JP5283857B2 - 繊維シートの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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本発明は、液体の吸収体(例えば、衛生材料用吸収体など)などとして有用な繊維シートの製造方法及び製造装置に関する。
従来より、セルロースアセテート繊維などを用いた使い捨てオムツや生理用品などの衛生材料用吸収体が知られている。例えば、特公昭61−7824号公報(特許文献1)には、セルロースアセテート繊維からなる衛生材料用吸収材が開示されている。上記特許文献1には、セルロースアセテートの捲縮長繊維のトウを開繊したもの又は短繊維をウェブ状としたものが、比較的大きな吸水保持能力を有することが記載されている。特許文献1では吸水能力が大きい材料は吸水速度も大きく、吸収が局部的に起こりやすく吸収材料の他の部分にまで液成仏が均質に浸透再分配され難いことが記載されている。そして、特許文献1には、局部的に多量の液体を吸収し、膨潤状態にある吸収層は、それに対する外圧が変化した場合には、一時的に液体を再排出し、漏洩現象(逆漏れ)を生じさせることがあること、及び液状物が材料全体に均等に分配される材料が好ましいことが記載されている。さらに、特許文献1の実施例1では、新品のアセテート繊維を開繊したもの又はプラグ屑を回収したものが、大きな吸水量を有することが記載されている。そして、実施例2及び3では、たばこフィルタ用プラグの屑を複式両綿機で開繊して脱脂綿や化繊用精製パルプと混合した衛生材料用吸収体が記載されている。この文献ではアクリル酸・アクリル酸ナトリウム共重合体などの水溶性高分子が高分子吸収剤として用いられることは記載されていない。
一方、開繊した繊維トウを吸収体に用いる場合、トウの開繊状態の違いにより、吸収体の吸収性能に差が生じることも知られている。尚、開繊とは、倦縮された繊維を、長さ方向や巾方向に押し広げることにより、繊維を解して嵩を高くすることである。開繊は、特に、繊維バンド(例えば、セルロースアセテートの場合のトウバンド)を構成するフィラメントの配列を部分的に動かすことにより、フィラメントが移動し、倦縮繊維の山と谷との重なりあいを少なくすることを目的とし、「ブルーミング(Blooming)」とも称されることがある。このような開繊を行うための方法としては、一般に、ローラなどによる機械開繊が採用されているが、空気開繊などの方法も提案されている。例えば、米国特許3282768号明細書(特許文献2)、米国特許3099594号明細書(特許文献3)には、従来の機械開繊によりトウが受けるダメージを低減、防止するために空気ジェットによる開繊方法、技術が開示されている。この技術ではトウは送りロールにより繰り出され開繊ジェットに入り、ここにおいてベンチュリ型ノズルの中で圧縮空気の爆発的膨張を受け開繊される。ここでのベンチュリ型ノズルとは、気体の流路の一部の断面積が狭くなっており、そこの部分で気体の流速が早くなる効果を有しているノズルである。図15は、特許文献3の図3に相当し、開繊ジェットの縦断面図である。図15の開繊ジェットでは、圧縮空気は、開口部(入口)54,54’からジェットシェル40に導入され、環状チャンバー55及びオリフィス板43に形成された先細になった開口部50を経てベンチュリ部材44内の流路52に至る。そして、この圧縮空気は、入口47からベンチュリ部材44に引き込まれたトウに、開口部50の下流側から激しく衝突し、流路52の下流に形成され、拡開した流路53(すなわちベンチュリ型の流路)に供給される。そしてベンチュリ部材44から出るトウの流れを遅滞させ、半ば拘束することで開繊効果を高めている。この技術では、断面が円形状の開繊を行い、断面が実質的に円形のたばこフィルタあるいは筆記用具のインキの液貯めを形成する。
また米国特許3297506号明細書(特許文献4)には、上記特許文献2及び3の問題点を解決した空気開繊装置が提案されている。すなわち、特許文献2及び3においてはベンチュリタイプの流路を用いているため、ベンチュリ部で圧縮空気の膨張がより穏やかに行われる。従って、高圧の空気を用いる必要あり、上記の特許文献3の環状オリフェスの下流から激しく衝突する作用と相まって開繊状態が適切ではない。これに対して、特許文献4では、流路がベンチュリではない均等な内径を有する流路を持ち、大気との開放部で流路は瞬時に拡大する。このような流路により開繊の腰部で大気との圧力差が十分大きく、低圧の圧縮空気を用いることができるとともに、トウのダメージが少なくかつ開繊効果が高い開繊したトウを得ることができる。特許文献4の技術でも開繊トウの断面は実質的に円形であり、断面が実質的に円形なたばこフィルタを形成する。
空気開繊を用いて、シート状に開繊する技術も公開されている。例えば、特表昭59−500422号公報(特許文献5)には、たばこ煙用フィルタに関する技術ではあるが、連続マルチフィラメントのクリンプされたトウの束の処理方法に関し、トウをベンチュリ領域の入口で空気等の衝撃に曝し、次いでトウが送られる第2の領域で、瞬間的に限局して線速度を迅速に減速することにより、束の集合を圧縮させるとともに、圧縮されたガス状流を膨張させてクリンプ部をブルームさせ、回復させて平坦な広い低密度のトウを形成することが開示されている。特許文献5では矩形のブルーム室を設け、たばこフィルタとして必要な可塑剤を添加するのに適した開繊されたシートを得ることができる。
吸収体においてもシート状に空気開繊をする技術が検討されており、例えば、特開2004−244794号公報(特許文献6)には、捲縮されたトウをトウの移動方向に直角な方向に広げ、脱整合し、成形して実質的に長方形の断面にし、成形されたトウ全体に粒状物を分配する吸収性複合体の製造方法が開示されている。また、特許文献6には、高吸水性樹脂(super absorbent polymer)[特許文献2中の用語では超吸収性ポリマー](SAP)を含むおむつの調製において、空気開繊後のトウに対して垂直下向きに、SAP粉末又はスラリーを送出し、次いでローラに供されることが記載されている。
吸収体においては、現代の技術では吸収性能を保持させるために、上記の特許文献6のように、高吸水性樹脂(SAP)を含んだ構成体が必須とされており、通常は高吸水性樹脂を含んだパルプ(特にはフラップパルプ)などが吸収体に用いるのが常用技術である。セルロースアセテートを開繊したものを上記のパルプの代替として吸収体に用いる場合は、セルロースアセテート繊維は上記特許文献1に記載されている通り、分配性に優れるので好ましいが、新たな問題が生じる。すなわち、上記の特許文献6にも記載されている通り、SAPの分布が不均一となったり、SAPが脱落したりする。上記特許文献6ではこれを防止し、SAPを吸収体の中間部に保持するため、トウの開繊装置を二台用意し、吸収体の上層と下層にそれぞれ開繊されたトウを配し、下層の開繊されたトウの上面からSAPを散布した後、上層の開繊されたトウを積層して得られる吸収体が記載されている。しかしながら、このような方法を用いてもSAPの脱落を完全に防止することはできない。この理由として、上記特許文献6の方法では、トウの開繊を行う開繊ジェット内において、開繊繊維の配列が整合していることが原因と思われる。すなわち、上記特許文献6の開繊方法では、開繊時のフィラメントの各々の移動の程度が不足して、倦縮され開繊された其々のフィラメントの山部と谷部が整合した開繊状態を示す。このため、開繊繊維が繊維の進行方向に向かってフィラメント間の隙間を有していて、フィラメントが絡み合った構造をしていない。このため上記のフィラメント間の隙間から、SAPの粉末は脱落し易く、SAPの保持性能は不十分である。
