JP5270884B2 - 分散剤およびこの分散剤を含むポリ乳酸系複合樹脂粒子 - Google Patents

分散剤およびこの分散剤を含むポリ乳酸系複合樹脂粒子 Download PDF

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Description

本発明は、分散剤[特に、乳酸系樹脂粒子(ポリ乳酸樹脂粒子など)を水系溶媒に分散可能な分散剤]、この分散剤を含む乳酸系複合樹脂粒子、この乳酸系樹脂粒子を含む水系分散液および前記乳酸系複合樹脂粒子の製造方法に関する。
近年、生物から生産される再生可能資源の利用が広まっている。特にトウモロコシなどを原料とするポリ乳酸(PLA)は生分解性や生体適合性を有し、容器包装、医療材料分野への応用が盛んに研究されている。特に、このようなポリ乳酸を微粒子とすることで、生体内での使用が可能な接着剤やコーティング剤、塗料、ポリ乳酸の低屈折率を利用し、微粒子をナノ分散した低屈折率フィルムなど、これまでにない分野への展開が期待できる。しかし、ポリ乳酸の微粒子は、高い結晶性や疎水性を有しているため、単独では、水中へ安定に分散させることが困難である。
そこで、このようなポリ乳酸を水中に分散させる方法が提案されている。例えば、特開平10−101911号公報(特許文献1)には、乳酸ポリマーを10〜70重量%と、80重量%以上がアニオン系乳化剤(例えば、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルケニルコハク酸塩、硫酸アルキル塩、リン酸アルキルポリオキシエチレン塩、(メタ)アクリル酸重合物、マレイン酸重合物、ナフタレンスルホン酸塩のホリマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩など)である乳化剤を乳酸ポリマー量に対して5重量%以下含有する生分解性エマルジョンであって、乳酸ポリマーが平均粒径0.05〜10μの微粒状に乳化分散されていることを特徴とする生分解性エマルジョン組成物が開示されている。この文献には、乳酸ポリマーを、平均粒径0.05〜10μの微粒状に乳化分散させるには、乳酸ポリマーを少量の有機溶媒に溶解させた後に乳化する方法、高温、高圧下で温水を添加してホモジナイザーで乳化する方法などが挙げられることが記載されている。
また、特開2004−107413号公報(特許文献2)には、ポリ乳酸系樹脂と生分解性を有する乳化剤(ポリビニルアルコールなど)とを混合して乳化し、次いで、可塑剤(多塩基酸エステル、多価アルコールエステル、オキシ酸エステルなど)を100℃以下で添加することにより得られるポリ乳酸系樹脂水分散体が開示されている。
しかし、上記のような乳化剤を用いる方法は、比較的小さな粒径(例えば、平均粒径1μm未満)のポリ乳酸微粒子を得ることは困難である。しかも、ポリ乳酸系樹脂粒子は慣用の乳化剤を含んでおり、生体適合性の点で劣る。また、高温、高圧下で温水を添加しホモジナイザイーの使用、押出機により溶融混練中に水を添加後、乳化剤存在中の温水と攪拌するなど、粉砕・攪拌機がないと微粒子作製が困難である。
特開平10−101911号公報(特許請求の範囲、段落番号[0010]、[0013]) 特開2004−107413号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、水系溶媒(特に水)に乳酸系樹脂粒子を優れた分散安定性で分散できる分散剤(又はブロック共重合体)、この分散剤および乳酸系樹脂粒子を含む複合樹脂粒子、およびこの複合樹脂粒子を含む水系分散液を提供することにある。
本発明の他の目的は、水系溶媒中において、乳酸系樹脂粒子の粒径を時間が経過しても一定に維持でき、高い分散安定性で分散できる分散剤、この分散剤および乳酸系樹脂粒子を含む複合樹脂粒子、およびこの複合樹脂粒子を含む水系分散液を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高い分散安定性で水系溶媒に分散された乳酸系樹脂粒子を含む複合樹脂粒子(又はこの複合樹脂粒子が分散した分散液)を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとを有するブロック共重合体を、乳酸系樹脂粒子の分散剤とすることにより、高い分散安定性で乳酸系樹脂粒子を水系溶媒に分散できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の分散剤(乳化剤又は界面活性剤)は、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとを有するブロック共重合体(脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとのブロック共重合体)で構成されている。このような分散剤は、特に、水系溶媒に乳酸系樹脂粒子を分散させるための分散剤であってもよい。なお、前記分散剤は、前記ブロック共重合体のみで構成してもよい。そのため、本発明には、前記ブロック共重合体も含まれる。
前記ブロック共重合体において、脂肪族ポリエステルブロックは、少なくとも乳酸成分で構成されたヒドロキシカルボン酸成分のポリマーブロック(例えば、ポリ乳酸ブロック)であってもよい。また、脂肪族ポリエステルブロックの平均重合度は、例えば、20〜600程度であってもよい。
前記ブロック共重合体において、ポリペプチドブロックは、親水性ポリぺプチドブロックであってもよい。具体的には、前記ブロック共重合体において、ポリペプチドブロックは、親水性アミノ酸成分、例えば、側鎖に親水性基を有する中性アミノ酸、酸性アミノ酸および塩基性アミノ酸から選択された少なくとも1種の親水性アミノ酸成分で構成されたアミノ酸成分が重合したポリペプチドブロックであってもよい。また、ポリペプチドブロックの平均重合度は、例えば、8〜200程度であってもよい。さらに、脂肪族ポリエステルブロックの平均重合度とポリペプチドブロックの平均重合度との割合は、例えば、93/7〜15/85程度であってもよい。
前記ブロック共重合体の臨界ミセル濃度は、例えば、5×10−7〜5×10−4モル/L程度であってもよい。
