JP5269106B2 - ファスナーエレメント - Google Patents

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Description

本発明は、スライドファスナー用の金属製ファスナーエレメントに関する。
金属製のファスナーエレメントは、一般に、噛合頭部と、同噛合頭部の基端部から後方に延在する胴部と、同胴部から二股に分岐して後方に延在する左右一対の脚部を有している。このような金属製ファスナーエレメントは、通常、2つの代表的な方法により製造される。
その金属製ファスナーエレメントの1つの製造方法は、先ず、断面がY字状の長尺の線材に多段に圧延加工を施し、この線材を長さ方向に所望の厚みで順次切断してY字形のエレメント素材を作製する。続いて、そのエレメント素材の噛合頭部に当たる部分を局部的に押圧変形させて、噛合凸部及び噛合凹部を成形することによりファスナーエレメントを形成する。
続いて、その形成された前記ファスナーエレメントを、加締め手段により、別途に移送される長尺のファスナーテープの一側縁に沿って一定のピッチで順次植え付ける。これにより、金属製ファスナーエレメントが列設されたファスナーストリンガーが製造される。
また、金属製ファスナーエレメントの他の1つの製造方法は、金属製の平角線材をプレスパンチ及びプレスダイの押圧により塑性変形させて噛合頭部を成形するとともに、その噛合頭部が成形された平角線材をカッティングパンチ及びカッティングダイを用いてエレメントの形状に順次打ち抜くことによって、ファスナーエレメントが1つ1つバラバラの状態で製造される。
このようにして得られたファスナーエレメントは、バレル研磨や化学研磨などの研磨工程や、エレメント表面にクリア塗装等を施す塗装工程が行われた後、ファスナーエレメントの姿勢を整えるパーツフィーダー等を介して長尺のファスナーテープの一側縁に連続的に供給される。そして、その供給されたファスナーエレメントが、加締め手段によりファスナーテープに1つ1つ植え付けられることによって、ファスナーストリンガーが製造される。
この後者の方法により製造されるファスナーエレメントは、プレスパンチ及びプレスダイにより多様な形状の賦形が可能なため、例えば噛合頭部の外観形状や構造が多岐にわたる。また、同ファスナーエレメントは、研磨工程にてエレメント全面に研磨を施して光沢を付与することや、塗装工程にて所望の色調に塗装することができるため、見栄えや意匠性に優れているという利点を有する。
このような金属製の平角線材を打ち抜いて製造されるスライドファスナーの一例が、実開平1−80012号公報(特許文献1)や特開2005−237532号公報(特許文献2)に開示されている。
これらの文献に記載されているファスナーエレメント70は、図18に示したように、噛合頭部71と、同噛合頭部71から延設されたテープ挟持部81とを備えている。
また、同ファスナーエレメント70において、前記噛合頭部71は、薄肉状の平板部72と、同平板部72の上面及び下面に突設された噛合凸部73と、平板部72から上下方向に***し、テープ挟持部81から噛合凸部73の左右側方に向けて延設された左右の***部74とを有している。
前記テープ挟持部81は、噛合頭部71の基端部から段差面84を介して厚肉に延設された胴部82と、同胴部82から左右に分岐して延設された一対の脚部83とを有している。更に、同ファスナーエレメント70は、噛合凸部73、左右の***部74、及び胴部82によって囲まれた噛合凹部76が形成されており、同噛合凹部76に噛合相手方の噛合凸部73が嵌合するように構成されている。
そして、このような金属製のファスナーエレメント70を有するスライドファスナーでは、ファスナーエレメント70がファスナーテープに固着する固着強度が高くなる。また、同スライドファスナーは、左右のファスナーエレメント70を噛合させたときに高い噛合強度が得られるため、横引き力などを受けても、ファスナーエレメント70の噛合が外れる、所謂チェーン割れの発生を防ぐことができる。
更に、前記特許文献2では、図19に示すように、カッティングパンチ91及びカッティングダイ92を用いて金属製の平角線材93からファスナーエレメント70を打ち抜く際に、カッティングダイ92のパンチ側口元周端縁に半径0.01〜1.0mmの面取りがなされており、また、カッティングパンチ91とカッティングダイ92との間に所定の隙間Tが設けられている。
これにより、打ち抜きにより得られた特許文献2の各ファスナーエレメント70は、同ファスナーエレメント70の切断面の80%以上に剪断面を有し、20%より少ない破断面を有することができる。なお、ここで言う剪断面とは、ファスナーエレメント70の切断面に所望の入射角をもって光を照射したときに、その正反射位置から外れた位置から観察すると、照射光が正反射されて暗黒色となる面を指しており、一方、破断面は、照射光が乱反射して白く見える面を指している。
このように切断面の80%以上が剪断面であるファスナーエレメント70は、エレメント表面の平滑度が高く、均質で外観的にも優れた高品質のファスナーエレメント70となり、特に、切断面の90%以上が剪断面であれば、意匠性にも優れ、高級ブランド製品などに好適に使用される。
実開平1−80012号公報 特開2005−237532号公報
前記特許文献2のように、カッティングパンチ91とカッティングダイ92を用いて金属製の平角線材93からファスナーエレメント70を製造する場合、図19に示したように、カッティングパンチ91を平角線材93に対して直交するように上方から下方へ移動させることにより、ファスナーエレメントが打ち抜かれている。このため、得られるファスナーエレメントのエレメント上面(カッティングパンチ91が衝接するエレメント第1面)には、カッティングパンチ91のファスナーエレメントと衝接する衝接面部94(先端面部)の形状が転写される。
また一般に、カッティングパンチ91の衝接面部94のうち、ファスナーエレメントのテープ挟持部上面と***部上面とに衝接する部分(面)は、ファスナーエレメントの見栄えを良くするために、平角線材93の上面と平行な平坦面に形成されている。
従って、このような衝接面部94を有するカッティングパンチ91とカッティングダイ92とにより打ち抜かれたファスナーエレメントのエレメント上面、特に、テープ挟持部の上面及び***部の上面は、平滑な平坦面に形成されている。またこの場合、テープ挟持部の上面及び***部の上面とエレメントの打ち抜き時に形成される切断面(即ち、ファスナーエレメントのエレメント周面)との間に配される稜線部は、角状に形成されている。
これに対して、同ファスナーエレメントの下面(即ち、エレメント第1面とは反対側に配されるエレメント第2面)、特に、テープ挟持部の下面及び***部の下面側では、ファスナーエレメントを打ち抜く際に、その打ち抜きによって形成される切断面とファスナーエレメントの下面との間に配される稜線部が、平角線材から引きちぎられるようにして切断されて形成されるため、当該下面側の稜線部及び同稜線部の近傍が湾曲面状をなしている。
ところで、カッティングパンチとカッティングダイを用いて平角線材から打ち抜かれた金属製のファスナーエレメントは、一般に、ファスナーテープに植え付けられる前に、前述したような研磨工程や塗装工程などの処理が行われている。例えば塗装工程では、複数のファスナーエレメントをバケットに投入し、同バケットを回転させながら塗料を噴霧することによって、ファスナーエレメントが塗装される。
しかしながら、平角線材から打ち抜かれたファスナーエレメントは、そのテープ挟持部の上面と***部の上面とが平坦面に形成されており、且つ、これらの上面とエレメント周面との間に配される稜線部は上述のように角状に形成されている。
