JP5276465B2 - 超音波診断装置及び医療システム - Google Patents

超音波診断装置及び医療システム Download PDF

Info

Publication number
JP5276465B2
JP5276465B2 JP2009032438A JP2009032438A JP5276465B2 JP 5276465 B2 JP5276465 B2 JP 5276465B2 JP 2009032438 A JP2009032438 A JP 2009032438A JP 2009032438 A JP2009032438 A JP 2009032438A JP 5276465 B2 JP5276465 B2 JP 5276465B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
specific
blood flow
depth
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009032438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010187732A (ja
Inventor
隆也 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Aloka Medical Ltd filed Critical Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority to JP2009032438A priority Critical patent/JP5276465B2/ja
Publication of JP2010187732A publication Critical patent/JP2010187732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5276465B2 publication Critical patent/JP5276465B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

本発明は、超音波診断装置及び医療システムに関し、特に、生体に対するプローブの位置的関係を適正化するための技術に関する。
生体内の注目組織の超音波診断を行う場合、表示された断層画像が所望のものとなるように、生体表面に対するプローブの位置的関係、つまり当接位置及び当接姿勢が調整される。注目組織の良好な断層画像を迅速に得るためには熟練を要し、熟練者であってもプローブの位置決めに時間を要することもある。
一方、近時、遠隔診断技術が普及しつつある。超音波診断の分野においては、被検者側でプローブを用いた送受波を行って、その場から受信データ又は画像データを通信回線を使って伝送し、医者が遠隔地において画像観察を行いながら超音波診断を行うシステムの実用化が望まれている。その場合において、被検者側でプローブの位置決めをロボットが行う場合には注目組織に走査面を正しく位置決めするための技術が必要となる。被検者側で補助者がプローブの位置決めを行う場合にもそれを支援する技術が要望される。
なお、特許文献1には、走査面の位置を変更した場合における断層画像上における血管断面の面積の変動を利用して、血管中心軸に対して走査面を直交させるための技術が開示されている。特許文献2,3には、CW(連続波)ドプラ法とPW(パルス)ドプラ法の併用により最高流速部位を特定することが開示されている。
特開2004−229823号公報 特開昭61−193649号公報 特開2000−41983号公報
本発明の目的は、プローブを適正な位置に確実あるいは簡便に位置決めることができるようにすることにある。
本発明に係る超音波診断装置は、第1超音波ビームの方向を変化させることにより生体内の注目血流部位が存在する特定ビーム方向を探し出す方向探索工程において、ビーム深さ方向の広い範囲にわたって同時に血流情報を観測可能な第1超音波ビームが生成されるようにする第1制御手段と、前記特定ビーム方向において前記注目血流部位が存在する特定深さを探索する深さ探索工程において、ビーム深さ方向における各深さ位置で局所的に血流情報を観測可能な第2超音波ビームが前記特定ビーム方向に生成されるようにする第2制御手段と、前記特定ビーム方向を回転中心として第3超音波ビームの走査により形成されるビーム走査面を回転させ、各回転角度でのビーム走査面上において前記特定ビーム方向及び前記特定深さにより定まる基準点を含む血流断面領域を抽出することにより、前記注目血流部位に対するビーム走査面の最適回転角度を探し出す角度探索工程において、前記ビーム走査面を形成するための第3超音波ビームが生成されるようにする第3制御手段と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、まず、第1超音波ビームが生成されて、それを生体内で移動させることにより、注目血流部位を通過する特定ビーム方位が探索される。第1超音波ビームの走査は、電子的に行うこともできるし、機械的に行うこともできる。マニュアル走査も考えられる。