JP5281004B2 - エミッタの設計方法、電子ビーム発生装置およびそれを用いたデバイス - Google Patents

エミッタの設計方法、電子ビーム発生装置およびそれを用いたデバイス Download PDF

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Description

本発明は、エミッタの設計方法、電子ビーム発生装置およびそれを用いたデバイス関するものである。
電子ビームを用いた機器における電子銃は、2つのタイプの陰極(エミッタ)、すなわち、熱電子放出型のエミッタと、電界放出型のエミッタとを使用している。熱電子放出型のエミッタは、タングステンのフィラメント、6ほう化ランタン(LaB)あるいは6ほう化セリウム(CeB)からなる単結晶あるいは焼結体から構成される、尖形のエミッタを用いている。このエミッタは、加熱されると熱励起電子を出射し、これにより、電子ビームを発生する。電界放出型のエミッタは、電子ビームの出射側において、電極における円錐形端部を細く尖らせている。そして、この円錐形端部に強電界を印加することによって生じるトンネル効果やショットキー効果を利用して電子を放出し、これにより、電子ビームを発生する。
なお、微小領域において分析または解析を実効する場合には、電子ビームの径を細くするために、高輝度の電子ビームが必要となる(ここで、「輝度」とは、電子ビームにおける単位立体角あたりの電流密度として定義されるものである)。このため、近年では、走査電子顕微鏡(走査電子顕微鏡:以下では、適宜、「SEM」と略記する)や電子線マイクロアナライザー(以下では、適宜、「EPMA」と略記する)、およびその他の電子ビームを用いる機器(透過電子顕微鏡、電子ビームリソグラフィー、検査機器など)によって微小領域の分析あるいは観察を行うときには、従来に採用されていた熱電子放出型のエミッタに代えて電界放出型のエミッタを採用し、これによって空間分解能を向上させている。
電界放出型のエミッタには、2つのタイプのエミッタ、すなわち、冷陰極電界放出型のエミッタ(cold field emitter)と、熱陰極電界放出型のエミッタ(thermal field emitter)とがある。冷陰極電界放出型のエミッタの場合、エミッタの円錐形端部は、通常、単結晶の細いタングステンワイヤで形成されている。そして、この端部に室温で強電界を印加することによって、単結晶内の電子がトンネル効果を利用して放出され、電子ビームが発生する。熱陰極電界放出型のエミッタの場合には、酸化ジルコニウム(ZrO)をコーティングした単結晶の細いタングステンワイヤからなるエミッタの円錐形端部を、強電界を印加した状態で加熱することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これによって電子ビームが発生する。熱電子放出型のエミッタは、上記したようにショットキー効果を利用していることから、ショットキー型エミッタとも呼ばれている。
ショットキー型エミッタでは、エミッタにおける円錐形端部をコーティングしている酸化ジルコニウムには、この円錐形端部に形成された結晶面((100)結晶面)の仕事関数を下げる効果がある。このため、円錐形端部から、均一かつ強い電子ビームが出射され、引き出される。なお、ショットキー型エミッタの技術は、米国特許第145042号明細書、および米国特許第145043号明細書に開示されている。
米国特許第145042号明細書 米国特許第145043号明細書
しかしながら、電界放出型のエミッタの場合には、上記したように熱電子放出型のエミッタに比べて、電流角密度が高くなる。電界放出型のエミッタでは、図9(a)に示した熱電子放出型のエミッタと比較すると、電子銃構造から電子ビームを出射する電子源径が、図9(b)に示すように、非常に小さい(図9(b)は、ショットキー型エミッタを示している)。熱電子放出型のエミッタの場合には電子源径が数十μmである一方、ショットキー型エミッタに代表される電界放出型のエミッタでは、電子源径が数十nmである。熱電子放出型のエミッタにおける電子源面積をdSTEとし、電界放出型のエミッタにおける電子源面積をdSFEとすると、これらの領域における互いの面積格差は、6桁までにもなる。
一方、電子ビームの立体角をdΩとし、および、ビーム電流値(電流値をIとする)、電子ビームの立体角dΩは、要求されるビーム電流値Iによって変わる。電子ビームの軸上輝度をBとすると、ビーム電流値Iは、電子源面積dSと立体角dΩとによって、以下の(1)式のように与えられる。
=B×(dS×dΩ) … (1)
より大きなビーム電流が必要な場合、上記(1)式からわかるように、輝度および電子源面積を一定とすると、実効的な立体角dΩが増していくことになる。
ショットキー型エミッタは、熱電子放出型に比べて格段に高い(3桁ほど高い)輝度を有している。しかしながら、電子源面積dSFEがdSTEよりも6桁まで小さくなるので、同一のビーム電流を確保しようとしたときの電子ビームの立体角dΩは、熱電子放出型のエミッタよりも、ショットキー型エミッタの方が大きくなる。すなわち、熱電子放出型のエミッタにおける電子ビームの立体角をdΩTEとし、ショットキー型エミッタに代表される電界放出型のエミッタにおける電子ビームの立体角をdΩFEとすると、以下の(2)式で示されるような関係が確立される。
dΩFE>dΩTE … (2)
すなわち、ショットキー型エミッタは熱電子放出型のエミッタよりも高い軸上輝度を有しているが、単位立体角あたりの電流である電流角密度は、ショットキー型エミッタの方が熱電子放出型のエミッタよりも小さくなる。
立体角が大きくなると、電子ビームが拡がるので、コリメーションを実施する必要がある。その結果、電界放出型のエミッタでは、出射側の下流にある加速および集束レンズ部の収差が大きな影響を及ぼし、このために、元来は高輝度であったエミッタの特性が収差の影響によって劣化し、ビーム電流の増加に伴って「見かけの輝度」が低下する。図10は、電界放出型のエミッタの例としてショットキー型エミッタを採用し、熱電子放出型のエミッタの例としてタングステンフィラメントのエミッタを採用した場合における、ビーム電流値と輝度との関係を示すグラフである。横軸にビーム電流値をとるとともに、輝度をプロットするために縦軸を使用している。点線は、タングステンフィラメントのエミッタに関する曲線である。また、実線は、ショットキー型エミッタに関する曲線である。なお、ショットキー型エミッタでは、電流密度jを1.0×10A/cm、エミッタ温度Tを1800K、および、電流角密度JΩSE=0.429mA/strとした条件の下で、この曲線を得た。一方、熱電子放出型のエミッタでは、電流密度jを3A/cm、エミッタ温度を2800K、および、電流角密度JΩW=140mA/strとした条件の下で、この曲線を得た。「Wフィラメント」という用語は、熱電子モードで用いられるのタングステンフィラメントを示している。また、「SE」という用語は、ショットキー型エミッタを示している。