本発明には、乳酸系樹脂粒子(例えば、ポリ乳酸樹脂粒子)と、この乳酸系樹脂粒子を被覆する前記分散剤とで構成された複合樹脂粒子も含まれる。このような複合樹脂粒子において、乳酸系樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、100〜3000nm程度であってもよい。また、複合樹脂粒子において、前記分散剤の割合は、乳酸系樹脂粒子100重量部に対して1〜30重量部程度であってもよい。
なお、前記複合樹脂粒子は、水系溶媒に分散した水系分散液の形態であってもよい。そのため、本発明には、前記複合樹脂粒子および水系溶媒を含む水系分散液も含まれる。このような分散液において、水系溶媒は、特に、水であってもよい。また、このような分散液において、複合樹脂粒子の割合は、例えば、5〜70重量%程度であってもよい。
さらに、本発明には、乳酸系樹脂およびこの乳酸系樹脂を溶解可能な溶媒(A)を含む溶液(a)と、前記分散剤および水系溶媒(B)(詳細には、前記分散剤を溶解可能な水系溶媒(B))を含む溶液(b)とを混合し、前記溶媒(A)を除去し、複合樹脂粒子を製造する方法も含まれる。
本発明の分散剤は、乳酸系樹脂粒子に対する親和性部位としての脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロック(特に親水性ポリペプチドブロック)とを有する特定のブロック共重合体で構成されているので、水系溶媒(特に水)に乳酸系樹脂粒子を優れた分散安定性で分散できる。また、本発明の分散剤は、乳酸系樹脂粒子の粒径を時間が経過しても一定に維持でき、乳酸系樹脂粒子を水系溶媒に高い分散安定性で分散できる。さらに、本発明の方法では、高い分散安定性で水系溶媒に分散された乳酸系樹脂粒子を含む複合樹脂粒子(又はこの複合樹脂粒子が分散した分散液)を効率よく製造できる。
[分散剤]
本発明の分散剤は、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロック(又はポリアミノ酸ブロック)とを有するブロック共重合体で構成されている。そして、このような分散剤は、特に限定されないが、水系溶媒に乳酸系樹脂粒子を分散させるための分散剤として好適に利用できる。
(ブロック共重合体)
前記ブロック共重合体は、脂肪族ポリエステルブロック(脂肪族ポリエステル単位、脂肪族ポリエステルセグメント、脂肪族ポリエステル鎖、単に脂肪族ポリエステルということがある)と、ポリアミノ酸ブロック(ポリアミノ酸単位、ポリアミノ酸セグメント、ポリアミノ酸鎖、単にポリアミノ酸ということがある)とが結合したブロック共重合体である。
脂肪族ポリエステルブロック(脂肪族ポリエステル単位)は、(1)脂肪族ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸成分とが重合したポリエステル(例えば、ポリエチレンアジペートなど)ブロック、(2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分が重合したポリエステル(ポリヒドロキシカルボン酸)ブロックであってもよい。
脂肪族ジオール成分として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジ乃至テトラC2−4アルキレングリコールなどが例示できる。これらのジオール成分は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。好ましいジオール成分は、C2−6アルキレングリコール、特にC2−4アルキレングリコールである。
脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC2−10アルカンジカルボン酸などが例示できる。ジカルボン酸成分は、酸無水物、低級アルキルエステル(例えば、C1−2アルキルエステル)であってもよく、酸ハライドであってもよい。これらのジカルボン酸成分は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。好ましいジカルボン酸成分は、C3−8アルカンジカルボン酸、特にC4−6アルカンジカルボン酸である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびその環状エステル)としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸(L−乳酸、D−乳酸又はこれらの混合物)、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸)、グリセリン酸、タルトロン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸などの脂肪族C2−10ヒドロキシカルボン酸、好ましくは脂肪族C2−6ヒドロキシカルボン酸など)、環状エステル{例えば、環状ジエステル(例えば、グリコリド、ラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド又はこれらの混合物)などのC4−15環状ジエステル、好ましくはC4−10環状ジエステルなど)、ラクトン[例えば、プロピオラクトン(β−プロピオラクトンなど)、ブチロラクトン、バレロラクトン(δ−バレロラクトン、メチル化(δ−バレロラクトン)など)、カプロラクトン(ε−カプロラクトン、2−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、4,4’−ジメチル−ε−カプロラクトンなどのメチル化カプロラクトン(ε−カプロラクトンなど)など)、ラウロラクトン、エナントラクトン、カプリロラクトン、ドデカノラクトン、ステアロラクトンなどのC3−20ラクトン、好ましくはC4−15ラクトン、さらに好ましくはC4−10ラクトン]など}などが挙げられる。なお、脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、低級アルキルエステル(例えば、C1−2アルキルエステル)などであってもよい。これらの脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分は、脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸成分{脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸およびその環状ジエステル、例えば、α−ヒドロキシアルカンカルボン酸[グリコール酸、乳酸(L−乳酸、D−乳酸又はこれらの混合物)、α−ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸)などのα−ヒドロキシC2−10アルカンカルボン酸(好ましくはα−ヒドロキシC2−6アルカンカルボン酸、さらに好ましくはα−ヒドロキシC2−4アルカンカルボン酸)]、ラクチド(L−ラクチド、D―ラクチド、又はこれらの混合物)など}で構成するのが好ましい。特に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分は、乳酸成分(乳酸およびラクチドから選択された少なくとも1種)で構成するのが好ましい。
