JP5282506B2 - 耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法に関し、詳しくは、貨車重量が重くかつ急曲線が多い海外の鉱山鉄道のような、過酷な高軸荷重条件下で使用されるレールの長寿命化を達成する耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法に関する。
鉱石の運搬等を主体とする高軸重鉄道では、貨車の車軸にかかる荷重は客車に比べて遥かに高く、レールの使用環境も過酷なものとなっている。このような環境下で使用されるレールは従来、耐摩耗性重視の観点から主としてパーライト組織を有する鋼が使用されている。しかし近年においては鉄道による輸送の効率化のために貨車への積載重量のさらなる増加が進められており、一層の耐摩耗性と耐疲労損傷性の向上が求められている。なお、高軸重鉄道とは、列車や貨車の1台の貨車の積載重量の大きい(積載重量がたとえば150トン程度以上の)鉄道である。
近年、さらなる耐摩耗性向上を目指して様々な研究が行なわれている。たとえば特許文献1,特許文献2ではC量を0.85質量%超え1.20質量%以下に増加し、また、特許文献3,特許文献4ではC量を0.85質量%超え1.20質量%以下とするとともにレール頭部に熱処理を施す等、C量を増加して、セメンタイト分率を増加させることによって耐摩耗性の向上を図る等の工夫がなされている。
一方、高軸重鉄道の曲線区間のレールには、車輪による転がり応力と遠心力による滑り力が加わるためレールの摩耗がより厳しくなるとともに、滑りに起因した疲労損傷が発生する。上記のように単にC量を0.85質量%超え1.20質量%以下にすると、熱処理条件によっては初析セメンタイト組織が生成し、また脆いパーライト層状組織のセメンタイト層の量が増加するため、耐疲労損傷性の向上は見込めない。そのため、特許文献5ではAl,Siの添加により初析セメンタイト生成を抑制し、耐疲労損傷性を向上させる技術が提案されている。しかし、Alの添加は疲労損傷の起点となる酸化物が生成する等、パーライト組織を有する鋼レールにおいて耐摩耗性と耐疲労損傷性の両特性を満足させることは困難であった。
レールの使用寿命向上を目指して、特許文献6では、レールの頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲のビッカース硬さがHv370以上となるようにすることでレールの使用寿命向上を図っている。また特許文献7では、パーライトブロックを制御することにより、レールの頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲の硬さがHv300〜500の範囲となるようにすることでレールの使用寿命向上を図っている。
特開平8-109439号公報 特開平8-144016号公報 特開平8-246100号公報 特開平8-246101号公報 特開2002-69585号公報 特開平10-195601号公報 特開2003-293086号公報
しかしながらパーライト鋼レールの使用環境がさらに過酷化しており、パーライト鋼レールの使用寿命向上のためには、さらなる高硬度化かつ硬化深度範囲の拡大が課題となっていた。本発明は、この課題を解決するべくなされたもので、従来の亜共析,共析および過共析型パーライト鋼レールに比べて、Si,Mn,Cr添加量および析出Cr量の適正化を行なうとともに、焼入れ性指数(以下、DIという)と炭素当量(以下、Ceqという)の適正化を行なうことで、少なくともレール頭頂部表面を起点として深さ25mm範囲内の硬度を上昇させ、耐摩耗性と耐疲労損傷性の両特性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールをその好ましい製造方法とともに提供するものである。
発明者らは、上記の課題を解決するため、Si,Mn,Crの含有量を変化させたパーライト鋼レールを製作し、組織,硬さ,耐摩耗性,耐疲労損傷性を鋭意調査した。その結果、Mn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]から算出される[%Mn]/[%Cr]値を0.3以上1.0未満,析出Cr量を0.20質量%超え0.50質量%以下とすることで、パーライト層のラメラー(以下、単にラメラーともいう)間隔が微細化し、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満となり、耐摩耗性と耐疲労損傷性が向上することを見出した。さらに焼入れ性指数(すなわちDI値)を5.6〜8.6の範囲内,炭素当量(すなわちCeq値)を1.04〜1.27の範囲内とし、Mn含有量[%Mn],Cr含有量[%Cr],Si含有量[%Si]から算出される[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値を1.55〜2.50質量%の範囲内にすることで、耐摩耗性と耐疲労損傷性を向上する効果を安定して維持できることが分かった。