JP5268144B2 - ナノ粒子/ビニル重合体複合材料 - Google Patents

ナノ粒子/ビニル重合体複合材料 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、ナノ粒子/ビニル重合体複合材料の水性分散体に関する。
(発明の背景)
ナノ粒子およびビニル重合体の水性分散体を製造するいくつかの示唆がある。1つのアプローチでは、このような分散体は、「冷ブレンド」され、すなわち、それらは別々に調製したナノ粒子の水性分散体とビニル重合体および他の重合体の水性分散体とを混合することにより、製造される(例えば、特許文献1および特許文献2)。別のアプローチでは、このビニル重合体は、ナノ粒子の存在下にて、乳化重合により、形成される(特許文献3および特許文献4)。非水性重合体ナノ複合材料もまた、公知である(特許文献5、特許文献6および特許文献7)。
米国特許第6,416,818号明細書 米国特許第6,896,958号明細書 米国特許第6,765,049号明細書 米国特許第6,759,463号明細書 米国特許第6,306,502号明細書 米国特許第6,465,543号明細書 米国特許第6,833,186号明細書
(発明の要旨)
ここで、ナノ粒子/ビニル重合体複合材料(すなわち、ナノ粒子および少なくとも1種のビニル重合体の両方を含有する複合材料粒子)の水性分散体は、そのバルク重合または溶液重合反応塊(すなわち、バルク重合または溶液重合によりこの重合体が形成される反応塊)の形態で、ナノ粒子と重合体とを混ぜ合わせることにより、製造される。
1実施態様では、これらのナノ粒子は、バルク重合または溶液重合塊が水性媒体に分散される前に、この重合体と混ぜ合わされる。この実施態様では、このナノ粒子/ビニル重合体反応塊は、重合が完結する前に、この水性媒体に分散でき、重合の完結は、その水性媒体にて達成される。この時点で、追加モノマーもまた加えられ得る。あるいは、このナノ粒子/ビニル重合体反応塊は、重合が完結した後に、この水性媒体に分散できる。
別の実施態様では、このビニル重合体バルク重合または溶液重合反応塊は、ナノ粒子の予め形成された水性分散体に分散される。他の分散または溶解された重合体もまた、このナノ粒子水性分散体に存在できる。
(詳細な説明)
本発明によれば、ビニル重合体/ナノ粒子複合材料(すなわち、ナノ粒子およびビニル重合体の両方を含有する粒子)の水性分散体は、これらのナノ粒子と重合体とをそのバルク重合または溶液重合反応塊(すなわち、バルク重合または溶液重合により重合体を形成するのに使用される反応塊)の形態で混ぜ合わせることにより、調製される。
(定義)
特に明記しない限り、以下の用語は、以下の意味を有する:
「水性」および「水性媒体」とは、相当量の水を含有する組成物を意味する。それらは、他の成分もまた含有し得る。
「バルク重合」とは、実質的に希釈されていないモノマーからの重合体の形成を意味する。偶発的な量の溶媒、合着剤、可塑剤および/または水もまた、存在し得る。さらに詳細な記載は、「Bulk Polymerization」、Vol.2,pp.500−514,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,(著作権)1989,John Wiley & Sons,New Yorkにあり、その開示内容は本明細書中で参考として援用されている。
「溶液重合」とは、モノマーおよび得られる重合体の両方が存在している希釈剤(例えば、有機溶媒、合着剤、可塑剤および/または水)に実質的に溶解されている重合技術を意味する。それは、「Solution Polymerization」、Vol.15,pp.402−418,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering.(著作権)1989,John Wiley & Sons,New Yorkに記載されており、その開示内容は本明細書中で参考として援用されている。
「分散重合」とは、モノマーの重合が少なくとも初期においてバルク重合または溶液重合により実行され、その後、反応系が水性媒体に乳化または分散される重合技術を意味する。それは、このバルク重合または溶液重合系が水性媒体に分散される前に、重合が実質的または完全な完結まで実行される重合反応を含む。
「乳化重合」とは、モノマーが水性媒体(これは、水溶性開始剤を含有する)に乳化された重合技術を意味する。重合は、主に、界面活性剤により形成されたミセルで起こり、最初に形成されたモノマー小滴では起こらない。後者は、単に、細かいミセルに拡散して膨潤するモノマーのレザバとして、働く。この機構は、最初のモノマー小滴よりも実質的に小さい重合体粒子を生じる。
「重合体」とは、1種またはそれ以上のモノマーの配列により特徴付けられる1個またはそれ以上の繰り返し単位からなる化学物質であって、少なくとも3個のモノマー単位(これらは、少なくとも1個の他のモノマー単位または他の反応物に共有結合されている)を含有する単一重量の大部分の分子を含むものを意味する。このような分子は、一定範囲の分子量にわたって分布でき、また、数平均および/または重量平均分子量と多分散指数とにより、特徴付けることができる。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートまたはそれらの両方のいずれかを意味するのに対して、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの両方のいずれかを意味する。
「重合体が形成される反応塊」および「バルク重合または溶液重合により重合体を形成するのに使用される反応塊」とは、重合が開始する前、重合中または重合が完結した後のいずれであれ、本発明の重合体が形成されるバルク重合または溶液重合反応系を意味する。それは、重合されるモノマー、その重合反応に関与している他の成分(例えば、開始剤、触媒、鎖伸長剤など)だけでなく、溶液重合系に通常含まれる希釈剤(例えば、溶媒、合着剤および可塑剤)から構成される。
水性分散体に関連した「実質的に界面活性剤の非存在下」だけでなく「残留界面活性剤を実質的に含まない」とは、その分散体が重合体粒子を分散体に懸濁または分散させるための界面活性剤を意図的に含ませずに製造されることを意味する。
「懸濁重合」とは、モノマーが、通常、有機溶解性開始剤と共に、まず最初に、水性媒体に乳化され、その後、これらのモノマーが重合される重合技術を意味する。有機溶解性開始剤が使用されるので、重合は、乳化重合の場合のように、ミセルではなく乳化されたモノマー小滴の本体全体にわたって、起こる。その結果、形成された重合体粒子は、典型的には、乳化重合により形成された重合体粒子よりも大きくなる。
「Wt.%」とは、重合体100部あたりのモノマーの重量部、あるいはその成分が一部をなす組成物または物質100重量部あたりの成分の重量部の数を意味する。
(ビニル重合体)
本発明のビニル重合体は、エチレン性不飽和モノマーの鎖伸長重合により形成できる任意の重合体である。このようなモノマーの例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