タングステンフィラメントに代表される熱電子放出型のエミッタの場合には、電流角密度が高いために、輝度の低下は実際の局面では問題にならず、ビーム電流値が10μA〜20μAの範囲の近傍になると、輝度が下がる。一方、ショットキー型エミッタに代表される電界放出型のエミッタの場合には、電流角密度がより低く、電子源径がより小さいので、ビーム電流が1nAの近傍になると輝度が下がり始め、ビーム電流が1μAとなると輝度が6桁も下がる。
走査電子顕微鏡(SEM)の場合に用いられるビーム電流はnAレベル以下なので、SEMに用いる場合には、ショットキー型エミッタでは輝度低下が見られない。したがって、ショットキー型エミッタは、SEMに用いることができる。しかしながら、電子線マイクロアナライザー(EPMA)などのように、サブμAあるいはμAのレベルのビーム電流が必要なデバイスの場合には、ショットキー型エミッタではサブμAあるいはμAレベルで輝度低下が見られるために、ショットキー型エミッタをEPMAなどの機器に用いても、低輝度の電子ビームしか使用することができない。したがって、EPMAのような機器に電界放出型のエミッタを採用することは、実際上不可能である。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、ショットキー型エミッタにおける電流角密度を自由に設定することの可能な、エミッタの設計方法、電子ビーム発生装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、以下のような知見を得ている。
図11(a)に示すように、ショットキー型エミッタ201の構成では、電子ビームの出射側Bにおけるエミッタ201の円錐形の端部201aが、上記したように、コーン状に尖っている。なお、図11(b)は、その円錐形端部201aを拡大して示す概略図である。円錐形端部201aの曲率半径をRとすると、Rは、R<0.5μm〜0.6μmの範囲にある。
なお、電子銃(エミッタ)から出射される電子ビームの軌道を「陰極軌道」と呼ぶことにすると、これらの陰極軌道における第一次的な特性は、電子銃の焦点距離によって特徴付けられる(S.Fujita and H.Shimoyama, J. Electron Microscopy, 54(4), 331−343 (2005))。図12は、電子銃のエミッタ(陰極)を概略的に示した図である。図12に示すように、位置ξにある陰極表面に対して垂直に(この表面に対してある一定の角度で)出射される電子軌道と、参照面(ドリフト領域)上の光軸との間の角度をβとすると、焦点距離fは、以下の微分式(3)によって定義される。
1/f=−(∂sinβ/δξ)|u=0 ξ→0 … (3)
式(3)より、電子銃における焦点距離の逆数が、出現光線の角度の正弦と、陰極表面に対して垂直に出射された電子に関するスタート位置における軸外距離との、限界比となっていることがわかる。クロスオーバー径、光軸に沿って形成される電子ビームの最小ビーム径(電子源径)、および、電流角密度は、式(3)によって定義づけられた焦点距離fから得られる。
電子源径をdcoとし、ボルツマン定数をkとし、絶対温度をTとし、電気素量をeとし、引き出し電極での電位(引き出し電位)をVextとし、陰極での電流密度(陰極電流密度)をjとすると、電子源径dcoと電流角密度JΩとは、それぞれ、以下の式(4)、および式(5)によって与えられる。
co=2×f×{(k×T)/(e×Vext)}1/2 … (4)
Ω=f×j … (5)
焦点距離fをより長くすると、式(4)からわかるように、電子源径dcoが大きくなり、式(5)からわかるように、電流角密度JΩも高くなる。したがって、ショットキー型エミッタにおける電流角密度JΩを、適度な自由度のもとで設定するためには、焦点距離fを調整することだけが必要となる。
なお、電子銃の焦点距離を変化させることによる電流角密度JΩの増加(あるいは減少)は、電子源径dcoの増加(あるいは減少)を必ず伴う。このため、輝度B自体は、以下に示すように、焦点距離に依存するものではない。
B=JΩ/π(dco/2)=(1/π)(ej/kT)Vext … (6)
したがって、電子の光学的に重要なパラメータ、すなわち、輝度Bと電流角密度JΩとの双方を制御するためには、電子銃の焦点距離fと陰極電流密度jとを同時に制御する必要がある。
電子銃の焦点距離から始めよう。そこで、焦点距離fを定義している式(3)に着目してみる。本発明では、ショットキー型エミッタの形状を変化させることによって、電子銃の焦点距離を調整することが可能であることを見いだした。エミッタの先端半径Rを拡大あるいは縮小することによって、軸外距離ξを増加あるいは減少することが可能となる。ここで、軸外距離ξは、出現光線の固定された角度βに対応するものである。式(3)によって定義される焦点距離fは、図12におけるv(=sinβ)を、以下の式(6)を用いてフィッティングすることによって得られる。
v=(−1/f)×ξ+ε×ξ … (7)
図13は、異なる曲率半径Rを有する2つのショットキー型エミッタを用いた場合における、ξとvとの関連を示すグラフである。横軸にξをとるとともに、縦軸についてはvをプロットするために使用している。具体的にいえば、ここでは、0.6μmという従来サイズの曲率半径Rを有するように形成したショットキー型エミッタと、従来のサイズの陰極よりも大きい2.0μmという曲率半径を有するように形成したショットキー型エミッタとを用いている。図13に示すように、従来の標準的なショットキー型エミッタ(R=0.6μm)に関する曲線は、「標準SE」と記されている。一方、従来のサイズよりも大きい曲率半径Rを有するショットキー型エミッタ(R=2.0μm)に関する曲線は、「巨大SE」と記されている。
図13では、ξ=0の近傍における両方の曲線の傾きが、(−1/f)の値となっている。傾きについての比較をすると、より小さい傾きを有する巨大SEは、より大きい傾きをもつ標準SEよりも、長い焦点距離fを有している。
