JP6287832B2 - フィルム - Google Patents

フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6287832B2
JP6287832B2 JP2014513849A JP2014513849A JP6287832B2 JP 6287832 B2 JP6287832 B2 JP 6287832B2 JP 2014513849 A JP2014513849 A JP 2014513849A JP 2014513849 A JP2014513849 A JP 2014513849A JP 6287832 B2 JP6287832 B2 JP 6287832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin
polylactic acid
mass
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014513849A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014156952A1 (ja
Inventor
青山 滋
滋 青山
山村 剛平
剛平 山村
崇光 本白水
崇光 本白水
真之 廣田
真之 廣田
莉沙 ▲浜▼▲崎▼
莉沙 ▲浜▼▲崎▼
末岡 雅則
雅則 末岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPWO2014156952A1 publication Critical patent/JPWO2014156952A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6287832B2 publication Critical patent/JP6287832B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/18Plasticising macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2300/00Characterised by the use of unspecified polymers
    • C08J2300/16Biodegradable polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2467/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2467/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2471/00Characterised by the use of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2471/02Polyalkylene oxides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、耐水性、分解性に優れた、フィルムに関するものであり、主に生分解性樹脂からなるフィルムに関する。
近年、環境意識の高まりのもと、プラスチック製品の廃棄による土壌汚染問題、また、焼却による二酸化炭素増大に起因する地球温暖化問題が注目されている。前者への対策として、種々の生分解樹脂、後者への対策として、焼却しても大気中に新たな二酸化炭素の負荷を与えないバイオマス(植物由来原料)からなる樹脂がさかんに研究、開発されている。その両者を満足し、かつ、コスト面でも比較的有利な樹脂としては、例えばポリ乳酸が注目されている。ポリ乳酸を、ポリエチレンなどのポリオレフィンに代表される軟質フィルム用途に適用しようとすると柔軟性や耐衝撃性に欠ける。また、ポリ乳酸の生分解には時間がかかることから、所望の用途でフィルムを使用した後、まずは容積を小さく分解する必要が生じてきた。これらの特性を改善し実用化するために各種の試みがなされている。
例えば、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂、充填剤及び一般的なポリエステル系可塑剤を含むシートを少なくとも1 軸延伸して得られる多孔性シートが開示されている。また、特許文献2には、ポリ乳酸樹脂、ポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂、充填剤を含むシートを延伸して得られる多孔性フィルムが開示されている。
特開2007−112867号公報 WO2012/023465号パンフレット
前述の特許文献1、2に記載の技術においては、一定の耐水性を満たすフィルムは得られたものの、分解性の面では不足していた。
つまり、これまでに耐水性に優れた生分解フィルムの検討がなされてきたが、それらに加えて、優れた分解性を併せ持つフィルムの発明は、未だに達成されていなかった。
そこで本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、耐水性に優れ、かつ優れた分解性を有するフィルムを提供せんとするものである。
本発明は、熱可塑性樹脂(A)を含有し、
フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含み、
空孔率が80%以下であり、厚さが5〜50μmであり、
いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、
いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム、または、熱可塑性樹脂(A)を含有し、フィルムの全成分100質量%中に、親水性樹脂(A2)を1〜40質量%含み、空孔率が80%以下であり、厚さが5〜50μmであり、いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム、である。
本発明によれば、耐水性、分解性に優れたフィルムが提供される。本発明のフィルムは、主に耐水性、分解性を必要とする用途に好ましく用いることができる。具体的には、マルチフィルムなどの農業用材料、薫蒸シートなどの林業用材料、紙おむつ、ナプキン、ライナーなどの衛生材料、レジ袋、ゴミ袋、食品用、工業製品用などの各種包装材料、などに好ましく用いることができる。
本発明は、前記課題、つまり、耐水性、分解性に優れたフィルムについて鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂、特に生分解性樹脂と充填剤からなる組成を有し、さらに、フィルムの空孔率および引き裂き強さ、引張強度を一定の範囲内に収めることにより、かかる課題の解決に初めて成功したものである。すなわち本発明の第一の態様(以下、本発明のフィルム1と称する)は、熱可塑性樹脂(A)を含有し、フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含み、空孔率が80%以下であり、厚さが5〜50μmであり、いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム、である。また、本発明の第二の態様(以下本発明のフィルム2と称する)は、熱可塑性樹脂(A)を含有し、フィルムの全成分100質量%中に、親水性樹脂(A2)を1〜40質量%含み、空孔率が80%以下であり、厚さが5〜50μmであり、いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルムである。
本発明のフィルム1およびフィルム2の分解は、次の1)、2)のステップを経て進行する。すなわち、(所望の用途で使用後、)一旦回収したゴミ袋内などで、1)フィルムが崩壊し形状が細かくなる。これにより、容積を小さくすることができる。また、本発明のフィルムを構成する熱可塑性樹脂(A)が生分解性樹脂(A1)を含有する場合は、2)コンポストや土中などで微生物の代謝により最終的には水と二酸化炭素に分解される。
上記2)のステップにおいては、分解性を決定する因子は主に生分解性樹脂の分子構造によることが知られていたが、本発明のフィルム1およびフィルム2では、上記1)のステップにおいてフィルムのいずれかの方向の引き裂き強さ、引張強度が重要な因子であることを見出し、かかる特性を特定の範囲とすることで、優れた分解性を得ることができたものである。
なお、本発明でいう分解性とは、詳細は後述するが、所望の用途でフィルムを使用した後、容易に崩壊すること、さらにはそれに伴い、生分解性が速まることをいう。分解性の指標としては強度、伸度などの機械特性やフィルムを構成する樹脂の分子量の低下幅などが使われる。更には水流などに晒されることによる形状の崩壊(以下水解性という)を有することが好ましい。
以下、本発明のフィルムについて説明する。
(フィルム1)
本発明のフィルム1は、熱可塑性樹脂(A)を含有し、フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含み、空孔率が80%以下であり、厚さが5〜50μmであり、いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム、であり、以下詳細を説明する。
(熱可塑性樹脂(A))
本発明のフィルム1に含まれる熱可塑性樹脂(A)は、特に限定されないが、好ましい例として、(i)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂、(ii)脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル、多糖類、デンプンを含むポリマーなどの生分解性樹脂(詳細は後述する)、(iii)ポリ(メタ)アクリレートなどアクリル系樹脂、(iv)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリイソプレン、エポキシ変性ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、(v)ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマーなどのその他の樹脂、およびこれらを成分とする共重合体、またはこれらの混合物などが挙げられる。