第1超音波ビームは、ビーム深さ方向の広い範囲にわたって血流情報(ドプラ情報)を観測可能なものであり、望ましくは、連続的に生成される連続波ドプラビームである。ここで、ビーム深さ方向の実質的な全体が同時に観測対象となるのが望ましく、あるいは、血流存在可能性のある範囲の全部が同時に観測対象となるのが望ましい。連続波ドプラビームは、通常、距離分解能を有せず、送信ビーム及び受信ビームの総合ビームとして観念されるものである(なお、第2超音波ビーム及び第3超音波ビームも送受総合ビームである)。特定ビーム方位が探索されると、当該方位に対して第2超音波ビームが形成される。この第2超音波ビームは各深さ位置において血流情報の個別観測を行えるものであり、距離分解能をもったビームとして構成され、それは例えばパルスドプラビームである。つまり、局所観測のためのサンプルゲートを深さ方向に電子的にスキャン可能なものである。例えば頸動脈のような血流においては、一般に、その中心において最も流速が大きく、そこから周辺へ離れるのに従って流速が低下する。最高流速の探索は血流中心の探索に相当する。特定ビーム方位及び特定深さが探索されると、特定ビーム方位を中心としてビーム走査面が回転走査される。それは機械的に又は電子的になされる。マニュアル回転も考えられる。ビーム走査面は第3超音波ビームの走査によって形成されるものである。第3超音波ビームは断層画像を形成するためのビームであり、その場合、断層画像はBモード画像であってもよいし、カラードプラ画像(カラーフローマッピング画像)であってもよい。断層画像上においては注目する血管の断面領域が現れる。各回転角度において断層画像上において血流領域(血流断面領域)が特定、抽出される。特定ビーム方位上における特定深さによって基準点(基準座標)を定義できるから、望ましくは、その基準点を含む閉じた領域として血流領域が特定される。回転角度の変化にと伴って血流領域の現れ方が変化することになるので、それを利用して最適な回転角度を判定することが可能である。例えば、血管の横断面(血管中心軸と直交する断面)又は縦断面(血管中心軸を含む断面)が表示されるように回転角度が判定されてもよい。なお、各決定(判定)を自動化するのが望ましいが、それを操作者が行う場合、ガイダンス音を出力するようにしてもよい。その場合、血流速度に応じて音量あるいは音色を変化させてもよい。この方法によれば熟練者でなくてもプローブを適正な位置に容易に位置決めることが可能となる。
望ましくは、前記方向探索工程では、プローブの当接位置を変更することにより、あるいは、プローブに対する前記第1超音波ビームの方向を変更することにより、生体内において前記第1超音波ビームが走査され、前記第1超音波ビームを走査した場合における最高流速が観測されるビーム方向として前記特定ビーム方向を判定する第1判定手段が設けられる。例えば、CWドプラ波形に基づいて最高流速が特定されてもよい。望ましくは、前記方向探索工程において生体表面上でのプローブ当接位置を変更するロボットが設けられる。ビーム方位を変更しながらリアルタイムで最高流速の判定を行うのが望ましい。
望ましくは、前記深さ探索工程では、前記特定ビーム方向において前記第2超音波ビームが繰り返し生成され、且つ、前記特定ビーム方向に沿って血流情報を局所的に観測するためのサンプルゲートが走査され、前記サンプルゲートを走査した場合における最高流速が観測される深さとして前記特定深さを判定する第2判定手段が設けられる。 例えば、PWドプラ波形に基づいて最高流速が判定されてもよい。望ましくは、前記角度探索工程において前記ビーム走査面の回転に伴う前記血流断面領域の状態の変化に基づいて前記最適回転角度を判定する第3判定手段が設けられる。血流断面領域の状態は面積、形状(例えば扁平率)、平均輝度等によって評価可能である。望ましくは、前記角度探索工程において前記プローブを回転させるロボットが設けられる。
また、本発明は、ローカル装置とリモート装置とを有する医療システムにおいて、前記ローカル装置は、生体に対する超音波診断を行うためのプローブと、前記プローブを保持する機構であって前記生体に対するプローブの位置関係を変更するロボットと、を含み、前記リモート装置は、前記生体に対する超音波診断の結果を表示する表示器を含み、当該医療システムは、更に、前記プローブ及び前記ロボットの動作を制御する制御手段を含み、前記制御手段は、第1超音波ビームの位置を変化させることにより生体内の注目血流部位が存在する特定ビーム方向を探し出す方向探索工程において、ビーム深さ方向の広い範囲にわたって同時に血流情報を観測可能な第1超音波ビームが生成されるようにする第1制御手段と、前記特定ビーム方向において前記注目血流部位が存在する特定深さを探索する深さ探索工程において、ビーム深さ方向における各深さ位置で局所的に血流情報を観測可能な第2超音波ビームが前記特定ビーム方向に生成されるようにする第2制御手段と、前記特定ビーム方向を回転中心として第3超音波ビームの走査により形成されるビーム走査面を回転させ、各回転角度でのビーム走査面上において前記特定ビーム方向及び前記特定深さにより定まる基準点を含む血流断面領域を抽出することにより、前記注目血流部位に対するビーム走査面の最適回転角度を探し出す角度探索工程において、前記ビーム走査面を形成するための第3超音波ビームが生成されるようにする第3制御手段と、を含むことを特徴とする。