以上のように、エミッタにおける円錐形端部の曲率半径を調整することによって、焦点距離を制御することができるとともに、その結果として、電流角密度を自由に設定することが可能となる、という知見を得るに至った。より詳細には、エミッタにおける円錐形端部の曲率半径を、従来のショットキー型エミッタに用いられているものよりも大きくするように調整することで、焦点距離が長くなり、その結果として電流角密度を増加することが可能となる、という知見を得るに至った。
次に、陰極電流密度についての調査に移る。ショットキー型エミッタおよび冷陰極電界放出型のエミッタを用いる場合、電流密度jは、陰極における電界強度の関数となる。点陰極チップの場合、電界は、その曲率半径が小さいほど強くなる。このため、この半径の変化は、電界強度に影響する。他の電極構成および印加する電圧を変えない場合には、エミッタを大きくすると、電界は小さくなる。印加する電圧については、放電のリスクを伴うことなく無制限に増大することは不可能である。このため、エミッタの半径をより大きくした場合に十分に高い電界を正常な状態とするためには、電極構成に何らかの補償が必要となる。それを実現する一つの効果的な方法は、エミッタ、サプレッサおよび引き出しからなるショットキー型エミッタモジュール構成において、サプレッサからのエミッタの突き出し長を長くすることである。エミッタの先端半径に応じて適切な突き出し長を設定することによって、適切な電界を印加する条件の下で、十分に高い先端電界を確保することが可能となる。
したがって、本発明者によって得られた知見に基づいてここに報告する本発明は、以下のような構成を有している。
すなわち、前者の本発明にかかるエミッタの設計方法は、電子エミッタに電界を印加することによってショットキー効果によって電子エミッタから電子ビームを発生するエミッタの設計方法であり、上記の電子エミッタが円錐形状の尖った先端部を有しており、さらに、上記先端部の曲率半径を調整するステップを含んでおり、これによって上記先端部から出射される電子ビームの焦点距離を制御し、これによって上記ビームの電流角密度を制御する、エミッタの設計方法である。
本発明にかかるエミッタの設計方法では、曲率半径が1μm以上の範囲から選択される。曲率半径を1μm以上の範囲から選択することによって、曲率半径が0.5μm以上から0.6μm以下までの範囲にある従来の場合よりも、焦点距離が長くなるように制御され、さらにその上、従来の場合よりも、電流角密度を高い値に制御することが可能となる。
前者の本発明にかかる上記のエミッタの設計方法は、
陰極電流密度をj とし、電子銃焦点距離をfとし、電流角密度をJ Ω としたときに、
Ω =f ×j … (5)
なる式(5)に基づいて、前記電子銃焦点距離fおよび前記陰極電流密度j を調整することにより、前記電流角密度J Ω を調整するために、
円錐形端部における曲率半径を調整することによって前記電子銃焦点距離fを調整する、曲率半径調整ステップと、
電界をつくる2つの電極のうち、出射方向とは逆側に配置され負の電圧が印加されるサプレッサ電極からの円錐形端部の長さである突き出し長を調整することによって前記陰極電流密度j を調整する、突き出し長調整ステップと、
この突き出し長と上記の曲率半径との組み合わせの範囲を、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて設定する組み合わせ範囲設定ステップと、を含み
突き出し長調整ステップでは、曲率半径調整ステップにおいて調整された曲率半径に応じた組み合わせ範囲から、突き出し長を選択するようになっている。
突き出し長を選択する上記のエミッタの設計方法によれば、突き出し長を調整することによって、陰極電流密度j を調整し円錐形端部の電界強度を制御することが可能となる。具体的には、J Ω =f ×j … (5)なる式(5)に基づいて、電子銃焦点距離fおよび陰極電流密度j を調整することにより、電流角密度J Ω を調整するために、円錐形端部における曲率半径を調整することによって電子銃焦点距離fを調整する。したがって、ショットキー型エミッタにおいて、必要な電界強度を確保することができるように、突き出し長を調整する。この突き出し長における電界の特性は、また、エミッタの曲率半径に応じて変化する。したがって、組み合わせ範囲設定ステップにおいて、突き出し長と曲率半径との組み合わせの範囲を、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて設定する。突き出し長を、曲率半径ステップにおいて調整された曲率半径に応じて、組み合わせの範囲から選択する。この選択によって、突き出し長を、曲率半径に応じて調整することが可能となる。
突き出し長を選択する上記のエミッタの設計方法における好適な実施例では、曲率半径調整ステップにおいて、曲率半径を1μm以上から4μm以下までの範囲から選択する。そして、突き出し長を、曲率半径調整ステップ(図4参照)において調整された曲率半径に応じた組み合わせ範囲から、200μm以上から1500μm以下までであって、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて円錐形端部の先端部の曲率半径との組み合わせによって定められた範囲で選択するようになっている。これにより、先端部での適切な電界を形成する高い陰極電流密度jを確保することによって、ショットキー型エミッタにおける高ビーム輝度を維持しながら、電流角密度を従来の値よりも増加する制御を実現することが可能となる。
後者の本発明にかかるエミッタの設計方法は、エミッタ加工ステップを含んでいることが好ましい。このエミッタ加工ステップでは、上記した円錐形端部の突き出し長を調整し、さらに、電界を印加する2つの電極のうちの負の電圧が印加される出射側とは逆側に配置されたサプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に、(100)結晶面が現れることを回避するような加工をエミッタに施すようになっている。
サプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に(100)結晶面が現れないような加工を実施する上記のエミッタの設計方法によれば、不必要な(100)面が、サプレッサ電極の出射側と反対側にある後方部分に隠れる。これにより、不必要な引き出し電流を抑制することが可能となる
前者の本発明にかかる電子ビーム発生装置は、
請求項1記載の設計方法で設計されたエミッタと、前記エミッタの円錐形端部に電界を印加する2つの前記電極とを備え、上記の円錐形端部に電界を印加することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これにより電子ビームを発生する電子ビーム発生装置ある。
