JP5273472B2 - ブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、電動アクチュエータによりブレーキ入力を助力するブレーキシステムに関する。
従来、タンデム型マスタシリンダに取り付けられ、電動アクチュエータによりブレーキ入力を助力するとともに、入力部材とアシスト部材とが相対変位可能な電動倍力装置を用いたブレーキシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−191133号公報
ところで、上述した電動倍力装置を用いたブレーキシステムでは、通常制動時に入力部材の作動に応じて一定の比率でアシスト部材を作動させるように制御している。この通常制動時の制御をタンデム型マスタシリンダの片側系統が失陥したときに行なっていると、失陥していない系統の制動力が不足してしまうことになる。
本発明は、少なくともタンデム型マスタシリンダのセカンダリ側の系統が失陥した場合でも、失陥していない系統に所望の制動力を発生させることができるブレーキシステムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係るブレーキシステムは、2つのピストンがシリンダ内を摺動可能に設けられ、プライマリ側とセカンダリ側との2つの圧力室でブレーキ液圧を発生してそれぞれプライマリ側とセカンダリ側との系統でホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するマスタシリンダと、ブレーキペダルの操作により進退移動し、前記プライマリ側の圧力室の液圧が作用する入力部材と、電動アクチュエータにより進退移動するアシスト部材とを備え、前記ブレーキペダルから前記入力部材に付与される入力推力と前記電動アクチュエータから前記アシスト部材に付与されるアシスト推力とにより前記マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置と、前記入力部材の作動に応じて前記電動アクチュエータを駆動する制御装置と、からなり、前記制御装置は、前記プライマリ側またはセカンダリ側の系統のうちセカンダリ側の系統が失陥したときに、前記入力部材の移動量に対するアシスト部材の移動量を前記両系統が正常なときの移動量に比して大きくするように前記電動アクチュエータを駆動することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、少なくともセカンダリ側の系統が失陥した場合でも、失陥していない系統に所望の制動力を発生させることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るブレーキシステムの全体構成を示す図である。 図1Aのマスタシリンダ及び電動倍力装置を示す断面図である。 図1Aのコントローラの制御内容を示すフローチャートである。 図2の処理内容を説明するための図であり、(a1)は、セカンダリピストン側系統失陥時におけるマスタシリンダを示す断面図、(a2)は、プリマリピストン側系統失陥時におけるマスタシリンダを示す断面図、(a3)は、プライマリピストン変位に対する正常時及び失陥時のプライマリ側マスタシリンダ圧力の特性を示す図である。 図1Aのコントローラによる失陥位置識別処理を説明するための図であり、(b1)は、セカンダリピストン側系統失陥位置識別処理に対応したマスタシリンダを示す断面図、(b2)は、プリマリピストン側系統失陥位置識別処理に対応したマスタシリンダを示す断面図、(b3)は、圧力特性による失陥位置検出を示し、プライマリピストン変位に対する正常時及び失陥時のプライマリ側マスタシリンダ圧力並びに失陥時のセカンダリピストン側マスタシリンダ圧力の特性を示す図、(b4)は、モータ電流特性による失陥位置検出を示し、プライマリピストン変位に対する正常時及び全失陥時のモータ電流並びにプライマリ側/セカンダリ側失陥時のモータ電流の特性を示す図である。 図3A、図3Bの処理内容を説明するための図であり、(c1)は、セカンダリピストン側系統失陥位置識別後の処理に対応したマスタシリンダを示す断面図、(c2)は、プリマリピストン側系統失陥位置識別後の処理に対応したマスタシリンダを示す断面図、(c3)は、片系失陥時における入力ピストン変位とプライマリピストン変位の特性(入力×出力特性)を示す図、(c4)は、失陥時の無効ストロークを含む入力ピストン変位に対するプライマリ側マスタシリンダ圧力の特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るブレーキシステムに用いられるコントローラ(第2実施形態コントローラ)の制御内容を示すフローチャートである。 図4AのステップS410のYes判定処理に続いて実行される制御内容を示すフローチャートである。 図4A、図4Bの処理内容を説明するための図であり、(e1)は、セカンダリピストン側系統失陥時におけるマスタシリンダを示す断面図、(e2)は、プリマリピストン側系統失陥時におけるマスタシリンダを示す断面図、(e3)は、圧力特性による失陥位置検出を示し、プライマリピストン変位に対する正常時及び失陥時のプライマリ側マスタシリンダ圧力並びに失陥時のセカンダリピストン側マスタシリンダ圧力の特性を示す図、(e4)は、片系失陥時における入力ピストン変位とプライマリピストン変位の特性(入力×出力特性)を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るブレーキシステムに用いられるコントローラ(第3実施形態コントローラ)の制御内容を示すフローチャートである。 図6AのステップS610のYes判定処理に続いて実行される制御内容を示すフローチャートである。 図6Bの処理内容を説明するための、片系失陥時における入力ピストン変位とプライマリピストン変位の特性(入力×出力特性)を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るブレーキシステムを図1A、図1B、図2、図3A、図3B、図3Cに基づいて説明する。
図1A及び図1Bにおいて、本実施形態に係るブレーキシステム1は、タンデム型マスタシリンダ2(以下、単にマスタシリンダという。)と、電動倍力装置50と、制御装置の一例であるコントローラ92とを備えている。
マスタシリンダ2は、2つのピストン(夫々を、適宜、プライマリピストン52、セカンダリピストン12という。)がシリンダボア2a内を摺動可能に設けられている。上記シリンダボア2a、プライマリピストン52及びセカンダリピストン12によってプライマリ側とセカンダリ側との2つの圧力室〔以下、プライマリピストン側圧力室13、セカンダリピストン側圧力室14という。〕が形成されている。これらプライマリピストン側圧力室13、セカンダリピストン側圧力室14で発生するブレーキ液圧は、プライマリピストン側圧力室13、セカンダリピストン側圧力室14にそれぞれ一端側が接続され他端側が液圧制御ユニット100に接続された液圧回路〔以下、プライマリ側回路102、セカンダリ側回路104という。〕を介してホイールシリンダ106にブレーキ液圧を供給する。プライマリピストン側、セカンダリピストン側圧力室13,14を、以下、単に圧力室13,14ともいう。
