JP5284842B2 - 高強度平鋼線 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばスナップリングなどに加工される平鋼線や、電力・通信線、パイプ・ホースなどの張力補強に使用される高強度平鋼線に関する。
高強度平鋼線に関しては、下記特許文献1の「高強度異形鋼線の製造方法」に開示されている0.90%以上の炭素を含有する鋼線がある。従来の高強度平鋼線は、長手方向の引張強度は満足するものの、既に加工限界に達しており、曲げ加工などの二次加工に供することが困難であった。特に、厚み方向に垂直な面内での曲げ加工のように延性を必要とされる加工においては外周から割れが入り裂けてしまう問題があった。
特許第3298688号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、二次加工性に優れた高強度平鋼線を提供することを目的とする。
本発明者らの検討によると、従来の高強度平鋼線では、加工時に4方向圧延のような端部整形を行うと、局所的な加工不均一が発生し、二次加工時の変形に局所的に耐えられずに破断してしまうことが判明した。特に、Cの含有量が質量分率で0.9%を超えると、セメンタイト分率が高くなるために、局所的な不均一加工部分が破壊の起点になることが判明した。
そこで、本発明においては、断面内不均一変形を回避するため、その形状を幅/厚み比で1以上4以下に制限すること、さらに加工後の断面内硬さのばらつきを抑えることが有効であることを見出した。
また、Cの含有量を質量分率で0.9%以下に制限することにより、実生産可能な熱処理条件にて均一な微細パーライト組織が形成され、さらに、鋼中のNを固定することにより、時効硬化が抑制され、局所的な不均一変形部分の硬化がさらに進むことが抑制され、局所的な不均一変形部分においても破壊の起点にならないことを見出した。
その結果、本発明者らは、厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで折り曲げ形成することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決することを目的とした本発明の要旨は、以下のとおりである。
〔1〕 鋼成分が、質量%で、
C:0.85%以上0.90%以下、
Si:0.80%以上1.00%以下、
Mn:0.60%以上0.90%以下、
P:0.025%以下、
S:0.025%以下
Cu:0.20%以下であり、
残部がFe及び不可避不純物からなり、長手方向に垂直な断面において、矩形状を為すと共に各角部が円弧状を為す平鋼線であって、
厚みが1.5mm以上5.0mm以下、幅が1.5mm以上20mm以下、幅/厚み比が1以上4以下であり、
引張試験における降伏強度又は0.2%耐力が1600MPa以上、破断強度が1900MPa以上、破断伸びが2%以上であり、
厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで折り曲げ形成することが可能であることを特徴とする高強度平鋼線。
〔2〕 長手方向に垂直な断面内の硬度測定が可能な任意の位置において、ビッカース硬度が何れも450以上であり、且つ当該ビッカース硬度の最大値と最小値との差が80以下であることを特徴とする前記〔1〕に記載の高強度平鋼線。
〕 更に、質量%で、
Al:0.005%以上0.10%以下、
Ti:0.003%以上0.05%以下、
B:0.0005%以上0.0040%以下、
N:0.0015%%以上0.0060%以下を含有することを特徴とする前記〔または〔2〕に記載の高強度平鋼線。
〕 更に、質量%で、
Cr:0.1%以上0.5%以下、
V:0.005%以上0.50%以下を含有することを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の高強度平鋼線。
〕 Zn又はNiを含む厚みが10μm以下のめっき層を表面に有することを特徴とする前記〔1〕〜〔〕の何れか一項に記載の高強度平鋼線。