一方、使い捨てオムツや生理用ナプキンなどの吸収体では、吸収体全体で均一な吸収性能を有している必要はなく、尿などの液体を効率よく吸収させるため、吸収体の中央部などに高い吸収性が求められる、また人体の形状に適合した形状とするために、巾方向の厚みを変えたほうが良い場合もある。更に、吸収体が加工された生理用品、特には紙おむつなどではその製品の対象とする使用者の体格又は用途(例えば、大人用か子供用か、もしくは女性の生理用品、オムツ又は尿取りパットか)に応じて吸収体の巾を柔軟に変更できることが求められている。
しかし、上記特許文献5及び6に記載の方法などにより得られる吸収体は、断面が長方形であり、巾は空気開繊機の内寸巾に限定される。そして開繊度合いは巾方向に均一であり、巾方向の繊維密度などを部分的に調整することはほとんど不可能である。そのため、簡便な方法により吸収体の巾を変えたり、巾方向で吸収性を部分的に向上させるのは困難である。特に、開繊及びこの開繊に続く成形工程から得られる繊維が一体となった吸収体において、中央部などの一部の厚みを大きくした吸収体は存在しない。
なお、米国特許第3,262,181号明細書(特許文献7)には、捲縮トウを処理領域の実質的に単一方向の通路に導入し、トウの移動と実質的に同じ方向に対して気体の第一の流れを向け、この第一の気体の導入より下流で、別の気体の流れをトウの移動方向と実質的に同じ方向に対して向け、この別の気体の流れにより、予め捲縮された前記トウの繊維を開繊し、さらに単一のロッド様構造に圧縮する方法が開示されている。しかし、この方法では、得られる繊維集合体はロッド状である。また、開繊の程度も特許文献6に記載されているものと同様である。
特公昭61−7824号公報(請求項1、第1頁第2欄、第2頁左欄31〜37行、実施例) 米国特許3282768号明細書 米国特許3099594号明細書(特許請求の範囲、図) 米国特許3297506号明細書(特許請求の範囲、図3) 特表昭59−500422号公報(第2頁右下欄14行〜第3頁左上欄7行) 特開2004−244794号公報(請求項1、段落番号[0032]及び[0033]、段落番号[0053]〜[0055]、図12及び図15) 米国特許第3,262,181号明細書(請求項1)
従って、本発明の目的は、水分などの液体に対する吸収性に優れた繊維シートを簡便に製造できる方法及び装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、厚み及び幅を容易に調整することができるとともに、部分的に厚みを大きくすることができ、衛生材料用吸収体などとして利用できる繊維シートの製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、簡便な方法によりシートに所望の厚みの分布を付与することができるとともに、SAPなどの粉粒体を有効に保持でき、衛生材料用吸収体として用いても、水分を効率よく保持して初期の吸収性を改善可能な繊維シートの製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、捲縮繊維を、断面中空楕円筒状又は断面中空円筒状の開繊室で加圧ガスにより開繊させると、開繊と略同時に断面楕円形状又は円形状の開繊繊維を得ることができ、この開繊繊維をシート成形すると、厚みの分布が異なる繊維シートを簡便に得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の繊維シートの製造装置は、加圧ガスにより捲縮繊維を開繊する開繊ユニットと、この開繊ユニットからの開繊繊維をシート状に成形するための成形ユニットとを備えた繊維シートの製造装置であって、前記開繊ユニットは、捲縮繊維が通過可能な開口部と、この開口部より内径が大きく、かつ下流方向(繊維の進行方向)に延びて形成された断面楕円形状又は円形状の開繊室と、この開繊室の下流側に形成され、かつ前記開繊室で加圧ガスにより開繊された開繊繊維を通過可能な排出口とを備えている。
前記開繊ユニットは、開繊室の下流端部から下流方向に延びるリザーバを備えていてもよく、このリザーバは、下流端部に開繊繊維を排出するための排出口を有していてもよい。リザーバの流路径(流通路径)は、下流方向に向かって狭まっていてもよい。開繊室は、予備開繊した捲縮繊維を圧縮空気とともに通過可能な開口部(楕円形状又は円形状開口部)を中心部に有するプレートと、このプレートから下流方向に延びる断面中空楕円筒状又は円筒状成形部とで構成してもよく、開繊ユニットは、前記開繊室の筒状成形部の周方向に間隔をおいて配置され、かつ下流方向に延びる少なくとも3個の棒状又は板状部材で構成されたリザーバを備えていてもよく、このリザーバによる流路径は、下流方向に向かって狭まっていてもよい。開繊室の断面形状は、長径と短径との比が長径/短径=1.1/1〜5/1である楕円形状であってもよい。前記成形ユニットは、開繊繊維を断面楕円形状の短軸又は長軸方向に圧縮して、シート状に成形するための少なくとも一対のローラで構成してもよい。
前記開繊ユニットは、上流側に配され、かつ捲縮繊維を加圧ガスにより開繊するための第1の開繊室を内部に備える第1の開繊部と、この第1の開繊部の下流側に形成され、前記第1の開繊室の内径に対して拡大された内径を有し、かつ前記第1の開繊部からの捲縮繊維を開繊するための断面楕円形状又は円形状の第2の開繊室を内部に備える第2の開繊部とで構成してもよく、前記第2の開繊部は、前記第2の開繊室の下流端部から下流方向に延びるリザーバを備えてもよく、このリザーバは下流端部に、前記第2の開繊室で開繊された開繊繊維を通過可能な排出口を有していてもよい。
前記製造装置は、捲縮繊維を予備開繊するための予備開繊ユニットを備えていてもよく、この予備開繊ユニットからの予備開繊された捲縮繊維を開繊ユニットに供給してもよい。
前記開繊ユニットの第1の開繊部は、上流側に形成され、かつ予備開繊された捲縮繊維を通過可能な繊維通路と、この繊維通路の下流端で斜方向から下流方向に噴射される加圧ガスが合流する合流域と、この合流域に合流し、かつこの合流域に加圧ガスを斜方向から下流方向に噴射するための断面円錐環状の傾斜流路と、前記合流域の下流側に形成され、かつ前記合流域から下流方向に向かって内径が拡大する楕円錐形状又は円錐形状の第1の開繊室とで構成してもよい。また、前記第1の開繊部の下流側に形成された第2の開繊部は、前記第1の開繊室からの捲縮繊維及び加圧ガスを通過可能な楕円形状又は円形状開口部と、この開口部の下流側に形成された断面楕円形状又は円形状の第2の開繊室と、この第2の開繊室の下流端部から下流方向に延びる少なくとも3個の棒状又は板状部材で構成されたリザーバと、このリザーバの下流端部に形成され、かつ開繊繊維を排出するための排出口とを備えていてもよく、前記リザーバによる流路径は、下流方向に向かって狭まっていてもよい。
