JP5270232B2 - 計測システム並びに傾斜計 - Google Patents

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Description

本発明は、傾斜計の水平面に対する傾斜角度を計測することで、地滑り等の土砂災害の発生確率が高い危険箇所の特定などに用いられる計測システム並びに傾斜計に関するものである。
山の斜面等の傾斜した地面においては、地震や集中豪雨が引金となり地滑り等の土砂災害が発生することがある。このような土砂災害の発生確率が高い危険箇所は、地面に変位が生じていることが多い。そこで、現場付近に居住する住民や通行人からの通報、あるいは定期的な目視点検によりひび割れ等の異常を見つけることで危険箇所を予測し、補強工事などの対策をとることが従来から為されている。
ただ、前記異常は専門家でなければ的確に判断することが難しいため、地面の変位を傾斜計によって計測し、計測結果に基づいて危険箇所を特定することが考えられている。
傾斜計としては、ケース内に球体を収容し、鉛直方向に対してケースが傾いたときに球体が転動してスイッチをオンする構成を有するものが知られている(たとえば特許文献1参照)。この傾斜計は、地面に立てられた杭に取り付けられ、地面の変位によって杭が傾くと上記スイッチがオンして警報を発する。ただし、上記構成の傾斜計は、地面に変位が生じたか否かを検出するものに過ぎず、変位の程度を計測するものではないから、危険箇所を精度よく特定することは困難である。
一方、複数種類のセンサ(加速度センサ、GPSアンテナ、方位センサ、角速度センサ)を用いて地面の変位を計測するものも知られている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2では、山腹の複数箇所に傾斜計(測定プローブ)を設置し、各傾斜計の計測値を無線通信により観測基地局へ送信するように構成した計測システム(土石流検知システム)が記載されている。
ところで、この種の傾斜計は電池駆動とされることが一般的であり、長時間の稼働を可能とするために電力消費を極力少なく抑える必要がある。そのため、特許文献2においては、定常時には傾斜計を一部のセンサ(X軸加速度センサとY軸加速度センサ)にのみ電源が投入された動作モード(スリープ待機状態)で動作させ、比較的長い所定時間(48時間)毎に観測基地局へ計測値を送信する構成が採用されている。ここで、土石流の発生などにより所定値以上の加速度が傾斜計に作用すると、傾斜計の全体に電源が供給され、観測基地局へ連続的に計測値が送信される。
特開2005−259533号公報(第8−9頁) 特許第3026197号公報(第3−4頁)
しかし、特許文献2の計測システムでは、電力消費を極力少なく抑えるために、定常時には比較的長い周期(ここでは48時間)で計測値を観測基地局へ送信するのであって、計測の時間分解能が低く詳細な計測値は得られないので、危険箇所を精度よく特定することは難しい。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、電力消費を極力少なく抑えながらも、危険箇所の特定精度を向上させることができる計測システム並びに傾斜計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、それぞれ測定対象に取り付けられ、水平面に対する自己の傾斜角度を加速度センサによって計測する傾斜計を計測エリア内に複数台備え、各傾斜計にそれぞれ設けた通信回路によって計測エリア内の複数台の傾斜計間で無線通信が可能な計測システムであって、各傾斜計が、既定の第1サンプリング周期で傾斜角度を計測する通常モードでの動作中に、第1の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されると第1サンプリング周期よりも短い第2サンプリング周期で傾斜角度を計測する警戒モードに動作モードを切り替え、前記警戒モードでの動作中に、所定の警戒時間に亘り第2の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されなければ前記動