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、C:0.73〜0.85質量%,Si:0.5〜0.75質量%,Mn:0.3〜1.0質量%,P:0.035質量%以下,S:0.0005〜0.012質量%,Cr:0.5質量%超え1.3質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、Mn含有量を[%Mn]としCr含有量を[%Cr]として[%Mn]/[%Cr]値が0.3以上1.0未満であり、レール頭部における析出Cr量が0.20質量%超え0.50質量%以下であり、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるビッカース硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv395以上Hv480未満である耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールである。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールにおいては、前記した組成のC含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],P含有量を[%P],S含有量を[%S],Cr含有量を[%Cr]として、下記の(1)式で算出されるDI値が5.6〜8.6の範囲内を満足し、かつ下記の(2)式で算出されるCeq値が1.04〜1.27の範囲内を満足することが好ましい。
DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
また、前記した組成のSi含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],Cr含有量を[%Cr]として、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値が1.55〜2.50質量%の範囲内を満足することが好ましい。さらに、前記した組成に加えて、V:0.001〜0.30質量%,Cu:1.0質量%以下,Ni:1.0質量%以下,Nb:0.001〜0.05質量%およびMo:0.5質量%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
また、本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールは、好ましくは、レール頭部の表層から少なくとも25mmの深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔が0.04〜0.15μmである。
また本発明は、上記した組成を有する鋼材を、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール頭部をパーライト変態開始温度以上の温度から2.5〜5℃/秒の冷却速度で400〜550℃まで加速冷却を行ない、その後、20℃以上復熱させる耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールの製造方法である。
本発明によれば、従来のパーライト鋼レールに比べて遥かに優れた耐摩耗性および耐疲労損傷性を有するパーライト鋼レールを安定して製造することが可能となり、高軸重鉄道のパーライト鋼レールの高寿命化や鉄道事故防止に寄与し、産業上有益な効果がもたらされる。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールの組成をはじめとする諸要件の限定理由を説明する。
C:0.73〜0.85質量%
Cはパーライト組織においてセメンタイトを形成し、耐摩耗性を確保するための必須元素であり、含有量の増加に伴い耐摩耗性が向上する。しかし、0.73質量%未満では従来の熱処理型パーライト鋼レールと比較して優れた耐摩耗性を得ることが難しい。また、0.85質量%を超えると熱間圧延後の変態時に初析セメンタイトがオーステナイト粒界に生成し、耐疲労損傷性が著しく低下する。したがって、C量は0.73〜0.85質量%とする。好ましくは0.75〜0.85質量%である。
Si:0.5〜0.75質量%
Siは脱酸素剤及びパーライト組織の強化元素として0.5質量%以上必要であるが、0.75質量%を超えるとSiの有する高い酸素との結合力のため、溶接性が劣化する。さらにSiの高い焼入れ性のため、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイト組織が生成し易くなる。したがってSi量は0.5〜0.75質量%とする。好ましくは0.5〜0.70質量%である。
