JP5279582B2 - 負圧ポンプ - Google Patents
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Description
基本的なブレーキ操作は、ブレーキペダル200を踏むと、プッシュロッド201が押され、このプッシュロッド201でマスターシリンダ202を作動させ、ブレーキ油路203、203から高圧のブレーキ液を車輪ブレーキに供給することで行われる。一般的には操作者の操作力を軽減するために、倍力ブレーキ装置210が用いられる。
図17は従来の負圧ポンプの断面図であり、負圧ポンプ216では、モータ217でベーン付きロータ218を回すと、ポンプ入口部219が負圧になる。ポンプ入口部219を介して吸引された空気は、ベーン付きロータ218で加圧され、加圧された空気がカバー部220に溜められる。ここに溜められた空気は、ポンプ吐出口221から、大気へ放出される。
雨中走行中にモータ217が停止した場合には、水分がカバー部220内やベーン付きロータ218へ侵入し、作動性が損なわれる虞がある。
また、負圧ポンプ216では、水等の侵入を妨げるために、クランク通路222を設けているが、ポンプ吐出口221が1個であるため、一旦入った水等が抜けにくくなり、不具合の要因となる。
前記排気室は、複数の排気室が各々通孔にて直列に接続されると共に前記通孔を有する仕切部で仕切られて、少なくとも前記ポンプ部寄りに配置された第1排気室と、前記ポンプ部から最も遠い部位に配置された前記第2排気室とを備え、
前記第2排気室は、前記第1排気室より下方に設けられていると共に、平面視で矩形であって、
前記第2排気室の四隅に、空気を外へ排出する最終排気口が各々設けられていることを特徴とする。
図1に示されるように、本発明の負圧ポンプ10は、車両に備えられる負圧ブースタ11の負圧室12内を、負圧にする真空ポンプの一種である。
負圧ポンプ10を作動させると、負圧管13、負圧室12内及び変圧室19内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル20を踏むと負圧室12と変圧室19とが遮断され、変圧室19に空気が導入され、負圧室12と変圧室19との差圧により、ダイヤフラム14がリターンばね15を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド16を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。負圧ポンプ10は、車両の側のブラケット17にボルト18で固定される。
図2に示されるように、負圧ポンプ10は、モータ軸21がインボリュートスプライン軸であるモータ22と、このモータ22をビス23、23で取付けることができるねじ穴24、24を有するベースプレート25と、このベースプレート25の表面に設けられている第1雌ねじ穴26、26及び第2雌ねじ穴27、27に、合計4本の長いボルト28をねじ込むことで取付けられるポンプ部50と、このポンプ部50を覆うと共に、ベースプレート25の表面に設けられている第3雌ねじ穴29(合計4個)にビス71をねじ込むことで取付けられるカバー部70と、このカバー部70の入口部72に着脱可能に挿入される逆止弁100、フィルタ35及び接続部(接続部品)40と、からなる。
一方、カバー部70は、樹脂成形品とすることができる。樹脂成形品であれば、構造が複雑な排気室(詳細後述)を容易に製造することができる。
フィルタ35は、網部36の縁をリング部37で囲ってなる平板形状のものである。
カバー部70の一部が図左下へ筒形(この例では角筒形状)の排気室壁73が延ばされて、この排気室壁73の先端が排気室リッド74で閉じられている。
排気室90(図7)は、仕切部88によって複数の排気室、実施例では第1排気室97と第2排気室98に区画され、ロータ室51側から第1排気室97と第2排気室98が直列に配置されている。
そして、仕切部88には、環状凸部84の外側に障壁89(4個)が立てられている。
排気室壁73内に、4個の通孔85、86、86、87が設けられ、排気時に排出流体(空気)が図面奥から手前に流される。排出流体は、矢印(1)や矢印(2)のルートを通って最終排気口81から排出される。
図7に示すように、モータ22のフランジ93とベースプレート25との間はOリングなどのシール材94によりシールされている。同様に、カバー部70とベースプレート25との間もシール材95によりシールされている。また、カバー部70と前蓋61との間がシール材96によりシールされている。
このロータ57を収納するケース54の下方に第1排気室97が設けられ、この第1排気室97の下方に第2排気室98が設けられている。
先ず、接続部40は、カバー部70の入口部72に上から挿入することで取り外し可能に備えられ、逆止弁100は、カバー部70の入口部72に収納した状態で、接続部40で固定されている。なお、上下、前後は、図中に明示した矢印による。
そして、接続部40と逆止弁100で、フィルタ35が挟まれている。
モータ軸21にロータ57が取付けられ、このロータ57にベーン58が移動自在に取付けられ、このロータ57をケース54に収納し、このケース54をカバー部70で囲った形態が明示されている。そして、係合部82に爪78が係合することで、排気室壁73の開口に排気室リッド74が取外し不能に取付けられていることが分かる。
図10(a)に示すように、ボルト穴59a〜59d(位置を明確にするために、符号59にa〜dを添えた。)は、少なくとも1つ、実施例では2つのボルト穴59b、59dが、位相をずらして配置されている。
図11に示すように、第1雌ねじ穴26に、位置決め中空ピン34を挿入する。次に、底蓋66のボルト穴62及びケース54のボルト穴52の下端を、位置決め中空ピン34の上半部に嵌合する。次に前蓋61をケース54載せて、この状態で、ボルト28を第1雌ねじ穴26にねじ込む。
2本の位置決め中空ピン34、34は、図8に示すように、いわゆる対角に配置されているため、図8の紙面方向(モータ軸21直角方向)での、ベースプレート25に対するケース54の位置決めが正確になされる。
図12に示されるように、第1排気室97の床を構成する仕切部88の上面は、上段部88aと下段部88bとからなる、階段形状とされている。そして、上段部88aに、第1排気室97と第2排気室98とを繋ぐ第1通孔85が設けられ、下段部分88bに、第1排気室97と第2排気室98とを繋ぐ第2通孔86と第3通孔87が設けられている。
加えて、底蓋66に設けられているアウト溝65は、底蓋66の最下位位置に配置されている。
また、水が第1排気室97に侵入したとしても、先ず、第3通孔87が塞がれるが、第1通孔85及び第2通孔86は開状態が保たれるため、負圧ポンプの排気性能が維持される。
さらに、水で第2通孔86が塞がれたとしても、第1通孔85は、開状態が保たれるため、負圧ポンプの排気性能が維持される。
図13に示すように、逆止弁100は、ニードル101を有する傘状の弁体102と、この弁体102が上昇して被さることで流路103を閉じる弁座部104と、この弁座部104を一体的に有し且つ弁体102を移動自在に収納する弁箱105とからなる。なお、弁箱105は、シール材106を備えた箱基部107と、通孔108を有し、弁体102を移動可能に収納し、箱基部107に嵌込まれるケース部109とで構成されている。
弁体102は、負圧ポンプの作動時においてリターンスプリング102aにて閉弁方向に付勢される。
ここで、逆止弁100とポンプ部50との間の閉空間(ほぼ、前蓋61の外面とカバー部70の内面で囲われる空間に相当)を、吸入室110と呼ぶ。この吸入室110の容積をV1とする。
また、ポンプ部50を便宜的に、二分し、前蓋61側の容積をV2、底蓋66側の容積をV3とする。更に、第1排気室97の容積をV4、第2排気室98の容積をV5とする。
すなわち、容積V3〜V5の領域から、容積V1〜V2の領域へ空気の供給が行われ、全ての領域が大気圧に戻るように変化する。
モータ22の停止に伴って、空気の移動が起こるが、(V1+V2)<(V3+V5)であるため、容積V5に余剰が発生する。
図15(b)は、負圧ポンプ10の正面図であり、この負圧ポンプ10が矢印(20)のように回転(ローリング)することがある。このときには、左側面図である図15(a)に示す最終排気口81L、81L(Lは左を示す添え字。)が上昇する。このことによって、右側面図である図15(c)に示す最終排気口81R、81R(Rは右を示す添え字)から水分が排出されると共に、図15(a)の最終排気口81L、81Lからは排気が継続される。
このように、4個の最終排気口81を巧みに配置したことにより、負圧ポンプ10が傾いても、排気が継続可能となる。
本発明は、図14に示すように、ポンプ部50の出口側(排気側)に排気室97、98を備え、これらの排気室97、98を介して空気を外へ排出する負圧ポンプであって、
前記排気室97、98は、複数の排気室97、98が各々通孔にて直列に接続されると共に前記通孔85〜87(図12)を有する仕切部88(図12)で仕切られて、少なくとも前記ポンプ部50寄りに配置された第1排気室97と、前記ポンプ部50から最も遠い部位に配置された前記第2排気室98とを備え、前記第2排気室98に、空気を外へ排出する最終排気口最終排気口81、81(図12)が設けられていることを特徴とする。
この発明では、ポンプ部50の出口側に排気室は、少なくともポンプ部50寄りに配置された第1排気室97と、ポンプ部50から最も遠い部位に配置された第2排気室98とを備えているため、万一、第2排気室98へ外から水等が侵入しても、ポンプ部50に近い方の第1排気室97への浸水を遅らせることができ、ポンプ部50への水等の侵入を抑制することができる。
この発明では、第1排気室97が第2排気室98の上方に位置するため、上方の第1排気室97への浸水を、より効果的に抑制することができる。
一部の最終排気口81R(又は81L)が水や異物等によって閉塞されても、残りの最終排気口81L(又は81R)から第2排気室98に侵入した水等を排出することができると共に、残りの最終排気口81L(又は81R)から外へ排気もまたすることができ、負圧ポンプの排気性能が維持される。
図15に示すように、負圧ポンプ10が傾斜した場合に、上位の最終排気口81L(又は81R)から排気し、下位の最終排気口81R(又は81L)から水等を排出させることができる。
また、本実施例は、負圧ポンプとしてベーンポンプを説明したが、負圧ポンプはベーンポンプに限られるものではない。
さらに、本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適であるが、用途を格別に限定するものではなく、一般機械用、汎用機械用、一般設備用に適用することは差し支えない。
Claims (1)
- ポンプ部の出口側に排気室を備え、この排気室を介して空気を外へ排出する負圧ポンプであって、
前記排気室は、複数の排気室が各々通孔にて直列に接続されると共に前記通孔を有する仕切部で仕切られて、少なくとも前記ポンプ部寄りに配置された第1排気室と、前記ポンプ部から最も遠い部位に配置された前記第2排気室とを備え、
前記第2排気室は、前記第1排気室より下方に設けられていると共に、平面視で矩形であって、
前記第2排気室の四隅に、空気を外へ排出する最終排気口が各々設けられていることを特徴とする負圧ポンプ。
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