以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わるデジタル一眼レフレックスカメラの背面側から見た外観斜視図である。
図1に示すカメラ本体200の前面の略中央には、着脱可能なレンズ鏡筒100を装着している。カメラ本体200の正面左側のグリップ部の上部には、不図示のレリーズ釦が配置されている。レリーズ釦は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子221(図2参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う露光動作を実行する。
また、カメラ本体200の正面左側グリップ部には、前ダイアル22(図1には不図示、図2参照)が配置されている。この前ダイアル22は、時計方向および反時計方向に回転自在であり、その回転方向と回転量が検知され出力される。
図1に示すように、カメラ本体200の背面の右上には、後ダイアル23が配置されている。後ダイアル23も、前ダイアル22と同様、時計方向および反時計方向に回転自在であり、その回転方向と回転量が検知され出力される。また、後ダイアル23の近傍には、2つの操作釦からなる背面操作部材24が配置されている。
後ダイアル23の下側に、十字釦32が配置されている。この十字釦32は上側十字釦32a、下側十字釦32b等の4つの釦からなり、背面液晶モニタ39上にカーソルが表示されている場合に、このカーソルの移動等に用いる。また、後述するように、本実施形態の変形例においては、十字釦32の上下釦を操作することによりアスペクト比を変更することができる。
カメラ本体200の背面の略中央の上部には、接眼部38が設けられており、この中に接眼レンズ209が配置されている。カメラ本体200は一眼レフレックスカメラであり、内部には、可動ミラー201やペンタプリズム207等のファインダ光学系(図2参照)が配置され、このファインダ光学系を通過した被写体光束が、この接眼レンズ209より出射する。撮影者は接眼レンズ209を介して、光学的に被写体像を観察することができる。
接眼部38の下側には、背面液晶モニタ(以下、背面LCDと称す)39が配置されている。背面LCD39は、ライブビュー表示を行い、また、記録済みの被写体像を再生表示し、撮影情報やメニューを表示するための表示装置である。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶表示装置に限らない。また、本実施形態においては、カメラ本体200の背面に配置しているが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限られない。背面LCD39の下側には、インフォメーション釦31が配置されている。このインフォメーション釦31の操作により、撮影情報を表示する。
次に、本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラの電気回路について、図2に示すブロック図を用いて説明する。このデジタル一眼レフカメラは、前述したように、交換レンズ100とカメラ本体200とが別体で構成され、通信接点341にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101は光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動される。光学系駆動機構107によって駆動された撮影光学系101の焦点位置(ピント位置)は、ピント位置検出機構105によって、また光学系101の焦点距離は、ズーム位置検出機構106によって、それぞれ検出される。
光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、ピント位置検出機構105、およびズーム位置検出機構106は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点341を介してカメラ本体200に接続されている。
また、レンズCPU111には、レンズROM113とレンズRAM115が接続されている。レンズROM113は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、レンズCPU111を実行させるためのプログラムや、交換レンズ100の固有情報等が記憶されている。レンズRAM115は、電気的に書き換え可能な揮発性メモリであり、上述のプログラムの実行に当たって使用される一時的な記憶領域である。
レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、ピント位置検出機構105やズーム位置検出機構106によって検出された焦点距離や焦点位置情報をカメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。
この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン204が配置され、このフォーカシングスクリーン204の上方には、全面液晶板(以下、全面LCDと称す)205が配置されている。この全面LCD205は、部分的に透過と遮光を制御可能であり、フォーカシングスクリーン204上に結像した被写体像の内の任意に部分について、被写体像をファインダ光学系に導くことができる。