本実施形態では、プライマリピストン側圧力室13及びプライマリ側回路102がプライマリ側系統を構成し、セカンダリピストン側圧力室14及びセカンダリ側回路104がセカンダリ側系統を構成している。
液圧制御ユニット100と4輪(FR、RL、FL、RR)の各ホイールシリンダ106とは、配管(プライマリ側配管108、セカンダリ側配管110)により接続されている。プライマリ側配管108は、プライマリ側回路102に対応して液圧制御ユニット100から延びて先端側が分岐して、右前輪(FR)、左後輪(RL)に対応したホイールシリンダ106に接続されている。また、セカンダリ側配管110は、液圧制御ユニット100から延びて先端側が分岐して、左前輪(FL)、右後輪(RR)に対応したホイールシリンダ106に接続されている。前記配管108、110により、いわゆるX式配管が構成されている。
電動倍力装置50は、マスタシリンダ2のプライマリピストンとして共用される後述のピストン組立体51と、ピストン組立体51を構成するブースタピストン52に推力を付与する後述する電動モータ64を含む電動アクチュエータ53とを備えている。これらピストン組立体51ブースタピストン52及び電動アクチュエータ53は、車室壁3に固定したハウジング54の内部および外部に配設されている。
ブースタピストン52を以下、適宜、プライマリピストン52ともいう。
電動倍力装置50は、さらに、ブレーキペダル8の操作により進退移動し、プライマリピストン側圧力室13の液圧が作用する入力ロッド9及び入力ピストン58(入力部材)を備えている。
ピストン組立体51を構成するプライマリピストン52は、電動モータ64を含む電動アクチュエータ53により推力を受けて進退移動する。
電動倍力装置50は、ブレーキペダル8から入力ロッド9に付与される入力推力と電動モータ64からプライマリピストン52に付与されるアシスト推力とによりマスタシリンダ2内でブレーキ液圧を発生させる。本実施形態では、プライマリピストン52がアシスト部材を構成している。
コントローラ92は、入力ロッド9の作動に応じて電動モータ64ひいては電動アクチュエータ53を駆動する。
ハウジング54は、リング形状の取付部材55を介して車室壁3の前面に固定された第1筒体56と、この第1筒体56に同軸に連結された第2筒体57とからなっている。前記マスタシリンダ2は、上記第2筒体57の前端に連結されている。また、第1筒体56には支持板63が取付けられており、この支持板63に前記電動モータ64が固定されている。なお、取付部材55は、その内径ボス部55aが車室壁3の開口3aに位置するように車室壁3に固定されている。
ピストン組立体51は、プライマリピストン52と相対移動可能な状態でプライマリピストン52に入力ピストン58が内装されて構成されている。入力ピストン58は、その後端に設けた大径部58aにブレーキペダル8から延ばした入力ロッド9を連結させることで、ブレーキペダル8の操作(ペダル操作)により進退移動するようになっている。この場合、入力ロッド9は、大径部58aに設けられた球面状凹部58bに先端部を嵌合させた状態で連結されており、これにより入力ロッド9の揺動が許容されている。
プライマリピストン52は、図1Bによく示されるように、長手方向中間部位に隔壁59を有しており、入力ピストン58がこの隔壁59を挿通して延ばされている。プライマリピストン52の前端側は、マスタシリンダ2のシリンダボア2aに挿入されて圧力室13内に臨んでいる。一方、入力ピストン58の前端側は、圧力室13に臨むようにプライマリピストン52の内側に配置されるようになっている。プライマリピストン52と入力ピストン58との間は、プライマリピストン52の隔壁59の前側に配置されたシール部材60によりシールされている。また、プライマリピストン52とマスタシリンダ2のシリンダ本体10のガイド10aとの間は、シール部材61によりシールされている。これらシール部材60、61により前記圧力室13からマスタシリンダ2外へのブレーキ液の漏出が防止されている。なお、プライマリピストン52の前端部には、前記マスタシリンダ2内に形成され図示せぬリザーバに接続されたリリーフポート15に連通可能な貫通孔62が複数穿設されている。
電動アクチュエータ53は、前記電動モータ64とボールねじ機構65と回転伝達機構66とから概略構成されている。電動モータ64は、ハウジング54の第1筒体56と一体の支持板63に固定されている。ボールねじ機構65は、前記第1筒体56の内部に入力ピストン58を囲んで配設されている。回転伝達機構66は、電動モータ64の回転を減速してボールねじ機構65に伝達するようになっている。ボールねじ機構65は、軸受(アンギュラコンタクト軸受)67を介して第1筒体56に回動自在に支持されたナット部材68とこのナット部材68にボール69を介して噛合わされた中空のねじ軸70とからなっている。ねじ軸70の後端部は、ハウジング54の取付部材55に固定したリングガイド71に回動不能にかつ摺動可能に支持されており、これによりナット部材68の回転に応じてねじ軸70が直動するようになる。一方、回転伝達機構66は、電動モータ64の出力軸64aに取付けられた第1プーリ72と、前記ナット部材68にキー73を介して回動不能に嵌合された第2プーリ74と前記2つのプーリ72,74間に掛け回されたベルト(タイミングベルト)75とからなっている。第2プーリ74は第1プーリ72に比べて大径となっており、これにより電動モータ64の回転は減速してボールねじ機構65のナット部材68に伝達される。また、アンギュラコンタクト軸受67には、ナット部材68にねじ込んだナット76により第2プーリ74およびカラー77を介して与圧がかけられている。なお、回転伝達機構66は、上記したプーリ、ベルトに限らず、減速歯車機構等としてもよい。
上記ボールねじ機構65を構成する中空のねじ軸70の前端部には、フランジ部材78が嵌合固定されている。また、ねじ軸70の後端部には、筒状ガイド79が嵌合固定されている。フランジ部材78および筒状ガイド79は、前記入力ピストン58を摺動案内するガイドとして機能するようにそれぞれの内径が設定されている。前記フランジ部材78は、ねじ軸70の、図中、左方向への前進に応じて前記プライマリピストン52の後端に接触するようになっている。このねじ軸70の前進に応じてプライマリピストン52も前進する。また、ハウジング54を構成する第2筒体57の内部には、該第2筒体57の内面に形成した環状突起80に一端が係止され、他端が前記フランジ部材78に衝合する戻しばね81が配設されている。この戻しばね81によりねじ軸70はブレーキ非作動時に図示の原位置に位置決めされる。
前記入力ピストン58とプライマリピストン52との相互間には、環状空間82が画成されている。この環状空間82には、入力ピストン58に設けたフランジ部83に一端が係止され、かつプライマリピストン52の隔壁59とプライマリピストン52の後端部に嵌着した止め輪84とにそれぞれ他端が係止された一対のばね(付勢手段)85(85A,85B)が配設されている。この一対のばね85は、ブレーキ非作動時に入力ピストン58とプライマリピストン52とを相対移動の中立位置に保持する役割をなすものである。ここで、中立位置とは、プライマリピストン52に対して入力ピストン58が軸方向両側に移動しえる位置として規定されるものである。