Mn:0.3〜1.0質量%
Mnはパーライト変態温度を低下させてラメラー間隔を細かくすることにより、内部高硬度型レールの高強度化および高延性化に寄与するが、過剰な添加はパーライトの平衡変態温度を低下させ、その結果、過冷度が小さくなりラメラー間隔が粗大化する元素である。0.3質量%未満では十分な効果が得られず、1.0質量%を超えるとマルテンサイト組織を生じ易く、熱処理時及び溶接時に硬化や脆化を生じ材質が劣化し易い。またパーライト組織となっても平衡変態温度が低下するため、ラメラー間隔の粗大化を招く。したがって、Mn量は0.3〜1.0質量%とする。好ましくは0.3〜0.8質量%である。
P:0.035質量%以下
0.035%を超えるPの含有は延性を劣化する。したがって、P量は0.035質量%以下とする。好ましくは0.020質量%以下である。
S:0.0005〜0.012質量%
Sは主にA系介在物の形態で鋼材中に存在するが、0.012質量%を超えるとこの介在物量が著しく増加し、同時に粗大な介在物を生成するため、鋼材の清浄性が悪化する。また、0.0005質量%未満にすると、製鋼コストの増加を招く。したがって、S量は0.0005〜0.012質量%とする。好ましくは0.0005〜0.010質量%である。より好ましくは0.0005〜0.008質量%である。
Cr:0.5質量%超え1.3質量%以下
Crはパーライト平衡変態温度を上昇させ、ラメラー間隔の微細化に寄与すると同時に、固溶強化によりさらなる高強度化をもたらす元素である。しかし、0.5質量%以下では十分な内部硬度が得られず、一方、1.3質量%を超えて添加すると焼入れ性が高くなり、マルテンサイトが生成し易くなる。また、マルテンサイトが生成しない条件で製造した場合、旧オーステナイト粒界に初析セメンタイトが生成する。そのため、耐摩耗性および耐疲労損傷性が低下する。したがって、Cr量は0.5質量%超え1.3質量%以下とする。好ましくは0.6〜1.2質量%である。
レール頭部における析出Cr量:0.20質量%超え0.50質量%以下
Crは、パーライトラメラー内のセメンタイトやフェライトに固溶し強化するだけでなく、パーライトラメラー中のフェライト相やセメンタイト相に析出して強化することにより、レールの硬さを上昇させる効果がある。発明者らは、表1に示す組成を有する鋼材について、表2に示す条件で圧延,冷却を行なって、パーライト鋼レールを製造した。冷却はレール頭部のみに行ない、冷却停止後は放冷した。このパーライト鋼レールについて、ビッカース硬さと析出Cr量を調査した。その結果を表3に示す。表2中の圧延仕上温度は、最終圧延ミル入側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を圧延仕上温度として示している。冷却停止温度は、冷却停止出側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を冷却停止温度として示している。冷却速度は、冷却開始から冷却停止までの間の温度の時間変化を冷却速度とした。復熱温度は、冷却床入側でのレール頭部側面の表層の温度を放射温度計で測定し、その測定値と冷却停止温度との差とした。表3から明らかなように、レール頭部における析出Cr量が0.20質量%以下になると、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さがHv395〜480の範囲を満たさない。一方、0.50質量%を超えると、Crの添加量が増大するので、パーライト鋼レールの焼入れ性が上昇し、マルテンサイトが生成する。したがって、レール頭部における析出Cr量は0.20質量%超え0.50質量%以下とする。好ましくは0.20質量%超え0.45質量%以下である。
Figure 0005282506
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[%Mn]/[%Cr]:0.3以上1.0未満
MnおよびCrは内部高硬度型パーライト鋼レールの硬さを上昇させるために添加する元素である。ただし、Mn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]のバランスが適正でないと、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するようになる。なお[%Mn]と[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。[%Mn]/[%Cr]の値が0.3未満であると、Crの添加量が多くなり、Crの高い焼入性のため、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成しやすくなる。また、マルテンサイトが生成しない条件で製造した場合、旧オーステナイト粒界に初析セメンタイトが生成する。