(i)遊離ラジカル重合可能モノマー
本発明のビニル重合体を形成する際に有用な遊離ラジカル重合可能モノマーの例には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和ニトリル、スチレン性モノマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、共役ジエン、オレフィン、ハロゲン化アリルおよび他のモノマー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
具体例には、式Iを有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルが挙げられる:
Figure 0005268144
ここで、Rは、水素またはメチル基であり、そしてRは、約1個〜100個の炭素原子、さらに典型的には、1個〜50個または1個〜25個の炭素原子を含有し、また必要に応じて、1個またはそれ以上のイオウ原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子または酸素原子を含有する。適切な(メタ)アクリル酸エステルの例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸第三級ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸第二級ブチル、(メタ)アクリル酸第三級ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸クロチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸メタリル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ニトロ−2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アクリルアミドおよびそれらの誘導体、ならびに(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルが挙げられる。アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの混合物は、使用され得る。重合されたアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルは、典型的には、このビニル重合体の100wt.%までを構成し得る。通常、それらは、このビニル重合体の99、98、95または90wt.%以下を構成する。
不飽和ニトリルモノマーには、アクリロニトリルまたはそれらのアルキル誘導体(そのアルキルは、好ましくは、1個〜4個の炭素原子を有し、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど)が挙げられる。また、シアノ基を含有する不飽和モノマー、例えば、式IIを有するものも、適切である:
Figure 0005268144
ここで、Rは、HまたはC2n+1であり、そしてnは、1個〜4個の炭素原子である。不飽和ニトリルモノマーの他の例には、CH−C(CN)、CH−CH=CH−CN、NC−CH=CH−CN、4−ペンテンニトリル、3−メチル−4−ペンテンニトリル、5−ヘキセンニトリル、4−ビニル−ベンゾニトリル、4−アリル−ベンゾニトリル、4−ビニル−シクロヘキサンカルボニトリル、4−シアノシクロヘキセンなどが挙げられる。不飽和ニトリルの混合物もまた、使用され得る。アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。重合された不飽和ニトリルモノマーは、典型的には、このビニル重合体の約60wt.%以下、さらに典型的には、20%、15wt.%、10wt.%、5wt.%または3wt.%以下を構成し得る。
本発明のビニル重合体を調製する際に有用な「スチレン性モノマー」は、芳香環のアルファ位置に炭素−炭素二重結合を含むモノマーとして、定義され得る。このスチレン性モノマーは、次式で表わされ得る:
Figure 0005268144
ここで、nは、0〜2の整数である;R、R、R、R、R、RおよびRは、H、CH、C2m+1、OH、OCH、OC2m+1COOH、COOCH、COOC2m+1、ClおよびBrからなる群から選択され、mは、2〜9の整数であり、そしてRは、H、CH、C2m+1、およびCからなる群から選択される。
適切なスチレン性モノマーの例には、スチレン、アルファ−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、オルト、メタおよびパラ−メチルスチレン、オルト−、メタ−およびパラ−エチルスチレン、o−メチル−p−イソプロピルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、o,p−ジクロロスチレン、o,p−ジブロモスチレン、オルト−、メタ−およびパラ−メトキシスチレン、インデンおよびその誘導体、ビニルナフタレン、多様なビニル(アルキル−ナフタレン)およびビニル(ハロナフタレン)およびそれらの混合物、アセナフチレン、ジフェニルエチレン、およびビニルアントラセンが挙げられる。スチレン性モノマーの混合物もまた、使用され得る。スチレンおよびアルファ−メチルスチレンが好ましい。重合されたスチレン性モノマーは、典型的には、このビニル重合体の約99wt.%以下、さらに典型的には、80%、60wt.%、40wt.%、20wt.%、10wt.%または5wt.%を構成し得る。
1個〜100個、さらに典型的には、1個〜50個または1個〜25個の炭素原子を含有するカルボン酸から誘導されたビニルエステルモノマーもまた、本発明のビニル重合体を調製する際に有用であり得る。このようなビニルエステルモノマーの例には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル2−エチル、オクタン酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ビニルアルコールのネオエステル、ラウリン酸ビニルなどだけでなく、それらの混合物が挙げられる。この重合されたビニルエステルモノマーは、典型的には、本発明のビニル重合体の0wt.%〜約99.5wt.%を構成し得る。
ビニルエーテルは、本発明のビニル重合体を調製する際に、有用であり得る。ビニルエーテルの例には、メチル−、エチル−、ブチル、イソ−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。重合されたビニルエーテルモノマーは、典型的には、本発明のビニル重合体の0wt.%〜約99wt.%、好ましくは、0wt.%〜約50wt.%を構成し得る。
