JP5283395B2 - 印刷用紙 - Google Patents
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Description
ところが、軽量化や資源の有効利用に伴い、古紙の使用割合が増大することから、得られる印刷用紙の白紙不透明度や印刷不透明度が低下してしまう。そこで、この不透明度低下対策として、通常原料パルプに無機填料が配合されるが、かかる無機填料の増配により、印刷用紙の表面強度の低下や、紙粉の発生等のトラブルが生じている。また近年、広告媒体の増加により、印刷用紙での広告面の印面品質に対する要求も高まっている。そのため、例えば輪転機の高速化や両面カラー用タワープレス機の増設を実施する新聞社や印刷会社が多くなっており、高速オフセット輪転印刷での多色印刷における印面品質の向上が取り組まれている。しかしながら、特にこのような高速オフセット輪転印刷での多色印刷(両面カラー用タワープレス機の増設)では、印刷適性の低下や印刷用紙の不透明度の低下が問題となっている。
そこで、このような問題を解決する技術として、例えば特許文献1には、従来の金属ロールで構成されるカレンダーを、弾性ロールと金属ロールとの組合せからなるソフトカレンダーに替え、金属ロール(ヒートロール)の温度を20〜150℃で平坦化処理することで、紙粉の発生量が少ないオフセット印刷用新聞用紙を製造する方法が記載されている。しかしながら、物理的な平坦化処理は、用紙の剛度を低下させ、新聞用紙としての取り回しを悪化させ、読者にとって新聞用紙が扱い難くなるとともに、新聞用紙表面が緻密になることで、新聞用インキの吸収乾燥性を阻害し、インキ汚れや裏移りの問題を惹き起こしてしまう。
そこで、このような問題を解決する技術として、例えば特許文献2には、特定の重合体ラテックスを含有する新聞用紙用塗被組成物を新聞原紙に塗布することで、コールドセット型インキによる高速多色オフセット輪転印刷において、表面強度、インキ着肉性、インキセット性等のオフセット印刷適性と、引張強度(特に湿潤引張強度)とに優れ、かつこれらオフセット印刷適性と引張強度とのバランスがよい新聞用紙用塗被組成物及び新聞用紙を得る技術が開示されている。これは、一般にラテックスは被膜性が高いため、新聞用紙表面の強度を高め、コールドセット型インキを用いて印刷を行った際に、インキを新聞用紙表面に留め、インキ着肉性、インキセット性等のオフセット印刷適性を得ようとするものである。しかしながら、このような重合体ラテックスは被膜形成性が高すぎて、印刷用紙におけるコールドセット型インキのインキセット性が反って低下し、擦れ汚れや、インキの裏移りといった問題を惹き起こしてしまう。
〔請求項1記載の発明〕
脱墨パルプを30〜100質量%含む原料パルプと填料とを少なくとも構成成分とする、紙面pH6.0〜10.0、坪量36〜50g/m2の印刷用紙であって、
前記填料が、(1)BET比表面積50m2/g以上、吸油量150ml/100g以上の毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムと、(2)反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸と、を含有し、
かつ、当該炭酸カルシウム及び水和ケイ酸を含有する印刷用紙の表裏面に、澱粉及びポリビニルアルコールの少なくともいずれか一方が塗布されている、
ことを特徴とする印刷用紙。
〔請求項2記載の発明〕
前記炭酸カルシウムの体積平均粒子径が1.8〜10.0μmであるのに対し、前記水和ケイ酸の体積平均粒子径が3〜9μmである、
請求項1記載の印刷用紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記水和ケイ酸は、BET比表面積が150m 2 /g以上、吸油量が190〜230ml/100gである、
請求項1又は請求項2記載の印刷用紙。
前記反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸は、
X線マイクロアナライザーを用いたX線の加速電圧が8kVで拡散領域が1μmの条件での紙面の面分析で、水和ケイ酸の凝集体粒子と分析されるケイ素の検出域の大きさにおいて、当該ケイ素の検出域における粒子径が20μm以上の凝集体粒子の所定領域における面積割合が10%以下に成るように分散させた水和ケイ酸からなる、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の印刷用紙。
前記原料パルプに、パルプ調整段階で凝結剤が、それに続く抄紙工程前段で凝集剤が、それぞれ添加されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用紙。
まず、本形態に用いられる原料パルプについて説明する。本形態の印刷用紙の原紙を構成する原料パルプには、脱墨(古紙)パルプが全パルプ成分を基準として30〜100質量%含まれる。