(生分解性樹脂(A1))
本発明のフィルム1に含まれる熱可塑性樹脂(A)は、生分解性樹脂(A1)を含むことが好ましい。生分解性樹脂(A1)は、生分解性を有する樹脂であれば特に限定されない。
なお、本発明でいう「生分解性を有する」とは、フィルム中の生分解性樹脂(A1)が、JIS K6950:2000(ISO14851)、JIS K6951:2000(ISO14852)、JIS K6953−1:2011(ISO14855)、JIS K6953−2:2010(ISO14855)、JIS K6955:2006(ISO17556)のいずれかで試験して、1年以内に60%以上の生分解度を有することを意味する。
本発明のフィルム1における生分解性樹脂(A1)としては、脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステル、多糖類、デンプンを含むポリマー、ポリビニルアルコールなどが使用できる。
脂肪族ポリエステルの具体例としては、ポリ乳酸系樹脂(a1,詳細は後述する)、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)などが挙げられる。
脂肪族芳香族ポリエステルの具体例としては、ポリ(エチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)などが挙げられる。
多糖類の具体例としては、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、キトサンなどのグルコサミン系樹脂が挙げられる。
デンプンを含むポリマーの具体例としては、熱可塑性デンプンや、ノバモント社の生分解性樹脂「Mater−Bi(登録商標)」などが挙げられる。
これらの中でも、生分解性樹脂(A1)としては、バイオマス性、コスト、加工性などの観点からポリ乳酸系樹脂(a1)であることが好ましい。以下に、ポリ乳酸系樹脂(a1)について、具体的に説明する。
(ポリ乳酸系樹脂(a1))
ポリ乳酸系樹脂(a1)とは、L−乳酸ユニットおよび/またはD−乳酸ユニットを主たる構成成分とする重合体である。ここで主たる構成成分とは、重合体100質量%中において乳酸ユニットの質量割合が最大であることを意味する。乳酸ユニットの質量割合は、好ましくは重合体100質量%中において、乳酸ユニットが70質量%〜100質量%である。
本発明のフィルム1でいうポリL−乳酸とは、ポリ乳酸重合体中の全乳酸ユニット100mol%中において、L−乳酸ユニットの含有割合が50mol%を超え100mol%以下のものをいう。一方、本発明でいうポリD−乳酸とは、ポリ乳酸重合体中の全乳酸ユニット100mol%中において、D−乳酸ユニットの含有割合が50mol%を超え100mol%以下のものをいう。
ポリL−乳酸は、D−乳酸ユニットの含有割合によって、樹脂自体の結晶性が変化する。つまり、ポリL−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が多くなれば、ポリL−乳酸の結晶性は低くなり非晶に近づき、逆にポリL−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が少なくなれば、ポリL−乳酸の結晶性は高くなっていく。同様に、ポリD−乳酸は、L−乳酸ユニットの含有割合によって、樹脂自体の結晶性が変化する。つまり、ポリD−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合が多くなれば、ポリD−乳酸の結晶性は低くなり非晶に近づき、逆にポリD−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合が少なくなれば、ポリD−乳酸の結晶性は高くなっていく。
本発明のフィルム1で用いられるポリL−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合、あるいは、本発明で用いられるポリD−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合は、組成物の機械強度を維持する観点から全乳酸ユニット100mol%中において80〜100mol%が好ましく、より好ましくは85〜100mol%である。
後述するように生分解性樹脂(A1)として用いるポリ乳酸系樹脂(a1)は、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の混合物であることが好ましい。
本発明のフィルム1でいう結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)とは、該ポリ乳酸系樹脂を100℃の加熱下24時間放置した後に、昇温速度20℃/分の条件で25℃から250℃までで示差走査熱量計(DSC)にて測定を行った場合、ポリ乳酸成分に由来する結晶融解ピークが観測されるポリ乳酸系樹脂のことをいう。
一方、本発明のフィルム1でいう非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)とは、同様に測定を行った場合、明確な融点を示さないポリ乳酸系樹脂のことをいう。
本発明のフィルム1で用いられるポリ乳酸系樹脂(a1)は、乳酸以外の他の単量体ユニットを共重合してもよい。他の単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。かかる共重合体のうち、後述する熱可塑性樹脂(a2)に該当しないものをポリ乳酸系樹脂(a1)と定義する。
上記の他の単量体ユニットの共重合量は、ポリ乳酸系樹脂(a1)の重合体中の単量体ユニット全体100mol%に対し、0〜30mol%であることが好ましく、0〜10mol%であることがより好ましい。なお、上記した単量体ユニットの中でも、用途に応じて生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
また、本発明のフィルム1で用いられるポリ乳酸系樹脂(a1)について、主成分がポリL−乳酸の場合はポリD−乳酸を、また、主成分がポリD−乳酸の場合はポリL−乳酸を、少量混合することも好ましい。これにより形成されるステレオコンプレックス結晶は、通常のポリ乳酸の結晶(α結晶)よりも融点が高いため、フィルムの耐熱性が向上するためである。なお、ここでいう主成分とは、フィルム中のポリ乳酸系樹脂(a1)の合計を100質量%としたときに、50質量%を超える成分のことを意味する。
本発明のフィルム1で用いられるポリ乳酸系樹脂(a1)の質量平均分子量は、実用的な機械特性と耐水性、分解性を満足させるため、50,000〜240,000であることが好ましく、60,000〜200,000であることがより好ましく、70,000〜160,000であることがさらに好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でクロロホルム溶媒にて測定を行い、ポリメチルメタクリレート換算法により計算した分子量をいう。
ポリ乳酸系樹脂(a1)の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
本発明のフィルム1の全成分100質量%中の生分解性樹脂(A1)の含有量は、特に限定されないが、15〜60質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましく、25〜50質量%であることがさらに好ましい。
(結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の混合)
本発明のフィルム1において、生分解性樹脂(A1)として用いるポリ乳酸系樹脂(a1)は、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の混合物であることが好ましい。混合物とすることにより、結晶性、非晶性、それぞれのポリ乳酸系樹脂(a1)の利点を兼ね備えることができるからである。
つまり、生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)として、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)を含有すると、フィルムの耐熱性、耐ブロッキング性が向上することから、好ましい。また、後述するブロック共重合体可塑剤を用いる場合、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)はブロック共重合体可塑剤が有するポリ乳酸セグメントと共晶を形成することで、ブロック共重合体可塑剤の耐ブリードアウト性を向上するのに大きな効果を発揮する。
一方、生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)として、非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)を含有すると、フィルムの柔軟性や可塑剤を用いる場合における可塑剤の耐ブリードアウト性を向上することから好ましい。これは、非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)は、可塑剤が分散できる非晶部分を有していることによる。
本発明のフィルム1に用いられる結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)は、耐熱性、耐ブロッキング性向上の観点から、ポリL−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合、あるいは、ポリD−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が全乳酸ユニット100mol%中において96〜100mol%が好ましく、より好ましくは98〜100mol%である。