4個〜12個の炭素原子、好ましくは、4個〜6個の炭素原子を含有する共役ジエンモノマーもまた、本発明のビニル重合体を調製する際に有用であり得る。このような共役モノマーの例には、ブタジエン、イソプレン、シス−1,3−ペンタジエン、トランス−1,3−ペンタジエン、シス−1,3−ヘキサジエン、トランス−1,3−ヘキサジエン、2−エチルブタジエン、2−n−プロピルブタジエン、2−i−プロピルブタジエン、2−t−ブチルブタジエン、2−アミルブタジエン、2−n−オクチルブタジエン、4−メチルペンタジエン、シス−3−メチルペンタジエン、トランス−3−メチルペンタジエン、シス−2−メチルペンタジエン、トランス−2−メチルペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、シス,シス−2,4−ヘキサジエン、シス,トランス−2,4−ヘキサジエン、トランス、トランス−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−3−エチルブタジエン、2−メチル−3−i−プロピルブタジエン、2−メチル−3−n−ブチルブタジエン、メルセン(myrcene)、シス−1−フェニルブタジエン、トランス−1−フェニルブタジエン、2−フェニルブタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−フルオロブタジエン、1−クロロブタジエン、2−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブタジエン、2−ブロモブタジエン、ソルビン酸、シス−1−シアノブタジエン、2−メトキシブタジエンなどだけでなく、それらの混合物が挙げられる。ブタジエンがさらに好ましい。重合された共役ジエンモノマーは、典型的には、本発明のビニル重合体の0wt.%〜約99wt.%、好ましくは、0wt.%〜約70wt.%を構成し得る。
2個〜100個の炭素原子、好ましくは、2個〜約10個の炭素原子を含有するオレフィンモノマーもまた、本発明のビニル重合体を調製する際に、有用であり得る。このようなオレフィンの例には、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ヘキセ−1−エン、オクタ−1−エンなどたけでなく、それらの混合物が挙げられる。環状オレフィン(例えば、ビニルシクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクタジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ピネンなど)もまた、使用され得る。重合されたオレフィンは、典型的には、本発明のビニル重合体の0wt.%〜約99wt.%、0wt.%〜約70wt.%、0wt.%〜約30wt.%、または0wt.%〜約10wt.%を構成し得る。
上記ハロゲン含有モノマーとは別に、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素含有モノマーもまた、本発明のビニル重合体を調製する際に、有用であり得る。それらは、2個〜100個の炭素原子と少なくとも1個のハロゲン原子とを含有し得る。このようなモノマーの例には、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン、ハロゲン化(メタ)アクリル酸およびスチレン性モノマー、塩化アリルなどだけでなく、それらの混合物が挙げられる。それらは、典型的には、本発明のビニル重合体の0wt.%〜約99wt.%、0wt.%〜約80wt.%、0wt.%〜約50wt.%、または0wt.%〜約30wt.%を構成し得る。
(ii)極性モノマー
本発明のビニル重合体を調製する際に有用なモノマーの別の群は、極性モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリルアミドおよび置換(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウムおよびビニルスルホン酸ナトリウム、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチル、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、1−(2−((2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロピル)アミノ)エチル)−2−イミダゾリジノン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、フタル酸ジアリル、Sipomer(登録商標)WAMおよびWAM II(Rhodia製)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、およびジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。極性モノマーの混合物もまた、使用され得る。重合された極性モノマーは、典型的には、本発明のビニル重合体の約50wt.%以下、さらに典型的には、約40wt.%、30wt.%、20wt.%、10wt.%または5wt.%以下を構成し得る。それらは、使用するとき、通常、約1wt.%またはそれ以上、さらに典型的には、約2wt.%、3wt.%、4wt.%、6wt.%、8wt.%または10wt.%またはそれ以上で、存在している。
(iii)水分散性向上化合物
ビニル重合体は、一般に、疎水性であり、水分散性ではない。従って、本発明の1実施態様によれば、この重合体の分散を助けて、それにより、そのように製造される分散体の安定性を高めるために、水分散性向上化合物(すなわち、モノマー、鎖伸長剤、開始剤)は、少なくとも1個の親水性、イオン性または潜在的にイオン性の基を有する。典型的には、これは、その重合体鎖に、少なくとも1個の親水性基または(例えば、中和または脱ブロックのような化学変性により)親水性にできる基を持つ化合物を取り込むことにより、なされる。これらの化合物は、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性あるいはそれらの組み合わせであり得る。
例えば、カルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートおよびホスホネートのようなアニオン性基は、不活性形状で、この重合体に取り込むことができ、引き続いて、塩形成化合物(例えば、アンモニア、有機アミンおよびアルカリ金属水酸化物)により、活性化できる。他の水分散性向上化合物もまた、重合体骨格(側方または末端親水性エチレンオキシド、ピロリドンまたはウレイド単位を含む)に反応できる。
