<第1実施例>
図1を参照して、携帯端末10は、CPU(プロセサまたはコンピュータと呼ばれることもある。)20、入力装置であるキー入力装置22およびタッチパネル制御回路32によって制御されるタッチパネル34を含む。CPU20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22またはタッチパネル34によって通話終了操作が行われると、CPU20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、CPU20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は通話処理を終了する。
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着信をCPU20に通知する。また、CPU20は、LCDドライバ24によって表示装置であるLCDモニタ26を制御し、着信通知に記述された発信元情報をLCDモニタ26に表示させる。そして、CPU20は、図示しない着信通知用のスピーカから着信音を出力させる。
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理を施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理を施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
タッチパネル34は、LCDモニタ26の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル34は、その上面を指で、押したり、スライドしたり(撫でたり)、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、タッチパネル34がタッチを検出すると、タッチパネル制御回路32は、その操作の位置を特定し、操作された位置の座標データをCPU20に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル34の上面を指で、押したり、スライドしたり(擦ったり)、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯端末10に入力することができる。
また、タッチパネル34は、指がタッチパネル34の表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式と呼ばれる方式で、1本または複数本の指がタッチパネル34に触れたことを検出する。具体的には、このタッチパネル34には、透明フィルムなどに電極パターンを形成することで、指が接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する、投影型の静電容量方式が採用されている。なお、検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
ここで、使用者がタッチパネル34の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル34から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル34の表面を擦る操作を「スライド」と言うことにする。そして、タッチによって示された座標を「タッチ点」、リリースによって示された座標を「リリース点」と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル34の上面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル34に対して行う操作を、総じて「タッチ操作」と言うことにする。なお、操作を行うために、専用のタッチペンなどを備えるようにしてもよい。そして、指を使ってタッチする場合のタッチ点は、タッチパネル34に触れている指の面積の重心座標となる。
また、携帯端末10は、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38を撮影手段として機能させることで、カメラ機能を実行することが可能である。カメラ機能は、オートフォーカス処理によって、被写体にピントの合った写真画像データを記録する。具体的には、キー入力装置22またはタッチパネル34によってカメラ機能を実行する操作が行われると、CPU20は、カメラ制御回路36にカメラ機能を実行するために必要な命令を与える。カメラ制御回路36は、イメージセンサ38およびフォーカスレンズ40を制御し、イメージセンサ38によって取得された披写界の光学像を写真画像データに変換する。そして、CPU20は、カメラ制御回路36から得られる、被写体にピントを合わせた写真画像データを圧縮画像データに変換して記録手段であるフラッシュメモリ28に記録する。また、このカメラ機能では、撮影する写真画像のサイズをWQVGA(240×400)、VGA(640×480)およびUXGA(1600×1200)から選択することが可能である。もちろん、本発明では、撮影する写真画像のサイズとしてこれらに限定するものではなく、適宜他のサイズも用いることができる。