本発明のフィルム1中のポリ乳酸系樹脂(a1)の合計を100質量%としたとき(結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の合計を100質量%としたとき)、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)の質量割合は5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
(ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2))
本発明のフィルム1は、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂を含む場合、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)を含むことが透湿性、分解性を向上させることができるので好ましい。なお、熱可塑性樹脂Aのうちポリ乳酸系樹脂(a1)以外のものを熱可塑性樹脂(a2)とする。該熱可塑性樹脂(a2)としては、生分解性樹脂(A1)として例示した(ポリ乳酸系樹脂以外の)樹脂が使用できるほか、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ変性ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、オレフィン−アクリル共重合ポリマー、エポキシ変性オレフィン−アクリル共重合ポリマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、樹脂系の可塑剤(a21)などが使用できる。
ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)として好適な樹脂系の可塑剤(a21)の具体例としては、ポリプロピレングリコールセバシン酸エステルなどのポリエステル系可塑剤、ポリアルキレンエーテル系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、アクリレート系可塑剤などが使用できる。かかる可塑剤の中でも、フィルム全体の生分解性を維持する観点から、樹脂系の可塑剤(a21)としては、生分解性を有することが好ましい。さらに、可塑剤の耐ブリードアウト性や、フィルムの耐熱性および耐ブロッキング性の観点から、樹脂系の可塑剤(a21)は、例えば数平均分子量1,000以上のポリエチレングリコールなど、常温(20℃±15℃)で固体状、つまり、融点が35℃を超えるものが好ましい。また、生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)との溶融加工温度を合わせる点で、樹脂系の可塑剤(a21)の融点は150℃以下であることが好ましい。
同様の観点から、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)として使用する樹脂系の可塑剤(a21)は、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体及びポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂であることがさらに好ましい。ここで、熱可塑性樹脂(a2)における可塑化成分は、ポリエーテル系セグメント、ポリエステル系セグメントとなる。ここでポリエステル系セグメントとは、ポリ乳酸以外のポリエステルからなるセグメントを意味する。これらブロック共重合体(以下、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体及びポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体を、総称して「ブロック共重合体可塑剤」と記す)について以下に説明する。
ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸系セグメントの質量割合は、ブロック共重合体可塑剤全体100質量%中の50質量%以下であることが、より少量の添加で所望の柔軟性を付与できるため好ましく、5質量%以上であることが、ブリードアウト抑制の点から好ましい。また、ブロック共重合体可塑剤1分子中のポリ乳酸系セグメントの数平均分子量は1,200〜10,000であることが好ましい。ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸系セグメントが、1,200以上であると、ブロック共重合体可塑剤と生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)との間に十分な親和性が生じ、また、該ポリ乳酸系セグメントの一部は生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)から形成される結晶中に取り込まれ、いわゆる共晶を形成することで、ブロック共重合体可塑剤を生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)につなぎ止める作用を生じ、ブロック共重合体可塑剤のブリードアウト抑制に大きな効果を発揮する。その結果、フィルムの耐ブロッキング性も優れることになる。
また、このブロック共重合体可塑剤は、常温で液状の可塑剤、常温で固体状であっても共晶を形成しない可塑剤と比較して後述する透湿性の向上に大きく寄与する。これは、形成される共晶が後述する延伸による空孔形成効率を向上させているためである。ブロック共重合体可塑剤中のポリ乳酸系セグメントの数平均分子量は、1,500〜6,000であることがより好ましく、2,000〜5,000であることがさらに好ましい。なお、ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸系セグメントは、該セグメント100質量%中にL−乳酸が95〜100質量%であるか、あるいはD−乳酸が95〜100質量%であることが、特にブリードアウトが抑制されるため好ましい。
なお、ブロック共重合体可塑剤100質量%中において、ポリ乳酸系セグメントの質量割合が5質量%〜45質量%であり、さらにポリエーテル系セグメント又はポリエステル系セグメントの質量割合が55質量%〜95質量%であることが好ましい。
また、ブロック共重合体可塑剤の可塑化成分は、ポリエチレングリコールであることが、ポリ乳酸系樹脂との親和性が高いために改質効率に優れ、特に少量の可塑剤の添加で所望の柔軟性を付与できるため好ましい。
ブロック共重合体可塑剤がポリエステル系セグメントを有する場合は、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールなどの脂肪族ジオールと、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなるポリエステルなどが、ポリエステル系セグメントとして好適に用いられる。
さらにまた、ブロック共重合体可塑剤の1分子中のポリエーテル系セグメントやポリエステル系セグメントの数平均分子量は、7,000〜20,000であることが好ましい。上記範囲とすることで、フィルムを構成する組成物に十分な透湿性、耐水性を持たせ、尚かつ、生分解性樹脂(A1)を含む組成物とした際に溶融粘度を適度なレベルとし、インフレーション製膜法などの製膜加工性を安定させることができる。
前記ポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントと、ポリ乳酸系セグメントの各セグメントのブロック共重合体中での順序構成に特に制限は無いが、より効果的にブリードアウトを抑制する観点から、ブロック共重合体可塑剤分子の少なくとも一方の端に、ポリ乳酸系セグメントがあることが好ましい。ポリ乳酸系セグメントがブロック共重合体可塑剤分子の両端にあることが最も好ましい。
次に、ポリエーテルセグメントとして、両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(以下ポリエチレングリコールをPEGとする)を採用したブロック共重合体可塑剤について具体的に説明する。
両末端に水酸基末端を有するPEGの数平均分子量(以下PEGの数平均分子量をMPEGとする)は、通常、市販品などの場合、中和法などにより求めた水酸基価から計算される。両末端に水酸基末端を有するPEGのw質量部に対し、ラクチドw質量部を添加した系において、PEGの両水酸基末端にラクチドを開環付加重合させ十分に反応させると、実質的にPLA−PEG−PLA型のブロック共重合体を得ることができる(ここでPLAはポリ乳酸を示す)。この反応は、必要に応じてオクチル酸錫などの触媒併存下でおこなわれる。このブロック共重合体可塑剤の一つのポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、(1/2)×(w/w)×MPEGと求めることができる。また、ポリ乳酸セグメント成分のブロック共重合体可塑剤全体に対する質量割合は、実質的に100×w/(w+w)%と求めることができる。さらに、ポリ乳酸セグメント成分を除いた可塑剤成分のブロック共重合体可塑剤全体に対する質量割合は、実質的に100×w/(w+w)%と求めることができる。
なお、フィルムからブロック共重合体可塑剤を分離して、ブロック共重合体可塑剤中の各セグメントの数平均分子量の評価をする場合は、以下のようにして行うことができる。フィルムから、ブロック共重合体可塑剤を分離する方法としては、例えばクロロホルムなどの適当な良溶媒にフィルムを均一溶解した後、水や水/メタノール混合溶液など適当な貧溶媒に滴下する。ろ過などにより沈殿物を除去し、ろ液の溶媒を揮発させることによりブロック共重合体可塑剤を得る。こうして分離されたブロック共重合体可塑剤について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて数平均分子量(以後Mとする)を測定する。また、H−NMR測定により、ポリ乳酸セグメント、ポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントを特定する。そして、ブロック共重合体が有する一つのポリ乳酸セグメントの分子量は、M×{1/(1分子中のポリ乳酸セグメントの数)}×(IPLA×72)/[(IPE×UMPE/NPE)+(IPLA×72)]により算出される。ここで、IPLAは、PLA主鎖部のメチン基の水素に由来するH−NMR測定でのシグナル積分強度、IPEはポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントに由来するH−NMR測定でのシグナル積分強度をしめす。また、UMPEは、ポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントのモノマー単位の分子量、NPEはポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントのうち、IPEに相当するH−NMR測定でのシグナルを与える化学的に等価なプロトンの数である。また、ポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントの数平均分子量は、M−(ポリ乳酸セグメントの数平均分子量)×(1分子中のポリ乳酸セグメントの数)で計算できる。