本形態の印刷用紙を得るには、前記原料パルプからなるパルプスラリーに填料を添加し、例えば好適には紙面pH6.0〜10.0、さらに好適には紙面pH6.5〜9.5の中性〜アルカリ性となるように抄造pH等の条件を調整して、長網型抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機等の通常の抄紙機にて抄紙する方法を採用することができるが、本形態においては、原料パルプの調製段階で凝結剤を添加し、さらに当該パルプの調製段階に続く抄紙工程前段で凝集剤を添加することが、パルプ懸濁液中に混在する微細な無機粒子の凝集を推進し、さらに原料パルプに無機粒子を付着させて填料歩留りを向上させたり、濾水性が向上してウェットエンドの安定性が得られたりするといった利点があるので好ましい。
本形態の印刷用紙は、JIS P 8124に記載の「坪量測定方法」に準拠した坪量が、36g/m2以上、好ましくは37g/m2以上であり、また50g/m2以下、好ましくは46g/m2以下の軽量なものである。かかる坪量が36g/m2未満では、不透明度や紙質強度が不充分となり、17〜18万部/時間にも及ぶ近年の高速印刷においては、断紙が生じ易くなるといった問題が発生する。一方、坪量が50g/m2を超えると、充分な不透明度を確保し易くなるものの、軽量な印刷用紙として扱い難くなる。
本形態で用いられる填料は、(1)BET比表面積50m2/g以上、吸油量150mg以上の毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムと、(2)反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸と、を含有する。
本形態においては、毬栗状の炭酸カルシウムを填料として少なくとも含有していることが、大きな特徴の1つであり、この毬栗状炭酸カルシウムを填料として使用し、先に述べたように、好適には紙面pH6.0〜10.0、さらに好適には紙面pH6.5〜9.5の中性〜アルカリ性で抄造することにより、得られる印刷用紙の光学的性質と強度とが同時に改善される。
すなわち、炭酸カルシウムのバッファー効果によって紙面pHは6.0〜10.0になり、紙面pHが中性あるいはアルカリ性の場合、酸性の場合と比べて繊維1本1本が充分に伸びているので、繊維相互が水素結合を形成する領域が増加する。したがって、灰分が酸性印刷用紙と同程度の場合には、中性印刷用紙の紙力の方が高くなり、この結果、坪量が36〜50g/m2と低坪量の印刷用紙であっても、多色オフセット高速輪転印刷に耐え得る充分な強度が得られる。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
Na2CO3+CaO+H2O→CaCO3+2NaOH
本形態においては、填料として紡錘型又は柱状のカルサイト系又はアラゴナイト系の炭酸カルシウムが毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムと水和ケイ酸を含有することが重要である。
本形態の炭酸カルシウムは、1次粒子が100nm以下の毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムであるのが好ましく、レーザー回析法で測定した体積平均2次粒子径が、1.8〜10.0μmであるのが好ましい。
本形態で使用する毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムは、BET比表面積50m2/g以上である。好適には、BET比表面積50〜150m2/gである。
本形態に用いられる毬栗状炭酸カルシウムは、JIS K 5101−13−1に記載の「顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法」に準拠した吸油量が150ml/100g以上である。好適には160〜250ml/100gの吸油量(指標となる油はアマニ油とする)を有する。
本形態では、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液に、アルカリ難溶性かつ酸可溶性の粒子を分散させたのち、鉱酸を添加してケイ酸アルカリ水溶液を中和し、さらに析出した水和ケイ酸に対し、最初にケイ酸アルカリ水溶液に分散させた粒子と少なくとも同モル以上の鉱酸を添加して製造された反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸を使用する。
印刷適性、嵩高、紙力をバランスよくさらに向上させ、低コスト化を図るためには、毬栗状炭酸カルシウムと含水ケイ酸との割合(毬栗状炭酸カルシウム:含水ケイ酸(質量比))が5:95以上、さらには20:80以上であることが好ましく、また80:20以下、さらには60:40以下であることが好ましい。
本形態においては、毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムと乾燥処理を施さない含水ケイ酸とが併用されるが、これら以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えばカオリン、エンジニアードカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、サチンホワイト等の無機填料や有機填料を、単独で又は2種類以上を同時に使用することができる。
本形態においては、特定の填料を含有する低坪量の原紙に、好適には特定の凝集剤、凝結剤と水溶性高分子を主成分とする塗布層を原紙上に設けて、印刷用紙を得ることもできる。