特に重要な水分散性向上化合物は、その重合体に酸基を取り込むことができるもの(例えば、少なくとも1個のカルボン酸基、好ましくは、1個または2個のカルボン酸基を有するエチレン性不飽和モノマー)である。このようなモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メサコン酸、シトラコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、上記酸のアルカリ金属塩ならびにそれらのアミン塩またはアンモニウム塩(例えば、アリルスルホン酸ナトリウム、1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(COPS1)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)、ドデシルアリルスルホコハク酸ナトリウム(TREM−LF40)、メタリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルホスホン酸ナトリウム、スルホエチルメタクリル酸ナトリウム)が挙げられる。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。少なくとも1個の酸基を有する重合されたエチレン性不飽和モノマーは、典型的には、本発明のビニル重合体の約50wt.%以下、さらに典型的には、約40wt.%、30wt.%、20wt.%、10wt.%、9wt.%、8wt.%または5wt.%以下を構成し得る。それらは、使用するとき、通常、約1wt.%またはそれ以上、さらに典型的には、約2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%6wt.%、7wt.%、8wt.%、9wt.%または10wt.%またはそれ以上の量で、存在している。
別の群の水分散性向上化合物には、遊離ラジカル変換できる少なくとも1個の官能基を有するアルキレンオキシドの反応性モノマーがある。このようなマクロマーは、当該技術分野で周知であり、次式を有する:
Figure 0005268144
ここで、Yは、1個〜6個の炭素原子、好ましくは、2個〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルであり、Xは、遊離ラジカル変換できる少なくとも1個の官能基(例えば、アクリレート(これは、式HC=CHC(O)O−で表わされ得る)、メタクリレート(これは、式HC=C(CH)C(O)O−で表わされ得る)、アリルエーテル(これは、式HC=CHCHO−で表わされ得る)、ビニルエーテル(これは、式HC=CHO−で表わされ得る)、ビニルベンジル、ビニルスルホン酸エステル(これは、式HC=CHSO−で表わされ得る)、またはメルカプタンであり、Zは、H、C2m+1、ホスフェート、またはXと同じであり、そしてmは、1〜8、好ましくは、1〜3である。「n」は、以下で示す所望の分子量(数平均)を達成するように、変えられ得る。Zは、好ましくは、Hまたはメチルである。Xは、好ましくは、アクリレートまたはメタクリレートである。適切な反応性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレンオキシド(これはまた、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールまたは「MePEGMA」としても、知られている)、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレンオキシドアリルエーテル、ポリエチレンオキシドアリルエーテル、ブトキシポリエチレンオキシド、p−ビニルベンジル末端ポリエチレンオキシド、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドチオール、ポリエチレンオキシドマレイミド、ポリエチレンオキシドビニルスルホン、メタクリル酸エチルトリグリコールなどが挙げられる。反応性マクロマーの混合物もまた、使用され得る。好ましい反応性マクロマーには、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレンオキシド、メトキシポリエチレンオキシドアリルエーテル、およびポリエチレンオキシドアリルエーテルが挙げられる。適切な反応性マクロマーは、約100〜約10,000、好ましくは、約100〜約5,000、さらに好ましくは、約300〜約2,000の分子量(数平均)を有し得る。これらのアルキレンオキシド含有マクロマーは、本発明のビニル重合体の約70wt.%以下、さらに典型的には、約50wt.%、40wt.%30wt.%、20wt.%、10wt.%、9wt.%、8wt.%、5wt.%または3wt.%以下を構成し得る。それらは、使用するとき、通常、約1wt.%またはそれ以上、さらに典型的には、約2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%6wt.%、7wt.%、8wt.%、9wt.%、10wt.%、12wt.%、15wt.%、18wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%またはそれ以上の量で、存在している。
親水性または潜在的に親水性の基もまた、鎖伸長剤(例えば、3−メルカプトプロパン酸、PEGチオールなどおよびそれらの混合物)の使用により、この重合体に導入され得る。
(iv)少なくとも1個の架橋可能官能基を有する化合物
少なくとも1個の架橋可能官能基を有する化合物もまた、もし望ましいなら、本発明のビニル重合体に取り込むことができる。このような化合物の例には、N−メチロールアクリルアミド(NMA)、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)、メタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)、エポキシ含有化合物、−OH含有化合物、−COOH含有化合物、イソシアネート含有化合物(TMI)、メルカプタン含有化合物、オレフィン性不飽和を含有する化合物などが挙げられる。混合物もまた、使用できる。
(v)触媒
使用される反応条件下にて遊離ラジカルを発生できる任意の化合物は、本発明のビニル重合体形成のための触媒として、使用できる。このことに関して、「Initiators」、Vol.13,pp.355−373,Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,(c) 1981,John Wiley & Sons,New York.(その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照のこと。アニオン、カチオンおよび配位重合触媒だけでなく、種々のエネルギー源(例えば、UV、EB、IR、X線)もまた、使用できる。
(ナノ粒子)