また、カメラ機能が実行された状態では、被写界のリアルタイム動画像(以下、スルー画像と言う)をLCDモニタ26に表示させる処理を行う。具体的には、CPU20は、カメラ制御回路36に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作をイメージセンサドライバに命令する。
イメージセンサドライバは、イメージセンサ38の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ38から出力される。また、イメージセンサ38から出力された生画像信号は、カメラ制御回路36に入力される。カメラ制御回路36は、入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、CPU20は、YUV形式の画像データが入力される。
CPU20に入力されたYUV形式の画像は、CPU20によってRAM30に一旦格納される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、CPU20を介して、RAM30からLCDドライバ24に与えられる。また同時に、CPU20は、間引き読み出し命令をLCDドライバ24に発行する。そして、LCDドライバ24は、CPU20から発行された間引き読み出し命令に従ってYUV形式の画像データをLCDモニタ26に出力する。よって、被写界を表す低解像度のスルー画像がLCDモニタ26に再現される。
なお、YUV形式の画像データにおいて、Yは輝度を意味し、Uは青色から輝度を引いた色差を意味し、Vは赤色から輝度を引いた色差を意味する。つまり、YUV形式の画像データは、輝度信号(Y)データと青色の色差信号(U)データと赤色の色差信号(V)データとから構成される。
また、カメラ機能では、静止画像だけでなく、動画像も撮影可能である。具体的には、動画像を撮影する操作がされると、CPU20は、図示しないMPEG−4コーデックを起動し、RAM30に格納されたYUV形式の画像データを1フレーム毎に読み出す。また、CPU20は、読み出されたYUV形式の画像データに対して、MPEG−4フォーマットに従う圧縮処理を施し、MPEGデータを生成する。そして、MPEGデータは、RAM30に一旦格納された後に、フラッシュメモリ28に記録される。
なお、スルー画像の更新周期は1000fpsであり、イメージセンサ38は、高速で生画像信号を出力することができるCMOSイメージセンサである。
図2(A),(B)は、携帯端末10の外観を示す図解図である。また、図2(A)は携帯端末10の表面外観図であり、図2(B)は携帯端末10の裏面外観図である。図2(A)を参照して、携帯端末10は、板状に形成されたケースCを有する。図2(A)では図示しないマイク16およびスピーカ18は、ケースCに内蔵される。内蔵されたマイク16に通じる開口OP2は、ケースCの長さ方向一方の主面に設けられ、内蔵されたスピーカ18に通じる開口OP1は、ケースCの長さ方向他方の主面に設けられる。つまり、使用者は、開口OP1を通じてスピーカ18から出力される音を聞き、開口OP2を通じてマイク16に音声を入力する。
キー入力装置22は、通話キー22a、メニューキー22bおよび終話キー22cの3種類のキーを含み、それぞれのキーは、ケースCの主面に設けられる。LCDモニタ26は、モニタ画面がケースCの主面に露出するように取り付けられる。さらにLCDモニタ26の上面には、タッチパネル34が設けられる。
使用者は、通話キー22aを操作することで応答操作を行い、終話キー22cを操作することで通話終了操作を行う。さらに、使用者は、メニューキー22bを操作することで、メニュー画面をLCDモニタ26に表示させる。そして、終話キー22cを長押しすることで携帯端末10の電源オン/オフ操作を行うことができる。なお、メニューキー22bは、カメラ機能が実行されていれば、撮影キーとして機能する。つまり、使用者は、カメラ機能が実行されている場合に、メニューキー22bを押下して撮影操作を行い、フラッシュメモリ28に画像データを記録させる。
また、光センサ42は、センサ部分がケースCの主面に露出するように、長さ方向他方に設けられる。なお、この光センサ42のセンサ部分は、複数のフォトダイオードがアレイ状に集積化されており、レンズで覆われている。
続いて、図2(B)を参照して、図2(B)では図示しないイメージセンサ38およびフォーカスレンズ40は、ケースCに内蔵されており、内蔵されたイメージセンサ38およびフォーカスレンズ40に通じる開口OP3は、ケースCの長さ方向他方の他面に設けられる。つまり、使用者は、LCDモニタ26および光センサ42の裏側に設けられた開口OP3を被写体に向けることで、任意の被写体を撮影することができる。なお、フォーカスレンズ40の保護を目的として、開口OP3が、透明なプラスチックカバーなどで覆われていてもよい。
