以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
以下、図1乃至図16を参照して第1の実施形態について説明する。
図1は第1の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成を示すブロック図である。
第1の実施形態の機器使用状況管理システムは、申告装置1、下位集計装置2、上位集計装置3および記録・警報装置4を含む。
申告装置1は、管理対象となる電気機器の電源プラグに取り付けられる。申告装置1は、取り付け先の電気機器が使用される際にコンセント5に差し込まれる。コンセント5は、電気機器に電力を供給するための電源系統6に取り付けられている。申告装置1は、電源系統6を介して供給される電力を電気機器に供給する。申告装置1は、ユニークな機器識別情報を含んだ申告情報を電源系統6の上流側へ出力する。
下位集計装置2は、上位集計装置3が取り付けられる電源系統6よりも下流側の電源系統6のそれぞれにつき1つずつが接続されている。下位集計装置2は、接続されている電源系統6のコンセントに差し込まれた申告装置1から出力される申告情報を取得する。下位集計装置2は、申告情報を受けると、接続されている電源系統6に対して付与されたユニークな系統識別情報を当該申告情報に付加した上で電源系統6の上流側に出力する。
上位集計装置3は、最上流側の電源系統6に取り付けられている。上位集計装置3は、下位集計装置2から出力される申告情報を取得する。
記録・警報装置4は、電源系統6に接続された電気機器の使用状況に関する各種の管理処理を行う。すなわち記録・警報装置4は、管理装置としての機能を備えている。記録・警報装置4は、専用通信線7を介して上位集計装置3に接続されている。記録・警報装置4は、上位集計装置3で取得された申告情報に基づいて、いずれかのコンセント5に差し込まれている各電気機器の現存場所を判定する。また記録・警報装置4は、上位集計装置3で取得された申告情報および上記の判定した現存場所などを時系列に記録する。記録・警報装置4としては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。そして上記のサーバ装置やコンピュータ装置に搭載されたプロセッサに記録・警報プログラムを実行させることにより実現することができる。
図2は申告装置1の外観を示す側面図である。図3は図2中の矢印A1の方向から見た申告装置1の外観を示す平面図である。図4および図5は申告装置の外観を示す斜視図である。なお、図2乃至図4は電気機器の電源プラグに取り付けられた状態を示し、図5は電気機器の電源プラグに取り付けられていない状態を示している。
申告装置1には、図5に示すように一端に設けた3つの差し込み口に電極1a,1b,1cがそれぞれ設けられている。これらの差し込み口に電気機器の電源プラグ8に設けられた3つの電極が差し込まれることによって、この3つの電極が電極1a、1b,1cにそれぞれ接触する。申告装置1には他端に、電極1d,1e,1fが設けられており、電極1a,1b,1cに接触した電源プラグ8の3つの電極は、電極1d,1e,1fにそれぞれ電気的に接続される。
申告装置1は、図6に示すような固定金具9,10,11によって電源プラグ8に固定される。固定金具9は、T字状の金属板におけるT字の縦棒に相当する部位の先端側両側部を一定ピッチで切り欠いて形成される形状を持つ。申告装置1には、固定金具9の切欠きに嵌合する溝1gが形成されている。溝1gに固定金具9が嵌め込まれる。固定金具10は、Y字状の金属板を、Y字の分岐部の近傍でほぼ直角に折り曲げるとともに、Y字の下側の縦棒に相当する部位の先端側両側部を一定ピッチで切り欠いて形成される形状を持つ。申告装置1には、溝1gが形成されているのとは反対側に、固定金具10の切欠きに嵌合する溝が溝1gと同様にして形成されている。この溝に固定金具10が嵌め込まれる。固定金具10におけるY字の分岐部分に相当する部位のそれぞれの端部は、固定金具9におけるT字の横棒に相当する部位の両端にそれぞれ係合する。これによって、固定金具10におけるY字の分岐部分に相当する部位が、電源プラグ8の抜けを防止するように機能する。固定金具9,10の切欠は一定ピッチであるから、固定金具9,10と申告装置1との相対的な位置関係を変化させることができ、さまざまな大きさの電源プラグ8に適応する。固定金具11は、固定金具9,10を、その切欠が溝に嵌り込んだ状態に維持するように押さえ、申告装置1が電源プラグ8から外れてしますことを防止する。
図7は申告装置1の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置1は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM(modulator/demodulator)1m、記憶装置1n、MPU(microprocessing unit)1pおよび電源回路1qを含む。
接続線1h,1i,1jは、電極1a,1b,1cと電極1f,1e,1dとをそれぞれ接続する。なお、電極1cおよび電極1fは、アース用であり、接続線1jはアース線である。
フィルタ回路1kは、接続線1h,1iを流れる低周波な交流電圧と、この交流電圧に重畳された高周波信号とを分離する。フィルタ回路1kは、高周波信号成分だけを高周波MODEM1mに送り、交流電圧を電気機器側へ送る。またフィルタ回路1kは、高周波MODEM1mから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳してコンセント側にだけ送出する。これによって、電気機器に高周波信号が届かないようにし、電気機器の誤動作等を防ぐ。
高周波MODEM1mは、フィルタ回路1kから送られた高周波信号を復調して情報を抽出する。また高周波MODEM1mは、MPU1pから出力された信号を変調して高周波信号を発生し、これをフィルタ回路1kを介して接続線1h,1iへと送出する。
記憶装置1nは、例えばROM(read only memory)を含む。記憶装置1nは、MPU1pを駆動するソフトウェアおよび機器識別情報を保持している。機器識別情報は、記憶装置1nが設けられている申告装置1に固有の識別情報であって、この申告装置1が装着されている電気機器の識別情報として利用される。
MPU1pは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU1pは、記憶装置1nに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU1pは、記憶装置1nに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置1nに保持された機器識別情報を含めて申告情報を生成する。MPU1pは、生成した申告情報を高周波MODEM1mに出力する。なおMPU1pは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路1qは、接続線1h,1i,1jに接続されている。電源回路1qは、接続線1h,1i,1jを介してコンセントから電力を得て変圧し、高周波MODEM1m、記憶装置1nおよびMPU1pに供給する。
図8は下位集計装置2の具体的な構成を示すブロック図である。
下位集計装置2は、電極2a,2b,2c,2d,2e,2f、接続線2g,2h,2i、フィルタ回路2j,2k、高周波MODEM2m、記憶装置2n、MPU2p、電源回路2qおよびブレーカ2rを含む。
電極2a,2b,2cには、電力線出力側(下流側)の電源系統6に属する3本の電源線がそれぞれ接続される。電極2d,2e,2fには、電力線入力側(上流側)の電源系統6に属する3本の電源線がそれぞれ接続される。接続線2g,2h,2iは、電極2a,2b,2cと電極2d,2e,2fとをそれぞれ、すなわち電力線出力側の3本の電源線と電力線入力側の3本の電源線とをそれぞれ接続する。
フィルタ回路2jは、接続線2g,2hを流れる低周波な交流電圧から、この交流電圧に重畳された高周波信号を分離する。フィルタ回路2jは、高周波信号成分を高周波MODEM2mに送る。またフィルタ回路2jは、高周波MODEM2mから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳して電力線出力側にだけ送出する。
フィルタ回路2kは、電力線入力側から接続線2g,2hに流れ込む低周波な交流電圧と、この交流電圧に重畳された高周波信号とを分離する。フィルタ回路2kは、高周波信号成分だけを高周波MODEM2mに送り、交流電圧を電力線出力側へ送る。またフィルタ回路2kは、高周波MODEM2mから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳して電力線入力側にだけ送出する。
これらのフィルタ回路2j,2kによって、電力線出力側との通信および電力線入力側との通信の混信を防ぐとともに、電源系統に不必要な信号が過剰に流れて電源品質を低下させることを防止する。すなわち図9に示すように、下位集計装置2は、フィルタ回路2jによって申告装置1との通信を、またフィルタ回路2kによって上位集計装置3との通信を、それぞれ個別に行うことができる。なお、下位集計装置2は、多段接続することも可能である。下位集計装置2が多段接続された場合には、上流側の下位集計装置2のフィルタ回路2kと下流側の下位集計装置2のフィルタ回路2jとによって下位集計装置2どうしの通信を行うことができる。
高周波MODEM2mは、フィルタ回路2k,2jから送られた高周波信号を復調して情報を抽出する。また高周波MODEM2mは、MPU2pから出力された信号を変調して高周波信号を発生し、これをフィルタ回路2kを介して電力線入力側へ、あるいはフィルタ2jを介して電力線出力側へと送出する。
記憶装置2nは、例えばROMを含む。記憶装置2nは、MPU2pを駆動するソフトウェアおよび系統識別情報を保持している。系統識別情報は、この記憶装置2nが設けられた下位集計装置2に固有の識別情報であって、当該下位集計装置2が接続されている電源系統6の識別情報として利用される。
MPU2pは、接続線2g,2hを介して伝送される情報を、高周波MODEM2mを介して読み取ることができる。またMPU2pは、記憶装置2nに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU2pは、受信された申告情報を、記憶装置2nに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU2pは、申告装置1に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM2mおよびフィルタ回路2jを介して送出することもできる。なおMPU2pは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路2qは、接続線2g,2h,2iに接続されている。電源回路2qは、接続線2g,2h,2iを介して電源線から電力を得て変圧し、高周波MODEM2m、記憶装置2nおよびMPU2pに供給する。
ブレーカ2rは、漏電やショートによって接続線2g,2h,2iの電流が過大となった場合に電力線出力側を切り離す。
図10は図1に示された上位集計装置3の具体的な構成を示すブロック図である。
上位集計装置3は、電極3a,3b,3c,3d,3e,3f、接続線3g,3h,3i、フィルタ回路3j、高周波MODEM3k、記憶装置3m、MPU3n、電源回路3pおよびブレーカ3qを含む。
電極3a,3b,3cには、複数の電源系統6のそれぞれに電力を供給するための電力線出力側(下流側)の3本の電源線がそれぞれ接続される。電極3d,3e,3fには、複数の電源系統6のそれぞれに電力を供給するための電力線入力側(上流側)の3本の電源線がそれぞれ接続される。接続線3g,3h,3iは、電極3a,3b,3cと電極3d,3e,3fとをそれぞれ、すなわち電力線出力側の3本の電源線と電力線入力側の3本の電源線とをそれぞれ接続する。
フィルタ回路3jは、電力線出力側から接続線3g,3hに流れ込む低周波な交流電圧と、この交流電圧に重畳された高周波信号とを分離する。フィルタ回路3jは、高周波信号成分だけを高周波MODEM3kに送り、交流電圧を電力線入力側へ送る。またフィルタ回路3jは、高周波MODEM3kから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳して電力線出力側にだけ送出する。
このフィルタ回路3jによって、電力線出力側との通信を可能とするとともに、電源系統に不必要な信号が過剰に流れて電源品質を低下させることを防止する。すなわち図11に示すように、上位集計装置3は、フィルタ回路3jによって下位集計装置2との通信を行うことができる。
高周波MODEM3kは、フィルタ回路3jから送られた高周波信号を復調して申告情報を抽出する。また高周波MODEM3kは、MPU3nから出力された信号を変調して高周波信号を発生し、これをフィルタ回路3jを介して電力線出力側へと送出する。
記憶装置3mは、例えばROMを含む。記憶装置3mは、MPU3nを駆動するソフトウェアおよび系統識別情報を保持している。
MPU3nは、接続線3g,3hを介して伝送される情報を、高周波MODEM3kを介して読み取ることができる。またMPU3nは、記憶装置3mに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU3nは、受信された申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を記録・警報装置4へ送る。またMPU3nは、下位集計装置2に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM3kおよびフィルタ回路3jを介して送出することもできる。なおMPU3nは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路3pは、接続線3g,3h,3iに接続されている。電源回路3pは、接続線3g,3h,3iを介して電源線から電力を得て変圧し、高周波MODEM3k、記憶装置3mおよびMPU3nに供給する。
ブレーカ3qは、漏電やショートによって接続線3g,3h,3iの電流が過大となった場合に電力線出力側を切り離す。
図12は以上のように構成された第1の実施形態の機器使用状況管理システムを病院における電気機器の使用状況を管理するために適用した具体例を示す図である。
図12において、ME技師室は、ME技師が常駐し、電源等の操作や手術用機器のメインテナンス等を行う部屋である。このME技師室には、記録・警報装置4を設置してある。
機械室は、電源設備や空調設備等を収納する部屋である。この機器室には、12台の下位集計装置2と2台の上位集計装置3とを設置してある。なお、以下において12台の下位集計装置2のそれぞれを区別する必要がある場合には、符号2-1〜2-3,2-1-1〜2-1-3,2-2-1〜2-2-3,2-3-1〜2-3-3をそれぞれ付して記し、2台の上位集計装置3のそれぞれを区別する必要がある場合には、符号3-1,3-2をそれぞれ付して記すこととする。上位集計装置3-1,3-2は、異なる専用通信線7を介して記録・警報装置4にそれぞれ接続されている。なお、以下において2本の専用通信線7をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号7-1,7-2をそれぞれ付して記すこととする。
機材室は、可搬型の手術用機器などのような各種の電気機器や消耗品等を保管する部屋である。機材室の壁面にはコンセントユニット12-1が取り付けられている。
手術室は、手術を実施する部屋であり、図12の例では第1乃至第3の3部屋がある。
第1乃至第3の手術室に関しては、多数の電源系統が設けられている。以下においてこれらの電源系統6をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号6a,6b,6a-1〜6a-3,6a-1-1〜6a-1-3,6a-2-1〜6a-2-3,6a-3-1〜6a-3-3をそれぞれ付して記すこととする。電源系統6a,6bは、図示しない電源室から機械室に引き込まれた電源系統である。電源系統6aが3分岐されて電源系統6a-1,6a-2,6a-3が形成されている。さらに電源系統6a-1,6a-2,6a-3がそれぞれ3分岐されて、電源系統6a-1-1〜6a-1-3,6a-2-1〜6a-2-3,6a-3-1〜6a-3-3が形成されている。
第1の手術室では、北側の壁面にコンセントユニット12-2,12-3が、西側の壁面にコンセントユニット12-4が、そして南側の壁面にコンセントユニット12-5,12-6がそれぞれ取り付けられている。第2の手術室では、北側の壁面にコンセントユニット12-7,12-8が、西側の壁面にコンセントユニット12-9が、そして南側の壁面にコンセントユニット12-10,12-11がそれぞれ取り付けられている。第3の手術室では、北側の壁面にコンセントユニット12-12,12-13が、西側の壁面にコンセントユニット12-14が、そして南側の壁面にコンセントユニット12-15,12-16がそれぞれ取り付けられている。これらコンセントユニット12-1〜12-16は、それぞれ1つまたは複数のコンセントを備えている。