本発明の繊維シートの製造方法は、加圧ガスにより捲縮繊維を開繊し、開繊により得られる開繊繊維をシート状に成形する繊維シートの製造方法であって、捲縮繊維を、開口部を経て、この開口部より内径が大きくかつ下流方向に延びる断面楕円形状又は円形状の開繊室に供給して加圧ガスとともに開繊し、開繊繊維をシート状に成形する。繊維シートは、捲縮されたセルロースアセテート系繊維を用いて得られるシートであってもよい。繊維シートは、衛生材料用吸収体であってもよい。
本発明では、捲縮繊維を、断面中空楕円筒状又は断面中空円筒状の開繊室で加圧ガスにより開繊させ、得られる開繊繊維をシート状に成形するので、水分などの液体に対する吸収性に優れた繊維シートを簡便な方法により得ることができる。また、本発明の方法及び装置では、繊維シートの厚み及び幅を容易に調整することができるとともに、部分的に厚みを大きくすることができ、特に、幅方向に厚みの分布が異なる繊維シートを得ることができる。そのため、繊維シートは、衛生材料用吸収体(使い捨てオムツ、生理用ナプキンなど)に適している。また、本発明では、簡便な方法によりシートに所望の厚みの分布を付与することができるとともに、繊維シートにSAPなどの粉粒体を有効に保持させることができる。そのため、得られる繊維シートは、衛生材料用吸収体として用いても、水分を効率よく保持して初期の吸収性を改善することができる。
以下、適宜、図面を参照しつつ、本発明を説明する。
図1は、本発明の繊維シートの製造装置の一例を示す概略側面図である。図1の例では、製造装置1は、捲縮繊維の束を予備開繊するための2対のローラ20a,20bと、この予備開繊ローラにより予備開繊された捲縮繊維を開繊するための開繊機(開繊ユニット)2と、この開繊ユニット2から排出された開繊繊維をシート状に成形するためのローラなどのシート成形機(シート成形ユニット)3a,3bとで構成されている。このような装置では、捲縮繊維は、上流側の第1の予備開繊ローラ20aと下流側の第2の予備開繊ローラ20bとで構成された予備開繊ユニット20において、第1の予備開繊ローラ20aに比較して、第2の予備開繊ローラ20bのロール比を大にすることにより予備開繊され、予備開繊された捲縮繊維は、開繊ユニット2の上流側端面の略中央部に形成された繊維供給口14aから開繊ユニット2に供給される。そして、開繊ユニット2に供給された捲縮繊維は、加圧ガス供給管11から開繊ユニット2内に導入された圧縮空気により開繊されて、開繊繊維10を形成する。開繊ユニット2から得られる開繊繊維10は、一対のローラ3b間に供給され、さらに一対のローラ3b間に供給されて、シート状(帯状シート)に成形される。
図2は、図1の製造装置における開繊ユニット2の概略縦断面図であり、図3は、開繊ユニット2の概略正面図である。図4は、図1〜図3の装置を用いた繊維シートの製造において、繊維の開繊及びシート形成を説明するための概略縦断面図である。
図1〜図4の例において、開繊ユニット2は、上流側に配され、かつ供給された捲縮繊維を圧縮空気により開繊するための第1の開繊室5を内部に備える円柱状開繊部(又は第1の開繊部)4と、この円柱状開繊部4の下流側に形成され、前記第1の開繊室5の内径に対して拡大された内径を有し、かつ前記円柱状開繊部からの開繊された捲縮繊維をさらに開繊するための第2の開繊室6を内部に備える第2の開繊部7とを備えている。
円柱状開繊部4は、軸方向に延びる流路を内部に備えており、この流路は、上流端に捲縮繊維を開繊ユニット2内に供給するための繊維供給口14aを有する断面円形状の繊維通路14と、この繊維通路14の下流端で斜方向から下流方向に噴射される加圧ガスが合流する合流域14bと、この合流域14bの下流側に形成され、かつ合流域14bから下流方向に向かって内径が拡大する楕円錐形状の第1の開繊室5とで構成されている。
さらに、前記円柱状開繊部4は、前記合流域14bよりも上流側において装着された加圧ガス供給管11と、この供給管11に通じ、かつ前記合流域14bよりも上流側に形成されたリング状流路12と、このリング状流路12の下流端から下流方向に向かって傾斜し、かつ前記合流域14bと合流する断面円錐環状(断面が環状で円錐形状)の傾斜流路13とを備えている。なお、傾斜流路13は、断面形状が環状(円環状)であり、この環の径は下流方向に向かって小さくなっている。そして、加圧ガス供給管11から供給された圧縮空気などの加圧ガスは、前記リング状流路12を経て傾斜流路13を通過し、合流域14bにて、前記繊維通路14からの繊維に噴射され、合流域14bから下流方向に内径が拡大された第1の開繊室5で開繊される。このような円柱状開繊部4では、合流域にて繊維の全周に亘って斜め方向から加圧ガスが噴射されることにより、繊維と加圧ガスとが効率よく混合され、合流域から開繊室への流れに沿って繊維が解放され、開繊室内で効果的に開繊が行われる。なお、図1〜4の例では、前記円柱状開繊部4は、中空円筒状管体15と、この中空円筒状管体15の上流側の中空部に装着され、かつ繊維通路14を形成するための筒状流路形成部16と、この筒状流路形成部16の下流側に前記加圧ガスの流路12,13を挟んで隣接し、前記中空円筒状管体15の下流側の中空部に装着され、かつ第1の開繊室5を形成するための開繊室形成部17とで構成されている。なお、米国特許3099594号明細書に記載の装置では、開繊する作用をもつ圧縮空気は、ベンチュリ部の下流側からトウに衝突し、また一度流路の断面積が少なくなった後、流路の断面積は拡開する(すなわちベンチュリ形状をしている)。これに対して、本発明の装置では、圧縮空気は合流域の上流から、均一にトウに衝突し、トウと圧縮空気流とは合一して、単純に拡開された流路(第1の開繊室)に導入される。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、合流域の下流側において流路を一旦狭くし、この狭められた流路の下流側において流路の断面積を拡開することにより、ベンチュリ部を形成してもよい。
前記円柱状開繊部4の流路をより詳細に説明する。図5〜図10は、図2の開繊装置における円柱状開繊部4の上流から下流方向に向かって延びる流路のサイズ及び形状の変化を説明するための概略横断面図である。まず、図5は、加圧ガス供給管11よりも上流側のV−V線における円柱状開繊部4の概略横断面図である。V−V断面において、円柱状開繊部4内の流路(繊維流路)14は、中空円筒状管体15の中空部に装着された筒状流路形成部16の略中心に形成され、かつ断面円状の形状を有している。また、図6は、円錐環状の傾斜流路13部分を示すVI−VI線における円柱状開繊部4の概略横断面図である。VI−VI断面において、円柱状開繊部4は、中空円筒状管体15の中空部に装着され、かつ略中心に中空部を有する開繊室形成部17と、この開繊室形成部17の中空部に配された筒状流路形成部16とで構成されており、前記開繊室形成部17と、筒状流路形成部16との間には、断面円環状の加圧ガス流路(前記傾斜流路)13が形成されるとともに、筒状流路形成部16の略中心には、断面円状の繊維流路14が形成されている。
図7は、合流域14b部分を示すVII−VII線における円柱状開繊部4の概略横断面図である。VII−VII断面において、繊維通路と加圧ガス流路(傾斜流路)とは合流して断面円形状の合流域14bを形成しており、この合流域14bは、前記中空円筒状管体15の下流側の中空部に装着された開繊室形成部17の略中心に形成されている。