以上のように、本発明では、断面内不均一変形を回避するため、その形状を幅/厚み比で1以上4以下に制限すること、加工後の断面内硬さのばらつきを抑えること、並びに、Cの含有量を0.9質量%以下に制限することにより、実生産可能な熱処理条件にて均一な微細パーライト組織が形成され、加えて鋼中のNを固定することにより、時効硬化が抑制され、局所的な不均一変形部分の硬化がさらに進むことが抑制され、従来の高強度平鋼線と比較して高い二次加工性を有する高強度平鋼線を得ることが可能である。したがって、この高強度平鋼線は、厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで折り曲げ形成することが可能である。
図1は、厚み方向に垂直な平面内で曲げ加工を行った平鋼線の例を示す斜視図である。 図2は、本発明例及び比較例の平鋼線について硬さ分布を測定した結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、例えば図1に示すように、長手方向に垂直な断面において、矩形状を為すと共に各角部が円弧状を為す平鋼線1であって、厚み(T)が1.5mm以上5.0mm以下、幅(W)が1.5mm以上20mm以下、幅/厚み比(W/T)が1以上4以下であり、引張試験における降伏強度又は0.2%耐力が1600MPa以上、破断強度が1900MPa以上、破断伸びが2%以上であり、厚み方向に垂直な平面内において、幅(W)の1.5倍以上の曲率半径(R)を有する曲げ部2を割れなしで折り曲げ形成することが可能であることを特徴とする高強度平鋼線である。なお、本発明では、平鋼線1の長手方向に垂直な断面において、寸法の短い方を「厚み」、長い方を「幅」と称する(以下、同様。)。また、曲げ部2は、幅Wの3倍以上の直径(2R)を有する円筒の外周面に沿って幅方向に曲げ加工を行うことで形成可能である。したがって、曲率半径Rは、曲げ部2の内側に形成される円弧に基づくものとする。
以下、本発明の高強度平鋼線において各条件を規定した理由について説明する。
(厚みが1.5mm以上5.0mm以下)
平鋼線の用途として様々な厚みや幅があるが、本発明が対象とする高強度平鋼線は、長手方向に垂直な断面において、矩形状を為すと共に各角部が円弧状を為すものである。また、その製造上、圧延ロールの表面安定性や圧延時の反力から、平鋼線の厚みは5.0mmが上限である。また、厚み方向に垂直な面内での曲げ加工を安定的に行うには、平鋼線の厚みは1.5mm以上必要である。
( 幅/厚み比が1以上4以下)
(幅が1.5mm以上20mm以下)
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、高強度平鋼線の断面内硬さ分布を均一にするためには幅/厚み比が4以下とすることが好ましいことを見出した。平鋼線において、幅が厚みに対して広いほど、圧延による均一性確保が困難となる。一方、幅/厚み比が1となる場合、すなわち厚みと幅が同一の場合が下限となる。これは、幅/厚み比が1未満となる場合は、幅と厚みが表現上入れ替り、結果として同じとなるためである。その結果、幅/厚み比の好ましい数値範囲は1以上4以下となり、上記厚みの好ましい数値範囲から、幅の好ましい数値範囲は1.5mm以上20mm以下となる。
(降伏強度又は0.2%耐力が1600MPa以上、破断強度が1900MPa以上、破断伸びが2%以上)
本発明の高強度平鋼線は、1900MPa以上の破断強度を有することを特徴としており、従来の平鋼線において1900MPaで延性を有するものは現時点で確認されていない。また、本発明の高強度平鋼線では、延性を確保するために、破断伸びを2%以上とする。さらに、本発明の高強度平鋼線では、降伏後の延びを確保するために、降伏強度又は0.2%耐力を1600MPa以上とする。
(厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで折り曲げ形成すること)
本発明の高強度平鋼線は、厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで折り曲げ形成することが可能であり、引張試験において、降伏強度が1600MPa以上、破断強度が1900MPa以上という高強度にもかかわらず、延性が十分にあり、高い二次加工性が確保されていることが保証された。
また、本発明の高強度平鋼線は、長手方向に垂直な断面内の硬度測定が可能な任意の位置において、ビッカース硬度が何れも450以上であり、且つ当該ビッカース硬度の最大値と最小値との差が80以下であることが好ましい。