また、本形態における好適な印刷用紙の構成においては、パルプ調整段階で凝結剤を、それに続く抄紙工程前段で凝集剤を添加するのが好ましい。
前記のごとくパルプの調製段階で添加することが好ましい凝結剤としては、例えばポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(ポリダドマック、PDADMAC)、ポリアミン(PAm)、ポリエチレンイミン(PEI)等の有機高分子系凝結剤や、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等の無機系凝結剤があげられる。これらの中でも、PAM、PDADMAC、PAm及びPEIの少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記のごとく抄紙段階で添加することが好ましい凝集剤として、特に、後述する凝集剤としてカチオン性凝集剤を用いる場合には、パルプの調製の初期段階、すなわちパルプスラリーに対して早い段階で、前記凝結剤を添加することが好ましい。そしてその後、凝集剤を抄紙工程前段、すなわち抄紙網前のヘッドボックスにおいて添加することが最適である。かかる添加手順を採ると、抄紙原料が抄紙網にのる前のスラリー溶液状態において、凝結剤の凝集効果により、パルプ繊維と毬栗状炭酸カルシウムや好適に併用される含水ケイ酸との付着性が高まるとともに、抄紙網では凝集剤の凝集効果により、パルプ繊維と毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムや含水ケイ酸の付着性がより強固となる。その結果、毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムや好適に併用される含水ケイ酸の紙中への歩留りがさらに向上する。そして、このような添加手順を採った場合には、毬栗状炭酸カルシウムや好適に併用される含水ケイ酸の歩留りのさらなる向上とともに、スムーズな抄紙作業が進行するといった効果も発現される。
かくして抄紙工程を経て本形態の印刷用紙が得られるが、本形態においては、さらに印刷用紙の表裏面に、例えば水溶性高分子化合物が塗布されることが好ましい。
これにより、例えばコールドセット型オフセットインキのビヒクル分が素早く吸収され、輪転機の高速化や両面カラー用タワープレス機の使用によって印刷インキ量が増加しても、充分な吸収乾燥性が発現され、優れた印刷不透明度、印刷適性等を確保することができる。
本形態の印刷用紙は、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー設備で平坦化処理を施すことも可能である。
ρR=0.0276E0 1.67A/Z8/9
(ただし、RはX線の拡散領域、ρは平均密度、E0は加速電圧、Aは分析部位の平均分子量、Zは平均原子番号を示す。)
(インキ濃度試験)
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、金属ロールとゴムロールとの間隙に、オフセット印刷インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製、インキ使用量:0.85ml)を塗布した後、30rpmの速度で印刷し(試験片:CD方向50mm、MD方向100mm)、恒室状態(JIS P 8111に記載の「紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態」に準拠)で24時間乾燥する。この印刷サンプルについて、無作為に選択した印刷部位25箇所のインキ濃度をマクベス濃度計にて測定し、これらの平均値を求める。
〔水和ケイ酸の調製〕
二酸化ケイ素(シリカ)換算における濃度を195g/Lに調整したケイ酸ナトリウム水溶液2500L、清水4800L及び無水硫酸ナトリウム130kgを、容積10m3の反応槽へ投入した。
反応槽内の溶液温度を50℃とした後、攪拌しながら、ケイ酸ナトリウムを中和するのに必要な全硫酸量の32.5質量%に相当する硫酸(濃度:20質量%)410Lを12分間かけて連続添加した。硫酸添加後、反応溶液を攪拌しながら35分間かけて90℃まで昇温し、その後90℃のままで10時間熟成した。
次いで残りの硫酸(濃度:20質量%)850Lを、25分間かけて連続的に添加した。さらに温度を維持しながら20分間熟成を行った。その後硫酸を連続的に添加し、スラリーのpHを5.2に調整した。このpHを調整したスラリーをろ過洗浄後、湿式粉砕及び分級処理を順に行い、水和ケイ酸(二次凝集体)を得た。
表2に示す割合で脱墨古紙パルプ(離解・脱墨古紙パルプ)及び機械パルプ(TMP)を配合し、これに表2に示す填料(品種A及び品種B)を、パルプ1トンあたり表2に示す量で添加し、さらに表3に示す凝結剤(品種a及び品種b)を添加してパルプスラリーを得た。
(填料)
毬栗:毬栗炭酸カルシウム
重質:重質炭酸カルシウム
紡錘型:紡錘型炭酸カルシウム
(凝結剤)
PEI:ポリエチレンイミン
PVAm:ポリビニルアミン
PDADMAC:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド
PAm:ポリアミン
(凝集剤)
PAM:ポリアクリルアミド
(水溶性高分子化合物)
エステル化澱粉:1−オクテニルコハク酸エステル化澱粉