医療システムはそれ全体として超音波診断装置として機能するものであるが、リモート装置が超音波診断装置として構成されてもよい。装置間の信号伝送は汎用又は専用の通信回線を利用することもできるし、無線方式を利用することもできる。リモート装置が病院に設置され、ローカル装置が患者のいる場所に設置されてもよい。患者の近くにプローブ操作を行える者が不在であっても、ロボットの遠隔制御により、走査面を適正な位置に位置決められる。上記の制御手段は、リモート装置及びローカル装置のいずれにあってもよく、あるいは両者にまたがって存在してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、プローブを適正な位置に確実あるいは簡便に位置決めることができる。
本発明に係る医療システムの好適な実施形態を示すブロック図である。 方向探索工程における第1超音波ビームの形成を説明するための図である。 方向探索工程における連続波ドプラ波形の解析を説明するための図である。 深さ探索工程における第2超音波ビームの形成を説明するための図である。 深さ探索工程におけるパルスドプラ波形の解析を説明するための図である。 角度探索工程における走査面の回転を説明するための図である。 角度探索工程におけるプロファイルの解析を説明するための図である。 図1に示したシステムの動作例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る医療システムの好適な実施形態が示されており、図1はシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係る医療システムは超音波診断装置として構成されている。ただし、以下に説明するリモート装置が超音波診断装置によって構成されてもよい。
医療システムは大別してローカル装置10およびリモート装置12により構成される。ローカル装置10は患者あるいは被検者が存在する施設内に設置されるものであり、リモート装置は例えば医師が常駐する病院等に設置されるものである。
ローカル装置10は、プローブ14を有する。本実施形態において、プローブ14は複数の振動素子からなる1Dアレイ振動子を備えている。プローブ14に2Dアレイ振動子を設けるようにしてもよい。1Dアレイ振動子により超音波ビームが形成され、その超音波ビームは必要に応じて電子的に走査される。その走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査等が知られている。本実施形態に係る医療システムにおいては、第1超音波ビームとして連続波(CW)ドプラビーム、第2超音波ビームとしてパルス(PW)ドプラビーム、第3超音波ビームとして断層画像形成用パルスビームが利用される。なお、超音波ビームは、送信ビームおよび受信ビームを合成することにより観念される送受総合ビームである。
図1に示されるように、プローブ14は本実施形態においてロボット16によって保持されている。ロボット16は多関節機構18を有し、プローブ14をX方向、Y方向およびZ方向に移動させることが可能である。また、プローブ14をX軸まわり、Y軸まわりおよびZまわりにおいて回転させることができる。すなわち、ロボット16によれば、プローブ14の当接位置および当接姿勢を自在に定めることができる。
符号20は生体すなわち被検体を表しており、符号22は被検体内の血管を表している。プローブ14の送受波面は生体表面20上に当接される。ここで血管22はたとえば頸動脈である。符号24は超音波ビームを表しており、符号26は超音波ビームを電子的に走査することにより形成される走査面を表している。ちなみに、プローブ14の送受波面と生体表面20Aとの間にカップリング媒体などを設けるようにしてもよい。すなわち、プローブ14の位置や姿勢によらずに生体に対する良好な音響伝搬を確保できるように構成するのが望ましい。
送受信部28は、送信ビームフォーマーおよび受信ビームフォーマーとして機能するものである。CWドプラモードにおいては送受信部28から送信信号が連続的に出力され、同時に、送受信部28においては連続的に入力される受信信号が処理される。PWドプラモードにおいては、送信時において、送受信部28から送信パルスが出力され、一方、生体内からの反射放を受波することにより生成された受信信号が送受信部28において処理される。このことは断層画像を形成するBモードにおいても同様である。送受信モードの切り替えはローカル制御部32の制御によってなされている。
信号処理部30は、送受信部28から出力される整相加算後の受信信号に対して検波処理等を適用するモジュールである。本実施形態においては、検波処理後の受信信号が通信部34を経由してリモート装置へ送られているが、ローカル装置10において超音波画像(CWドプラ波形、PWドプラ波形、Bモード断層画像)を形成したうえで、その画像データを通信部30を介してリモート装置12へ送るようにしてもよい。