なお、脂肪族ポリエステルは、単独重合体(例えば、単独の脂肪族ジオールと単独の脂肪族ジカルボン酸成分との重合体、単独の脂肪族ヒドロキシアルカンカルボン酸成分の重合体など)であってもよく、共重合体(複数の脂肪族ジオールと単独又は複数の脂肪族ジカルボン酸成分との共重合体、単独の脂肪族ジオールと複数の脂肪族ジカルボン酸成分との共重合体、複数の脂肪族ヒドロキシアルカンカルボン酸成分の重合体など)であってもよい。
好ましい脂肪族ポリエステルは、乳酸系樹脂粒子との親和性の点で、少なくとも脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸成分で構成された脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分の重合体[例えば、α−脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(例えば、グリコール酸、乳酸、ラクチドなどのα−ヒドロキシC2−6アルカンカルボン酸成分)の単独又は共重合体など]が挙げられる。なお、このような脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分の重合体において、α−ヒドロキシカルボン酸成分の割合は、ヒドロキシカルボン酸成分全体に対して、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ラクトンであれば対応するヒドロキシカルボン酸)換算で、例えば、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%程度であってもよい。
特に、本発明では、ポリ乳酸(又はポリラクチド)、乳酸−グリコール酸共重合体などの少なくとも乳酸成分(乳酸およびラクチドから選択された少なくとも1種)で構成されたヒドロキシカルボン酸成分のポリマー(乳酸系樹脂又は乳酸系ポリマー)ブロック(特に、ポリ乳酸ブロック)を好適に使用できる。このようなヒドロキシカルボン酸成分の重合体において、乳酸成分の割合は、ヒドロキシカルボン酸全体に対して、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ラクチドであれば乳酸)換算で、例えば、40〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%程度であってもよい。
脂肪族ポリエステルブロック(脂肪族ポリエステル)の平均重合度は、ヒドロキシカルボン酸換算(例えば、ラクチドであれば乳酸換算)で、例えば、5〜1000(例えば、8〜900)、好ましくは10〜800(例えば、15〜700)、さらに好ましくは20〜600(例えば、30〜400)、特に40〜300(例えば、50〜200)程度であってもよい。
また、脂肪族ポリエステルブロック(脂肪族ポリエステル)の重量平均分子量は、例えば、500〜100000(例えば、800〜80000)、好ましくは1000〜70000(例えば、1500〜60000)、さらに好ましくは2000〜50000(例えば、3000〜40000)程度であってもよい。
なお、脂肪族ポリエステルブロック(又は脂肪族ポリエステル)は、市販品を用いてもよく、慣用の方法により製造したものを使用してもよい。
ポリペプチドブロック(ポリペプチド単位)は、アミノ酸成分が重合したポリペプチド(ポリペプチドブロック)であり、アミノ酸成分の単独重合体であってもよく、アミノ酸成分の共重合体であってもよい。
アミノ酸成分は、中性アミノ酸(モノアミノモノカルボン酸など)、酸性アミノ酸(モノアミノジカルボン酸など)、塩基性アミノ酸(ジアミノモノカルボン酸など)のいずれであってもよく、含硫アミノ酸であってもよい。なお、アミノ酸成分にはイミノ酸などの複素環式アミノ酸も含まれる。また、アミノ酸成分は、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、δ−アミノ酸などであってもよく、特にα−アミノ酸であってもよい。なお、アミノ酸成分は、低重合度(例えば、重合度2〜5、さらに好ましくは重合度2〜3程度)のポリアミノ酸(オリゴアミノ酸)であってもよい。
また、アミノ酸成分は、1つのアミノ基および1つのカルボキシル基に加えて、置換基を有していてもよい。特に、1つのアミノ基および1つのカルボキシル基に加えて、親水性基(又は極性基又は親水性官能基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基など)を有していてもよい。このような親水性基を有する親水性のアミノ酸成分は、水系溶媒(特に水)に対する親和性に優れている場合が多く、水系溶媒に対する乳酸系樹脂粒子の分散性を向上できる場合が多い。なお、このような親水性官能基の少なくとも一部又は全部は、誘導体化(エーテル化、アミド化など)されていてもよく、塩を形成していてもよい。
また、アミノ酸成分は、光学活性体(D体、L体など)、ラセミ体のいずれであってもよい。