そのため、耐疲労損傷性が低下する。一方、[%Mn]/[%Cr]の値が1.0以上になると、Mnの添加量が多くなり、Mnの高い焼入性のため、同様に内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成し易くなる。また、Crの添加量も減少するので、セメンタイトのCrの析出強化が期待できない。Mn,Crの含有量をそれぞれ上記した範囲とした上で、[%Mn]/[%Cr]の値を0.3以上1.0未満とすることで、表層へのマルテンサイトの生成を防止しつつ、レール頭部の内部硬さ(内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さ)を後述する範囲に制御できるようになる。したがって、[%Mn]/[%Cr]の値は、0.3以上1.0未満とする。好ましくは0.3以上0.9以下である。
DI:5.6〜8.6
DI値は、C含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],P含有量を[%P],S含有量を[%S],Cr含有量を[%Cr]として下記の(1)式で算出される値である。なお[%C],[%Si],[%Mn],[%P],[%S],[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。
DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
このDI値は焼入れ性を表わすものであり、焼入れ性の良否を判定する指標として活用されるが、本発明では、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するのを抑制するとともにレール頭部の内部硬さの目標値を達成するための指標として使用し、好適な範囲に維持することが好ましい。DI値が5.6未満であると、所望の内部硬さは得られるが目標の硬さ範囲の下限に近くなるので、一層の耐摩耗性,耐疲労損傷性の向上が期待できない。また、DI値が8.6を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レールの焼入れ性が上昇し、レール頭部の表層にマルテンサイトが生成し易くなる。したがって、DI値は5.6〜8.6とすることが好ましい。より好ましくは5.6〜8.2である。
eq:1.04〜1.27
eq値は、C含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],Cr含有量を[%Cr]として下記の(2)式で算出される値である。なお[%C],[%Si],[%Mn],[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。
eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
このCeq値は合金成分の配合比率から、得られる最大硬度と溶接性を見積もるために活用されるが、本発明では、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するのを抑制するとともにレール頭部の内部硬さの目標値を達成するための指標として使用し、好適な範囲に維持することが好ましい。Ceq値が1.04未満であると、所望の内部硬さは得られるが目標の硬さ範囲の下限に近くなるので、一層の耐摩耗性,耐疲労損傷性の向上が期待できない。また、Ceq値が1.27を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レールの焼入れ性が上昇し、レール頭部の表層にマルテンサイトが生成し易くなる。したがって、Ceq値は1.04〜1.27とすることが好ましい。より好ましくは1.04〜1.20である。
レール頭部の内部硬さ(内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さ)がHv395以上Hv480未満
レール頭部の内部硬さがHv395未満になると鋼の耐摩耗性が低下し、内部高硬度型パーライト鋼レールの使用寿命が低下する。一方、Hv480以上になるとマルテンサイトが生成し、鋼の耐疲労損傷性が低下する。よって、レール頭部の内部硬さはHv395以上Hv480未満とする。好ましくはHv400以上Hv480未満である。また、レール頭部の内部硬さの定義域を内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲としたのは、この範囲に深さ25mm未満をも含めてしまうと、レール頭部の表層から内部に入るにつれて内部高硬度型パーライト鋼レールの耐摩耗性が低下し、使用寿命が低下するからである。
[%Si]+[%Mn]+[%Cr]:1.55〜2.50質量%