本第1実施形態において、車室内には車体に対する入力ピストン58の絶対変位を検出するポテンショメータ(絶対変位検出手段)86が配設されている。このポテンショメータ86は、抵抗体を内蔵した本体部87と、本体部87から入力ピストン58と平行に車室内に延ばされたセンサロッド88とからなっている。このポテンショメータ86は、ハウジング54の取付部材55の内径ボス部55aに固定したブラケット89に入力ピストン58と平行をなすように取付けられている。
センサロッド88は本体部87に内蔵したばねにより、常に伸長方向へ付勢されて前記入力ピストン58の後端部に固定されたブラケット90に先端が接触するようになっている。一方、前記電動モータ64は、ここではインバータ制御されるDCブラシレスモータからなっている。これには、回転制御のために磁極位置を検出するレゾルバ91が内蔵されている。このレゾルバ91は、電動モータ64の回転変位(回転位置)を検出し、この検出結果に基づき車体に対するプライマリピストン52の絶対変位を検出する機能も兼ね備えている。これらポテンショメータ86とレゾルバ91とは、入力ピストン58とプライマリピストン52との相対変位量を検出する変位検出機能を有している。前記各検出機能を有する部材により得られる各検出信号は、図2に示す演算、制御を実行するコントローラ92に送出されるようになっている。なお、回転変位を検出するのに際して、レゾルバに限らず、絶対変位(角度、回転位置)を検出できる回転型のポテンショメータ等を用いるようにしてもよい。
本実施形態では、プライマリ側回路102に液圧センサ114が設けられており、プライマリ側系統の液圧を検出するようにしている。
本実施形態のブレーキシステム1は、例えばハイブリッド車に搭載され、減速・制動時に電動モータ64を発電機として作動させる際の回生ブレーキと協調して制動力の制御が行えるようになっている。この回生協調制御を行うことにより、ブレーキペダルの操作に対する減速感が回生ブレーキの作動有無で異なることがなく、運転手に違和感を与えないようにすることができる。
上述したように構成された本実施形態に係るブレーキシステム1の作用を、コントローラ92が実行する演算、制御内容と共に、図2、図3A、図3B、図3Cに基づき、以下に説明する。
本実施形態では、プライマリ側、又はセカンダリ側の液圧系統が失陥したとき(各系統が失陥したことを、適宜、プライマリ側系統失陥、又はセカンダリ側系統失陥という。図2ステップS210以降の処理)に、入力ロッド9(入力部材)の移動量に対してプライマリピストン52(アシスト部材)を多く移動させるように制御(以下、片側系失陥時制御という。)を行うようにしている。この制御を行うことにより、失陥により低下してしまう失陥していない2輪分の制動力を補償するようにしている。また、前記失陥が発生していない場合(以下、適宜正常時ともいう。)には、通常ブレーキ制御(適宜、相対位置0制御ともいう。)が実行されている(図2ステップS200)。
まず、液圧系統が失陥していない正常時の通常ブレーキ制御(相対位置0制御)について、説明する。
本実施形態は、正常時、ブレーキペダル8が操作されると、入力ピストン58が前進し、その動きがポテンショメータ86により検出される。すると、ポテンショメータ86からの信号を受けてコントローラ92が電動モータ64に駆動指令を出力し、これにより電動モータ64が回転する。このとき、ポテンショメータ86とレゾルバ91との検出信号に基づき、入力ピストン58の絶対変位とプライマリピストン52との絶対変位との差により両ピストンの相対変位量が分かる。そこで、入力ピストン58とプライマリピストン52との間に相対変位が生じないようにポテンショメータ86からの信号に応じて電動モータ64の回転を制御する。この制御が前記相対位置0制御に相当する。そして、この相対位置0制御が実行されることにより、両ピストン58と52との間に介在した一対のばね85が中立位置を維持し、この時の電動倍力装置50はプライマリピストン52の受圧面積と入力ピストン58の受圧面積との面積比で一義的に定まる一定の倍力比で入力に対する液圧(制動力)を出力することになる。
前記ステップS200の通常ブレーキ制御の処理と並行するように失陥が発生したか否かの判定を行うステップS210の失陥検出処理が行われており、失陥が発生していない(No)と判定するとステップS200に戻って通常ブレーキ制御(相対位置0制御)を継続し、失陥が発生した(Yes)と判定するとステップS220に進むようになっている。
ステップS210の失陥検出処理は、図3A(a3)に示すように、プライマリピストン52の変位PPposが予め定められた失陥検出変位PPfs1(第1の位置)に達したときに、プライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcが、失陥検出の有無を判するために予め設定された閾値Pfs1より小さいか否か(Ppmc<PPfs1?)を比較している。この比較の結果圧力Ppmcが閾値Pfs1より小さいときに液圧系統が失陥していると判定するようになっている。
上述した圧力Ppmc及び閾値Pfs1の比較判定を行うことに係る状況等について以下に説明する。
すなわち、コントローラ92は、上記失陥検出処理を行うことにより、液圧回路系(プライマリ側、セカンダリ側系統)に失陥が生じていないかを監視している。また、コントローラ92は、上記相対位置0制御を実行するに当たっては、ポテンショメータ86の入力により得られる入力ピストン58の変位IRposとレゾルバ91からの入力により得られるプライマリピストン52の変位PPposとの入出力が、例えば図3C(c3)の(1)の一点鎖線で示される特性が得られように電動モータ64を制御している。
ここで、ドライバからのペダル踏み入力に対して、図3C(c4)の(1)の点線の線分に示すように入力ピストン58の初期変位0〜実際に制動力がかかり始める変位(圧力室13,14に液圧が発生する位置)までのストローク量を入力ピストン58の無効ストロークIR0と呼称する。
図3A(a1)に示すようにセカンダリ側系統が失陥していた場合、図3C(c3)の一点鎖線(1)の入出力特性で入力ピストン58の変位に応じてプライマリピストン52の変位を増加させても、セカンダリピストン側圧力室14内のブレーキ液は、液圧回路系から外部へ抜けていくので、セカンダリピストン側圧力室14の圧力は発生(増加)しないことになる。一方、プライマリピストン側圧力室13では、プライマリピストン52の変位を前進すると、プライマリピストン側圧力室13内に閉じ込められたブレーキ液によってセカンダリピストン12が前に押されるため、プライマリピストン側圧力室13の圧力は、無効ストロークIR0を過ぎたときの一定液圧で増圧しないままの状態で、プライマリピストン52の変位分だけセカンダリピストン12が変位することになる。
また、図3A(a2)に示すようにプライマリ側系統が失陥していた場合、入力ピストン58の変位に応じてプライマリピストン52の変位を増加させても、プライマリピストン側圧力室13内のブレーキ液は、液圧回路系から外部に抜けていくため、プライマリピストン側圧力室13の圧力は発生(増加)しない。また、プライマリピストン側圧力室13の液圧による力がセカンダリピストン12に伝達されないため、セカンダリピストン12は前に進まず、セカンダリピストン側圧力室14の液圧はプライマリピストン52がセカンダリピストン12に当接するまで発生(増加)しないことになる。