例えば図13に示すようにコンセントユニット12-2は、4つのコンセント5を備えていて、これらのコンセント5はいずれも電源系統6a-1-aに接続されている。コンセントユニット12-2,12-3に備えられたコンセント5には電源系統6a-1-1が、コンセントユニット12-4に備えられたコンセント5には電源系統6a-1-2が、そしてコンセントユニット12-5,12-6に備えられたコンセント5には電源系統6a-1-3がそれぞれ接続されている。
図12において、電源系統6a-1-1,6a-1-2,6a-1-3は、第1の手術室の北側、西側および南側の壁面のそれぞれに対応しており、電源系統6a-1は第1の手術室に対応している。
コンセントユニット12-7,12-8に備えられたコンセントには電源系統6a-2-1が、コンセントユニット12-9に備えられたコンセントには電源系統6a-2-2が、そしてコンセントユニット12-10,12-11に備えられたコンセントには電源系統6a-2-3がそれぞれ接続されている。従って、電源系統6a-2-1,6a-2-2,6a-2-3は、第2の手術室の北側、西側および南側の壁面のそれぞれに対応しており、電源系統6a-2は第2の手術室に対応している。
コンセントユニット12-12,12-13に備えられたコンセントには電源系統6a-3-1が、コンセントユニット12-14に備えられたコンセントには電源系統6a-3-2が、そしてコンセントユニット12-15,12-16に備えられたコンセントには電源系統6a-3-3がそれぞれ接続されている。従って、電源系統6a-3-1,6a-3-2,6a-3-3は、第3の手術室の北側、西側および南側の壁面のそれぞれに対応しており、電源系統6a-3は第3の手術室に対応している。
機材室では、その壁面にコンセントユニット12-1が取り付けられている。コンセントユニット12-1に備えられたコンセントには電源系統6bが接続されている。従って、電源系統6bは、機材室に対応している。
第1乃至第3の手術室のそれぞれの北側の壁面には、警報器14がそれぞれ取り付けられている。なお、警報器14をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号14-1〜14-3を付してそれぞれ記すこととする。警報器14は、記録・警報装置4からの指令を電源系統6を介して受けて、警報(あるいは注意報)を発する。
なお、各部屋では、照明、自動ドア、空調等にも電力が使われるが、これらに関しては図示を省略している。
次に図12に示すように構成された機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置1が装着される。なお、以下においてこれらの申告装置1をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号1-1〜1-16を付し、電気機器13をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号13-1〜13-16を付してそれぞれ記すこととする。病院の場合、電気機器13としては、バイタルモニタ、麻酔器、電気メス、超音波診断装置、点滴装置、ベッドウォーマ、手術寝台、ハーモニックスカルペル、内視鏡、人工心肺装置、ライト、電気生理学検査装置、パソコン、CDプレーヤ、カセットプレーヤ、ラジオ、切削加工機、カメラなどが利用される。
管理の対象となる電気機器をコンセントに接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置1が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示すように機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセントに接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置1-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置1-1では、図7に示すように電源回路1qにより生成された電力がMPU1pに供給されるようになり、MPU1pが起動される。このときにMPU1pは、申告装置1-1の機器識別情報を記憶装置1nから読み出し、この機器識別情報を含んだ申告情報を含む信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mにて変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置1-1から送出された高周波信号は、コンセントユニット12-1に備えられたコンセントから電源系統6bへと送出される。
この後も申告装置1-1は、電源系統6bに接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。申告装置1-1が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
他の申告装置1に関しても、上記の申告装置1-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、申告装置1が接続されている電源系統である。例えば図12に示す状態では、申告装置1-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置1-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置1-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
さて、複数の申告装置1が偶然にほぼ同時に高周波信号を送信してしまうことも考えられる。このような事態が生じた場合、信号の衝突(コリジョン)が発生し、送信された信号はどれも異常になる。そこで、高周波MODEM1mは、信号に異常が生じた場合、それぞれが乱数で決めた時間だけ待機してから、高周波信号を送信し直す(リトライ)。なお、各申告装置1が高周波信号を送信する周期が1秒程度であれば、電源系統を介して信号が伝送される頻度は、平均すると非常に僅かである。このため、上記のコリジョンはごく稀にしか起こらず、コリジョンが起こった場合にも少数回のリトライによって通信が確実に成功する。
上述のように電源系統6bへと送出された高周波信号は、上位集計装置3-2に到達する。そうすると上位集計装置3-2では、図10に示すようにこの高周波信号がフィルタ回路3jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM3kで復調されて申告情報が抽出される。MPU3nは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を記録・警報装置4へ送る。
一方、例えば申告装置1-9から電源系統6a-1-1へと送出された高周波信号は、下位集計装置2-1-1に到達する。そうすると下位集計装置2-1-1では、図8に示すようにこの高周波信号がフィルタ回路2jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM2mで復調されて申告情報が抽出される。MPU2pは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置2nに記憶された系統識別情報を含むように加工する。そして加工後の申告情報を含む信号を生成し、この信号が高周波MODEM2mによって変調されて得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して交電力線入力側に送出される。このようにして下位集計装置2-1-1から送出された高周波信号は、電源系統6a-1へと送出され、下位集計装置2-1に到達する。そうすると下位集計装置2-1では、下位集計装置2-1-1と同様にして、高周波信号を電源系統6aへと送出する。電源系統6aへと送出された高周波信号は、上位集計装置3-1に到達する。このようにして下位集計装置2-1〜2-3,2-1-1〜2-1-3,2-2-1〜2-2-3,2-3-1〜2-3-3では、申告情報の中継が行われる。
上位集計装置3-1では、上述のように高周波信号が到来すると、上位集計装置3-2と同様にして申告情報を記録・警報装置4へ送る。
このようにして、各申告装置1から送信された申告情報は、それを中継した下位集計装置2や上位集計装置3が持つ系統識別情報が付加された状態で記録・警報装置4に送られる。
記録・警報装置4には、図12に示すような実際のシステム構成に基づいて作成された、例えば図14および図15に示すような第1および第2のデータベースがそれぞれ用意される。
第1のデータベースは、系統識別情報、場所およびコンセント位置のそれぞれの情報を対応付けたデータレコードを含む。第1のデータベースに含まれるデータレコードは、図12に示す最下流の電源系統6、すなわちコンセントユニット12が接続された電源系統6に関する情報を記述している。系統識別情報としては、電源系統6に接続された下位集計装置2または上位集計装置3の系統識別情報が記述される。場所としては、電源系統6の配線先の部屋の名前が記述される。コンセント位置としては、電源系統6に接続されたコンセントユニット12が上記の場所にて取り付けられている位置が記述される。例えば図14の1番目に示されるデータレコードの場合、電源系統6a-1-1に関する情報を記述している。電源系統6a-1-1には、下位集計装置2-1-1が接続されているので、下位集計装置2-1-1に割り当てられた「ID2-1-1」が系統識別情報として記述されている。電源系統6a-1-1は、第1の手術室の北側壁面に取り付けられたコンセントユニット12に接続されるように配線されているため、場所としては「第1の手術室」と記述され、コンセント位置としては「北側壁面」と記述されている。なお、コンセント位置を区別する必要がない場合には、コンセント位置の情報が記述されていなくても良い。
第2のデータベースは、機器識別情報、対応機器および使用条件のそれぞれの情報を対応付けたデータレコードを含む。第2のデータベースに含まれるデータレコードは、管理対象となる電気機器13のそれぞれに関する情報を記述している。機器識別情報としては、電気機器13に装着された申告装置1が持つ機器識別情報が記述される。対応機器としては、電気機器13の名前が記述される。使用条件としては、対応機器として記述された電気機器13を使用する上での制約などの条件が記述される。例えば図13の1番目に示されるデータレコードの場合、「麻酔器」と称される電気機器に、機器識別情報として「ID1-1」が割り当てられた申告装置1が装着されていることと、当該「麻酔器」が故障中であることが記述されている。
記録・警報装置4は、上位集計装置3から申告情報を受けた場合、図16に示すようなプラグイベント監視処理を開始する。
ステップSa1において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報を送信した申告装置から過去の一定時間(例えば5秒)以内に別の申告情報を受けたか否かを確認する。この確認は、後述するようにステップSa2にて記録される時系列情報およびステップSa10にて一時保存される申告情報を解析することによって行うことができる。
今回受けたのと同一の申告情報を過去の一定時間以内に受けていないならば、この申告情報はコンセント5へと新たに接続された電気機器13に関するものである。そこで記録・警報装置4はステップSa2からステップSa3へ進む。ステップSa2において記録・警報装置4は、受けた申告情報をその時点での時刻を表す時刻情報とともに、記録・警報装置4に内蔵または外付けされた記憶媒体に記録された時系列情報に追加する。
ステップSa3において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報に含まれた機器識別情報をキーとして第2のデータベースを検索することで、コンセント5へと新たに接続された電気機器13を同定する。例えば、申告情報に含まれた機器識別情報が「ID1-3」であり、第2のデータベースに図15に示す情報が記述されているとするならば、記録・警報装置4はコンセント5へと新たに接続された電気機器13が「切削加工機」であると同定する。
さらにステップSa4において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報に付加されている系統識別情報をキーとして第1のデータベースを検索することで、上記の同定した電気機器13の現存場所および接続されているコンセントの位置をそれぞれ同定する。例えば、該当する系統識別情報が「ID2-2-3」であり、第1のデータベースに図14に示す情報が記述されているとするならば、記録・警報装置4は新たに接続された電気機器13の現存位置が第2の手術室であり、接続されたコンセント5の位置が南側壁面であると同定される。なおこの処理は、今回受けた申告情報に複数の系統識別情報が付加されているならば、それらの系統識別情報のうちで最も古く申告情報に付加された系統識別情報に基づいて行う。
ステップSa5において記録・警報装置4は、プラグイベント情報をその時点での時刻を表す時刻情報とともに時系列情報に追加する。プラグイベント情報は、上記の同定した電気機器13、現存位置およびコンセント位置などを表す。
ステップSa6において記録・警報装置4は、プラグイベントの発生をME技師等の管理者に対して報知する。この報知は例えば、記録・警報装置4に内蔵または外付けされた表示デバイスに上記の同定された電気機器13の名称、現存位置、あるいはコンセント位置などを表す画像を表示させることによって行う。
ステップSa7において記録・警報装置4は、今回接続された電気機器13の使用状態を今回受けた申告情報に含まれた機器識別情報に対応付けて第2のデータベースに記述されている使用条件と照合する。そしてステップSa8において記録・警報装置4は、正規の使用状態にあるか否かを確認する。例えば、使用条件として「故障中」と記述された電気機器13が接続されたのであれば、これは不適切である。また塵埃を出すために使用条件として「クリーンルームでは使用不可」と記述された切削加工機のような電気機器13の現存位置がクリーンルームとされた部屋であると同定されているならば、これは不適切である。このような場合に記録・警報装置4は、正規使用状態では無いと判定し、これを不正接続イベントの発生とする。この場合に記録・警報装置4は、ステップSa8からステップSa9へ進む。ステップSa9において記録・警報装置4は、不正使用イベント情報をその時点での時刻を表す時刻情報とともに時系列情報に追加する。不正使用イベント情報は、上記の同定した電気機器13、現存位置、コンセント位置および不正使用と判断した理由などを表す。
ステップSa10において記録・警報装置4は、今回の電気機器13の接続が適正ではないことの警報を発する。この警報は、予め定められた時間が経過するまで継続しても良いし、管理者により解除指示がなされるまで継続しても良いし、あるいは今回の電気機器13の接続が解除されるまで継続しても良い。
そして警報を発し終えたならば、記録・警報装置4はプラグイベント監視処理を終了する。なお、ステップSa8にて正規使用状態であると判定した場合に記録・警報装置4は、ステップSa9を行うことなくプラグイベント監視処理を終了する。また、ステップSa2において、今回受けた申告情報を送信した申告装置から過去の一定時間以内に別の申告情報を受けていると判定した場合には、この申告情報は既にプラグイベントの発生が検出された電気機器13に関するものであるから、記録・警報装置4はステップSa3乃至ステップSa9の処理を行わない。そしてこの場合に記録・警報装置4はステップSa11において、次回におけるステップSa1での判断のために、ステップSa申告情報を時刻情報とともに一時的に保存しておく。こののちにプラグイベント監視処理を終了する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別に図示しないアンプラグイベント監視処理を行っている。
アンプラグイベント監視処理では記録・警報装置4は、プラグイベントの発生が検出された電気機器13に関して受信されていたのと同一の申告情報が一定時間(例えば5秒)以上に渡って得られなくなった場合に、当該電気機器13がそれまで接続されていたコンセント5から取り外されたことを認識する。そしてこの場合に記録・警報装置4は、アンプラグイベント情報をその時点での時刻を表す時刻情報とともに時系列情報に追加する。アンプラグイベント情報は、得られなくなった申告情報から同定される電気機器13、現存位置およびコンセント位置などを表す。さらに記録・警報装置4は、取り外された電気機器13の使用条件を確認し、当該電気機器13が常時(あるいは少なくとも一定時間内には)コンセントに接続されているべき機器(例えば、作業記録を取るためのカメラなど)である場合、誤って取り外された可能性があるので、警報を発して復帰を促す。