ここで、本実施例では、可視光通信源から禁止情報が発信されているか否かを判断し、可視光通信源から禁止情報が発信されていれば、カメラ機能による撮影を制限する。
具体的には、スルー画像に含まれる所定値以上の輝度で発光する光源に対して、可視光通信源であるか否かを判断し、可視光通信源であれば、禁止情報が発信されているか否かを判断する。そして、禁止情報を受信すると、撮影操作によって圧縮画像データまたMPEGデータがフラッシュメモリ28に記録されないようにする。
まず、スルー画像に含まれる可視光通信源を検出する手順について説明する。ここでは、スルー画像内において可視光通信源を検出するために、左上端からラスタスキャンを行い、所定値以上の輝度の可視光を検出する。また、ラスタスキャンがされるスルー画像は、動画ではなく任意に選択された静止画である。以下、スルー画像を構成する各静止画像を、スルー静止画像と言うことにする。
なお、LCDモニタ26の表示座標およびタッチパネル34のタッチ位置座標の原点は左上端とする。つまり、横座標は左上端から右上端に進むにつれて大きくなり、縦座標は左上端から左下端に進むにつれて大きくなる。
図3(A)は、カメラ機能によって撮影されたスルー画像を表示するLCDモニタ26の表示例を示す図解図である。図3(A)を参照して、LCDモニタ26は、状態表示領域50、機能表示領域52およびキー表示領域54を含む。状態表示領域50には、アンテナ12による電波受信状態、充電池の残電池容量および現在日時などが表示される。また、機能表示領域52には、カメラ機能によって撮影されたスルー画像が表示されている。
キー表示領域54には、切り換えキー56および機能キー58が含まれる。切り換えキー56は、静止画像撮影モードと動画像撮影モードとを切り換える。静止画像撮影モードでは、指定されたYUV形式の画像データを圧縮画像データに変換してフラッシュメモリ28に記録させる。また、動画像撮影モードでは、YUV形式の画像データのそれぞれをMPEGデータに変換してフラッシュメモリ28に記録させる。
また、もう一方の機能キー58は、操作されると、撮影する画像のサイズを変更したりするメニュー画面を表示する。つまり、使用者は、カメラ機能における設定などを行う場合に、機能キー58を操作する。
ここで、図3(A)に示すスルー画像には、或るオフィスにおける複数の光源(照明)と、或るオフィス内でのみ配布される紙Pが含まれる。複数の光源のそれぞれは、可視光通信源として光信号を含む可視光を発光(放射)し、紙Pの紙面には、「社外秘」と印字されている。以下、複数の光源のそれぞれが発光した可視光を、可視光60、可視光62および可視光64と言うことにする。また、図3(A)に示す可視光62および可視光64は、ほぼ同じ輝度である。しかし、可視光60の輝度は、可視光62および可視光64の輝度より高い。なお、複数の光源は、蛍光灯であるが、LED照明および有機EL照明などの可視光通信に利用可能な照明であれば、他の照明器具であってもよい。
そして、スルー静止画像に対してラスタスキャンがされ、所定値以上の輝度で発光する光源が探索される。さらに、ラスタスキャンによって所定位置以上の輝度で発光する光源が発見されると、集中サンプリングによって可視光通信源であるか否かが判断される。
ラスタスキャンでは、1画素ごとに輝度信号データに基づいて、所定値以上の輝度であるか否かを判断することで、所定値以上の輝度の可視光を探索する。たとえば、可視光60の輝度が所定位置以上であれば、可視光60の上部S(図3(B)参照)まで探索されると、可視光60の上部Sから一定の範囲において集中サンプリングが行われる。
図3(B)は、図3(A)の領域Aにおいて、集中サンプリングが行われる様子を示す図解図である。図3(B)を参照して、ラスタスキャンによる現在の探索位置を示す上部Sが或る一辺の中点となるようにして、四角形の集中サンプリング領域CSAが設定される。つまり、上部Sを基準として、集中サンプリング領域CSAが設定される。そして、集中サンプリング領域CSA内のみ、スルー画像を更新し、可視光60が可視光通信に必要な光信号を含んでいるか否かを判断する。
なお、集中サンプリング領域CSA内のみ、更新されるスルー画像はLCDモニタ26には表示されない。また、集中サンプリング領域CSAの形状は、四角形としたが、他の図形であってもよい。さらに、可視光通信では、光信号を識別できれば通信可能なため、集中サンプリング領域CSAに可視光が全て含まれている必要はない。
そして、可視光通信に必要な光信号を含んでいれば、発信される情報(データ)を取得すると共に、集中サンプリング領域CSA内で、所定値以上の輝度が検出される領域の重心を算出する。なお、算出した重心の座標に基づいて、可視光通信源を示すアイコンを表示してもよい。