全面LCD205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。ペンタプリズム207の前面側の反射面に沿って、ファインダ内表示装置206が配置されている。このファインダ内表示装置206は、液晶表示装置等から構成され、後述するように、光学ファインダ像に対して、視野表示や撮影情報等を重畳させて表示する。このファインダ内表示装置206は、ファインダ内表示駆動回路295に接続されており、これによって駆動制御される。
ペンタプリズム207の出射側(図2で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ209が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路212に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路212によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図2において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201はミラー駆動機構239によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には位相差AFセンサ241が配置されており、この位相差AFセンサ241の出力は位相差AF処理回路243に接続されている。位相差AFセンサ241は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。また、位相差AFセンサ241は、撮影画面内の複数ポイントについて、それぞれ焦点検出可能である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子221としてはCCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることは言うまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間引き処理、拡大表示のための切り出し処理等の画像処理のための前処理を行なう。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。防塵フィルタ215の周囲には圧電素子が固定されており、この圧電素子は防塵フィルタ駆動回路235によって、超音波で振動する。防塵フィルタ215の付着した塵埃は、圧電素子に発生する振動波によって、除塵される。
赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217は、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである。防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217および撮像素子221は、塵埃等が侵入しないように気密に一体に構成されている。これら一体化された撮像素子221等は、シフト機構233によって、撮像素子221の撮像面におけるX軸方向とY軸方向に沿って、それぞれ移動させることができる。
手ブレセンサ229は、カメラ本体200に加えられた手ブレ等による振動を検出する角加速度センサ等であり、この出力は手ブレ補正回路230に接続している。手ブレ補正回路230は手ブレ等の振動を除去するための手ブレ補正信号を生成し、手ブレ補正回路230の出力は、シフト機構駆動回路231に接続されている。
シフト機構駆動回路231は、手ブレ補正信号を入力し、この信号に基づいて、シフト機構233を駆動する。このシフト機構233によって、カメラ本体200に加えられた手ブレ等の振動を打ち消すように、撮像素子221等を移動させ、防振を行なう。
傾きセンサ227は、3軸回りの角加速度を検出し、カメラ本体200の傾きに応じた値を出力する。傾き検知回路228は、傾きセンサ227に接続されており、傾きセンサ227の定常状態の値から傾き状態を、また傾きセンサ227の変化量から加速度を求め、これらの値を出力する。
光源センサ244は、蛍光灯や太陽光など、被写体の環境光の光源を検出するためのセンサである。光源処理回路245は、光源センサ244に接続され、光源に応じた光源データを出力する。照度センサ246は、カメラ200上での照度を測定するためのセンサである。照度処理回路247は、照度センサ246に接続され、照度に応じた照度データを出力する。
リモコン受信センサ248は、リモコン装置(不図示)からの赤外線等によるリモコン指令を受信するための赤外線センサである。リモコン受信処理回路249は、リモコン受信センサ248に接続され、このセンサからの信号を入力し、リモコン信号を出力する。
前述の前処理回路225は、ASIC(Application Specific
Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されており、このデータバス252を介して、ASIC250内の各回路に接続されている。また、前処理回路225は、コントラストAF回路253およびAE回路255にも接続されている。