代表的なアミノ酸成分としては、例えば、中性アミノ酸[例えば、脂肪族アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、γ−アミノ酪酸、ロイシン、イソロイシン、メチオニンなどのC2−20脂肪族アミノ酸、好ましくはC2−12脂肪族アミノ酸、さらに好ましくはC2−8脂肪族アミノ酸)、側鎖に(又は1つのカルボキシル基および1つのアミノ基以外に、以下同じ)親水性基(例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルバモイル基から選択された少なくとも1種)を有する脂肪族アミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、カルニチンなどの側鎖に親水性基を有するC2−20脂肪族アミノ酸、好ましくはC2−12脂肪族アミノ酸、さらに好ましくはC2−8脂肪族アミノ酸)、芳香族アミノ酸(例えば、フェニルアラニンなどのC8−20芳香族アミノ酸、好ましくはC9−16芳香族アミノ酸、さらに好ましくはC9−12芳香族アミノ酸)、側鎖に親水性基(例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルバモイル基から選択された少なくとも1種)を有する芳香族アミノ酸(例えば、チロシンなどの側鎖に親水性基を有するC8−20芳香族アミノ酸、好ましくはC9−16芳香族アミノ酸、さらに好ましくはC9−12芳香族アミノ酸)、複素環式アミノ酸(例えば、プロリン、4−ヒドロキシプロリン、トリプトファンなど)、側鎖に親水性基(例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルバモイル基から選択された少なくとも1種)を有する複素環式アミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリンなど)など]、酸性アミノ酸[例えば、酸性脂肪族アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性C2−20脂肪族アミノ酸、好ましくは酸性C2−12脂肪族アミノ酸、さらに好ましくは酸性C2−8脂肪族アミノ酸)など]、塩基性アミノ酸[例えば、塩基性脂肪族アミノ酸(例えば、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニンなどの塩基性C3−20脂肪族アミノ酸、好ましくは塩基性C4−16脂肪族アミノ酸、さらに好ましくは塩基性C5−10脂肪族アミノ酸)、塩基性複素環式アミノ酸(例えば、ヒスチジンなど)など]、これらの誘導体(塩など)などが挙げられる。
アミノ酸は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
好ましいポリペプチドブロック(ポリペプチド)は、側鎖に親水性基を有する中性アミノ酸(特にα−アミノ酸)、酸性アミノ酸(特にα−アミノ酸)および塩基性アミノ酸(特にα−アミノ酸)から選択された少なくとも1種のアミノ酸(親水性アミノ酸)成分で構成されたアミノ酸成分が重合したポリペプチドブロック(親水性ポリペプチドブロック)である。特に、ポリペプチドブロックは、酸性アミノ酸および塩基性アミノ酸から選択された少なくとも1種のアミノ酸(親水性アミノ酸)成分で構成されたアミノ酸成分が重合したポリペプチドブロック(親水性ポリペプチドブロック)であるのが好ましい。なお、親水性ポリペプチドブロックにおいて、親水性アミノ酸由来の側鎖の親水性基(ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基など)は、合成に用いる段階においては保護されていてもよい。
このようなポリペプチドブロック(親水性ポリペプチドブロック)において、前記親水性アミノ酸成分の割合は、アミノ酸成分全体に対して(モノアミノ酸換算で)、例えば、50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%程度であってもよい。
ポリペプチドブロック(ポリペプチド単位)の平均重合度(原料がオリゴアミノ酸である場合はモノアミノ酸換算の平均重合度)は、例えば、5〜300(例えば、7〜250)、好ましくは8〜200(例えば、9〜150)、さらに好ましくは10〜100(例えば、12〜80)程度であってもよい。
また、ポリペプチドブロック(ポリペプチド)の重量平均分子量は、例えば、500〜50000(例えば、700〜30000)、好ましくは800〜25000(例えば、1000〜20000)、さらに好ましくは1500〜15000(例えば、2000〜10000)程度であってもよい。
ポリペプチドブロック(又はポリペプチド)は、市販品を用いてもよく、慣用の方法(例えば、N−カルボキシアミノ酸無水物の脱炭酸重縮合法など)により製造したものを使用してもよい。なお、アミノ酸として、側鎖に親水性基を有するアミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸などを用いる場合、1つのカルボキシル基および1つのアミノ基以外の親水性基(又は側鎖の親水性基)を保護して用い、重合後、脱保護してもよい。
本発明のブロック共重合体は、前記脂肪族ポリエステルブロックと前記ポリペプチドブロックとが結合したブロック構造を有していればよい。ブロック構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA構造、BAB構造)などのいずれであってもよい。
また、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとは、アミド結合、エステル結合などにより結合されていてもよく、スペーサー基を介して結合していてもよい。
ブロック共重合体において、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとの割合は、例えば、前者/後者(重量比)=95/5〜5/95(例えば、90/10〜10/90)、好ましくは85/15〜15/85(例えば、80/20〜20/80)、さらに好ましくは75/25〜25/75(例えば、70/30〜30/70)、特に65/35〜35/65(例えば、60/40〜40/60)程度であってもよい。
また、ブロック共重合体において、脂肪族ポリエステルブロックの平均重合度とポリペプチドブロックの平均重合度との割合は、例えば、前者/後者=97/3〜5/95(例えば、95/5〜10/90)、好ましくは93/7〜15/85(例えば、90/10〜20/80)、さらに好ましくは88/12〜30/70(例えば、85/15〜40/60)程度であってもよい。
なお、ブロック共重合体の重量平均分子量は、例えば、800〜200000(例えば、1000〜150000)、好ましくは1200〜100000(例えば、1500〜80000)、さらに好ましくは1800〜50000(例えば、2000〜30000)程度であってもよい。
前記ブロック共重合体の臨界ミセル濃度は、例えば、1×10−7〜1×10−3モル/L、好ましくは5×10−7〜5×10−4モル/L、さらに好ましくは1×10−6〜3×10−4モル/L程度であってもよい。なお、臨界ミセル濃度は、例えば、室温又は常温(例えば、25℃)での臨界ミセル濃度であってもよい。