図8、図9及び図10は、それぞれ、円柱状開繊部4の第1の開繊室5部分を示すためのVIII−VIII線、IX−IX線及びX−X線における円柱状開繊部4の概略横断面図である。これらの図において、流路(第1の開繊室)5は、断面楕円形状であり、かつ中空円筒状管体15の中空部に装着された開繊室形成部17の略中心に形成されている。そして、これらの図に示されるように、第1の開繊室5は、上流側から下流方向(繊維の進行方向)に向かって内径が拡大された楕円錐状の形状を有している。このような内径が拡大した第1の開繊室の形状と、合流域から導入される加圧ガスの作用とにより、第1の開繊室では、繊維の開繊が効率よく行われる。
そして、前記第1の開繊室で開繊された繊維は、加圧ガス(圧縮空気)とともに、第2の開繊部7に供給され、この第2の開繊部7内の断面楕円形状の第2の開繊室6においてさらに開繊されるとともに、開繊繊維の形状は第2の開繊室6の形状に対応して断面楕円形状に整形される。
図1〜4に示すように、前記第2の開繊部7は、円柱状開繊部4の第1の開繊室5から供給される捲縮繊維及び加圧ガス(圧縮空気など)を通過可能な楕円形状開口部(又は楕円形状供給口)5aと、この楕円形状開口部5aを中心に有し、楕円形状開口部5aよりも径が大きい楕円形状プレート6aと、この楕円形状プレート6aの周縁部から、繊維の進行方向(下流方向)に延びる中空楕円筒状成形部(楕円筒状の成形(又は整形)リング)6bと、この楕円筒状成形部6bの周縁部から、繊維の進行方向に延びるリザーバ8とを備えており、前記楕円形状開口部5aを有する楕円形状プレート6aと、中空楕円筒状成形部6bとは、断面楕円形状の第2の開繊室6を形成し、この第2の開繊室6は、前記円形状開口部5aよりも大きな内径を有する。また、前記リザーバ8の下流側の端部(下流端部)には、開繊ユニット2で開繊又は整形された開繊繊維10を排出するための排出口9が形成されている。
なお、図1〜4の例では、楕円形状プレート6aの中心部に、円柱状開繊部4の下流側の端部が装着され、円柱状開繊部4内に形成された第1の開繊室5の端部が、楕円形状開口部5aを形成している。そして、捲縮繊維及び加圧ガスは、前記円柱状開繊部4(第1の開繊室5)から、円形状開口部5aを通過し、第2の開繊部内に供給され、第2の開繊部内の開繊室(第2の開繊室)6で開繊及び成形された開繊繊維は、開繊室6の下流側に形成された前記排出口9を通過して開繊ユニット2外に排出される。
このような開繊ユニットでは、図4に示されるように、セルロースアセテートの捲縮繊維を圧縮空気などの加圧ガスとともに、開口部5aを経て開繊室(すなわち、楕円形状プレートと中空楕円筒状成形部との間に形成される空間(第2の開繊室))6に供給して前記加圧ガスにより開繊する。第2の開繊室6内では、捲縮繊維の開口部5aの通過と略同時に、開口部5aから第2の開繊室6への内径の急激な拡大及び加圧ガスの作用により、捲縮繊維の開繊が急激に行われるとともに、開繊された繊維は、開繊と略同時に、開繊室(すなわち、楕円筒状成形部)の形状に対応する形状に成形又は整形され、楕円形状の断面を有する楕円柱状の開繊繊維10が連続的に形成され、排出口9から排出される。なお、開繊室(第2の開繊室)6の壁面には、排気孔を形成してもよく、排気孔から加圧ガスの排気を速やかに行うことにより、開繊繊維の形状を安定して断面楕円形状に成形してもよい。
また、断面楕円形状の柱状の開繊繊維は、リザーバ8を通過することにより、断面サイズ及び/又は繊維の密度を調整され、開繊ユニット2から排出される。なお、図1〜4の例では、リザーバ8は、開繊室6の中空楕円筒状成形部6bの下流側の端部において、楕円形状の端部の周方向に間隔をおいて配置された4本の板バネで構成されており、これらの板バネは、第2の開繊室6(すなわち、中空楕円筒状成形部6b)の下流側の端部から繊維の進行方向(又は下流方向)に延びている。そして、4本の板バネで構成されたリザーバは、繊維の進行方向(又は下流方向)に向かって、先細に形成されており、繊維の流路径(流通路径)が狭められている(すなわち、4本の板バネの下流端部で形成される排出口9の大きさ(仮想円(又は楕円)の口径)が、中空楕円筒状成形部6bの径に比べて縮小されている)。このように、繊維の流路径を狭めることにより、リザーバ8内に開繊繊維が蓄積され、繊維密度を高めることができるとともに、得られる繊維シートの幅及び/又は厚みを調整することができる。従来は、円筒形状に開繊した繊維は、その形状を利用して、円筒形状に成形するたばこフィルタや筆記用具のインキの液貯め等の用途に利用されていた。これに対し、本発明では、上記のように、開繊室により特定の形状に繊維を開繊したり、さらにリザーバの配置(複数の板バネの配置など)、開口度合い、リザーバの強度又は弾性などの諸条件を調節し、さらにシート成形することにより、開繊されたトウの幅、幅方向の厚み分布を所望の値に調整することができる。
開繊ユニット2から排出された楕円柱状の開繊繊維10は、二対のローラ(シート成形ユニット3)3a,3b間に供給され、シート成形ユニット3では、開繊繊維を断面楕円形状の短軸方向に圧縮し、シート状に成形している。
図11は、図4のXI−XI線における開繊繊維の横断面の模式図であり、図12は、XII−XII線における開繊繊維の横断面の模式図であり、図13は、図4のXIII−XIII線における繊維シートの横断面の模式図である。図11に示すように、第2の開繊室で開繊及び整形された開繊繊維は、中空楕円筒状成形部6bの形状に対応した楕円形状の断面形状を大略保持しつつ、リザーバ8に収容されている。そして、開繊ユニット2(リザーバ8)の下流端部に形成された排出口から排出された開繊繊維は、図12に示されるように、第2の開繊室の断面形状に対応し、リザーバ8により形状及び/又はサイズなどを整えられた楕円形状の断面を有している。そして、この楕円形状の断面を有する柱状開繊繊維10は、図13に示すように、二対のローラ3a,3bで断面楕円形状の短軸方向に圧縮されて帯状シートが形成され、この帯状シートの幅方向(シートの引き取り方向に対して直行する方向)において中央部の厚みが、両端部の厚みよりも大きくなった状態のシート状に成形される。このような製造装置では、幅方向(シートの引き取り方向に対して直行する方向)における厚みに分布を有する繊維シートを簡便に製造することができる。そして、得られる繊維シートは、幅方向において、両端部よりも中央部において厚みが大きく吸収性が高いため、使い捨てオムツ、生理用ナプキンなどの衛生材料用吸収体として有用である。
なお、本発明では、少なくとも上記第2の開繊部により捲縮繊維を開繊し、シート成形すればよいが、図1〜図4に示されるように、予備開繊したセルロースアセテートの捲縮繊維を、円柱状開繊部により開繊し、さらに第2の開繊部により開繊して、シート成形するのが好ましい。すなわち、開繊ユニットは、第2の開繊部単独で構成してもよく、円柱状開繊部と、第2の開繊部とで構成してもよい。