コントラストAF回路253は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて高周波成分を抽出し、この高周波成分に基づくコントラスト情報をボディCPU251に出力する。なお、コントラストAF回路253は、高周波成分を抽出するにあたって、画面内の全領域について、抽出可能である。AE回路255は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて、被写体輝度に応じた測光情報をボディCPU251に出力する。
データバス252、コントラストAF回路253、およびAE回路255に接続されているボディCPU251は、フラッシュメモリ277に記憶されているプログラムに従って、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するものである。
データバス252には、ボディCPU251以外に、画像処理回路257、圧縮伸張回路259、ビデオ信号出力回路261、スイッチ検知回路268、入出力回路271、通信回路273、フラッシュメモリ制御回路275、SDRAM制御回路279、記録媒体制御回路283、ダイアル検知回路289が接続されている。
画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また圧縮伸張回路259はSDRAM281に一時記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸張するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は、LCD駆動回路263を介して背面LCD39に接続され、また接点330aを介して外部表示装置330に接続可能である。このビデオ信号出力回路261は、SDRAM281、記録媒体A285、記録媒体B287に記憶された画像データを、背面LCD39等に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。また、ビデオ信号出力回路261は、後述するように、撮像素子221からの画像データに基づく画像全体と、設定されたアスペクト比に基づく撮影範囲の被写体像と、撮影情報を背面LCD39の4隅位置等の所定位置に表示するための信号処理も行う。背面LCD39は、図1に示すように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。
シャッタレリーズ釦の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、インフォメーション釦31の操作によってオンするインフォーメーションスイッチ、十字釦32の上側十字釦32a、下側十字釦32bの操作によってオンする上側十字釦スイッチや下側十字釦スイッチを含む各種スイッチ269は、スイッチ検知回路268を介してデータバス252に接続されている。また、各種スイッチ269としては、この他にも、ライブビュー(LV)表示釦の操作によってオンするライブビュー表示スイッチ、メニュー釦に連動するメニュースイッチ、再生釦に連動する再生スイッチ、パワースイッチ等、その他の操作部材に連動する各種スイッチ等を含んでいる。
上述の防塵フィルタ駆動回路235、シャッタ駆動機構237、位相差AF処理回路243、ミラー駆動機構239、光源処理回路245、照度処理回路247、リモコン受信処理回路249、傾き検知回路228、シフト機構駆動回路231、測光処理回路212と接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。なお、入出力回路271は、後述するLCD向き検知回路265、充電回路301、フラッシュ発光回路303にも接続される。
レンズCPU111と通信接点341を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
フラッシュメモリ制御回路275は、フラッシュメモリ(Flash Memory)277に接続され、このフラッシュメモリ277は、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されており、前述したように、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ277に記憶されたプログラムに従ってデジタル一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ277は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。
SDRAM281は、SDRAM制御回路279を介してデータバス252に接続されており、このSDRAM281は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
データバス252に接続された記録媒体制御回路283は、記録媒体A285、記録媒体B287に接続され、これらの記録媒体A285、B287への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体A285および記録媒体B287は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。なお、記録媒体A285、B287は、同じ種類の記録媒体であって、記憶容量が異なる組み合わせや、また異なる種類の記録媒体の組み合わせ等、組み合わせ方は自由である。
ダイアル検知回路289は、前述の前ダイアル22と後ダイアル23にそれぞれ接続しており、それぞれのダイアルの回転方向および回転量を検知する。