このため、例えば同ファスナーエレメントの塗装工程において、塗料が噴霧されながら複数のファスナーエレメントがバケット内で掻き混ぜられたときに、ファスナーエレメントの表面に付着した液状塗料の表面張力と大気圧との影響により、ファスナーエレメントに形成された上述の平坦面と他のファスナーエレメントに形成された平坦面とが、毛細管現象によりくっついて強固に張り付いてしまい、これらのファスナーエレメントが容易に離れなくなる。
従って、複数のファスナーエレメントに塗装工程を行う際に、上述のようにファスナーエレメントのエレメント第1面となる上面同士が液状塗料を介して張り付いてしまうと、当該ファスナーエレメントに適切な塗装をすることができず、塗装不良が発生するという問題があった。また、このようなファスナーエレメントのエレメント上面同士が張り付いて離れない現象は、塗装工程に限らず、液体を用いたその他の処理を行う場合にも発生し、ファスナーエレメントの製品不良を生じさせる原因となっていた。
なお、テープ挟持部及び***部の下面側は、同下面側に配される稜線部と同稜線部の近傍が湾曲面状に形成されているため、ファスナーエレメントに配されたテープ挟持部及び***部の下面と、他のファスナーエレメントのテープ挟持部及び***部における上面又は下面とは互いに張り付き難く、また、当該下面に他のファスナーエレメントが一旦張り付いたとしても、これらのファスナーエレメントは、振動等を受けたときに容易に離間する。このため、ファスナーエレメントの上面(エレメント第1面)側のような、ファスナーエレメント同士が張り付いて離れなくなるといった問題が生じることはなかった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、塗装工程のような液体を用いた処理が行われても、同処理中にエレメント同士が張り付くことのない金属製のファスナーエレメントを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるファスナーエレメントは、基本的な構成として、噛合頭部と、同噛合頭部から延設された二股状のテープ挟持部とを備えるスライドファスナー用の金属製ファスナーエレメントであって、前記ファスナーエレメントは、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて、金属製の平角線材を打ち抜くことにより製造され、前記ファスナーエレメントに液体処理を施す際にファスナーエレメント同士の張り付きが生じる張り付き面は、前記カッティングパンチが衝接する側のエレ
メント第1面と、同エレメント第1面とは反対側のエレメント第2面とを含み、前記ファスナーエレメントの少なくとも前記エレメント第1面に、少なくとも1つの張り付き防止用凸部が突設されてなることを最も主要な特徴とするものである。
また、前記エレメント第2面にも、前記張り付き防止用凸部を更に形成することができる。
更に、少なくとも前記エレメント第1面に、2つの前記張り付き防止用凸部が形成されていることが好ましい。
本発明において、前記噛合頭部は、薄肉状の平板部と、同平板部の前記エレメント第1面及び第2面に突設された噛合凸部とを有し、前記テープ挟持部は、前記噛合頭部の基端部から段差面を介して厚肉に延設された胴部と、同胴部から分岐して延設された一対の脚部とを有し、前記張り付き防止用凸部は、前記テープ挟持部に突設されていることが好ましい。
この場合、前記テープ挟持部の第1面と同一平面により形成される第1領域の噛合頭部側端縁から、前記テープ挟持部の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L1に対して、前記張り付き防止用凸部の頂部から前記テープ挟持部の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L2の割合が、1/2以上に設定されていることが好ましい。
また、前記張り付き防止用凸部の少なくとも一部は、前記胴部により形成される第2領域内に含まれていることが好ましい。
更に、前記脚部は、前記胴部から延設された付け根部と、同付け根部から延設され、外側縁及び直線状の内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部と、同中間部から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部とを有し、前記張り付き防止用凸部は、前記中間部の領域、並びに、同中間部の前方にあって、同中間部の内側縁を前記噛合頭部側に延長させた延長線と、前記胴部及び前記付け根部の外側縁と、前記胴部の前記噛合頭部側端縁とにより囲まれた領域を合わせて形成される第3領域内に含まれていることが好ましい。
更にまた、前記脚部は、前記胴部から延設された付け根部と、同付け根部から延設され、外側縁及び内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部と、同中間部から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部とを有し、前記張り付き防止用凸部は、前記中間部における前記外側縁と内側縁との間の中央線上に配されていることが好ましい。
また、前記張り付き防止用凸部が、前記胴部と前記脚部との境界線を跨いで配されていることが好ましい。
一方、本発明において、前記噛合頭部は、前記エレメント第1面側に凹設された噛合凹部と、前記エレメント第2面側に突設された噛合凸部とを有し、前記テープ挟持部は、前記噛合頭部の基端部から延設された胴部と、同胴部から分岐して延設された一対の脚部とを有し、前記張り付き防止用凸部は、前記テープ挟持部に突設されていても良い。
この場合、前記ファスナーエレメント全体のエレメント長さ方向の寸法L3に対し、前記張り付き防止用凸部の頂部から前記ファスナーエレメントの脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L4の割合が、1/2以上に設定されていることが好ましい。
更に、本発明のファスナーエレメントでは、前記張り付き防止用凸部の突設高さが0.05mm以下に設定されていることが好ましい。
本発明に係るファスナーエレメントは、噛合頭部と、同噛合頭部から延設された二股状のテープ挟持部とを備えており、また、複数のファスナーエレメントに塗装工程のような液体を用いた処理を施す際にファスナーエレメント同士の張り付きが生じる張り付き面の少なくとも1面に、少なくとも1つの張り付き防止用凸部が突設されている。
このような本発明のファスナーエレメントは、従来であれば液体処理を行ったときにファスナーエレメント同士が面接触して張り付き合う張り付き面に、張り付き防止用凸部が予め形成されているので、同ファスナーエレメントに液体処理を行っても、互いに重なり合うファスナーエレメント間にクリアランスを形成して、ファスナーエレメント同士が面接触により強固に張り付いて離れないようになる現象を防ぐことができる。従って、複数の本発明のファスナーエレメントに対して液体を用いた処理を行っても、従来のようなファスナーエレメント同士の張り付きに起因する製品不良の発生を防止することができる。
特に、本発明は、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて、金属製の平角線材を打ち抜くことにより製造されたファスナーエレメントに好適に適用できる。この場合、前記張り付き面は、カッティングパンチが衝接する側のエレメント第1面と、同エレメント第1面とは反対側のエレメント第2面とを含み、前記張り付き防止用凸部は、少なくともエレメント第1面に配されている。