記録・警報装置4による警報動作は、警報音や音声メッセージの出力、文字や図像の表示などにより行うことができる。また、警報の対象となる電気機器13の現存場所に警報器14が取り付けられているならば、その警報器14による警報を発するようにしても良い。この場合、警報器14の識別番号とその警報器14が設置されている部屋との対応を記述したデータベース(警報器データベース)を用意しておく。そして、警報の対象となる電気機器13の現存場所に備えられた警報器14の識別番号を記録・警報装置4にて警報器データベースから判断し、その警報器14に向けて警報(あるいは注意報)を出すよう記録・警報装置4から命令を送るようにする。
かくして第1の実施形態によれば、次のような種々の効果が達成できる。
(1) ME技師などの管理者は、ME技師室において、コンセントに接続された電気機器13であれば、それが他の部屋に置かれていてもそれぞれの現存場所を確認することができる。そして、電気機器13が接続された電源系統6がいずれであるかに基づいて電気機器13の現存場所を判定するので、位置検出のための手段を電気機器13に設ける必要が無い。さらに第1の実施形態では、申告情報の伝送に電源系統6を使用しているため、専用の信号線などを配線する必要もなく、既存の電源設備を利用して実現することが可能である。
また、使用条件に合致しない使用状態となるように電気機器13が接続された場合や、既に接続されていた電気機器13が使用条件に反して取り外された場合には、記録・警報装置4から警報が発せられるので、上記のような不適切な状態を改めるように促し、その状態が放置されることを防止することができる。
また、電気機器13が新たに接続されたプラグイベントや、既に接続されていた電気機器13が取り外されたアンプラグイベントを時系列情報に記録しているため、このように記録された情報を様々に加工することで、多様な機能が容易に実現できる。たとえば、記録されたイベントを電気機器13毎に集めることによって、各機器の稼働状況を一覧できる情報が得られる。これは各機器の運転日報にほかならない。また、記録されたイベントをイベントが発生した部屋ごとに集めることによって、各部屋での作業の流れの概要を一覧できる情報が得られる。さらに、機器識別情報とその機器識別情報に対応する電気機器13の現存場所、予約状況、あるいはメインテナンス履歴などとを対応づけたデータベースを使用することによって電気機器13の管理を行うことができる。また、機器識別情報とその機器識別情報に対応する電気機器13の属する機種の型式名とを対応づけるデータベース(機器データベース)と、型式名と機器の説明や故障時の修理依頼先の連絡方法などとを対応づけるデータベースとを使用することによって、機器のメインテナンスを円滑に行えるようにすることができる。
(第2の実施形態)
以下、図17乃至図20を参照して第2の実施形態について説明する。なお、図17乃至図20において図1乃至図16と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17は第2の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の機器使用状況管理システムは、申告装置1、下位集計装置2、記録・警報装置4、上位集計装置21および申告装置22を含む。
上位集計装置21は、最上流側の電源系統6に取り付けられる。上位集計装置21は、下位集計装置2から出力される申告情報を取得する。上位集計装置21は、取得した申告情報を電源系統6の下流側へ出力する。
申告装置22は、記録・警報装置4の電源プラグに取り付けられる。申告装置22は、コンセント5に差し込まれる。申告装置22は、電源系統6を介して供給される電力を記録・警報装置4に供給する。申告装置22は、ユニークな機器識別情報を電源系統6の上流側へ出力する。申告装置22は、上位集計装置21から送出された申告情報を取得する。申告装置22は、取得した申告情報を記録・警報装置4へ送る。
記録・警報装置4は、第1の実施形態と同様な構成であるが、上位集計装置21からではなく、申告装置22を介して申告情報を取得する。
図18は上位集計装置21の具体的な構成を示すブロック図である。
上位集計装置21は、電極3a,3b,3c,3d,3e,3f、接続線3g,3h,3i、フィルタ回路3j、高周波MODEM3k、記憶装置3m、電源回路3p、ブレーカ3qおよびMPU21aを含む。すなわち上位集計装置21は、上位集計装置3と類似した構成を備えるが、MPU3nに代えてMPU21aを備える点が異なっている。そしてMPU21aには、記録・警報装置4を接続するための専用通信線7が接続されていないのが図10との違いである。
MPU21aは、接続線3g,3hを介して伝送される情報を、高周波MODEM3kを介して読み取ることができる。またMPU21aは、記憶装置3mに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU21aは、受信した申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を高周波MODEM3kへ送る。またMPU21aは、下位集計装置2に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM3kおよびフィルタ回路3jを介して送出することもできる。なおMPU21aは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図19は申告装置22の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置22は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、記憶装置1n、電源回路1qおよびMPU22aを含む。すなわち申告装置22は、申告装置1と類似した構成を備えるが、MPU1pに代えてMPU22aを備えるとともに、信号線22bを備える点が異なっている。なお電極1a、1b,1cは、記録・警報装置に電力を供給するために用いられる。
MPU22aは、記憶装置1nに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU22aは、記憶装置1nに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置1nに保持された機器識別情報を含めて申告情報を生成する。MPU22aは、生成した申告情報を高周波MODEM1mに出力する。MPU22aは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。MPU22aは、この読み取った情報が上位集計装置21から送出された申告情報である場合に、この申告情報を記録・警報装置4へ送る。申告情報を記録・警報装置4へ送るための信号線22bは、電極1a,1b,1cの近傍に配置した別途の電極が、記録・警報装置4の電源プラグに設けた第4の電極と接触することによって記録・警報装置4側と接続されるようにすることができる。あるいは、申告情報を記録・警報装置4へ送るための信号線22bとしては、USB(universal serial bus)などの汎用インタフェースに準拠したケーブルを用いることもできる。なおMPU22aは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。なお、記録・警報装置4は、上位集計装置21から送信された申告情報を抽出する機能に特化したアダプタを介して電源系統に接続することも可能である。
図20は以上のように構成された第2の実施形態における機器使用状況管理システムを病院における電気機器の使用状況を管理するために適用した具体例を示す図である。
機材室のコンセントユニット12-1は、電源系統6a-4に接続されている。ME技師室のコンセントユニット12-20は、電源系統6a-5に接続されている。これら電源系統6a-4,6a-5は、電源系統6a-1〜6a-3とともに電源系統6aから分岐して形成されている。下位集計装置2-4は、電源系統6aを入力側とし、かつ電源系統6a-4を出力側とするように、電源系統6aおよび電源系統6a-4に接続されている。下位集計装置2-5は、電源系統6aを入力側とし、かつ電源系統6a-5を出力側とするように、電源系統6aおよび電源系統6a-5に接続されている。上位集計装置21は、電源系統6aに接続されている。
申告装置22は、コンセントユニット12-20に設けられたコンセント5に差し込まれる。
かくして、各申告装置1から送出された申告情報は、いずれも上位集計装置21にて一旦取得された上で、電源系統6a、下位集計装置2-5、電源系統6a-5、コンセントユニット12-20および申告装置22を介して記録・警報装置4に送られる。従って、記録・警報装置4は、申告装置1から送出された申告情報を収集することができ、第1の実施形態と同様な各種の管理処理を行うことができる。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに第2の実施形態によれば、専用通信線7を配線する必要がなく、既設の電源配線をそのまま利用することができるので、第1の実施形態に比べてシステム導入のための工事が簡易となる。
(第3の実施形態)
以下、図21乃至図24を参照して第3の実施形態について説明する。なお、図21乃至図24において、図1乃至図20と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。第3の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
次に第3の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
記録・警報装置4には、例えば図12に示すような実際のシステム構成に基づいて作成された第1乃至第4のデータベースがそれぞれ用意される。第1のデータベースは、第1の実施形態と同様である。
第2のデータベースは図21に示すように、第1の実施形態における第2のデータベースに機種情報を付加したものである。機種情報は、各電気機器が属する機種を識別する情報である。
第3のデータベースは図22に示すように、機種情報に最大消費電力情報を対応付けたデータレコードを含む。最大消費電力情報は、対応付けられた機種情報で表される機種の電気機器における最大消費電力を表す。
第4のデータベースは図23に示すように、系統識別情報に定格電力情報を対応付けたデータレコードを含む。定格電力情報は、対応付けられた系統識別情報が割り当てられた電源系統6についての定格電力を表す。
さて、記録・警報装置4は、上位集計装置3から申告情報を受けた場合、図24に示すようなプラグイベント監視処理を開始する。なお、図24において図16に示されるのと同じ処理を行うステップには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
記録・警報装置4は、第1の実施形態と同様にしてステップSa1乃至ステップSa9の処理を行う。なお、図24においては、ステップSa3乃至ステップSa7については図示を省略している。
ステップSa9を終えた場合、あるいはステップSa8にて正規使用状態であると判定した場合には、記録・警報装置4はステップSb1へ進む。ステップSb1において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報に付加されている系統識別情報が表す電源系統6に接続されている全ての電気機器13を記録されている情報に基づいてピックアップし、それらの電気機器13の最大消費電力の合計値を算出する。なおこの処理は、今回受けた申告情報に複数の系統識別情報が付加されているならば、それらの系統識別情報のうちで最も古く申告情報に付加された系統識別情報に基づいて行う。すなわち、最も下流の電源系統6に接続された電気機器13を対象として、それらの電気機器13の最大消費電力の合計値を算出する。なお、各電気機器13の最大消費電力は、機器識別情報をキーとして第2のデータベースを検索することによって機種情報を取得し、さらにこの機種情報をキーとして第3のデータベースを検索することによって得ることができる。
ステップSb2において記録・警報装置4は、上記の算出した合計値が、今回電気機器13が新たに接続された電源系統6の定格電力を超えているかどうかを確認する。上記の定格電力は、今回受けた申告情報に付加されている系統識別情報をキーとして第4のデータベースを検索することによって得ることができる。なおこの処理は、今回受けた申告情報に複数の系統識別情報が付加されているならば、それらの系統識別情報のうちで最も古く申告情報に付加された系統識別情報に基づいて行う。
もし、合計値が定格電力を超えているならば、記録・警報装置4はステップSb2からステップSb3へ進む。ステップSb3において記録・警報装置4は、最大電力超過イベント情報を時系列情報に追加する。最大電力超過イベント情報は、系統識別情報や合計値などを表す。
ステップSb4において記録・警報装置4は、注意報を発して今回接続した電気機器13を別の電源系統6に接続し直すように促す。例えば、図12に示す状態において、電気機器13-9,13-10の最大消費電力がそれぞれ2000Wおよび3000Wであり、電源系統6a-1-1の定格電力が6000Wである場合に、コンセントユニット12-3に設けられたコンセント5に最大消費電力が1500Wである手術顕微鏡装置が接続されたとする。この場合、電源系統6a-1-1に接続された電気機器13のそれぞれの最大消費電力が6500Wとなって、電源系統6a-1-1の定格電力である6000Wを超えることになる。そこで記録・警報装置4は、「IDが××××である手術用顕微鏡装置が第1の手術室にて接続されました。このため、第1の手術室の北側コンセント系統に接続されている装置群の最大電力の合計値が、第1の手術室の北側コンセント系統の許容電力を超えました。」などのメッセージを音声や表示によって管理者に報知する。警報の対象となる電気機器13の現存場所に取り付けられた警報器14による警報を発するようにするならば、警報装置14-1において、例えば上記のようなメッセージによる報知を行う。この注意報は、予め定められた時間が経過するまで継続しても良いし、管理者により解除指示がなされるまで継続しても良いし、あるいは今回の電気機器13の接続が解除されるまで継続しても良い。
そして注意報を発し終えたならば、記録・警報装置4はプラグイベント監視処理を終了する。なお、ステップSa2にて、今回受けたのと同一の申告情報を過去の一定時間以内に受けていると判定した場合には、この申告情報は既にプラグイベントの発生が検出された電気機器13に関するものであるから、記録・警報装置4はステップSa3乃至ステップSa9の処理を行わずに、プラグイベント監視処理を終了する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
記録・警報装置4による注意報動作は、警報音や音声メッセージの出力、文字や図像の表示などにより行うことができる。また、警報の対象となる電気機器13の現存場所に警報器14が取り付けられているならば、その警報器14による警報を発するようにしても良い。
かくして第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに第3の実施形態によれば、1つの電源系統6に接続された電気機器13がもしも全て電源オン状態となった場合に上記の電源系統6の定格電力を超えてしまうと予測されるような状況が生じた場合には、そのような状況を生じさせる電気機器13の接続がなされた時点で注意報が発せられる。このため、このような状況に気付かずに電気機器13の電源がオンされてしまうことによって電源系統6における電力使用量が定格電力を超えてしまう状況が生じることを予防することができる。つまり、ブレーカが働いて既に使用されていた他の電気機器の動作までもが停止してしまう状況に陥ることを防ぐことができる。例えば病院においては、強制的に電源が遮断されて動作が停止してしまうことによって被害が生じるような機器(例えば、手術用機器、生命維持装置、金属切削用工作機械、あるいは警備用監視機器など)が数多く利用されるので、これらが不意に停止してしまう状況に陥ることを防ぐことができることは重要である。
さらに第3の実施形態によれば、ブレーカが働いてしまうような事象が発生してしまった場合には、時系列情報を解析することで、その原因を具体的に特定することができるために、再発防止を確実に図ることが可能となる。また、時系列情報から、いつどの部屋で注意報や警報が生じたかを一覧できる表を作成することも可能である。
(第4の実施形態)
以下、図25乃至図27を参照して第4の実施形態について説明する。なお、図25乃至図27において図1乃至図24と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第4の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。そして第4の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、申告装置1に代えて申告装置23を備えることと、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