作モードを前記通常モードに切り替えるモード切替手段と、動作モードが警戒モードに切り替わるときに計測エリア内の他の傾斜計に対して警戒信号を送信し当該他の傾斜計の動作モードを警戒モードに切り替える同期手段とをそれぞれ有し、前記計測エリア内の複数台の前記傾斜計のうち1台の傾斜計が親機として機能し残りの傾斜計が子機として機能しており、親機が、子機との通信により子機から傾斜値を収集し、子機が、前記通常モードでの動作中に、所定のスリープ時間に亘り第3の閾値以上の前記傾斜角度の変化が計測されなければ、複数回分の計測値を記憶し一括して親機に送信することで親機との通信の頻度を低下させる節電モードに動作モードを切り替え、且つ節電モードでの動作中に、第4の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されれば、動作モードを通常モードに切り替える節電手段を備えることを特徴とする。
この構成によれば、傾斜計は、通常モードでの動作中に第1の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されると動作モードが警戒モードに切り替わるので、傾斜角度を計測する周期が短くなり、傾斜角度計測の時間分解能を高めることができる。また、通常モードでの動作中には、傾斜角度を計測する周期が長くなるので、電力消費を少なく抑えることができる。しかも、同期手段により、計測エリア内のいずれかの傾斜計の動作モードが警戒モードに切り替わると、計測エリア内の他の傾斜計の動作モードも警戒モードに切り替わるので、計測エリア内の1箇所で傾斜角度の変化が閾値を超えると、計測エリアの全体について、傾斜角度計測の時間分解能を高めて詳細な計測値を得ることができる。その結果、計測エリア内の危険箇所の特定精度が向上する。
さらに、この構成によれば、子機は、通常モードでの動作中に、所定のスリープ時間に亘り第3の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されなければ、親機との通信の頻度を低下させる節電モードに動作モードが切り替わるので、通信に掛かる消費電力量を低減することができる。
本発明は、計測エリア内のいずれかの傾斜計の動作モードが警戒モードに切り替わると、計測エリア内の他の傾斜計の動作モードも警戒モードに切り替わるので、計測エリア内の1箇所で傾斜角度の変化が閾値を超えると、計測エリアの全体について詳細な計測値を得ることができ、計測エリア内の危険箇所の特定精度が向上するという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態の計測システムは、図2に示すように山の斜面の複数箇所に設置される複数台(ここでは9台)の傾斜計A0〜A8(以下、個々を特に区別しないときには単に傾斜計Aという)を備え、測定対象の傾斜を計測するシステム(傾斜計測システム)であって、これら複数台の傾斜計Aでの計測値が、地滑り等の土砂災害の発生確率の高い危険箇所の特定に用いられるものである。以下では、傾斜計Aが設置され計測の対象となるエリアを計測エリアBという。
傾斜計Aは、図3(a)に示すように下部が地中に埋設される形で計測エリアBの地面Eに立設された測定対象としての鋼管Pの上端部に取り付けられるものであって、図3(b)に示すように鋼管Pと機械的に結合される結合部2と、結合部2の上方に形成された略円錐形状のレドーム部3とを具備する筐体1を有している。筐体1は、内部空間への水分の浸入を防止する防水構造を採用しており、電気回路を構成する各種の部品を収納している。結合部2は円筒状であって、一部に形成された取付ボルト孔4を通して取付ボルト5を締め付けることにより鋼管Pと機械的に結合される。ここで、鋼管Pは軸方向が鉛直方向と略一致するように立設され、傾斜計Aは鉛直方向に対する鋼管(測定対象)Pの軸方向の傾斜角度を計測する。ただし、後述する較正処理によって、傾斜計Aの設置後に傾斜計Aの計測値(傾斜角度)を0にリセットすることができるので、鋼管Pの軸方向は鉛直方向と完全には一致していなくてもよい。
上記傾斜計Aは、図1に示すように傾斜角度を計測する主回路6と、他の傾斜計Aとの通信を行う通信回路7と、各回路への電力供給源となる電池8とを筐体1内に備えている。