即ち、従来ではファスナーエレメントがカッティングパンチ及びカッティングダイを用いて製造される場合に、エレメント同士の張り付きの問題が顕著に生じていたが、本発明のファスナーエレメントは、カッティングパンチが衝接する側のエレメント第1面に張り付き防止用凸部が配されていることによって、エレメント同士の張り付きの問題を容易に解消することができる。
なお、本発明のファスナーエレメントは、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて金属製の平角線材から製造されるファスナーエレメントに限定されるものではない。例えば、本発明は、断面がY字状の長尺線材を順次切断してY字形のエレメント素材を作製し、得られたエレメント素材の噛合頭部に当たる部分を局部的に押圧変形させて、噛合凸部及び噛合凹部を成形することにより製造される金属製のファスナーエレメントや、金型に溶融した金属を圧入する所謂ダイキャスト成形により所望の形状に成形される金属製のファスナーエレメントにも同様に適用することができる。
また、本発明のファスナーエレメントでは、ファスナーエレメントの前記エレメント第1面とは反対側に配されるエレメント第2面に、前記張り付き防止用凸部を更に形成することができる。これにより、ファスナーエレメントに液体を用いた処理を施す際に、ファスナーエレメントのエレメント第2面と他のファスナーエレメントの第1面又は第2面とが張り付き合うことも確実に防止できる。
その上、ファスナーエレメントのエレメント第1面とエレメント第2面とに張り付き防止用凸部が形成されていることにより、例えば同ファスナーエレメントに化学研磨を行う際に、ファスナーエレメント同士がエレメント第1面やエレメント第2面にて面接触することを防止できるため、各ファスナーエレメントの全体に化学研磨液を円滑に回り込ませることができる。このため、ファスナーエレメント全体に化学研磨を均一に行うことができ、ファスナーエレメントの光沢性にムラが生じず、その外観品質を更に向上させることができる。
更に本発明では、少なくとも前記エレメント第1面に、2つの前記張り付き防止用凸部が形成されている。これにより、ファスナーエレメントに液体を用いた処理を施す際に、ファスナーエレメントのエレメント第1面同士が張り付くことを安定して防止できるとともに、張り付き防止用凸部を目立たないようにファスナーエレメントに設けることができ、ファスナーエレメントの外観品質を低下させることもない。
本発明に係るファスナーエレメントは、前記噛合頭部が、薄肉状の平板部と、同平板部の前記エレメント第1面及び第2面に突設された噛合凸部とを有し、前記テープ挟持部が、前記噛合頭部の基端部から段差面を介して厚肉に延設された胴部と、同胴部から分岐して延設された一対の脚部とを有し、前記張り付き防止用凸部が、前記テープ挟持部に突設されて構成されている。このような構成を有するファスナーエレメントであっても、上述のようなエレメント第1面同士が張り付く現象を防ぐことができる。
この場合、前記テープ挟持部の第1面と同一平面により形成される第1領域の噛合頭部側端縁から、前記テープ挟持部の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L1に対して、前記張り付き防止用凸部の頂部から前記テープ挟持部の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L2の割合が、1/2以上に、好ましくは2/3以上に設定されていることにより、ファスナーエレメント同士が同じ方向を向いて重なり合っても、また反対の方向を向いて重なり合っても、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。
また、前記張り付き防止用凸部の少なくとも一部は、前記胴部により形成される第2領域内に含まれていることによっても、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。
更に、前記脚部は、胴部から延設された付け根部と、同付け根部から延設され、外側縁及び直線状の内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部と、同中間部から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部とを有し、張り付き防止用凸部は、中間部の領域、並びに、同中間部の前方にあって、同中間部の内側縁を噛合頭部側に延長させた延長線と、胴部及び付け根部の外側縁と、胴部の噛合頭部側端縁とにより囲まれた領域を合わせて形成される第3領域内に含まれていることによっても、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。なお、中間部における外側縁及び内側縁がエレメント長さ方向に沿って配されるとは、ファスナーエレメントがファスナーテープに植え付けられた状態において、中間部の外側縁と内側縁とがエレメント長さ方向に略平行に配されていることを言う。
更にまた、前記脚部は、胴部から延設された付け根部と、同付け根部から延設され、外側縁及び内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部と、同中間部から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部とを有し、前記張り付き防止用凸部は、中間部における外側縁と内側縁との間の中央線上に配されていることによっても、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。
また、前記張り付き防止用凸部が、前記胴部と前記脚部との境界線を跨いで配されていることによっても、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。
一方、本発明に係るファスナーエレメントは、前記噛合頭部が、前記エレメント第1面側に凹設された噛合凹部と、前記エレメント第2面側に突設された噛合凸部とを有し、前記テープ挟持部が、前記噛合頭部の基端部から延設された胴部と、同胴部から分岐して延設された一対の脚部とを有し、前記張り付き防止用凸部が、前記テープ挟持部に突設されて構成されていても良い。このような構成を有するファスナーエレメントであっても、上述のようなエレメント第1面同士が張り付く現象を防ぐことができる。
この場合、前記ファスナーエレメント全体のエレメント長さ方向の寸法L3に対し、前記張り付き防止用凸部の頂部から前記ファスナーエレメントの脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L4の割合が、1/2以上に設定されていることにより、エレメント第1面同士の張り付きを確実に防止することができる。
更に、本発明のファスナーエレメントでは、前記張り付き防止用凸部の突設高さが0.05mm以下に設定されている。これにより、例えばファスナーエレメントをファスナーテープに植え付けるために、同ファスナーエレメントをパーツフィーダーやシューターを介してファスナーテープに供給する際に、ファスナーエレメントがパーツフィーダーやシューター内でつまることを防止して、ファスナーエレメントの供給を安定して行うことができる。
更に本発明において、張り付き防止用凸部の突設高さは、液体処理後において、0.05mm以下、好ましくは0.03mm以下に設定されている。これにより、張り付き防止用凸部をファスナーエレメントに目立たなく設けることができる。
また、張り付き防止用凸部の突設高さが上述のように設定されていれば、例えば本発明のファスナーエレメントがファスナーテープに供給された後、同ファスナーエレメントをファスナーテープに加締める際に、張り付き防止用凸部がエレメント加締め手段に擦れてエレメントの塗装が剥がれるといった不具合が生じることも防止できる。