図25は申告装置23の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置23は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、電源回路1q、記憶装置23aおよびMPU23bを含む。すなわち申告装置23は、申告装置1と類似した構成を備えるが、記憶装置1nおよびMPU1pに代えて記憶装置23aおよびMPU23bを備える点が異なっている。
記憶装置23aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置23aは、MPU23bを駆動するソフトウェア、機器識別情報および最大消費電力情報を保持可能である。
MPU23bは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU23bは、記憶装置23aに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU23bは、記憶装置23aに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置23aに保持された機器識別情報および最大消費電力情報を含めて申告情報を生成する。MPU23bは、生成した申告情報を高周波MODEM1mに出力する。またMPU23bは、外部の書き換え装置からの指令を高周波MODEM1mを介して取得し、この指令に応じて記憶装置23aにソフトウェア、機器識別情報あるいは最大消費電力情報などを書き込む機能を備える。なおMPU23bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図26は書き換え装置24の外観を示す斜視図である。図27は書き換え装置24の具体的な構成を示すブロック図である。
書き換え装置24は、電極24a、24b,24c、電極24d,24e,24f、接続線24g,24h,24i、フィルタ回路24j、高周波MODEM24k、記憶装置24m、MPU24nおよび電源回路24pを含む。
電極24a,24b,24cは、図26に示すように3つの差し込み口にそれぞれ設けられている。これらの差し込み口に申告装置23の3つの電極1d,1e,1fがそれぞれ差し込まれることによって、この電極1d,1e,1fが電極24a、24b,24cにそれぞれ接触する。
電極24d,24e,24fは、電源プラグに設けられており、この電源プラグがコンセントに差し込まれた場合に、コンセントに設けられた3つの電極にそれぞれ接触する。
接続線24g,24h,24iは、電極24a,24b,24cと電極24d,24e,24fとをそれぞれ接続する。なお、電極24cおよび電極24fは、アース用であり、接続線24iはアース線である。
フィルタ回路24jは、接続線24g,24hを通る低周波の交流電圧と、この交流電圧に重畳された高周波信号とを分離する。フィルタ回路24jは、高周波信号成分だけを高周波MODEM24kに送り、交流電圧を電極24a,24b側へ送る。またフィルタ回路24jは、高周波MODEM24kから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳して電極24a,24b側にだけ送出する。
高周波MODEM24kは、フィルタ回路24jから送られた高周波信号を復調して情報を抽出する。また高周波MODEM24kは、MPU24nから与えられる信号を変調して高周波信号を得る。
記憶装置24mは、例えばEEPROMのような電気的に書き替え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置24mは、MPU24nを駆動するソフトウェアを保持している。
MPU24nは、接続線24g,24hを介して伝送される情報を、高周波MODEM24kを介して読み取ることができる。MPU24nには、外部のパーソナルコンピュータ20がUSBインタフェースなどを利用して接続される。MPU24nは、パーソナルコンピュータ20によるコントロールの下に、ソフトウェア、機器識別情報あるいは最大消費電力情報などの書き換えを申告装置23に対して指令するための指令情報を生成する。MPU24nは、生成した指令情報を含む信号を高周波MODEM24kに出力する。なおMPU24nは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路24pは、接続線24g,24h,24iに接続されている。電源回路24pは、接続線24g,24h,24iを介してコンセントから電力を得て変圧し、高周波MODEM24k、記憶装置24mおよびMPU24nに供給する。
次に第4の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置23が装着される。なお、以下においてこれらの申告装置23をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号23-1〜23-16を付してそれぞれ記すこととする。すなわち、例えば図12における申告装置1-1〜1-13に代えて申告装置23-1〜23-16がそれぞれ装着される。
管理者は、予め各申告装置23の記憶装置31aに、装着対象となる電気機器13に関する機器識別情報、対応機器情報、機種情報および最大消費電力情報を書き換え装置24を使用して書き込んでおく。機器識別情報は、この機器の管理のために任意に割り当てられた識別情報であっても良いし、電気機器13の製造番号および機種番号を含めて作成した識別情報であっても良い。対応機器情報は、装着対象となる電気機器13の名前を表す。機種情報は、装着対象となる電気機器13の機種を表す。最大消費電力情報は、装着対象となる電気機器13の最大消費電力の情報を含める。
管理の対象となる電気機器をコンセントに接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置23が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示す機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセントに接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置23-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置23-1では、電源回路1qにより生成された電力がMPU31bに供給されるようになり、MPU31bが起動される。このときにMPU31bは、機器識別情報および最大消費電力情報を記憶装置31aから読み出し、この機器識別情報および最大消費電力情報を含んだ申告情報を含む信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置23-1から送出された高周波信号は、コンセントユニット12-1に備えられたコンセントから電源系統6bへと送出される。
この後も申告装置23-1は、電源系統6bに接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。申告装置23-1が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
他の申告装置23に関しても、上記の申告装置23-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、申告装置23が接続されている電源系統6である。例えば図12と相似な状態では、申告装置23-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置23-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置23-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
そして申告装置23においても申告装置1と同様に、コリジョンを検出し、必要に応じて送信をリトライする。
上述のように電源系統6へと送出された高周波信号は、第1の実施形態と同様にして電源系統6を伝送されて、記録・警報装置4へと送られる。
記録・警報装置4には、例えば図14に示した第1のデータベースと、図23に示した第4のデータベースがそれぞれ用意される。
記録・警報装置4は、上位集計装置3から申告情報を受けた場合、プラグイベント監視処理を開始する。このプラグイベント監視処理の流れは、図24に示したフローチャートに示されるのと同様である。しかし第4の実施形態において記録・警報装置4は、ステップSa1における電気機器の同定を、申告情報に含まれた機器識別情報、対応機器情報および機種情報に基づいて行う。また記録・警報装置4は、ステップSb1における最大消費電力の合計値の計算を、申告情報に含まれた最大消費電力情報に示されている最大消費電力の合計値として計算する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
かくして第4の実施形態によれば、第1および第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに第4の実施形態によれば、図15または図21に示されたような第2のデータベースや、図22に示された第3のデータベースを記録・警報装置4に用意しておく必要が無く、監視対象となる電気機器13を新たに追加する場合に、その電気機器13に関する名称、種類、あるいは最大消費電力を記録・警報装置4に登録する作業を管理者が行う必要が無い。代わりに、申告装置23にこれらの情報を書き込むための作業が必要になるが、この作業は電気機器13に申告装置23を装着する作業の一環として当該電気機器13の近傍で行うことができるために、通常は電気機器13から離れている記録・警報装置4にて登録する場合に比べて作業が楽であり、入力誤りも発生しづらい。
つまり、第1乃至第3の実施形態に含まれている、いくつかのデータベースのうち、電気機器に固有の情報だけに関するデータベースは、そのデータレコードをこの第4の実施形態のように各申告装置内に保持した分散データベースとして構築することができる。各申告装置が、それが取り付けられている電気機器に関するデータレコードを保持し、コンセントにつないだときにこのデータを管理装置へと送信することによって、管理装置は常に、実際に使われている全ての電気機器に関する(すなわち全ての必要な)データレコードを収集してデータベースを作成することができる。しかも、申告装置内に情報を入力し、あるいは更新すると、それが全て自動的に管理装置のデータベースに反映されるのであり、便利となる。
(第5の実施形態)
以下、図28および図29を参照して第5の実施形態について説明する。なお、図28および図29において図1乃至図27と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第5の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。そして第5の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、申告装置1に代えて申告装置25を備えることと、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
図28は申告装置25の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置25は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、記憶装置1n、電源回路1q、デジタル電力計25aおよびMPU25bを含む。すなわち申告装置25は、申告装置1と類似した構成を備えるが、MPU1pに代えてMPU25bを備えるとともに、デジタル電力計25aを追加して備える点が異なっている。
デジタル電力計25aは、申告装置25が装着された電気機器13の消費電力をリアルタイムで計測する。デジタル電力計25aは、電力計測値をMPU25bに送る。
MPU25bは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU25bは、記憶装置1nに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU25bは、記憶装置1nに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置1nに保持された機器識別情報およびデジタル電力計25aから得た電力計測値を含めて申告情報を生成する。MPU25bは、生成した申告情報を高周波MODEM1mに出力する。なおMPU25bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
次に第5の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置25が装着される。なお、以下においてこれらの申告装置25をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号25-1〜25-16を付してそれぞれ記すこととする。すなわち、例えば図12における申告装置1-1〜1-13に代えて申告装置25-1〜25-16がそれぞれ装着される。
管理の対象となる電気機器をコンセント5に接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置25が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示す機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセントに接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置25-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置25-1では、図28に示した電源回路1qにより生成された電力がMPU31bに供給されるようになり、MPU31bが起動される。このときにMPU31bは、機器識別情報を記憶装置1nから読み出すとともに、デジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得し、この機器識別情報および電力計測値を含んだ申告情報を含む信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置25-1から送出された高周波信号は、コンセントユニット12-1に備えられたコンセント5から電源系統6bへと送出される。
この後も申告装置25-1は、電源系統6bに接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。なおMPU25bは、上記のタイミング毎にデジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得することで、その時点での消費電力の実測値を表す電力計測値を申告情報に含める。申告装置25-1が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
他の申告装置25も、上記の申告装置25-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、各申告装置25が接続されている電源系統6である。例えば図12と相似な状態では、申告装置25-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置25-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置25-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
そして申告装置25においても申告装置1と同様に、コリジョンを検出し、必要に応じて送信をリトライする。
上述のように電源系統6へと送出された高周波信号は、第1の実施形態と同様にして電源系統6を伝送されて、記録・警報装置4へと送られる。
記録・警報装置4には、第3の実施形態と同様に第1乃至第4のデータベースがそれぞれ用意される。
さて、記録・警報装置4は、上位集計装置3から申告情報を受けた場合、図29に示すようなプラグイベント監視処理を開始する。なお、図29において図16および図24に示されるのと同じ処理を行うステップには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