Si含有量[%Si]とMn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]の合計(=[%Si]+[%Mn]+[%Cr])の値が1.55質量%未満であると、レール頭部の内部硬さがHv395以上Hv480未満を満足し難い。また2.50質量%を超えると、Si,Mn,Crの高い焼入れ性のため、マルテンサイト組織が生成し、延性および靭性が低下しがちとなる。したがって、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値は1.55〜2.50質量%とすることが好ましい。より好ましくは1.55〜2.30質量%である。
上記の組成には、さらに、V:0.001〜0.30質量%,Cu:1.0質量%以下,Ni:1.0質量%以下,Nb:0.001〜0.05質量%およびMo:0.5質量%以下の中から選ばれる1種または2種以上が必要に応じて添加されてもよい。
V:0.001〜0.30質量%
Vは炭窒化物を形成し、基地中へ分散析出し、耐摩耗性を向上するが、0.001質量%未満ではその効果が少なく、一方、0.30質量%を超えると、加工性が劣化し、製造コストが増加する。また、合金コストが増加するため、内部高硬度型パーライト鋼レールのコストが増加する。したがってVを添加する場合は、V量は0.001〜0.30質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.001〜0.15質量%である。
Cu:1.0質量%以下
CuはCrと同様に固溶強化により更なる高強度化を図るための元素である。ただし、1.0質量%を超えるとCu割れが生じ易くなる。したがってCuを添加する場合は、Cu量は1.0質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5質量%である。
Ni:1.0質量%以下
Niは延性を劣化することなく高強度化を図るための元素である。また、Cuと複合添加することによりCu割れを抑制するため、Cuを添加した場合にはNiも添加することが望ましい。ただし、1.0質量%を超える添加により焼入れ性が上昇し、マルテンサイトが生成するようになり、耐摩耗性と耐疲労損傷性が低下しがちとなる。したがってNiを添加する場合は、Ni量は1.0質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5質量%である。
Nb:0.001〜0.05質量%
Nbは鋼中のCと結び付いて圧延中および圧延後に炭化物として析出し、パーライトコロニーサイズの微細化に有効に作用する。その結果、耐摩耗性,耐疲労損傷性,延性を大きく向上させ、内部高硬度型パーライト鋼レールの長寿命化に大きく寄与する。ただし、Nb量が0.001質量%未満では十分な効果が得られにくい。また0.05質量%超えて添加しても、耐摩耗性,耐疲労損傷性の向上効果が飽和し、添加量に見合う効果が得られない。したがって、Nbを添加する場合は、Nb量は0.001〜0.05質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03質量%である。
Mo:0.5質量%以下
Moは固溶強化によりさらなる高強度化を図るための元素である。ただし、0.5質量%を超えるとベイナイト組織が生じ易くなり、耐摩耗性が低下しがちとなる。したがって、Moを添加する場合は、Mo量は0.5質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.3質量%である。
レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔:0.04〜0.15μm
パーライト層のラメラー間隔については、微細なほど、内部高硬度型パーライト鋼レールの硬さが上昇し、耐摩耗性および耐疲労損傷性の向上の観点から有利となるが、0.15μm超では、これらの特性の向上が不十分となるので、0.15μm以下とすることが好ましい。また、ラメラー間隔を0.04μm未満にしようとすると、焼入性を向上させて、より微細化する手法を用いることとなり、この場合、表層にマルテンサイトが生成しやすくなり耐疲労損傷性に悪影響を及ぼす。よって、0.04μm以上とすることが好ましい。
なお、本発明に係る組成中の残部Feの一部に代えて本発明の作用効果に実質的に影響しない範囲内で他の微量成分元素を含有するものとしたパーライト鋼レールも、本発明に属する。ここで、不純物としては、P,N,O等が挙げられ、Pは上記の通り0.035質量%まで許容できる。また、Nは0.006質量%まで、Oは0.004質量%まで許容できる。さらに本発明では、不純物として混入するTiを0.0010質量%まで許容できる。特にTiは酸化物を形成し、レールの基本特性である耐疲労損傷性の低下を招くので、0.0010質量%以下に制御することが好ましい。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールは、本発明に係る組成を有する鋼材を、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール形状体の少なくとも頭部を、パーライト変態開始温度以上の温度から、2.5〜5℃/秒の冷却速度で400〜550℃まで加速冷却を行ない、その後、20℃以上復熱させることによって製造することが好ましい。圧延仕上温度:850〜950℃,加速冷却の冷却速度:2.5〜5℃/秒および冷却停止温度:400〜550℃,復熱温度:20℃以上とする理由を次に述べる。