図1は、本発明の実施例1に係るファスナーエレメントを示す斜視図である。 図2は、同ファスナーエレメントのファスナーテープに加締める前の状態を示す上面図である。 図3は、同ファスナーエレメントを有するスライドファスナーの正面図である。 図4は、同ファスナーエレメントの第1領域を説明する説明図である。 図5は、同ファスナーエレメントの第2領域を説明する説明図である。 図6は、同ファスナーエレメントの第3領域を説明する説明図である。 図7は、同ファスナーエレメントの側面図である。 図8は、同ファスナーエレメントを脚部側から見たときの図である。 図9は、同ファスナーエレメントを平角線材から打ち抜くカッティングパンチとカッティングダイを模式的に示す斜視図である。 図10は、同ファスナーエレメントを平角線材から打ち抜くときの状態を模式的に示す要部断面図である。 図11は、2つのファスナーエレメントが、同じ方向を向いて、エレメント第1面が対面するように重なり合った状態を示す側面図である。 図12は、2つのファスナーエレメントが、互いに反対の方向を向いて、エレメント第1面が対面するように重なり合った状態を示す側面図である。 図13は、2つのファスナーエレメントが、同じ方向を向いて、エレメント第2面が対面するように重なり合った状態を示す側面図である。 図14は、ファスナーエレメントの脚部幅と左右の脚部先端間の間隔との関係を説明する説明図である。 図15は、実施例1の変形例となるファスナーエレメントを示す側面図である。 図16は、本発明の実施例2に係るファスナーエレメントを示す斜視図である。 図17は、同ファスナーエレメントの側面図である。 図18は、従来のファスナーエレメントを示す斜視図である。 図19は、同ファスナーエレメントを平角線材から打ち抜くカッティングパンチとカッティングダイを模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 スライドファスナー
2 ファスナーテープ
3 ファスナーストリンガー
4 スライダー
10,10’ ファスナーエレメント
11 噛合頭部
12 平板部
13 噛合凸部
14 ***部
14a 延設部
14b 傾斜部
15 噛合凹部
21,21’ テープ挟持部
22 胴部
23 脚部
23a 付け根部
23b 中間部
23c 湾曲部
23d 中央線
24,24’ 張り付き防止用凸部
25 境界線
26 段差面
31 平角線材
32 カッティングパンチ
32a 先端面部
32b 凹部
33 カッティングダイ
33a 口元部
40 ファスナーエレメント
41 噛合頭部
42 噛合頭部本体
43 噛合凸部
44 噛合凹部
51 テープ挟持部
52 胴部
53 脚部
54 張り付き防止用凸部
61 第1領域
62 第2領域
63 第3領域
以下、本発明の実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する各実施例に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、後述する実施例1及び実施例2のファスナーエレメントは、金属製の平角線材を、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて所定のエレメント形状に打ち抜き、その後、研磨工程や塗装工程を行うことによって製造されている。しかしながら、本発明のファスナーエレメントは、これに限定されるものではなく、液体処理において、ファスナーエレメント同士、又は、液体処理装置とファスナーエレメントとの張り付きが発生する可能性がある全ての金属製ファスナーエレメントに対して適用することができる。例えば、本発明のファスナーエレメントには、断面がY字状の長尺線材を順次切断してY字形のエレメント素材を作製し、その得られたエレメント素材の噛合頭部に当たる部分を局部的に押圧変形させて噛合凸部及び噛合凹部を成形することにより製造される金属製ファスナーエレメントや、ダイキャスト成形により所望の形状に成形される金属製ファスナーエレメントなどが含まれる。
図1は、本実施例1に係るファスナーエレメントを示す斜視図であり、図2は、同ファスナーエレメントのファスナーテープに加締める前の状態を示す上面図である。
なお、以下のファスナーエレメントに関する説明において、エレメント上下方向とは、同ファスナーエレメントをファスナーテープに取着したときにテープ長さ方向となる向きを指すものとする(エレメント第1面側が上方、エレメント第2面側が下方)。また、エレメント長さ方向又は前後方向とはテープ幅方向となる向きを指し(噛合頭部先端側が前方、脚部延端側が後方)、エレメント幅方向(又は左右方向)とはテープ表裏方向となる向きを指すものとする。
本実施例1のファスナーエレメント10は、後述するように、銅合金、ニッケル合金、アルミ等の金属からなる平角線材31を、カッティングパンチ32及びカッティングダイ33を用いて所定のエレメント形状に打ち抜き(図9及び図10を参照)、その後、研磨工程や塗装工程を行うことによって形成されている。
また、同ファスナーエレメント10は、噛合凸部13を有する噛合頭部11(単に噛合頭部と言うこともある)と、噛合頭部11の基端部(後端部)から段差面26を介して延設されたテープ挟持部21とを備えており、噛合頭部11の上面側と下面側とにそれぞれ噛合凸部13が配された所謂両面エレメントとして構成されている。
この場合、ファスナーエレメント10のエレメント上面が、平角線材31から打ち抜かれる際にカッティングパンチ32の先端面が衝接したエレメント第1面となり、エレメント下面が、その反対側のエレメント第2面となっている。
前記噛合頭部11は、表裏方向の中央部に配された薄肉の平板部12と、同平板部12の上面及び下面に突設された噛合凸部13と、平板部12から上下方向に***し、テープ挟持部21から噛合凸部13の左右側方に向けて延設された左右の***部14とを有している。また、同噛合頭部11には、噛合凸部13、左右の***部14、及びテープ挟持部21によって囲まれた噛合凹部15が形成されている。
同噛合頭部11の前記平板部12は、テープ挟持部21よりも薄い所定の板厚をもって形成されており、同平板部12の左右側縁は、平板部12の左右幅方向の寸法が基端側から前端に向けて徐々に小さくなるように、エレメント上下方向から見たときに円弧状又はテーパ状を呈するように形成されている。
前記噛合凸部13は、平板部12の左右中央部に山状に盛り上がるように突設されている。また、同噛合凸部13の頂部における高さ位置(上下方向の位置)、即ち、平板部12の上下面から噛合凸部13の頂部までの上下方向の高さ寸法は、平板部12の上下面からテープ挟持部21(特にテープ挟持部21の後述する胴部22)の上下面までの上下方向の高さ寸法と同じ、又はそれよりも大きく設定されている。
また、本実施例1のファスナーエレメント10をエレメント長さ方向で見たときに、同噛合凸部13の前端縁の位置は、平板部12の前端縁の位置よりも後方に設定されており、噛合凸部13の前端縁と平板部12の前端縁との間には平板部12の上面が配されている。
前記***部14は、平板部12から上下方向に***して形成されており、テープ挟持部21から一定の肉厚で前方に延設されている延設部14aと、同延設部14aの前端から前方に向けて下り傾斜する傾斜部14bとを有している。この場合、同***部14の前端縁は、噛合凸部13の後端縁よりも前方に位置するように配されている。
本実施例1のファスナーエレメント10における前記テープ挟持部21は、噛合頭部11から後方に延設された胴部22と、胴部22から左右に分岐して延設された左右一対の脚部23とを有しており、同テープ挟持部21の上面には、2つの張り付き防止用凸部24が形成されている。