本発明にかかる電子ビーム発生装置によれば、円錐形端部の曲率半径が1μm以上であるため、曲率半径が0.5μmから0.6μm以下までの範囲にある従来の場合に比して、焦点距離を長くすることが可能となる。さらに、得られる電流角密度を、従来の構成の下で得られる値よりも高くすることができる。これに加えて、上記のような先端半径に応じた適切な突き出し長を選択することによって、エミッタ先端部の電界が十分に高く維持されているので、陰極電流密度およびビーム輝度を維持することが可能となる。
前者の本発明にかかる上記の電子ビーム発生装置を備えた電子ビームデバイスは、電子ビームの出射側にコーン状に尖った円錐形状端部を有するエミッタと、このエミッタの円錐形端部に電界を印加する2つの電極とを備えており、この円錐形端部に電界を印加することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これにより電子ビームを発生する電子ビーム発生装置を用いたデバイスにおいて、
この電子ビーム発生装置が、上記した円錐形端部の曲率半径が1μm以上であるという改良点を有しており、
さらに、電子ビーム発生装置によって発生した電子ビームに基づいて所定の処理を実施する処理手段を有している、デバイスである。
本発明にかかる電子ビーム発生装置を用いた上記のデバイスによれば、円錐形端部の曲率半径が1μm以上であるため、曲率半径が0.5μmから0.6μm以下までの範囲にある従来の場合よりも、焦点距離を長くすることが可能となるとともに、電流角密度を従来よりも高くすることができる。これに加えて、電流角密度が従来よりも高いために、ビーム電流とともに輝度が低下しにくい。このため、上記の処理手段が、高輝度の電子ビームを用いて所定の処理を実施することが可能となる。これにより、この処理手段を、さまざまなデバイスに応用することが可能となる。
本発明にかかる電子ビーム発生装置を用いたデバイスの一実施例は、試料に対する分析あるいは観察を実施する電子線マイクロアナライザーであって、上記の処理手段が、試料に対して電子ビームを照射することで試料から発生するX線に基づいてX線像を得ることによって、あるいは、試料に対して電子ビームを照射することで試料から発生する2次的な電子あるいは反射電子に基づいて電子ビーム像を得ることによって、試料に対する分析あるいは観察を実施する、電子線マイクロアナライザーである。
電子線マイクロアナライザーは、試料の微小領域に対する分析あるいは観察のために最適なものである。
本発明にかかる電子ビーム発生装置を用いたデバイスの他の実施例は、X線チューブであって、上記の処理手段が、電子ビームを衝突させることによってX線を発生するターゲットである、X線チューブである。
上記したX線チューブは、高輝度の電子ビームを出射するエミッタを備えているので、ターゲットに照射される際における電子ビームの角度を小さく抑えることができる。これにより、ターゲット上におけるX線の発生領域を小さくすることが可能となる。したがって、X線像の空間分解能を向上させることができる。
本発明にかかる電子ビーム発生装置を用いたデバイスにおけるさらに他の実施例は、電子ビームリソグラフィーシステムであって、上記の処理手段が、電子ビームを利用してリソグラフィーを実施するものである。
上記の電子ビームリソグラフィーシステムは、高輝度の電子ビームを出射するエミッタを備えているので、リソグラフィーを行うパターン上の1点に集光する電子ビームの角度を小さく抑えることができる。これにより、リソグラフィーのターゲット上に形成されるリングラフィーのパターンにおける空間分解能を向上させることが可能となる。
前者の本発明にかかる(請求項3記載の)電子ビーム発生装置を電子ビームを発生する電子ビーム発生装置として用いたデバイスの実施例は、以下の通りである。すなわち、電子ビーム発生手段によって発生した電子ビームに基づいて所定の処理を実施する処理手段を有している
後者の電子ビーム発生装置、あるいは電子ビーム発生装置を用いたデバイスでは、エミッタは、サプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に、(100)結晶面が現れない形状を有している。上記のサプレッサ電極は、電界を印加する2つの電極のうち出射側とは逆側にあり、負の電圧が印加されている電極である。
この場合には、不必要な(100)面が、サプレッサ電極の出射側と反対側にある後方部分に隠れる。これにより、不必要な引き出し電流を抑制することが可能となる。
本発明にかかるエミッタは、電子ビームの照射側におけるエミッタの円錐形端部が、コーン状に尖っており、電界を印加されることによってショットキー効果を利用して電子を出射することで、電子ビームを発生するエミッタにおいて、
上記の円錐形端部における曲率半径が1μm以上である、という改良点を有している、エミッタである。
本発明にかかるエミッタによれば、上記した円錐形端部の曲率半径が1μm以上なので、曲率半径が0.5μmから0.6μm以下までの範囲にある従来技術よりも、焦点距離を長くすることができる。さらに、電流角密度を、従来よりも高くすることが可能となる。
ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づく、提示された曲率半径と突き出し長との組み合わせの範囲(十分に高い先端電界を確保する範囲(図4参照))にしたがって、1μm以上から4μm以下までの範囲にある曲率半径を有するエミッタの突き出し長を、200μm以上から1500μm以下までの範囲で調整する場合には、ビーム輝度を高く維持することが可能となる。
本発明にかかるエミッタは、好ましくは、エミッタの出射側に(100)結晶面が現れないような形状を有している。
この場合、不必要な(100)結晶面が、サプレッサ電極の出射側と反対側にある後方部分に隠れる。このため、不必要な引き出し電流を抑制することが可能となる。
本発明を説明するために、現時点で好ましい複数の形態を図に示している。しかしながら、図示されたとおりの構成および使用に本発明が限定されるわけではなことを理解されたい。