ローカル制御部32は、ローカル装置10における各構成の動作制御を行っている。特に、ローカル制御部32は、ロボット16の動作を制御している。ちなみに、ロボット16には複数の位置センサが設けられており、それらの出力信号がローカル制御部32に与えられている。ローカル制御部32には必要に応じて入力部36および表示部38が接続される。ちなみに、ロボット16を利用することなくマニュアルでプローブの位置や姿勢を変更するような場合には、ローカル制御部32にスピーカ等の報知手段を接続し、それによってユーザに対してガイダンス情報を提供するようにしてもよい。
通信部34は、専用線または汎用線に接続されている。すなわち有線により受信データがリモート装置12へ送られる。もちろん無線方式によって情報転送を行うようにしてもよい。リモート装置12からは制御情報が通信部34を介してローカル制御部32に与えられる。ローカル制御部32は、そのような制御情報に基づいて送受信モードの切り替えやロボット16の動作制御を行っている。
次に、リモート装置12について説明する。通信部40から入力される受信データは動作モードに応じて、連続波ドプラ計測部42、パルスドプラ計測部44、又は断層計測部46に送られる。連続波ドプラ計測部42は、連続波ドプラモードにおいて連続波ドプラ波形を形成するものである。パルスドプラ計測部44は、パルスドプラモードにおいてパルスドプラ波形を形成するものである。断層計測部46は、Bモードにおいて二次元断層画像であるBモード画像を生成するものである。断層計測部46は本実施形態においてデジタルスキャンコンバータ等を有している。断層計測部46がカラードプラ画像を形成するモジュールであってもよい。その場合においては、白黒断層画像とカラー血流画像とが合成されたカラードプラ画像が生成される。各計測部42,44,46からの出力信号はリモート制御部48および表示処理部50へ送られている。
リモート制御部48は、リモート装置12内の各構成の動作制御を行うと共に、各動作モードにおいて送受信制御およびデータ演算を実行している。その具体的な内容は図2以降の各図を用いて詳述することにする。表示処理部50は表示部54に表示する画像処理を行うモジュールである。表示部54には必要に応じて連続波ドプラ波形、パルスドプラ波形および断層画像が表示される。ただし、本実施形態において各波形および断層画像の解析はリモート制御部48によってなされている。リモート制御部48には入力部52が接続されている。
次に、図2乃至図8を用いて図1に示したシステムの動作、特にリモート制御部48が有する制御機能および演算機能について説明する。
まず、図2および図3を用いて方向探索工程について説明する。方向探索工程では、図2に示されるように、プローブ14によって形成される連続波ドプラビーム56が生体20の内部において走査され、これによって血管22の中心軸を通過する特定ビーム方位が探し出される。この場合においては、図2に示されるように、連続波ドプラビーム56を平行運動させるようにしてもよいし(符号56Aおよび符号56B参照)、それを偏向走査するようにしてもよい(符号56C参照)。すなわち、体内においてさまざまな位置に連続波ドプラビーム56を向けることにより血管22を探し出すことが可能である。
方向探索工程におけるビーム走査は、本実施形態においてロボットの作用によって機械的に行われているが、それを電子的に行うことも可能である。場合によっては、マニュアルにより行うことも可能である。
図3には、方向探索工程において生成される連続波ドプラ波形58が示されている。横軸は時間軸であるが、それは同時にビーム方向の時間的変化を表している。連続波ドプラ波形58に対してはいわゆるオートトレース処理が適用され、エンベロープが生成される。そのエンベロープのピークを特定することにより、特定ビーム方位θ1を判定することが可能である。すなわち最高血流が生じた時点でのビームアドレスとして特定ビーム方位を見定めることが可能である。この判定は本実施形態において自動的に実行されている。ちなみに、図2に示した連続波ドプラビーム56の走査と図3に示したピーク探索つまり方向探索をリアルタイムで同時に進行させるのが望ましい。このように、注目する血流の中心軸を通過する特定ビーム方向が探索されると、次に深さ探索工程が実行される。
図4および図5を用いて深さ探索工程について説明する。図4においては、プローブ14から第2超音波ビームであるパルスドプラビーム60が形成されている。そのパルスドプラビーム60が形成されている方向は上記によって特定された特定ビーム方向θ1である。すなわち当該方向にパルスドプラビーム60が繰り返し形成されるようにプローブ14の位置および姿勢が保持され、また送受信制御が実行される。そして当該方向θ1に沿ってサンプルゲート62がその深さを変化させながら段階的に設定される。サンプルゲート62はドプラ情報を取り出すためのゲートであり、すなわち局所的にドプラ情報を観測するためにサンプルゲートのスキャンが実行される。
図5には、パルスドプラ波形62が示されている。横軸は時間軸であるが、それは同時にサンプルゲートの深さに対応している。パルスドプラ波形62において最高流速となるピークが特定されこれによって特定深さd1が判定される。すなわちその深さd1は血流における中心軸に相当する深さである。このようにして特定深さd1が判明すると、次に角度探索工程が実行される。