たとえば、図3(B)において、可視光60が可視光通信に必要な光信号を含んでいれば、可視光60の中心が重心Gとして算出され、取得される情報と共に、RAM30に記憶される。そして、集中サンプリング領域CSAにおいて、集中サンプリングが終了すると、取得した情報が禁止情報であるか否かを判断し、禁止情報であれば、圧縮画像データまたはMPEGデータをフラッシュメモリ28に記録する処理を制限する。つまり、携帯端末10では、撮影による画像データの記録のみを制限することができる。また、スルー画像は、RAM30に一時的に記憶されるだけなので、制限されない。
なお、集中サンプリングが終了すると、上部Sからラスタスキャンを再開する。このとき、集中サンプリング領域CSAの領域座標をRAM30に一時記憶しておき、集中サンプリング領域CSAがラスタスキャンされないようにする。そして、ラスタスキャンが再開されるときには、最新のスルー静止画像を利用する。つまり、最初にラスタスキャンを開始するために選択された任意のスルー静止画像は、最新のスルー静止画像に更新される。
なお、図3(A)で示す状態表示領域50、機能表示領域52、キー表示領域54、切り換えキー56、機能キー58、可視光60−64および紙Pについては、他の図面でも同様であるため、他の図面では、詳細な説明を省略する。
続いて、禁止情報を取得した状態で、撮影操作がされたときの処理について説明する。たとえば、禁止情報を取得した状態で、撮影キーとして機能するメニューキー22bが押下されると、図4に示すように、スルー画像上に「撮影は禁止されています」の文字列を含むポップアップ66が表示される。これによって、社外秘と印字された紙Pは、携帯端末10のカメラ機能によって、撮影されることが防がれる。つまり、携帯端末10は、使用者に対して、撮影が制限されていることを通知する。なお、ポップアップ66は、所定時間が経過すると消去される。
また、撮影が制限された状態であっても、携帯端末10は、可視光62および可視光64を発光する可視光通信源から情報を取得することが可能である。つまり、使用者は、カメラ機能による撮影が制限された状態であっても、他の可視光通信源から発信される情報を取得することができる。
ここで、LCDモニタ26の表示を構成する複数のレイヤについて説明する。具体的には、2つのレイヤ(最下層、最上層)が重ねて設けられ、仮想空間において、始点側(使用者側)に最上層が設けられ、始点から離れる方向に、最下層が配置される。本実施例では、最下層にはスルー画像が表示され、最上層にポップアップ66が表示される。これによって、図4に示すように、スルー画像に重なるようにポップアップ66を容易に描画することができるようになる。なお、LCDモニタ26の表示を構成するレイヤは3つ以上であってもよい。
図5は、RAM30のメモリマップを示す図解図である。図5を参照して、RAM30のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM30に記憶されてからCPU20などで処理される。
プログラム記憶領域302は、携帯端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、可視光通信プログラム310、禁止情報確認プログラム312およびカメラ機能処理プログラム314などによって構成される。可視光通信プログラム310は、可視光通信源から発信される情報(データ)を取得するためのプログラムである。禁止情報確認プログラム312は、可視光通信プログラム310のサブルーチンであり、可視光通信によって取得した情報(データ)に禁止情報が含まれているか否かを判断するためのプログラムである。カメラ機能処理プログラム314は、カメラ機能を実行するためのプログラムであり、禁止情報を受信した状態では、圧縮画像データまたはMPEGデータがフラッシュメモリ28に記録されるのを制限する。
なお、図示は省略するが、携帯端末10を動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラムなどを含む。
データ記憶領域304には、タッチバッファ320、スルー画像バッファ322、ラスタスキャンバッファ324、集中サンプリングバッファ326および可視光通信バッファ328が設けられる。また、データ記憶領域304には、タッチ座標マップデータ330、禁止信号確認データ332およびGUI画像データ334が記憶されるとともに、禁止フラグ336およびタッチフラグ338が設けられる。
タッチバッファ320は、タッチパネル34によって検出されたタッチなどの入力結果を一時記憶するためのバッファであり、たとえばタッチ点およびリリース点の座標データを一時的に記憶する。スルー画像バッファ322は、カメラ制御回路36から読み出されたYUV形式の画像データが一時的に記憶(一旦格納)されるバッファである。ラスタスキャンバッファ324は、スルー静止画像に対してラスタスキャンを行う場合に、そのスルー静止画像と現在の探索位置を示す座標とを一時的に記憶するためのバッファである。