本発明の分散体を調製する際に、任意の種類のナノ粒子が使用できる。例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、クラスター、ナノ要素(例えば、ナノ金属およびそれらの合金)、重合体、ワックスなどが使用できる。具体例には、シリカ、アルミナ、セリア、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化スズ、チタニア、酸化タングステン、イットリア、ジルコニア、錯体酸化物(例えば、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト、ケイ酸アルミニウムおよび炭酸バリウム、種々の金属炭化物(例えば、炭化チタン)、金属水酸化物(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガンおよび水酸化セリウム)、天然に存在している物質(例えば、粘土およびタルク)だけでなく、有機研磨材(例えば、ポリスチレン、尿素−ホルムアルデヒドおよびラテックス粒子)が挙げられる。これらのナノ粒子の混合物もまた、使用できる。シリカ、アルミナ、粘土およびタルク、ならびにそれらの混合物は、最もしばしば使用される。個々の粒子が2種またはそれ以上の成分から構成される複合材料ナノ粒子もまた、使用できる。例には、コア−シェル、複数のコア−シェルおよび他の構造が挙げられる。ナノ粒子を調製し処理するいくつかの方法は、米国特許第5,460,701号;第5,514,349号;第5,874,684号;第5,993,967号;第6,033,781号;および第6,669,823号で記載されている。
ナノ粒子はまた、前駆体から、プレポリマーおよび/または分散体において、その場で形成できる。例えば、シリカは、テトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解の結果として、形成できる。もし、加水分解を誘発するなら、TEOSのシリカへの完全または部分的な変換を達成するのに十分な量の水を加える必要がある。前駆体の他の例には、Ti(OiPr)、Al(OiPr)などが挙げられる。前駆体の粒子への変換はまた、ゾル−ゲルプロセスとして、知られている。
さらに、その場でのナノ粒子発生のさらに別の方法は、有機流体のオーバーベース化である。
これらのナノ粒子は、未処理(すなわち、業者から受け取ったままで使用される)であるか種受理官能性および/または効果を加えるために表面処理されるか、いずれかであり得る。このことに関して、微粒子充填剤は、特定の化学反応および性能に影響を与える多種多様な化学物質および/または処理で表面処理できる。いくつかの表面処理には、粒子表面への化学物質の物理的吸着が関与しているのに対して、他の場合には、この化学物質は、その粒子表面に共有結合またはイオン結合できる。また、その表面処理剤は、例えば、界面活性剤または分散剤の場合のように、存在している他の成分と反応できる官能基を含有しないという意味で、非反応性であり得る。あるいは、この表面処理剤は、存在している他の成分と反応できる反応性基を含有できる。シラン含有カップリング剤は、好例である。
これらのナノ粒子の粒径は、広く変えることができ、事実上、ナノ粒子サイズの範囲内の任意の粒子が使用できる。一般に、これらの粒子の平均粒径D50(これは、(例えば、Malvern Mastersizerレーザーベース粒径測定機器を使用することによって)、レーザー光散乱により、決定され得る)は、10ミクロン程度に大きくあり得るが、通常、1ミクロン未満である。約500nmまたはそれ以下、さらに典型的には、250nmまたはそれ以下、あるいは、さらに、100nmまたはそれ以下の平均粒径を有する粒子が重要である。他の実施態様では、この平均粒径は、50nmまたはそれ以下、25nmまたはそれ以下、あるいは、さらに、10nmまたはそれ以下である。いくつかの実施態様では、この粒径は、5nmまたはそれ以下、2nmまたはそれ以下、あるいは、さらに、1nmまたはそれ以下程度に小さくされ得る。
粒径はまた、粒子のバッチ内の全ての粒子が同一の粒径を有する訳ではないので、粒径分布により特徴付けることができる。それゆえ、本発明のいくつかの実施態様では、このナノ粒子バッチ数は、1ミクロン未満のD90(すなわち、このバッチ内の粒子の90%が、1ミクロン未満の直径を有する)を有する。600nmまたはそれ以下、500nmまたはそれ以下、200nmまたはそれ以下、100nmまたはそれ以下、50nmまたはそれ以下、10nmまたはそれ以下、さらに、1nmまたはそれ以下のD90を有するナノ粒子バッチは、特に重要である。
100nmまたはそれ以下のD90を有するナノ粒子バッチは、このサイズのナノ粒子が重合体マトリックス内で分散されたときに肉眼で半透明から透明になるので、特に重要である。
本発明のビニル重合体におけるナノ粒子の濃度もまた、広く変えることができ、事実上、任意の量が使用できる。典型的には、このことは、この重合体が、約75wt.%以下、さらに典型的には、約50wt.%以下、40wt.%30wt.%、20wt.%、15wt.%、12wt.%、10wt.%、9wt.%、8wt.%、7wt.%、6wt.%、5wt.%、4wt.%または3wt.%以下の本発明のビニル重合体を含有することを意味する。それらは、使用するとき、通常、約1wt.%またはそれ以上、さらに典型的には、約2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%6wt.%、7wt.%、8wt.%、9wt.%、10wt.%、12wt.%、15wt.%、18wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%またはそれ以上の量で、存在している。
(溶液重合またはバルク重合)
本発明によれば、ビニル重合体/ナノ粒子複合材料(すなわち、ナノ粒子およびビニル重合体の両方を含有する粒子)の水性分散体は、(すなわち、バルク重合または溶液重合によりこの重合体が形成される反応塊)の形態で、ナノ粒子と重合体とを混ぜ合わせることにより、調製される。言い換えれば、本発明の水性分散体の重合体を形成するために、先行技術で使用された乳化重合技術ではなく、バルク重合または溶液重合技術が使用される。
当該技術分野で理解されているように、共重合された水分散性向上化合物(例えば、アクリル酸、メタクリル酸または他の酸モノマー)を含有する分散されたビニル重合体の化学反応は、この重合体をいかにして製造するかに依存して、異なる。もし、この重合体が乳化重合技術により製造されるなら、この酸モノマーは、水相で溶解性であるので、ミセル/水界面に存在する傾向にある。結果として、形成された重合体粒子は、共重合された形態で他のモノマーの全てを含有する本体部分と、事実上、単独重合体形態である酸モノマーの微細な「ヘア」から構成される表面部分とから構成される。しかしながら、バルク重合または溶液重合技術より製造された重合体では、重合がほぼ均一な性質であるために、親水性モノマーは、他のモノマーから分離されず、むしろ、全てのモノマーがそれらの反応比に従って事実上ランダムに共重合する。従って、形成され分散された粒子は、その粒子のバルクの全体にわたって、ほぼ均質または均一な構造を有する。本発明によれば、最終的に生成されるナノ粒子/ビニル重合体水性分散体の重合体を形成するために、バルク重合または溶液重合技術が使用される。結果として、得られるナノ粒子/ビニル複合材料粒子は、モノマーがナノ粒子の存在下にて乳化重合されていた先行技術により製造されたものとは、構造的に異なる。