圧延仕上温度:850〜950℃
圧延仕上温度が850℃より低い場合は、オーステナイト低温域まで圧延を行なうことになり、オーステナイト結晶粒に加工歪が導入されるだけでなく、オーステナイト結晶粒の伸長度合いも顕著となる。転位の導入かつオーステナイト粒界面積の増加により、パーライト核生成サイトが増加し、パーライトコロニーサイズは微細化するものの、パーライト核生成サイトの増加により、パーライト変態開始温度が上昇し、パーライト層のラメラー間隔が粗大化するため、耐摩耗性が著しく低下する。一方、圧延仕上温度が950℃を超える場合は、オーステナイト結晶粒が粗大になるため、最終的に得られるパーライトコロニーサイズが粗くなり、耐疲労損傷性が低下する。したがって、圧延仕上温度は850〜950℃とするのがよい。
パーライト変態開始温度以上の温度からの冷却速度:2.5〜5℃/秒
冷却速度が2.5℃/秒未満の場合、レール頭部の表層と内部の温度差が小さくなり、冷却停止後の復熱が小さくなるため、Crの析出量が低下し、レール頭部の内部硬さが低下する。一方、冷却速度が5℃/秒を超える場合は、マルテンサイト組織が生成し、内部高硬度型パーライト鋼レールの使用寿命が低下する。したがって、冷却速度は2.5〜5℃/秒の範囲とするのがよい。好ましくは2.5〜4.6℃/秒である。パーライト変態開始温度は冷却速度によっても変化するが、本発明では平衡変態温度のことを言うものとし、本発明の成分範囲では720℃以上からこの範囲の冷却速度を採用すればよい。
冷却停止温度:400〜550℃
冷却停止温度が400℃未満になると、低温域での冷却時間が増大するので、生産性が低下し、内部高硬度型パーライト鋼レールのコストアップにつながる。一方、550℃を超えると、レール頭部の内部の温度がパーライト変態の開始前あるいはパーライト変態の進行中に冷却停止になるので、フェライトやセメンタイトに固溶するCrが多くなり、目標とする析出量が得られない。したがって、冷却停止温度は400〜550℃とするのがよい。好ましくは450〜550℃である。
復熱温度:20℃以上
発明者らは、表4に示す組成を有する鋼材について、表5に示す条件で圧延,冷却を行なって、パーライト鋼レールを製造した。冷却はレール頭部のみに行ない、冷却停止後は放冷した。このパーライト鋼レールについて、復熱と析出Cr量を調査した。その結果を表6に示す。表5中の圧延仕上温度とは、最終圧延ミル入側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を圧延仕上温度として示している。冷却停止温度は、冷却停止出側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を冷却停止温度として示している。冷却速度は、冷却開始から冷却停止までの間の温度の時間変化を冷却速度とした。復熱温度は、冷却床入側でのレール頭部側面の表層の温度を放射温度計で測定し、その測定値と冷却停止温度との差とした。表6から明らかなように、復熱温度が20℃未満では、Crの析出量が少なくなり、レール頭部の内部まで高強度化が図れない。また、復熱温度を20℃未満にするためには、高温で冷却を停止する必要があり、冷却床での待機時間が増加して、内部高硬度型パーライト鋼レールの生産性が低下した。したがって、復熱温度は20℃以上とする。一方、復熱温度を100℃超えとしても、その効果が飽和し、析出Cr量のさらなる増加は認められなかった。よって、復熱温度は20〜100℃が好ましい。
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次に、耐摩耗性,耐疲労損傷性,レール頭部の内部硬さ,ラメラー間隔の測定ないし評価方法、および析出物の分析手法について説明する。
(耐摩耗性)