本発明のフィルム1の全成分100質量%中のポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)の含有量は、透湿性、耐水性、分解性の観点から、10〜55質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがさらに好ましく、20〜45質量%であることが特に好ましい。
なお、本発明のフィルム1の全成分100質量%中のポリ乳酸系樹脂(a1)の含有量は、15〜60質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましく、25〜50質量%であることがさらに好ましい。
(ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)の組み合わせ)
本発明のフィルム1において、これらのポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)として組み合わせる樹脂には特に制限はなく、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の樹脂群をそれぞれ組み合わせることができる。その中でも、透湿性向上の観点から、各種樹脂系の可塑剤(a21)と、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)との組み合わせが好ましい。さらには、樹脂系の可塑剤(a21)として、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体及びポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂と、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)として、脂肪族ポリエステル系樹脂及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂との組み合わせが特に好ましい。なお、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)における脂肪族ポリエステル系樹脂には、ポリ乳酸系樹脂(a1)は含まないものとする。
ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体及びポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂との組み合わせの際に好適に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂はポリブチレンサクシネート系樹脂であり、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂はポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)である。特に、ポリ乳酸系樹脂(a1)や樹脂系の可塑剤(a21)との相溶性という観点から、これらの中ではポリブチレンサクシネート系樹脂が最も好ましい。
本発明のフィルム1に含まれる熱可塑性樹脂(a2)が、各種樹脂系の可塑剤(a21)と、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)との組み合わせを含む場合、その質量比は、(各種樹脂系の可塑剤(a21)/樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22))=(5/95)〜(95/5)であることが好ましく、(10/90)〜(80/20)であることがより好ましく、(20/80)〜(60/40)であることがさらに好ましい。
(フィルム1における充填剤(B))
本発明のフィルム1は、フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含むことが重要である。充填剤(B)が1質量%未満の場合、分解性に劣るフィルムとなり、また、充填剤(B)が70質量%を超える場合、耐水性に劣るフィルムとなる。
充填剤(B)とは、諸性質を改善するために基材として加えられる物質、あるいは増量、増容、製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。このような充填剤(B)としては、無機充填剤および/または有機充填剤を使用することができる。
無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの各種炭酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの各種硫酸塩、酸化亜鉛、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、アルミナなどの各種酸化物、その他、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、珪酸塩鉱物、ヒドロキシアパタイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイト、ゼオライトなどの各種複合酸化物、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどの各種リン酸塩、塩化リチウム、フッ化リチウムなどの各種塩などを使用することができる。
有機充填剤の例としては、シュウ酸カルシウムなどのシュウ酸塩、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウムなどのテレフタル酸塩、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸などのビニル系モノマーの単独または共重合体からなる微粒子、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などを含む有機微粒子、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などのチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナツ繊維などの植物繊維、絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの合成繊維などを使用することができる。
これらの充填剤(B)のなかでも、フィルムの透湿性向上や、強度、伸度といった機械特性の維持、低コスト化の観点から、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイトが好ましい。
無機充填剤、有機充填剤の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜10μmが好ましい。充填剤(B)の平均粒径を0.01μm以上とすることで、充填剤をフィルム中に高充填することが可能となり、その結果、フィルムの多孔化、透湿性向上のポテンシャルが高いフィルムとなり、平均粒径を10μm以下とすることで、フィルムの延伸性が良好となり、その結果、フィルムの多孔化、透湿性向上のポテンシャルが高いフィルムとなる。充填剤(B)の平均粒径は、より好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.5〜5μm、最も好ましくは1〜3μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、レーザー回折散乱式の方法で測定される累積分布50%平均粒子径とする。
本発明のフィルム1に用いられる充填剤(B)は、必要に応じて、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、グリシジル基、酸無水物基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、リン酸エステル基などから選択される少なくとも1種以上の官能基を有する化合物で表面処理することができる。表面処理した充填剤を用いることにより、充填剤(B)とマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂(A)との親和性が向上し、充填剤(B)の凝集抑制および分散性向上に効果があり、フィルム中に充填剤(B)を均一に分散させることができるようになる。
また、充填剤(B)のフィルム中での分散性を向上させるため、本発明のフィルム1は分散剤を添加することが好ましい。
また、充填剤(B)の含有量は、フィルム1の全成分100質量%中、10〜65質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。
(フィルム1の空孔率)
本発明のフィルム1は、空孔率が80%以下であることが重要である。空孔率が80%を超えると、フィルムの耐水性が不足する場合がある。かかる観点から、空孔率は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。また、空孔率が1%以上であると、フィルムに透湿性を付与できることから好ましく、同観点より空孔率は10%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、25%以上が特に好ましく、30%以上が最も好ましい。