記録・警報装置4は、第1の実施形態と同様にしてステップSa1の処理を行う。そしてステップSa1においてNOと判断した場合に記録・警報装置4は、第1の実施形態および第3の実施形態と同様にしてステップSa2乃至ステップSa9およびステップSb1乃至ステップSb3の処理を行う。なお、図29においては、ステップSa3乃至ステップSa7およびステップSb1については図示を省略している。
一方、ステップSa1においてYESと判断した場合に記録・警報装置4は、第1の実施形態と同様にしてステップSa10の処理を行ったのち、ステップSc1へ進む。ステップSc1において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報に含まれる機器識別情報が割り当てられた電気機器13の消費電力の変動率(以下、電力変動率と称する)を算出する。電力変動率は、今回受けた申告情報と、この申告情報と同一の機器識別情報を含む過去に受けた申告情報のそれぞれに含まれた電力計測値に基づいて算出することができる。
ステップSc2において記録・警報装置4は、上記の算出した電力変動率が予め定められた許容範囲(例えば80〜120%)から外れているかどうかを確認する。上記の許容範囲は、設計値として固定的に与えられても良いし、管理者によって任意に設定されても良い。実際には、許容範囲は電気機器の種類によって異なる。例えば電気メスは、焼灼中に消費電力が若干増加する。また、手術顕微鏡であれば、機械部分の動作による消費電力に比べて、照明ランプの消費電力が著しく大きいため、照明ランプが点灯しているかどうかによって消費電力が変化する。このように電気機器は、正常な動作状態においても消費電力が変化するが、その変動率は電気機器の機種毎に異なる。そこで、上記のような性質を考慮して電気機器毎に個別に定めた許容範囲を示したテーブルを用意しておき、これに基づいてステップSc2で使用する許容範囲を適応的に定めるようにすると良い。
なお、例えばベッドウォーマならば、サーモスタットによって検出された温水の温度をほぼ一定に保つように働くため、正常時における消費電力の変動が非常に大きい。このような電気機器の場合には、上記のような電力変動のチェックは行わないようにしても良い。これは例えば、電力変動のチェックを行わない電気機器の一覧を表したデータベースを用意しておき、このデータベースに登録された電気機器に関してはステップSc1乃至ステップSc3の処理を強制的にスキップすることによって実現できる。あるいは、電気機器毎に個別に定めた許容範囲を示したテーブルにおいて、許容範囲を「無限大」のような非常に大きな範囲に設定しておくことによっても実現できる。
もし、電力変動率が許容範囲から外れているならば、記録・警報装置4はステップSc2からステップSc3へ進む。ステップSc3において記録・警報装置4は、電力変動イベント情報をその時点での時刻を表す時刻情報とともに時系列情報に追加する。電力変動イベント情報は、接続電源系統の系統識別情報や電力変動率などを表す。
ステップSc4において記録・警報装置4は、電気機器13の電力消費に異常があることの警報を発して対処を促す。この警報は、予め定められた時間が経過するまで継続しても良いし、管理者により解除指示がなされるまで継続しても良いし、あるいは今回の警報の対象となった電気機器13の接続が解除されるまで継続しても良い。
なお、上記の電力変動イベントの検出は、電気機器の動作状態の変化の管理のために利用することもできる。例えば、電気メスにおける、焼灼中の消費電力と待機中の消費電力との違いを考慮して許容範囲を適正に設定しておけば、電気メスによる焼灼が開始されたことや停止されたことに応じて電力変動イベントを生成することができる。また、手術顕微鏡であれば、照明ランプの消費電力を考慮して許容範囲を適正に設定しておけば、照明ランプが点灯されたことや消灯されたことに応じて電力変動イベントを生成することができる。このようにして、電気機器の動作状態を検出することができる。なお、このように電気機器の動作状態を検出する場合には、ステップSc4における警報発生は必要がなく、時系列情報への電力変動イベントの追加記録や、電気機器の動作状態を表示などによりME技師などに通知する処理を行うことが有益である。
ステップSb4にて注意報を発し終えた場合、ステップSc4で警報を発し終えた場合、あるいはステップSc2にて電力変動率が許容範囲内であると判断した場合には、記録・警報装置4は各ステップからステップSc5へ進む。つまり、ステップSc2にて電力変動率が許容範囲内であると判断した場合には、該当する電気機器13の電力消費に異常はないと判断することができるので、記録・警報装置4はステップSc3およびステップSc4の処理を行わない。
ステップSc5において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報に含まれた電力計測値が、申告情報を送信した電気機器についての最大消費電力を大幅に上回るかどうかを確認する。
もし、電力計測値が最大消費電力を大幅に上回っているならば、当該電気機器の故障(ショートなど)である可能性がある。そこで記録・警報装置4はステップSc5からステップSc6へ進む。そしてステップSc6において記録・警報装置4は、故障イベント情報を時系列情報に追加する。故障イベント情報は、同定した電気機器13や電力計測値などを表す。
ステップSc7において記録・警報装置4は、電気機器の故障への対処を促す警報を発する。
ステップSc7において警報を発し終えた場合、あるいはステップSc5において電力計測値が最大消費電力を大幅に上回ってはいないと判断した場合には、記録・警報装置4はステップSc8へ進む。ステップSc8において記録・警報装置4は、今回受けた申告情報を送信した電気機器が接続されている電源系統(以下においては接続電源系統と称する)に接続されている全ての電気機器13を時系列情報に基づいてピックアップし、それらの電気機器13のそれぞれについて最も新しく申告された電力計測値の合計値を算出する。
ステップSc9において記録・警報装置4は、上記の算出した合計値が、接続電源系統における安全値よりも小さいかどうかを確認する。なお安全値は、定格電力より小さい値であり、例えば図23に示すデータベースに安全値を追加して記述したデータベースを用意しておき、このデータベースを参照して安全値を決定することができる。あるいは、予め定められた1未満の係数を定格電力に乗じて求まる値として、安全値を決定することもできる。
もし、合計値が安全値以上であるならば、接続電源系統における総消費電力が定格電力に到達してしまう恐れがある。そこで記録・警報装置4はステップSc9からステップSc10へ進む。ステップSc10において記録・警報装置4は、消費電力超過イベント情報を時系列情報に追加する。消費電力超過イベント情報は、接続電源系統の系統識別情報や総消費電力などを表す。
ステップSc11において記録・警報装置4は、注意報を発して、一部の電気機器13を別の電源系統6に接続し直すように促す。
そしてステップSc11にて注意報を発し終えたならば、記録・警報装置4はプラグイベント監視処理を終了する。なお、ステップSc9にて、合計値が安全範囲内であると判定した場合には、記録・警報装置4はステップSc10およびステップSc11の処理を行わずに、プラグイベント監視処理を終了する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
記録・警報装置4による警報動作は、警報音や音声メッセージの出力、文字や図像の表示などにより行うことができる。また、警報の対象となる電気機器13の現存場所に警報器14が取り付けられているならば、その警報器14による警報を発するようにしても良い。
かくして第5の実施形態によれば、第1の実施形態および第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに第5の実施形態によれば、電気機器13あるいは電源系統6に短絡等の障害が生じた可能性がある場合には、それに起因する消費電力の変動に基づいて警報が発せられる。このため、このような障害が発生した状況が放置されてしまうことを防ぐことができる。
また時系列情報を分析することで、電気機器13が単にコンセント5に接続されたまま待機状態にあったのか、それとも実際に稼働していたのかを区別できるので、実稼働時間を算出することが可能である。そして実稼働時間に基づいて電気機器13の消耗具合を管理することも可能となる。具体的には、ある電気機器13の実稼働時間が所定の値を超えたら、消耗部品の交換などのメンテナンスの実行を促すようにすることが可能である。また、時系列情報から、いつどの部屋で注意報や警報が生じたかを一覧できる表を作成することも可能である。
また各電源系統における総消費電力を求めているため、ステップSb1乃至ステップSb3の処理により達成される管理よりも一層きめ細かい管理が可能になる。例えば、最大消費電力はすでに許容値を越えているが、作業(手術)の必要上やむを得ないものとして継続を許した場合、上記の電力計測値の合計は未だ充分に小さいということはあり得る。このような場合、最大消費電力が大きい機器(例えば手術顕微鏡)が消費電力の大きい使用状態(例えば照明ランプを点灯する状態)に変更する前に、他の機器のどれか(例えばベッドウォーマ)を消費電力が小さい使用状態(例えば温度設定を下げた状態)にするよう、MF技師が助言することができる。
また、最大消費電力の合計という観点で、どの電気機器をどの電源系統に接続するのが良いかをアレンジして平準化を図ることは、必ずしも最適ではない。実測値に基づいて各電源系統の電力を平準化するようアレンジすることが適切な場合もある。例えば、第1の電源系統に第1の電気機器(最大消費電力=1000W,電力計測値=100W)および第2の電気機器(最大消費電力=1000W,電力計測値=100W)がそれぞれ接続され、第2の電源系統に第3の電気機器(最大消費電力=1000W,電力計測値=800W)および第4の電気機器(最大消費電力=800W,電力計測値=800W)がそれぞれ接続されているとするならば、第2の電気機器を第2の電源系統に接続するとともに、第3の電気機器を第1の電源系統に接続するように入れ替えた方が、平準化できることが分かる。最大消費電力と電力計測値との双方に基づく管理を行うことで、このようなことをMF技師が認識することが可能となる。
なお、時系列情報に基づいて、各電源系統毎の電力計測値の合計を時系列のグラフ等で表示するようにすれば、電気機器の管理のために有用な情報の提供によりME技師を助けることができる。
なお、デジタル電力計25aの代わりに、より簡素なデジタル抵抗計を用い、電気機器13が稼働しているか否かのみを検出するようにしても良い。この場合、電力消費の異常についての監視を行うことはできないが、実稼働時間の管理のような実稼働状態の監視は行うことができる。そしてデジタル電力計25aを搭載する場合に比べて、申告装置25の構成を簡略にすることができる。
(第6の実施形態)
以下、図30を参照して第6の実施形態について説明する。なお、図30において図1乃至図29と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第6の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。そして第6の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、申告装置1に代えて申告装置26を備えることと、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
図30は申告装置26の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置26は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、電源回路1q、デジタル電力計25a、記憶装置26aおよびMPU26bを含む。すなわち申告装置26は、申告装置1と類似した構成を備えるが、記憶装置1nおよびMPU1pに代えて記憶装置26aおよびMPU26bをそれぞれ備えるとともに、デジタル電力計25aを追加して備える点が異なっている。
記憶装置26aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置26aは、MPU26bを駆動するソフトウェア、機器識別情報および最大消費電力情報を保持可能である。
MPU26bは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU26bは、記憶装置26aに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU26bは、記憶装置26aに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置26aに保持された機器識別情報および最大消費電力情報を含めた申告情報を含んだ信号を生成する。MPU26bは、生成した信号を高周波MODEM1mに出力する。またMPU26bは、外部の書き換え装置からの指令を高周波MODEM1mを介して取得し、この指令に応じて記憶装置26aにソフトウェア、機器識別情報あるいは最大消費電力情報などを書き込む機能を備える。なおMPU26bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
次に第6の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置26が装着される。なお、以下においてこれらの申告装置26をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号26-1〜26-16を付してそれぞれ記すこととする。すなわち、例えば図12における申告装置1-1〜1-13に代えて申告装置26-1〜26-16がそれぞれ装着される。
管理者は、各申告装置26の記憶装置26aに、装着対象となる電気機器13に関する機器識別情報および最大消費電力情報を書き換え装置24を使用して書き込んでおく。機器識別情報は、この機器の管理のために任意に割り当てられた識別情報であっても良いし、電気機器13の製造番号および機種番号を含めて作成した識別情報であっても良い。最大消費電力情報は、装着対象となる電気機器13の最大消費電力の情報を含める。
管理の対象となる電気機器をコンセント5に接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置26が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示す機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセント5に接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置26-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置26-1では、電源回路1qにより生成された電力がMPU26bに供給されるようになり、MPU26bが起動される。このときにMPU26bは、機器識別情報および最大消費電力情報を記憶装置26aから読み出すとともに、デジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得し、この機器識別情報、最大消費電力情報および電力計測値を含んだ申告情報を含む信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置26-1から送出された高周波信号は、コンセントユニット12-1に備えられたコンセント5から電源系統6bへと送出される。
この後も申告装置26-1は、電源系統6bに接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。なおMPU26bは、上記のタイミング毎にデジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得することで、その時点での消費電力の実測値を表す電力計測値を申告情報に含める。申告装置26-1が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
他の申告装置26に関しても、上記の申告装置26-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、申告装置26が接続されている電源系統6である。例えば図12と相似な状態では、申告装置26-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置26-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置26-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
そして申告装置26においても申告装置1と同様に、コリジョンを検出し、必要に応じて送信をリトライする。
上述のように電源系統6へと送出された高周波信号は、第1の実施形態と同様にして電源系統6を伝送されて、記録・警報装置4へと送られる。
記録・警報装置4には、例えば図14、図15に示すした第1および第2のデータベースと、図23に示した第4のデータベースがそれぞれ用意される。