(ビッカース硬度が450以上、ビッカース硬度の最大値と最小値との差が80以下)
本発明の高強度平鋼線に関して、断面内に局所的に強度が低いところがあると破壊の起点となるため、本発明者らは、断面内の強度を確認するため、断面内のビッカース硬度を測定した。その結果、ビッカース硬度が450未満になると、そこを起点として破断することを見出した。
また、平鋼線の加工後の断面内には硬さのばらつきがある。したがって、平鋼線の長手方向に垂直な断面内の任意の位置(表層直下の硬度測定可能な位置より中心側)については、全ての位置についてビッカース硬度が450以上であることが好ましい。さらに、ビッカース硬度の最大と最小との差が80を超えると、均一変形しにくくなり平鋼線が裂けるように割れることを見出した。したがって、ビッカース硬度の最大値と最小値との差は80以下とする。
本発明の平鋼線は、加工量が大きいほど強度上昇が大きくなるが、断面内に均一な歪みを与え、曲げ加工可能な延性を確保するために、断面減少率(=100−(加工後の断面積)/(熱処理後の断面積)×100%)を90%以下とすることが好ましい。
また、本発明の高強度平鋼線は、鋼成分が、質量%で、C:0.85%以上0.90%以下、Si:0.80%以上1.00%以下、Mn:0.60%以上0.90%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cu:0.20%以下であり、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする。
以下、本発明の鋼成分を限定した理由について説明する。なお、%の表記は特に断りがない場合は質量%を意味する。
(C:0.85%以上0.90%以下)
Cは、セメンタイト分率を上げ、パーライト鋼の強度を上げる作用がある。ここで、パテンティング条件によってパーライトのラメラ間隔を制御し、加工によって強度を上げることは可能であるが、Cの含有量が質量分率で0.85%を下回ると、加工後に延性を持った状態で到達強度を1900MPa以上にすることは困難である。したがって、本発明では、Cの含有量を0.85%以上とする。また、Cの含有量が0.90%を超えると、局所的な偏析により、加工時に割れが生じるため、その上限を0.90%とした。
(Si:0.80%以上1.00%以下)
Siは、精錬時の脱酸元素として0.80%以上添加することが好ましい。さらに、Siは、フェライトの固溶強化を行うが、熱処理時の恒温変態のノーズを上げる作用があるため、その上限を1.00%とする。
(Mn:0.60%以上0.90%以下)
Mnは、固溶強化元素であり、鋼の靭性を向上させると共に、焼入れ性を向上させる元素であり、靭性を確保するためには、0.60%以上が必要である。一方、Mnが0.90%を超えると、中心部の変態遅れが発生するため、その上限を0.90%とする。
(P:0.025%以下)
Pは、鋼を脆化させる作用があり、平鋼線加工時に割れを防止するためには、0.025%以下とする必要がある。
(S:0.025%以下)
Sは、鋼中の、Mnと結合しMnSを形成する。また、Sは、鋼を精錬−凝固させる過程で中心部に偏析するため、中心部にMnSが集積するが、Sの含有量が0.025%を超えると、平圧加工後に曲げ加工を行なった場合、中心部を起点とした破断が起こる。したがって、Sの含有量は、0.025%以下とする必要がある。
(Cu:0.20%以下)
Cuは、主にスクラップなどから混入する不純物であり、固溶強化によって鋼を硬化させる作用がある。しかしながら、Cuの含有量が0.20%を越えると、加工性を著しく低下させるため、Cuの含有量は、0.20%以下とする必要がある。
また、本発明の高強度平鋼線は、上記成分の他に、更に、質量%で、Al:0.005%以上0.10%以下、Ti:0.003%以上0.05%以下、B:0.0005%以上0.0040%以下、N:0.0015%%以上0.0060%以下の何れか1種又は2種以上を含有させてもよい。
(Al:0.005%以上0.10%以下)