同テープ挟持部21における前記胴部22は、噛合頭部11と左右の脚部23とを連結しており、同胴部22の上下面及び左右側面は、***部14の延設部14aと脚部23の各上下面及び左右側面とそれぞれ同一面に形成されている。
前記脚部23は、胴部22の後端から二股に分岐して延設されており、胴部22から延設された付け根部23aと、同付け根部23aから延設され、ファスナーテープに植え付けられた状態にて外側縁及び内側縁がエレメント長さ方向に沿って直線状に配される中間部23bと、同中間部23bから互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部23cとを有している。この場合、中間部23bは、外側縁と内側縁間の幅寸法がエレメント長さ方向に沿って一定となるように形成されている。
また、本実施例1における左右の脚部23は、ファスナーエレメント10がファスナーテープに植え付けられる前の状態においては、図2に示したように開脚して配されており、ファスナーエレメント10の全体を上面側から見たときに同ファスナーエレメント10は略Y字状を呈している。
この場合、開脚している左右の脚部23の先端部間の間隔Aは、同脚部23の湾曲部23cにおける脚部23幅寸法の最大値(即ち、図2に示したように、湾曲部23cについて、脚部23を上面から見たときに中間部23bの外側縁及び内側縁に対して直交する方向の寸法の最大値)Bよりも大きく設定されている。また、前記間隔Aは、図7に示したような、張り付き防止用凸部24を除いたテープ挟持部21におけるエレメント上下方向の寸法の最大値Cよりも大きく設定されている。
このように前記間隔Aが、前記最大値Bよりも大きく、また、前記最大値Cよりも大きく設定されていることによって、例えば研磨工程や塗装工程などにおいて、複数のファスナーエレメント10を掻き回しながら所定の処理を行う場合に、例えば図14に示したようにファスナーエレメント10の左右脚部23間に他のファスナーエレメント10の脚部23が進入したとしても、これらの脚部23が互いに絡むことを防いで、進入した脚部23を左右脚部23間から容易に抜出させることができる。これにより、各ファスナーエレメント10をバラバラにした状態で、所定の処理を円滑に且つ均質に行うことが可能となり、ファスナーエレメント10の品質にムラが生じることを防止できる。
また、本実施例1のファスナーエレメント10は、後述するように、平角線材31をカッティングパンチ32とカッティングダイ33で上面側から打ち抜くことにより形成されている(図9及び図10を参照)。この場合、同ファスナーエレメント10におけるテープ挟持部21の上面と***部14における延設部14aの上面とを含むエレメント上面は、ファスナーエレメント10を平角線材31から打ち抜くときにカッティングパンチ32が衝接するエレメント第1面によって構成されており、特に、テープ挟持部21の上面と延設部14aの上面とは、カッティングパンチ32の先端面部32aの形状が転写された同一の平坦面をなしている。
更に、同ファスナーエレメント10における周面、即ち、噛合頭部11におけるエレメント外周面と、テープ挟持部21のエレメント外周面(胴部22の左右側面と脚部23の外周面)及び内周面(脚部23の内周面)とは、エレメント打ち抜き時に形成される切断面によって構成されており、また、ファスナーエレメント10のこれらの周面と、平坦面に形成されているテープ挟持部21及び延設部14aの上面との間に配される稜線部は、角状に形成されている。
一方、同ファスナーエレメント10のテープ挟持部21及び延設部14aの下面側では、ファスナーエレメント10を平角線材31から打ち抜く際に、打ち抜き時に形成される前述の切断面(即ち、ファスナーエレメント10の周面)とテープ挟持部21及び延設部14aの下面との間に配される稜線部が、平角線材31から引きちぎられるようにして切断されて形成されるため、当該下面側の稜線部及びその近傍は湾曲面状をなしている。
また本実施例1において、同テープ挟持部21の上面に突設される2つの張り付き防止用凸部24は、それぞれ円錐台状に形成されており、以下に規定する5つの条件のうちの少なくとも1つを満足するように配されている。
先ず、第1の条件として、図4に示したように、テープ挟持部21の上面と同一平面により形成される領域、即ち、テープ挟持部21の上面と延設部14aの上面とにより構成される領域を第1領域61(図4の斜線部分)としたときに、張り付き防止用凸部24が、第1領域61の前端縁からテープ挟持部21の後端縁までのエレメント長さ方向の寸法L1に対して、張り付き防止用凸部24の頂部からテープ挟持部21の後端縁までのエレメント長さ方向の寸法L2の割合が、1/2以上、好ましくは2/3以上となるように配されていることが必要とされる。
次に、第2の条件としては、図5に示したように、胴部22の上面を第2領域62(図5の斜線部分)としたときに、張り付き防止用凸部24の少なくとも一部が、第2領域62内に含まれていることが必要とされる。
第3の条件としては、図6に示したように、脚部23の中間部23bの領域、及び、同中間部23bの前方にあって、同中間部23bの外側縁及び内側縁を噛合頭部11側に延長させた延長線と胴部22の前端縁とにより囲まれた領域とを合わせた領域を第3領域63(図6の斜線部分)としたときに、張り付き防止用凸部24が第3領域63内に含まれていることが必要とされる。
第4の条件としては、図6に示したように、張り付き防止用凸部24は、脚部23の中間部23bにおける外側縁と内側縁との間の中央線23d上に配されていることが必要とされる。
更に、第5の条件として、図6に示したように、張り付き防止用凸部24は、胴部22と脚部23との境界線25を跨いで配されていることが必要とされる。
張り付き防止用凸部24が、このような第1〜第5の条件のうちの少なくとも1つの条件を満足するように配されていることによって、後述するように、本実施例1のファスナーエレメント10に塗装工程のような液体を用いた処理が行われる際に、同ファスナーエレメント10のテープ挟持部21及び延設部14aの上面に、他のファスナーエレメント10がそのテープ挟持部21及び延設部14aの上面を対面させるようにして重ね合わされても(例えば図11や図12を参照)、張り付き防止用凸部24がこれらのファスナーエレメント10間にクリアランスを形成して、ファスナーエレメント10の前記上面同士が液体を解して面接触により張り付くことを確実に防止することができる。
またこの場合、張り付き防止用凸部24におけるテープ挟持部21の上面から張り付き防止用凸部24の頂部までの上下方向の高さ寸法(突設高さ)Hは、例えばファスナーエレメント10がファスナーテープに植え付けられる際において、0.05mm以下、好ましくは0.03mm以下に設定されている。張り付き防止用凸部24の突設高さHがこのような範囲に設定されていれば、張り付き防止用凸部24をファスナーエレメント10に設けても、同張り付き防止用凸部24を目立たないようにすることができる。
なお、この張り付き防止用凸部24は、テープ挟持部21の上面から少しでも突出していれば良いが、特にその突設高さHは0.01mm以上に設定されていることが好ましい。この場合、本実施例1のファスナーエレメント10は、後述するように、平角線材31から打ち抜かれた後に研磨工程が行われるため、平角線材31からファスナーエレメント10を打ち抜くときにおける張り付き防止用凸部24の突設高さHは、研磨工程において張り付き防止用凸部24が削られることを勘案して設定される。
次に、このような本実施例1の金属性ファスナーエレメント10を製造する方法について説明する。