(a)は、本発明の一実施例にかかるショットキー型エミッタを示す概略図、(b)は、上記のエミッタにおける円錐形端部を拡大した概略図、(c)は、従来のエミッタの円錐形端部と比較するための拡大図である。 上記のショットキー型エミッタを備えた電子ビーム発生装置の概略図である。 上記の電子ビーム発生装置を備えた電子線マイクロアナライザー(EPMA)における、概略的なブロック図である。 突き出し長と曲率半径との組み合わせの範囲を概略的に示すグラフである。 (a)は、サプレッサ電極と、DCエッチング法あるいは類似の形状を形成するための類似の手段によって加工されたショットキー型エミッタとの構成を示す概略図、(b)は、サプレッサ電極と、ACエッチング法あるいは類似の形状を形成するための類似の手段によって加工されたショットキー型エミッタとの構成を示す概略図である。 本発明の実施例、従来技術の標準的なショットキー型エミッタ、および、タングステンフィラメントのエミッタにおける、ビーム電流値と輝度低下との関係を示すグラフである。 ショットキー型エミッタを備えたマイクロフォーカスX線チューブにおける、概略的なブロック図である。 ショットキー型エミッタを備えた電子ビーム露光システムにおける、概略的なブロック図である。 (a)は、熱電子放出型のエミッタにおける電子銃から電子ビームが出射される場合における、電子源特性を概略的に示す図、(b)は、電界放出型のエミッタにおける電子銃から電子ビームが出射される場合における、電子源特性を概略的に示す図である。 従来のショットキー型エミッタおよびタングステンフィラメントのエミッタにおける、ビーム電流値と輝度との関係を示すグラフである。 (a)は、従来のショットキー型エミッタを示す概略図、(b)は、上記のエミッタにおける円錐形端部を拡大して示す概略図である。 電子銃のエミッタ、および、電子銃の焦点距離の定義を概略的に示す図である。 本発明を想定するための知見を説明するグラフである。
以下に、本発明の好適な実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施例にかかるショットキー型エミッタを示す概略図である。図1(b)は、このエミッタにおける円錐形端部を拡大した概略図である。図1(c)は、従来のエミッタにおける円錐形端部と比較するための拡大図である。図2は、このショットキー型エミッタを備えた電子ビーム発生装置の概略図である。図3は、この電子ビーム発生装置を備えた電子線マイクロアナライザー(EPMA)の概略的なブロック図である。
図1(a)に示すように、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1は、電子ビームBの出射側に、コーン状に尖った円錐形端部1aを有している(ここで、この図における符合「B」は、電子ビームを意味するものであり、輝度を示す量と混同されるべきものではない)。ショットキー型エミッタ1は、タングステンの単結晶ワイヤに、酸化ジルコニウム層をコーティングした構成を有している。図1(b)に示すように、この円錐形端部1aの曲率半径Rは、2.0μmであり、好ましくは1μm以上である。これは、0.5μmから0.6μm以下の範囲(図11(b)および図1(c)を参照)にある従来の円錐形端部201aよりも大きい。なお、図1(c)では、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1の円錐形端部1aを、2点鎖線で示している。
このショットキー型エミッタ1を備えた電子ビーム発生装置10は、図2に示すように、ショットキー型エミッタ1の円錐形端部1aに電界を印加する2つの電極2および3と、電子ビームBを引き出す陽極4と、電子ビームBを集光する集束レンズ5とを備えている。このショットキー型エミッタ1と、電極2および3(後述するサプレッサ電極2および引き出し電極3)とからなる部分は、電子源と呼ばれる。この電子源については、ショットキー型エミッタ1の電位を基準にとると理解しやすい(図2では、この電位は0Vである。現実的には、エミッタ1の電位は、通常、負の高電位となる)。この円錐形端部1aを電極2および3によって強電界を印加した状態で加熱することによって、ショットキー効果を利用して電子が出射され、これにより、電子ビーム発生装置10によって電子ビームBが発生する。この電子ビーム発生装置10は、本発明における電子ビーム発生装置に相当し、電子ビーム発生装置にも相当する。
2つの電極2および3のうち、出射側とは逆側に配置され、負の電圧(図2では、−300V)を印加されている電極2は、サプレッサ電極2である。また、出射側に配置され、正の電圧(図2では、6423V)を印加されている電極3は、引き出し電極3である。
陽極4は、陰極として機能するショットキー型エミッタ1に対向して配置されており、エミッタ1に対して正となる電圧を印加されている。そして、この陽極4は、ショットキー型エミッタ1から出射された電子ビームBを引きつける。電子ビームBは、この陽極4による引きつけにより加速される。
集束レンズ5は、円環状に構成されている。図示しないレンズ電源から集束レンズ5に電流が供給されることによって磁界を発生し、光学的な集束レンズ内の光と同様に、電子ビームBを集光する。
再び図2を参照して、電子ビーム発生装置10における、ショットキー型エミッタ1、電極2および3、陽極4および集束レンズ5の構成について説明する。サプレッサ電極2および引き出し電極3は、互いに700μmの間隔をおいて配置されている。この間隔が従来のショットキー型エミッタの構成に類似していても、各電極の配置は独自のものである。サプレッサ電極2から円錐形端部1aにおける先端部のポイントまでの長さは、Lstで示されている。一方、円錐形端部1aにおける先端部のポイントから引き出し電極3までの長さは、LTEで示されている。したがって、Lst+LTE=700μmという関係が確立されている。従来のように250μmの同じ突き出し長Lstでエミッタが動作される場合、円錐形端部1aにおける電界強度Fについて、必要な値(この場合には、F=1×10V/m)を確保することはできない。このため、電界強度Fを必要な値(1×10V/m)に上昇させるために、突き出し長Lstは、従来の場合よりも長く設定されている。円錐形端部1aにおける曲率半径Rが2μmであるショットキー型エミッタの場合、ショットキー型エミッタ1およびサプレッサ電極2は、突き出し長Lstが400μmとなるように配置される。このため、LTEは、300μm(=700μm−Lst)となる。
円錐形端部1aにおける必要な電界強度Fを確保するために、突き出し長Lstは、曲率半径Rに適合するように調整される。すなわち、突き出し長Lstに対する電界の特性も、曲率半径Rに依存して変化する。したがって、図4に示すように、突き出し長Lstと曲率半径Rとの組み合わせの範囲は、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて、あらかじめ設定される。この場合、必要な電界強度F(1×10V/m)に適切な組み合わせの範囲を見積もるために、突き出し長Lstと曲率半径Rとを個々に変化させる(図4においてクロスハッチングされた部分を参照)。すなわち、ショットキー型エミッタ1を動作させるために必要な曲率半径Rと突き出し長Lstとの組み合わせの範囲は、図4におけるハッチング領域によって規定されている。なお、図4では、従来の標準的なショットキー型エミッタ(R=0.5μm)における曲率半径Rと突き出し長Lstとの組み合わせ(R=0.5μm、Lst=250μm)を、「x」印で示している。