Alは、鋼の精錬時に脱酸材として使用され、さらに鋼中のNと化合物を形成し、Nを固定する作用がある。また、Alは、Nを固定することによって鋼の時効硬化を防止するほかに、Bを同時に添加する場合には、Nを固定することで固溶B増加させる効果がある。しかしながら、Alの添加量が0.005%未満であると、上述したAlによるN固定の効果が十分に得られず、一方、Alの添加量が0.10%を超えると、鋼中の酸素と結合して生成するAlの量が増加し、平圧加工時に割れの起点となる。したがって、Alの含有量は、0.005%以上0.10%以下とすることが好ましい。なお、同様の効果はTiにもあるため、Tiの添加によってAlの添加量を削減することができる。
(Ti:0.003%以上0.05%以下)
Tiは、Alと同様に、鋼の脱酸材として使用されるほかに、鋼中のNと化合物を形成し、Nを固定する作用がある。また、Tiは、Nを固定することによって鋼の時効硬化を防止するほかに、Bを同時に添加する場合には、Nを固定することで固溶Bを増加させる効果がある。しかしながら、Tiの添加量が0.003%未満であると、上述したTiによるN固定の効果が十分に得られず、一方、Tiの添加量が0.05%を超えると、鋼中炭素と結合して生成するTiCが増加し、平圧加工時に割れの起点となる。したがって、Tiの含有量は、0.003%以上0.05%以下とする。
(B:0.0005%以上0.0040%以下)
Bは、オーステナイト中に固溶Bとして存在し、焼入れ性を向上させる効果があるが、0.0005%未満であると、焼入れ性の効果が十分に得られない。一方、Bが0.0040%を超えて存在すると、Fe、Cと化合物を形成し、Fe23(C,B)などの析出物になり加工時の割れの起点となる。したがって、Bの含有量は、0.0005%以上0.0040%以下とする。
(N:0.0015%%以上0.0060%以下)
Nは、Al、Ti、Bと窒化物を形成し、加熱時にオーステナイト粒径を制御する。しかしながら、Nが0.0015%未満であると、窒化物を十分に形成しないため、粒径抑制効果が十分に得られない。一方、Nが0.0060%を超えると、Al、Ti、Bと結合しない過剰なNが時効硬化を起こし、平鋼線の延性を低下させる。したがって、Nの含有量は、0.0015%%以上0.0060%以下とする。
また、本発明の高強度平鋼線は、上記成分の他に、更に、質量%で、Cr:0.1%以上0.5%以下、V:0.005%以上0.50%以下の何れか1種又は2種を含有させてもよい。
(Cr:0.1%以上0.5%以下)
Crは、パーライトのラメラ間隔を小さくすることによって強度を上げる作用があり、伸線加工時の強度上昇を大きくする効果がある。この効果はCrの0.1%以上の添加で得られるが、Crが0.5%を超えると、パーライト変態終了時間が長くなり、生産性が大きく低下するため、その上限を0.5%とする。
(V:0.005%以上0.50%以下)
Vは、Cと結合し、フェライト中に炭化物を析出する。この析出物によってフェライトを硬化させる作用は、Vの0.005%以上の添加で得られるが、Vが0.50%を超えて存在すると、粗大な炭化物が生成されて加工時の割れの起点になる。したがって、Vの含有量は、0.005%以上0.50%以下とする。
(厚さ10μm以下のZn又はNiめっき層)
また、本発明の高強度平鋼線は、Zn又はNiを含む厚みが10μm以下のめっき層を表面に有する構成であってもよい。本発明では、腐食による水素侵入や環境からの水素侵入などによる遅れ破壊を防ぐ目的で、平鋼線の表面にZn又はNiめっき層を有することは、この平鋼線の腐食を防止するのみならず、遅れ破壊の防止にも大変有効である。一方、めっき層は、厚みが10μmを超えると、平圧後の二次加工において剥離してしまうため、厚みを10μm以下とすることが好ましい。また、防食効果が得られる樹脂等の被覆が施されれば、めっき層と同様の効果を有する。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
先ず、表1及び表2に示す種々の化学成分を有する鋼材を用いて、様々な厚み及び幅を有する本発明例(No.1〜16)及び比較例(No.17〜27)の平鋼線を作製した。
鋼材は、線材圧延後の熱処理により微細なパーライト組織に調整されている。また、強度を上げるため、丸断面ダイス又は長方形断面ダイスによる伸線加工、若しくは平圧延を単独又は組み合わせることによって、成形加工を行った。
そして、これら本発明例(No.1〜16)及び比較例(No.17〜27)の平鋼線について、厚み方向に垂直な平面内で曲げ加工を行い、その加工性の評価を行った。