先ず、金属製の平角線材31を準備し、同平角線材31をプレスパンチ及びプレスダイの押圧により塑性変形させて、噛合頭部11の形状、特に平板部12及び噛合凸部13の形状を平角線材31に所定のピッチで成形する。このとき、準備する平角線材31の肉厚は、ファスナーエレメント10の胴部22の肉厚に等しく設定されている。
次に、図9に示したように、噛合頭部11の形状が成形された平角線材31を、その噛合頭部11が成形されている部位がカッティングダイ33の口元部33aの位置にくるまで移送する。そして、噛合頭部11の成形部位が所定の位置まで移送されたら平角線材31を停止させ、カッティングパンチ32を、図10に示すように、カッティングダイ33の口元部33aに進入するように下降させる。このとき、カッティングパンチ32の先端面部32aには、テープ挟持部21の上面に張り付き防止用凸部24を形成するための凹部32bが設けられている。
これによって、図2に示したような略Y字形状のファスナーエレメント10が平角線材31から打ち抜かれると同時に、同ファスナーエレメント10のテープ挟持部21のエレメント第1面に、2つの張り付き防止用凸部24が形成される。なお、図10に表した断面図は、図2に示したファスナーエレメント10のX−X線に対応する部位で切断したときの断面を示している。
このようにして平角線材31からファスナーエレメント10が打ち抜かれた後、個々のファスナーエレメント10を液体処理容器に投入し、バレル研磨や化学研磨などの研磨工程を行うことによって、同ファスナーエレメント10に光沢が付与される。
このとき、本実施例1のファスナーエレメント10では、前述のように、左右の脚部23の先端部間の間隔Aが、同脚部23の湾曲部23cにおける脚部23幅寸法の最大値Bよりも大きく、また、張り付き防止用凸部24を除いたテープ挟持部21におけるエレメント上下方向の寸法の最大値Cよりも大きく設定されている。
これにより、複数のファスナーエレメント10にバレル研磨を行っている際に、ファスナーエレメント10の左右脚部23間に他のファスナーエレメント10の脚部23が絡み合うことを防いで、各ファスナーエレメント10が1つ1つバラバラになった状態で、バレル研磨を均質に行うことができる。なお、このような効果は、後述する化学研磨や塗装を行う際にも得られるため、各ファスナーエレメント10に化学研磨や塗装といった処理を均質に行うことができる。
更に、本実施例1の各ファスナーエレメント10は、その上面側に張り付き防止用凸部24を有し、また、下面側の稜線部及びその近傍が湾曲面状に形成されて構成さているため、例えば複数のファスナーエレメント10にバレル研磨を行っている際に、ファスナーエレメント10がバレル研磨を行う処理槽(バレル)の内壁面に張り付くことを効果的に防止することができる。このため、各ファスナーエレメント10に対して、更に均質な物理的研磨を行うことが可能となり、また、バレル研磨を行った後に処理槽からファスナーエレメント10を回収する際に、その回収作業を容易に行うことができる。
続いて、バレル研磨が施されたファスナーエレメント10に対して化学研磨が行われる。この化学研磨においては、各ファスナーエレメント10に張り付き防止用凸部24が形成されていることにより、ファスナーエレメント10のテープ挟持部21及び延設部14aの上面に他のファスナーエレメント10が面接触することを防止できるため、ファスナーエレメント10の上面側に化学研磨液を円滑に行き渡らせることができ、同ファスナーエレメント10に化学研磨を均質に行うことが可能となる。
上述のような研磨工程が行われた後、得られたファスナーエレメント10に対して、クリア塗装等の塗装工程が行われる。この塗装工程では、複数のファスナーエレメント10をバケットに投入し、同バケットを回転させながら塗料を噴霧することによって、ファスナーエレメント10にクリア塗装又は所望の色調への塗装が施される。
このとき、本実施例1のファスナーエレメント10に張り付き防止用凸部24が形成されていることにより、例えばバケットの回転中に、例えば図11に示したように、ファスナーエレメント10同士が、テープ挟持部21及び延設部14aの上面又は下面を対面させるようにして噛合頭部11が同じ方向を向くように重なり合ったとしても、或いは、図12に示したように、ファスナーエレメント10同士が、テープ挟持部21及び延設部14aの上面又は下面を対面させるようにして噛合頭部11が互いに反対の方向を向くように重なり合ったとしても、これらのファスナーエレメント10の間に張り付き防止用凸部24がクリアランスを形成するため、ファスナーエレメント10同士が液状染料を介して張り付くことを防止できる。
またこの場合、バケットの回転中に、例えば図13に示したように、ファスナーエレメント10のテープ挟持部21及び延設部14aの下面と、他のファスナーエレメント10におけるテープ挟持部21及び延設部14aの下面とが重なり合ったとしても、テープ挟持部21及び延設部14aの下面側の稜線部及びその近傍が湾曲面状に形成されているため、ファスナーエレメント10同士が液状染料を介して張り付くことはなく、それらを容易に離間させることができる。
従って、これらのファスナーエレメント10が、塗装工程中に、従来のファスナーエレメント10のように互いに張り付いて離れないようになることはなく、ファスナーエレメント10の全面を円滑に塗装することができる。従って、ファスナーエレメント10同士の張り付きに起因する塗装不良を生じさせるとはなく、各ファスナーエレメント10に所望の色調を安定して付与することができる。
そして、上述のようにして得られた本実施例1のファスナーエレメント10は、図示しないパーツフィーダーに投入されてファスナーエレメント10の姿勢が整えられた後、図示しないシューターを介して、ファスナーテープのテープ側縁部に、ファスナーエレメント10の左右脚部23間にテープ端縁部が挟まれるようにして供給される。
このとき、ファスナーエレメント10に形成される張り付き防止用凸部24は、その突設高さHが0.05mm以下(好ましくは0.03mm以下)と小さく設定されているため、同ファスナーエレメント10がパーツフィーダーやシューターを介してファスナーテープに供給される際に、ファスナーエレメント10がパーツフィーダーやシューター内でつまることを防止することができる。
その後、ファスナーテープのテープ側縁部に供給されたファスナーエレメント10は、図示しない加締め手段を用いて加締められることによって、テープ側縁部に植え付けられる。このとき、ファスナーエレメント10の加締め手段が、例えばファスナーエレメント10の左右脚部23を包み込むように保持して同左右脚部23をファスナーテープに向けて加締めるものであった場合、張り付き防止用凸部24の突設高さHが0.05mm以下(好ましくは0.03mm以下)と小さく設定されているため、前記加締め手段が張り付き防止用凸部24に干渉することを防止でき、又は、加締め手段が張り付き防止用凸部24に干渉しても、その干渉を小さくする抑えることができる。
これにより、ファスナーエレメント10を加締めてファスナーテープに植え付ける作業を円滑に且つ安定して行うことができるとともに、ファスナーエレメント10の張り付き防止用凸部24が加締め手段と擦れることに起因して、ファスナーエレメント10に施した塗装が剥がれてファスナーエレメント10の地肌が出現することを防止できる。
そして、上述のようにして複数のファスナーエレメント10が、図3に示したように、所定のピッチをもってファスナーテープ2のテープ側縁部に植え付けられることによって、左右一対のファスナーストリンガー3が形成され、更に、同ファスナーストリンガー3のエレメント列にスライダー4が挿通されることによって、スライドファスナー1を製造することができる。
