸留終点が220℃以下、37.8℃における蒸気圧が44〜93kPa、15℃における密度が0.783g/cm以下、酸化安定度が240分以上、銅板腐食が1以下、洗浄実在ガムが5mg/100ml以下、未洗実在ガムが20mg/100ml以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  6. 芳香族分の含有量が42容量%以下、オレフィン分の含有量が45容量%以下、含酸素化合物含有量が酸素分換算で3.8質量%以下である、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  7. マンガンの含有量が2質量ppm以下、鉄の含有量が2質量ppm以下、ナトリウムの含有量が2質量ppm以下、カリウムの含有量が2質量ppm以下、及びリンの含有量が2質量ppm以下である、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  8. 金属不活性化剤を含有する、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  9. 炭素数4のオレフィンの二量化反応によって得られた基材を含有する、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  10. 前記二量化反応において、炭素数4のオレフィンと固体酸触媒とを接触させる、請求項に記載の無鉛ガソリン組成物。
  11. 前記二量化反応によって得られた基材に占める炭素数8のイソオレフィンの含有量の割合が80容量%以上であり、該基材に占めるジエン類の含有量の割合が0.2容量%以下である、請求項または10に記載の無鉛ガソリン組成物。
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