カメラ本体200内には、本体内の各回路や各機構等に電源を供給するための電源供給回路291が設けられている。この電源供給回路291には、内蔵のバッテリ292および外部電源293が接続可能である。
LCD向き検知回路265は、背面LCD39の向きを検知する。すなわち、背面LCD39は、その向きを縦位置や横位置に変更することができ、この向きを検知し、入出力回路271を介してボディCPU251に伝達される。
カメラ本体200の上部に配置されたコントロールパネル40には、コントロールパネル駆動回路297が接続されており、コントロールパネル駆動回路297はボディCPU251に接続されている。ボディCPU251は、コントロールパネル駆動回路297を介して、コントロールパネル40に撮影情報等の表示を行う。
カメラ本体200内に配置された内蔵フラッシュ50は、充電回路301、フラッシュ発光回路303、発光管305等から構成される。充電回路301はバッテリ292または外部電源293等より、電源供給を受け、電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路303は、所定のタイミングで、充電回路301によって昇圧された電圧を発光管305に印加する等、発光制御を行う。
外部フラッシュ310は、外付けのフラッシュ装置であり、接点310a、310bを介して、カメラ本体200と接続する。この外部フラッシュ310内には、フラッシュCPU311、充電回路313、フラッシュ発光回路315、発光管317、反射傘318、ズーム駆動回路319が配置されている。
フラッシュCPU311は、外部フラッシュ310の制御を行い、また、接点310b、通信回路273を介してボディCPU251と通信を行う。充電回路313は、外部フラッシュ310内に装填された電源電池の電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路315は、ボディCPU251と接点310aを介して受信した発光命令に応じて発光する。ズーム駆動回路319は、撮影光学系101の焦点距離に応じて、発光管317と反射笠318の間隔を駆動制御し、撮影光学系101の焦点距離等に応じた照射角となるように制御する。
外部機器320は、パーソナルコンピュータ(PC)等の機器であり、接点320a、通信回路273を介して、ボディCPU251と通信を行う。外部表示機器330は、テレビ等の表示機器であり、接点330aを通じて、前述のビデオ信号出力回路261に接続されている。外部表示機器330の内部には、表示装置駆動回路331と表示装置333が配置されている。ビデオ信号出力回路261からのビデオ信号に基づき、表示装置駆動回路331は表示装置333に記録画像等の表示を行う。
次に、撮像素子221の撮影画面と背面LCD39視野枠との関係について、図3を用いて説明する。撮像素子221の撮像素子有効範囲221a上のイメージサークル120内に、撮影光学系101によって被写体像が形成され、撮像素子221の各画素から画素信号が出力される。撮影時に、ユーザは、9:16縦長画像122、2:3縦長画像123、1:1正方形画像124、3:2横長画像125、16:9横長画像126等、種々のアスペクト比に画面サイズを変更可能であり、撮影前に被写体像を背面LCD39によって被写体像を観察することができる。
また、本実施形態においては、アスペクト比を無段階に変更することができる。この場合、アスペクト比を変更しても、撮影画面はイメージサークル内に内接しており、撮影画面の対角線はイメージサークル120の直径となるようにしている。このため、アスペクト比を変更しても、画角は変化することがなく、画質が劣化することはない。撮像素子221の撮像素子有効範囲221aは、イメージサークル120に外接していないが、これは極端な横長または縦長画面は実用的ではないので、その分、撮像素子221を小型化することができる。
次に、本実施形態における動作を、図4に示す設定変更のフローチャートを用いて説明する。ボディCPU251は、パワーオンリセットがかかると動作を開始し、メインルーチン中で図4に示す設定変更のサブルーチンを実行する。この設定変更のサブルーチンに入ると、まず、アスペクト切り換えダイアル操作がなされたか否かの判定を行う(#101)。ここでは、ダイアル検知回路289によって前ダイアル22または後ダイアル23が回転操作されか否かを判定する。
ステップ#101における判定の結果、ダイアル操作が行われていた場合には、次に、ダイアルの回転方向および回転量を検出する(#103)。この回転方向と回転量は、ダイアル検知回路289の検出結果に基づいて判定する。続いて、検出したダイアルの動きに応じて撮影範囲のアスペクトを変更する(#105)。ここでは、ダイアルが一方向に回転した場合には、横長画面の方向にアスペクト比が大きくなるように矩形で撮影範囲を変更する(例えば、9:16縦長→2:3縦長→1:1正方形→3:2横長→16:9横長)。またダイアルが他方向に回転した場合には、縦長画面方向にアスペクト比が大きくなるように撮影範囲を変更する(例えば、16:9横長→3:2横長→1:1正方形→2:3縦長→9:16縦長)。