前記ブロック共重合体は、例えば、脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとを結合(カップリング)させることにより得られる。脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとは、それぞれの末端官能基を利用して直接的に結合させてもよく、スペーサ基(又はスペーサ化合物)を介して結合させてもよい。代表的には、脂肪族ポリエステルブロックの末端官能基(A)(ヒドロキシル基、カルボキシル基など、特にカルボキシル基)と、この末端官能基と結合を形成可能なポリペプチドブロックの末端官能基(B)(カルボキシル基、アミノ基など、特にアミノ基)とを結合させることにより前記ブロック共重合体を得てもよい。なお、結合方法(カップリング)としては、ポリペプチドの合成などにおける慣用の方法を用いることができる。また、結合反応においては、必要に応じて、慣用の方法により末端官能基を活性化[例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドなどを用いた末端カルボキシル基の活性化(スクシンイミドエステル化)など]させてもよい。
本発明の分散剤は、前記脂肪族ポリエステルブロック共重合体で構成されている。このような分散剤は、前記ブロック共重合体のみで構成してもよく、汎用の分散剤(乳化剤、界面活性剤など)などの他の成分を含んでいてもよい。本発明の分散剤は、乳化剤および界面活性剤を実質的に含んでいない場合が多い。本発明の分散剤は、このような他の成分を含む場合、分散剤全体に対する本発明の分散剤の重量割合は、70〜99重量%、好ましくは80〜98重量%、さらに好ましくは85〜97重量%程度であってもよい。特に、本発明の分散剤は、前記ブロック共重合体のみで構成してもよい。そのため、本発明には、前記ブロック共重合体も含まれる。
このような本発明の分散剤は、脂肪族ポリエステル系樹脂で形成された樹脂粒子(特に、乳酸系樹脂粒子)を水系溶媒に分散させるための分散剤として好適に用いることができる。水系溶媒としては、後述の水系溶媒が挙げられる。以下に、本発明の分散剤を乳酸系樹脂粒子の分散剤とする複合樹脂粒子について詳述する。
[複合樹脂粒子および分散液]
本発明の複合樹脂粒子は、乳酸系樹脂粒子と、前記分散剤(又はブロック共重合体)とで構成されている。すなわち、複合樹脂粒子は、乳酸系樹脂粒子と、この乳酸系樹脂粒子を被覆する前記分散剤とで構成されている複合樹脂粒子(分散剤を含む樹脂粒子)である。
乳酸系樹脂粒子は、乳酸系樹脂を樹脂成分とする樹脂粒子である。乳酸系樹脂としては、少なくとも乳酸成分を重合成分とする樹脂であり、乳酸成分[乳酸(L−乳酸、D−乳酸、又はこれらの混合物)、ラクチド(L−ラクチド、D―ラクチド、又はこれらの混合物)]の単独重合体(ポリ乳酸)であってもよく、乳酸成分と共重合性単量体との共重合体であってもよい。好ましい乳酸系樹脂粒子は、ポリ乳酸樹脂粒子である。
共重合性単量体としては、例えば、前記分散剤の項で例示の脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分のうち、乳酸およびラクチドを除く成分[例えば、乳酸を除く脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、グリコール酸などの脂肪族C2−10ヒドロキシカルボン酸、好ましくは脂肪族C2−6ヒドロキシカルボン酸など)、ラクチドを除く環状ジエステル(例えば、グリコリドなどのC4−15環状ジエステル、好ましくはC4−10環状ジエステルなど)、ラクトンなど]などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
乳酸成分と共重合性単量体との共重合体において、乳酸成分の割合は、重合成分(モノマー)全体に対して(共重合性単量体が環状ジエステルである場合、対応するヒドロキシカルボン酸換算で)、30〜99モル%、好ましくは40〜98モル%、さらに好ましくは50〜97モル%程度であってもよい。
乳酸系樹脂粒子において、乳酸系樹脂の平均重合度は、ヒドロキシ酸換算(例えば、ラクチドであれば乳酸換算)で、例えば、5〜1000(例えば、8〜900)、好ましくは10〜800(例えば、15〜700)、さらに好ましくは20〜600(例えば、30〜400)、特に40〜300(例えば、50〜200)程度であってもよい。
また、乳酸系樹脂の重量平均分子量は、例えば、500〜100000(例えば、800〜80000)、好ましくは1000〜70000(例えば、1500〜60000)、さらに好ましくは2000〜50000(例えば、3000〜40000)程度であってもよい。
乳酸系樹脂粒子の平均粒径は、10nm〜5μm程度の範囲から選択でき、例えば、30〜3000nm、好ましくは50〜2500nm、さらに好ましくは100〜2000nm程度であってもよく、通常100〜3000nm程度であってもよい。特に、本発明の複合樹脂粒子では、乳酸系樹脂粒子の平均粒径が、1μm以下(例えば、10〜900nm)、好ましくは20〜880nm、さらに好ましくは30〜850nm(例えば、40〜800nm)、通常45〜750nm(例えば、50〜700nm)程度であっても、水系溶媒に対して高い分散安定性で分散可能である。なお、上記のような比較的小さい粒径の乳酸系樹脂粒子を含む複合樹脂粒子は、後述の溶媒置換法により効率よく調製できる。
なお、乳酸系樹脂粒子の形状は、通常、球状である。
本発明の複合樹脂粒子を構成する乳酸系樹脂粒子は、粒径分布(粒度分布)が比較的狭い。例えば、乳酸系樹脂粒子の標準偏差は、±100〜200nmである。
本発明の複合樹脂粒子において、前記分散剤の割合は、例えば、乳酸系樹脂(乳酸系樹脂粒子)100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部(例えば、0.3〜80重量部)、好ましくは0.5〜60重量部(例えば、0.8〜50重量部)、さらに好ましくは1〜40重量部(例えば、1.5〜30重量部)、特に2〜25重量部(例えば、3〜20重量部)程度であってもよく、通常1〜30重量部であってもよい。