通信回路7は、無線通信により他の傾斜計Aと通信を行うものであって、本実施形態では一例として、IEEE(米国電気電子学会)でZigBee(ジグビー)として規格化されている通信方式を採用する。ZigBeeを用いた通信は、通信距離が比較的短く(たとえば70m)、また通信速度は低速(たとえば250kbps)であるものの、低消費電力であって電池8駆動でも長期間の動作が可能という特徴がある。しかもZigBeeは、複数の通信拠点間でマルチホップ通信を行うことにより簡単に通信エリアを拡大できる所謂メッシュ・ネットワークを利用した通信方式であるため、上記通信距離を超えて通信することも可能である。ここで、複数台の傾斜計Aは、いずれも最も近い傾斜計Aまでの距離が所定の通信距離(たとえば70m)以内となるように2次元配置(たとえばマトリクス状に配置)される。したがって、前記通信距離以上離れた傾斜計A同士であっても、その間に存在する他の傾斜計Aが中継することで通信可能となる。
主回路6は、鉛直方向に対する鋼管Pの傾斜角度を計測する加速度センサ9と、方位を計測する方位センサ10と、各センサ出力を処理する信号処理部11と、各種設定値および各種データを記憶する記憶部12と、時計部13とを有している。
加速度センサ9は、周知のように可動部(図示せず)に作用する加速度の大きさを電気信号として出力するものであって、ここでは、可動部の移動する方向をセンシング軸として、当該センシング軸方向へ作用する重力加速度の大きさを計測する。ここに、加速度センサ9としては、少なくとも鋼管Pの軸方向に直交する平面内で互いに直交するX軸とY軸との2軸について感度を有するものが用いられ、当該X軸およびY軸がそれぞれ前記センシング軸となる。
すなわち、重力加速度の作用する鉛直方向に直交する面(水平面)にセンシング軸が平行している状態を初期状態とすると、初期状態ではセンシング軸方向に重力加速度が作用せず、加速度センサ9の出力が0となる。一方、鋼管Pが傾倒して初期状態から傾斜計Aの筐体1が傾斜すると、センシング軸が水平面に対して傾斜角度θで傾斜し、重力加速度のセンシング軸方向の成分が可動体に作用する。このとき、重力加速度のセンシング軸方向の成分は前記傾斜角度θの関数で表すことができるので、加速度センサ9の出力より、水平面に対するセンシング軸の傾斜角度θを求めることができる。さらに、X軸とY軸との2軸をセンシング軸とすることで、前記傾斜角度θはX軸とY軸とを含むX−Y平面(つまり鋼管Pの軸方向に直交する平面)上での向きをパラメータに含むベクトル量として求まることになる。なお、ここではMEMS(Micro ElectroMechanical Systems)技術を用いて製造され、ワンチップ化された小型の加速度センサ9を用いるものとする。
方位センサ10は、地磁気を利用して方位を計測し、計測結果を電気信号として出力するものである。これにより、信号処理部11においては、上記加速度センサ9の出力と方位センサ10の出力との両方を用いることで、加速度センサ9により計測された傾斜角度θで鋼管Pが傾斜した方位を特定することが可能となる。すなわち、加速度センサ9だけではX−Y平面上での鋼管Pの傾斜の向きしか求めることができないが、方位センサ10の出力を併せて用いることにより、鋼管Pの傾斜した絶対的な方位を特定することが可能となる。したがって、傾斜計Aを設置する際に加速度センサ9のセンシング軸(X軸、Y軸)を所定の方位に合わせなくても、鋼管Pの傾斜した方位を特定することができる。
信号処理部11は、予め設定される第1サンプリング周期(たとえば1時間)で傾斜角度の計測を行う通常モードと、第1サンプリング周期よりも短い第2サンプリング周期(たとえば1分)で傾斜角度の計測を行う警戒モードとの2つの動作モードを切り替えるモード切替手段14を有している。つまり、傾斜計Aは、警戒モードで動作中には、通常モードに比較して傾斜角度の計測を行う時間間隔が短くなって計測値の時間分解能が高くなる。モード切替手段14は、通常モードでの動作中に、計測されている傾斜角度が第1の閾値(たとえば5度)を超えて変化すると、動作モードを警戒モードに切り替え、一方、警戒モードでの動作中に、予め設定される警戒時間(たとえば6時間)に亘り第2の閾値以上の傾斜角度の変化が生じなければ、動作モードを通常モードに切り替える。なお、ここでは第2の閾値は略0度(たとえば0.5度)に設定され、警戒時間の時限中に少しでも傾斜角度の変化が生じれば通常モードへの切り替えは為されない。