従って、セカンダリ側系統もしくはプライマリ側系統のどちらかが失陥していた場合、図3Aの(a3)に示すようにプライマリピストン52の変位PPposが増加してもプライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcが増圧しない状態となる。
プライマリ側、セカンダリ側系統の失陥と液圧などについて上記状況があることに基づいて、上述したように失陥検出処理で圧力Ppmc及び閾値Pfs1の比較判定を行い、失陥検出の有無を判するようにしている。
前記ステップS220では、回生協調制御を実行しているか否か(回生協調中であるか否か)を判別し、回生協調中でない(No)と判定するとステップS240に進み、回生協調中である(Yes)と判定すると、ステップS230に進む。
ステップS230では、失陥時における後述のブレーキ制御を行えるようにするため、上位システムからの指令に基づく回生協調制御指令をキャンセルする。これは、以下の理由に基づいて行うものである。
すなわち、ステップS230の回生協調制御キャンセル処理は、ステップS210で失陥が発生した(Yes)と判定され、これに続くステップS220で回生協調中である(Yes)と判定された場合に行われる。本実施形態では前記X式配管を採用しているため、前記失陥が生じた場合、回生協調の制動制御を行なうと、左右輪の制動力のバランスが崩れることになる。このような左右輪の制動力のバランスが崩れるような事態になることを回避するために、上述したように回生協調制御指令をキャンセルするようにしている。そして、このように回生協調制御指令をキャンセルすることで、左右輪の制動力のバランスの崩れを招くことをなくすようにしている。
ステップS230の回生協調制御キャンセル処理に続いて、ステップS240が実行される。ステップS240では、プライマリ側系統及びセカンダリ側系統のどちらが失陥したかを識別するため、コントローラ92は図3C(c3)に示すように入力ピストン58の変位IRposに関係なく、プライマリピストン52の変位PPposを所定の失陥検出変位PPfs2(第2の位置)まで進める。
ステップS240に続くステップS250では、プライマリピストン52の変位PPposが失陥検出変位PPfs2の時のプライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcが、失陥検出位置の識別を行うために予め設定された閾値Pfs2より大きいか否か(Ppmc>Pfs2?)の判定を行う。
ステップS250で圧力Ppmcが閾値Pfs2より大きい(Yes)と判定すると、セカンダリ側系統が失陥しているものとしてステップS260に進む。また、ステップS250で圧力Ppmcが閾値Pfs2以下である(No)と判定すると、ステップS251に進む。ステップS251では、プライマリピストン52の変位PPposが失陥検出変位PPfs2の時の電動モータ電流Ipmcが、失陥検出位置の識別を行うために予め設定された閾値Ifs2より大きいか否か(Ipmc>Ifs2?)の判定を行う。ステップS251で電動モータ電流Ipmcが閾値Ifs2より大きい(Yes)と判定すると、プライマリ側系統が失陥しているものとしてステップS261へ進み、前記ステップS251で電動モータ電流Ipmcが閾値Ifs2以下(No)と判定すると、プライマリ側系統及びセカンダリ側系統が失陥(全失陥)しているものとしてステップS262へ進む。
このように、ステップS250及びステップS251の処理を行うことにより失陥位置を識別するようにしている。
前記ステップS240及びステップS250の処理は、プライマリ側、セカンダリ側系統の失陥と液圧などについて、以下のような特性があることに基づいて、行われる。
前記ステップS240のプライマリピストン52の変位PPposを所定の失陥検出変位PPfs2まで進めることについては、図3B(b1)に示すようにセカンダリ側系統が失陥していた場合、入力ピストン58の移動量にかかわらず、プライマリピストン側圧力室13の液圧による力によってセカンダリピストン12がマスタシリンダ2の内端部に当接する位置まで押し進められる。当接後はセカンダリピストン12の変位はマスタシリンダ2の端部によって拘束されているため、図3B(b3)の実線(2)に示すようにプライマリピストン52の変位PPfs2に相当する液圧がプライマリピストン側圧力室13に発生することになる。
また、図3B(b2)に示すようにプライマリ側系統の失陥もしくは全失陥が発生していた場合、プライマリピストン52がセカンダリピストン側圧力室14の端部に当接する位置まで進められ、当接後はセカンダリピストン側圧力室14内の液圧による反力がセカンダリピストン12の端部を通してプライマリピストン52に伝達される。このとき、プライマリピストン側圧力室13には液圧源がないため図3B(b3)の点線(3)に示すようにプライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcは0となる。
このように、ステップS240でプライマリピストン52の変位PPposを所定の失陥検出変位PPfs2まで進めた後のステップS250でのプライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcが閾値Pfs2より大きいか否かを判定することで、セカンダリ側系統が失陥しているか否かを判定することが可能となる。
また、上記ステップS240の処理を行なうことにより、セカンダリ側系統が失陥していた場合、入力ピストン58の移動量にかかわらず、セカンダリ側系統に対応するセカンダリピストン12がマスタシリンダ2の端部に当接する位置まで押し進めるので、迅速に液圧を発生させることができる。
次に、前記ステップS251の処理は、プライマリ側の失陥、プライマリ側の液圧及び電動モータ電流Ipmcなどについて、以下のような特性があることに基づいて行われる。
すなわち、図3B(b4)の実線(2)に示すようにプライマリ側系統のみが失陥していた場合、セカンダリピストン側圧力室14内の液圧による反力がセカンダリピストン12の端部を通してプライマリ側ピストン52に伝達される。このとき、コントローラ92は、プライマリ側ピストン52に伝達された反力に抗おうと電動モータ64の回転を制御するため、前記反力に相当する電動モータ電流Ipmcが発生(上昇)する。
また、全失陥の場合は、図3B(b4)の点線(3)に示すように電動モータ64は無負荷となるため、電動モータ電流Ipmcは0となる。このような特性から、ステップS251では、プライマリピストン52の変位PPposを失陥検出変位PPfs2まで進めたときの電動モータ電流Ipmcと、失陥検出位置の識別を行うために予め設定された閾値Ifs2との大小関係を比較することにより、プライマリ側系統が失陥しているか、または、全失陥であるかを判定することが可能となる。なお、セカンダリ側系統のみが失陥していた場合についても、図3B(b4)の実線(2)に示すようにプライマリピストン側圧力室13の液圧による反力に抗おうと電動モータ64の回転を制御するため、同様に前記反力に相当する電動モータ電流Ipmcが発生するようになっている。
ステップS250でセカンダリ側系統が失陥しているものとされた後のステップS260では、図3C(c1)に示すようにセカンダリ側系統のみが失陥していた場合、セカンダリピストン12の変位がマスタシリンダ2の端部によって拘束されている状態で、コントローラ92は入力ピストン58の変位IRposに対して後述する入出力特性に従ってプライマリピストン52の変位PPposを制御する。
失陥時は図3C(c4)に示すように入力ピストン58の無効ストロークIR0(ドライバからのペダル踏み入力に対して、入力ピストン58の初期変位O〜実際に液圧がかかり始める変位までのストローク量)に加えて、ステップS210の失陥検出までの間に発生する無効ストロークIRfs1-IR0 (正常時において倍力がかかり始める時の入力ピストン58の変位〜失陥検出時の入力ピストン58の変位IRfs1までのストローク量)が発生する。前記入力ピストン58の無効ストロークを補うためと、片系失陥による制動力低下を補うために、セカンダリ側系統の片系失陥識別以降は図3C(c3)に実線(2)示すように入力ピストン58の変位IRposとプライマリピストン52の変位PPposの入出力特性を変更する。すなわち、入力ピストン58の変位IRposに対して、プライマリピストン52の変位PPposを正常時よりも多く進める制御を行う(以降、相対位置進め制御と呼称する)。
前記相対位置進め制御(入力ピストン58の変位IRposに対して、プライマリピストン52の変位PPposを正常時よりも大きく進める制御)の一例として、本実施形態では、セカンダリ側の系統が失陥したときに、前記入力ピストン58の移動量に対するプライマリピストン52の移動量を前記両系統が正常なときの移動量に比して大きくすることについて、入力ピストン58の移動量に対してプライマリピストン52の移動量の比率が1を超える所定値(1.5、2.0、2.3などの固定値)となるようにして行う制御を採用している。
ステップS251でプライマリ側系統が失陥しているものとされた後のステップS261では、図3C(c2)に示すようにプライマリ側系統のみが失陥していた場合、プライマリピストン52がセカンダリピストン側圧力室14の端部に当接している状態で、コントローラ92は入力ピストン58の変位IRposに対して後述する入出力特性に従ってプライマリピストン52の変位PPposを制御する。
プライマリピストン側圧力室13には液圧が発生せず、入力ピストン58に反力が付与されないため、ステップS260と同様に相対位置進め制御を行った場合、ホイールロック相当の液圧がセカンダリピストン側圧力室14に発生しやすくなってしまう。これを回避するため、図3C(c3)に点線(3)に示すようにプライマリ側系統の片系失陥識別以降は、ステップS261において正常時と同様に相対位置0制御を行う。また、この場合には、相対位置0制御ではなく、以下に示すような突き当て制御を行っても良い。この突き当て制御とは、プライマリ側系統の失陥時に、入力ピストン58の先端がセカンダリピストン12の端部に突き当たるように入力ピストン58の長さを設定しておき、入力ピストン58にセカンダリピストン側圧力室14の液圧反力が伝達されるように、プライマリピストン52の変位PPposを制御することである。この場合、入力ピストン58の移動量に対するプライマリピストン52の移動量を前記両系統が正常なときの移動量に比して小さくするように制御することもできる。
なお、ステップS262では、全失陥時処置として電動アクチュエータ53への駆動制御が停止される。
本第1実施形態では、上述したように、セカンダリ側の系統が失陥したときに、入力ピストン58(入力部材)の移動量に対してプライマリピストン52(アシスト部材)を多く移動させており、失陥していないプライマリ側の圧力が高められるので、何らの処置もしない場合に失陥により低下してしまう2輪分の制動力が補償され、失陥していない系統に所望の制動力を発生できる。さらに、プライマリ側の圧力が高められることにより、液圧反力が入力ピストン58及び入力ロッド9(入力部材)に与えられ、これにより良好なペダルフィーリングを得ることができる。
本第1実施形態では、上述したように、少なくともセカンダリ側の系統が失陥した場合には、失陥していない系統に所望の制動力を発生させることが可能となる。
このため、上記従来技術で失陥時に招く虞がある、失陥していない系統の制動力の不足を回避して、失陥していない系統に所望の制動力を発生させることができる。
また、本第1実施形態では、失陥検出及び位置識別を、液圧センサ114をプライマリ側回路102のみに設けて行っており、複数箇所に液圧センサ114を設ける場合に比して、設置スペース、取り付け工数、及びコストの低減を図ることができる。
なお、第1実施形態ではプライマリピストン52の特定の変位におけるプライマリピストン側圧力室13の圧力と、失陥検出用の閾値とを比較することで失陥検出を行っている。しかしながらこれに限らず、プライマリピストン52の変位PPposに対してコントローラ92が計算した目標プライマリピストン側圧力室13の圧力と、液圧センサ114によって計測されたプライマリピストン側圧力室13の圧力との差圧を計算して、前記差圧と予め設定された閾値との大小関係を比較することで判しても良い。
前記第1実施形態では、セカンダリ側の系統が失陥したときに入力ピストン58の移動量に対してプライマリピストン52を多く移動させることについて、入力ピストン58の移動量(入力ピストン58の変位IRpos)に対してプライマリピストン52の移動量(プライマリピストン52の変位PPposの進み量)の比率が1を超える所定値(1.5、2.0、2.5などの固定値)となるようにして行う制御を採用している。これに代えて、前記所定値としては、固定値ではなく1を超える範囲で、入力ピストン58の移動に伴って所定割合で増加又は減少する可変値としても良いし、又は1を超える範囲で、入力ピストン58の移動に伴って曲線的に変化する値に設定しても良い。
なお、プライマリピストン側圧力室13の液圧回路系統(プライマリ側系統)およびセカンダリピストン側圧力室14の液圧回路系統(セカンダリ側系統)のそれぞれに液圧センサ114を設けたシステムの場合には、プライマリ側、セカンダリ側系統の失陥検出方法については、以下のようにすることができる。このシステムの場合、コントローラ92がプライマリピストン52の変位に基づいて算出する目標とするプライマリ側系統(圧力室13)の圧力と、前記各液圧センサ114によって計測されたプライマリ側系統(圧力室13)及びセカンダリ側系統(圧力室14)の圧力との差圧をそれぞれ計算して、前記差圧と予め設定された閾値との大小関係を比較することで、前記閾値に達しない側の系統を失陥したと判することで片系失陥を検出する方法となる。また、前記各液圧センサ114によって計測されたプライマリ側系統(圧力室13)及びセカンダリ側系統(圧力室12)の圧力を用いて、前記ステップS210の失陥検出処理で述べたように、プライマリピストン52の特定の変位におけるプライマリ側系統(圧力室13)及びセカンダリ側系統(圧力室14)の圧力を失陥検出用の閾値と比較することで失陥検出を行っても良い。
また、上記実施形態において、コントローラ92が、プライマリ側、セカンダリ側系統のうちいずれかの系統が失陥したときには、ブレーキペダル8の操作が解除されたときに、失陥した系統のピストンをその先端がシリンダ又は他のピストンに当接する位置で停止するように電動アクチュエータ53を制御するように構成しても良い。このように構成することにより、迅速に液圧を発生させることができる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態において、ペダル踏み時に失陥検出した後、一度ペダルを離してから、2回目以降のペダル踏みを検出した場合、その都度、失陥検出を行うと図3C(c4)に示す失陥検出時の無効ストロークIRfs1-IR0が毎回発生してしまう。これに対して、前記失陥検出時の無効ストロークIRfs1-IR0が2回目以降のペダル踏みを検出する度に毎回発生することを防ぐ目的で、コントローラ92前回の失陥検出処理の結果を記憶しておく対策例(以下、第2実施形態という。)がある。
第2実施形態は、その対策例について、コントローラ92(以下、便宜上、第2実施コントローラ92Bという。)が実行する図4A及び図4Bに示す演算、制御内容が、第1実施形態のコントローラ92が実行する演算、制御内容(図2)に比して異なっている。以下、第2実施形態について、図4A、図4B、に基づき、図1A、図1B、図2、図3A、図3C、図5を参照して以下に説明する。
なお、図4A及び図4Bにおいて、第2実施コントローラ92Bが実行するステップには、第1実施形態のコントローラ92が実行するステップ(図2)と、符号は異なるが、実行内容については同等のものが含まれている。同等内容のステップを以下に、対応して示す。
ステップS400−ステップS200、ステップS420−ステップS210、
ステップS430−ステップS220、ステップS431−ステップS220、
ステップS440−ステップS230、ステップS441−ステップS230、
ステップS480−ステップS260、ステップS481−ステップS261、
ステップS482−ステップS262、ステップS483−ステップS260、
ステップS484−ステップS261、ステップS485−ステップS262
第2実施コントローラ92Bは、その制御プログラムに図4Aに示すように、ステップS420を含み、ステップS420で常時、液圧回路系に欠陥が生じていないかを監視している。
さらに、第2実施コントローラ92Bは、図4AのステップS400(図2のステップS200参照)に続くステップS410において、欠陥検出後、一度ペダルを離してから2回目以降のペダル踏みが行われた(前回の失陥検出処理で失陥が検出され、かつ2回目以降のドライバのペダル踏みがなされた)か否かを判定する。
ステップS410で前回の失陥検出処理で失陥検出しており、かつ2回目以降のドライバのペダル踏みが行われた(Yes)と判定した場合、前記ステップS420の失陥検出処理をスキップするために図4BのステップS431へ進む。
ステップS410で前回の失陥検出処理で失陥検出していなかった(No)と判定した場合、常時監視を行うためにステップS420へ進む。
ステップS410の判定に用いる「前回の失陥検出処理で失陥検出」については、後述するステップS460で失陥位置検出に合わせて行われる記憶処理結果が用いられる。
本実施形態では、前回の失陥検出処理の結果を記憶し、これを用いて上記ステップS410の判定処理及びステップS410でYes判定の場合に行われる前記ステップS420の失陥検出処理に対するスキップ処理(以下、単にスキップ処理という。)を行うようにしているが、これは以下の理由に基づくものである。
すなわち、ペダル踏み時に失陥検出した後、一度ペダルを離してから、2回目以降のペダル踏みを検出した場合、その都度、失陥検出を行うと図3C(c4)に示す失陥検出時の無効ストロークIRfs1-IR0が毎回発生してしまう。このような事態になることを回避するために、上記ステップS410の判定処理及び前記スキップ処理を行うようにしている。
ステップS450では、図5(e4)の実線(1)、点線(2)に示すように失陥検出した場合は入力ピストン58の変位に関係なくプライマリピストン52を失陥検出変位PPfs1からピストン当接変位PPfs3まで進める。この処理を実行するのは、プライマリ側系統もしくはセカンダリ側系統のどちらが失陥した場合、後述の理由により相対位置0制御をそのまま継続すると、図5(e3)に示すようにプライマリピストン52の変位PPposがピストン当接変位PPfs3になるまでの間は所望の倍力比による制動力は得られないためである。
ここで、プライマリピストン52のピストン当接変位PPfs3は図5(e1)、図5(e2)に示すように失陥した系統のピストンがその先端がシリンダ若しくは他のピストンに当接する位置まで移動させるのに必要なプライマリピストン52の変位PPposのことである。
図3A(a1)に示すようにセカンダリ側系統が失陥していた場合、入力ピストン58の変位に応じてプライマリピストン52の変位を増加させてもセカンダリピストン側圧力室14からの反力が生じない。このため、プライマリピストン側圧力室13の圧力は増圧しないままの状態を維持したまま、プライマリピストン側圧力室13の液圧による反力によってプライマリピストン52の変位分だけセカンダリピストン12が変位するだけとなる。また、セカンダリピストン側圧力室14に液圧が発生しないため、セカンダリピストン側圧力室14の圧力は増圧しないので、所望の倍力比による制動力は得られない。
また、同様に、図3A(a2)に示すようにプライマリ側系統が失陥していた場合、入力ピストン58の変位に応じてプライマリピストン52の変位を増加させてもプライマリピストン側圧力室13に液圧が発生しないため、プライマリピストン側圧力室13の圧力は増圧しない。また、セカンダリピストン12にはプライマリピストン側圧力室13の液圧による力が伝達されず、セカンダリピストン側圧力室14の液圧が発生しないので、所望の液圧による制動力は得られない。
ステップS451では、図5(e4)の実線(3)、点線(4)に示すように入力ピストン58の変位に関係なくプライマリピストン52を初期位置0からピストン当接変位PPfs3まで進める。
この処理を実行するのは、失陥検出後にドライバのペダル操作の2度踏みを検出した場合、図5(e3)に示すようにプライマリピストン52の変位PPposがピストン当接変位PPfs3になるまでの間は所望の液圧による制動力は得られないためである。
ステップS460では、第2実施コントローラ92Bはセカンダリ側系統/プライマリ側系統の失陥位置に応じて制御を切り替えるため、図示しない失陥位置検出手段に失陥位置を検出させると共に、前記失陥位置検出手段が検出した失陥位置を記憶する。検出した失陥位置を記憶するのは、この記憶した失陥位置を用いることにより、失陥検出時の無効ストロークIRfs1-IR0が2回目以降のペダル踏みを検出する度に毎回発生することを防ぐためである(ステップS410参照)。
失陥位置検出手段としては、下記(ア)、(イ)のいずれかの検出手段を採用している。
(ア) プライマリピストン52の変位に対するプライマリピストン側圧力室13の圧力Ppmcと電動モータ電流Ipmcの特性からセカンダリ側系統/プライマリ側系統のどちらが失陥しているかを検出する検出手段(実施形態1のステップS240ステップS250ステップS251参照)。