図14は、開繊ユニットの他の例を示す概略正面図である。図14の例では、開繊ユニット22の第2の開繊部27は、円柱状開繊部の第1の開繊室25から供給される捲縮繊維及び加圧ガス(圧縮空気など)を通過可能な円形状開口部(又は円形状供給口)25aと、この円形状開口部25aを中心部に有し、円形状開口部25aよりも径が大きい円形状プレート26aと、この円形状プレート26aの周縁部から、繊維の進行方向(下流方向)に延びる中空円筒状成形部(円筒状の成形(又は整形)リング)26bと、この円筒状成形部26bの周縁部から、繊維の進行方向に延びるリザーバ28とを備えている。また、このリザーバ28の下流端部は、開繊ユニット22で開繊又は整形された開繊繊維を排出するための排出口を形成している。そして、前記円形状開口部25aを有する円形状プレート26aと、中空円筒状成形部26bとは、断面円形状の第2の開繊室を形成し、この第2の開繊室は、前記円形状開口部25aよりも大きな内径を有する。
なお、図14の例では、円柱状開繊部は、中空円筒状管体35と、この管体35の上流側の中空部に装着された図3の例と同様の構造の筒状流路形成部36と、この筒状流路形成部36の下流側における前記管体35の中空部に装着され、内部に第1の開繊室25を備えた開繊室形成部37とで構成されている。そして、このような円柱状開繊部の下流側の端部が、前記第2の開繊部27の円形状プレート26aの中心部に装着され、円柱状開繊部内に形成された第1の開繊室25の端部が、円形状開口部25aを形成している。
そして、第1の開繊室25で開繊された捲縮繊維は、圧縮空気とともに、円形状開口部25aを通過して、第2の開繊部27(第2の開繊室)に供給され、この第2の開繊部27においてさらに開繊されるとともに、開繊繊維の形状を断面円形状に成形され、第2の開繊室の下流側に形成された排出口を通過して開繊ユニット22外に排出される。
(開繊に用いる繊維)
開繊ユニットに供給する繊維としては、例えば、セルロースエステル系繊維(セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系繊維など)、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維などが例示できる。繊維は単繊維であってもよく複合繊維であってもよく混紡繊維であってもよい。特に、セルロースアセテート系繊維が好ましい。すなわち、セルロースアセテート繊維は適度な疎水性と親水性を有しており、人体***物の吸収性に優れると漏出液の分配性にも優れる。また、セルロースアセテート繊維はアセトンなどの溶媒により乾式紡糸されるため、フィラメントの断面形状を複雑にすることができ、分泌液はこの複雑な断面に沿って吸収され、分配される性質がある。
なお、繊維の断面形状は、円形状であってもよく、異形状(例えば、楕円状、多角形状、T,I,Y,X字状など)であってもよい。セルロースアセテート繊維であればこのような異形断面を得やすい。
繊維の平均捲縮度は、例えば、100〜800回/インチ程度であってもよく、200から600、300から500、300から350また高倦縮繊維として知られているものでは350から500程度であってもよい。また、繊維(フィラメント)の単繊維繊度は特に制限されず、種々の繊度、例えば、0.1〜20d(デニール)、1.0〜15d、1.5〜10d程度であってもよい。開繊されるトウバンド(フィラメントの集合体)のトータルデニールは0.5万〜5万、1万〜4.5万、1.5万〜4.5万程度であってもよい。開繊ユニットに供給する捲縮繊維は、必ずしも予備開繊した捲縮繊維である必要はないが、開繊ユニットにおいて、効率よく開繊を行い、楕円形状に開繊繊維を整形するためには、通常、予備開繊した捲縮繊維を用いるのが好ましい。予備開繊の方法は、特に制限されず、慣用の方法、例えば、ローラなどによる機械開繊、加圧ガス(圧縮空気など)などによる空気開繊などが採用できる。また、予備開繊は、一段階の予備開繊工程により行ってもよく、多段階の予備開繊工程(例えば、多段階の空気開繊、多段階の機械開繊、又は空気開繊及び機械開繊の組み合わせなど)により行ってもよい。
予備開繊は、2対のローラにより行うのが好ましく、2対のローラのロール比を適宜調整することにより、繊維の予備開繊度を調整してもよい。ロール比は、例えば、1〜3、好ましくは1.1〜2.5、さらに好ましくは1.2〜2程度であってもよい。
第1の予備開繊ローラとこのローラの下流に配置された第2の予備開繊ローラとの二対のローラで、予備開繊を行う場合、第1の予備開繊ローラ及び第2の予備開繊ローラのそれぞれにおける繊維の線速度を調整することにより、予備開繊度を調整してもよい。第1の予備開繊ローラにおける線速度は、例えば、20〜80m/分、好ましくは30〜70m/分、さらに好ましくは40〜60m/分程度であってもよい。また、第2の予備開繊ローラにおける線速度は、例えば、40〜100m/分、好ましくは50〜90m/分、さらに好ましくは60〜80m/分程度であってもよい。なお、第1の予備開繊ローラにおける繊維の線速度と第2の予備開繊ローラにおける繊維の線速度との比(ストレッチ比)は、例えば、1.1/1〜2/1、好ましくは1.15/1〜1.5/1、さらに好ましくは1.2/1〜1.4/1程度であってもよい。
(開繊)
本発明では、前記繊維を開繊ユニットで開繊する。開繊ユニット(第1又は第2の開繊室)に供給される加圧ガスの種類は特に制限されず、圧縮窒素などの圧縮された不活性ガスなどであってもよいが、通常、圧縮空気が使用される。
第1の開繊室への加圧ガスの供給は、捲縮繊維とともに、繊維供給口から行ってもよいが、繊維の開繊を効率よく行うため、繊維とは別のガス供給口から行うのが好ましい。第1の開繊室における空気開繊は、慣用の空気開繊方法により行うことができるが、繊維とは別途供給される加圧ガスを、繊維流路の周囲から、繊維に対して円錐状に合流させ、開繊を行うのが好ましい。
また、第1の開繊室へのガスの流量に関し、ジェット圧は、例えば、0.01〜0.5MPa、好ましくは0.04〜0.1MPa、さらに好ましくは0.045〜0.08MPa程度であってもよい。
第1の開繊室の形状は、トウの導入部からガス合流部の少なくとも10mm下流までは同一の断面積を有する管状のものであればよく、この同一の断面を有する管状部の形状は円形でもよく楕円形でもよいが円形が好ましい。ガス合流部の下流から開繊室は拡開する。第1の開繊室の断面形状は楕円錐状又は円錐状に限らず、必要により、三角錐状、四角錐状などの角錐状であってもよいが、通常、楕円錐状又は円錐状である。また、第1の開繊室の形状と第2の開繊室の形状とは適宜組合せることができ、例えば、例えば、円錐状の第1の開繊室と、断面楕円形状の第2の開繊室とを組み合わせてもよく、楕円錐状の第1の開繊室と、断面円形状の第2の開繊室とを組み合わせてもよい。特に、円錐状又は楕円錐状の第1の開繊室と、断面楕円形状の第2の開繊室とを組み合わせるのが好ましい。
第1の開繊室の長さは、繊維の開繊性及び開繊繊維の成形性を損なわない範囲で適宜選択でき、例えば、5〜50cm、好ましくは10〜40cm、さらに好ましくは15〜35cm程度であってもよい。
なお、開繊ユニットに供給される繊維には、必要により、トリアセチンなどの慣用のバインダーを予め適用してもよいが、バインダーを適用せずに、開繊ユニットに繊維を供給し、開繊するのが好ましい。