空孔率を前記範囲とするための方法としては、充填剤(B)を前述した含有量として、後述する製造方法の中で特に延伸倍率を好ましい範囲としてフィルムを製造することである。また、前述したように、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)に関し、好ましい種類、含有比率で組み合わせることで、より効率的に空孔率を調整することができる。
(引き裂き強さ)
本発明のフィルム1は、いずれかの方向の引き裂き強さが、200mN以下であることが重要である。全ての方向の引き裂き強さが200mNを超えると、分解性が不足することがある。いずれかの方向の引き裂き強さは、好ましくは100mN以下であり、より好ましくは50mN以下であり、さらに好ましくは20mN以下である。いずれかの方向の引き裂き強さの下限は特に限定されないが、実用上、0.5mN以上である。
いずれかの方向の引き裂き強さを200mN以下とするための方法は、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法の中で特に延伸倍率を好ましい範囲としてフィルムを製造することが挙げられる。
(フィルム2)
本発明のフィルム2は、熱可塑性樹脂(A)を含有し、フィルムの全成分100質量%中に、親水性樹脂(A2)を1〜40質量%含み、いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム、である。
(フィルム2における熱可塑性樹脂(A))
本発明のフィルム2は、熱可塑性樹脂(A)を含有する。フィルム2における熱可塑性樹脂(A)は本発明のフィルム1に用いられるものと同じものが挙げられる。
(フィルム2における生分解性樹脂(A1))
本発明のフィルム2は、熱可塑性樹脂(A)が生分解性樹脂(A1)を含むことが好ましい。フィルム2における生分解性樹脂(A1)は、本発明のフィルム1に用いられるものと同じものが挙げられる。
中でも、生分解性樹脂(A1)は、バイオマス性、コスト、加工性などの観点からポリ乳酸系樹脂(a1)であることが好ましい。本発明のフィルム2に用いられるポリ乳酸系樹脂(a1)は、本発明のフィルム1に用いられるものと同じものが挙げられる。
本発明のフィルム2でいう結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)および、非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)は、いずれも本発明のフィルム1に用いられるものと同じものが挙げられる。また、本発明のフィルム1と同様に、生分解性樹脂(A1)として用いるポリ乳酸系樹脂(a1)は、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の混合物であることが好ましく、本発明のフィルム2中のポリ乳酸系樹脂(a1)の合計を100質量%としたとき(結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)と非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)の合計を100質量%としたとき)、結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)の質量割合は5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
(親水性樹脂(A2))
本発明のフィルム2には、親水性樹脂(A2)をフィルムの全成分100質量%中に、1〜40質量%含む。ここで言う親水性樹脂(A2)とは、水に溶解または膨潤する高分子化合物のことであり、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルブチラール、ポリエーテルエステルアミド、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの変性セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアクリルアクリレート、ポリアクリル酸、ゼラチン、カゼイン、及びこれらの水溶性誘導体や、共重合体が挙げられる。また、親水性樹脂(A2)は、熱可塑性樹脂(A)に含まれるものであることが好ましく、本発明のフィルム1のポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)に挙げられたもののうち水に溶解または膨潤するものも親水性樹脂(A2)として好適に用いることができる。本発明のフィルム2において、親水性樹脂(A2)を含ませることによって、フィルムの機械特性を保ったまま、特に水中での分解性を付与することが可能となる。親水性樹脂(A2)として、本発明のフィルム1のポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)に挙げられたもののうち水に溶解または膨潤するものがより好ましい。更には、本発明のフィルム1の樹脂系の可塑剤(a21)に挙げられたものを用いると、フィルム全体の生分解性を維持しつつ、可塑化でき、かつ水への分解性を付与できるという点でより好ましい。特に、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂(a1)である場合は、親水性樹脂が本発明のフィルム1に挙げられたブロック共重合体可塑剤であるのが、ブリードアウトを抑制しつつ、水への分解性が付与できるという点で特に好ましい。
本発明のフィルム2における親水性樹脂(A2)の含有量は1質量%を下回ると、フィルム中の親水性樹脂(A2)の量が少なすぎて、水中での分解性が低下する。また、40質量%を上回ると親水性樹脂の量が多くなりすぎて、延伸性が低下したり、分解性が低下したりする。好ましくは、5〜35質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。
(ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2))
本発明のフィルム2は、透湿性、分解性を向上させる観点から、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂の場合、ポリ乳酸系樹脂以外(a1)の熱可塑性樹脂(a2)を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂(a2)は本発明のフィルム1で挙げられたものが好適に用いられる。また親水性樹脂(A2)と兼ねてもよい。
(フィルム2における充填剤(B))
本発明のフィルム2は、フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含むことが、透湿性、分解性を向上させるという点で好ましい。充填剤(B)の例としては、本発明のフィルム1に挙げられたものを好適に用いることができる。
また、充填剤(B)の含有量は、フィルムの全成分100質量%中、10〜65質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。
(フィルム2の引き裂き強さ)
本発明のフィルム2は、いずれかの方向の引き裂き強さが、200mN以下であることが重要である。全ての方向の引き裂き強さが200mNを超えると、分解性が不足することがある。いずれかの方向の引き裂き強さは、好ましくは100mN以下であり、より好ましくは50mN以下であり、さらに好ましくは20mN以下である。いずれかの方向の引き裂き強さの下限は特に限定されないが、実用上、0.5mN以上である。
いずれかの方向の引き裂き強さを200mN以下とするための方法は、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法の中で特に延伸倍率を好ましい範囲としてフィルムを製造することが挙げられる。
(フィルム2の空孔率)
本発明のフィルム2は、空孔率が80%以下であることが重要である。空孔率が80%を超えると、フィルムの耐水性が不足する場合がある。かかる観点から、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。また、空孔率が1%以上であると、フィルムに透湿性を付与できることから好ましく、同観点より空孔率は4%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、25%以上が特に好ましく、30%以上が最も好ましい。空孔率を前記範囲とするための方法としては、充填剤(B)を前述した含有量として、後述する製造方法の中で特に延伸倍率を好ましい範囲としてフィルムを製造することである。また、前述したように、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)に関し、好ましい種類、含有比率で組み合わせることで、より効率的に空孔率を調整することができる。
(引張強度)
本発明のフィルム1およびフィルム2は、いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であることが重要である。全ての方向の引張強度が15MPa以上であると分解性が不足することがある。いずれかの方向の引張強度は、好ましくは10MPa未満であり、より好ましくは7MPa未満であり、さらに好ましくは5MPa未満である。いずれかの方向の引張強度の下限は特に限定されないが、実用上、0.5MPa以上である。
いずれかの方向の引張強度を15MPa未満とするための方法は、特に限定されないが、例えば、充填剤(B)の含有量を前述した好ましい範囲としたり、後述する製造方法の中で、該当する方向の延伸倍率を2倍以下として、該当する方向に直交する方向の延伸倍率を2倍以上としたりして、フィルムを製造することである。