ここにおいて、傾斜計Aの動作モードが通常モードから警戒モードに切り替わる際、計測エリアB内の他の傾斜計Aに対して通信回路7から警戒信号を送信させることで、これら他の傾斜計Aについても動作モードを強制的に警戒モードに切り替える同期手段15が信号処理部11に設けられている。しかして、1台の傾斜計Aの動作モードが警戒モードに切り替わると、この傾斜計Aと同じ計測エリアB内に存在する全ての傾斜計Aの動作モードが警戒モードとなる。
さらに、信号処理部11は、地面Eの変位により鋼管Pの傾斜する可能性のある方位(つまり、たとえば南斜面であれば地面Eの変位は南側に生じるはずであるから傾斜する可能性のある方位は北側となる)を計測の対象とする設定傾斜方位として予め設定可能であって、当該設定傾斜方位と異なる方位に傾斜した場合には、地面Eの変位以外の原因(たとえば鋼管Pへの動物の衝突)で鋼管Pが傾斜したものとし、誤検知と判断する誤検知回避手段16を有している。そして、誤検知回避手段16は、誤検知であると判断した場合、誤検知による傾斜角度の計測値の変化が第1の閾値を超えたとしても、動作モードを警戒モードに切り替えるモード切替手段14の上記動作を無効とする。
ここに、誤検知回避手段16は、誤検知と判断した場合に、モード切替手段14の動作を無効とすることに限らず、適切な誤検知処理をするものであればよい。すなわち、たとえば誤検知と判断したときに傾斜角度を0にリセットする誤検知処理をすることで、地面Eの変位以外の原因で鋼管Pが傾斜した状態を初期状態として、当該初期状態からの傾斜角度の変化を改めて計測させることができる。なお、誤検知回避手段16は、誤検知と判断された計測値に誤検知フラグを付与する誤検知処理をすることで、計測値の記録から誤検知か否かを判別できるようにするものでもよい。
また、本実施形態では、上述したように傾斜計Aの計測値を0にリセットする較正処理を行う較正手段17としての機能が信号処理部11に備わっている。つまり、傾斜計Aの設置時に鋼管Pの軸方向が鉛直方向と完全に一致していなくとも、このときの状態を初期状態として傾斜角度を0に設定することで、当該初期状態からの傾斜角度の変化を計測することができる。ここに、較正手段17は通信回路7で無線通信により較正信号を受けることにより較正処理を開始するものであって、したがって、計測エリアBへの複数台の傾斜計Aの設置が完了した後、これら複数台の傾斜計Aに対して較正信号を一斉送信することにより、複数台の傾斜計Aの較正処理を一斉に行うことができる。
ところで、計測エリアBに設置された複数台の傾斜計Aのうち1台の傾斜計A0は親機として動作し、その他の傾斜計A1〜A8は子機として動作する。子機の主回路6で計測された計測値は、上述した通信回路7により親機に伝送される。すなわち、計測エリアB内に存在する複数台の子機での計測値は親機にて収集される。本実施形態では、マルチホップ方式の通信方式(ZigBee)を採用しているので、親機から比較的離れた下位の子機の計測値は、自己よりも親機に近い上位の子機で中継され親機に伝送される。親機は、自己の計測値および収集した計測値を記憶部12に記憶する。親機からの計測値の読み出しは、親機から無線通信により図示しない管理端末器(パーソナルコンピュータまたはハンディターミナル)へ計測値を送信することで行われる。なお、図1の例では各傾斜計Aに防水コネクタからなる外部接続端子18を個別に設けてあり、当該外部接続端子18に管理端末器等を接続することで計測値の読み出しを行うことも可能である。
ここに、計測エリアB内の複数台の傾斜計Aについてはいずれも親機を基準として動作タイミング(計測や通信のタイミング)を同期させる。具体的には、傾斜角度の計測を開始する前に管理端末器から親機に送信され、且つ親機から各子機に転送される時刻データを用いることで動作タイミングの同期をとるようにする。しかして、子機は、自己よりも下位の(親機から離れた)子機から受信した計測値と一緒に、自己の計測値を自己より上位の(親機に近い)子機あるいは親機に送信する。