陽極4と集束レンズ5との距離をLとする。熱電子放出型のエミッタの場合には、陽極4と集束レンズ5とは、L=100mm程度の値の距離をおいて配置されている。Lが長くなってレンズ収差係数が大きくなるが、熱電子放出型のエミッタは大きな電流角密度を有するので、大きなビーム径を招来する大きな収差についての問題は生じない。これに対して、ショットキー型エミッタにおける場合には、電流角密度が小さいので、レンズ収差係数が大きくなることで、ショットキー型エミッタの本来的な高輝度が劣化する。このため、ショットキー型エミッタの場合には、レンズ収差係数を抑えるために、できるかぎりLを0mmに近づけることで、ショットキー型エミッタ1側の近くになるように集束レンズ5を配置することが好ましい。
ショットキー型エミッタ1が、直流(DC)エッチング法あるいはその他の適切な手段を用いて加工される場合、図5(a)に示すように、不必要な(100)結晶面が、サプレッサ電極2よりも前面、すなわち出射側に現れる(図における右斜線のハッチングを参照)。そして、酸化ジルコニウム層の作用によって(100)結晶面の仕事関数が低下し、電源の負荷が増加することによって、不必要な引き出し電流が引き出される。その結果、より大きいガスの放出率(周囲の電極表面からのガス負荷)が発生して、エミッタの近傍における真空度が劣化する。なお、DCエッチング法という用語は、エッチングにおいて使用される電極の極性を変えることなく実施されるエッチングのことである。
これに対して、ショットキー型エミッタ1を形成する際に、交流(AC)エッチング法あるいは同様の手段を用いると、図5(b)に示すように、コーン形状の円錐形端部1aがより長くなるように、斜め方向に、エッチングを実施することが可能となる。このACエッチング法は、斜め方向にエッチングされたマクロな表面を得ることを可能とするだけでなく、(100)とは異なる結晶面をミクロスコピックに生成することも可能とする。したがって、ショットキー型エミッタ1をACエッチング法を用いて加工することによって、サプレッサ電極2から外に向かう出射側におけるエミッタ側面部分の結晶表面に、(100)は現れない。ここで、「エミッタ側面」という用語は、電子ビームBの出射方向に対して平行な面のことである。したがって、図における右斜線のハッチングは、エミッタ側面部分における(100)結晶面を示している。このような構成をとることにより、不必要な(100)結晶面が、サプレッサ電極2の出射側と反対側にある後方部分に隠れる。これにより、不必要な引き出し電流を抑制することが可能となる。なお、ACエッチング法という用語は、エッチングのために使用される電極の極性を交互に変えながらエッチングを実施することである。
次に、電子ビームを制御するための方法について説明する。まず、円錐形端部1aの曲率半径Rを調整する。電子銃の焦点距離fをより長くするように制御するため、および、電流角密度をより高くするように制御するために、曲率半径Rを、従来よりも大きい値に調整する。従来における円錐形端部1aの曲率半径Rは、0.5μmから0.6μm以下までの範囲である。このため、曲率半径Rについては、1μm以上の範囲から選択することが好ましい。ここに一例として示した一実施形態では、曲率半径Rは、2μmとなるように選択されている。
上記したように、突き出し長Lstと曲率半径Rとの組み合わせの範囲は、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて、あらかじめ設定される。サプレッサ電極2およびショットキー型エミッタ1は、突き出し長Lstを決定することによって配置される。この突き出し長Lstは、サプレッサ電極2からショットキー型エミッタ1における円錐形端部の先端部までの長さである。突き出し長Lstを調整する際、突き出し長Lstは、図4に示す組み合わせの範囲から、調整された曲率半径Rに応じて選択される。
図4では、曲率半径Rと突き出し長Lstとにおける所望の組み合わせの範囲は、1μm<R<4μm、および、200μm<Lst<1500μmの範囲内で選択された範囲内に規定されている。ここで一例として示している一実施形態では、曲率半径Rと突き出し長Lstとの組み合わせ(R=2.0μm、および、Lst=400μm)が選択されている。図4に示した組み合わせの範囲で組み合わせポイントを選択することによって、円錐形端部1aでの電界強度Fを制御することが可能となる(本実施例では、F=1×10V/m)。
電子ビームBの焦点距離fは、上記のように調整された曲率半径Rによって制御される。電子ビームBの電流角密度は、制御された焦点距離fによって制御される。このとき、このビームの輝度は、エミッタの突き出し長の調整によって十分に大きい先端電界を保証することによって、本質的に高い値に維持される。
また、円錐形端部1aの曲率半径が1μm以上から4μm以下までの範囲に設定され、さらに、ショットキー型エミッタ1の突き出し長Lstが200μm以上から1500μm以下までであって、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて円錐形端部1aの先端部の曲率半径との組み合わせによって定められた範囲になるように調整される場合には、電流角密度を従来よりも高くすることができ、同時に、円錐形端部1aでの電界強度Fを、高いビーム輝度を維持するように制御することが可能となる。
電流角密度が従来の配置よりも高いために、ビーム電流を比較的に高くした場合でも輝度がほとんど下がらない。また、本実施例におけるEPMA50においては、元素分析処理部20および表面観察処理部30が、それぞれ高輝度の電子ビームを用いて、元素分析処理および表面観察処理のような所定の処理を実施することが可能である。したがって、本発明については、このようなEPMA50などに代表されるさまざまな装置に適用することが可能である。
なお、本実施例にかかる電子ビーム発生装置10がEPMA50に用いられた場合には、以下に示す効果が発揮される。すなわち、EPMA50は、サブμAあるいはμAのレベルのビーム電流を必要とするが、サブμAあるいはμAのレベルであっても、EPMA50では、ショットキー型エミッタ1における輝度の低下が見られないことが、図6においても確認される。