(填料の種類)
新聞用紙A:ホワイトカーボン
新聞用紙B:紡錘型炭酸カルシウム
新聞用紙C:ホワイトカーボン
(a)坪量
JIS P 8124に準拠して測定した。
(b)紙面pH
紙面用pH測定キット(共立理化学研究所製)にて、試薬(MPC−BCP、−BTB、−CR、−TB)を使用し、変色標準計で目視にて測定した。
(c)灰分
JIS P 8251に準拠して測定した。
(d)地合指数
シートフォーメーションテスター((株)東洋精機製作所製)にて測定した。
(e)白色度
JIS P 8212に準拠して測定した。
(f)白紙不透明度
JIS P 8149に準拠して測定した。
(g)印刷不透明度
オフセット輪転印刷機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)で、オフセット輪転印刷用インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)のインキ量を変えて、20万部/時の速度で印刷し、印刷面反射率が9%のときの、印刷前の裏面反射率に対する印刷後の裏面反射率の比率:
(印刷後の裏面反射率/印刷前の裏面反射率)×100(%)
を求めた。なお、これら反射率の測定には、分光白色度測色機(スガ試験機(株)製)を用いた。
(h)不透明度差
白紙不透明度と印刷不透明度との差(絶対値)を求めた。
(i)インキ濃度
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、金属ロールとゴムロールとの間隙に、オフセット印刷インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製、インキ使用量:0.85ml)を塗布した後、30rpmの速度で印刷し(試験片:CD方向50mm、MD方向100mm)、恒室状態(JIS P 8111に準拠)で24時間乾燥した。この印刷サンプルについて、無作為に選択した印刷部位25箇所のインキ濃度をマクベス濃度計にて測定し、これらの平均値を求めた。なお、このインキ濃度が1.25未満では、例えば新聞社におけるオフセット輪転印刷において、所望のインキ濃度が出ない問題が生じる可能性があり、逆に1.36を越えると、インキ濃度は充分なものの、印刷不透明度の低下と、裏移りの問題が生じる可能性がある。
(j)面積割合
X線マイクロアナライザー(型番:E−MAX、(株)日立製作所製)及び電子顕微鏡((株)島津製作所製)を用い、X線の加速電圧が8kV、拡散領域が1μmの条件で用紙表面の面分析を行い、ケイ素の検出域の大きさにおいて、粒子径が20μm以上の凝集体粒子の所定領域における面積割合(500倍で撮影した用紙表面の元素分析マッピング写真を組み合わせた、1cm2の分析領域における面積割合)を求めた。
試験例1(インキセット性)
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、新聞用インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にてベタ印刷した後、コート紙を印刷面に重ねて一定圧力で圧着した。コート紙へのインキの転移状況を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:コート紙表面全体に全く汚れが生じていない。
○:コート紙表面の一部に僅かに汚れが生じているが、実用上問題がない。
△:コート紙表面全体に汚れが認められる。
×:コート紙表面全体の汚れが著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて、20万部/時の速度で連続10000部の印刷を行った。得られた印刷物について、画像の鮮明さ及び濃淡ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:画像が鮮明で濃淡ムラが全くなく、インキ着肉性に優れる。
○:画像が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好である。
△:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがあり、インキ着肉性が良好でない。
×:全体的に、画像が不鮮明で濃淡ムラが著しく、インキ着肉性に劣る。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
JIS K 5701−1に記載の「平版インキ−第1部:試験方法」に準拠し、転色試験機(型番:RI−1型、石川島産業機械(株)製)を使用し、インキタック18の1回刷りの条件で印刷した。新聞用紙表面の取られを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:新聞用紙表面全体に全く取られがない。
○:新聞用紙表面の一部に僅かに取られが生じているが、実用上問題がない。
△:新聞用紙表面全体に取られが認められる。
×:新聞用紙表面全体に取られが著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて、20万部/時の速度で印刷を行った。得られた印刷物について、インキ濃度ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:インキ濃度ムラが全くなく、均一で鮮明な画像である。