集中サンプリングバッファ326は、集中サンプリング領域CSAを設定するための基準となる座標および集中サンプリング領域CSAの領域を示す座標(領域座標)を一時的に記憶するためのバッファである。可視光通信バッファ328は、可視光通信によって取得した情報(データ)を一時的に記憶するためのバッファである。
タッチ座標マップデータ330は、タッチパネル制御回路32によって特定されるタッチパネル34に対するタッチ点などの座標を、LCDモニタ26の表示位置と対応付けるためのデータである。つまり、CPU20は、タッチ座標マップデータ328に基づいて、タッチパネル34に対して行われたタッチ操作の結果をLCDモニタ26の表示に対応付けることができる。禁止情報確認データ332は、可視光通信によって取得した情報が禁止情報であるか否かを判断するためのデータである。GUI画像データ334は、図3(A)などで示される切り換えキー56および機能キー58の画像データから構成されるデータである。
禁止フラグ336は、撮影による圧縮画像データまたはMPEGデータの記録が制限されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、禁止フラグ336は、1ビットのレジスタで構成される。禁止フラグ336がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、禁止フラグ336がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
タッチフラグ338は、タッチパネル34にタッチしているか(触れているか)否かを判断するためのフラグである。また、タッチフラグ338の構成は、禁止フラグ336と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、MPEGデータを一時的に記憶するバッファが設けられるとともに、携帯端末10の動作に必要な他のカウンタやフラグも設けられる。
CPU20は、「Linux」および「REX」などのRTOS(real−time operating system)の制御下で、図6に示す可視光通信処理、図7に示す禁止情報確認処理および図8に示すカメラ機能処理などを含む複数のタスクを並列的に実行する。
図6は、可視光通信処理を示すフロー図である。たとえば、使用者がスルー画像を取得する操作を行うと、ステップS1では、スルー画像を取得する。つまり、カメラ制御回路36から出力されたYUV形式の画像データをスルー画像バッファ322に一時的に記憶させる。続いて、ステップS3では、スルー静止画像をラスタスキャンする。つまり、スルー画像バッファ322に一時的に記憶されたスルー画像から任意に選択されたスルー静止画像をラスタスキャンバッファ324に一時的に記憶させ、そのスルー静止画像に対してラスタスキャンを開始する。
続いて、ステップS5では、所定値以上の輝度を検出したか否かを判断する。つまり、ラスタスキャンによって、スルー静止画像の1画素ごとに所定値以上の輝度であるか否かを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまり所定値以上の輝度を検出できなければ、ステップS13に進む。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり所定値以上の輝度を検出すれば、ステップS7で集中サンプリングを行う。つまり、図3(A),(B)のように、所定値以上の輝度が検出された画素の座標に基づいて、集中サンプリング領域CSAを設定し、その集中サンプリング領域CSAにおいて、スルー画像を更新する。
続いて、ステップS9では、可視光通信源か否かを判断する。つまり、設定された集中サンプリング領域CSA内に含まれる光源が、可視光通信を行うための光信号を含んでいるか否かを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり可視光通信源でなければ、ステップS13に進む。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり可視光通信であれば、ステップS11で可視光通信源から発信されたデータを取得する。たとえば、図3(A),(B)に示す可視光60を発光する光源が発信したデータを受信し、受信したデータを可視光通信バッファ328に記憶させる。
ステップS13では、禁止情報確認処理を実行する。このステップS13の処理については、図7に示す禁止情報確認処理を示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは省略する。続いて、ステップS15では、終了操作か否かを判断する。たとえば、終話キー22cが操作されたか否かを判断する。ステップS15で“NO”であれば、つまり終了操作がされれば可視光通信処理を終了する。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり終了操作でなければ、ステップS17でラスタスキャンが終了したか否かを判断する。つまり、ラスタスキャンバッファ324から読み出された現在の探索位置を示す座標がLCDモニタ26の表示座標の右下端の座標であるか否かを判断する。