なお、ここで挙げたアスペクト比の変化は、変化方向を示すためであって、回転量に応じて小刻みにアスペクト比を変えていく。ここで設定した撮影範囲に応じて、記録媒体285、287に記録する画像データ出力領域の設定を行う。画像データ出力領域は、図3において説明した撮影画面の範囲の画素信号に相当する画像データの出力領域である。撮像素子221から画素信号を読み出す際に、撮像素子駆動回路223によって画像データ出力領域の画素信号を読み出すようにしても良いし、また、全画素の画素信号を読み出したのち、画像処理回路257等において画像データ出力領域に対応するデータを抽出するようにしても良い。
撮影範囲のアスペクトを変更すると、次に、モニタの撮影範囲を示す境界線を撮影範囲と同じになるように変更する(#107)。このステップでは、背面LCD39で被写体像を観察するライブビュー表示モードが選択されている場合には、ビデオ信号出力回路261を制御し、ダイアル操作によって設定されたアスペクト比に応じて、図6乃至図8に示したような視野枠の境界線39a等を表示する。
図6において、背面LCD39の表示面は、撮像素子221の撮像素子有効範囲221aに対応しており、正方形状である。境界線39aは前述したように設定されたアスペクト比に応じた撮影範囲を示しており、この境界線39aの内側が被写体像表示領域39bである。背面LCD39の表示面、かつイメージサークル120の内側であって被写体像表示領域39b(境界線39a)の外側は、撮影可能領域39cであり、この領域は、アスペクト比の変更により撮影可能である範囲を示している。
本実施形態においては、撮影可能領域39cでは、明るさとコントラスを被写体像表示領域39bとは変えて、設定された撮影範囲(被写体像表示領域39b)とは区別できるようにしている。なお、撮影可能領域39cの表示方法としては、これ以外にも、例えば、白黒でグレー表示したり、カラー表示の彩度を低下させる等、被写体像を表示しつつも、被写体像表示領域39bにおける被写体像と区別して表示できるものであれば良い。
また、背面LCD39の表示面の4隅には、撮影情報39dが表示される。この例では、左上に電池残量、右上には撮影モード(ここではプログラムモード)、右下には露出制御値(ここでは、絞りF5.6、シャッタ速度1/500秒)、左下には撮影可能枚数(ここでは、303コマ)が示されている。この撮影情報39の表示領域は、イメージサークル120の外側であることから、被写体像表示領域39bと重なることがない。したがって、表示位置は一定しており、ユーザにとっていつも同じ位置であることから、撮影情報の確認の際に戸惑うこともない。
図6に示す横長の撮影範囲において、ステップ#101〜#105において、アスペクト比を縦長の撮影範囲に変更すると、図7に示すように、背面LCD39には縦長の画像が表示される。この場合には、境界線39aが変更後の撮像範囲に対応して変更され、この境界線39aの内部に被写体像が表示される。この場合であっても、撮影情報39dは、背面LCD39の表示面の4隅で、横長の場合と同じ位置に表示される。
なお、インフォメーション釦31が操作され、撮影情報39dとして前述の4つ以外に表示する場合には、図8に示すように、撮影可能領域39cに表示する。図8の例では、撮影情報39eとして、ISO感度(ここでは、100)と、ホワイトバランス(ここでは、自動)が表示されている。撮影可能領域39cであれば、被写体像に重畳することなく撮影情報39eを表示することができ、被写体像の観察にあたって煩わしいことがない。なお、さらに、撮影情報を表示する場合には、被写体像表示領域39b内に表示しても良い。
ステップ#107において背面LCD39に被写体像や撮影情報を表示すると、または、ステップ#101における判定の結果、アスペクト切り換えダイアルが操作されていなかった場合には、設定変更のサブルーチンを終了して、元のフローに戻る。
次に、本発明の一実施形態における設定変更の変形例を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。本発明の一実施形態においてはアスペクト比の変更を前ダイアル22または後ダイアル23の回転操作によって行っていたが、本変形例においては、十字釦32の操作によって行うようにしている。本変形例に構成は、本発明の一実施形態における図4のフローチャートを図5に示すフローチャートに変更するのみであるので、相違点を中心に説明する。
設定変更のサブルーチンに入ると、まず、上釦が操作されたか否かの判定を行う(#111)。このステップでは、スイッチ検知回路268によって、上側十字釦32aが操作されたか否かの判定を行う。この判定の結果、上側十字釦32aが操作された場合には、次に、アスペクト比を一定量だけ縦長方向に変更する(#113)。ここでは、撮像素子221の撮影範囲(画像データ出力領域)と背面LCD39の境界線39aを、設定されたアスペクト比に応じて変更する。なお、縦長方向は、例えば、16:9横長→3:2横長→1:1正方形→2:3縦長→9:16縦長の方向であって、一定量は、適宜、設計値として定める。
アスペクト比を一定量だけ縦長方向に変更すると、次に、上側十字釦32aを押したまま一定時間が経過したか否かの判定を行う(#115)。この判定の結果、一定時間、押されたままであった場合には、アスペクト比を略連続的に縦長方向に変更する(#117)。すなわち、一定の割合で、撮像素子221の撮影範囲(画像データ出力領域)と背面LCD39の境界線39aにおけるアスペクト比を縦長方向に変更していく。続いて、上側十字釦32aを押したままか否かを判定する(#119)。上側十字釦32aが押されていた場合には、ステップ#117に戻り、縦長方向にアスペクト比変更を続行する。