第2の開繊室を構成する楕円形状又は円形状プレートにおいて、加圧ガス及び捲縮繊維を開繊室に供給するための供給口(開口部)の形状は、円形状に限らず、楕円形状、多角形状(四角形状、五角形状など)などであってもよいが、通常、湾曲した内径を有しており、好ましくは円形、また場合により楕円形状であってもよい。円形開口部の直径又は楕円形開口部の長径は、例えば、1〜15cm、好ましくは2〜10cm、さらに好ましくは2.5〜8cm程度の範囲から選択できる。
なお、開繊室の断面楕円形状において、長径と短径との比は、例えば、長径/短径=1.1/1〜5/1程度の範囲から選択でき、好ましくは1.2/1〜3/1、さらに好ましくは1.3/1〜2/1程度であってもよい。また、開繊室の平均内径(又は開繊室の断面楕円形状における長径)と、前記円形開口部の直径(楕円形開口部の長径)との比は、例えば、平均内径/開口部の直径(又は長径)=1.2/1〜20/1程度の範囲から選択でき、好ましくは1.3/1〜10/1、さらに好ましくは1.4/1〜5/1(例えば、1.5/1〜3/1)程度であってもよい。
第2の開繊室(楕円又は円筒状成形部)の長さは、リザーバを保持するために強度を有していれば良く、例えば、1〜50cm、好ましくは1.5〜30cm、さらに好ましくは2〜10cm程度であってもよい。
開繊ユニットにおいて、リザーバは、開繊室(又は楕円又は円筒状成形部)の下流端部から繊維の進行方向(下流方向)に延びており、開繊室からの開繊繊維を保持できればよく、例えば、楕円又は円筒状成形部からの開繊繊維の落下を防止できるように、楕円又は円筒状成形部の周縁部の一部(例えば、開繊室の底部)において下流方向に延びる1つ又は複数の板状体であってもよいが、通常、開繊室(楕円又は円筒状成形部など)の周縁部から繊維の進行方向(又は下流方向)に延びる筒状体、若しくは棒状体又は板状体(棒状又は板状部材)などである場合が多い。なお、リザーバは、複数の棒状体及び/又は板状体で構成してもよい。開繊繊維の断面形状を整えるとともに、開繊繊維の厚み、幅及び/又は繊維の密度などを効率よく調整するためには、変形可能(フレキシブル)な棒状体又は板状体(例えば、棒状又は板状のバネなど)などでリザーバを構成するのが好ましい。また、開繊繊維の断面形状を効率よく整えるため、棒状体又は板状体の個数は、少なくとも3個(例えば、3〜20個)であるのが好ましく、開繊室(又は楕円筒状成形部)の断面サイズに応じて、例えば、4〜14個、好ましくは5〜10個程度であってもよい。複数の棒状体及び/又は板状体でリザーバを構成する場合、棒状体又は板状体は、開繊室(又は楕円筒状成形部)の下流端部の楕円において、周方向に間隔を置いて形成される場合が多い。なお、各棒状体又は板状体の間隔は、均一(すなわち、等間隔)であってもよく、不均一であってもよい(例えば、開繊繊維の落下を防止するために、上部に比べ下部(又は底部)において密に棒状体又は板状体を配設してもよい)。
リザーバで、形状、密度などを調整された開繊繊維は、開繊ユニット(リザーバなど)の下流端部に形成された排出口(又は出口)から排出される。リザーバが複数の棒状体又は板状体で形成される場合、複数の棒状体又は板状体の端部により形成される開口部分(仮想円状の開口部など)を排出口と称する場合がある。排出口のサイズ(口径)及び形状は、リザーバ(棒状体及び/又は板状体など)を先細に変形することにより調整することができる。リザーバ(棒状体及び/又は板状体など)は、直線状に先端部を狭めてもよく、先端部を内包に湾曲させて狭めてもよい。
リザーバは、排出口のサイズが、第2の開繊室の内径よりも大きくなるように変形などにより調整してもよいが、通常、第2の開繊室の内径よりも小さくなるように調整される。排出口の幅方向のサイズを第2の開繊室の幅方向の内径と比較して、拡大したり、縮小することにより、得られる繊維シートの幅を調整することができる。また、排出口の高さ方向のサイズを、第2の開繊室の断面形状の高さ方向のサイズと比較して、拡大したり、縮小したりすることにより、得られる繊維シートの厚みを調整してもよい。必要により、連続的又は断続的に、排出口のサイズ(幅方向及び/又は高さ方向)を調整することにより、得られる帯状繊維シートの幅及び/又は厚みを調節し、方形のみならず、長さ方向に幅が異なるシートを製造してもよく、長さ方向に厚みが異なるシートを製造してもよい。
好ましい態様では、断面楕円又は円形状(特に断面楕円形状)の開繊繊維を、排出口のサイズが第2の開繊室の内径よりも縮小されたリザーバ(すなわち、繊維の進行方向に向かって流路径が狭められた流路)を通過させることにより、開繊繊維の軸心方向に予備圧縮することができ、この予備圧縮により、開繊繊維の密度、厚み及び/又は幅を調整することができる。
リザーバの長さは、例えば、1〜50cm、好ましくは5〜40cm、さらに好ましくは10〜30cm程度であってもよい。リザーバの傾斜角(繊維の進行方向に向かって流路径を狭めるように、中心に向かって傾斜した角度)は、リザーバの長さなどに応じて、例えば、1〜20°、好ましくは3〜15°、さらに好ましくは5〜13°程度であってもよい。
なお、開繊繊維の密度、厚み及び/又は幅などの調整は、リザーバの強度、位置及び形状などの他、開繊ユニットへの捲縮繊維の供給速度、シート成形工程への開繊繊維の送り速度などを調整することにより行うことができる。また、リザーバとして複数の板バネを用いる場合、板バネの強度が小さいと、開繊繊維に対する挟持力が低下することを利用して、シートの幅方向に対応する板バネの強度を調整することにより、シートの幅を調整してもよく、シートの厚み方向に対応する板バネの強度を調整することにより、シートの厚みを調整してもよい。
また、開繊ユニットへの捲縮繊維の供給速度及びシート成形工程への開繊繊維の送り速度を調整することにより、リザーバ内での繊維の密度(繊維の貯め重量)を調整してもよい。開繊ユニットへの捲縮繊維の供給速度(線速度)は、前記第2の予備開繊ローラにおける繊維の線速度の範囲から選択できる。また、シート成形工程への開繊繊維の送り速度(線速度)は、例えば、20〜80m/分、好ましくは30〜70m/分、さらに好ましくは40〜70m/分程度の範囲から選択できる。リザーバ内で繊維を所望の形状に成形し、繊維密度を調整するためには、リザーバ内に繊維をある程度貯めた状態にする必要がある。そのため、通常、開繊ユニットへの捲縮繊維の供給速度と、シート成形工程への開繊繊維の送り速度との比を、供給速度/送り速度(リラックス比)=1.1以上(1.1/1〜2/1程度)にするのが好ましく、さらに好ましくは1.2/1〜1.5/1程度であってもよい。リザーバ内での繊維の貯め重量は、例えば、20〜60g、好ましくは30〜50g、さらに好ましくは35〜45g程度である。
このように、開繊工程(開繊ユニット)において、開繊及び成形された開繊繊維は、シート成形のためのシート成形工程(成形ユニット)に供される。
(シート成形)
シート成形工程では、開繊工程(開繊ユニット)から供される開繊繊維をシート状に成形する。成形ユニットは、開繊繊維をシート状に成形可能であれば、特に制限されず、例えば、2枚の板状体などで構成し、開繊繊維を挟み、プレスすることによりシート状に成形してもよいが、通常、シート成形ユニットは、ローラで構成することができ、連続的に供給される開繊繊維を効率よくシート成形してもよい。なお、シート成形ユニットは、通常、一対のローラで構成できるが、必要により、複数対のローラ(好ましくは二対のローラ)で構成してもよい。