本発明のフィルム1およびフィルム2は、引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上であることが好ましい。引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度を40MPa以上とすることで、フィルムの機械強度を十分に保持することができ、フィルムの加工性が良好となる点で好ましい。なお、引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度は、40MPa以上でありさえすれば、その上限は特に限定されないものの、250MPa以下であることが好ましい。
引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度を15MPa以上とするための方法は、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法の中で、該当する方向の延伸倍率を2倍以上としてフィルムを製造することである。

(分子配向度MOR−c)
本発明のフィルム1およびフィルム2は、分子配向度MOR−cが2〜8であることが好ましい。MOR−cを2以上とすることでフィルムの透湿性、分解性が良好となり、MOR−cを8以下とすることでフィルムの耐水性が良好となる。分子配向度MOR−cは、より好ましくは2.3〜6であり、さらに好ましくは、2.7〜4である。なお、本発明でいう分子配向度MOR−cの測定方法については後述する。
分子配向度MOR−cを2〜8とするための方法は、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法の中で、長手方向と幅方向の延伸倍率の比を2〜10あるいは1/10〜1/2としてフィルムを得ることである。
(厚み)
本発明のフィルム1およびフィルム2は、フィルム厚みが5〜200μmであることが好ましい。フィルム厚みを5μm以上とすることで、フィルムとした際のコシが強くなり、取り扱い性に優れ、また、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。フィルム厚みを200μm以下とすることで柔軟性に優れるものとなり、前述した特定の空孔率を有する場合には透湿性にも優れたものとなる。また、特にインフレーション製膜法においては、自重によりバブルが不安定化しないという利点がある。フィルム厚みは、7〜150μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、12〜50μmがさらにより好ましい。
(有機滑剤)
本発明のフィルム1およびフィルム2は、コンパウンドペレットやフィルムのブロッキング防止の観点から、フィルム全体100質量%中に有機滑剤を0.1〜5質量%含むことが好ましい。
有機滑剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系などが挙げられる。
(添加剤)
本発明のフィルム1およびフィルム2には、本発明の効果を損なわない範囲で前述した以外の添加剤を含有してもよい。例えば、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、消泡剤、着色顔料、染料、結晶核剤、ポリマー鎖延長剤、ポリマー末端封鎖剤などが含有できる。
(製造方法)
次に、本発明のフィルム1およびフィルム2を製造する方法について具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
本発明のフィルム1およびフィルム2を製造するために用いる組成物(原料)、つまり、熱可塑性樹脂(A),生分解性樹脂(A1)、熱可塑性樹脂(a2)、充填剤(B)、あるいは有機滑剤などのその他の成分を含有する組成物を得るにあたっては、各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、溶媒へ原料の溶解、溶媒除去などの工程が不要で、実用的な製造方法である、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を採用することが好ましい。その溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機などの通常使用されている公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸または二軸押出機の使用が好ましい。
溶融混練時の温度は、熱可塑性樹脂(A)が生分解性樹脂(A1)を含む場合は150℃〜240℃の範囲が好ましく、熱可塑性樹脂(A)、特に生分解性樹脂(A1)の劣化を防ぐ意味から、より好ましくは160℃〜210℃、更には190℃〜210℃の範囲とすることがより好ましい。
本発明のフィルム1およびフィルム2は、例えば上記した方法により得られた組成物を用いて、公知のインフレーション法、チューブラー法、Tダイキャスト法などの既存のフィルムの製造方法により得ることが出来る。
本発明のフィルム1およびフィルム2を製造するにあたっては、例えば前述した方法により得られた組成物を一旦ペレット化し、再度溶融混練して押出・製膜する際には、ペレットを60〜100℃にて6時間以上乾燥するなどして、組成物の水分量を500ppm(質量基準)以下とすることが好ましい。さらに、減圧度10Torr以下の高減圧下で減圧乾燥をすることで、組成物中の水分や低分子量物の含有量を低減させることが好ましい。組成物の水分量を500ppm(質量基準)以下、水分や低分子量物の含有量を低減させることで、溶融混練中の樹脂の加水分解を防ぎ、それにより分子量低下を防ぐことができ、組成物の溶融粘度を適度なレベルとし、製膜工程を安定させることができるためにも好ましい。また、同様の観点から、一旦ペレット化、あるいは溶融押出・製膜する際には、ベント孔付きの2軸押出機を使用し、水分や低分子量物などの揮発物を除去しながら溶融押出することが好ましい。
本発明のフィルム1およびフィルム2をTダイキャスト法により製造する場合は、例えば次のような方法が用いられる。前述のような方法により調整した組成物をベント孔付き2軸押出機にて溶融押出して、リップ間隔0.5〜3mmのスリット状の口金から吐出し、0〜40℃の表面温度に設定した金属製冷却キャスティングドラム上に、直径0.5mmのワイヤー状電極を用いて静電印加して密着させ、無配向キャストフィルムを得る。
こうして得られた無配向フィルムを加熱ロール上で搬送することによって縦延伸を行う温度まで昇温する。昇温には赤外線ヒーターなど補助的な加熱手段を併用しても良い。延伸温度の好ましい範囲は50〜100℃であり、より好ましくは55〜95℃、さらに好ましくは60〜90℃である。このようにして昇温した無配向フィルムを、加熱ロール間の周速差を用いてフィルム長手方向に1段、もしくは2段以上の多段で延伸を行う。合計の延伸倍率は3〜10倍が好ましく、より好ましくはフィルムを構成する樹脂により異なり、例えば、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂を含む場合は5.1〜10倍、さらに好ましくは6〜9倍である。特に好ましくは、7〜8倍である。また、脂肪族ポリエステルを含む場合は、より好ましくは3.5〜8倍、さらに好ましくは4〜7倍である。特に好ましくは、5〜6倍である。
必要であれば、このように一軸延伸したフィルムをいったん冷却した後、フィルムの両端部をクリップで把持してテンターに導き、幅方向の延伸を行ってもよい。延伸温度の好ましい範囲は50〜90℃であり、より好ましくは55〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。延伸倍率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されない。
次に、この延伸フィルムを幅方向の長さを固定した緊張下、または、幅方向に弛緩しながら熱処理する。好ましい熱処理温度は、フィルムを構成する樹脂により異なり、例えば、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂を含む場合は90〜150℃であり、より好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは110〜130℃である。また、脂肪族ポリエステルを含む場合は50℃〜130℃、より好ましくは60〜120℃であり、より好ましくは70〜110℃である。フィルムの熱収縮率を低下させたい場合は、熱処理温度を高温にするとよい。熱処理時間は0.2〜30秒の範囲で行うのが好ましいが、特に限定されない。弛緩率は、幅方向の熱収縮率を低下させる観点から1〜10%であることが好ましく、より好ましくは3〜7%であり、さらに好ましくは3〜5%である。
続いて、フィルムを冷やして巻き取り、目的とするフィルムを得る。
本発明のフィルム1およびフィルム2は、空孔率80%以下とするために、Tダイキャスト法で製造する場合は、上記した好ましい温度、倍率で延伸することが好ましい。延伸は縦、或いは横のみの一軸延伸でも構わないし、縦・横の二軸延伸でも構わない。また、必要に応じて、再縦延伸および/または再横延伸を行ってもよい。
本発明のフィルムは、耐水性、分解性に優れたフィルムであり、耐水性、分解性を必要とする、マルチフィルムなどの農業用材料、薫蒸シートなどの林業用材料、紙おむつ、ナプキン、ライナーなどの衛生材料、レジ袋、ゴミ袋、食品用、工業製品用などの各種包装材料などに使用できる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)空孔率(%)
フィルムを30mm×40mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて比重の測定を行った。測定を3回行い、平均値をそのフィルムの比重ρとした。
次に、測定したフィルムを220℃、5MPaで熱プレスを行い、その後、25℃の水で急冷して、空孔を完全に消去したシートを作製した。このシートの比重を上記した方法で同様に測定し、平均値を比重dとした。フィルムの比重ρと前記比重dから、以下の式により空孔率を算出した。
空孔率(%)=〔(d−ρ)/d〕×100
(2)引き裂き強さ
室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引き裂き強さを測定した。