このようにして得られたスライドファスナー1は、各ファスナーエレメント10に塗装不良が生じておらず、また、各ファスナーエレメント10のエレメント全体に光沢や所望の色調を均質に備えているため、見栄えや意匠性に優れた高品質のスライドファスナーとすることができる。
なお、この実施例1では、ファスナーエレメント10のテープ挟持部21の上面側のみに張り付き防止用凸部24が形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図15に示したように、張り付き防止用凸部24は、ファスナーエレメント10’のテープ挟持部21’の上面だけでなく、同テープ挟持部21’の下面側にも2つの張り付き防止用凸部24’を設けることが可能である。
このようにテープ挟持部21’の下面側にも張り付き防止用凸部24’を更に設けることによって、ファスナーエレメント10’に塗装工程などの液体を用いた処理を施す際に、ファスナーエレメント10’のテープ挟持部21’及び延設部14aの下面に、他のファスナーエレメント10’が面接触して張り付いてしまうことを確実に防止できる。
その上、ファスナーエレメント10’のエレメント第1面とエレメント第2面とに張り付き防止用凸部24,24‘が形成されていれば、例えば同ファスナーエレメント10’に化学研磨を行う際に、ファスナーエレメント10’の上面側及び下面側に化学研磨液を円滑に行き渡らせることが可能となるため、同ファスナーエレメント10’の全面に化学研磨をより均質に行うことができ、光沢性にムラが生じることを更に防止できる。
また、実施例1において、ファスナーエレメント10の上面に形成される張り付き防止用凸部24は、上述した5つの条件のうちの少なくとも1つを満足するように配されている。しかし、本発明はこれに限定されず、張り付き防止用凸部を設ける位置は、必要に応じて任意に変更することが可能である。
例えば、ファスナーエレメント10の上面に2つの張り付き防止用凸部24を形成する場合において、一方の張り付き防止用凸部24を、胴部22の上面で、且つ、ファスナーエレメント10の左右方向の中心線よりも左側(又は右側)に配設するとともに、他方の張り付き防止用凸部24を、脚部23の湾曲部23cの上面で、且つ、ファスナーエレメント10の左右方向の中心線よりも右側(又は左側)に配設することも可能である。
更に、本発明において、張り付き防止用凸部24の配設数は各ファスナーエレメント10に必ずしも2つに設定される必要はなく、ファスナーエレメント10の形状や大きさなどに応じて、張り付き防止用凸部24を3つ以上配設しても良い。
例えば、ファスナーエレメント10の上面に3つの張り付き防止用凸部24を形成する場合では、1つの張り付き防止用凸部24を、胴部22の上面で、且つ、ファスナーエレメント10の左右方向の中心線上に配設するとともに、他の2つの張り付き防止用凸部24を、左右の湾曲部23cの各上面に配設することも可能である。
更にまた、実施例1において、各張り付き防止用凸部24は、上述のように円錐台状に形成されているが、本発明において、張り付き防止用凸部の形状も特に限定されるものではない。例えば、張り付き防止用凸部は、ファスナーエレメントの正面視にて、エレメント長さ方向に長い楕円形を呈し、同楕円の中心部が最も盛り上がるような形状をもって、脚部23の中間部23bの上面に形成することも可能である。
図16は、本発明の実施例2に係るファスナーエレメントを示す斜視図であり、図17は、同ファスナーエレメントの側面図である。
本実施例2のファスナーエレメント40は、銅合金、ニッケル合金、アルミ等の金属からなる平角線材を、前記実施例1の場合と同様に、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて所定の形状に打ち抜き、その後、研磨工程や塗装工程を行うことによって形成されている。
同ファスナーエレメント40は、噛合凸部43及び噛合凹部44を有する噛合頭部41と、噛合頭部41の基端部から延設されたテープ挟持部51とを備えており、噛合頭部41の下面側にのみ噛合凸部43を有する所謂片面エレメントとして構成されている。この場合、ファスナーエレメント40のエレメント上面が、平角線材から打ち抜かれる際にカッティングパンチの先端面が衝接したエレメント第1面となり、エレメント下面が、その反対側のエレメント第2面となっている。
前記噛合頭部41は、噛合頭部本体42と、同噛合頭部本体42の上面側に凹設された噛合凹部44と、前記噛合頭部本体42の下面側に突設された噛合凸部43とを有している。また、前記テープ挟持部51は、噛合頭部41から後方に延設された胴部52と、胴部52から左右に分岐して延設された左右一対の脚部53とを有しており、同テープ挟持部51の上面には、2つの張り付き防止用凸部54が形成されている。
なお、本実施例2におけるファスナーエレメント40の左右の脚部53も、前記実施例1のファスナーエレメント40の場合と同様に、ファスナーエレメント40がファスナーテープに植え付けられる前の状態では左右に開脚して配されており、同ファスナーエレメント40は、その全体形状を上面側から見たときに略Y字状を呈している。
本実施例2では、噛合頭部41の噛合頭部本体42の上下面及び左右側面と、テープ挟持部51の上下面及び左右側面とは同一面に形成されている。また、本実施例2のファスナーエレメント40は、平角線材をカッティングパンチとカッティングダイで上面側から打ち抜くことにより形成されているため、同ファスナーエレメント40における噛合頭部本体42の上面と、張り付き防止用凸部54を除くテープ挟持部51の上面とは、カッティングパンチの先端面部の形状が転写された平坦面をなしている。
また、これらの平坦面を形成する噛合頭部本体42及びテープ挟持部51の上面と、ファスナーエレメント40の周面との間に配される稜線部は、角状に形成されている。これに対して、エレメント第2面である噛合頭部本体42及びテープ挟持部51の下面と、ファスナーエレメント40の周面との間に配される稜線部及びその近傍は湾曲面状に形成されている。
更に、本実施例2のファスナーエレメント40に配された2つの張り付き防止用凸部54は、それぞれ円錐台状に形成されている。この場合、同張り付き防止用凸部54は、ファスナーエレメント40全体のエレメント長さ方向の寸法L3に対し、張り付き防止用凸部54の頂部からファスナーエレメント40の脚部53側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L4の割合が、1/2以上となるように配されている。
張り付き防止用凸部54が、このような条件を満足するように配されていることによって、本実施例2のファスナーエレメント40に塗装工程のような液体を用いた処理が行われる際に、同ファスナーエレメント40の噛合頭部本体42及びテープ挟持部51の上面に、他のファスナーエレメント40がテープ挟持部51及び延設部の上面を対面させるようにして、噛合頭部41が同じ方向又は反対方向を向くようにして重ね合わされても、張り付き防止用凸部54がこれらのファスナーエレメント40間にクリアランスを形成して、ファスナーエレメント40同士が液体を解して面接触により張り付くことを確実に防止することができる。
またこの場合、張り付き防止用凸部54におけるテープ挟持部51の上面から張り付き防止用凸部54の頂部までの上下方向の高さ寸法(突設高さ)は、例えばファスナーエレメント40がファスナーテープに植え付けられる際において、0.05mm以下、好ましくは0.03mm以下に設定されている。張り付き防止用凸部54の突設高さがこのような範囲に設定されていれば、張り付き防止用凸部54をファスナーエレメント40に設けても、同張り付き防止用凸部54を目立たないようにすることができる。