図6および図7を用いて角度探索工程について説明する。図6において、符号66は特定ビーム方向θ1に相当する中心軸を表している。この中心軸66を回転軸として走査面64が回転される。走査面64は第3超音波ビームであるパルスビームを電子的に走査することにより形成されるものである。図においては血管の断面22Aが表されており、すなわち血流断面領域70が表れている。中心軸66上には深さd1の地点に基準点68が示されている。この基準点68は特定ビーム方位θ1および特定深さd1によって定義されるものであり、この基準点68を含む領域として血流断面領域70が定義される。当該領域70の抽出にあたっては基準点68を利用して公知のラベリング法等を用いればよい。すなわち基準点68を含む閉じた領域として血流断面領域70が各フレームごとにすなわち各回転角度ごとに抽出される。
図7には、適正な回転角度を決定するための方法が示されている。(A)は回転角度に対する面積Aの変化を表している。この面積Aは血流断面領域の面積である。回転角度の変化に伴い面積が変動している。ここでそのようなプロファイルにおいて最も低いところが血管の横断面に相当し、それが回転角度φ1で表されている。一方、プロファイルのピークは血管の縦断面に相当し、それが生じる回転角度がφ2で表されている。このように各回転角度ごとに面積を演算することにより、その推移から適正な回転角度すなわち断層画像として観察する際における走査面の適正位置を判定することが可能である。
一方、図7の(B)には真円率εの変化が示されている。すなわち走査面上における血流断面領域の水平方向の長さと垂直方向の長さとから真円率を定義することができる。この真円率は扁平率の逆数である。真円率がピークとなる地点は血管の横断面に相当すると認められ、その地点が図7において回転角度φ1で表されている。一方、真円率が最も低くなる地点が血管の縦断面に相当すると認められ、それが図7においてφ2で表されている。このように、面積以外の他の情報、特に血管の状態を表す情報の変化を観察することにより、適正な走査面の回転角度を容易に特定することが可能である。いずれの場合においても、本実施形態においては中心軸を適正に定めることができるので、また基準点を見定めることができるので、誤りなく適正な回転角度を探索することが可能である。
図8には、以上説明した一連の動作がフローチャートとして示されている。S101では、最初にCWモードが設定され、第1超音波ビームとしてのCWドプラビームを利用して血流が探索される。具体的には血流における中心を通過する特定ビーム方位が探索される。その際においては、リモート装置からローカル装置にロボットの動作指令が出され、またリモート装置においては連続波ドプラ波形の解析が実行される。S102では連続波ドプラ波形の解析により特定ビーム方向θ1が決定される。
S103ではPWモードが選択され、上記のビーム方向θ1に沿って第2超音波ビームとしてのパルスドプラビームが形成される。そして、上述したように当該ビーム上においてサンプルゲートのスキャンが実行される。S104では、サンプルゲートのスキャンにともなって生成されるパルスドプラ波形が解析され、そのピーク地点として特定の深さd1が決定される。
S105においては、Bモードが選択され、特定のビーム方位θ1を回転中心として走査面を回転させる制御が実行される。それに伴い各回転角度において走査面上に表れるすなわちBモード画像上に表れる血管断面領域の面積が演算される。その場合においては、血流断面領域がθ1およびd1で特定される基準点を含む領域として認識される。S106では、面積演算の結果を表すプロファイルが解析され、それに基づいて適正な回転角度φ1が決定される。上述したように面積演算の結果ではなく他の情報に基づいてφ1を決定するようにしてもよい。
S107では以上のように決定された回転角度φ1で走査面が固定的に繰り返し形成され、通常通りBモード画像による超音波診断が実行される。S108では再度方向探索工程からの各工程を再び実行するか否かが判断されている。なお、S107における画像診断の過程においてあるいはその前後において、走査面を当該走査面と直交する方向にすなわち前後方向に移動させるスキャン(S109参照)を行わせるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態に係る医療システムによれば、血管の横断面あるいは縦断面を自動的にかつ適切に定めることが可能である。上述した実施形態においては1Dアレイ振動子が利用されていたが、2Dアレイ振動子を用いればプローブを運動させることなくビームを電子的に移動させることが容易となる。上述した実施形態においては各工程が完全に自動化されており、すなわち頸動脈に対してプローブすなわち走査面を適正に自動的に位置決めることが可能であるが、プローブをマニュアルで移動させるようにすることも可能である。その場合においてはドプラ波形上のピークをユーザーに認識させるために上述したように音を出力するようにしてもよい。また適正角度をユーザーに認識させるために音を出力するようにしてもよい。
10 ローカル装置、12 リモート装置、14 プローブ、16 ロボット、20 生体、32 ローカル制御部、42 連続波ドプラ計測部、44 パルスドプラ計測部、46 断層計測部、48 リモート制御部。

Claims (8)