エチレン性不飽和モノマーをバルク重合または溶液重合する技術は、従来技術で周知であり、例えば、上記のKirk−Othmerの論文に記載されている。また、「Initiators」、Vol.13,pp.355−373,Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,(著作権)1981,John Wiley & Sons,New York(その開示内容もまた、本明細書中で参考として援用されている)を参照のこと。本発明のビニル重合体を製造する際には、任意のこのような技術が使用される。
溶液重合を使用する場合、水は、系内のモノマーおよび重合体のいくつかの溶解を助け得るので、周知技術に従って、その溶液重合反応塊に存在できる。例えば、イソプロピルアルコール中の水の共沸混合物は、溶液重合のための有効な溶媒として、役立つ。もし、水が存在しているなら、使用される水の量は、その系を乳化重合レジメンに変換する量未満で保たれるべきである。水は、唯一の溶媒として使用できるか、あるいは系に事実上存在していないものの、系内の水の量は、この系内の液状希釈剤の重量に基づいて、通常、約75wt.%を超えず、さらに典型的には、この系内の液状希釈剤の重量に基づいて、約50wt.%、40wt.%30wt.%、20wt.%、15wt.%、12wt.%、10wt.%、9wt.%、8wt.%、7wt.%、6wt.%、5wt.%、4wt.%または3wt.%以下である。水は、使用するとき、通常、約1wt.%またはそれ以上、さらに典型的には、約2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%6wt.%、7wt.%、8wt.%、9wt.%、10wt.%、12wt.%、15wt.%、18wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%またはそれ以上で、存在している。溶液(およびバルク)重合は、実質的に水の非存在下にて、達成できる。
(水に分散する前の重合体とナノ粒子との混ぜ合わせ)
本発明の1実施態様では、これらのナノ粒子は、その反応塊を水性媒体に分散する前に、このビニル重合体のバルク重合または溶液重合反応塊と混ぜ合わされる。
(i)ナノ粒子と重合体反応塊との混ぜ合わせ
これらのナノ粒子と重合体反応塊との混ぜ合わせは、いずれの様式でも行うことができる。例えば、これらのナノ粒子は、それらを混ぜ合わせてバルク重合または溶液重合反応塊を形成する前に、この重合体を形成する1種またはそれ以上の成分(例えば、遊離ラジカル重合可能モノマー、極性モノマーおよび/または水分散性向上モノマー)と混ぜ合わせることができる。あるいは、これらのナノ粒子は、そのバルク重合または溶液重合反応中のいずれかの時点で、バルク重合または溶液重合反応塊と混ぜ合わせることができる。これらのナノ粒子はまた、もし望ましいなら、重合が実質的または完全に完結した後に、このバルク重合または溶液重合反応塊と混ぜ合わせることができる。使用される特定の手順とは関係なく、これらのナノ粒子は、このバルク重合または溶液重合反応塊およびナノ粒子のブレンドまたは混合物(好ましくは、混合物)が水に分散される前に形成されるように、この反応塊と混ぜ合わされるべきである。
また、溶液重合技術を使用する場合、溶媒の一部または全部は、もし望ましいなら、反応系が水に分散される前に、あるいは反応系がナノ粒子と混ぜ合わされる前に、除去できる。
(ii)反応塊の水への分散
一旦、これらのナノ粒子がバルク重合または溶液重合反応塊と混ぜ合わされると、そのように形成された混合物は、水性媒体に分散されて、この混合物の分散体を形成する。これは、バルク重合または溶液重合により製造された他のビニル重合体が水に分散されるのに同じ様式で、任意の通常の技術により、行うことができる。通常、これは、このナノ粒子/重合体ブレンドと水性媒体とを混合しながら混ぜ合わせることにより、行われる。もし望ましいなら、溶液重合に使用される溶媒はまた、この分散工程の前または後に、部分的または完全に除去できる。
これらのナノ粒子は、バルク重合または溶液重合反応において、この重合体と混ぜ合わされるので、水に分散すると形成される個々のナノ粒子/重合体複合材料粒子は、ナノ粒子および重合体の密接な混合物から構成される。別々に分散されたナノ粒子は、通常、避けられる。その結果、得られた水性分散体は、別々に分散されたナノ粒子(すなわち、重合体と結合されていないナノ粒子)を実質的に含まず、好ましくは、ほぼ完全に含まない。
このナノ粒子/ビニル重合体反応塊を水性媒体に分散することは、通常、重合が完結した後に、行われる。しかしながら、それはまた、重合が完結する前に行うことができ、重合の完結は、この水性媒体中で達成される。もしそうなら、重合は、通常、分散前に、少なくとも20%完結すべきである。さらに典型的には、重合は、分散前に、50、75、85、90、95または99%完結される。しかしながら、いずれにしても、これらのナノ粒子は、この重合体が形成される反応塊が水に分散される前に、この反応塊と混ぜ合わされる。結果として、この重合体の相当な部分は、全体的に形成されようと部分的に形成されようと、ナノ粒子/重合体複合材料(すなわち、ビニル重合体およびナノ粒子の両方を含有する不連続粒子)の形態である。
(iii)分散相での重合
このナノ粒子/ビニル重合体反応塊が、重合が完結する前に、水性媒体に分散される場合、重合の完結は、水に分散されたエチレン性不飽和モノマーの重合を達成する任意の技術により、行うことができ、これらの技術は、当該技術分野で周知である。例えば、Lovell and Aaser,Emulsion Polymerization and Emulsion Polvmers.J.Wiley & Sons(1997)(これは、当業者に周知の遊離ラジカル重合方法を記載している)を参照のこと。追加モノマーもまた、公知技術に従って、任意の時点、すなわち、分散後に加えられ得る。
(重合体と水性ナノ粒子分散体との混ぜ合わせ)
本発明の別の実施態様では、このビニル重合体バルク重合または溶液重合反応塊は、ナノ粒子の予め形成された水性分散体に分散される。このようにして生成される生成物であるビニル重合体/ナノ粒子分散体は、少なくともいくつかの別個に分散されたナノ粒子(すなわち、ビニル重合体を事実上含まない分散された粒子)を含有し得るものの、それらは、それにもかかわらず、本発明によるビニル重合体/ナノ粒子複合材料粒子を相当な濃度で含有する。
このアプローチを使用するとき、このバルク重合または溶液重合反応塊は、このビニル重合体の重合が事実上完結した後に、この水性ナノ粒子分散体に分散できる。あるいは、この反応塊は、重合が完結する前に、この水性ナノ粒子分散体に分散でき、重合の完結は、この水性ナノ粒子分散体中で達成される。もしそうなら、重合は、通常、分散前に、少なくとも20%完結おり、さらに典型的には、50、75、85、90、95または99%完結している。