このような本実施例2のファスナーエレメント40であれば、前記実施例1のファスナーエレメント40と同様の効果を奏することができる。
例えば、カッティングパンチ及びカッティングダイを用いて平角線材から本実施例2のファスナーエレメント40が打ち抜かれた後、同ファスナーエレメント40に研磨工程にてバレル研磨が行われる。このとき、本実施例2のファスナーエレメント40の上面側には上述のように張り付き防止用凸部54が形成されており、また、下面側の稜線部及びその近傍は湾曲面状に形成されているため、ファスナーエレメント40がバレル研磨を行う処理槽の内壁面に張り付くことを防止できる。これにより、各ファスナーエレメント40に対して均質な物理的研磨を行うことが可能となり、また、バレル研磨を行った後に処理槽からファスナーエレメント40を回収する際に、その回収作業も容易に行うことができる。
また、上述のバレル研磨を行った後に化学研磨を行う際には、各ファスナーエレメント40が張り付き防止用凸部54を有していることにより、ファスナーエレメント40の上面に他のファスナーエレメント40が面接触することを防止できる。このため、ファスナーエレメント40の上面側に化学研磨液を円滑に行き渡らせることができ、同ファスナーエレメント40に化学研磨を均質に行うことが可能となる。
更に、上述のような化学研磨が行われたファスナーエレメント40は、その後、塗装工程が行われる。このとき、各ファスナーエレメント40が張り付き防止用凸部54を有するとともに、同ファスナーエレメント40の下面側の稜線部及びその近傍が湾曲面状に形成されていることにより、塗装工程中に、ファスナーエレメント40同士が液状染料を介して張り付くことを防止して、ファスナーエレメント40の全面に塗装を均質に行うことができる。このため、ファスナーエレメント40同士の張り付きに起因する塗装不良を生じさせるとはなく、各ファスナーエレメント40に所望の色調を安定して付与することができる。
このようにして得られたファスナーエレメント40は、塗装不良が生じておらず、また、エレメント全体に光沢や所望の色調を均質に備えているため、同ファスナーエレメント40を用いて製造されたスライドファスナーは、見栄えや意匠性に優れたものとなる。

Claims (12)

  1. 噛合頭部(11,41) と、同噛合頭部(11,41) から延設された二股状のテープ挟持部(21,21',51) とを備えるスライドファスナー用の金属製ファスナーエレメント(10,10',40) であって、
    前記ファスナーエレメント(10,10',40) は、カッティングパンチ(32)及びカッティングダイ(33)を用いて、金属製の平角線材(31)を打ち抜くことにより製造され、
    前記ファスナーエレメント(10,10',40) に液体処理を施す際にファスナーエレメント同士の張り付きが生じる張り付き面は、前記カッティングパンチ(32)が衝接する側のエレメント第1面と、同エレメント第1面とは反対側のエレメント第2面とを含み、
    前記ファスナーエレメント(10,10',40) の少なくとも前記エレメント第1面に、少なくとも1つの張り付き防止用凸部(24,24',54) が突設されてなることを特徴とするファスナーエレメント。
  2. 前記エレメント第2面に、前記張り付き防止用凸部(24') が更に形成されてなる請求項1記載のファスナーエレメント。
  3. 少なくとも前記エレメント第1面に、2つの前記張り付き防止用凸部(24,54) が形成されてなる請求項1記載のファスナーエレメント。
  4. 前記噛合頭部(11)は、薄肉状の平板部(12)と、同平板部(12)の前記エレメント第1面及び第2面に突設された噛合凸部(13)とを有し、
    前記テープ挟持部(21,21')は、前記噛合頭部(11)の基端部から段差面(26)を介して厚肉に延設された胴部(22)と、同胴部(22)から分岐して延設された一対の脚部(23)とを有し、
    前記張り付き防止用凸部(24,24')は、前記テープ挟持部(21)に突設されてなる、
    請求項1〜3のいずれかに記載のファスナーエレメント。
  5. 前記テープ挟持部(21,21')の第1面と同一平面により形成される第1領域(61)の噛合頭部側端縁から、前記テープ挟持部(21,21')の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L1に対して、前記張り付き防止用凸部(24)の頂部から前記テープ挟持部(21)の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L2の割合が、1/2以上に設定されてなる請求項4
    記載のファスナーエレメント。
  6. 前記張り付き防止用凸部(24)の少なくとも一部は、前記胴部(22)により形成される第2領域(62)内に含まれてなる請求項4記載のファスナーエレメント。
  7. 前記脚部(23)は、前記胴部(22)から延設された付け根部(23a) と、同付け根部(23a) から延設され、外側縁及び直線状の内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部(23b) と、同中間部(23b) から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部(23c) とを有し、
    前記張り付き防止用凸部(24)は、前記中間部(23b) の領域、並びに、同中間部(23b) の前方にあって、同中間部(23b) の内側縁を前記噛合頭部(11)側に延長させた延長線と、前記胴部(22)及び前記付け根部(23a) の外側縁と、前記胴部(22)の前記噛合頭部側端縁とにより囲まれた領域を合わせて形成される第3領域(63)内に含まれてなる請求項4記載のファスナーエレメント。
  8. 前記脚部(23)は、前記胴部(22)から延設された付け根部(23a) と、同付け根部(23a) から延設され、外側縁及び内側縁がエレメント長さ方向に沿って配される中間部(23b) と、同中間部(23b) から互いに接近する方向に湾曲して形成された湾曲部(23c) とを有し、
    前記張り付き防止用凸部(24)は、前記中間部(23b) における前記外側縁と内側縁との間の中央線(23d) 上に配されてなる請求項4記載のファスナーエレメント。
  9. 前記張り付き防止用凸部(24)が、前記胴部(22)と前記脚部(23)との境界線(25)を跨いで配されてなる請求項4記載のファスナーエレメント。
  10. 前記噛合頭部(41)は、前記エレメント第1面側に凹設された噛合凹部(44)と、前記エレメント第2面側に突設された噛合凸部(43)とを有し、
    前記テープ挟持部(51)は、前記噛合頭部(41)の基端部から延設された胴部(52)と、同胴部(52)から分岐して延設された一対の脚部(53)とを有し、
    前記張り付き防止用凸部(54)は、前記テープ挟持部(51)に突設されてなる、
    請求項1〜3のいずれかに記載のファスナーエレメント。
  11. 前記ファスナーエレメント(40)全体のエレメント長さ方向の寸法L3に対し、前記張り付き防止用凸部(54)の頂部から前記ファスナーエレメント(40)の脚部側端縁までのエレメント長さ方向の寸法L4の割合が、1/2以上に設定されてなる請求項10記載のファスナーエレメント。
  12. 前記張り付き防止用凸部(24,24',54) の突設高さが0.05mm以下に設定されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のファスナーエレメント。
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