  1. 第1超音波ビームの方向を変化させることにより生体内の注目血流部位が存在する特定ビーム方向を探し出す方向探索工程において、ビーム深さ方向の広い範囲にわたって同時に血流情報を観測可能な第1超音波ビームが生成されるようにする第1制御手段と、
    前記特定ビーム方向において前記注目血流部位が存在する特定深さを探索する深さ探索工程において、ビーム深さ方向における各深さ位置で局所的に血流情報を観測可能な第2超音波ビームが前記特定ビーム方向に生成されるようにする第2制御手段と、
    前記特定ビーム方向を回転中心として第3超音波ビームの走査により形成されるビーム走査面を回転させ、各回転角度でのビーム走査面上において前記特定ビーム方向及び前記特定深さにより定まる基準点を含む血流断面領域を抽出することにより、前記注目血流部位に対するビーム走査面の最適回転角度を探し出す角度探索工程において、前記ビーム走査面を形成するための第3超音波ビームが生成されるようにする第3制御手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記第1超音波ビームは連続的に生成される連続波ドプラビームであり、
    前記第2超音波ビームは繰り返し生成されるパルスドプラビームであり、
    前記第3超音波ビームは繰り返し生成される断層画像形成用パルスビームである、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記方向探索工程では、プローブの当接位置を変更することにより、あるいは、プローブに対する前記第1超音波ビームの方向を変更することにより、生体内において前記第1超音波ビームが走査され、
    前記第1超音波ビームを走査した場合における最高流速が観測されるビーム方向として前記特定ビーム方向を判定する第1判定手段が設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記方向探索工程において生体表面上でのプローブ当接位置を変更するロボットが設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項2記載の装置において、
    前記深さ探索工程では、前記特定ビーム方向において前記第2超音波ビームが繰り返し生成され、且つ、前記特定ビーム方向に沿って血流情報を局所的に観測するためのサンプルゲートが走査され、
    前記サンプルゲートを走査した場合における最高流速が観測される深さとして前記特定深さを判定する第2判定手段が設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項2記載の装置において、
    前記角度探索工程において前記ビーム走査面の回転に伴う前記血流断面領域の状態の変化に基づいて前記最適回転角度を判定する第3判定手段が設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    前記角度探索工程において前記プローブを回転させるロボットが設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. ローカル装置とリモート装置とを有する医療システムにおいて、
    前記ローカル装置は、生体に対する超音波診断を行うためのプローブと、前記プローブを保持する機構であって前記生体に対するプローブの位置関係を変更するロボットと、を含み、
    前記リモート装置は、前記生体に対する超音波診断の結果を表示する表示器を含み、
    当該医療システムは、更に、前記プローブ及び前記ロボットの動作を制御する制御手段を含み、
    前記制御手段は、
    第1超音波ビームの位置を変化させることにより生体内の注目血流部位が存在する特定ビーム方向を探し出す方向探索工程において、ビーム深さ方向の広い範囲にわたって同時に血流情報を観測可能な第1超音波ビームが生成されるようにする第1制御手段と、
    前記特定ビーム方向において前記注目血流部位が存在する特定深さを探索する深さ探索工程において、ビーム深さ方向における各深さ位置で局所的に血流情報を観測可能な第2超音波ビームが前記特定ビーム方向に生成されるようにする第2制御手段と、
    前記特定ビーム方向を回転中心として第3超音波ビームの走査により形成されるビーム走査面を回転させ、各回転角度でのビーム走査面上において前記特定ビーム方向及び前記特定深さにより定まる基準点を含む血流断面領域を抽出することにより、前記注目血流部位に対するビーム走査面の最適回転角度を探し出す角度探索工程において、前記ビーム走査面を形成するための第3超音波ビームが生成されるようにする第3制御手段と、
    を含むことを特徴とする医療システム。
JP2009032438A 2009-02-16 2009-02-16 超音波診断装置及び医療システム Expired - Fee Related JP5276465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009032438A JP5276465B2 (ja) 2009-02-16 2009-02-16 超音波診断装置及び医療システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009032438A JP5276465B2 (ja) 2009-02-16 2009-02-16 超音波診断装置及び医療システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010187732A JP2010187732A (ja) 2010-09-02