このような水性ナノ粒子分散体には、もし望ましいなら、追加モノマーを加えることができる。それに加えて、他の分散および溶解された重合体およびオリゴマーもまた、このようなナノ粒子水性分散体に存在できるか、および/または加えることができる。
(乳化剤を実質的に含まない分散体)
(i)水分散性向上化合物
本発明の特定の実施態様では、この重合体が乳化剤(界面活性剤)を加えることなく安定な分散体を形成するのに十分な水分散性向上化合物を含有する場合、本発明のビニル重合体/ナノ粒子水性分散体は、このような乳化剤(界面活性剤)なしで、製造できる。すなわち、この分散体は、実質的に界面活性剤を含まずに調合される。それに加えて、それはまた、もし望ましいなら、実質的に合着剤も含まずに調合される。このアプローチの長所は、多大である。
例えば、乳化剤をなくすと、分散体および存在している乳化剤の直接的な結果として分散体から製造された生成物の両方において遭遇する問題がなくなるか少なくなる。このような問題の例にに、発泡、乏しい塗膜形成、乏しい接着性、乏しい耐水性および細菌成長(例えば、カビおよび白カビ)の援助がある。高含量の水分散性向上化合物もまた、得られる複合材料粒子の粒径を小さくし、これは、良好な塗膜形成および分散性向上を促進する。
合着剤に関して、多くのビニル重合体水性分散体(特に、乳化重合により得られたもの)は、塗膜形成を助けるために、合着剤を必要とする。典型的な合着剤は、揮発性有機化合物(例えば、有機エステル、エーテルおよび他の低分子量後化合物)である。グリコールのモノブチルエーテル、Texanol(商標)およびOxols(商標)は、好例である。通常のビニル重合体水性分散体は、10%までまたはそれ以上のこのような化合物を含有できる。本発明のこの局面によれば、このような合着剤は、部分的または完全になくすことができ、それにより、VOC含量が著しく低い生成物分散体が得られる。
(ii)重合体の中和
このビニル重合体がペンダントカルボン酸または他の酸基を生成する水分散性向上化合物を含有する場合、これらの基は、そのプレポリマーの水分散性を高めるために、カルボキシレートまたは他のアニオンに変換できる。
この目的のために適当な中和剤には、水酸化アンモニウム、金属水酸化物、アミン、ホスフィン、および当業者に周知の他の試薬が挙げられる。水酸化アンモニウムが好ましい。有用なアミンの例には、2−アミノ−2−メチル−プロパノール−1(AMP−95)、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、N−メチルモルホリン、ウロトロピン(urotropin)、DABCOなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
(追加成分および特徴)
(i)その他のポリマーおよびポリマー分散物とのブレンド
本発明の分散物は、当業者に周知の方法によって市販のポリマーおよびポリマー分散物と組み合わされ得る。このようなポリマーおよび分散物は、WIPO公報WO02/02657A2、米国特許第4,920,176号、米国特許第4,292,420号、米国特許第6,020,438号、米国特許第6,017,997号およびD.P.TateおよびT.W.Betheaによる総説論文、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2巻、537頁に記載されているものを含み、これらの開示は、参考として本明細書中に援用される。
同様に、本発明の分散物は、別のポリマーまたはポリマーおよび/またはナノ粒子の先に形成された水性分散物中にこのナノ粒子/プレポリマー混合物を分散 することにより形成され得る。換言すれば、本発明に従って、このナノ粒子/プレポリマー混合物が分散される水性媒体は、それ自体、エマルジョン重合技法および懸濁重合技法によって作製された別のポリマーまたは複数のポリマー、および/またはナノ粒子の先に形成された水性分散物であり得る。
(ii)その他のポリマーとのハイブリッド
本発明の水性分散物はまた、その他のポリマーとのポリウレタンのハイブリッドを形成するためのシードポリマーとして用いられ得る。これは、上記に記載の 様式でナノ粒子/ポリウレタンコンポジットの水性分散物を形成すること、そして次に、これらの分散物の存在下でエマルジョンまたは懸濁重合によってさらなるモノマーを重合することによって行われ得、すなわち、本発明の分散物は、重合が終了する前にさらなるモノマーと混合される。ポリウレタンおよびアクリルのハイブリッドは、このアプローチによって有利に作製され得る。
(iii)可塑剤
本発明のポリウレタンプレポリマーおよび最終的なポリウレタン産物は、可塑剤の存在下で調製され得る。この可塑剤は、プレポリマー調製または分散の間の任意の時間に、またはポリウレタンにその製造の間またはその製造後に添加され得る。当該技術分野で周知の可塑剤が、特定のポリウレタンとの適合性、および最終組成物の所望の性質のようなパラメーターに従って、本発明における使用のために選択され得る。
(iv)分散物の調製のためのその他の添加物
当業者に周知のその他の添加物が、本発明の分散物の調製を支援するために用いられ得る。このような添加物は、安定化剤、消泡剤、抗酸化剤(例えば、IrganoxTM 1010)、UV吸収剤、カルボジイミド、アクティベーター、硬化剤、カルボジイミドのような安定化剤、着色剤、色素、中和剤、シックナー、非反応性および反応性可塑剤、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DPM)のような融合剤、ワックス、スリップおよび離型剤、抗微生物剤、PluronicTMF68−LFおよびIGEPALTMCO630およびシリコーン界面活性剤のような界面活性剤、金属、合体剤、塩、難燃剤添加物、抗オゾン剤などを含む。これらは、当業者に周知であるように、本発明の分散物の処理の前および/またはその間に必要に応じて適切に添加され得る。添加物はまた、物品を作製するため、またはその他の産物を処理するために適切に 用いられ得る(例えば、含浸、飽和、噴霧、被覆などによる)。本発明の分散物は、代表的には、少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約25重量%そしてより好ましくは少なくとも約30重量%の総固形分を有する。
(用途)
ナノ粒子は、重合体にいくつかの有用な特性を与えることができ、これらには、摩耗、傷および引っかき傷耐性、障壁特性、自己洗浄特性、難燃性、薬品および汚れ耐性、高い引張り強度、触媒、殺菌、磁気、光学および電気特性、UV安定性、UVブロッキングなどが挙げられる。
本発明の水性コンポジット粒子分散物は、プレポリマーおよび鎖伸長された形態の両方で、紙、不織材料、織物、皮革、木材、コンクリート、コンクリートブロック、金属、ハウスラップおよびその他の建物材料、ガラスファイバー、ポリマー物品、個人保護装備(顔マスク、医療用かけ布およ びガウン、ならびに消防夫非常ギアを含む危険用材料)などのような多孔性および非多孔性基質のための被覆およびフィルムを作製するために用いられ得る。用途は、紙および不織布;繊維材料;フィルム、シート、コンポジット、およびその他の物品;インクおよび印刷バインダー;フロックおよびその他の接着剤;および皮膚ケア、毛髪ケア、および爪ケア製品のような個人ケア製品;家畜および種子用途などを含む。