記録・警報装置4は、上位集計装置3から申告情報を受けた場合、プラグイベント監視処理を開始する。このプラグイベント監視処理の流れは、図29に示したフローチャートに示されるのと同様である。しかし第6の実施形態において記録・警報装置4は、ステップSb1における最大消費電力の合計値の計算を、申告情報に含まれた最大消費電力情報に示されている最大消費電力の合計値として計算する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
かくして第6の実施形態によれば、第1および第5の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに第6の実施形態によれば、第3のデータベースを記録・警報装置4に用意しておく必要が無く、監視対象となる電気機器13を新たに追加する場合に、その電気機器13に関する最大消費電力を記録・警報装置4に登録する作業を管理者が行う必要が無い。申告装置26に最大消費電力を表す最大消費電力情報を書き込むための作業が必要になるが、この作業は電気機器13に申告装置26を装着する作業の一環として当該電気機器13の近傍で行うことができるために、通常は電気機器13から離れている記録・警報装置4にて登録する場合に比べて作業が楽であり、入力誤りも発生しづらい。
(第7の実施形態)
以下、図31乃至図33を参照して第7の実施形態について説明する。なお、図31乃至図33において図1乃至図30と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第7の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。そして第7の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、申告装置1、下位集計装置2および上位集計装置3に代えて申告装置25、下位集計装置27および上位集計装置28をそれぞれ備えることと、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
図31は下位集計装置27の具体的な構成を示すブロック図である。
下位集計装置27は、電極2a,2b,2c,2d,2e,2f、接続線2g,2h,2i、フィルタ回路2j,2k、高周波MODEM2m、記憶装置2n、電源回路2q、ブレーカ2r、デジタル電力計27aおよびMPU27bを含む。すなわち下位集計装置27は、下位集計装置2と類似した構成を備えるが、MPU2pに代えてMPU27bを備えるとともに、デジタル電力計27aを追加して備える点が異なっている。
デジタル電力計27aは、下位集計装置27の電力線出力側における消費電力をリアルタイムに計測する。デジタル電力計27aは、電力計測値をMPU27bに送る。
MPU27bは、接続線2g,2hを介して伝送される情報を、高周波MODEM2mを介して読み取ることができる。またMPU27bは、記憶装置2nに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU27bは、受信された申告情報を、記憶装置2nに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計27aが出力する電力計測値とを含むように加工し、加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU27bは、申告装置25に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM2mおよびフィルタ回路2jを介して送出することもできる。なおMPU27bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図32は上位集計装置28の具体的な構成を示すブロック図である。
上位集計装置28は、電極3a,3b,3c,3d,3e,3f、接続線3g,3h,3i、フィルタ回路3j、高周波MODEM3k、記憶装置3m、電源回路3p、ブレーカ3q、デジタル電力計28aおよびMPU28bを含む。すなわち上位集計装置28は、上位集計装置3と類似した構成を備えるが、MPU3nに代えてMPU28bを備えるとともに、デジタル電力計28aを追加して備える点が異なっている。
デジタル電力計28aは、上位集計装置28の電力線出力側における消費電力をリアルタイムに計測する。デジタル電力計28aは、電力計測値をMPU28bに送る。
MPU28bは、接続線3g,3hを介して伝送される情報を、高周波MODEM3kを介して読み取ることができる。またMPU28bは、記憶装置3mに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU28bは、受信された申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計28aが出力する電力計測値とを含むように加工し、加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM3kへ出力する。またMPU28bは、申告装置25に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM3kおよびフィルタ回路3jを介して送出することもできる。なおMPU28bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
次に第7の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置25が装着される。また電源系統6には、下位集計装置2と同等な位置に下位集計装置27が、上位集計装置3と同等な位置に上位集計装置28がそれぞれ接続される。なお、以下においてこれらの申告装置25をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号25-1〜25-16を付してそれぞれ記すこととする。下位集計装置27をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号27-1〜27-3,27-1-1〜27-1-3,27-2-1〜27-2-3,27-3-1〜27-3-3をそれぞれ付して記すこととする。また下位集計装置28をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号7-1,7-2をそれぞれ付して記すこととする。すなわち、例えば図12における申告装置1-1〜1-13に代えて申告装置25-1〜25-16がそれぞれ装着されるとともに、下位集計装置2-1〜2-3,2-1-1〜2-1-3,2-2-1〜2-2-3,2-3-1〜2-3-3および上位集計装置3-1,3-2に代えて下位集計装置27-1〜27-3,27-1-1〜27-1-3,27-2-1〜27-2-3,27-3-1〜27-3-3および上位集計装置28-1,28-2がそれぞれ設けられる。
管理の対象となる電気機器をコンセントに接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置25が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示す機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセント5に接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置25-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置25-1では、第5の実施形態にて説明したように申告情報を生成し、この申告情報を表した高周波信号を電源系統6bへと送出する。
他の申告装置25に関しても、上記の申告装置25-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、申告装置25が接続されている電源系統6である。例えば図12と相似な状態では、申告装置25-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置25-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置25-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
上述のように電源系統6bへと送出された高周波信号は、上位集計装置28-2に到達する。そうすると上位集計装置28-2では、この高周波信号がフィルタ回路3jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM3kで復調されて申告情報が抽出される。MPU28bは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計28aが出力する電力計測値とを含むように加工し、加工後の申告情報を記録・警報装置4へ送る。
一方、例えば申告装置25-9から電源系統6a-1-1へと送出された高周波信号は、下位集計装置27-1-1に到達する。そうすると下位集計装置27-1-1では、この高周波信号がフィルタ回路2jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM2mで復調されて申告情報が抽出される。MPU27bは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置2nに記憶された系統識別情報を含むように加工する。そして加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM2mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して電力線入力側に送出される。このようにして下位集計装置27-1-1から送出された高周波信号は、電源系統6a-1へと送出され、下位集計装置27-1に到達する。またMPU27bは、記憶装置2nに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計27aから読み取った電力計測値とを含む通知情報を含んだ信号を生成する。そしてこの信号を高周波MODEM2mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して交流電圧に重畳して電力線入力側に送出される。そうすると下位集計装置27-1では、下位集計装置27-1-1と同様にして、高周波信号を電源系統6aへと送出する。電源系統6aへと送出された高周波信号は、上位集計装置28-1に到達する。このようにして下位集計装置27-1〜27-3,27-1-1〜27-1-3,27-2-1〜27-2-3,27-3-1〜27-3-3では、申告情報の中継が行われる。
上位集計装置27-1では、上述のように高周波信号が到来すると、上位集計装置27-2と同様にして申告情報を記録・警報装置4へ送る。
このようにして、各申告装置25から送信された申告情報は、それを中継した下位集計装置27や上位集計装置28が持つ系統識別情報が付加された状態で、また電力計測値はそれを計測したデジタル電力計27aやデジタル電力計28aが対応する系統識別情報が付加された状態で記録・警報装置4に送られる。
記録・警報装置4には、第3の実施形態と同様に第1乃至第4のデータベースがそれぞれ用意される。
さて、記録・警報装置4は、上位集計装置28から申告情報を受けた場合、図29に示すようなプラグイベント監視処理を実行する。一方、記録・警報装置4は、上位集計装置28から通知情報を受けた場合、図33に示す申告電力差監視処理を開始する。
ステップSd1において記録・警報装置4は、申告電力差を算出する。例えば記録・警報装置4は、今回受けた通知情報に含まれた系統識別情報に対応した電源系統に接続されている電気機器のそれぞれに関する最新の電力計測値を時系列情報から抽出して、それらの合計値を算出する。そして記録・警報装置4は、このようにして算出した合計値と、今回受けた通知情報に含まれた電力計測値との差として上記の申告電力差を算出する。 ステップSd2において記録・警報装置4は、申告電力差が予め定めた許容値(例えば10W)を超えている状態が前記一定期間において継続しているか否かを確認する。上記の許容値は、設計値として固定的に与えられても良いし、管理者によって任意に設定されても良い。
申告電力差は、該当する電源系統において僅かに漏電しているような状況においても発生するが、主として申告装置25が装着されていない電気機器13が使用されている場合に発生する。そこでこれを無許可機器接続イベントと定義する。
もしステップSd2においてYESと判断したならば記録・警報装置4は、ステップSd2からステップSd3へ進む。ステップSd3において記録・警報装置4は、無許可機器接続イベント情報を時系列情報に追加する。無許可機器接続イベント情報は、無許可機器の接続状態であると判定した電源系統の系統識別情報などを表す。
ステップSd4において記録・警報装置4は、無許可機器接続イベントが発生したことの注意報を発して対処を促す。この注意報は、どの電源系統6に関して無許可機器接続イベントが発生しているのかを判別可能なように行う。またこの注意報は、無許可機器を撤去を要求したり、無許可機器が使用されているために十分に注意をするように促したり、急いで申告装置を取り付けることを要求するなどの適切な処置を行うよう促すものとする。この注意報は、予め定められた時間が経過するまで継続しても良いし、管理者により解除指示がなされるまで継続しても良いし、あるいは今回の注意報の対象となった電源系統6に関する無許可機器接続イベントが解消されるまで継続しても良い。
そして注意報を発し終えたならば、記録・警報装置4はプラグイベント監視処理を終了する。なお、ステップSd2にて、NOと判断した場合には、記録・警報装置4はステップSd3の処理を行わずに、電力申告差監視処理を終了する。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理および申告電力差監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
記録・警報装置4による警報動作は、警報音や音声メッセージの出力、文字や図像の表示などにより行うことができる。また、警報の対象となる電源系統6の配線先となる部屋に警報器14が取り付けられているならば、その警報器14による警報を発するようにしても良い。
かくして第7の実施形態によれば、第1、第3および第5の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに第7の実施形態によれば、無許可機器接続イベントが発生した場合に警報が発せられる。このため、申告装置25が装着されていないために管理することができない電気機器13が使用される状況が放置されてしまうことを防いだり、この状況によるブレーカ上がりなどの不具合を生じさせないよう注意を促すことができる。
また時系列情報を分析することで、いつどの部屋で無許可機器接続イベントの警報が生じたかを一覧できる表を作成することも可能である。このような一覧の情報に基づけば、どの部屋で作業していた者が規則違反を犯したかが分かるとともに、違反の頻度などの統計的エビデンスを得ることも可能である。
なお、電力線出力側に下位集計装置27が接続される場合には、上位集計装置3を用いるようにしても良い。全ての上位集計装置の電力線出力側に下位集計装置27を接続するようにして、全ての上位集計装置を上位集計装置3としても良い。
また、申告装置25に代えて申告装置26を備えることも可能である。この場合に記録・警報装置4は、ステップSb1における最大消費電力の合計値の計算を、申告情報に含まれた最大消費電力情報に示されている最大消費電力の合計値として計算する。このようにすれば、第3のデータベースを記録・警報装置4に用意しておく必要が無く、監視対象となる電気機器13を新たに追加する場合に、その電気機器13に関する最大消費電力を記録・警報装置4に登録する作業を管理者が行う必要が無い。申告装置26に最大消費電力を表す最大消費電力情報を書き込むための作業が必要になるが、この作業は電気機器13に申告装置26を装着する作業の一環として当該電気機器13の近傍で行うことができるために、通常は電気機器13から離れている記録・警報装置4にて登録する場合に比べて作業が楽であり、入力誤りも発生しづらい。
(第8の実施形態)
以下、図34乃至図36を参照して第8の実施形態について説明する。なお、図34乃至図36において図1乃至図33と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第8の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成は図1と同様であるので、その図示は省略する。そして第8の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、申告装置1、下位集計装置2および上位集計装置3に代えて申告装置29、下位集計装置30および上位集計装置31をそれぞれ備えることと、記録・警報装置4における管理処理の内容である。