JP5276465B2 true JP5276465B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=42814469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009032438A Expired - Fee Related JP5276465B2 (ja) 2009-02-16 2009-02-16 超音波診断装置及び医療システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5276465B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109640827B (zh) * 2016-03-23 2022-04-29 皇家飞利浦有限公司 用于改善血液流速的测量的方法和装置
CN108814649B (zh) * 2018-07-05 2024-04-05 河南省计量测试科学研究院 多普勒超声诊断仪血流波形模体及校准方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000041983A (ja) * 1998-05-25 2000-02-15 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置
JP2006081640A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 超音波撮像装置、画像処理装置およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010187732A (ja) 2010-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5435751B2 (ja) 超音波診断装置、超音波送受信方法、および超音波送受信プログラム
JP5420884B2 (ja) 超音波診断装置
JP2006255083A (ja) 超音波画像生成方法および超音波診断装置
KR20060080346A (ko) 임의 m-모드 영상을 디스플레이하는 초음파 진단 시스템및 방법
JP2009061086A (ja) 超音波診断装置、並びに、画像処理方法及びプログラム
JP2010088486A (ja) 超音波診断装置
JP2008073423A (ja) 超音波診断装置、診断パラメータ計測装置及び診断パラメータ計測方法
JP2011182933A (ja) 超音波診断装置及び関心領域設定用制御プログラム
WO2019058753A1 (ja) 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
JP5276465B2 (ja) 超音波診断装置及び医療システム
JP5179812B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置、及び超音波画像処理プログラム
JP2009261520A (ja) 超音波撮像装置
JP2009142544A (ja) 超音波診断装置
JP2008289548A (ja) 超音波診断装置及び診断パラメータ計測装置
JP5202916B2 (ja) 超音波画像診断装置およびその制御プログラム
JP2010088584A (ja) 超音波診断装置
KR20180096342A (ko) 초음파 영상장치 및 그 제어방법
JP5317395B2 (ja) 超音波診断装置および超音波診断画像表示方法
WO2004028372A1 (ja) 超音波診断装置及び超音波診断装置の表示体の移動制御方法
JP6318587B2 (ja) 超音波診断装置及び超音波診断装置の制御方法
JP2009233197A (ja) 超音波検診装置
JP5503862B2 (ja) 超音波診断装置
JP2009284941A (ja) 超音波装置
JP2010158473A (ja) 超音波画像診断装置
EP3705051A1 (en) Ultrasonic imaging apparatus and method of controlling the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120117

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130509

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5276465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees