JP5273097B2 - 超音波センサ - Google Patents

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Description

本発明は、送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を受信素子により受信して検出する超音波センサに関するものである。
従来より、送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を受信素子により受信して検出する超音波センサとして、例えば、下記特許文献1に開示される超音波センサ装置がある。この超音波センサ装置は、1個の送信素子と4個の受信素子とを備えている。送信素子は、その圧電振動子の電極金属膜に交流電圧が印加されることにより、当該圧電振動子とともにメンブレンが所定の超音波帯周波数で共振して超音波を送信する。この超音波が障害物に反射して各受信素子にて受信される。この受信に応じて各受信素子から出力される受信信号の時間差および位相差から、超音波センサ装置に対する障害物の距離と方位が演算される。
特開2006−242650号公報
ところで、周囲の湿度が変化すると、送信素子から送信される超音波が減衰して到達音波の音圧が変化する。上記特許文献1の超音波センサ装置では、送信素子から異なる2つの周波数の超音波を送信し、両超音波における減衰係数の差から湿度を演算し、この演算された湿度を、予め設定された動作湿度の補正に用いている。
上述した湿度補正機能を、音響整合層と圧電素子とを接合して構成される送信素子および受信素子を有する超音波センサに採用する場合、湿度補償機能として、例えば、受信素子における超音波の受信判定に使用する所定の閾値を湿度に応じて補正することにより、超音波検出における湿度の影響をなくすことが考えられる。
しかしながら、周囲の湿度変化に応じて適切に上記所定の閾値を設定する必要があるため、このように適切に閾値を設定できない場合には、例えば、各受信素子が超音波を検知できない状態が生じてしまい、時間差および位相差に誤差が含まれるために、障害物に対する検出精度が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、湿度変化による検出精度の低下を抑制し得る超音波センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の超音波センサでは、超音波を発振可能な第1の圧電素子とこの第1の圧電素子により発振された超音波を伝達可能な第1の音響整合部材とを有し被検出体に対して前記超音波の送信を行う送信素子と、前記被検出体にて反射された前記超音波を検出可能な第2の圧電素子とこの第2の圧電素子に前記被検出体にて反射された前記超音波を伝達可能な第2の音響整合部材とを有し前記被検出体にて反射された前記超音波の受信を行う受信素子と、前記第1の圧電素子に前記超音波を発振するための電圧を印加するとともに、前記第2の圧電素子から出力される出力電圧が第1閾値以上である場合に当該受信素子による前記超音波の受信を検知する回路素子と、前記送信素子および前記受信素子の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、前記被検出体を検出可能に設定される距離の往復に相当する伝播距離を伝播したときの前記超音波の音圧を、前記湿度検出手段により検出される前記湿度に基づいて演算し、この音圧に応じて前記第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値が、前記第1閾値より大きく設定される第2閾値よりも小さい場合には前記第1閾値を下げるように調整する閾値調整手段と、を備え、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子のいずれか一方の表面に表面弾性波素子を設け、前記湿度検出手段は、前記表面弾性波素子において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて前記湿度を検出することを特徴とする。
請求項1の発明では、回路素子は、第1の圧電素子に超音波を発振するための電圧を印加するとともに、第2の圧電素子から出力される出力電圧が第1閾値以上である場合に当該受信素子による超音波の受信を検知する。そして、閾値調整手段は、被検出体を検出可能に設定される距離の往復に相当する伝播距離を伝播したときの超音波の音圧を、湿度検出手段により検出される湿度に基づいて演算し、この音圧に応じて第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値が、第1閾値より大きく設定される第2閾値よりも小さい場合には第1閾値を下げるように調整する。そして、第1の圧電素子および前記第2の圧電素子のいずれか一方の表面に表面弾性波素子が設けられており、湿度検出手段は、表面弾性波素子において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて湿度を検出する。
送信素子から送信された超音波は、被検出体にて反射されて上記伝播距離を伝播する際、減衰してその音圧が低下する。特に、湿度の変化に伴い超音波がより減衰してその音圧が低下したときには、減衰した超音波に応じて第2の圧電素子から出力電圧が出力されても、この出力電圧が第1閾値を超えないことから本来検知されるべき超音波の受信を検知することができない場合がある。一方、このような未検出をなくすために第1閾値を単純に下げた場合、第2の圧電素子から出力される出力電圧に含まれるノイズ等が第1閾値以上になってしまうと、超音波を受信していないにも関わらず超音波を検知してしまうことになり、検出精度が低下してしまう。
そこで、上記伝播距離を伝播したときの超音波の音圧を、湿度検出手段により検出される湿度に基づいて演算することにより、その湿度状態を考慮した超音波の減衰度合(音圧の減少度合)を推定することができる。そして、この超音波の減衰度合、すなわち、超音波の音圧に応じて第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値に基づいて第1閾値を下げることにより、湿度変化に応じて第1閾値を適切に調整することができる。
特に、閾値調整手段は、上記伝播距離を伝播した超音波の音圧に応じて第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値が、第1閾値より大きく設定される第2閾値よりも小さい場合に、第1閾値を下げるように調整する。出力電圧の振幅値と第1閾値とを直接比較してしまうと、出力電圧が低下した場合に第1閾値を調整する前に検知すべき超音波を検出できない未検出状態が起こりうる。そこで、上述のように第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値と、第1閾値より大きく設定される第2閾値とを比較することにより、上記未検出状態をなくすことができる。
したがって、湿度変化による検出精度の低下を抑制することができる。
特に、表面弾性波素子が第1の圧電素子および第2の圧電素子のいずれか一方の表面に設けられており、湿度検出手段は、上記表面弾性波素子において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて送信素子および受信素子の周囲の湿度を測定する。表面弾性波素子には通常湿度に応じて変化する膜が設けられており、湿度上昇に伴いこの膜に表面弾性波が吸収されて当該表面弾性波の振幅値が小さくなる。このため、湿度上昇に伴い一方の電極から送信された表面弾性波の振幅値に対して他方の電極にて受信された表面弾性波の振幅値が小さくなる。すなわち、表面弾性波素子における送信時の表面弾性波の振幅値と受信時の表面弾性波の振幅値との差から湿度を測定することができる。
請求項2の発明では、第1の圧電素子は、複数の圧電素子が積層されて形成される。これにより、第1の圧電素子は、高い音圧の超音波を発振することができる。
請求項3の発明では、第2の圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されている。これにより、音圧が低い超音波の受信をすることができ、受信感度を向上させることができる。
請求項4の発明では、第1の圧電素子および第2の圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されている。これにより、音響整合部材との音響インピーダンスの差が小さくなるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。また、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、音響整合部材のインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。
請求項5の発明では、受信素子を複数備え、これら複数の受信素子がアレイ状に配置される。これにより、各受信素子にて受信される超音波に基づいて被検出体までの距離や方位角が検出できるので、被検出体の位置の3次元検知を行うことができる。
第1参考例の超音波センサの説明図である。図1(A)は、超音波センサを音響整合部材側から見た平面説明図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A矢視断面図である。 圧電素子からの出力電圧と閾値との関係を示す説明図である。 第1参考例における回路素子による閾値調整処理の流れを示すフローチャートの一部である。 第1参考例における回路素子による閾値調整処理の流れを示すフローチャートの一部である。 第2参考例における超音波センサの断面図である。 第2参考例における回路素子による周波数調整処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態における超音波センサの一部断面図である。
[第1参考例]
この発明に係る超音波センサの第1参考例について、図を参照して説明する。ここでは、車両に搭載して障害物センサとして使用する超音波センサを例に説明する。図1は、第1参考例の超音波センサの説明図である。図1(A)は、超音波センサを音響整合部材側から見た平面説明図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A矢視断面図である。ここで、図1において、図1(A)の手前方向および、図1(B)の上方向が車両の外部を示す。また、図1(A)の下方向に地面が存在する。なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。
図1(A)および(B)に示すように、超音波センサ10は、超音波を送信する送信素子11と、送信素子11から車両前方に送信され、車両前方に存在する被検出体(障害物)で反射された超音波を検出する受信素子12p、12q、12rと、超音波の伝達を防止する振動減衰部材18と、送信素子11および受信素子12p、12q、12rを外力の負荷や衝撃から保護する第1緩衝材19と、送信素子11を受信素子12p〜12rから区画し、超音波の伝達を遮蔽する振動分離部材90と、超音波の送受信に関する電圧信号の入出力を行う回路素子20と、受信素子12p、12q、12r、送信素子11、第1緩衝材19および振動分離部材90を収容する一端が開口した箱状の筐体31と、を備えている。
各受信素子12p〜12rの構造は同じであるので、ここでは、受信素子12pについて説明する。
受信素子12pは、送信素子11から発振され、障害物で反射された超音波を受信し、圧電素子14pに振動としての超音波を伝達する音響整合部材13pと、超音波を検出する圧電素子14pとが接合されて形成されている。
圧電素子14pは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなり、横断面の外形が音響整合部材13pの横断面の外形と等しい四角柱状に形成された圧電体を、対向する面において、PtやCuやAgのスパッタ、めっき、導電ペーストの焼き付けなどにより形成された1組の電極15pにより挟んで形成されている。
音響整合部材13pは、空気より音響インピーダンスが大きく、圧電素子14pより音響インピーダンスが小さいポリカーボネート系樹脂などの耐久性に優れた樹脂材料を用いて形成されている。
音響整合部材13pは、厚さ(超音波の伝達方向の長さ)Lが超音波の音響整合部材13p中における波長λの約1/4となるように形成されている。音響整合部材13pの厚さLを超音波の波長λの約1/4となるように形成することにより、音響整合部材13p内で定在波を発生させることができる。これにより、音響整合部材13p内に入射した超音波と、音響整合部材13pと圧電素子14pとの界面において反射された超音波とが干渉して互いに打ち消し合うことを低減することができるので、圧電素子14pに効率よく超音波を伝達することができる。また、音響整合部材13pの幅を、超音波の空気中における波長の半分以下とすることが望ましい。
送信素子11は、受信素子12pの音響整合部材13pと同一材料を用いて同様に構成された音響整合部材13と、超音波を発振する積層圧電素子16とが接合されて形成されている。
積層圧電素子16は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなり、横断面の外形が音響整合部材13の横断面の外形と等しい四角柱状に形成された圧電体に、1組の電極17が互い違いに櫛歯状に積層形成されて構成されている。これにより、積層圧電素子16は、複数層の圧電素子が積層形成された形状と等価となり、本参考例では、5層の圧電素子が積層形成された形状となっている。ここで、圧電素子の積層数は、要求する音圧に合わせて可変である。
各圧電素子14pの電極15pおよび積層圧電素子16の電極17は、ワイヤ14a、17aを介して、それぞれ回路素子20に電気的に接続されている。この回路素子20は、車両に設けられたECU(Electronic Control Unit:図示せず)に電気的に接続されている。
当該回路素子20は、超音波を送信する時には、ECUから出力された、発信する超音波の音圧、位相を制御するための制御信号に基づいて、積層圧電素子16に対して所定の周波数の電圧信号を出力する(電圧を印加する)。また、回路素子20は、各圧電素子14pから出力される出力電圧が後述する閾値調整処理により調整された閾値Vs以上になる場合に、超音波の受信を検知して所定の演算処理を行い、ECUに対して振動信号として出力する。
回路素子20による超音波の検知について図2を用いて説明する。図2は、圧電素子14pからの出力電圧Voと閾値Vsとの関係を示す説明図である。
図2に示すように、回路素子20から積層圧電素子16に所定の周波数の入力電圧Viが印加されることにより送信素子11から超音波が送信されると、この超音波が被検出体で反射されて各圧電素子14pに受信される。各圧電素子14pは、受信した超音波の音圧に応じた出力電圧をそれぞれ出力する。回路素子20は、圧電素子14pから出力される出力電圧Voが閾値Vs以上になる場合(図2にて点Xの位置)に、その圧電素子14pに対する超音波の受信を検知する。なお、閾値Vsは、ノイズ等に影響されないようにノイズ等に起因する電圧よりも十分大きな値に設定される。
送信素子11の音響整合部材13および各受信素子12p〜12rの音響整合部材13pは、超音波の伝達を防止する振動減衰部材18を介在して、互いに隣り合った各音響整合部材13、13pの中心部の間隔dが、超音波の半波長にほぼ等しくなるようにアレイ状に配置されている。ただし、中心部の間隔は検知エリアの角度に依存するものであり、間隔dが半波長より大きい場合でも、角度を検知することはできる。
振動減衰部材18は、各音響整合部材13pの受信面13jと、音響整合部材13の送信面13sとを覆って、筐体31の開口部に固定されている。この構成を用いると、各音響整合部材13、13pと振動減衰部材18との界面が外部に露出しないため、接合面を介して水などが侵入することを防止することができるので、超音波センサ10の信頼性を向上させることができる。筐体31は、車両の所定の位置、例えば、バンパ100に各音響整合部材13、13pが外方に面するように取り付けられている。
振動減衰部材18は、各音響整合部材13、13pより音響インピーダンスが小さく、減衰定数が高い材料、例えば、シリコンゴムにより形成されている。更に、振動減衰部材18には、弾性率が低い材料および密度が小さい材料が好適に用いられる。例えば、ゴム系材料、発泡樹脂などの気孔を含む樹脂、スポンジなどを用いることができる。
このような材料により形成された振動減衰部材18が、各音響整合部材13、13pの間に介在することにより、超音波が各音響整合部材13、13pの間で伝達されてノイズの原因となることを防止することができる。ここで、振動減衰部材18のうち受信面13jおよび送信面13sを覆う部分は、超音波の伝達を大きく阻害しないように、例えば、厚さ1mm以下の厚さに形成されている。
第1緩衝材19は、積層圧電素子16および各圧電素子14pより弾性率の低い材料、例えば、ポッティング材により構成されている。この第1緩衝材19は、送信素子11の積層圧電素子16および音響整合部材13の一部と、各受信素子12p〜12rの圧電素子14pおよび音響整合部材13pの一部とを囲んで、筐体31との間に介在して設けられている。なお、第1緩衝材19は、ウレタンや、ゴム、シリコーンなどの高分子材料により構成されてもよい。
このような第1緩衝材19を設けることにより、各音響整合部材13、13pに小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、第1緩衝材19が送信素子11および各受信素子12p〜12rに伝達された衝撃を吸収するとともに、送信素子11および各受信素子12p〜12rが筐体31の底面31a側に向かって変位するのを拘束するため、送信素子11および受信素子12p〜12rを保護し、破壊を防ぐことができる。また、積層圧電素子16および各圧電素子14pを劣化させる水分など環境因子を遮断することができるので、信頼性を向上させることができる。
振動分離部材90は、第1緩衝材19より弾性率および音響インピーダンスが高い材料により板状に形成されている。当該振動分離部材90は、送信素子11と隣接する受信素子12p、12rとの間に設けられ、筺体31の底面31aから立設されており、一端が振動減衰部材18により固定されて、送信素子11を囲むように筐体31の内部を区画している。ここで、振動分離部材90の厚さは、積層圧電素子16から各音響整合部材13pへの超音波の振動の伝達を低減するとともに、振動減衰部材18において、各音響整合部材13pの振動を阻害しない厚さに設定されている。
このように構成される超音波センサ10を作動状態にすると、回路素子20は、ECUから入力される制御信号に基づいて、各音響整合部材13、13pの共振周波数fに等しくなるように調整された周波数の電圧を、送信素子11の積層圧電素子16に印加する。この電圧印加に応じて積層圧電素子16が振動することにより、共振周波数fに等しい周波数の超音波が音響整合部材13を介して送信面13sから車両外部へ送信される。
ここで、送信素子11の積層圧電素子16は5層に積層形成されているので、例えば、1層だけの圧電素子に比べて、同じ電圧を印加した場合に、5倍の変位、即ち5倍の音圧を得ることができる。つまり、積層圧電素子16は、高い音圧の超音波を発振することができる。
また、送信素子11を区画する振動分離部材90は第1緩衝材19より弾性率および音響インピーダンスが高い材料により形成されているので、積層圧電素子16から第1緩衝材19を介して伝達される超音波を、振動分離部材90と第1緩衝材19との界面において反射することができる。これにより、送信素子11から高い音圧の超音波を発振しても、送信素子11から各受信素子12p〜12rに超音波が伝達して発生する振動ノイズを低減することができる。
上述のように送信素子11から送信された超音波は、被検出体で反射された後、各受信素子12p〜12rの音響整合部材13pの受信面13jにおいて受信される。例えば、受信素子12pの音響整合部材13pの受信面13jにおいて受信された超音波は、当該音響整合部材13pを介して、圧電素子14pに伝達される。
各圧電素子14pは、伝達された超音波の音圧に応じた出力電圧を回路素子20にそれぞれ出力する。回路素子20は、各圧電素子14pから出力される出力電圧の振幅値が後述する閾値調整処理により調整された閾値Vs以上になる場合に、超音波の受信を検知して所定の演算処理を行い、ECUに対して振動信号として出力する。
このとき、各受信素子12p〜12rはアレイ状に配置されているため、送受信間の時間差および受信した超音波の各受信素子12p〜12r間での時間差、または位相差を求めることによって、その各差に基づいて、障害物等の被検出体の位置の3次元検知を行うことができる。
また、各受信素子12p〜12r間には、振動減衰部材18が介在しているため、受信素子13p〜13sごとに超音波を分離して伝達し、検出することができるので、良好なクロストーク特性を得ることができ、超音波の検出精度を向上させることができる。
ここで、上述した回路素子20により実行される閾値調整処理の流れについて、図3および図4を用いて詳細に説明する。図3および図4は、回路素子20における閾値調整処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図3のステップS101にて図略の温度センサおよび大気圧センサ等から温度T、大気圧Gおよび飽和蒸気圧Goを取得すると、ステップS103において、第1検出用電圧印加処理がなされる。この処理では、送信素子11の音響整合部材13および各受信素子12p〜12rの音響整合部材13pの共通の共振周波数fよりも僅かに低い周波数(以下、第1周波数fともいう)の第1検出用電圧が送信素子11の積層圧電素子16に短い時間の間だけ印加される。この電圧印加に応じて積層圧電素子16が振動することにより、第1周波数fの超音波が音響整合部材13を介して送信面13sから車両外部へ送信される。なお、第1周波数fは、例えば、共振周波数fに対して3kHz低くなるように設定されている。
次に、ステップS105において、第1振幅値取得処理がなされる。この処理では、ステップS103にて超音波が送信された後に被検出体にて反射され各音響整合部材13pを介して圧電素子14pに伝達されることによりこの圧電素子14pから出力される出力電圧の振幅値を第1振幅値Vとして取得する。
圧電素子14pに伝達される超音波の音圧Pと、圧電素子14pから出力される出力電圧の振幅値Vとの間には、Sを素子感度とすると、以下に示す式(4)の関係が成立する。
V=S×P ・・・(4)
そして、超音波は、超音波センサ10として被検出体を検出可能に設定される距離の往復に相当する伝播距離(以下、伝播距離rともいう)を伝播する際に減衰することから、吸収係数mと音圧Pとの間には以下の式(3)の関係が成立する。
P=Ae−mr/r ・・・(3)
ここで、Aは、所定の係数であり、例えば、伝播距離r=0.2mにおける既知の初期発振音圧に基づいて設定される。
上記ステップS105により第1振幅値Vが取得されると、ステップS107において、第1吸収係数演算処理がなされる。この処理では、第1振幅値Vに基づいて上記式(3)および式(4)により第1吸収係数mを演算する。
このように第1吸収係数mが演算されると、ステップS109において、第2検出用電圧印加処理がなされる。この処理では、共振周波数fよりも僅かに高い周波数(以下、第2周波数fともいう)の第2検出用電圧が送信素子11の積層圧電素子16に短い時間の間だけ印加される。この電圧印加に応じて積層圧電素子16が振動することにより、第2周波数fの超音波が音響整合部材13を介して送信面13sから車両外部へ送信される。なお、第2周波数fは、例えば、共振周波数fに対して3kHz高くなるように設定されている。
上述した第1周波数fおよび第2周波数fは、送受信感度を向上させるために、共振周波数f近傍にする必要がある。本第1参考例においては、送信素子11は、音響整合層13と積層圧電素子16とを接合して構成されており、この音響整合層13は、樹脂材料でありQ値が10程度である。そのため、例えば、シリコン基板を用いたメンブレン構造の送信素子(上記特許文献1参照)と比べて、Q値が低くなり共振ピークを低くすることができる。このようにして、1つの送信素子11から共振周波数f近傍の異なる2つの周波数(第1周波数fおよび第2周波数f)の超音波を送信し易くしている。
次に、ステップS111において、第2振幅値取得処理がなされる。この処理では、ステップS109にて超音波が送信された後に被検出体にて反射され各音響整合部材13pを介して圧電素子14pに伝達されることによりこの圧電素子14pから出力される出力電圧の振幅値を第2振幅値Vとして取得する。
そして、ステップS113において、第2吸収係数演算処理がなされる。この処理では、上述した第1吸収係数演算処理と同様に、第2振幅値Vに基づいて上記式(3)および式(4)により第2吸収係数mを演算する。
次に、図4のステップS115にて湿度演算処理がなされる。この処理では、以下に示す式(2)に第1周波数fおよび第1吸収係数mと、第2周波数fおよび第2吸収係数mと、温度Tとを代入した結果の2式から変数kを演算し、この変数kおよび大気圧Gおよび飽和蒸気圧Goに基づいて以下に示す式(1)により湿度hを演算する。
m=(33+0.2T)f×10−12
+Mf/{k/(2πf)+(2πf)/k} ・・・(2)
k=1.92×(Go/G×h)1.3×10 ・・・(1)
なお、Mは、所定の係数である。
上述のように第1周波数fおよび第1吸収係数mと、第2周波数fおよび第2吸収係数mとから湿度hが演算されると、ステップS117において、吸収係数演算処理がなされる。この処理では、ECUからの制御信号に基づいて回路素子20から積層圧電素子16に印加される電圧の周波数毎に、湿度hに基づいて式(1)および式(2)により、吸収係数mを演算する。
次に、ステップS119において、最小出力電圧演算処理がなされる。この処理では、上記ステップS117にて演算された吸収係数mに基づいて、超音波が伝播距離rを伝播して圧電素子14pに伝達されたときの音圧Pを、上記式(3)により演算する。そして、この音圧Pに基づいて上記式(4)により最小出力電圧Vuを演算する。このように、最小出力電圧Vuは、その湿度状態を考慮した超音波の減衰度合(音圧Pの減少度合)を推定するように演算される。
上述のように最小出力電圧Vuが演算されると、ステップS121において、最小出力電圧Vuが閾値Vsに係数αを乗算して大きくした値以下であるか否かについて判定される。最小出力電圧Vuと閾値Vsに係数αを乗算した値とを比較する理由は、最小出力電圧Vuと閾値Vsとを直接比較してしまうと、最小出力電圧Vuが低下した場合に閾値Vsを調整する前に検知すべき超音波を検出できない状態が起こりうるからである。なお、本第1参考例においては、係数αは、2.0に設定されている。また、閾値Vsに係数αを乗算して大きくした値は、特許請求の範囲に記載の「第2閾値」に相当する。
最小出力電圧Vuが閾値Vsにαを乗算した値を超える場合には、閾値Vsの調整の必要がないことから、ステップS121にてNoと判定されて、車両のイグニッションスイッチ(IGSW:図略)がON状態であり車両が始動状態であれば(S125でNo)、ステップS101以降の処理が繰り返される。
一方、湿度hが変化することにより、最小出力電圧Vuが閾値Vsに係数αを乗算した値以下になると(ステップS121でYes)、ステップS123にて閾値減少処理がなされる。この処理では、閾値Vsが最小出力電圧Vuを係数βで除算した値と等しくなるように、減少して設定される。なお、本第1参考例では、係数βは、係数αに等しくなるように設定されているが、これに限らず、係数βは、係数αと異なるように設定されてもよい。
このように、湿度hを考慮して調整された閾値Vsに基づいて超音波を検知することにより、湿度hの変化による超音波センサ10の検出精度の低下を抑制している。なお、ステップS123にて閾値Vsを減少させるように設定して所定時間が経過した場合に、閾値Vsを初期値に戻すか、初期値まで漸増させてもよい。そして、IGSWがOFF状態になると、ステップS125にてYesと判定されて閾値調整処理を終了する。
以上説明したように、本第1参考例に係る超音波センサ10では、回路素子20は、積層圧電素子16に超音波を発振するための電圧を印加するとともに、圧電素子14pから出力される出力電圧が閾値Vs以上である場合に当該受信素子12p〜12rによる超音波の受信を検知する。そして、回路素子20は、伝播距離rを伝播したときの超音波の音圧Pを、上記湿度演算処理により演算される湿度hに基づいて演算し、この音圧Pから求められる最小出力電圧Vuが、閾値Vsに係数αを乗算した値よりも小さい場合には閾値Vsを下げるように調整する。
これにより、その湿度状態を考慮した超音波の減衰度合(音圧Pの減少度合)を推定することができる。そして、この超音波の減衰度合、すなわち、超音波の音圧Pから求められる最小出力電圧Vuに応じて閾値Vsを下げるように調整することにより、湿度変化に応じた閾値Vsの適切な調整をすることができる。
特に、上述した閾値調整処理では、伝播距離rを伝播した超音波の音圧Pから求められる最小出力電圧Vuが、閾値Vsに係数αを乗算して大きくした値よりも小さい場合に、閾値Vsを下げるように調整する。これにより、最小出力電圧Vuと閾値Vsとを直接比較することで、最小出力電圧Vuが低下した場合に閾値Vsを調整する前に検知すべき超音波を検出できない状態をなくすことができる。
したがって、湿度変化による検出精度の低下を抑制することができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10では、上述した閾値調整処理において、湿度演算処理により演算される湿度hに基づいて上記式(1)により変数kを演算し、この変数kに基づいて上記式(2)により吸収係数mを演算し、この吸収係数mに基づいて上記式(3)により超音波の音圧Pを演算し、この音圧Pから求められる最小出力電圧Vuが、閾値Vsに係数αを乗算して大きくした値よりも小さい場合には閾値Vsを下げるように調整する。
このように、上記湿度演算処理により演算される湿度hに加えて超音波の周波数f、温度T、飽和蒸気圧Go、大気圧G等に基づいて、上記式(1)〜(3)により上記伝播距離rを伝播した超音波の音圧Pを演算することにより、超音波の減衰度合(音圧の減少度合)を推定することができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10では、回路素子20は、第1周波数fの電圧を短時間積層圧電素子16に印加し、この印加により送信素子11から送信された超音波が圧電素子14pに伝達されたときの第1振幅値Vから求められる音圧Pから上記式(3)により第1吸収係数mを演算する。また、回路素子20は、第2周波数fの電圧を短時間積層圧電素子16に印加し、この印加により送信素子11から送信された超音波が圧電素子14pに伝達されたときの第2振幅値Vから求められる音圧Pから上記式(3)により第2吸収係数mを演算する。そして、回路素子20は、第1周波数fおよび第1吸収係数mを上記式(2)に代入して得られる変数kに関する式と、第2周波数fおよび第2吸収係数mを上記式(2)に代入して得られる変数kとに関する式と、上記式(1)に基づいて湿度hを演算する。
これにより、湿度センサ等の特別な部材を設けることなく、湿度hを検出することができる。また、第1周波数fおよび第2周波数fは、音響整合部材13の共振周波数f近傍になっているので、湿度検出の際の送信感度を向上させることができる。その結果、湿度を検出するための製造コストの増大を抑制することができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10では、送信素子11の音響整合部材13は、樹脂材料により形成される。このため、例えば、シリコン基板を用いたメンブレン構造の送信素子(上記特許文献1参照)と比べて、Q値が低くなり共振ピークを低くすることができる。これにより、1つの送信素子11から音響整合部材13の共振周波数f近傍の異なる2つの周波数(第1周波数fおよび第2周波数f)の超音波を送信し易くすることができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10では、積層圧電素子16は複数の圧電素子が積層されて形成されている。これにより、積層圧電素子16は、高い音圧の超音波を発振することができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10では、圧電素子14pは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されている。これにより、音圧が低い超音波の受信をすることができ、受信感度を向上させることができる。
また、本第1参考例に係る超音波センサ10は、複数の受信素子12p〜12rを備え、各受信素子12p〜12rがアレイ状に配置される。これにより、各受信素子12p〜12rにて受信される超音波に基づいて被検出体までの距離や方位角が検出できるので、被検出体の位置の3次元検知を行うことができる。
[第2参考例]
次に、本発明の第2参考例に係る超音波センサについて図5および図6を参照して説明する。図5は、第2参考例における超音波センサ10の断面図である。図6は、第2参考例における回路素子20による周波数調整処理の流れを示すフローチャートである。
本第2参考例に係る超音波センサ10では、第1緩衝材19の誘電率を検出するための一対の電極41が新たに設けられるとともに、回路素子20における閾値調整処理を図3および図4に示すフローチャートに代えて、図6に示すフローチャートに基づいて行う点が、上記第1参考例に係る超音波センサと異なる。したがって、第1参考例の超音波センサと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、第1緩衝材19内には一対の電極41の一部が互いに離間した状態で埋設されている。両電極41は、ワイヤ41aを介して、回路素子20にそれぞれ電気的に接続されており、当該回路素子20は、両電極41間の静電容量から第1緩衝材19の誘電率を検出する機能を有する。
以下、本第2参考例における回路素子20における閾値調整処理を図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図6のステップS101にて、温度T、大気圧Gおよび飽和蒸気圧Goを取得すると、ステップS115aにおいて、湿度測定処理がなされる。この処理では、第1緩衝材19に埋設された両電極41間の静電容量から第1緩衝材19の誘電率を検出する。第1緩衝材19を構成するポッティング材の誘電率は、3〜6程度であり、水の誘電率は80程度である。そうすると、湿度hが上昇すると、この湿度上昇に応じて誘電率も上昇する。このため、第1緩衝材19の誘電率に基づいて湿度hを測定することができる。
このように湿度hが測定されると、この湿度hに基づいて、上記第1参考例と同様に、ステップS117以降の処理がなされて、閾値Vsが湿度hに応じて適切に調整されることとなる。
以上説明したように、本第2参考例に係る超音波センサ10では、第1緩衝材19に埋設された両電極41間の誘電率に基づいて湿度hを測定する。このように、湿度センサ等の特別な部材を設けることなく当該第1緩衝材19に互いに離間した状態で埋設させた一対の電極を設けるだけでよく、湿度測定に関する製造コストの増大を抑制することができる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係る超音波センサについて図7を参照して説明する。図7は、第1実施形態における超音波センサ10の一部断面図である。なお、説明の便宜上、SAW素子50が設けられる圧電素子14pの部位のみ断面でない状態を示している。
本第1実施形態に係る超音波センサ10では、上述した一対の電極41に代えて、表面弾性波素子(以下、SAW素子50ともいう)を採用している点が、上記第2参考例に係る超音波センサと異なる。したがって、第2参考例の超音波センサと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示すように、SAW素子50は、櫛歯状の一対の電極である電極51および電極52を備え、両電極51、52が所定の距離離間するように圧電素子14pの表面に設けられている。両電極51、52は、図略のワイヤを介して、回路素子20にそれぞれ電気的に接続されている。
SAW素子50は、回路素子20からの制御信号に応じて、電極51から所定の周波数の表面弾性波を発生させ、圧電素子14pの表面を伝わる表面弾性波を電極52にて受信して所定の電気信号を出力する機能を有する。また、SAW素子50には通常湿度に応じて変化する膜が設けられており、湿度上昇に伴いこの膜に表面弾性波が吸収されて当該表面弾性波の振幅値が小さくなる。
以下、本第1実施形態における回路素子20における閾値調整処理を図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図6のステップS101にて、温度T、大気圧Gおよび飽和蒸気圧Goを取得すると、ステップS115aにおいて、湿度測定処理がなされる。この処理では、上記第2参考例と異なり、回路素子20からの制御信号に応じてSAW素子50における両電極51、52間にて送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて、湿度hを測定する。
SAW素子50には湿度に応じて変化する膜が設けられていることから、湿度上昇に伴い電極51から送信された表面弾性波の振幅値に対して電極52にて受信された表面弾性波の振幅値が小さくなる。すなわち、SAW素子50における送信時の表面弾性波の振幅値と受信時の表面弾性波の振幅値との差から湿度hを測定することができる。
このように湿度hが測定されると、上記第2参考例と同様にステップS117以降の処理がなされ、閾値Vsが湿度hに応じて適切に調整されることとなる。
以上説明したように、本第1実施形態に係る超音波センサ10では、SAW素子50が圧電素子14pの表面に設けられている。SAW素子50の両電極51、52間において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて湿度hが測定される。このように湿度hを測定してもよい。
なお、SAW素子50を圧電素子14p以外の素子等の表面に設けて、SAW素子50において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて湿度hを測定してもよい。
なお、本発明は上記実施形態および参考例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態および参考例と同等の作用・効果が得られる。
(1)積層圧電素子16および各圧電素子14pは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)により形成されることに限らず、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されてもよい。これにより、各音響整合部材13、13pとの音響インピーダンスの差が小さくなるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。また、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、各音響整合部材13、13pのインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。
(2)上記実施形態および参考例では、振動減衰部材18により受信面13jおよび送信面13sが覆われているが、これに限定されるものではない。例えば、振動減衰部材18は、受信面13jおよび送信面13s近傍の側面において、各音響整合部材13、13pを固定し、受信面13jおよび送信面13sを外部に露出させる構成を採用することもできる。また、この構成において露出した受信面13jおよび送信面13sを塗料などの別部材により被覆してもよい。
(3)振動分離部材90は、筐体31と一体的に形成することもできる。これによれば、部品点数を低減することができるとともに、振動分離部材90の位置精度を向上させることができる。
(4)各音響整合部材13、13pの形状は、横断面が略正方形の四角柱状に限らず、例えば、円柱でもよい。これによれば、各音響整合部材13、13pの不要振動を抑制することができる。
(5)送信素子および受信素子の数および配置は、用途に応じて任意である。例えば、距離検知を行うなら、送信素子と受信素子を1個ずつ配置すればよい。また、角度検知を行うなら、送信素子1個と受信素子2個を配置すればよい。これにより、受信素子を配置した方向の角度検知を行うことができる。
10…超音波センサ
11…送信素子
12p、12q、12r…受信素子
13…音響整合部材(第1の音響整合部材)
13p…音響整合部材(第2の音響整合部材)
14p…圧電素子(第2の圧電素子)
16…積層圧電素子(第1の圧電素子)
20…回路素子(湿度検出手段、閾値調整手段)
41…電極(湿度検出手段)
50…SAW素子(表面弾性波素子)
h…湿度
P…音圧
r…伝播距離
Vs…閾値
Vu…最小出力電圧

Claims (5)

  1. 超音波を発振可能な第1の圧電素子とこの第1の圧電素子により発振された超音波を伝達可能な第1の音響整合部材とを有し被検出体に対して前記超音波の送信を行う送信素子と、
    前記被検出体にて反射された前記超音波を検出可能な第2の圧電素子とこの第2の圧電素子に前記被検出体にて反射された前記超音波を伝達可能な第2の音響整合部材とを有し前記被検出体にて反射された前記超音波の受信を行う受信素子と、
    前記第1の圧電素子に前記超音波を発振するための電圧を印加するとともに、前記第2の圧電素子から出力される出力電圧が第1閾値以上である場合に当該受信素子による前記超音波の受信を検知する回路素子と、
    前記送信素子および前記受信素子の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記被検出体を検出可能に設定される距離の往復に相当する伝播距離を伝播したときの前記超音波の音圧を、前記湿度検出手段により検出される前記湿度に基づいて演算し、この音圧に応じて前記第2の圧電素子から出力される出力電圧の振幅値が、前記第1閾値より大きく設定される第2閾値よりも小さい場合には前記第1閾値を下げるように調整する閾値調整手段と、を備え、
    前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子のいずれか一方の表面に表面弾性波素子を設け、
    前記湿度検出手段は、前記表面弾性波素子において送受信される表面弾性波の周波数変化に基づいて前記湿度を検出することを特徴とする超音波センサ。
  2. 前記第1の圧電素子は、複数の圧電素子が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
  3. 前記第2の圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波センサ。
  4. 前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波センサ。
  5. 前記受信素子を複数備え、これら複数の前記受信素子がアレイ状に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波センサ。
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