図34は申告装置29の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置29は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、電源回路1q、デジタル電力計25a、記憶装置29aおよびMPU29bを含む。すなわち申告装置29は、申告装置1と類似した構成を備えるが、記憶装置1nおよびMPU1pに代えて記憶装置29aおよびMPU29bをそれぞれ備えるとともに、デジタル電力計25aを追加して備える点が異なっている。
記憶装置29aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置29aは、MPU29bを駆動するソフトウェア、機器識別情報、最大消費電力情報、機器情報および使用条件情報を保持可能である。
MPU29bは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU29bは、記憶装置29aに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU29bは、記憶装置29aに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置29aに保持された機器識別情報、最大消費電力情報、機器情報および使用条件情報を含めて申告情報を生成する。MPU29bは、生成した申告情報を含んだ信号を高周波MODEM1mに出力する。またMPU29bは、外部の書き換え装置からの指令を高周波MODEM1mを介して取得し、この指令に応じて記憶装置29aにソフトウェア、機器識別情報あるいは最大消費電力情報などを書き込む機能を備える。なおMPU29bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図35は下位集計装置30の具体的な構成を示すブロック図である。
下位集計装置30は、電極2a,2b,2c,2d,2e,2f、接続線2g,2h,2i、フィルタ回路2j,2k、高周波MODEM2m、電源回路2q、ブレーカ2r、デジタル電力計27a、記憶装置30aおよびMPU30bを含む。すなわち下位集計装置30は、下位集計装置2と類似した構成を備えるが、記憶装置2nおよびMPU2pに代えて記憶装置30aおよびMPU30bをそれぞれ備えるとともに、デジタル電力計27aを追加して備える点が異なっている。
記憶装置30aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置30aは、MPU30bを駆動するソフトウェア、系統識別情報、配線情報および定格電力情報を保持可能である。
MPU30bは、接続線2g,2hを介して伝送される情報を、高周波MODEM2mを介して読み取ることができる。またMPU30bは、記憶装置30aに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU30bは、受信された申告情報を、記憶装置2nに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU30bは、記憶装置30aに記憶された系統識別情報、配線情報および定格電力情報を含む第1の通知情報を生成し、この第1の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU30bは、記憶装置30aに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計27aから読み取った電力計測値とを含む第2の通知情報を生成し、この第2の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU30bは、申告装置29に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM2mおよびフィルタ回路2jを介して送出することもできる。なおMPU30bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図36は上位集計装置31の具体的な構成を示すブロック図である。
上位集計装置31は、電極3a,3b,3c,3d,3e,3f、接続線3g,3h,3i、フィルタ回路3j、高周波MODEM3k、電源回路3p、ブレーカ3q、デジタル電力計28a、記憶装置31aおよびMPU31bを含む。すなわち上位集計装置31は、上位集計装置3と類似した構成を備えるが、記憶装置3mおよびMPU3nに代えて記憶装置31aおよびMPU31bを備えるとともに、デジタル電力計28aを追加して備える点が異なっている。
記憶装置31aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置31aは、MPU31bを駆動するソフトウェア、系統識別情報、配線情報および定格電力情報を保持可能である。
MPU31bは、接続線3g,3hを介して伝送される情報を、高周波MODEM3kを介して読み取ることができる。またMPU31bは、記憶装置3mに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU31bは、受信された申告情報を、記憶装置3mに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM3kへ出力する。またMPU31bは、記憶装置3mに記憶された系統識別情報、配線情報、定格電力情報および遮断電力情報を含む第1の通知情報を生成し、この第1の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU31bは、記憶装置3mに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計28aから読み取った電力計測値とを含む第2の通知情報を生成し、この第2の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mへ出力する。またMPU31bは、申告装置29に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM3kおよびフィルタ回路3jを介して送出することもできる。なおMPU31bは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
次に第8の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置29が装着される。また電源系統6には、下位集計装置2と同等な位置に下位集計装置30が、上位集計装置3と同等な位置に上位集計装置31がそれぞれ接続される。なお、以下においてこれらの申告装置29をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号29-1〜29-16を付してそれぞれ記すこととする。下位集計装置30をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号30-1〜30-3,30-1-1〜30-1-3,30-2-1〜30-2-3,30-3-1〜30-3-3をそれぞれ付して記すこととする。また上位集計装置31をそれぞれ区別する必要がある場合には、符号31-1,31-2をそれぞれ付して記すこととする。すなわち、例えば図12における申告装置1-1〜1-13に代えて申告装置29-1〜29-16がそれぞれ装着されるとともに、下位集計装置2-1〜2-3,2-1-1〜2-1-3,2-2-1〜2-2-3,2-3-1〜2-3-3および上位集計装置3-1,3-2に代えて下位集計装置30-1〜30-3,30-1-1〜30-1-3,30-2-1〜30-2-3,30-3-1〜30-3-3および上位集計装置31-1,31-2がそれぞれ設けられる。
管理者は、各申告装置29の記憶装置29aに、装着対象となる電気機器13に関する機器識別情報、最大消費電力情報、機器情報および使用条件情報を書き換え装置24を使用して書き込んでおく。機器識別情報は、この機器の管理のために任意に割り当てられた識別情報であっても良いし、電気機器13の製造番号および機種番号を含めて作成した識別情報であっても良い。最大消費電力情報は、装着対象となる電気機器13の最大消費電力の情報を含める。機器情報は、装着対象となる電気機器13の機種名などのような管理者が電気機器13を特定するのに有用な情報である。使用条件情報は、装着対象となる電気機器13に関して、使用可能な場所、使用禁止場所、あるいは常時コンセントに接続すべきか否かなどの使用条件を表す。
また管理者は、下位集計装置30および上位集計装置31の記憶装置30a,31aに、系統識別情報、配線情報、定格電力情報および遮断電力情報を書き込んでおく。系統識別情報は、この記憶装置30a,31aが設けられた下位集計装置30または上位集計装置31の電力線出力側に接続された電源系統6に割り当てられた識別情報である。配線情報は、系統識別情報が割り当てられた電源系統6の配線先の場所(部屋およびコンセント5の位置など)を表す。定格電力情報は、系統識別情報が割り当てられた電源系統6における定格電力を表す。遮断電力情報は、ブレーカ2r,3qが電力線出力側を遮断する際の電力線出力側の電力を表す。
管理の対象となる電気機器をコンセント5に接続する場合には、その電気機器に装着された申告装置29が電源系統6に接続される。例えば、電気機器13-1が図12に示す機材室のコンセントユニット12-1に備えられたコンセント5に接続された場合、この電気機器13-1の電源コネクタに装着された申告装置29-1が電源系統6bに接続される。そうすると申告装置29-1では、電源回路1qにより生成された電力がMPU29bに供給されるようになり、MPU29bが起動される。このときにMPU29bは、機器識別情報、最大消費電力情報、機器情報および使用条件情報を記憶装置26aから読み出すとともに、デジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得し、この機器識別情報、最大消費電力情報、機器情報、使用条件情報および電力計測値を含んだ申告情報を含む信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置29-1から送出された高周波信号は、コンセントユニット12-1に備えられたコンセントから電源系統6bへと送出される。
この後も申告装置29-1は、電源系統6bに接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。なおMPU29bは、上記のタイミング毎にデジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得することで、その時点での消費電力の実測値を表す電力計測値を申告情報に含める。申告装置29-1が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
他の申告装置29に関しても、上記の申告装置29-1と同様に動作する。ただし、高周波信号の送出先は、申告装置29が接続されている電源系統6である。例えば図12と相似な状態では、申告装置29-9からは電源系統6a-1-1へと、申告装置29-11からは電源系統6a-1-3へと、申告装置29-15からは電源系統6a-3-2へとそれぞれ高周波信号が送出される。
そして申告装置29においても申告装置1と同様に、コリジョンを検出し、必要に応じて送信をリトライする。
上述のように電源系統6bへと送出された高周波信号は、上位集計装置31-2に到達する。そうすると上位集計装置31-2では、この高周波信号がフィルタ回路3jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM3kで復調されて申告情報が抽出される。MPU31bは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置31aに記憶された系統識別情報を含むように加工し、加工後の申告情報を記録・警報装置4へ送る。またMPU31bは、記憶装置31aに記憶された系統識別情報、配線情報、定格電力情報および遮断電力情報を含んだ第1の通知情報を記録・警報装置4からの要求に応じて生成し、この第1の通知情報を記録・警報装置4へ送る。さらにMPU31bは、記憶装置31aに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計28aが出力する電力計測値とを含む第2の通知情報を記録・警報装置4からの要求に応じて生成し、この第2の通知情報を記録・警報装置4へ送る。
一方、例えば申告装置29-9から電源系統6a-1-1へと送出された高周波信号は、下位集計装置30-1-1に到達する。そうすると下位集計装置30-1-1では、この高周波信号がフィルタ回路2jによって交流電圧から分離されるとともに、高周波MODEM2mで復調されて申告情報が抽出される。MPU30bは、上記の抽出された申告情報を、記憶装置30aに記憶された系統識別情報を含むように加工する。そして加工後の申告情報を含んだ信号を高周波MODEM2mに変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して電力線入力側に送出される。またMPU30bは、記憶装置31aに記憶された系統識別情報、配線情報、定格電力情報および遮断電力情報を含んだ第1の通知情報が記録・警報装置4からの要求に応じて生成する。この第1の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mに変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して交流電圧に重畳して電力線入力側に送出される。さらにMPU30は、記憶装置31aに記憶された系統識別情報と、デジタル電力計28aが出力する電力計測値とを含む第2の通知情報を記録・警報装置4からの要求に応じて生成する。この第2の通知情報を含んだ信号を高周波MODEM2mに変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路2kを介して交流電圧に重畳して電力線入力側に送出される。このようにして下位集計装置30-1-1から送出された高周波信号は、電源系統6a-1へと送出され、下位集計装置30-1に到達する。そうすると下位集計装置30-1では、下位集計装置30-1-1と同様にして、高周波信号を電源系統6aへと送出する。電源系統6aへと送出された高周波信号は、上位集計装置31-1に到達する。このようにして下位集計装置30-1〜30-3,30-1-1〜30-1-3,30-2-1〜30-2-3,30-3-1〜30-3-3では、申告情報の中継が行われる。
上位集計装置31-1では、上述のように高周波信号が到来すると、上位集計装置31-2と同様にして申告情報を記録・警報装置4へ送る。
このようにして、各申告装置29から送信された申告情報、それを中継した下位集計装置30や上位集計装置31が持つ系統識別情報、配線情報、定格電力情報および遮断電力情報や、デジタル電力計27aやデジタル電力計28aによる計測値を記録・警報装置4が収集できる。記録・警報装置4は、これらの収集した情報に基づいて、第1乃至第4のデータベースを構成する。
そして記録・警報装置4は、上記のように構成した各データベースを参照しながら、第3の実施形態と同様なプラグイベント監視処理を実行する。
かくして第8の実施形態によれば、第7の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに第8の実施形態によれば、第1乃至第4のデータベースを記録・警報装置4に予め用意しておく必要が無く、第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、下位集計装置30および上位集計装置31に各種の情報を書き込むための作業が必要になるが、これはシステムの構築時および電源系統6の構成を変更する場合に限られ、一般にその頻度は少ない。
そしてこのように、記録・警報装置4におけるデータベースの更新が必要ないことは、複数の記録・警報装置4を使用して個別にシステムを管理する場合に、非常に好都合である。すなわち、複数の記録・警報装置4のそれぞれがデータベースを持っていると、何らかのシステム変更時にはこれらのデータベースの全てを更新しなければならずに面倒である上に、一部の記録・警報装置4のデータベースを更新し忘れてしまう恐れがあるが、第8の実施形態によればこれらの不具合を有効に防止できる。
(第9の実施形態)
以下、図37乃至図41を参照して第9の実施形態について説明する。なお、図37乃至図41において図1乃至図36と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図37は第9の実施形態に係る機器使用状況管理システムの概略構成を示すブロック図である。