○:インキ濃度ムラが殆どなく、均一な画像である。
△:一部に、インキ濃度ムラが認められ、画像が不鮮明な箇所がある。
×:全体的に、インキ濃度ムラが著しく、不鮮明な画像である。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(1)剣先詰まり
オフセット輪転印刷機(型番:LITHOPIA BTO−N4、三菱重工業(株)製)を使用し、50連巻きの新聞用紙にて、20万部/時の速度で印刷を行った。剣先詰まり発生の有無を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:剣先詰まりが全く発生しなかった。
○:巻き取り1本で剣先詰まりが1回しか発生しなかった。
△:巻き取り1本で剣先詰まりが2〜3回発生した。
×:巻き取り1本で剣先詰まりが4回以上発生した。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、20万部/時の速度で連続5000部のカラー4色印刷を行った。ブランケット非画像部における紙粉発生・堆積の有無を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:紙粉の発生が全く認められない。
○:紙粉の発生が僅かに認められるが、ブランケット上での堆積は全く認められない。
△:紙粉の発生が認められ、ブランケット上に堆積している。
×:ブランケット上での紙粉の堆積が著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
新聞用紙を幅約4cm×長さ約6cmの大きさに切断したサンプル2枚を用意し、水に10秒間浸漬した後、これらサンプル2枚を素早く密着させた。これをカレンダーに線圧100kg/cmで通紙し、24時間室温乾燥した後、手作業にてサンプル2枚の剥離(Tピール剥離試験模倣官能試験)を行い、剥離の度合いを以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:剥離するまでもなく、全く接着していなかった。
○:一部僅かに接着していたが、容易に剥離することができた。
△:接着しており、剥離し難い箇所があった。
×:全体的に接着しており、剥離時に接着面からの繊維の毛羽立ちが認められた。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
実施例1〜13の新聞用紙はいずれも、特定の水和ケイ酸が3質量%以下といった低濃度の希釈液の状態で原料パルプに内添されており、かつ、厚さ1μmまでの用紙表面の面分析で、ケイ素の検出域の大きさにおいて、粒子径が20μm以上の凝集体粒子の面積割合が10%以下と低く調整されている。したがって、実施例1〜13の新聞用紙はいずれも、軽量であるのは勿論のこと、白色度及び白紙不透明度が高く、高い印刷不透明度が維持されていることがわかる。しかも実施例1〜13の新聞用紙はいずれも、1.25〜1.36といった高いインキ濃度を有しながら、インキセット性及びインキ着肉性も良好で印刷適性に優れるだけでなく、表面強度が高く、紙粉の発生も全く乃至殆どなく、さらに印刷操業性にも優れ、特に高速オフセット輪転印刷に好適な優れた特性を具備したものであることがわかる。
Claims (5)
- 脱墨パルプを30〜100質量%含む原料パルプと填料とを少なくとも構成成分とする、紙面pH6.0〜10.0、坪量36〜50g/m2の印刷用紙であって、
前記填料が、(1)BET比表面積50m2/g以上、吸油量150ml/100g以上の毬栗状に凝集又は結晶化した炭酸カルシウムと、(2)反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸と、を含有し、
かつ、当該炭酸カルシウム及び水和ケイ酸を含有する印刷用紙の表裏面に、澱粉及びポリビニルアルコールの少なくともいずれか一方が塗布されている、
ことを特徴とする印刷用紙。 - 前記炭酸カルシウムの体積平均粒子径が1.8〜10.0μmであるのに対し、前記水和ケイ酸の体積平均粒子径が3〜9μmである、
請求項1記載の印刷用紙。 - 前記水和ケイ酸は、BET比表面積が150m 2 /g以上、吸油量が190〜230ml/100gである、
請求項1又は請求項2記載の印刷用紙。 - 前記反応後乾燥段階を経ない水和ケイ酸は、
X線マイクロアナライザーを用いたX線の加速電圧が8kVで拡散領域が1μmの条件での紙面の面分析で、水和ケイ酸の凝集体粒子と分析されるケイ素の検出域の大きさにおいて、当該ケイ素の検出域における粒子径が20μm以上の凝集体粒子の所定領域における面積割合が10%以下に成るように分散させた水和ケイ酸からなる、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の印刷用紙。 - 前記原料パルプに、パルプ調整段階で凝結剤が、それに続く抄紙工程前段で凝集剤が、それぞれ添加されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用紙。
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