また、本発明の複合樹脂粒子において、前記ブロック共重合体の割合は、例えば、乳酸系樹脂1モルに対して、例えば、0.001〜0.5モル(例えば、0.003〜0.3モル)、好ましくは0.005〜0.2モル(例えば、0.007〜0.15モル)、さらに好ましくは0.008〜0.1モル(例えば、0.01〜0.08モル)、特に0.02〜0.07モル(例えば、0.03〜0.06モル)程度であってもよい。
前記複合樹脂粒子は、水系溶媒に対して分散可能であり、その分散安定性も高い。水系溶媒(特に、水)に対する分散安定性に優れる理由については、前記ブロック共重合体が、乳酸系樹脂粒子に対する親和性に優れた部位(前記脂肪族ポリエステルブロック)と、水系溶媒に対する親和性に優れた部位(ポリペプチドブロック)とを有するブロック共重合体であるためであると考えられる。また、実際に、水系溶媒に分散した複合樹脂粒子においては、乳酸系樹脂粒子単独の場合に比べて、ゼータ電位の絶対値において大きくなる傾向が見られる。このことは、本発明の分散剤により、樹脂粒子の凝集が抑制され、水系溶媒に対する分散安定性が向上することを裏付けている。
そのため、本発明には、前記複合樹脂粒子および水系溶媒を含む水系分散液も含まれる。すなわち、このような水系分散液では、前記複合樹脂粒子が、水系溶媒中に分散している。
水系溶媒(又は水性溶媒)としては、水、水と水溶性溶媒(極性溶媒)との混合溶液などが含まれる。水溶性溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのC1−4アルカノールなど)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトアミドなどのアシルアミド類、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのモノ又はジC1−4アシルアミド類など)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、有機カルボン酸類(酢酸など)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのC1−4アルキルセロソルブ類など)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテートなどのC1−4アルキルセロソルブアセテート類)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトールなどのC1−4アルキルカルビトール類など)などが例示できる。これらの水溶性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、前記混合溶液において、水の割合は、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.5重量%程度)、70重量%以上(例えば、75〜99重量%)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、85〜98.5重量%程度)であってもよい。
好ましい水系溶媒は、水および水を主成分とする混合溶液(例えば、水を50重量%以上含む混合溶液)であり、特に水が好ましい。
水系分散液において、前記複合樹脂粒子の割合は、例えば、1〜90重量%(例えば、2〜85重量%)、好ましくは3〜80重量%(例えば、4〜75重量%)、さらに好ましくは5〜70重量%(例えば、6〜65重量%)、特に10〜70重量%程度であってもよい。
なお、本発明の分散液には、用途などに応じて、慣用の添加剤などを含んでいてもよい。
(複合樹脂粒子および分散液の製造方法)
本発明の複合樹脂粒子(又は分散液)は、水系溶媒中に、前記分散剤により、前記乳酸系樹脂粒子を分散できる方法である限り特に限定されない。例えば、本発明の複合樹脂粒子(又は分散液)は、(1)乳酸系樹脂およびこの乳酸系樹脂を溶解可能な溶媒(A)を含む溶液(a)と、前記分散剤および水系溶媒(詳細には、乳酸系樹脂に対する貧溶媒である水系溶媒)(B)を含む溶液(b)とを混合し、前記溶媒(A)を除去する方法(溶媒置換法又は転相乳化法)、(2)乳酸系樹脂(又は乳酸系樹脂粒子)および前記分散剤を混練(又は混合、溶融混練など)させたのち、水系溶媒を混合し、分散(又は乳化)させる方法などが挙げられる。
本発明では、粒径分布の狭い複合樹脂粒子が効率よく得られる、溶媒除去の速度を変えることにより容易に樹脂粒子の粒径を制御できるなどの点で、特に、前記方法(1)を好適に利用できる。なお、方法(1)では、溶媒(A)の除去に伴って、溶媒置換が生じ、樹脂が水性溶媒中に分散又は乳化した分散液が生成する。そして、この分散液では、樹脂粒子が前記ブロック共重合体(又は分散剤)で保護又は被覆されており、分散安定性が高い。以下、方法(1)について詳述する。
方法(1)において、溶媒(A)としては、乳酸系樹脂を溶解可能であれば特に限定されず、例えば、前記例示の水溶性溶媒、例えば、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、ハロゲン化炭素類(例えば、クロロホルムなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、芳香族炭化水素類(トルエンなど)などが挙げられる。溶媒は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。特に、溶媒(A)は、水系溶媒(B)を含む混合系から除去するという点で、水系溶媒(B)よりも低沸点の溶媒であるのが好ましく、溶媒(A)の沸点は、例えば、水系溶媒(B)の沸点をt℃とするとき、(t−80)℃〜(t−5)℃、好ましくは(t−60)℃〜(t−10)℃程度であってもよい。具体的には、溶媒(A)の沸点は、例えば、120℃以下(例えば、30〜100℃)、好ましくは90℃以下(例えば、35〜85℃)、さらに好ましくは85℃以下(例えば、40〜80℃)、特に45〜80℃程度であってもよい。
溶媒(A)の割合は、乳酸系樹脂1重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部(例えば、5〜40重量部)、特に8〜35重量部(例えば、10〜30重量部)程度であってもよい。
また、水系溶媒(B)としては、乳酸系樹脂を溶解しない水系溶媒であれば特に限定されず、例えば、前記例示の水系溶媒が挙げられる。代表的な水系溶媒は、水である。水系溶媒(B)の割合は、前記分散剤1重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部(例えば、5〜40重量部)、特に8〜35重量部(例えば、10〜30重量部)程度であってもよい。