耐摩耗性に関しては、内部高硬度型パーライト鋼レールを実際に敷設して評価するのが最も望ましいが、それでは試験に長時間を要する。そこで、本発明では、短時間で耐摩耗性を評価することができる西原式摩耗試験機を用いて実際の内部高硬度型パーライト鋼レールと車輪の接触条件をシミュレートした比較試験により評価する。外径30mmの西原式摩耗試験片1をレール頭部から採取し、図1に示すようにタイヤ試験片2と接触させて回転させて試験を行なう。図1中の矢印は、それぞれ西原式摩耗試験片1とタイヤ試験片2の回転方向を示す。タイヤ試験片は、JIS規格E1101に記載の普通レールの頭部から直径32mmの丸棒を採取し、ビッカース硬さ(荷重98N)がHv390であり、組織が焼戻しマルテンサイト組織となるように熱処理を行ない、その後、図1に示す形状に加工を施し、タイヤ試験片とした。なお、西原式摩耗試験片1は図2に示すようにレール頭部3の2ケ所から採取する。レール頭部3の表層から採取するものを西原式摩耗試験片1aとし、内部から採取するものを西原式摩耗試験片1bとする。レール頭部3の内部から採取する西原式摩耗試験片1bの長手方向の中心は、レール頭部3の上面から24〜26mm(平均値25mm)の深さに位置する。試験環境条件は乾燥状態とし、接触圧力:1.4Gpa,滑り率:−10%,回転速度:675回/分(タイヤ試験片は750回/分)の条件で10万回転後の摩耗量を測定する。摩耗量の大小を比較する際に基準となる鋼材として熱処理型パーライト鋼レールを採用し、この基準鋼材よりも10%以上摩耗量が少ない場合に耐摩耗性が向上したと判定する。耐摩耗性向上代は、{(基準材の摩耗量−試験材の摩耗量)/(基準材の摩耗量)}×100で算出した。
(耐疲労損傷性)
耐疲労損傷性に関しては、接触面を曲率半径15mmの曲面として直径30mmの西原式摩耗試験片1をレール頭部から採取し、図3に示すようにタイヤ試験片2と接触させて回転させて試験を行なう。図3中の矢印は、それぞれ西原式摩耗試験片1とタイヤ試験片2の回転方向を示す。なお、西原式摩耗試験片1は図2に示すようにレール頭部3の2ケ所から採取する。西原式摩耗試験片1を採取する位置およびタイヤ試験片を採取する位置は上記と同じであるから説明を省略する。試験環境は油潤滑条件とし、接触圧力:2.2Gpa,滑り率:−20%,回転速度:600回/分(タイヤ試験片は750回/分)で、2万5千回毎に試験片表面を観察し、0.5mm以上の亀裂が発生した時点での回転数をもって、疲労損傷寿命とする。疲労損傷寿命の大小を比較する際に基準となる鋼材とした熱処理型パーライト鋼レールを採用し、この基準鋼材よりも10%以上疲労損傷時間が長い場合に耐疲労損傷性が向上したと判定する。耐疲労損傷性向上代は、{(試験材の疲労損傷発生までの回転数−基準材の疲労損傷発生までの回転数)/(基準材の疲労損傷発生までの回転数)}×100で算出した。
(レール頭部の内部硬さ)
レール頭部の表層から深さ25mmまでの範囲をHv98N,1mmピッチで測定する。そして、すべての硬さのうち、最小の値をレール頭部の内部硬さとした。
(ラメラー間隔)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてレール頭部の表層近傍(深さ1mm程度)と深さ25mmの位置それぞれについて、視野内のラメラー間隔の一番細かい部分を倍率:20000倍で5視野観察し、視野内のラメラー間隔の測定を行なう。ラメラー間隔は、5視野のラメラー間隔測定値の平均値で評価する。
(析出Cr量の分析)
図4に示すようにレール頭部から採取した試験片(10mm×10mm×100mm)を用いてCr析出量を測定した。金属元素の析出量は、10質量%アセチルアセトン−メタノール電解抽出を行ない、試験片から残渣を抽出し、その残渣を用いてICP発光分析法で定量した値を抽出金属量とした。
表7に示す組成を有する鋼材について、表8に示す条件で圧延,冷却を行なって、パーライト鋼レールを製造した。冷却はレール頭部のみに行ない、冷却停止後は放冷した。このパーライト鋼レールについて、ビッカース硬さ,ラメラー間隔,耐摩耗性および耐疲労損傷性を評価した。その結果を表9に示す。表8中の圧延仕上温度とは、最終圧延ミル入側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を圧延仕上温度として示している。冷却停止温度は、冷却停止出側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を冷却停止温度として示している。冷却速度は、冷却開始から冷却停止までの間の温度の時間変化を冷却速度とした。
Figure 0005282506
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これらの結果から、3−B〜3−Jおよび3−U〜3−Wのように、Si,Mn,Crの添加量の適正化するとともに、[%Mn]/[%Cr]値を0.3以上1.0未満にし、かつ析出Cr量を0.2質量%超え0.50質量%以下,[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値を1.55〜2.50質量%に制御した上で、さらにV,Cu,Ni,Moの中から選ばれる1種または2種以上の成分を適正範囲で添加することにより、耐摩耗性および耐疲労損傷性が向上していることが分かる。