図6は、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1(R=2.0μm)、従来技術における標準的なショットキー型エミッタ(R=0.6μm)、および、熱電子放出型のエミッタとしてのタングステンフィラメントのエミッタにおける、ビーム電流値と輝度との関係を示すグラフである。すなわち、図6は、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1におけるビーム電流値と輝度との関係を示すグラフを、図10に付け加えることで得られたものである。図6は、図10と同じ条件で得られたものである。しかしながら、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1については、電流密度jが1.0×10A/cm、温度Tが1800K、および、電流角密度JΩGSEが2.22mA/str、という条件の下で上記の関係を得た。点線で描かれた曲線は、タングステンフィラメントのエミッタに関する曲線である。また、図6において実線で描かれた2つの曲線は、ショットキー型エミッタに関する曲線である。ここで、グラフ中の「巨大SE」は、従来よりも円錐形端部1aの曲率半径Rを大きくした、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1(R=2.0μm)に関する曲線を示している。また、「標準SE」は、従来の標準的なショットキー型エミッタ(R=0.6μm)に関する曲線を示している。そして、グラフ中の「Wフィラメント」というマークは、タングステンフィラメントを示している。
図6からわかるように、従来の標準的なショットキー型エミッタの場合には、電流角密度が低く電子源径が小さいために、ビーム電流が1nAの近傍あるいはそれより大きくなると、輝度が下がり始める。そして、1μAのレベルでは、輝度は6桁も下がる。これに対して、本実施例にかかるショットキー型エミッタ1の場合には、電流角密度が高いので、標準的なショットキー型エミッタと比べると輝度が下がりにくく、集束レンズ5の位置を適切に選択すれば、約1μAで輝度が下がり始めることが確認される。したがって、ショットキー型エミッタを、EPMA50のようなサブμAあるいはμAのレベルのビーム電流を必要とするデバイスに応用することが可能となる。
本発明については、本実施形態に限られることなく、以下のように変形することが可能である。
(1)上記した実施例では、電子ビーム発生装置を用いたデバイスの例として、電子線マイクロアナライザー(EPMA)について説明した。しかしながら、電子ビーム発生装置が内部で使用されている限り、デバイスに関する特別の限定はない。例えば、このデバイスは、走査電子顕微鏡(SEM)であってもよいし、透過型電子顕微鏡(透過型電子顕微鏡:以下では、適宜、「TEM」と略記する)であってもよい。また、マイクロフォーカスX線チューブであってもよいし、オージェ電子分光器であってもよいし、電子ビームリソグラフィーシステムであってもよいし、電子ビームライターであってもよい。透過型電子顕微鏡(TEM)は、数十〜数百ナノメートルの範囲程度の厚さの薄膜の試料に電子ビームを透過させることによって、その投影像を観察することのできるものである。マイクロフォーカスX線チューブは、電子ビームをターゲットに衝突させることによって、サブμm〜数μmの範囲程度の微小径のX線ビームを発生させるものである。オージェ電子分光器は、オージェ電子のエネルギーを調べて、試料の元素分析を実施するものである。電子ビームリソグラフィーシステムは、従来技術における光に代えて電子ビームを用いて、リソグラフィーを実施するものである。電子ビームライターは、高密度の光ディスクのために「マスタ」を生成するものである。
上記のマイクロフォーカスX線チューブについて説明する。また、これだけでなく、電子ビームリソグラフィー装置の例として、電子ビーム露光システムについても説明する。図7は、マイクロフォーカスX線チューブにおける概略的なブロック図であり、図8は、電子ビーム露光システムにおける概略的なブロック図である。
電子ビーム発生装置10を備えたマイクロフォーカスX線チューブ70は、図7に示すように、電子ビームとの衝突によってX線を発生させるターゲット60を備えている。また、電子ビーム発生装置10は、サプレッサ電極2、引き出し電極3、陽極4、および、集束レンズ5を備えており、さらに、これらだけでなく、絞りレンズ6および対物レンズ7も備えている。また、絞りレンズ6は、電子ビームBの集光角を規定する径減少孔(diameter reducing hole)を有する、アパーチャ6aを備えている。電子ビームBの照射方向における上流側(エミッタ1側)から下流側に向かって、順に、集束レンズ5、絞りレンズ6、対物レンズ7およびターゲット60が、連続的に配置されている。ターゲット60は、タングステンに代表されるX線発生物質から形成されている。このターゲット60は、本発明における処理手段に相当する。
マイクロフォーカスX線チューブ70は、高いビーム電流の条件下でも電子ビームの輝度が劣化しないショットキー型エミッタ1を備えている。このため、ターゲット70が電子ビームBの照射を受けるときにおける電子ビームBの角度を、小さく抑えることが可能となる。これにより、ターゲット上に集束する電子ビームのサイズを小さくすることができる。したがって、ターゲット60におけるX線の発生領域を小さくすることができ、X線像の空間分解能が向上する。
電子ビーム発生装置10を備えた電子ビーム露光システム90は、図8に示すように、基板Wに対する露光を実施する露光処理部80を備えている。また、電子ビーム発生装置10は、サプレッサ電極2、引き出し電極3、陽極4、および、集束レンズ5を備えている。露光処理部80は、照射レンズ81、結像レンズ82、シェーピングアパーチャ83、ブランカー84、レチクル85、および、コントラストアパーチャ86を備えている。レチクル85は、露光パターンの原図である。露光処理部80は、本発明における処理手段に相当する。
図8に示す電子ビーム露光システム80では、それぞれ一対になっているレンズ5、81および82が、互いに重ねられて配置されている。そして、電子ビームBの照射方向に対して下流側の集束レンズ5と上流側の照射レンズ81との間に、シェーピングアパーチャ83が配置されている。さらに、これだけでなく、電子ビームBの照射方向に対して上流側の照射レンズ81と下流側の照射レンズ81との間に、ブランカー84が配置されている。また、下流側の照射レンズ81と上流側の結像レンズ82との間に、レチクル85が配置されている。さらに、これだけでなく、上流側の結像レンズ82と下流側の結像レンズ82との間に、コントラストアパーチャ86が配置されている。