なお、水系溶媒(A)と溶媒(B)との割合は、前者/後者(重量比)=99/1〜10/90(例えば、95/5〜15/85)、好ましくは90/10〜20/80(例えば、85/15〜25/75)、さらに好ましくは80/20〜30/70(例えば、75/25〜40/60)程度であってもよい。
溶液(a)と溶液(b)との混合は、一度に行ってもよく、連続的に行ってもよく、段階的に行ってもよい。粒径分布の狭い乳酸系樹脂粒子を効率よく得るには、連続的又は段階的に混合してもよい。例えば、溶液(a)に対して溶液(b)を滴下することにより混合してもよい。
方法(1)において、溶媒(A)の除去は、特に、溶媒(A)の蒸気圧を利用した蒸発であってもよい。このような蒸発を利用する場合、水系溶媒(B)よりも低沸点の溶媒(A)を利用すると、混合系に水系溶媒(B)を残存させつつ効率よく溶媒(A)を除去できる。溶媒(A)の除去(蒸発)は、溶液(a)と溶液(b)との混合系(混合物)を開放することにより自然蒸発させることにより行ってもよい。溶媒(A)の除去(蒸発)は、必要に応じて、加熱下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
本発明の方法(1)では、溶媒(A)の除去速度を調整することにより、得られる複合樹脂粒子(又は乳酸系樹脂)の粒径を制御しやすい。すなわち、溶媒(A)の除去速度を大きく(速く)すればするほど、粒径が小さくなり、除去速度を小さく(遅く)するほど粒径が大きくなる傾向がある。このような除去速度は、混合系の開口部の大きさ、減圧度、加熱温度などを調整することにより容易に調整できる。
なお、方法(1)では、溶媒(A)を除去できればよく、乳酸系樹脂粒子が生成可能な範囲であれば、溶媒(B)の一部が除去されてもよい。
本発明の分散剤は、乳酸系樹脂粒子などを水系溶媒に分散させるための分散剤(又は乳化剤又は界面活性剤)として好適に利用できる。しかも、このような分散剤により、乳酸系樹脂粒子を高い分散安定性で水系溶媒に分散でき、長期安定性に優れた複合樹脂粒子(分散液)を得ることができる。また、本発明では、比較的小さい粒径(例えば、1μm以下)を有する乳酸系樹脂粒子であっても、高い分散安定性で、しかも水系溶媒に分散できる。さらに、本発明では、粒径分布が小さい乳酸系樹脂粒子が得られる。
そして、このような分散剤を用いて得られる本発明の複合樹脂粒子は、乳酸系樹脂粒子で構成され、さらには分散剤が脂肪族ポリエステルブロックおよびポリペプチドブロックで構成されており、しかも水系溶媒(特に水)に分散できるため、生分解性に優れており、生体適合性も有している。
そのため、本発明の複合樹脂粒子は、包装分野、接着剤又はコーティング剤(例えば、生体内使用が可能な接着剤)、塗料など各種用途に利用でき、極めて有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例において、平均重合度は、H−NMRにより測定した。また、粒子の粒径および表面電位は、それぞれ、「DLS−8000」(大塚電子製)を用いた動的光散乱(DLS)測定、および「ELS−Z2」(大塚電子製)を用いたゼータ電位測定により求めた。さらに、粒子の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)(キーエンス製、VE−9800)により観察した。
(合成例1)
溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)100mLに、側鎖アミノ基を保護したリシン(Lys(Z)、保護基ベンジルオキシカルボニル基)10g(0.031モル)と、トリホスゲン7g(0.023モル)とを加え、45℃で2時間攪拌した。溶液が透明になったことを確認した後、n−ヘキサンで4回再結晶を行い、モノマーとなるLys(Z)のN−カルボキシ酸無水物(Lys(Z)−NCA)を得た。
得られたLys(Z)−NCAに開始剤としてのn−プロピルアミンを、前者/後者(モル比)=1/20となるように加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中で、40℃で96時間反応させた。その後、ジエチルエーテルで精製し、ベンゼンで凍結乾燥を行い、平均重合度17のポリペプチドP(Lys(Z))を得た。
(合成例2)
合成例1において、Lys(Z)−NCA/n−プロピルアミン(モル比)=1/35としたこと以外は、合成例1と同様にして平均重合度44のポリペプチドP(Lys(Z))を得た。
(実施例1)
ポリ乳酸(PLA、和光純薬工業(株)製)2.0g(4.0×10−4モル)に対して、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.42g(2.0×10−3モル)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)0.24g(2.1×10−3モル)および合成例1で得られたP(Lys(Z))1.6g(3.6×10−4モル)を加え、0℃で96時間反応させた。なお、カップリング剤であるDCCおよびNHSは、PLAの末端カルボキシ基に対して、5当量である。
カップリング反応の進行に伴って析出する白色の副生成物(ジシクロヘキシル尿素)をろ別した後、ジエチルエーテルで精製し、ベンゼンで凍結乾燥を行い、ポリ乳酸−ポリペプチドブロック共重合体(PLA−P(Lys(Z)))を得た。
さらに、1.2g(1.3×10−4モル)のPLA−P(Lys(Z))に対し、33重量%の臭化水素(HBr)酢酸溶液10mLを加え、室温で90分間反応させた。その後、ジエチルエーテルで精製し、透析を行った後、ベンゼンで凍結乾燥を行い、ポリ乳酸−ポリリシンブロック共重合体(PLA−P(Lys))を得た。なお、PLA−P(Lys)の臨界ミセル濃度は、4.28×10−5モル/Lであった。
(実施例2)
実施例1において、合成例2で得られたP(Lys(Z))を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリ乳酸−ポリリシンブロック共重合体(PLA−P(Lys))を得た。なお、PLA−P(Lys)の臨界ミセル濃度は、9.27×10−5モル/Lであった。