具体的には、試験片の幅40mm、長さ150mmの短冊の幅中央に75mmの切り込みを入れ、速度200mm/分で、JIS K7128−1:1998(トラウザー引裂法)に準拠し、長さ方向、幅方向それぞれについて、測定を5回行い、その平均値を引き裂き強さとした。
(3)引張強度
オリエンテック社製TENSILON UCT−100を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引張強度を測定した。
具体的には、測定方向に長さ150mm、幅10mmの短冊状にサンプルを切り出し、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7127:1999に規定された方法に従って、長さ方向、幅方向それぞれについて10回の測定を行い、その平均値を引張強度とした。
(4)分子配向度MOR−c
サンプルサイズを10cm×10cmとし、フィルム幅方向中央において、サンプルを切り出した。KSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA−2001を用いて、MOR−cを求めた。なお、測定サンプルの中心部分9点の厚みを測定し、その平均値を厚み(μm)として、分子配向計に入力してMOR−cを求めた。
(5)分解性
(3)で測定した長さ方向、及び、幅方向の引張強度の、小さい方の値を用いて、以下の基準にて評価した。本発明においては、A〜Cの評価を満たす場合、分解性を有する、と判断した。
A:5MPa未満
B:5MPa以上10MPa未満
C:10MPa以上15MPa未満
D:15MPa以上。
(6)水解性
2000mlのビーカーに水800ml入れ、5cm×5cmに切った試験片を4枚入れて、マグネチックスターラーで23℃、750rpmの回転速度で48hr攪拌後のフィルムをビーカーから取り出し、分解した試験片の枚数を観察した。
その試験片の数を用いて、以下の基準にて評価を行った。
A:12枚以上
B:8枚以上12枚未満
C:5枚以上7枚以下
D:4枚のままで分解していない。
(7)透湿性
25℃、90%RHに設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208:1976に規定された方法に従って透湿度(g/(m・day))を測定した、
その透湿度の値を用いて、以下の基準にて評価した。
A:1500g/(m・day)以上
B:1000g/(m・day)以上1500g/(m・day)未満
C:300g/(m・day)以上1000g/(m・day)未満
D:300g/(m・day)未満。
(8)耐水性
JIS L1092:2009、A法(低水圧法)に規定された方法に準拠し、フィルムとクランプの間に、パッキンで挟んだ金網を置いた状態で、耐水圧(mm)を測定した。なお、測定値の上限は1500mmであったため、1500mmを超える場合は「1500<」と表記した。
その耐水圧の値を用いて、以下の基準にて評価した。
A:1000mm以上
B:750mm以上1000mm未満
C:400mm以上750mm未満
D:400mm未満
[熱可塑性樹脂(A)]
(A1−1)
生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)、質量平均分子量=200,000、D体含有量=1.4mol%、融点=166℃の結晶性ポリ乳酸系樹脂(a11)であり、生分解度=99%(40日、ISO14855)
(A1−2)
生分解性樹脂(A1)であるポリ乳酸系樹脂(a1)、質量平均分子量=200,000、D体含有量=12.0mol%、融点=無しの非晶性ポリ乳酸系樹脂(a12)であり、生分解度=99%(40日、ISO14855)
なお、上記の質量平均分子量は 日本Warters(株)製、Warters2690を用い、ポリメチルメタクリレートを標準とし、カラム温度40℃、クロロホルム溶媒を用いて測定した。
また、上記の融点は、ポリ乳酸系樹脂(a1)を100℃の熱風オーブン中で24時間加熱させた後に、セイコーインスツル社製示差走査熱量計RDC220を用い、試料5mgをアルミニウム製受皿にセットし、25℃から昇温速度20℃/分で250℃まで昇温した際の結晶融解ピークのピーク温度として求めた。
[ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)]
(a2−1)
ポリブチレンアジペート・テレフタレート樹脂(BASF社製、商品名“エコフレックス”FBX7011)、生分解度=90%(80日、ISO14855)の樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)である。
(a2−2)
ポリブチレンサクシネート系樹脂(三菱化学社製、商品名“GSPla”(登録商標)AZ91T)、生分解度=85%(40日、ISO14855)の樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂(a22)である。
(a2−3)
数平均分子量8,000のポリエチレングリコール62質量部とL−ラクチド38質量部とオクチル酸スズ0.05質量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気下160℃で3時間重合することで、数平均分子量8,000のポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2,500のポリ乳酸セグメントを有するブロック共重合体可塑剤(樹脂系の可塑剤(a21)であり親水性樹脂(A2)である)を得た。生分解度=80%(300日、ISO14855)
[可塑剤(P)]
アセチルクエン酸トリブチル、ファイザー社製、商品名“シトロフレックスA−4”)
[充填剤(B)]
(B1)
炭酸カルシウム(味の素ファインテクノ社製、商品名“トップフローH200”、平均粒子径1.7μm)
(B2)
炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名“カルテックスR”、平均粒子径2.8μm)
(実施例1−1)
熱可塑性樹脂(A1−1)9質量%、熱可塑性樹脂(A1−2)26質量%、ポリ乳酸系以外の熱可塑性樹脂(a2−1)12質量%、ポリ乳酸系以外の熱可塑性樹脂(a2−3)13質量%、充填剤(B1)40質量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの減圧ベント付き2軸押出機に供し、減圧ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
この組成物のペレットを、回転式ドラム型減圧乾燥機を用いて、温度60℃で12時間減圧乾燥した。
この組成物のペレットをシリンダー温度190℃の単軸押出機に供給し、Tダイ口金温度190℃でフィルム状に押し出し、20℃に冷却したドラム上にキャストして無配向フィルムを作製した。この無配向フィルムをロール式延伸機にて長手方向に、温度70℃で6倍延伸した。この一軸配向フィルムをいったん冷却ロール上で冷却した後、両端をクリップで把持してテンター内に導き、定長下、温度110℃で10秒間熱処理後、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
(実施例1−2〜1−4、1−6〜1−12、2−1〜2−9、比較例1−2、2−2)
フィルムの組成と製造条件を表1、2のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1、2に示した。なお、実施例1−7〜1−9、1−11、1−12、実施例2−5、2−6、2−8、2−9は参考例である。
(実施例1−5)
熱可塑性樹脂(A1−1)6質量%、熱可塑性樹脂(A1−2)19質量%、ポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂(a2−1)12質量%、ポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂(a2−3)23質量%、充填剤(B1)40質量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの減圧ベント付き2軸押出機に供し、減圧ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
この組成物のペレットを、回転式ドラム型減圧乾燥機を用いて、温度60℃で12時間減圧乾燥した。
この組成物のペレットをシリンダー温度190℃の単軸押出機に供給し、Tダイ口金温度190℃でフィルム状に押し出し、20℃に冷却したドラム上にキャストして無配向フィルムを作製した。この無配向フィルムをロール式延伸機にて長手方向に、温度70℃で3倍延伸した。この一軸配向フィルムをいったん冷却ロール上で冷却した後、両端をクリップで把持してテンター内に導き、幅方向に温度70℃で3倍延伸した。続いて定長下、温度110℃で10秒間熱処理後、幅方向に5%の弛緩処理を施し、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。なお、実施例1−5は参考例である。
(比較例1−1、2−1)
熱可塑性樹脂(A1−1)9質量%、熱可塑性樹脂(A1−2)26質量%、ポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂(a2−1)12質量%、熱可塑性樹脂(a2−3)13質量%、充填剤(B1)40質量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの減圧ベント付き2軸押出機に供し、減圧ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
この組成物のペレットを、回転式ドラム型減圧乾燥機を用いて、温度60℃で12時間減圧乾燥した。
この組成物のペレットをシリンダー温度190℃の単軸押出機に供給し、Tダイ口金温度190℃でフィルム状に押し出し、20℃に冷却したドラム上にキャストして厚さ20μmの無配向フィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表2に示した。