ここで、子機としての傾斜計A1〜A8は、通常モードおよび警戒モードにおいては傾斜角度を計測するごとに親機(傾斜計A0)に対して計測値を伝送する。しかし、計測値を伝送する度に電力を消費するので、計測値を伝送する機会を極力減らすことにより電力消費を少なく抑えることが望ましい。
そこで、本実施形態では、少なくとも子機として使用される傾斜計A1〜A8に関し、傾斜角度を複数回計測する間の計測値を記憶部12に記憶し、複数回分の計測値を一括して親機(傾斜計A0)に伝送する節電モードと、上記通常モードとの2つの動作モードを切り替える節電手段19としての機能を信号処理部11に設けてある。つまり、節電モードでの動作中は、通常モードに比較して親機(傾斜計A0)との通信の頻度が低下し、通信に掛かる消費電力量を低減することができる。節電手段19は、通常モードでの動作中に、傾斜角度に第3の閾値以上の変化を生じない状態が所定のスリープ時間(たとえば24時間)継続すると、動作モードを節電モードに切り替え、一方、節電モードでの動作中に、傾斜角度に第4の閾値(たとえば0.5度)以上の変化が生じると、動作モードを通常モードに切り替える。なお、ここでは第3の閾値は略0度(たとえば0.5度)に設定され、スリープ時間の時限中に少しでも傾斜角度の変化が生じれば節電モードへの切り替えは為されない。
また、上述した各閾値(第2、第3の閾値は除く)や第1サンプリング周期や第2サンプリング周期、警戒時間やスリープ時間や設定傾斜方位などの各種設定値は、管理端末器にて設定され傾斜計Aの記憶部12に記憶される。ここでは、第1の閾値は5度、第4の閾値は0.5度、第1サンプリング周期は1時間、第2サンプリング周期は1分、警戒時間は6時間、スリープ時間は24時間がそれぞれ初期値として設定されている。設定傾斜方位としては16方位のうち2方位を設定可能とする。さらに、傾斜計Aの設置位置(緯度、経度)、現在の日時、管理端末器を識別するための端末番号、親機・子機の区別や、子機にあっては個々を識別するための子機番号、親機にあってはノード(最大20台)などの設定値も管理端末器にて設定される。なお、子機から親機に計測値を伝送する通信周期を第1サンプリング周期や第2サンプリング周期とは別に設定できるようにしてもよく、この場合、通信周期も管理端末器で設定する。
以下に、本実施形態の計測システムの動作について、図4ないし図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図4ないし図6のフローチャートは親機(傾斜計A0)に最も近い子機(傾斜計A1)の動作例を表すものである。
電源が投入されると(S1)、傾斜計A1は通信待機状態となる(S2)。この状態で、管理端末器から設定確認信号を受信すると(S3:Yes)、記憶部12内の現在の各種設定値(初期値)を管理端末器に返信する(S4)。そして、傾斜計A1は、管理端末器において変更された各種設定値を管理端末器から受信すると(S5:Yes)、設定値の更新を行い(S6)、計測開始信号を待つ計測スタンバイ状態に移行する(S7)。ここに、計測開始信号は管理端末器から時刻データと共に親機(傾斜計A0)に送信され、この親機によって時刻データと共に各子機に転送される。
しかして、傾斜計A1は、親機から計測開始信号を時刻データと共に受信すると(S8)、計測スタンバイ状態を終了し動作タイミングに関して同期をとる(S9)。さらに、本実施形態ではマルチホップ方式の通信方式(ZigBee)を採用しているので、傾斜計A1は、自己よりも下位の子機(傾斜計A2〜A8)に計測開始信号および時刻データを転送する(S10)。