成形ユニットを、第1の成形ローラと、このローラの下流側に配置された第2の成形ローラとの二対のローラで構成する場合、第1の成形ローラにおける繊維の線速度は、例えば、20〜90m/分(例えば、30〜80m/分)、好ましくは40〜70m/分、さらに好ましくは45〜65m/分程度であってもよい。また、第2の成形ローラにおける繊維の線速度は、例えば、20〜70m/分、好ましくは30〜60m/分、さらに好ましくは40〜50m/分程度であってもよい。なお、第1の成形ローラにおける繊維の線速度と第2の成形ローラにおける繊維の線速度との比(送り比)は、例えば、1.05/1〜2/1、好ましくは1.08/1〜1.5/1、さらに好ましくは1.1/1〜1.4/1程度であってもよい。
開繊繊維は、断面形状の特性を利用するため、開繊繊維の幅方向(長さ方向と直交する方向)に圧縮してシート状に成形すればよい。例えば、断面楕円形状の開繊繊維は、短軸方向及び長軸方向の何れの方向に圧縮してシート成形してもよい。例えば、断面楕円形状の開繊繊維を短軸方向に圧縮してシート成形すると、シートの幅方向(シートの引き取り方向と直交する方向)において、厚みの大きな(すなわち、密度が高い)中央部から両端部に向かって徐々に厚み(密度)が小さくなるシートを得ることができ、また、断面楕円形状の開繊繊維を断面の長軸方向に圧縮してシート成形すると、シートの幅方向の中央部において、厚みが大きい(すなわち、密度が高い)部分を幅広に有し、厚みが大きな部分から両端部に向かって厚み(密度)が急に小さくなるシートを得ることができる。圧縮方向は、繊維シートの用途に応じて、適宜選択できるが、通常、断面楕円形状の開繊繊維を、断面における短軸方向に圧縮する場合が多い。
本発明の製造装置は、前記開繊ユニットと、前記成形ユニットとを備えていればよく、これらのユニットは、開繊工程とシート成形工程とを効率よく行うことができるよう配設されていればよく、例えば、両ユニットは、適当なハウジングに収容されていてもよい。
また、前記製造装置は、必要により、材料となる捲縮繊維を予備開繊するための予備開繊ユニット(例えば、ローラなどの機械開繊機、空気開繊機など)を備えていてもよい。なお、予備開繊ユニットは、1つであってもよく、複数であってもよい。前記製造装置は、通常、予備開繊ユニットを、開繊ユニットに予備捲縮した繊維を供給できるような配置で備えている。
また、前記製造装置は、さらに、液体及び/又は粉体を開繊繊維又は繊維シートに適用するためのユニットを備えていてもよい。例えば、開繊ユニットから排出された開繊繊維及び/又は成形ユニットから排出される繊維シートに、(i)粉粒状の超吸収性ポリマー(SAP)を、必要により適当な分散媒体(水、アルコールなどの揮発性有機溶媒など)とともに適用するためのユニット、(ii)抗菌剤、矯臭剤などの添加剤を含む溶液又は分散液などを適用するためのユニットなどを備えていてもよい。
(繊維シート)
本発明の繊維シートは、前記の製造装置を用いて得ることができる。すなわち、繊維シートは、加圧ガスにより捲縮繊維を開繊し、得られる開繊繊維をシート状に成形する繊維シートの製造方法において、上記のように、特定の開繊室に、この開繊室の開口部より捲縮繊維を供給して、加圧ガスとともに開繊し、断面楕円形状の開繊繊維を形成し、この開繊繊維をシート状に成形することにより製造できる。捲縮繊維は、加圧ガスによる開繊に先だって、必要により予備開繊してもよい。
本発明の繊維シートは、幅方向(シートの引き取り方向と直行する方向)において、厚み(又は密度)の異なる部分が存在する。特に、幅方向の中央部では、厚み(又は密度)が大きく、幅方向の両端部では、厚み(又は密度)が小さい。そのため、このような繊維シートは、使い捨てオムツや生理用ナプキンなどの衛生材料用吸収体として用いたとき、尿などの液体を、中央部で効率よく吸収して、液体が周囲に広がることにより不快感(又はかぶれなど)を有効に防止できるとともに、尿などの液体の漏れも効果的に防止することができる。
また、本発明では、上記開繊ユニットにより繊維の開繊が非常に効率よく行われるため、開繊されたフィラメント一本一本の長さ方向の配列のずれが大きく、フィラメントの絡み合い効果が大きい。そのため、開繊したトウを用いた吸収体では、SAPなどの粉末が開繊トウの中に留まり易くなり、SAPの脱落が防げると共に、必要に応じてはより微細な粉末のSAPを用いることも可能となる。微細な粉末のSAPを用いた場合は、吸収体全体に均一に分布させることができるため、セルロースアセテートの高い分配性と相まって、吸収性能が大幅に改善され、また、逆漏れも防止できる。
本発明の繊維シートは、液体(尿、血液などの水分など)に対する吸収性に優れているため、特に、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、母乳パットなどの衛生材料用吸収体として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜3
セルロースアセテートのトウ(単繊維繊度2.2d、Y字状断面、トータルデニール3万)を用いて(供給重量0.494〜0.558g/10cm)、図1の製造装置により繊維シートを製造した。
予備開繊は、PTローラ(ブレーキローラ,ローラ圧力0.1MPa)とこのローラの下流側に配置されたBRローラ(引張ローラ,ローラ圧力0.2MPa)との二対の予備開繊ローラで行った。
第1の開繊室に供給される圧縮空気の圧力(ジェット圧)は、0.05MPaであった。
なお、リザーバとして用いた板バネの材質はSK5であり、幅6.3mmであり、厚さは1.25mmであった。また、板バネは、繊維の進行方向に向かってリザーバにより形成される流路を狭めるように傾斜(内方に傾斜)しており、傾斜角(曲げ角)は、11°であった。また、リザーバ内に蓄積された繊維の重量は38〜40gであり、長さは3〜4mであった。
シート成形は、DRローラ(デリベリーローラ)とこのローラの下流側に配置されたCDローラ(キャチャードラム)との二対のローラで行った。得られたシートの単位長さ当たりの重量は8.5g/mであり、トウ幅は9〜10cmであった。
セルロースアセテート繊維の供給重量、並びに各予備開繊ローラ及びシート成形ローラにおける線速度(m/分)を表1に示す。
Figure 0005283857
表中、各線速度比は、以下の通りである
ストレッチ比=PTローラにおける繊維の線速度/BRローラにおける繊維の線速度
リラックス比=BRローラにおける繊維の線速度/DRローラにおける繊維の線速度
送り比=DRローラにおける繊維の線速度/CDローラにおける繊維の線速度。
なお、繊維供給重量は、フィルター巻上機を用い、繊維を100mmに巻き上げてフィルターを作製し、このフィルタの重量に基づいて、算出した。
実施例4〜6
セルロースアセテートのトウ(単繊維繊度2.2d、Y字状断面、トータルデニール4万)を用い、繊維供給重量及び各ローラにおける繊維の線速度を表2に示す数値に調整する以外は実施例1〜3と同様にシートを製造した。なお、リザーバ内に蓄積された繊維の重量は38〜40gであり、長さは5〜6mであり、得られたシートの単位長さ当たりの重量は、607g/mであった。なお、各線速度比の算出方法は、表1の場合と同様である。
Figure 0005283857