ステップS17で“NO”であれば、つまりラスタスキャンが終了していなければ、ラスタスキャンバッファ324から、ラスタスキャンによる現在の探索位置を示す座標を読み出して、ステップS3に戻る。一方、ステップS17で“YES”であれば、つまりラスタスキャンが終了していれば、可視光通信バッファ328をリセットして、ステップS1に戻る。
図7は、ステップS13(図6参照)に示す禁止情報確認処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS13の処理が実行されると、ステップS31で、撮影禁止情報を取得したか否かを判断する。つまり、可視光通信バッファ328に格納されるデータと、禁止信号確認データ332とが一致するか否かを判断する。ステップS31で“YES”であれば、つまり禁止情報を取得してれば、ステップS33で禁止フラグ336をオンにし、ステップS37に進む。一方、ステップS31で“NO”であれば、ステップS35で禁止フラグ336をオフにし、ステップS37に進む。つまり、可視光通信源から禁止情報が発信されていない、または、使用者が禁止情報を発信する可視光通信源から離れて禁止情報が受信されなくなると、禁止フラグ336がオフになる。つまり、使用者は、禁止情報が発信されていない場所に移動することで、撮影の制限を解除することができ、使用者の利便性が向上する。
ステップS37では、カメラ機能が終了されたか否かを判断する。たとえば、終話キー22cを押下する終了操作がされたか否かを判断する。ステップS37で“YES”であれば、つまりカメラ機能が終了されると、ステップS39で禁止フラグ336をオフにする。つまり、カメラ機能による撮影の制限は、カメラ機能が終了すると共に解除される。すなわち、使用者は、カメラ機能を終了することで、撮影の制限を解除することができるため、使用者の利便性が向上する。
そして、ステップS39の処理が終了するか、ステップS37で“NO”であれば、可視光通信処理に戻る。なお、ステップS33の処理を実行するCPU20は制限手段として機能する。また、ステップS35を実行するCPU20は、第1解除手段として機能し、ステップS39の処理を実行するCPU20は、第2解除手段として機能する。
図8は、先に説明した可視光通信処理(図6参照)と並列的に処理される、カメラ機能処理を示すフロー図である。CPU20は、撮影操作がされたか否かを判断する。つまり、メニューキー22bが押下されたか否かを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり撮影操作がされなければ、ステップS61に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり撮影操作がされれば、ステップS53で禁止フラグ336がオンか否かを判断する。つまり、撮影による圧縮画像データまたはMPEGデータの記録が制限されているか否かを判断する。
ステップS53で“NO”であれば、つまり、禁止フラグ336がオフであれば、ステップS59に進む。一方、ステップS53で“YES”であれば、つまり禁止フラグ336がオンであれば、ステップS55で撮影による画像データの記録を制限する。つまり、圧縮画像データまたはMPEGデータをフラッシュメモリ28に記録しないように制限する。具体的に、静止画像撮影モードでは、CPU20は、他のタスクで撮影指示が発行されても、写真画像データを圧縮画像データに変換しないようにする。また、動画像撮影モードでは、CPU20は、他のタスクで撮影指示が発行されても、スルー画像をMPEGデータに変換しないようにする。なお、ステップS55の処理を実行するCPU20は、記録制限手段として機能する。
続いて、ステップS57では、撮影禁止のポップアップ66を表示し、ステップS61に進む。つまり、図4に示すように、「撮影は禁止されています」の文字列を含むポップアップ66をLCDモニタ26上に表示する。これによって、使用者は、撮影が制限されていることを認識できるようになる。なお、ステップS57の処理を実行するCPU20は、通知手段として機能する。
また、ステップS59では、画像データを記録する。つまり、撮影モードに応じて、圧縮画像データまたはMPEGデータをフラッシュメモリ28に記録する。
そして、ステップS61では、終了操作か否かを判断する。たとえば、終話キー22cが操作されたか否かを判断する。ステップS61で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、ステップS51に戻る。一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり終了操作がされれば、カメラ機能処理を終了する。