このようにステップ#111において上側十字釦32aが操作されるとアスペクト比が縦長方向に一定量(1ステップ分)だけ変更され、一定時間以上操作されたままだと、連続的にアスペクト比が変更される。ここで変更されたアスペクト比に応じて、記録媒体285、287に記録される撮影領域が変更され、また背面LCD39に表示される視野枠を示す境界線39aが変更される。
ステップ#119における判定の結果、上側十字釦32aの操作が停止され、またはステップ#115における判定の結果、上側十字釦32aを押したまま一定時間が経過していない場合、またはステップ#111における判定の結果、上側十字釦32aが操作されていなかった場合には、次に、下側十字釦32bが操作されたか否かの判定を行う(#121)。このステップでは、スイッチ検知回路268によって、下側十字釦32bが操作されたか否かの判定を行う。この判定の結果、下側十字釦32bが操作された場合には、次に、アスペクト比を一定量だけ横長方向に変更する(#123)。ここでは、撮像素子221の撮影範囲(画像データ出力領域)と背面LCD39の境界線39aを、設定されたアスペクト比に応じて変更する。なお、横長方向は、例えば、9:16縦長→2:3縦長→1:1正方形→3:2横長→16:9横長の方向であって、一定量は、適宜、設計値として定める。
アスペクト比を一定量だけ横長方向に変更すると、次に、下側十字釦32bを押したまま一定時間が経過したか否かの判定を行う(#125)。この判定の結果、一定時間、押されたままであった場合には、アスペクト比を略連続的に横長方向に変更する。すなわち、一定の割合で、アスペクト比を横長方向に変更していく(#127)。続いて、下側十字釦32bを押したままかを判定する(#129)。下側十字釦32bが押されていた場合には、ステップ#127に戻り、横長方向にアスペクト比変更を続行する。
このようにステップ#121において下側十字釦32bが操作されるとアスペクト比が横長方向に一定量(1ステップ分)だけ変更され、一定時間以上操作されたままだと、連続的にアスペクト比が変更される。ここで変更されたアスペクト比に応じて、記録媒体285、287に記録される撮影領域が変更され、また背面LCD39に表示される視野枠を示す境界線39aが変更される。
ステップ#129における判定の結果、下側十字釦32bの操作が停止され、またはステップ#125における判定の結果、下側十字釦32bを押したまま一定時間が経過していない場合、またはステップ#121における判定の結果、下側十字釦32bが操作されていなかった場合には、設定変更のサブルーチンを終了して、元のフローに戻る。
なお、本変形例においても、背面LCD39におけるライブビュー表示の際には、図6乃至図8を用いて説明したような表示がなされる。すなわち、境界線39aは設定されたアスペクト比に応じて変更され、また境界線39aの外側であって、イメージサークル120内には撮影可能領域39cとしてアスペクト比の変更が可能な領域として表示される。また、背面LCD39の4隅には、撮影情報39dが表示される。
本変形例において、ステップ#111においては上側十字釦32aの操作状態を判定し、ステップ#121においては下側十字釦32bの操作状態を判定していたが、これに限らず、例えば、ステップ#111においては上側十字釦32aまたは下側十字釦32bの操作状態を判定し、ステップ#121においては左右の十字釦32の操作状態を判定しても構わない。
以上説明したように、本発明の実施形態においては、撮像素子221からの画像データの全体について表示すると共に、設定されたアスペクト比等に基づく撮影範囲を表示するようにしている。このため、全体画像に対して、撮影可能範囲を確認することが容易である。また、全体画像に対して撮影範囲を表示するにあたって、その表示態様を異ならせているので、現在設定されている撮影範囲と、変更可能な範囲とを容易に識別して観察することができる。このため、アスペクト比等の変更を容易に行うことができる。
また、本発明の実施形態においては、撮像素子221からの画像データに基づいて、被写体像を表示すると共に、いつも一定の位置に撮影情報を表示するようにしている。このため、縦横位置やアスペクト比が変更されても、撮影情報を見やすいという利点がある。また、撮影情報の表示にあたっては、イメージサークルの外に配置しているので、撮影範囲の被写体像と重複することがなく、見難くなるおそれがない。
なお、本発明の実施形態においては、撮影情報39dを背面LCD39の4隅にそれぞれ表示していたが、すべての4隅に表示する必要はなく、上側のみや下側のみでも構わない。また、アスペクト比設定のための操作部材として、前ダイアル22や後ダイアル23のような回転式ダイアルや、十字釦32のような4つの押し釦を採用していたが、これに限らず、無段階で操作可能な操作部材であれば良く、例えば、レバーやタッチパネル等、種々の操作部材に変更可能である。
また、本発明の実施形態においては、光学式ファインダとライブビュー表示の2つの被写体像観察のための表示モードを有していたが、光学式ファインダを省略しても構わない。また、光学式ファインダや背面LCDによるライブビュー表示以外にも、接眼部を通して被写体像を観察する、いわゆる電子ビューファインダでも、本発明を適用できる。
さらに、本発明の実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも構わない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。