図1は本発明の繊維シートの製造装置の一例を示す概略側面図である。 図2は図1の製造装置における開繊ユニットの概略縦断面図である。 図3は図1の製造装置における開繊ユニットの概略正面図である。 図4は、図1〜図3の装置を用いた繊維シートの製造において、繊維の開繊及びシート形成を説明するための概略縦断面図である。 図5は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のV−V断面における概略横断面図である。 図6は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のVI−VI断面における概略横断面図である。 図7は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のVII−VII断面における概略横断面図である。 図8は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のVIII−VIII断面における概略横断面図である。 図9は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のIX−IX断面における概略横断面図である。 図10は、図2の製造装置における開繊ユニットの円柱状開繊部のX−X断面における概略横断面図である。 図11は、図4のシート製造装置における開繊繊維のXI−XI断面における横断面の模式図である。 図12は、図4のシート製造装置における開繊繊維のXII−XII断面における横断面の模式図である。 図13は、図4のシート製造装置における繊維シートのXIII−XIII断面における横断面の模式図である。 図14は開繊ユニットの他の例を示す概略正面図である。 図15は米国特許3099594号明細書の図3の開繊ジェットに相当する従来の開繊装置の概略縦断面図である。
符号の説明
1…繊維シートの製造装置
2,22…開繊ユニット
3…成形ユニット
3a,3b…ローラ
4…円柱状開繊部
5,25…第1の開繊室
5a,25a…開口部
6…第2の開繊室
6a…楕円形状プレート
26a…円形状プレート
6b…楕円筒状成形部
26b…円筒状成形部
7,27…第2の開繊部
8,28…リザーバ
9…排出口
10…開繊繊維
11…加圧ガス供給管
12…リング状加圧ガス流路
13…円錐状加圧ガス流路
14…繊維通路
14a,34a…繊維供給口
14b…合流域
15,35…中空円筒状管体
16,36…筒状流路形成部
17,37…開繊室形成部
20…予備開繊ユニット

Claims (10)

  1. 1)捲縮繊維を、捲縮繊維が通過可能な開口部を経て、この開口部より内径が大きくかつ下流方向に延びる断面楕円形状又は円形状の開繊室に供給して加圧ガスとともに開繊する工程、
    2)開繊繊維をシート状に成形する工程、および
    3)シート状に成形された繊維シートに粉粒状の高吸水性樹脂を添加する工程
    を含む吸水性繊維シートの製造方法。
  2. 1)開繊工程において、断面形状が楕円形状の開繊室で捲縮繊維を開繊する請求項1記載の製造方法。
  3. 1)開繊工程が、下記の工程1b)と工程1c)とを含む請求項1又は2記載の製造方法。
    1b)捲縮繊維を、下流方向に向かって内径が拡大して延びる楕円錐形状又は円錐形状の第1の開繊室で加圧ガスにより開繊する工程
    1c)この第1の開繊室に隣接して形成され、前記第1の開繊室の開口部内径よりも大きな内径を有する断面楕円形状又は円形状の第2の開繊室でさらに開繊する工程
  4. 1)開繊工程が、下記の工程1a)と工程1b)とを含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
    1a)繊維通路に捲縮繊維を通過させながら繊維通路に対して加圧ガスを斜め方向から合流させる工程
    1b)前記加圧ガスの合流域の下流側に位置し、かつ下流方向に向かって内径が拡大して延びる楕円錐形状又は円錐形状の開繊室で捲縮繊維を開繊する工程
  5. 1)開繊工程が、開繊繊維を、開繊室の下流端部から下流方向に延びる少なくとも3個の棒状又は板状部材で構成され、かつ下流方向に向かって流路径が狭まったリザーバ内に通過させ、開繊繊維をリザーバから排出する工程を含み、
    2)成形工程が、少なくとも一対のローラでリザーバから排出された開繊繊維をシート状に成形する工程を含む請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 加圧ガスにより捲縮繊維を開繊する開繊ユニットと、この開繊ユニットからの開繊繊維をシート状に成形するための成形ユニットとを備えた繊維シートの製造装置であって、前記開繊ユニットが、捲縮繊維が通過可能な開口部と、この開口部より内径が大きく、かつ下流方向に延びて形成され、捲縮繊維を開繊するための断面楕円形状又は円形状の開繊室と、この開繊室の下流側に形成され、かつ前記開繊室で加圧ガスにより開繊された開繊繊維を通過可能な排出口とを備えているとともに、成形ユニットからのシート状に成形された繊維シートに粉粒状の高吸水性樹脂を添加するためのユニットを備えている繊維シートの製造装置。
  7. 開繊室が、下流方向に向かって楕円錐形状又は円錐形状の形態で内径が拡大して延び、かつ捲縮繊維を加圧ガスにより開繊するための第1の開繊室と、この第1の開繊室に隣接して下流側に形成され、前記第1の開繊室の開口部内径よりも大きな内径を有し、かつ前記第1の開繊室からの捲縮繊維を開繊するための断面楕円形状又は円形状の第2の開繊室とを備えている請求項6記載の製造装置。
  8. 開繊室の断面形状が楕円形状である請求項6又は7記載の製造装置。
  9. 開繊ユニットが、予備開繊された捲縮繊維を通過可能な繊維通路と、この繊維通路の下流端で斜方向から下流方向に噴射される加圧ガスが合流する合流域と、この合流域の下流側に形成され、かつ前記合流域から下流方向に向かって内径が拡大する楕円錐形状又は円錐形状の開繊室を備えている請求項6〜8のいずれかに記載の製造装置。
  10. 開繊ユニットの第1の開繊部が、上流側に形成され、かつ予備開繊された捲縮繊維を通過可能な繊維通路と、この繊維通路の下流端で斜方向から下流方向に噴射される加圧ガスが合流する合流域と、この合流域に合流し、かつこの合流域に加圧ガスを斜方向から下流方向に噴射するための断面円錐環状の傾斜流路と、前記合流域の下流側に形成され、かつ前記合流域から下流方向に向かって内径が拡大する楕円錐形状又は円錐形状の第1の開繊室とで構成されており、
    前記第1の開繊部の下流側に形成された第2の開繊部が、前記第1の開繊室からの捲縮繊維及び加圧ガスを通過可能な楕円形状又は円形状開口部と、この開口部の下流側に、前記開口部よりも内径が大きく形成された断面楕円形状又は円形状の第2の開繊室と、この第2の開繊室の下流端部から下流方向に延びる少なくとも3個の棒状又は板状部材で構成されたリザーバと、このリザーバの下流端部に形成され、かつ開繊繊維を排出するための排出口とを備えており、前記リザーバによる流路径が、下流方向に向かって狭まっており、
    成形ユニットが、開繊繊維をシート状に成形するための少なくとも一対のローラで構成されている請求項6〜9のいずれかに記載の製造装置。
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