Figure 0005284842
Figure 0005284842
その結果、表1に示す本発明例(No.1〜16)の平鋼線では、幅の3倍以上の直径を有する円筒の外周面に沿って幅方向に曲げ加工を行うことで、何れも厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで形成することができた。
一方、表2に示す比較例(No.17〜27)の平鋼線では、何れも成形加工時に割れが発生したり、曲げ加工時に割れが発生したりすることによって、良好な結果が得られなかった。
次に、No.5の平鋼線(本発明例)について、長手方向に垂直な断面内における硬度分布を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005284842
なお、本測定では、ビッカース硬度を荷重1kgで表層直下0.05mm位置から0.5mmピッチで、幅方向に11箇所、厚み方向に5箇所、升目状に計55箇所の点で測定を行った。その結果、表3に示すように、全て箇所でビッカース硬度が450以上を示し、なお且つ、その最大値と最小値との差が80以下(本測定では56)を示した。
また、No.5の平鋼線(本発明例)とNo.22の平鋼線(比較例)について、長手方向に垂直な断面内における硬度分布を幅方向(水平分布)に11箇所、厚み方向(垂直分布)に5箇所の点で測定した結果を図2に示す。
図2に示すように、本発明例の平鋼線は、比較例の平鋼線よりも断面内における硬度のばらつきが抑制されていることがわかる。
次に、本発明例の平鋼線に亜鉛めっきを種々の厚みで施した。その結果、厚み10μm以下では割れや剥離が発生しなかったが、12μm以上では割れが確認され、16μm以上では剥離が発生した。また、めっき種をニッケルめっきに変えた結果も、ほぼ同様であった。
本発明は、例えばスナップリングなどに加工される平鋼線や、電力・通信線、パイプ・ホースなどの張力補強に使用される高強度平鋼線に幅広く適用することが可能である。
1…平鋼線 W…幅 T…厚み R…曲率半径

Claims (5)

  1. 鋼成分が、質量%で、
    C:0.85%以上0.90%以下、
    Si:0.80%以上1.00%以下、
    Mn:0.60%以上0.90%以下、
    P:0.025%以下、
    S:0.025%以下
    Cu:0.20%以下であり、
    残部がFe及び不可避不純物からなり、長手方向に垂直な断面において、矩形状を為すと共に各角部が円弧状を為す平鋼線であって、
    厚みが1.5mm以上5.0mm以下、幅が1.5mm以上20mm以下、幅/厚み比が1以上4以下であり、
    引張試験における降伏強度又は0.2%耐力が1600MPa以上、破断強度が1900MPa以上、破断伸びが2%以上であり、
    厚み方向に垂直な平面内において、幅の1.5倍以上の曲率半径を有する曲げ部を割れなしで形成することが可能であることを特徴とする高強度平鋼線。
  2. 長手方向に垂直な断面内の硬度測定が可能な任意の位置において、ビッカース硬度が何れも450以上であり、且つ当該ビッカース硬度の最大値と最小値との差が80以下であることを特徴とする請求項1に記載の高強度平鋼線。
  3. 更に、質量%で、
    Al:0.005%以上0.10%以下、
    Ti:0.003%以上0.05%以下、
    B:0.0005%以上0.0040%以下、
    N:0.0015%%以上0.0060%以下の何れか1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高強度平鋼線。
  4. 更に、質量%で、
    Cr:0.1%以上0.5%以下、
    V:0.005%以上0.50%以下の何れか1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の高強度平鋼線。
  5. Zn又はNiを含む厚さ10μm以下のめっき層を表面に有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の高強度平鋼線。
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