その後、傾斜計A1では計測値をリセットする較正処理を行い(S11)、傾斜角度の計測を開始し(S12)、傾斜角度を計測して計測値を記憶部12に記録する(S13)。このとき記憶部12に記憶されるのは、計測された傾斜角度(計測値)と傾斜した方位と計測日時とを含む計測データである。さらに傾斜計A1は、自己より下位の子機(傾斜計A2〜A8)から計測データを受信し、受信した計測データを自己の計測データと共に親機に転送する(S14)。このとき転送される計測データには、送信元を特定するための子機番号と、電池残容量不足などを示すアラームとが付加される。親機に収集された計測データは、親機が管理端末器からの送信要求信号を受けたときに、親機自身の計測データと共に管理端末器に送信される。
ところで、電源が投入された当初は、傾斜計A1は通常モードで動作するため、傾斜角度の計測(S13)および計測データの送信(S14)は第1サンプリング周期で周期的に繰り返される。ただし、傾斜計A1の動作モードは、モード切替手段14や節電手段19によって、通常モードから警戒モードあるいは節電モードに切り替えられることがある。
すなわち、図5に示すように、傾斜角度の変化が第1の閾値以上となった場合(S21:Yes)、モード切替手段14により動作モードが通常モードから警戒モードに切り替えられ(S22)、傾斜角度の計測および計測データの送信の周期が第1サンプリング周期から第2サンプリング周期に切り替えられる。このとき、同期手段15により警戒信号が他の傾斜計A0,A2〜A8に送信される(S23)。その後、警戒時間の時限終了時点で(S24)、警戒モード中の傾斜角度の変化が第2の閾値未満であれば(S25:Yes)、モード切替手段14によって動作モードが警戒モードから通常モードに切り替えられる(S26)。ここに、警戒信号を受信した他の傾斜計A0,A2〜A8もまた上記ステップS22〜S26の動作を行う。
また、図6に示すように、傾斜角度の変化が第3の閾値に満たない状態がスリープ時間継続した場合(S31:Yes)、節電手段19により動作モードが通常モードから節電モードに切り替えられる(S32)。その後、傾斜角度に第4の閾値以上の変化があれば(S33:Yes)、節電手段19によって動作モードが節電モードから通常モードに切り替えられる(S34)。
以上説明したように、本実施形態の計測システムにおいては、傾斜計Aは、通常モードで動作中に傾斜角度が第1の閾値以上変化すると、警戒モードに切り替わることで計測値の時間分解能が高くなり、通常モードよりも詳しいデータを採ることが可能になる。つまり、傾斜角度が第1の閾値以上変化した場合、傾斜計Aの設置されている地点の地面Eが変位していることを示唆し、その地点の計測値は緊急性の高いデータと考えられるため、その地点についてより詳しいデータを採ることは非常に有用である。一方、警戒モードでの動作中に傾斜角度が殆ど変化しなければ、通常モードに切り替わることで傾斜角度を計測する時間間隔が長くなり、警戒モードよりも電力消費を少なく抑えることができる。
しかも、計測エリアB内のいずれかの傾斜計Aが警戒モードに切り替わると、この傾斜計Aから送信される警戒信号によって計測エリアB内の全ての傾斜計Aが警戒モードに切り替わるので、計測エリアB全域について詳しいデータを採ることができる。その結果、計測エリアB内の危険箇所の特定精度が向上する。
さらに、本実施形態では、誤検知回避手段16を設けたことで、たとえ傾斜角度が変化したとしても、方位センサ10によって計測される傾斜の方位が設定傾斜方位と相違する場合には、このときの傾斜角度は誤検知と判断され、誤検知による傾斜角度の計測値の変化が第1の閾値を超えたとしても、動作モードを警戒モードに切り替わることはない。つまり、鋼管Pに動物が衝突したことなどに起因して誤検知が発生しても、誤検知回避手段16が適切な誤検知処理をすることで、当該誤検知の影響を無効とすることができる。
また、子機としての傾斜計A1〜A8は、通常モードでの動作中にスリープ時間に亘って傾斜角度が殆ど変化しなければ、節電モードに切り替わることで通信の頻度が低くなり、通常モードよりも電力消費を少なく抑えることができる。つまり、傾斜角度に殆ど変化が生じていない場合、傾斜計Aの設置されている地点の地面Eが変位していないことを示唆し、その地点の計測値は緊急性の低いデータと考えられるため、この地点の計測値を親機に伝送する頻度が低下しても特に問題は生じない。