任意の繊維性材料は、本発明の組成物で当業者に周知の方法によって、被覆、含浸またはそうでなければ処理され得、カーペットおよび衣類に用いられる織 物、室内装飾材料、テント、天幕などで用いられる織物を含む。適切な織物は、織物、不織物、または編まれたにかかわらず、そして天然、合成、または再生にかかわらず、編物、ヤーン、およびブレンドを含む。適切な織物の例は、酢酸セルロース、アクリル製品、ウール、綿、ジュート、リネン、ポリエステル、ポリアミド、再生セルロース(レーヨン)などを含む。
本発明の組成物は、接着剤として、または当業者に周知の接着剤タイプを増強または補足するために用いられ得る。
本発明を例示するために、以下の実施例を提供する。
三口フラスコ(これは、水浴に沈め、そして攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素入口チューブを備え付けた)に、イソプロパノール55グラム、n−ドデシルメルカプタン9.3グラム、重合開始剤(Vazo67)0.9グラム、メタクリル酸メチル123グラム、アクリル酸ブチル84グラム、メタクリル酸13グラム、およびNanOsil(Energy Strategy Associates製のナノシリカ、重量平均粒径=50nm)6.6グラムを加えた。窒素雰囲気で、この容器の内容物の温度を70℃にし、その反応混合物を、この温度で、1時間撹拌した。次いで、この温度を80℃にし、そして40分間維持した後、1時間にわたって、84℃までさらに高めた。重合を完結させるために、Vazo 67(0.2グラム)のイソプロパノール1グラム溶液から構成されるブースターを加え、その反応混合物を、84℃で、さらに1.5時間保持した。18%アンモニア水溶液27グラムを徐々に加えることにより、酸を中和した。
次いで、そのように得られた熱重合体溶液を、18%アンモニア水6グラムの水460グラム溶液(これは、70℃まで予め温めた)に分散して、ビニル重合体/ナノ粒子複合材料の水分散体を生成した。この分散体は、以下の特性を有していた:
全固形分30%、pH9.2、
ブルックフィールド粘度360cP、
粒径110nm(PDI=1.5)。
(試験方法)
1.Bookfield粘度。Bookfield粘度試験は、Bookfield RV粘度計およびスピンドル#3〜#6(粘度に依存して)を用い、20rpmおよび約77゜Fで行った。
2.粒子サイズ測定。分散物の粒子サイズおよびサイズ分布は、Submicron Particle Sizer AutodilutePAT Model 370(NICOMP Particle Sizing Systems)によって、ガウス分布をもつ強度平均を用いて得られた。
3.固形分含量。総固形分は、Moisture/Solids Analyzer LabWare9000TM(CEM Corporation)によって測定された。
4.pH測定。pH読み取り、Acumet Basic pH Meter(Fisher Scientific)を用いて行った。
本発明の2〜3の実施形態のみが上記で説明されているが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく多くの改変がなされ得ることが認識されるべきである。すべてのこのような改変は、本発明の範囲内に含まれ得、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ制限される。

Claims (11)

  1. ナノ粒子/ビニル重合体複合材料の水性分散体を製造する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
    (a)ナノ粒子と該ビニル重合体を形成するモノマーとを混ぜ合わせる工程、
    (b)バルク重合または溶液重合により、反応塊におけるモノマーのポリマーへの変換が少なくとも20%完結するまで、該ビニル重合体を形成するモノマーの重合を開始する工程、および
    (c)工程aおよびbの後に、該反応塊を水性媒体中に分散させる工程、
    ここで、該ナノ粒子が、250nm未満の光散乱強度測定による平均粒径を有する、方法。
  2. ナノ粒子およびビニル重合体の混合物が、引き続いてさらに重合されてビニル重合体を形成する成分に該ナノ粒子をさらに加えることにより、製造される、請求項1に記載の方法。
  3. ナノ粒子およびビニル重合体の混合物が、前記ビニル重合体が少なくとも85%重合した後に、該ナノ粒子を該ビニル重合体にさらに加えることにより、製造される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ナノ粒子およびビニル重合体の混合物が、前記重合体を形成するモノマーの重合が少なくとも50%完結した後に、水性媒体に分散され、前記方法が、さらに、該水性媒体中にて重合を完結させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  5. 追加エチレン性不飽和モノマーが、前記分散体に加えられる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記重合体が、該重合体が実質的に界面活性剤の非存在下にて安定な水分散体を形成するように、十分な水分散性向上化合物を含有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記水分散性向上化合物が、カルボン酸基あるいはそれらのアルカリ金属塩、アミン塩またはアンモニウム塩を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記水分散性向上化合物が、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキレンオキシド基を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記ナノ粒子が、シリカ、アルミナ、セリア、酸化亜鉛、粘土、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ナノ粒子が、該ナノ粒子および前記重合体を合わせた重量に基づいて、0.05〜30重量パーセントで存在している、請求項1に記載の方法。
  11. さらに、前記ビニル重合体およびナノ粒子を水に分散させる工程、その後、1種またはそれ以上の追加モノマーを重合体および水の該分散体の存在下で重合させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
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