(実施例3)
テトラヒドロフラン(THF)20mLにポリ乳酸(PLA、和光純薬工業(株)製、重量平均分子量5000)20mg(4.0×10−6モル)を溶解させたポリマー溶液Aと、イオン交換水20mLに実施例1で得られたPLA−P(Lys)を1.6mg(2.0×10−7モル)を溶解させたポリマー溶液Bとをそれぞれ調製した。
次に、ポリマー溶液Aを100mLのビーカーに入れ、ぺリスタポンプを用いてポリマー溶液Bを1時間かけて滴下した。その後、ビーカーの開口部面積を4.9cmとして、室温で一晩放置し、THFを蒸発させることにより、ポリ乳酸粒子(平均粒径674nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子は、単分散であり、粒径分布が狭いものであった。
(実施例4)
実施例3において、ビーカーの開口部面積を19.6cmとしたこと以外は、実施例3と同様にして、ポリ乳酸粒子(平均粒径382nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子は、単分散であり、粒径分布が狭いものであった。なお、図1に、得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。
(実施例5)
実施例4において、ビーカーの開口部面積を63.6cmとしたこと以外は、実施例3と同様にして、ポリ乳酸粒子(平均粒径357nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子は、単分散であり、粒径分布が狭いものであった。
(実施例6)
テトラヒドロフラン(THF)20mLにポリ乳酸(PLA、和光純薬工業(株)製、重量平均分子量5000)30mg(6.0×10−6モル)を溶解させたポリマー溶液Aと、イオン交換水20mLに実施例1で得られたPLA−P(Lys)を1.6mg(2.0×10−7モル)を溶解させたポリマー溶液Bとをそれぞれ調製した。
次に、ポリマー溶液Aを100mLのビーカーに入れ、ぺリスタポンプを用いてポリマー溶液Bを1時間かけて滴下した。その後、ビーカーの開口部面積を19.6cmとして、室温で一晩放置し、THFを蒸発させることにより、ポリ乳酸粒子(平均粒径276nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子は、単分散であり、粒径分布が狭いものであった。
(実施例7)
テトラヒドロフラン(THF)20mLにポリ乳酸(PLA、和光純薬工業(株)製、重量平均分子量5000)20mg(4.0×10−6モル)を溶解させたポリマー溶液Aと、イオン交換水20mLに実施例2で得られたPLA−P(Lys)を1.6mg(2.0×10−7モル)を溶解させたポリマー溶液Bとをそれぞれ調製した。
次に、ポリマー溶液Aを100mLのビーカーに入れ、ぺリスタポンプを用いてポリマー溶液Bを1時間かけて滴下した。その後、ビーカーの開口部面積を19.6cmとして、室温で一晩放置し、THFを蒸発させることにより、ポリ乳酸粒子(平均粒径411nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子は、単分散であり、粒径分布が狭いものであった。
(参考例1)
テトラヒドロフラン(THF)20mLにポリ乳酸(PLA、和光純薬工業(株)製、重量平均分子量5000)20mg(4.0×10−6モル)を溶解させたポリマー溶液Aを100mLのビーカーに入れ、ぺリスタポンプを用いてイオン交換水20mLを1時間かけて滴下した。その後、ビーカーの開口部面積を19.6cmとして、室温で一晩放置し、THFを蒸発させることにより、ポリ乳酸粒子(平均粒径455nm)が水に分散した水分散液を得た。得られたポリ乳酸粒子の経時変化を観察したところ、しばらくすると凝集沈殿した。
なお、実施例4、6および7、参考例1で得られたポリ乳酸微粒子の平均粒径および表面電位測定結果を表1に示す。
図1は、実施例4で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (15)

  1. 脂肪族ポリエステルブロックとポリペプチドブロックとを有するブロック共重合体で構成されている分散剤であって、水系溶媒に乳酸系樹脂粒子を分散させるための分散剤。
  2. 脂肪族ポリエステルブロックが、少なくとも乳酸成分で構成されたヒドロキシカルボン酸成分のポリマーブロックである請求項1記載の分散剤。
  3. 脂肪族ポリエステルブロックの平均重合度が20〜600である請求項1又は2記載の分散剤。
  4. ポリペプチドブロックが、側鎖に親水性基を有する中性アミノ酸、酸性アミノ酸および塩基性アミノ酸から選択された少なくとも1種の親水性アミノ酸成分で構成されたアミノ酸成分が重合したポリペプチドブロックである請求項1〜のいずれかに記載の分散剤。
  5. ポリペプチドブロックの平均重合度が8〜200である請求項1〜のいずれかに記載の分散剤。
  6. 脂肪族ポリエステルブロックの平均重合度とポリペプチドブロックの平均重合度との割合が、93/7〜15/85である請求項1〜のいずれかに記載の分散剤。
  7. ブロック共重合体の臨界ミセル濃度が5×10−7〜5×10−4モル/Lである請求項1〜のいずれかに記載の分散剤。
  8. 乳酸系樹脂粒子と、この乳酸系樹脂粒子を被覆する請求項1〜のいずれかに記載の分散剤とで構成された複合樹脂粒子。
  9. 乳酸系樹脂粒子がポリ乳酸樹脂粒子である請求項記載の複合樹脂粒子。
  10. 乳酸系樹脂粒子の平均粒子径が100〜3000nmである請求項又は記載の複合樹脂粒子。
  11. 分散剤の割合が、乳酸系樹脂粒子100重量部に対して1〜30重量部である請求項10記載の複合樹脂粒子。
  12. 請求項11のいずれかに記載の複合樹脂粒子および水系溶媒を含む水系分散液。
  13. 水系溶媒が水である請求項12記載の分散液。
  14. 複合樹脂粒子の割合が5〜70重量%である請求項12又は13記載の分散液。
  15. 乳酸系樹脂およびこの乳酸系樹脂を溶解可能な溶媒(A)を含む溶液(a)と、請求項1〜8のいずれかに記載の分散剤および水系溶媒(B)を含む溶液(b)とを混合し、前記溶媒(A)を除去し、請求項11のいずれかに記載の複合樹脂粒子を製造する方法。
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