(比較例1−3、2−3)
フィルムの組成と製造条件を表2のように変更した以外は、実施例1−5と同様にして厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示した。
(比較例1−4、2−4)
フィルムの組成を表2のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして製造を試みたが、延伸が不可能であった。
Figure 0006287832
Figure 0006287832
Figure 0006287832
なお、表1−1〜表2において、MDはフィルムの長手方向を、TDはフィルムの幅方向を示す。
本発明のフィルムは、耐水性、分解性に優れたフィルムであり、耐水性、分解性を必要とする、マルチフィルムなどの農業用材料、薫蒸シートなどの林業用材料、紙おむつ、ナプキン、ライナーなどの衛生材料、レジ袋、ゴミ袋、食品用、工業製品用などの各種包装材料などに使用できる。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂(A)を含有し、
    フィルムの全成分100質量%中に、充填剤(B)を1〜70質量%含み、
    空孔率が80%以下であり、
    厚さが5〜50μmであり、
    いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、
    いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)が生分解性樹脂(A1)を含有する、請求項1に記載のフィルム
  3. 分子配向度MOR−cが2〜8である、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 前記生分解性樹脂(A1)がポリ乳酸系樹脂(a1)を含有する、請求項2または3に記載のフィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリ乳酸系樹脂(a1)以外の熱可塑性樹脂(a2)を含有する、請求項に記載のフィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂(a2)が、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体及びポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂と、脂肪族ポリエステル系樹脂及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂との組み合わせからなる、請求項に記載のフィルム。
  7. 熱可塑性樹脂(A)を含有し、
    フィルムの全成分100質量%中に、親水性樹脂(A2)を1〜40質量%含み、
    空孔率が80%以下であり、
    厚さが5〜50μmであり、
    いずれかの方向の引き裂き強さが、50mN以下であり、
    いずれかの方向の引張強度が15MPa未満であって、前述の引張強度が15MPa未満である方向に直交する方向の引張強度が、40MPa以上である、フィルム。
  8. 熱可塑性樹脂(A)が生分解性樹脂(A1)を含有する、請求項に記載のフィルム
  9. 生分解性樹脂(A1)がポリ乳酸系樹脂(a1)である、請求項に記載のフィルム。
JP2014513849A 2013-03-26 2014-03-20 フィルム Active JP6287832B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063409 2013-03-26
JP2013063409 2013-03-26
PCT/JP2014/057754 WO2014156952A1 (ja) 2013-03-26 2014-03-20 フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014156952A1 JPWO2014156952A1 (ja) 2017-02-16
JP6287832B2 true JP6287832B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=51623931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014513849A Active JP6287832B2 (ja) 2013-03-26 2014-03-20 フィルム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20160046774A1 (ja)
EP (1) EP2980141A4 (ja)
JP (1) JP6287832B2 (ja)
CN (1) CN105073858A (ja)
TW (1) TW201441284A (ja)
WO (1) WO2014156952A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6435723B2 (ja) * 2014-09-04 2018-12-12 富士ゼロックス株式会社 樹脂組成物および樹脂成形体
US20160333156A1 (en) * 2015-05-13 2016-11-17 Frito-Lay North America, Inc. Composition and Method for Making a Flexible Packaging Film
WO2017169662A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 東レ株式会社 フィルムおよびそれを用いた電気絶縁シート、粘着テープ、回転機
CN108684401A (zh) * 2018-04-24 2018-10-23 华贝纳(杭州)毛纺染整有限公司 可降解农用地膜及其制备方法
CN115403909B (zh) * 2022-10-17 2023-11-03 安徽双津实业有限公司 一种生物降解薄膜及制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3135154B2 (ja) * 1992-01-30 2001-02-13 株式会社トクヤマ 多孔性フィルム
JP3359744B2 (ja) * 1994-07-14 2002-12-24 三井化学株式会社 多孔性フィルムおよびその製造方法
JP3321379B2 (ja) * 1996-02-29 2002-09-03 三菱化学株式会社 生分解性多孔質フィルム
JP2004168895A (ja) * 2002-11-20 2004-06-17 Unitika Ltd 生分解性が向上した生分解性樹脂組成物及び成形体
JP4799089B2 (ja) * 2004-09-10 2011-10-19 株式会社ユポ・コーポレーション 印刷用紙
JP4863684B2 (ja) 2005-10-19 2012-01-25 花王株式会社 多孔性シート
US9067384B2 (en) * 2009-06-10 2015-06-30 Ppg Industries Ohio, Inc. Microporous material having degradation properties and articles prepared therefrom
JP2011219555A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Unitika Ltd 生分解性合成紙およびその製造方法
KR20130108277A (ko) * 2010-08-18 2013-10-02 도레이 카부시키가이샤 다공성 필름

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014156952A1 (ja) 2014-10-02
JPWO2014156952A1 (ja) 2017-02-16
CN105073858A (zh) 2015-11-18
EP2980141A1 (en) 2016-02-03
TW201441284A (zh) 2014-11-01
EP2980141A4 (en) 2016-11-02
US20160046774A1 (en) 2016-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5799809B2 (ja) 多孔性フィルム
JP5751250B2 (ja) ポリ乳酸系フィルム
JP5867406B2 (ja) 生分解性フィルム
JP6287832B2 (ja) フィルム
JPWO2011162046A1 (ja) ポリ乳酸系フィルム
JPWO2016158736A1 (ja) 生分解性白色フィルムおよびその製造方法
JP2014162799A (ja) ポリ乳酸系マルチフィルム
JP2012057004A (ja) 多孔性フィルム
JP5979007B2 (ja) ポリ乳酸系フィルム
JP2015083661A (ja) 多孔フィルム及びその製造方法
JP6260377B2 (ja) 生分解性フィルム
JP2015021105A (ja) 多孔性フィルム
JP5957908B2 (ja) 生分解性フィルム
JP2015224253A (ja) ポリ乳酸樹脂を含むフィルム
JP2004269606A (ja) 乳酸系樹脂組成物
JP6492720B2 (ja) 延伸フィルムの製造方法
JP2016097576A (ja) 積層フィルム
JP2014173074A (ja) 生分解性フィルム
JP2016043650A (ja) ポリ乳酸系樹脂を含むフィルム
JP2016056304A (ja) フィルム
JP2015038193A (ja) 多孔性フィルム
JP2015137302A (ja) 多孔性フィルムおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6287832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151