ここで、本願発明では、圧縮画像データまたはMPEGデータをフラッシュメモリ28に記録しないように制限するのではなく、撮影操作を無効化するようにしてもよい。具体的には、図8に示すカメラ機能処理におけるステップS55の処理の代わりに、図9に示すステップS71の処理を実行するようにする。以下、図9を参照して、撮影操作を無効化する処理について詳細に説明するが、すでに説明した処理については、簡単のため省略する。
ステップS53で“YES”であれば、ステップS71で撮影操作を無効化する。具体的に、静止画像撮影モードおよび動画撮影モードでは、CPU20は、メニューキー22bが押下されても、発行された撮影指示を受け付けないようにする。そして、ステップS71の処理が終了すると、ステップS57に進む。このように、携帯端末10は、撮影操作を無効化することで、カメラ機能による撮影を制限することができる。なお、ステップS71の処理を実行するCPU20は、撮影操作無効化手段として機能する。
<第2実施例>
第2実施例では、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38ではなく、光センサ42によって可視光通信源から禁止情報を取得したときに、カメラ機能による撮影を制限する。つまり、第2実施例では、光センサ42を可視光通信の受信手段として利用する。
なお、第2実施例では、第1実施例における、図1の携帯端末10の構成、図2の携帯端末10の外観を示す図解図、図3(A),(B)と図4とに示すLCDモニタ26に表示されるスルー画像の図解図および図5に示すRAM30のメモリマップ300については、同じであるため、重複した説明は省略する。
図10を参照して、或るオフィスの天井に設けられた照明から、可視光60a−60eが照射されており、この可視光60a−60eのそれぞれは、第1実施例と同様に、禁止情報を含む。また、イメージセンサ38の撮像面は開口OP3を介して紙Pに向けられ、LCDモニタ26には、紙P’を含むスルー画像が表示されている。そして、光センサ42は、可視光60bを受光している。
そして、禁止情報を含む可視光60bが光センサ42によって受光されているため、メニューキー22bが押下されても、LCDモニタ26には、図4に示すポップアップ66が表示され、紙Pを含む被写界の圧縮画像データまたはMPEGデータはフラッシュメモリ28に記録されない。つまり、イメージセンサ38が可視光60bを受光していなくても、携帯端末10は、第1実施例と同様に、カメラ機能による撮影を制限することができる。なお、図10に示す携帯端末10において、LCDモニタ26および光センサ42以外は、簡単のため、図示を省略する。
なお、光センサ42のセンサ部分は、複数のフォトセンサから構成されているため、使用するフォトセンサを切り換えることで、複数の可視光通信源から情報を取得することができる。つまり、第2実施例における携帯端末10は、第1実施例と同様に、禁止情報を取得している状態でも、他の可視光通信源からの情報を取得することができる。
また、第2実施例では、光センサ42が使用者の指で隠された場合にも、カメラ機能による撮影を制限することができる。具体的には、光センサ42が出力する輝度値が最小値になれば、カメラ機能による撮影を制限するようにする。さらに、第2実施例でも、第1実施例と同様に、撮影操作を無効化するようにしてもよい。
第2実施例におけるCPU20は、第1実施例と同様に、「Linux」および「REX」などのRTOSの制御下で、図11に示す可視光通信処理、図12に示す禁止情報確認処理および図8に示すカメラ機能処理などを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、図8に示すカメラ機能処理については、簡単のため詳細な説明は省略する。
図11は、第2実施例における可視光通信処理を示すフロー図である。たとえば、使用者がカメラ機能を実行する操作を行うと、ステップS81では、可視光通信を受信したか否かを判断する。つまり、光センサ42によって光信号を含む可視光60a−60eなどを受光したか否かを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまり可視光通信を受信していなければ、ステップS85に進む。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまり可視光通信を受信していれば、ステップS83で可視光通信源から発信されたデータを取得する。つまり、可視光に含まれる光信号をデコードし、デコードされた情報(データ)を可視光通信バッファ328に格納する。
ステップ85では、禁止情報確認処理を実行する。このステップS85の処理は、図12に示す禁止情報確認処理を示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは省略する。ステップS87では、終了操作か否かを判断する。このステップS87は、第1実施例のステップS15同様に、終了操作がされたか否かを判断する。ステップS87で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、ステップS81に戻る。一方、ステップS87で“YES”であれば、つまり終了操作がされれば、可視光通信処理を終了する。