上記実施形態の計測システムによって得られる計測結果は、たとえば1週間に1度、管理端末器によって親機から回収される。そして、当該計測結果を分析することで、計測エリアBの地面Eの状態(変位の様子)を推定し、地滑り等の土砂災害が生じる可能性が高い危険箇所か否かの判断をすることが可能である。この計測システムを構成する傾斜計Aは、同じ計測エリアBに所定の期間(たとえば1年)設置され、その間に特に傾斜角度の変化がなければ回収されて別の計測エリアに設置される。この計測システムを用いた計測により危険箇所と判断された計測エリアBに関しては、より精度よく地面の変位を計測できる計測器(たとえばレーザ変位計)によって引き続き監視を行うことが望ましい。
なお、傾斜計Aに光あるいは音による発報装置を付加し、傾斜角度がある値を超えたときに発報装置から警報を発するようにしてもよい。また、傾斜計Aの電池18を二次電池とし、この二次電池が太陽電池等で充電される構成としてもよく、この場合、傾斜計Aのメンテナンスの頻度を低減することが可能である。
ところで、上記実施形態では、本発明の計測システムを地滑り等の土砂災害の発生確率の高い危険箇所の特定に使用する例を示したが、その他の用途に本発明の計測システムを用いることも考えられる。たとえば、本発明の計測システムを用いて家屋や橋などの建造物の傾きを測定することが可能であり、この場合、建造物を構成する複数本の柱に測定対象としての鋼管Pをそれぞれ固定する。これにより、各鋼管Pに取り付けられている傾斜計Aにて鉛直方向に対する柱の傾斜角度を計測することが可能となり、計測システムによって建造物の傾きが測定可能となる。
本発明の実施形態1の傾斜計の構成を示す概略ブロック図である。 同上の傾斜計を示し、(a)は設置状態の概略図、(b)は概略斜視図である。 同上の計測エリアを示す概略斜視図である。 同上の子機の基本動作を示すフローチャートである。 同上の子機の動作を示すフローチャートである。 同上の子機の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
7 通信回路
9 加速度センサ
14 モード切替手段
15 同期手段
17 較正手段
19 節電手段
A,A0〜A8 傾斜計
B 計測エリア
E 地面

Claims (1)

  1. それぞれ測定対象に取り付けられ、水平面に対する自己の傾斜角度を加速度センサによって計測する傾斜計を計測エリア内に複数台備え、各傾斜計にそれぞれ設けた通信回路によって計測エリア内の複数台の傾斜計間で無線通信が可能な計測システムであって、各傾斜計は、既定の第1サンプリング周期で傾斜角度を計測する通常モードでの動作中に、第1の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されると第1サンプリング周期よりも短い第2サンプリング周期で傾斜角度を計測する警戒モードに動作モードを切り替え、前記警戒モードでの動作中に、所定の警戒時間に亘り第2の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されなければ前記動作モードを前記通常モードに切り替えるモード切替手段と、動作モードが警戒モードに切り替わるときに計測エリア内の他の傾斜計に対して警戒信号を送信し当該他の傾斜計の動作モードを警戒モードに切り替える同期手段とをそれぞれ有し、
    前記複数台の前記傾斜計のうち1台の傾斜計は親機として機能し残りの傾斜計は子機として機能しており、親機は、子機との通信により子機から傾斜値を収集し、子機は、前記通常モードでの動作中に、所定のスリープ時間に亘り第3の閾値以上の前記傾斜角度の変化が計測されなければ、複数回分の計測値を記憶し一括して親機に送信することで親機との通信の頻度を低下させる節電モードに動作モードを切り替え、且つ節電モードでの動作中に、第4の閾値以上の傾斜角度の変化が計測されれば、動作モードを通常モードに切り替える節電手段を備えることを特徴とする計測システム。
JP2008166231A 2008-06-25 2008-06-25 計測システム並びに傾斜計 Active JP5270232B2 (ja)

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