(イ) プライマリピストン側圧力室13の液圧回路系統およびセカンダリピストン側圧力室14の液圧回路系統のそれぞれに液圧センサ114を設けて、第2実施コントローラ92Bがプライマリピストン52の変位に基づいて算出する目標プライマリピストン側圧力室13の圧力と、前記各液圧センサ114によって計測されたプライマリピストン側圧力室13およびセカンダリピスト側圧力室14の圧力との差圧をそれぞれ計算して、前記差圧と予め設定された閾値との大小関係を比較することで、前記閾値に達しない側の圧力室系統を失陥したと判することで片系失陥を検出する検出手段。
ステップS470では、失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14であるか否かを判定する。ステップS470でYes(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14である。)と判定すると、ステップS480へ進む。ステップS470でNo(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14でない)と判定した場合、ステップS471へ進む。
ステップS471では、失陥位置がプライマリピストン側圧力室13であるか否かを判定する。ステップS471でYes(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13である)と判定した場合、ステップS481へ進む。ステップS471でNo(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13でない。)と判定した場合、ステップS482へ進む。
ステップS472では、失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14であるか否かを判定する。ステップS472でYes(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14である。)と判定した場合、ステップS483へ進む。ステップS472でNo(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14でない。)と判定した場合、ステップS473へ進む。
ステップS473では、失陥位置がプライマリピストン側圧力室13であるか否かを判定する。ステップS473でYes(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13である。)と判定した場合、ステップS484へ進む。ステップS473でNo(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13でない。)と判定した場合、ステップS485へ進む。
この第2実施形態によれば、ペダル踏み時に失陥検出した後、一度ペダルを離してから、2回目以降のペダル踏みを検出した場合、ステップS410でYesと判定してステップS420の失陥検出処理をスキップする。このため、失陥検出時の無効ストロークIRfs1-IR0が2回目移行のペダル踏み検出毎に毎回発生してしまう事態になることを回避できる。
〔第3実施形態〕
上記第1実施形態において、失陥検出後のドライバのペダル離し時に入力ピストン58の変位IRposに応じてプライマリピストン52の変位を初期変位0まで戻すと、片系統失陥検出後も、ペダル踏み検出する度にプライマリピストン52の変位PPposがピストン当接変位PPfs3になるまでの間は所望の液圧による制動力は得られなくなってしまう。これに対して、失陥検出後のペダル踏み検出時にプライマリピストン52の変位を常にピストン当接変位PPfs3から開始するために、コントローラが前回の失陥検出/失陥位置検出処理の結果を記憶しておく対策例(以下、第3実施形態という。)がある。
第3実施形態は、そのコントローラ92(以下、便宜上、第3実施コントローラ92Cという。)第3実施コントローラ92Cが実行する図6A及び図6Bに示す演算、制御内容が、第1実施形態のコントローラ92が実行する演算、制御内容(図2)に比して異なっている点で、主に異なっている。以下、第3実施形態について、図6A、図6B、図7に基づき、図1A、図1B、図2を参照して以下に説明する。
なお、図6A及び図6Bにおいて、第3実施コントローラ92Cが実行するステップには、第1実施形態のコントローラ92が実行するステップ(図2)と、符号は異なるが、実行内容については同等のものが含まれている。同等内容のステップを以下に、対応して示す。
ステップS600−ステップS200、ステップS620−ステップS210、
ステップS630−ステップS220、ステップS631−ステップS220、
ステップS640−ステップS230、ステップS641−ステップS230、
ステップS650−ステップS240、ステップS660−ステップS250、
ステップS661−ステップS251、ステップS670−ステップS260、
ステップS671−ステップS261、ステップS672−ステップS262、
ステップS673−ステップS260、ステップS674−ステップS261、
ステップS675−ステップS262
第3実施コントローラ92Cは、その制御プログラムに図6Aに示すように、ステップS620を含み、ステップS620で常時、液圧回路系に欠陥が生じていないかを監視している。
さらに、第3実施コントローラ92Cは、図6AのステップS600(図2のステップS200参照)に続くステップS610において、欠陥検出後、一度ペダルを離してから2回目以降のペダル踏みが行われた(前回の失陥検出処理で失陥が検出され、かつ2回目以降のドライバのペダル踏みがなされた)か否かを判定する。
ステップS610でYes(前回の失陥検出処理で失陥検出しており、かつ2回目以降のドライバのペダル踏みが行われた。)と判定した場合、前記ステップS620の失陥検出処理をスキップするために図6BのステップS631へ進む。
ステップS610でNoと判定した(No判定は、前記「前回の失陥検出処理で失陥検出しており、かつ2回目以降のドライバのペダル踏み」がなされていない場合のみならず、「前回の失陥検出処理で失陥検出」されなかった場合にも行われる。)場合、常時監視を行うためにステップS620へ進む。
ここで、ステップS610の判定に用いる「前回の失陥検出処理で失陥検出」については、後述するステップS690、ステップS691でプライマリピストン52の変位処理に先立って行われる記憶処理結果(失陥検出/失陥位置検出処理の結果)が用いられる。
本実施形態では、前回の失陥検出/失陥位置検出処理の結果を記憶し、これを用いて上記ステップS610の判定処理及びステップS610でYes判定の場合に行われる前記ステップS620の失陥検出処理に対するスキップ処理(以下、便宜上、第3実施スキップ処理という。)を行うようにしているが、これは以下の理由に基づくものである。