電子ビーム露光装置90は、高輝度の電子ビームBを出射するショットキー型エミッタ1を備えているので、レチクル85上の1点に集束する電子ビームBの角度を小さく抑えることができる。したがって、基板W上に集束する露光パターンの空間分解能を向上させることが可能となる。
(2)上記した実施例では、ショットキー型エミッタ1の形成にACエッチング法を採用することにより、サプレッサ電極2よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に(100)結晶面が現れないようにしているが、エミッタの当該出射側に(100)結晶面が現れない限り、ACエッチング法に対する限定はない。
(3)上記した実施例では、ショットキー型エミッタ1は、サプレッサ電極2から外に向かう出射側におけるエミッタの出射側に(100)結晶面が現れない形状を有している。しかしながら、不必要な引き出し電流を抑制しないのであれば、ショットキー型エミッタ1は、図5(b)に示した形状を有することを要求される必要はない。例えば、図5(a)に示すように、不必要な(100)結晶面がサプレッサ電極2よりも前面に現れてもよい。
本発明については、その思想または本質的な特性から逸脱することなく、他の具体的な形態で実施することが可能である。したがって、本発明の範囲を示すものとしては、上記した説明ではなく、添付した特許請求の範囲を参照すべきである。

Claims (6)

  1. エミッタにおける電子ビームの出射側のコーン状に尖った円錐形端部に電界を印加した状態でショットキー効果を利用することによって、この円錐形端部から電子を出射して電子ビームを発生するエミッタの設計方法において、
    陰極電流密度をj とし、電子銃焦点距離をfとし、電流角密度をJ Ω としたときに、
    Ω =f ×j … (5)
    なる式(5)に基づいて、前記電子銃焦点距離fおよび前記陰極電流密度j を調整することにより、前記電流角密度J Ω を調整するために、
    円錐形端部における曲率半径を調整することによって前記電子銃焦点距離fを調整する、曲率半径調整ステップ
    電界をつくる2つの電極のうち出射側とは逆側にあり負の電圧が印加されるサプレッサ電極から外に向かう出射側に前記円錐形端部が突き出されている場合に、このサプレッサ電極からの円錐形端部の長さである突き出し長を調整することによって前記陰極電流密度j を調整する、突き出し長調整ステップと、
    この突き出し長と前記曲率半径との組み合わせの範囲を、ショットキーモードでの電界出射に必要な電界の値に基づいて設定する組み合わせ範囲設定ステップと、を含み
    前記突き出し長調整ステップにおいて、前記組み合わせ範囲に基づく曲率半径調整ステップにおいて調整された曲率半径に応じた組み合わせ範囲から、突き出し長を選択し、
    前記曲率半径調整ステップでは、曲率半径を1μm以上から4μm以下までの範囲から選択し、
    前記組み合わせ範囲および曲率半径に基づく前記曲率半径調整ステップにおいて調整された曲率半径に応じた組み合わせ範囲から、200μm以上から1500μm以下までの範囲で突き出し長を選択する、エミッタの設計方法。
  2. エミッタにおける電子ビームの出射側のコーン状に尖った円錐形端部に電界を印加した状態でショットキー効果を利用することによって、この円錐形端部から電子を出射して電子ビームを発生するエミッタの設計方法において、
    円錐形端部における曲率半径を調整する曲率半径調整ステップを含んでおり、
    電界をつくる2つの電極のうち出射側とは逆側にあり負の電圧が印加されるサプレッサ電極から外に向かう出射側に前記円錐形端部が突き出されている場合に、このサプレッサ電極からの円錐形端部の長さである突き出し長を調整し、さらに、
    電界を印加する2つの電極のうちの負の電圧が印加される出射側とは逆側に配置されたサプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に、(100)結晶面が現れないような加工をエミッタに施すエミッタ加工ステップをさらに含む、エミッタの設計方法。
  3. 請求項1記載の設計方法で設計されたエミッタと、
    前記エミッタの円錐形端部に電界を印加する2つの前記電極とを備え、
    前記円錐形端部に電界を印加することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これにより電子ビームを発生する電子ビーム発生装置
  4. 電子ビームの出射側にコーン状に尖った円錐形端部を有するエミッタと、
    このエミッタの円錐形端部に電界を印加する2つの電極とを備え、
    前記円錐形端部に電界を印加することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これにより電子ビームを発生する電子ビーム発生装置において、
    電界をつくる2つの電極のうち出射側とは逆側に配置され負の電圧を印加するサプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に(100)結晶面が現れない形状を、前記エミッタが有している、電子ビーム発生装置。
  5. 請求項3記載の電子ビーム発生装置を電子ビームを発生する電子ビーム発生手段として用いた装置において、
    電子ビーム発生手段によって発生した電子ビームに基づいて所定の処理を実施する処理手段を有している、
    電子ビーム発生手段を用いた装置。
  6. 電子ビームの出射側にコーン状に尖った円錐形端部を有するエミッタと、このエミッタの円錐形端部に電界を印加する2つの電極とを備えており、この円錐形端部に電界を印加することによって、ショットキー効果を利用して電子を出射し、これにより電子ビームを発生する電子ビーム発生手段を用いた装置において、
    電子ビーム発生手段によって発生した電子ビームに基づいて所定の処理を実施する処理手段を有し、
    電界をつくる2つの電極のうち出射側とは逆側に配置され負の電圧を印加するサプレッサ電極よりも、出射側とは逆側から円錐形端部が形成されることでエミッタの当該出射側に(100)結晶面が現れない形状を、前記エミッタが有している、電子ビーム発生手段を用いた装置。
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