また発明例の中で3−B〜3−E,3−G,3−J,3−V,3−Wのように、DI値を5.6〜8.6の範囲内、Ceq値を1.04〜1.27の範囲内に制御することにより、3−F,3−H,3−Iに比べて耐摩耗性および耐疲労損傷性が向上していることが分かる。
比較例の3−Rのように、Tiを添加した場合は、耐疲労損傷性が低下することが分かる。
また比較例の3−S,3−Tは冷却速度が遅い例である。3−Sでは冷却速度が遅いために、Crの析出量が減少し、レール頭部の内部まで高硬度化を達成できない。3−tでは冷却速度が遅いために、レール頭部の表層の一部にマルテンサイトが生成し、パーライト鋼レールの使用寿命が低下した。
耐摩耗性を評価する西原式摩耗試験片を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 西原式摩耗試験片の採取位置を示すレール頭部の断面図である。 耐疲労損傷性を評価する西原式摩耗試験片を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 析出Cr分析試験片の採取位置を示すレール頭部の断面図である。
符号の説明
1 パーライト鋼レールから採取した西原式摩耗試験片
1a レール頭部の表層部から採取した西原式摩耗試験片
1b レール頭部の内部から採取した西原式摩耗試験片
2 タイヤ試験片
3 レール頭部
4 析出Cr分析試験片

Claims (6)

  1. C:0.73〜0.85質量%、Si:0.5〜0.75質量%、Mn:0.3〜1.0質量%、P:0.035質量%以下、S:0.0005〜0.012質量%、Cr:0.5質量%超え1.3質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、Mn含有量を[%Mn]としCr含有量を[%Cr]として[%Mn]/[%Cr]値が0.3以上1.0未満であり、レール頭部における析出Cr量が0.20質量%超え0.50質量%以下であり、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるビッカース硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv395以上Hv480未満であることを特徴とする耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レール。
  2. 前記組成のC含有量を[%C]、Si含有量を[%Si]、Mn含有量を[%Mn]、P含有量を[%P]、S含有量を[%S]、Cr含有量を[%Cr]として、下記の(1)式で算出されるDI値が5.6〜8.6であり、かつ下記の(2)式で算出されるCeq値が1.04〜1.27であることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レール。
    DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
    ×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
    eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
  3. 前記組成のSi含有量を[%Si]、Mn含有量を[%Mn]、Cr含有量を[%Cr]として、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値が1.55〜2.50質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レール。
  4. 前記組成に加えて、V:0.001〜0.30質量%、Cu:1.0質量%以下、Ni:1.0質量%以下、Nb:0.001〜0.05質量%およびMo:0.5質量%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レール。
  5. 前記レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔が0.04〜0.15μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レール。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載される組成を有する鋼材を、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール頭表部をパーライト変態開始温度以上の温度から2.5〜5℃/秒の冷却速度で400〜550℃まで加速冷却を行ない、その後、20℃以上復熱させることを特徴とする耐摩耗性と耐疲労損傷性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールの製造方法。
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