第9の実施形態の機器使用状況管理システムは、記録・警報装置4、申告装置32、ROM33および集計装置34を含む。
申告装置32は、管理対象となる電気機器の電源プラグに取り付けられる。申告装置32は、コンセント5に差し込まれる。コンセント5は、電気機器に電力を供給するための電源系統6に取り付けられている。申告装置1は、電源系統6を介して供給される電力を電気機器に供給する。申告装置32は、ユニークな機器識別情報やROM33から読み込んだ情報を含んだ申告情報を電源系統6の上流側へ出力する。
ROM33は、コンセント5の近傍に設けられる。ROM33は、ユニークなコンセント識別情報を記憶している。
集計装置34は、最上流側の電源系統6に取り付けられる。集計装置34は、申告装置32から出力される申告情報を取得する。集計装置34は、取得した申告情報を専用通信線7を介して記録・警報装置4に送る。
図38は申告装置32の具体的な構成を示すブロック図である。
申告装置32は、電極1a、1b,1c、電極1d,1e,1f、接続線1h,1i,1j、フィルタ回路1k、高周波MODEM1m、電源回路1q、デジタル電力計25a、記憶装置32a、情報プラグ32bおよびMPU32cを含む。すなわち申告装置32は、申告装置1と類似した構成を備えるが、記憶装置1nおよびMPU1pに代えて記憶装置32aおよびMPU32cをそれぞれ備えるとともに、デジタル電力計25aおよび情報プラグ32bを追加して備える点が異なっている。
記憶装置32aは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)を含む。記憶装置32aは、MPU32cを駆動するソフトウェアおよび機器識別情報を保持可能である。
情報プラグ32bは、コンセント5の近傍に配置される情報コネクタ35に結合し、ROM33とMPU32cとを接続する。
MPU32cは、接続線1h,1iを介して伝送される情報を、高周波MODEM1mを介して読み取ることができる。またMPU32bは、記憶装置32aに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU32cは、情報プラグ32bおよび情報コネクタ35を介して接続されたROM33に保持された情報を随時読み取ることができる。MPU32cは、記憶装置32aに保持されたソフトウェアに従って動作し、記憶装置32aに保持された機器識別情報およびROM33に保持された情報を含めて申告情報を生成する。MPU32cは、生成した申告情報を含んだ信号を高周波MODEM1mに出力する。またMPU32cは、外部の書き換え装置からの指令を高周波MODEM1mを介して取得し、この指令に応じて記憶装置32aにソフトウェア、機器識別情報あるいは最大消費電力情報などを書き込む機能を備える。なおMPU32cは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
図39は書き換え装置36の構成を示すブロック図である。
書き換え装置36は、電極36a、36b,36c、電極36d,36e,36f、接続線36g,36h,36i、情報コネクタ36j、記憶装置36k、MPU36mおよび電源回路36nを含む。
電極36a,36b,36cは、3つの差し込み口にそれぞれ設けられている。これらの差し込み口に申告装置29の3つの電極1d,1e,1fがそれぞれ差し込まれることによって、この電極1d,1e,1fが電極36a、36b,36cにそれぞれ接触する。
電極36d,36e,36fは、電源プラグに設けられており、この電源プラグがコンセントに差し込まれた場合に、コンセントに設けられた3つの電極にそれぞれ接触する。
接続線36g,36h,36iは、電極36a,36b,36cと電極36d,36e,36fとをそれぞれ接続する。なお、電極36cおよび電極36fは、アース用であり、接続線36iはアース線である。
情報コネクタ36jは、情報プラグ32bと結合し、MPU36mとMPU32cとを接続する。
記憶装置36kは、例えばROMを含む。記憶装置36kは、MPU36mを駆動するソフトウェアを保持している。
MPU36mは、パーソナルコンピュータ20によるコントロールの下に、ソフトウェア、あるいは機器識別情報などの書き換えをMPU32cに対して指令するための指令情報を生成する。MPU36mは、生成した指令情報を情報コネクタ36jおよび情報プラグ32bを介してMPU32cに送る。なおMPU36mは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路36nは、接続線36g,36h,36iに接続されている。電源回路36nは、接続線36g,36h,36iを介してコンセントから電力を得て変圧し、記憶装置36kおよびMPU36mに供給する。
ROM33は、コンセント5のそれぞれに対応して設けられ、ユニークなコンセント識別情報を保持する。
図40は集計装置34の構成を示すブロック図である。
集計装置34は、電極34a,34b,34c,34d,34e,34f、接続線34g,34h,34i、フィルタ回路34j、高周波MODEM34k、記憶装置34m、MPU34n、電源回路34pおよびブレーカ34qを含む。
電極34a,34b,34cには、電力線出力側(下流側)の電源系統6に属する3本の電源線がそれぞれ接続される。電極34d,34e,34fには、電力線入力側(上流側)の電源系統6に属する3本の電源線がそれぞれ接続される。接続線34g,34h,34iは、電極34a,34b,34cと電極34d,34e,34fとをそれぞれ、すなわち電力線出力側の3本の電源線と電力線入力側の3本の電源線とをそれぞれ接続する。
フィルタ回路34jは、接続線34g,34hを流れる低周波な交流電圧から、この交流電圧に重畳された高周波信号を分離する。フィルタ回路34jは、高周波信号成分を高周波MODEM34kに送る。またフィルタ回路34jは、高周波MODEM34kから出力された高周波信号を、交流電圧に重畳して電力線出力側にだけ送出する。
高周波MODEM34kは、フィルタ回路34jから送られた高周波信号を復調して申告情報を抽出する。また高周波MODEM34kは、MPU34nから与えられる信号を変調して高周波信号を得る。
記憶装置34mは、例えばROMを含む。記憶装置34mは、MPU34nを駆動するソフトウェアを保持している。
MPU34nは、接続線34g,34hを介して伝送される情報を、高周波MODEM34kを介して読み取ることができる。またMPU34nは、記憶装置34mに保持された情報を随時読み取ることができる。MPU34nは、受信された申告情報を記録・警報装置4へ送る。またMPU34nは、下位集計装置2に対して情報を送信するよう要求する信号や、ソフトウエアを修正するよう指示する信号などを高周波MODEM34kおよびフィルタ回路34jを介して送出することもできる。なおMPU34nは、プログラムの実行に必要なランダムアクセスメモリやクロック発生回路を内蔵している。
電源回路34pは、接続線34g,34h,34iに接続されている。電源回路34pは、接続線34g,34h,34iを介して電源線から電力を得て変圧し、高周波MODEM34k、記憶装置34mおよびMPU34nに供給する。
ブレーカ34qは、漏電やショートによって接続線34g,34h,34iの電流が過大となった場合に電力線出力側を切り離す。
次に第9の実施形態に係る機器使用状況管理システムの動作について説明する。
管理の対象となる電気機器13には、その電源プラグに申告装置32が装着される。
管理の対象となる電気機器をコンセント5に差し込むと、その電気機器に装着された申告装置32が電源系統6に接続される。このとき、申告装置32の情報プラグ32bは、上記のコンセント5に対応した情報コネクタ35に挿入される。そうすると申告装置32では、電源回路1qにより生成された電力がMPU31cに供給されるようになり、MPU31cが起動される。このときにMPU31cは、機器識別情報を記憶装置1nから読み出し、ROM33からコンセント識別情報を読み出すとともに、デジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得し、この機器識別情報、コンセント識別情報および電力計測値を含んだ申告情報を含めた信号を生成する。この信号を高周波MODEM1mによって変調して得られた高周波信号が、フィルタ回路1kを介してコンセント側に送出される。このようにして申告装置32から送出された高周波信号は、コンセント5から電源系統6へと送出される。
この後も申告装置32は、電源系統6に接続され続ける限り、予め定められたタイミング毎に申告情報を表した高周波信号を繰り返し送信する。なおMPU32cは、上記のタイミング毎にデジタル電力計25aから出力される電力計測値を取得することで、その時点での消費電力の実測値を表す電力計測値を申告情報に含める。申告装置32が高周波信号を送信するタイミングは任意であって良いが、一定周期毎とすることが考えられる。このときの1周期は、1秒程度とすれば実用上十分である。
そして申告装置32においても申告装置1と同様に、コリジョンを検出し、必要に応じて送信をリトライする。
上述のように電源系統6へと送出された高周波信号は、電源系統6を伝送されるとともに、集計装置34で中継されて記録・警報装置4へと送られる。
記録・警報装置4には、実際のシステム構成に基づいて作成された第1乃至第4のデータベースがそれぞれ用意される。第2乃至第4のデータベースは、第3の実施形態と同様である。
第1のデータベースは、例えば図41に示すようにコンセント識別情報、場所およびコンセント位置のそれぞれの情報を対応付けたデータレコードを含む。第1のデータベースに含まれるデータレコードは、コンセント5のそれぞれに関する情報を記述している。コンセント識別情報としては、各コンセント5に対応するROM33に保持されたコンセント識別情報が記述される。場所としては、電源系統6の配線先の部屋の名前が記述される。コンセント位置としては、各コンセント5が上記の場所にて取り付けられている位置が記述される。
さて、記録・警報装置4は、集計装置34から申告情報を受けた場合、プラグイベント監視処理を開始する。このプラグイベント監視処理の流れは、図24に示したフローチャートに示されるのと同様である。しかし第9の実施形態において記録・警報装置4は、ステップSa4における現存場所および接続コンセント位置の同定を、申告情報に含められたコンセント識別情報に基づいて、図41に示したような第1のテーブルを参照して行う。
記録・警報装置4は、以上のプラグイベント監視処理とは別にアンプラグイベント監視処理を第1の実施形態と同様に行っている。
かくして第9の実施形態によれば、第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに第9の実施形態によれば、電源系統6には、集計装置34のみを設ければ良いから、既設の電源設備に対して本システムを適用し易くなる。すなわち、前記各実施形態のように複数の集計装置を装着する場合には、電力配線の中に分散して多くの集計装置を取り付けなければならないためにその作業は大変である。また、場合によっては適切な場所に集計装置を取り付けることができず、電力配線を変更することが必要となることもある。これに対して第9の実施形態によれば、例えば分電盤近傍などに1つの集計装置34を取り付ければよいから、その作業は格段に簡易になる。
なお第9の実施形態では、各コンセント5に対応付けてROM33および情報コネクタ35を設けなければならないが、これはコンセント5、ROM33および情報コネクタ35を搭載したコンセントユニットとして、これを既設のコンセントユニットに代えて取り付けるようにすれば、比較的簡易に取り付けが行える。
なお、この第9の実施形態の特徴的な構成は、第1、第2および第4乃至第8の各実施形態の特徴と組み合わせて実施することも可能である。
また、ROM33には、対応するコンセント5が接続されている電源系統6の系統識別情報を保持させておいても良い。この場合には、複数のROM33が同一の系統識別情報を保持することがある。
なお、以上に説明した各実施形態における機器使用状況管理システムを利用することによって、次のような種々のメリットを得ることが可能である。
(1) 適切な電源系統を装置に割当てるための管理業務(ME技師の仕事である)を簡便にすることができる。
(2) 各電気機器の使用状況を常時追跡することによって、ある作業場(手術室)で急に必要になった電気機器が、「現在空き状態にない。(どこに在るかという情報を含む)」を一覧できる機能を提供できる。これにより例えば、もし全ての電気機器が空きでないならば、どの手術室と交渉して借り出すべきか(現在コンセントに接続されているが、消費電力から見て待機状態にある電気機器を見分ける)、あるいは空きのものがあるなら心当り(機械室や廊下)をさがすという判断が素早く下せるようにすることを通じて、手術室(作業場)での装置手配の問題を簡便にすることができる。
(3) 各電気機器の使用状況を常時追跡することによって、各作業場において、各電気機器が正常に使用されているかどうかを監視できるようにすることによって、急なトラブル(故障等)にすばやく対応可能にすることができる。
(4) 各電気機器の使用状況を常時追跡することによって、各作業場に於ける作業内容が推定できるので、作業が通常通り進んでいるかどうか(トラブルが生じた徴候はないか)を監視可能とすることができる。ただしこれは、手術部管理者(麻酔医のトップ)の仕事である。
(5) 各電気機器の使用状況を時系列情報として記録を残すことによって、万一作業場で重大なトラブルや事故が生じた場合、事故状況の解明のための資料を提供できるようになる。また、トラブルや事故がなくても、装置の使用状況(使用の時刻、頻度、継続時間など)の統計を取ることによって、通常の使用を特徴付ける統計量を算出することに利用でき、このような統計量は上記および(4)における異常の判断に利用できる。
(6) 各電気機器の使用状況の記録を残すことによって、同種装置の過不足が判り、設備導入の判断材料となる。また、装置のメインテナンスの必要性、緊急性を判断でき、メンテ計画が合理的に作れる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
前記の各実施形態において、記録・警報装置4に第5のデータベースを持たせるようにしても良い。この第5のデータベースには、第1乃至第4のデータベースには含まれないが、機器の管理に有用な情報を記述する。当該情報は例えば、機器の点検周期、機器が故障した場合等の連絡先、機器の購入日、機器の使用予約に関する情報などを含むことができる。そしてこの第5のデータベースに記述された情報を参照することで、前記第1乃至第5の実施形態に示した管理に加えて、その他の各種の管理を行うことが可能となる。なお、この場合、第4実施形態,第6実施形態,第8実施形態および第9実施形態においては、書き換え装置24,36をコントロールするコンピュータ20として記録・警報装置4を用いるようにし、申告装置23,26,29,32に必要な情報を書き込む作業の一環として第5のデータベースへの情報登録を行えるようにすれば、その作業が簡便となり、かつ情報登録の誤りが生じにくくなる。
前記の各実施形態において管理対象となる機器は、電気機器には限らない。すなわち、ダミーの電源プラグを備え、管理のためだけにコンセント5へと接続される機器を含んでいても良い。
前記各実施形態における各種の申告装置の機能は、電気機器に組み込まれていても良い。
前記各実施形態に係る機器使用状況管理システムは、工場などのような病院以外の施設で使用される機器の管理にも利用可能である。
前記各実施形態では、電気機器13の現存位置や消費電力などを監視しているが、必ずしもこのような処理は行わなくても良い。収集した情報や刑事記録された情報は、電気機器13の現存位置や消費電力の管理するための情報として管理者が使用することが可能である。
上位集計装置3は、系列識別情報を申告情報に付加する機能を有さず、下位集計装置2から送られた申告情報をそのまま記録・警報装置4に送るようにしても良い。
申告情報と各種のイベントに関するイベント情報とは、別々の時系列情報として記録しても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1,22,23,25,26,29,32…申告装置、2,27,28,30…下位集計装置、3,21,31…上位集計装置、4…記録・警報装置、5…コンセント、6…電源系統、7…専用通信線、8…電源プラグ、9,10,11…固定金具、12…コンセントユニット、13…電気機器、14…警報器、20…パーソナルコンピュータ、24,36…書き換え装置、33…ROM、34…集計装置、35,36j…情報コネクタ、1k,2j,2k,3j,24j,34j…フィルタ回路、1m,2m,3k,24k,34k…高周波MODEM、1n,2n,3m,23a,24m,26a,29a,30a,31a,32a,34m,36k…記憶装置、1p,2p,3n…MPU、1q,2q,3p,24p,34p,36n…電源回路、2r,3q,34q…ブレーカ、25a,27a,28a…デジタル電力計、32b…情報プラグ。