図12は、第2実施例における禁止情報確認処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS85の処理が実行されると、ステップS91では、光センサ42の値が最小値であるか否かを判断する。つまり、光センサ42が指などで覆われて、可視光を受光できない状態であるか否かを判断する。ステップS91で“YES”であれば、ステップS33で禁止フラグ336をオンにする。一方、ステップS91で“NO”であれば、ステップS31で禁止情報を取得したか否かを判断する。なお、第2実施例における禁止情報確認処理において、ステップS31−S39の処理は、第1実施例と同様のため、詳細な説明は省略する。
なお、第2実施例では、光センサ42から出力される値が最小値になると、カメラ機能による撮影を制限するようにしたが、光センサ42から出力される値が急激に変化したときにもカメラ機能による撮影を制限するようにしてもよい。その他、光センサ42から出力される値を利用して、光センサ42に対する細工を検出して、カメラ機能による撮影を制限するようにしてもよい。
また、第2実施例の携帯端末10は、第1実施例と同様に、禁止情報を取得できるようにし、イメージセンサ38およびカメラ制御回路36、または光センサ42のいずれか一方で、禁止情報を取得した場合に、カメラ機能による撮影を制限するようにしてもよい。
以上の説明から分かるように、携帯端末10は、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38を備え、カメラ機能を実行することが可能である。また、携帯端末10は、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38、または光センサ42を利用して可視光通信源から情報(データ)を受信することができる。そして、携帯端末10は、可視光通信を利用して禁止情報を受信すると、カメラ機能による撮影を制限する。
これによって、携帯端末10は、禁止情報を含む光信号を受信すると、カメラ機能による撮影を制限することで、容易に実行される盗撮を防止することができる。
また、書店などの店員および店長は、店内の撮影が禁止されている場所において、天井に設けられた照明を利用して盗撮を防止することができるようになる。さらに、可視光60−64を照明として利用できるため、光源を設置する書店では、監視装置を設置する必要がなくなり、美観が保たれる。
そして、禁止情報は可視光を利用して送信されるため、盗撮防止を設定する書店などの店員および店長は、撮影が制限される範囲を容易に認識することができるようになる。
なお、本実施例では、スルー画像の更新周期は1000fpsとしたが、CPU20の処理負荷を軽減させるために15fpsとし、集中サンプリングを行うときのみ、更新周期を1000fpsとするようにしてもよい。また、カメラ機能のために専用のSDRAMを備えるようにしてもよい。
また、赤外線光を撮影可能なイメージセンサ38を備えることで、赤外線を発光する光源を利用して、可視光通信を行うようにしてもよい。また、イメージセンサ38は、CMOSイメージセンサではなく、CCDイメージセンサであってもよい。
さらに、ポップアップ66は、ポップアップ66の表示領域内で、タッチアンドリリースされなければ、消去されないようにしてもよい。また、光センサ42から出力される値は、LCDモニタ26の明るさを調節する制御に利用されてもよい。
また、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W‐CDMA方式、TDMA方式、PHS方式およびGSM方式などを採用してもよい。携帯端末10のみに限らず、カメラ機能を備えるPDA(Personal Degital Assistant)などの携帯情報端末などであってもよい。さらに、カメラ機能を備えない携帯端末10に対して、WEBカメラやモバイルカメラなどを取り付け、カメラ機能のソフトをインストールすることで、可視光通信を行えるようにしてもよい。
また、第1実施例および第2実施例に示す携帯端末10は、電子カメラであってもよい。そして、第1実施例が適用される電子カメラでは、光センサ42を備えていなくてもよい。また、第1実施例および第2実施例に示す携帯端末10は、タッチパネル34を備えるものとして説明したが、本発明の携帯端末としては、タッチパネルを備えないものであってもよい。
また、盗撮を防止する場所の一例として、上記説明では書店を挙げたが、本発明の盗撮を防止する場所としては書店に限定されるものではなく、この他にも、会社、映画館、コンサート会場、駅および学校など、その他の適宜な場所であってもよい。