すなわち、失陥検出後のドライバのペダル離し時に入力ピストン82の変位IRposに応じてプライマリピストン52の変位を初期変位0まで戻すと、片系統失陥検出後も、ペダル踏み検出する度にプライマリピストン52の変位PPposがピストン当接変位PPfs3になるまでの間は所望の倍力比による制動力は得られなくなってしまう。このような事態になることを回避するために、上記ステップS610の判定処理及び前記第3実施スキップ処理を行うようにしている。
ステップS662では、失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14であるか否かの判定を行う。ステップS662でYes(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14である)と判定すると、ステップS673へ進む。ステップS662でNo(失陥位置がセカンダリピストン側圧力室14でない)と判定すると、ステップS663へ進む。
ステップS663では、失陥位置がプライマリピストン側圧力室13であるか否かを判定する。ステップS663でYes(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13)と判定した場合、ステップS674へ進む。ステップS663でNo(失陥位置がプライマリピストン側圧力室13でない)判定すると、ステップS675〔全失陥処理〕へ進む。
ステップS680では、図7に示すように失陥検出後の2度踏み時にプライマリピストン52の変位を常にピストン当接変位PPfs3から開始するために、入力ピストン58の変位IRposが入力ピストン58の無効ストロークIR0以下であるか否か(IRpos≦IR0?)の判定、ひいてはペダル離し判定を行う。
ステップS680でYes(IRpos≦IR0である。)と判定すると、プライマリピストン52の変位PPposをピストン当接変位PPfs3に戻すため、ステップS690へ進む。
また、ステップS680でNo(IRpos> IR0である。)と判定すると、図6A及び図6Bによる制御を終了する(「END」へ進む。)。
ステップS681では、図7に示すように失陥検出後の2度踏み時にプライマリピストン52の変位を常にピストン当接変位PPfs3から開始するために、入力ピストン58の変位IRposが無効ストロークIR0以下であるか否か(IRpos≦IR0?)の判定、ひいてはペダル離し判定を行う。
ステップS681でYes(IRpos≦IR0である。)と判定すると、プライマリピストン52の変位PPposをピストン当接変位PPfs3に戻すため、ステップS691へ進む。
また、ステップS681でNo(Irpos> IR0である。)と判定すると、図6A及び図6Bによる制御を終了する(「END」へ進む。)。
ステップS690では、プライマリピストン52の変位をピストン当接変位PPfs3まで戻す。
ステップS691では、プライマリピストン52の変位をピストン当接変位PPfs3まで戻す。
この第3実施形態によれば、前回の失陥検出処理で失陥検出しており、かつ2回目以降のドライバのペダル踏みが行われた場合、ステップS610でYesと判定してステップS620の失陥検出処理をスキップする。このため、片系統失陥検出後において、2回目以降のペダル踏みを行った場合にも、失陥していない系統で所望の制動力を得ることができる。
1…ブレーキシステム、2…マスタシリンダ、8…ブレーキペダル、9…入力ロッド(入力部材)、13…プライマリピストン側圧力室(プライマリ側系統)、14…セカンダリピストン側圧力室(セカンダリ側系統)、50…電動倍力装置、52…プライマリピストン(アシスト部材)、53…電動アクチュエータ、58…入力ピストン(入力部材)、92…コントローラ(制御装置)、102…プライマリ側回路(プライマリ側系統)、104…セカンダリ側回路(セカンダリ側系統)106…ホイールシリンダ。

Claims (6)

  1. 2つのピストンがシリンダ内を摺動可能に設けられ、プライマリ側とセカンダリ側との2つの圧力室でブレーキ液圧を発生してそれぞれプライマリ側とセカンダリ側との系統でホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するマスタシリンダと、
    ブレーキペダルの操作により進退移動し、前記プライマリ側の圧力室の液圧が作用する入力部材と、電動アクチュエータにより進退移動するアシスト部材とを備え、前記ブレーキペダルから前記入力部材に付与される入力推力と前記電動アクチュエータから前記アシスト部材に付与されるアシスト推力とにより前記マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置と、
    前記入力部材の作動に応じて前記電動アクチュエータを駆動する制御装置と、
    からなり、
    前記制御装置は、前記プライマリ側またはセカンダリ側の系統のうちセカンダリ側の系統が失陥したときに、前記入力部材の移動量に対するアシスト部材の移動量を前記両系統が正常なときの移動量に比して大きくするように前記電動アクチュエータを駆動することを特徴とするブレーキシステム。
  2. 請求項1に記載のブレーキシステムにおいて、前記制御装置は、前記プライマリ側、セカンダリ側の系統のうちいずれかの系統が失陥したことを検知したときに、前記ブレーキペダルの踏み時の前記入力部材の移動量にかかわらず、前記失陥した系統のピストンをその先端がシリンダ又は他のピストンに当接する位置まで移動させるように前記電動アクチュエータを駆動することを特徴とするブレーキシステム。
  3. 請求項2に記載のブレーキシステムにおいて、前記制御装置は、前記系統の失陥を検知した後は、前記ブレーキペダル操作の度に、失陥を検出することなく、前記入力部材の移動量にかかわらず、前記失陥した系統のピストンをその先端がシリンダ又は他のピストンに当接する位置まで移動させるように前記電動アクチュエータを駆動することを特徴とするブレーキシステム。
  4. 請求項2または3に記載のブレーキシステムにおいて、前記プライマリ側の系統にのみ液圧を検出する液圧センサが設けられ、前記制御装置は、前記失陥した系統のピストンをその先端がシリンダ又は他のピストンに当接する位置まで移動させたときに、前記液圧センサの検出値に基づいて前記セカンダリ側の系統の失陥を判定することを特徴とするブレーキシステム。
  5. 請求項1に記載のブレーキシステムにおいて、前記プライマリ側の系統にのみ液圧を検出する液圧センサが設けられ、
    前記制御装置は、前記アシスト部材が第1の位置まで移動したときに、前記液圧センサが所定圧となっていない場合には、前記電動アクチュエータを駆動して前記アシスト部材を加圧方向へ第2の位置まで移動させ、前記アシスト部材が前記第2の位置にあるときに、前記液圧センサ検出値および前記電動アクチュエータへの供給電流値に基づいて前記プライマリ側およびセカンダリ側の系統の失陥を判定することを特徴とするブレーキシステム。
  6. 請求項1に記載のブレーキシステムにおいて、前記制御装置は、前記プライマリ側、セカンダリ側系統のうちいずれかの系統が失陥したときには、前記ブレーキペダルの操作が解除されたときに、失陥した系統のピストンをその先端がシリンダ又は他のピストンに当接する位置で停止するように前記電動アクチュエータを制御することを特徴とするブレーキシステム。
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